JP2007126714A - 多層皮膜被覆部材及びその製造方法 - Google Patents

多層皮膜被覆部材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膜の更なる高硬度化と耐摩耗性を向上させ、耐熱性を改善して温度上昇よる摩耗増大を抑制した硬質皮膜を提供することである。更に、該硬質皮膜を複数層被覆した多層皮膜被覆部材、及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】基材表面に組成が異なる硬質皮膜を2層以上被覆した多層皮膜被覆部材であって、該硬質皮膜は少なくとも硬質皮膜A及び硬質皮膜Bを有し、該硬質皮膜Aは、Si(B)で示され、但し、u、v、w、zは各元素の原子%、u>0、v>0、w>0、z≧0、u+v+w+z=1、を満足する硬質皮膜、該硬質皮膜Bは、Al、Ti、Cr、Nb、Mo、W、Zr、V、Siから選択される2種以上とB、C、N、O、Sから選択される1種以上を有する硬質皮膜であることを特徴とする多層皮膜被覆部材である。
【選択図】 なし

Description

本願発明は、切削工具、金型、燃焼機関用の摩耗部材として航空機または地上タービン、エンジン、ガスケット、歯車、ピストン等の耐摩耗性及び耐高温酸化特性が要求される部材に被覆する多層皮膜被覆部材及び多層皮膜被覆部材の製造方法に関する。
皮膜の高硬度化、耐熱性を改善することを目的として、窒化珪素、炭化珪素、炭窒化珪素、硼化珪素等を用いた技術が以下の特許文献1から3に開示されている。
特許文献1は、基材の表面に窒化珪素、炭化珪素、炭窒化珪素、硼化珪素等の層を用い、高耐熱、耐酸化性積層体に利用する技術が開示されている。特許文献2は、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)の層を硬質被覆部材に用いる技術が開示されている。特許文献3は、SiC粉末から形成されたターゲット材を使用して、アークイオンプレーティング法によって硬質皮膜を被覆する技術が開示されている。
特開2002−87896号公報 特開平09−125229号公報 特許第3370291号公報
しかし、上記の技術では、皮膜の高硬度化、耐熱性の改善が十分ではない。切削加工の高速化、被加工物の高硬度化、高精度加工、乾式加工等が要望されている。これらの要求に伴い、切削工具にはより苛酷な切削環境が強いられている。そこで、Si(BCN)から構成される全く新しい成分の被覆材料を、部材の被覆材料として使用することを提案する。これらSi(BCN)を主とする被覆材料と従来から知られる硬質被覆と組み合わせることにより、著しく改善された特性を生じることを見出した。本願発明の目的は、皮膜の更なる高硬度化と耐摩耗性を向上させ、耐熱性を改善して温度上昇よる摩耗増大を抑制した硬質皮膜を提供することである。更に、該硬質皮膜を複数層被覆した多層皮膜被覆部材、及びその製造方法を提供することである。
本願発明は、基材表面に組成が異なる硬質皮膜を2層以上被覆した多層皮膜被覆部材であって、該硬質皮膜は少なくとも硬質皮膜A及び硬質皮膜Bを有し、該硬質皮膜Aは、Si(B)で示され、但し、u、v、w、zは各元素の原子%、u>0、v>0、w>0、z≧0、u+v+w+z=1、を満足する硬質皮膜、該硬質皮膜Bは、Al、Ti、Cr、Nb、Mo、W、Zr、V、Siから選択される2種以上とB、C、N、O、Sから選択される1種以上を有する硬質皮膜であることを特徴とする多層皮膜被覆部材である。上記の構成を採用することにより、皮膜の更なる高硬度化と耐摩耗性を向上させ、耐熱性を改善して温度上昇よる摩耗増大を抑制した硬質皮膜を提供することができる。そして該硬質皮膜を複数層被覆した多層皮膜被覆部材を提供することができる。
