JP7487435B1 - 循環流水式屋根融雪装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋根上の雪を、既設建屋に追加施工が可能な簡便な装置で、低ランニングコストで融雪する。【解決手段】屋根瓦の上面あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の上面に塗布した撥水塗料によって降雪を谷部へ集め、谷部に貼付した断熱シートの上面に水を流すことによって谷部の雪を融雪し、融雪した後の水を貯水槽に回収し、貯水槽に回収した水を必要に応じて必要最低限に加温して循環使用することにより、既設建屋に追加施工が可能な簡便な装置で、低ランニングコストで融雪する。【選択図】図1

Description

本発明は、既存の瓦屋根あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根に追加施工が可能な簡便な装置で、低ランニングコストで融雪する循環流水式屋根融雪装置に関するものである。
降雪量の多い地域では建物の倒壊防止や落雪による事故の防止を目的として雪下ろし作業を行う必要があるが、屋根に上がって行う雪下ろし作業は作業者が屋根から転落する危険性があり、また、屋根から下した雪の捨て場所までの運搬に多大な労力が必要となるので、高齢世帯や独居世帯にとっては危険かつ身体的負担の大きな作業であり、既設建屋に追加施工が可能で導入コスト及びランニングコストが安価な屋根融雪装置が望まれる。
現有の屋根融雪装置には散水方式、電気ヒーター方式、温水方式がある。
散水方式は地下水またはボイラーで加熱した温水を屋根の表面全体に散水する方式であり、融雪した後の水の全量を雨水排水路へ流出させる場合には多量の水が必要となる。地下水使用の場合には運転コストは比較的安価であるが、井戸の掘削に多大なコストが必要であり、地下水の大量使用による地盤沈下を招く場合があるのと、冬季渇水によって必要時に使用できない場合がある。また、地下水または水道水を加温して循環使用する場合には、散水する水が大気および屋根面と触れ合うことによる失熱量が大きいので、加温に必要なガス料金あるいは電気料金の高額化を招く。
そして、電気ヒーター方式は金属屋根材あるいは屋根瓦の表面に絶縁被覆で覆われた電熱線を熱伝達率の高い金属製テープで貼り付け、電熱線に通電して屋根上の雪を融かす方式であり、設置後のメンテナンスは殆ど必要ないが、屋根全体に電熱線を張り巡らす必要があるので導入コストが大きく工期も長い。そして、屋根全体を温めるので必要な熱量が大きく、大気への失熱量も大きいので電気料金が高額となる。
また、温水方式はガスまたは灯油を燃料として、ボイラーによって加熱された不凍液を屋根内部あるいは屋根表面に張り巡らせたパイプ内を循環させることによって屋根上の雪を融かす方式であり、屋根内部にパイプを張り巡らせる場合には家の外観が変わらないというメリットがあるが、屋根の葺き替えが必要なので導入コストが大きく工期も長い。そして、屋根全体を温めるので結露が生じることと、屋根全体を温めるために必要な熱量が大きく、大気への失熱量も大きいので運転コストが高い。一方、屋根表面にパイプを張り巡らせる場合には屋根の葺き替えが必要ないので導入コストが小さく工期も短いが、屋根全体を温めるために必要な熱量が大きく、大気への失熱量も大きいので燃料代が高額となる。
特開2009―228316号公報
解決しようとする課題は、屋根上の雪を既設建屋に追加施工が可能な簡便な装置で、低ランニングコストで融雪することである。
本発明は、屋根瓦あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の表面に塗布した撥水塗料によって降雪を屋根瓦の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の各谷部へ集めることと、谷部の上面を最上部から雨樋まで流す水によって、各谷部に集めた雪を融雪し、融雪した後の水を貯水槽に回収し、貯水槽から汲み上げた水を融雪に必要な熱量分だけ加温して、循環使用することを最も主要な特徴とする。
