JP2007262876A - 折半屋根の散水熱交換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 屋根凹凸面に対する熱媒体の斜め方向への散布では尾根が遮蔽物になって濡れムラができやすく、また粒子が外気中を飛翔するため大気への放熱ロスが大きい。
【解決手段】 折半屋根の尾根の上側表面に窪み(1)を形作ったキャップを被せ、この窪みを熱媒体の流れる流水路とする一方、散水手段から放出され流水路内を流れる熱媒体を窪みの側壁(2)に設けた開口(3)より周囲の尾根の傾斜側面(4)に流出させ、傾斜側面に沿って流下させ、折半屋根の谷部(5)に集め勾配に沿って流すことで折半屋根表面と熱媒体の熱交換を行なう。
【選択図】図1
【解決手段】 折半屋根の尾根の上側表面に窪み(1)を形作ったキャップを被せ、この窪みを熱媒体の流れる流水路とする一方、散水手段から放出され流水路内を流れる熱媒体を窪みの側壁(2)に設けた開口(3)より周囲の尾根の傾斜側面(4)に流出させ、傾斜側面に沿って流下させ、折半屋根の谷部(5)に集め勾配に沿って流すことで折半屋根表面と熱媒体の熱交換を行なう。
【選択図】図1
Description
本発明は、折半形式の屋根の散水熱交換方法、より具体的には折半屋根の散水融雪方法および/または散水冷却方法に係る。豪雪地では、冬期に融雪目的のために利用し夏期には屋根冷却に用いることができる。
本明細書中では、説明の便宜上、融雪を事例とした説明がされている。
本明細書中では、説明の便宜上、融雪を事例とした説明がされている。
凹凸折半屋根は屋根構造が単純で耐圧性に優れているため、規模の大きな建物に多く見られる屋根形式である。積雪量が2.5m程度までの耐雪屋根構造体として豪雪地域では汎用されている。
こうした大型の折半屋根の融雪には地下水の散水方式が一般的であり、散水にはスプリンクラや噴射ノズル等の散布器を使用する事例が多く見られる。スプレイ散水は広範囲に拡散させることができるので、散布器を点在させておけば大規模な屋根面であっても想定される平均的積雪量の範囲内であればこれに対処することができる。
こうした大型の折半屋根の融雪には地下水の散水方式が一般的であり、散水にはスプリンクラや噴射ノズル等の散布器を使用する事例が多く見られる。スプレイ散水は広範囲に拡散させることができるので、散布器を点在させておけば大規模な屋根面であっても想定される平均的積雪量の範囲内であればこれに対処することができる。
しかし、長時間わたり多量の雪が降り続くと融雪が追いつかず、屋根凹凸面に対する熱媒体の斜め方向への散布では尾根が遮蔽物になって濡れムラができやすく、また粒子が外気中を飛翔するため大気への放熱ロスが大きい。
また風雪が強くてスプレイ水が飛ばされてしまうときには散水の効果が失われる。このような状況下では雪溜りが拡大し残雪がつながって屋根表面を広範囲に雪が被り、下側にトンネルが形成され、やがては屋根全面が雪で覆われ積雪が拡大していく。降雪量は軽微な年と甚だしい年の差が大きく、また記録的な大豪雪に見舞われる可能性もあって予測困難なのが実態である。
また風雪が強くてスプレイ水が飛ばされてしまうときには散水の効果が失われる。このような状況下では雪溜りが拡大し残雪がつながって屋根表面を広範囲に雪が被り、下側にトンネルが形成され、やがては屋根全面が雪で覆われ積雪が拡大していく。降雪量は軽微な年と甚だしい年の差が大きく、また記録的な大豪雪に見舞われる可能性もあって予測困難なのが実態である。
設備能力に余力を持たせるために、散布器の設置間隔を狭めたり散水量を多くするなど熱の投入量を増やす方法にも限界がある。豪雪地帯での散水量として1平米あたり毎分0.5リットル程度なら多いとは言えないが、この水量でも5千平米の屋根では毎分2トン以上が消費される。1物件あたりの消費量としては1時間あたり120トン以上、日量では約3000トンにもなり、これが数日も続けばその水量は尋常ではなく、大型屋根での地下水利用は恒常的な設備にはなりにくい。
豪雪地に大型工場を誘致する場合、この課題は大きな障害である。新たに井戸を掘削するには規制があって許可がされないこともある。ボイラー加熱方式を採用するには有資格者の管理する大型ボイラーの導入と高額の燃費を覚悟しなければならない。
この解決策として、屋根上に平板を設置し平坦面を形成して融雪する方法につき評価してきた。この方法は、平坦面であるから融雪性能には優れていはいるものの、事実上、屋根の葺きなおしに相当し工事費の嵩む難点がある。
特開2004−149782