本願発明の硬質皮膜について、少なくとも該硬質皮膜は非晶質相を含有すること、少なくとも0.1nm以上、20nm未満の結晶粒子を含有することが好ましい。更に、これら該結晶粒子又は非晶質相が、Siの炭化物相、Siの窒化物相、Siの硼化物相、窒化硼素相、窒化炭素相の何れかを主成分とすることが好ましい形態である。硬質皮膜Aは、Siの一部を、Al、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Mn、Fe、Co、Ni、Li、Be、Mg、Sc、Y、La、Ce、Nd、Smから選択される少なくとも1種以上、原子比率で、Siが1.0に対して、0.5未満置換しても良く、硬質皮膜BのSi含有量は、原子比率で、金属元素に対して、0.5未満であることが好ましい。硬質皮膜は硬質皮膜Aと硬質皮膜Bの混合層及び/又は積層構造を有することも好ましい構造である。
本願発明の硬質皮膜を被覆した多層皮膜被覆部材の製造方法において、硬質皮膜は少なくとも炭化珪素及び窒化硼素を含有した複合ターゲットを用い、スパッタリング(以下、SPと記す。)法により被覆することが好ましい。硬質皮膜AはSP法により被覆し、硬質皮膜Bはアーク放電式イオンプレーティング(以下、AIPと記す。)法及び若しくはSP法により被覆することが有効である。
本願発明の硬質皮膜を被覆した多層皮膜被覆部材は、皮膜の更なる高硬度化と耐摩耗性を向上させ、耐熱性を改善して温度上昇よる摩耗増大を抑制した硬質皮膜を提供することができた。硬質皮膜を複数層被覆した多層皮膜被覆部材、及びその製造方法を提供することができた。例えば、切削加工の高速化や高硬度材の直彫り加工の能率を向上させることができ、生産性向上並びにコスト低減に極めて有効である。また、本願発明の多層皮膜被覆部材の製造方法は、上記の特徴を有する皮膜を被覆するための好適な方法である。
本願発明は、高速切削や被加工物の高硬度化により温度が上昇するような摩耗環境下において、基材表面に適切な硬質皮膜を被覆することによって課題を解決した。硬質皮膜Aは、特に耐酸化性、高温安定性及び高温硬度が高く、温度が上昇する環境下において、特にその効果を発揮する。その主な理由は、硬質皮膜Aは高温環境下における熱伝導及び摩擦係数が低く、基材への熱影響を著しく低減されるからである。高温環境下において、特に摩擦係数が低くなる理由は、摩耗環境下においてSiOとBを形成することによる。硬質皮膜Aのみでは、実用環境下において、基材との密着強度、耐摩耗性に課題を有しているため、以下に説明する硬質皮膜Bを含む硬質皮膜とすることが重要である。
硬質皮膜Bは、実用環境下において硬質皮膜Aと伴に最も優れた密着性、耐摩耗性を発揮する。但し、硬質皮膜BがSiを含有する場合、原子比率で金属元素1.0に対して、0.5未満とし、硬質皮膜Aと区別する。硬質皮膜Aと硬質皮膜Bを有する硬質皮膜とすることにより、密着性、耐摩耗性の効果が発揮される。本願発明の硬質皮膜Aは、Si、B、C、Nを必須成分とする。B、C、Nは硬質皮膜の高硬度化、耐熱性改善、潤滑性改善に有効な成分である。他に、選択成分のOは特に潤滑性改善に影響を及ぼす成分である。Bの含有量のu値は、u+w+v+z=1、としたとき、0.1<u<0.6がより好ましい。Bを含まない場合は、硬度並びに耐熱性改善が十分ではなく、硬質皮膜が脆くなり過ぎてしまい、剥離が発生する傾向にあり切削性能の改善が認められない。SiとBを同時に添加することによって、高硬度と耐熱性を同時に改善することができる。これはSiが硼化物として存在する場合に特に顕著である。Cの含有量のv値は、u+w+v+z=1としたとき、0.05<u<0.35が好ましい。Cを含まない場合は、高硬度化が十分でなく本発明において必須とする。Nの含有量のw値は、u+w+v+z=1、としたとき、0.1<v<0.4が好ましい。Nを含まない場合は、高硬度化と耐熱性の改善効果に乏しくなる。