本発明の循環流水式屋根融雪装置は、地下水あるいは加温した水道水を屋根の表面全体に散水して融雪後の水を雨水排水路へ流出させる散水方式とは異なり、貯水槽に回収した融雪後の水を必要な熱量分だけ加温して循環使用するので、使用する水量が極めて少なく、地下水の枯渇の怖れがなく、使用する水道水の量は僅少であり、雨水排水路への無駄な熱量の流出がなく、循環使用に必要とされる熱量を融雪に必要な熱量に抑制できる。
また、本発明の循環流水式屋根融雪装置は、地下水あるいは水道水を屋根の表面全体に散水し、加温して循環使用する散水方式とは異なり、撥水塗料の働きによって屋根瓦の山部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の山部から滑雪して各谷部に集まった雪を、谷部に貼付した断熱シートの上面を流れる流水によって融雪するので、流水が大気や屋根瓦あるいは金属製折板屋根材と直接接触する面積が極めて小さく、大気への失熱量も屋根瓦や金属製折板屋根材への熱伝導による失熱量も極めて少ないので、貯水槽に回収した水を循環使用するための加温に必要な熱量を小さくできる。
さらに、本発明の循環流水式屋根融雪装置は電気ヒーター方式や温水方式とは異なり、最上段の屋根瓦あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の最上部から雨樋までの各谷部に水を流して融雪するので、屋根全体に電気ヒーターやパイプを張り巡らせる必要がなく、導入コストが安価で工期も短い。
また、本発明の循環流水式屋根融雪装置は屋根瓦の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の各谷部に水を流して融雪するので、屋根瓦あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の山部が風除けとなり、風による失熱量が小さいという特徴を持つ。
本発明を構成する貯水槽は断熱素材製であり、揚水ポンプが運転開始してから融雪された水が貯水槽へ回収されて規定水位に回復するまでの連続運転に必要な水量を確保する目的と、貯留する水が持つ熱量を貯蔵する目的で設置され、融雪によって貯水槽に流入する水量が増加して貯水槽の規定水位を超過する場合は、規定水位を超過する水量はオーバーフロー水として排水配管を通じて下流側の雨水排水路へと流出する。
また、本発明を構成する貯水槽に具備される水温検知センサーは、揚水ポンプ稼働中の貯水槽内の水温を継続して監視することによって、貯水槽の水温低下が穏やかな場合には揚水ポンプの吐出量を減少させ、当該水温低下が急激な場合には揚水ポンプの吐出量を増加させ、揚水ポンプの吐出量が最大値の状態で水温が設定値に達した場合にはヒーターによる加温を開始するフィードバック制御を行って、揚水ポンプの消費電力の抑制と循環使用する水の加温に必要な熱エネルギーの抑制を行う。尚、設定温度は下流側の雨水排水路が受け入れ可能な最低温度に近い温度が推奨される。
本発明を構成する揚水ポンプは貯水槽の上部に設置され、吐出量は可変であり、屋根の最上部へ揚水する能力を持ち、吐出口から屋根の最上部を繋ぐ断熱配管と断熱配管経路上のヒーターを具備する。尚、ヒーターは電気式ヒーターであってもガスまたは灯油等を燃料とするものであっても良い。
本発明を構成する散水配管は、断熱配管から供給された水を屋根瓦の各列最上段の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の最上部の各谷部へ散水するために、谷部の数と同数の散水ノズルを持つ。尚、寄棟造のように屋根瓦の各列の段数あるいは金属製折板屋根材の各谷部の長さが異なる場合は、散水配管を設置する際に各列の散水ノズルの散水量が調整される。
本発明を構成する揚水ポンプに具備されるヒーターは、揚水ポンプの下流に設置され、貯水槽内の水温が設定値よりも低下した際に、揚水ポンプが汲み上げた水量のみを加温して下流側へ供給する目的で設置される。