解決しようとする問題点は、折半屋根の頂上部を跨がって敷設する平板はそれ自体が耐雪強度を備えた軽量な部材要素であって、しかも風圧対策を考慮に入れて屋根の支保構造に安定的に固定しておかなければならないので設置費用が高額になり、大型の折半屋根に採用するには費用対効果の観点から採用が難しい。
本発明は、熱媒体を屋根面に広く均一に分布させるために、多く雪を被る尾根の上側表面に投入初期の熱媒体を滞留させながら、尾根頂上部の融雪と周辺への散水を同時に行ない屋根全面を融雪することを主要な特徴とする。
屋根の尾根の表面積は小さいので供給される熱媒体の水量が少なくても尾根の上側表面には熱媒体の溜りを確実に形成でき、頂上部に積もった雪を溶かしながら熱媒体を尾根の傾斜側面に流下させることができる。
並列する長細い尾根を用いるため、結果的に1つの広い融雪面を規則性を持たせて配置した少ない散水量に見合う小面積の融雪面に小分けしたことに相当し、これら融雪面から周辺の裾野の傾斜側面に均等に熱媒体を分配するため散水は凹凸全面にわたり分散され、効率よく短時間で融雪を行える。けじめよく散水をきりあげられるから熱媒体を無駄に流さなくてすむ。限られた量の熱媒体を有効に利用できる利点がある。
並列する長細い尾根を用いるため、結果的に1つの広い融雪面を規則性を持たせて配置した少ない散水量に見合う小面積の融雪面に小分けしたことに相当し、これら融雪面から周辺の裾野の傾斜側面に均等に熱媒体を分配するため散水は凹凸全面にわたり分散され、効率よく短時間で融雪を行える。けじめよく散水をきりあげられるから熱媒体を無駄に流さなくてすむ。限られた量の熱媒体を有効に利用できる利点がある。
熱媒体をムラなく散布するのが困難な凹凸屋根面に熱媒体を広く拡散させて確実に融雪するという目的を、屋根の様式を変更せずそのままの形態で行なう手順の下で実現した。
図1は、折半屋根Rとこの折半屋根の尾根の頂上部または上側表面に被せられるキャップCを示している。キャップCには尾根に沿って設けた窪み1が形成されている。この窪み1は、流動する熱媒体を溜め置きながら流す流水路の役割を果している。流水路である窪み1は尾根に沿った縦方向の勾配を備えている。
前記キャップCは任意の方法により折半屋根の尾根の上側表面に固定される。具体的には、キャップと尾根上側表面の間に介在する接着剤や粘着剤により両者を固定したり、キャップを貫通するビスやボルトを用いて一体化することができる。図3に示すキャップCは、折半屋根の鉄板材を支持フレームに対して固定する上向きボルトBを利用して尾根に固定されている。図示はしていないが、キャップの側縁がスナップ嵌めできるように様々な形態の掛止め構造を両者の接触部に造作しておくことができる。
キャップCの材質には、折半屋根と同じ鉄板材料か樹脂材料が使用される。
キャップCの材質には、折半屋根と同じ鉄板材料か樹脂材料が使用される。
尾根の上側表面に形成された窪み1は隔壁2bにより縦に仕切り、並列する複数の流水路を形成するようにしてもよい。図3はそうした例を示している。
なお、折半屋根の表面には、濡れ性を高めるために黒板塗料のような吸水性塗料を塗布したり、吹付けモルタルを付着させたり、繊維質の布を貼りつけておくことができる。
窪み1の側壁2には開口3が間隔をおいて形成されている。開口3は図示のような半円溝、あるいはVカットといった形態の流出供給口である。
窪み1の上流側に供給される熱媒体は尾根勾配に沿って移動し窪み1を流れながら窪み内に貯水され、側壁に設けた開口3から周囲に流出していく。窪み1は上向きに開放されているので降る雪は熱媒体に接触し、また窪み内に積もってしまった雪は熱媒体の流入により急速に溶解する。
窪みの開口3から流出した熱媒体は尾根の傾斜側面を流下し、流下側面に付着した雪を洗い流しながら溶かしていく。流れ落ちた熱媒体は尾根と尾根の間の谷部5に集まり屋根の勾配に沿って移動していく。
窪みの開口3から流出した熱媒体は尾根の傾斜側面を流下し、流下側面に付着した雪を洗い流しながら溶かしていく。流れ落ちた熱媒体は尾根と尾根の間の谷部5に集まり屋根の勾配に沿って移動していく。
窪み1内への熱媒体の供給は、例えば、散水手段4を用いて行われる。図2に示すように、散水手段4は窪みの上流側に位置している。窪み内に供給された熱媒体は尾根の勾配に沿って下流側に移動し、貯水されながらそれぞれの開口3より流出し傾斜側面4を流下していく。