瓦屋根あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根に降った雪は、撥水塗料の働きによって滑雪して各谷部に集まる。
貯水槽から揚水ポンプによって揚水された水は、断熱配管を経て散水ノズルへと届けられる。
散水ノズルから瓦屋根の最上段の各列の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根の最上部の各谷部に散水された水は、谷部に貼付された断熱シートの上を屋根面の傾斜に沿って流れ下る途上で谷部に集まった雪を融雪する。
融雪した後の水は引き続き屋根面の傾斜に沿って断熱シートの上を流れ下り、雨樋と雨水配管を経由して貯水槽に回収される。
貯水槽に回収される水は、浮遊異物除去フィルターと砂抜きドレーンによって屋根面および雨樋に堆積していたゴミや砂が除去される。
貯水槽に回収される水量は融雪した雪によって増量するので、回収される水量が揚水ポンプの吐出量を上回ることによって貯水槽の水位が規定水位を超過する場合は、超過する水はサイフォンの原理によって排水配管を通じて下流側の雨水排水路へと流出する。
貯水槽の水位が規定水位を超過する場合、超過する水量はサイフォンの原理によって貫通配管から排水配管を通じて下流側の雨水排水経路へ直接に流出するので、貯水槽内の水温が融雪した後の水の水温よりも高い場合に、回収された融雪後の冷たい水の全量と貯水槽内の水が熱交換することによる貯水槽内の水温低下を抑制することができる。
貯水槽に回収された融雪した後の水によって貯水槽内の水温は低下するが、水温検知センサーが設定温度以上の水温を検知している場合は、貯水槽内の水は融雪のために循環使用される。また、水温を継続監視することにより、水温低下が緩やかな場合には揚水ポンプの吐出量を減少させ、水温低下が急激な場合には揚水ポンプの吐出量を増加させるフィードバック制御を行って、揚水ポンプの消費電力量を抑制する。
揚水ポンプが最大吐出量で運転中に貯水槽の水温検知センサーが設定温度以下の水温を検知した場合は、貯水槽から揚水ポンプによって汲み上げられた水は、ヒーターによって加温された後に融雪のために循環使用される。
降雪量が多くなってから融雪を開始すると、屋根瓦の隣接する山部の降雪あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の隣接する山部の降雪がお互いに支え合って所謂ブリッジを形成し、谷部の降雪を融雪しても山部の雪が谷部へ滑雪できなくなる場合があるので、降雪検知センサーが降雪を検知したら速やかに融雪を開始することが推奨される。
日常生活で発生する雑排水を、貯水槽内に設置した熱伝達率の高い素材製の熱交換用タンクに貯めることにより、雑排水の持つ熱量が短時間で貯水槽内の水へ熱移動して貯水槽内の水温を高めることができるので、循環使用する水の加温に必要な熱エネルギーを少なくすることができる。
本発明に係る装置の、瓦屋根の場合の機器構成三面図である。 本発明に係る屋根瓦の三面図である。 本発明に係る装置の、V字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根の場合の三面図である。 本発明に係るV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の三面図である。 本発明に係る貯水槽の断面図である。
図1は、本発明装置の瓦屋根の場合の実施例の機器構成図であって、建物の屋根は瓦葺き切妻構造としている。貯水槽に貯留されている雨水あるいは水道水は、揚水ポンプによって貯水槽から汲み上げられ、断熱配管を経由して建物最上部にある棟瓦直下へと届けられ、棟瓦に沿って敷設された散水配管の散水ノズルから屋根瓦各列の最上段の谷部へ散水される。屋根瓦に塗布された撥水塗料の働きによって屋根瓦の各列の谷部へ集められた雪は散水された水によって融雪され、散水された水と雪が溶けた水は雨樋および雨水配管を経由して貯水槽へと回収される。貯水槽に回収される水の量は揚水ポンプの吐出量以上であるので、貯水槽の規定水位を超過する水の量は排水配管を通じて下流側の雨水排水路へ流出する。融雪後の水との熱交換によって貯水槽内の水温が低下して、揚水ポンプの吐出量が最大値の状態でも当該水温が設定温度以下となった場合には揚水ポンプの下流側に設置したヒーターによって循環使用される水の量だけが加温される。
図2は、本発明装置の屋根瓦の三面図であって、屋根瓦の谷部に断熱シートが貼付され、屋根瓦の働き部全体に撥水塗料が塗布されている。
図3は、本発明装置のV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根の場合の実施例の機器構成図であって、建物の屋根は瓦葺き切妻構造としている。
図4は、本発明装置のV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の三面図であって、屋根材の各谷部に断熱シートが貼付され、屋根材の働き部全体に撥水塗料が塗布されている。
図5は、本発明装置の貯水槽の断面図であって、貯水槽の下部にある貫通配管は雪との熱交換によって冷却された水を排水配管へ流出させることを主たる目的とするが、貯水槽の水位が規定水位よりも低下している場合には融雪後の水を貯水槽へ戻す役割も持ち、そのための開孔を持つ。尚、貫通配管は雪との熱交換によって冷却された水と貯水槽の水との熱交換量を減少させるために断熱素材製の配管材料が推奨される。また、貫通配管の下流に接続される排水配管は、貯水槽の水位を一定に保つために、貯水槽の規定水位と同じ高さまで立ち上がってから下流側の雨水排水路に繋がっている。
雨水排水路は、貯水槽に回収された融雪後の水を支障なく受け入れられるものとする。
「地下水を利用した節水型融雪システムの開発」土木学会論文集No.492/(6)―23、pp77―86、1994.6によれば、融雪に必要な総熱量は降雪を融解し融解水を流水温まで昇温させるのに要する熱量に流水が放出する長波長放射熱量と大気(空気)への顕熱失熱量と蒸発による失熱量と舗装への失熱量を加算し、流水が吸収する短波長(日射)放射熱量を減算したものとなる。ここで、低温の流水が放出する長波長放射熱量と降雪時間帯(曇天)の流水が吸収する短波長(日射)放射熱量を無視できるものと考えると、散水ノズルから散水される流水と大気との接触面積を小さくして大気(空気)への顕熱失熱量と蒸発による失熱量を少なくすることと、流水と舗装(本発明の場合は屋根面)との接触面積を小さくするとともに流水と舗装(本発明の場合は屋根面)との間に断熱シートを介在させることによって屋根面への熱伝導による失熱量を少なくすることが有効であることが判る。
また、同論文によれば、ノズル散水では水量が多くて流水温が低いほど流下中の大気への無駄な熱損失が少なくなり、舗装(本発明の場合は屋根面)への熱損失についても同様であるとの実験結果が示されているので、融解した後の水が回収される貯水槽内の水温を監視することによって、降雪状況や外気温等の変化に合わせて揚水ポンプの吐出量とヒーターによる加温量をフィードバック制御し、融解のために循環使用する水の温度を極力低い温度に維持することが有効であることが判る。そして、降雪を融解した後の冷たい水と貯水槽内の水が混じり合う水量を循環使用に必要な水量に限定することが、貯水槽に回収した水を循環使用するための加温に必要な熱エネルギーの抑制に有効であることが判る。
切妻屋根の水平投影面積を縦8m横10mで80m2とし、J型瓦(働き幅:265mm、働き長さ:235mm)が棟瓦の両側に並行して38列葺かれているとし、密度0.08の雪の降雪量を1時間あたり0.02mとし、降雪の温度を氷点下1℃とし、雪の比熱を2.1J/(g・K)とし、雪の融解熱を336J/(g・K)とし、貯水槽から揚水されて散水ノズルから流下する水の温度を7℃とし、水の比熱を4.2J/(g・K)とし、融雪した後の水が貯水槽へ回収される時の水温を1℃とした場合の、融雪に必要なエネルギー量を検討する。