流水路は下流側に止水壁2aを備え、窪み1を仕切っている。止水壁で仕切られた流水路の縦方向長さは、投入される熱媒体の温度にもよるが、例えば、投入される熱媒体が摂氏30度の温水2リットルとすれば約3.8メートル程である。窪みの止水壁2aに近接して位置する開口3aは窪みの排水孔として機能し、散水手段6からの給水を停止すれば、窪み末端の残水はやがて排水孔3aを通じて排出され、窪み内に熱媒体が残留しないようにしている。
流水路は下流側に止水壁2aを備え、窪み1を仕切っている。止水壁で仕切られた流水路の縦方向長さは、投入される熱媒体の温度にもよるが、例えば、投入される熱媒体が摂氏30度の温水2リットルとすれば約3.8メートル程である。窪みの止水壁2aに近接して位置する開口3aは窪みの排水孔として機能し、散水手段6からの給水を停止すれば、窪み末端の残水はやがて排水孔3aを通じて排出され、窪み内に熱媒体が残留しないようにしている。
図4はキャップCの他の形態を示している。この例のキャップCは開口3の流出縁に逆V字状の堰3bを備え、開口より流出する熱媒体が左右に分かれるように構成されている。このような分流構造を併設しておけば、開口の数を減らせる。
緩勾配の積雪面を比較的少量の熱媒体で融雪処理および/または冷却できるため、井戸施設またはボイラー設備を使用して、工場、駅舎、公共施設のような数万平米におよぶ長尺大型折半屋根にも対応することができる。
1 窪み
2 側壁
2a 止水壁
3 開口
3a 排水孔
3b 堰
4 傾斜側面
5 谷部
6 散水手段
2 側壁
2a 止水壁
3 開口
3a 排水孔
3b 堰
4 傾斜側面
5 谷部
6 散水手段
Claims (2)
- 折半屋根の尾根の上側表面に尾根に沿った窪みのあるキャップを被せ、この窪みを熱媒体の流れる流水路とする一方、散水手段から放出され流水路内を流れる熱媒体を窪みの側壁に設けた開口より周囲の尾根の傾斜側面に流出させ、傾斜側面に沿って流下させ、折半屋根の谷部に集め勾配に沿って流すことで折半屋根表面と熱媒体の熱交換を行なう折半屋根の散水熱交換方法。
- 請求項1に記載された折半屋根の散水熱交換方法において、前記尾根の上側表面に形成された窪みは隔壁により仕切られ、複数の流水路が並列して形成されている折半屋根の散水熱交換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006122660A JP2007262876A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 折半屋根の散水熱交換方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006122660A JP2007262876A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 折半屋根の散水熱交換方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007262876A true JP2007262876A (ja) | 2007-10-11 |
Family
ID=38636120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006122660A Pending JP2007262876A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 折半屋根の散水熱交換方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007262876A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008215614A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-09-18 | Takashi Takahashi | 給水チューブ |
-
2006
- 2006-03-29 JP JP2006122660A patent/JP2007262876A/ja active Pending
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JP2008215614A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-09-18 | Takashi Takahashi | 給水チューブ |
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