瓦屋根全体への降雪量は1時間あたり1.6m3であり、雪の密度を乗じて溶けた後の水の量に換算すると0.128m3なので、1時間あたりの降雪重量は128,000gとなり、降雪を融雪して1℃の水まで加温するのに必要な熱量は、氷点下1℃の雪が0℃の雪になるのに必要な熱量と、0℃の雪が0℃の水になるのに必要な融解熱と、0℃の水を1℃に加温する為に必要な熱量と、貯水槽から汲み上げられた水が融雪後に貯水槽へ回収されるまでに融雪以外で奪われる失熱量の合計となるので、貯水槽から汲み上げられた水が融雪後に貯水槽へ回収されるまでに融雪以外で奪われる失熱量を0℃の水を1℃に加温する為に必要な熱量と同じ値と仮定すると、水平投影面積80m2の切妻屋根に降る1時間あたり0.02mの密度0.08の雪を融雪するために必要な熱量は128,000g×2.1J+128,000g×336J+128,000g×4.2J+128,000g×4.2J=44,352,000Jとなる。
次に、融雪に必要な水の量は融雪に必要な熱量を水の温度変化量と比熱で除した値となるので、散水ノズルから流下する水の温度を7℃、融雪した後の水温を1℃とした場合、1時間当たりに必要な水の量は44,352,000J/(6×4.2J)=1,760,000gとなり、水に換算した降雪重量の13.75倍となる。
ここで、散水ノズルから流下する水量の合計は1,760,000g /時なので、散水ノズル1本の1時間当たりの散水量は1,760,000g /(38列×2)=約23,158g/時となり、1秒当たり約6.4ccの極めて少量の水が瓦屋根の谷部を流下していることになる。そして一般的な53枚版屋根瓦の山部と谷部の高低差はJIS規格によって3.5cm以上と規定されているので、谷部を流下する水が風による失熱の影響を受けにくいことが判る。
貯水槽の貯水量は、揚水ポンプが運転開始してから融雪された水が貯水槽へ回収されて規定水位に回復するまでの連続運転に必要な水量以上が必要であり、散水範囲の広さや屋根の形状、配管の長さ、屋根勾配や雨樋の勾配等によって詳細計算すべきであるが、段落0037の建物の場合に、揚水ポンプ運転開始後5分で最長経路を経た水が貯水槽に回収されるとすれば、必要な貯水量は降雪量の多寡に関わらず1,760 L/60×5=146.667L以上となる。
融雪を行っている際の貯水槽内の水温は1℃から7℃の範囲の値となるが、連続して融雪することにより貯水槽内の水温は1℃に近づくので、熱交換タンクを介する雑排水との水温差が大きくなり、雑排水から貯水槽の水への熱移動量が大きくなるので、貯水槽に回収された水を循環使用するための加温に必要な熱エネルギーを少なくするができる。
融雪が不要な期間にも熱交換タンクを介する貯水槽内の水と雑排水との熱交換を繰り返し行うことにより、次回の融雪までの間に貯水槽内の水温を高めて貯水槽内の熱エネルギー貯蔵量を高めることができるので、次回の融雪の際の加温に必要な熱エネルギーを少なくすることができる。
屋根瓦あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の表面に塗布された撥水塗料の性能が経年劣化した場合には、噴霧器に長尺ノズルを装着して当該塗料を地上から噴霧して塗布することにより、屋根からの転落の危険なく簡便かつ安全に性能の回復が行える。
撥水塗料の塗布に代えて、撥水素材製のシートを瓦屋根あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根の屋根面全面に貼付することにより、撥水性能を長期間維持することができる。
雨水排水路へ流出される融雪後の雨水を、貯水槽の規定水位と地表面の高さとの差を利用して通路等に散水することにより、通路等の融雪に活用することも可能である。
屋根雪を水道水あるいは雨水を循環使用して融雪することにより地下水の枯渇を防ぎ、大気や屋根面への失熱量を最少とすることにより、水を循環使用して融雪するための加温に必要な熱量の最少化を図り、低ランニングコストで融雪する。
1建物外壁
2降雪検知センサー
3雨樋
4屋根瓦
5棟瓦
6基礎
7貯水槽
8雨水配管
9揚水ポンプ
10断熱配管
11散水配管
12散水ノズル
13浮遊異物除去フィルター
14砂抜きドレーン
15撥水塗料塗布面
16断熱シート
17排水配管
18液面検知センサー
19水温検知センサー
20メッシュフィルター
21ヒーター
22熱交換用タンク
23貫通配管
24開孔
25開閉弁1
26開閉弁2
27空気抜き穴
28V字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材
29棟包み
A雨水流入口
B水道水供給口
C揚水吐出口
D雨水排出口
E雑排水供給口
F雑排水排出口
G規定水位
H山部
I谷部

Claims (3)

  1. 断熱素材製の貯水槽と、揚水ポンプと、散水配管と、撥水塗料が表面に塗布された瓦屋根あるいは撥水塗料が表面に塗布されたV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根によって構成され、貯水槽は運転開始時の貯水量を規定水位とするための水道水供給口と、水位の上昇下降を容易にするための空気抜き穴と、融雪後の水を上流側の雨樋から引き込む雨水配管と、貯水槽の規定水位を超えた水を下流側の雨水排水路へ流出させる排水配管と、水温検知センサーを具備し、揚水ポンプは貯水槽の上部に設置され、貯水槽から取水した水を屋根最上部へ届ける断熱配管と吐出する水を加温するヒーターを具備し、散水配管は断熱配管から供給された水を瓦屋根の各列最上段の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根の各列最上部の各谷部に散水するための散水ノズルを持つことにより、撥水塗料の働きによって屋根瓦の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の谷部に集められた降雪を、谷部を流下する水によって融雪し、融雪後の水を雨樋と雨水配管を経由して貯水槽へ回収し、融雪によって増量した水を下流側の雨水排水路へ流出させ、貯水槽内の水を、融雪後の水を回収した後の貯水槽内の水温が設定値以上であればそのまま循環使用し、前記水温が設定値以下であればヒーターによって加温した後に循環使用して水道水の消費量を抑制するとともに、流下する水が大気および屋根瓦あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材と接触する面積を小さくすることによって失熱量を減少させて、循環使用する水の加温に必要な熱エネルギーを少なくすることを特徴とする循環流水式屋根融雪装置において、前記屋根瓦の谷部あるいは前記V字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の各谷部の上面に断熱シートが貼付されていることを特徴とする循環流水式屋根融雪装置。
  2. 貯水槽内の下部に貯水槽内を貫通する貫通配管を設け、貫通配管の上流側に雨水配管を接続し、貫通配管の下流側に排水配管を接続し、貫通配管の貯水槽内通過部位に開孔を設け、排水配管が貯水槽の規定水位と同じ高さまで立ち上がってから下流側の雨水排水路へ繋がっている構造とすることにより、揚水ポンプが運転開始した後の貯水槽内の水位が規定水位まで回復した後は、その水位を一定に保ちながら、貯水槽内へ流入する融雪後の水の量を揚水ポンプによる吐出量と同量にし、貯水槽内の水が融雪後の水と熱交換することによる失熱量を減少させて、循環使用する水の加温に必要な熱エネルギーを少なくすることを特徴とする請求項1の循環流水式屋根融雪装置。
  3. 揚水ポンプの下流側にヒーターを設け、貯水槽内に設けた熱交換用タンクに貯水槽内の水温よりも高温の雑排水を給水することにより、貯水槽内の水と雑排水の水温差を大きくし、雑排水から貯水槽内の水への熱移動量を大きくして、貯水槽に蓄える熱エネルギー量を増加させることを特徴とする請求項1の循環流水式屋根融雪装置。
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