硬質皮膜Aは、Oを含まなくともその効果が発揮されるものの、摩耗環境下における潤滑性を考慮した場合、Oを含有することが好ましい。そこでOの含有量のz値は、u+w+v+z=1、としたとき、0.005<z<0.25が好ましい。予め酸素を添加することにより摩耗環境化において酸素の拡散が減り、高温においても耐酸化性が改善される。Oの含有形態は、硬質皮膜の最表面から膜厚方向に500nm未満の領域の表層近傍が最も高濃度となるようにすることが、摩耗環境下における潤滑性の点から好ましい形態である。硬質皮膜Aは、特に優れた耐熱性及び耐摩耗性を発揮する硬質皮膜であるので、硬質皮膜の最表層に構成される場合が好ましい積層構造である。
本願発明の硬質皮膜Bの主な役割は、硬質皮膜Aの効果が十分に発揮されるよう補助的な存在である。硬質皮膜Aは残留圧縮応力の点から、硬質皮膜全体に占める割合を向上させることができない場合があり、その場合は硬質皮膜Bを厚く設定する。硬質皮膜Aと硬質皮膜Bとの好ましい膜厚比は、全体を100としたとき、硬質皮膜Aの占める比率が2%以上、40%以下が好ましい。硬質皮膜Aの特性を十分に発揮させるためには、基材表面との密着強度、硬度並びに残留圧縮応力が挙げられる。特に好ましい組成系は、基材との密着強度及び硬質皮膜Aとの密着強度の点から、(AlTi)N、(AlCr)N、(AlCrSi)N、(TiSi)N、(AlTiSi)Nが挙げられる。また、硬質皮膜Aと硬質皮膜Bを最も良く接合する結合層は、Si、SiC、SiN、Si(CN)が最も優れた成分系であり、本発明の好ましい形態である。
硬質皮膜Aは非晶質相を含有することがより好ましい形態である。非晶質相を含む場合、酸素もしくは相手材成分元素の硬質皮膜への内向拡散抑制に効果を発揮し、特に耐熱性が改善され、耐摩耗性を更に向上することができる。非晶質相は特に該硬質皮膜Bに存在する場合も好適である。非晶質相の存在は、硬質皮膜断面を透過電子顕微鏡(以下、TEMと記す。)により観察することにより確認できる。硬質皮膜A内に0.1nm以上、20nm未満の結晶粒子を含有することが好ましい。0.1nm以上、20nm未満の結晶粒子を含む場合、特に硬質皮膜を高硬度化すると同時に非晶質相のみの場合に比べ、耐剥離性に優れることから好ましい。結晶粒子が20nm以上で構成される場合、耐摩耗性の改善に乏しい。0.1nm未満で構成される場合、結晶粒子を確認することが困難である。またナノサイズの結晶粒子は硬質皮膜Bにも存在することが好ましい。これら結晶粒子又は非晶質相が、Si炭化物相、Si窒化物相、Si硼化物相、窒化硼素相、窒化炭素相の何れかを主成分とすることが、硬質皮膜の高硬度化、耐熱性の改善、潤滑性の改善に有効である。特にSi炭化物相、Si窒化物相、Si硼化物相として存在する場合、その改善効果が顕著である。これらの相を確認する手段としては、X線光電子分光分析により定性することができる。ここで言う主成分とは、X線光電子分光分析により、その面積強度が最も大きい結合を指す。また、化合物としては部分的にSi、SiBNC、SiB若しくはSiBが形成される場合もある。 硬質皮膜AのSiの一部を、Al、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Mn、Fe、Co、Ni、Li、Be、Mg、Sc、Y、La、Ce、Nd、Smから選択される少なくとも1種以上、原子比率で、Siが1.0に対して、0.5未満置換し、Si(BCNO)の機械的特性若しくは物理的特性を補完することができる。但し、Siとの置換量が0.5以上の場合、Si(BCNO)の機械的特性若しくは物理的特性の少なくとも一部が低下する。硬質皮膜BのSi含有量は、原子比率で、金属元素に対して、0.5未満であることが好ましい形態である。特に特性改善に有望な他の元素は、Al、Cr、Nbである。
本願発明の硬質皮膜は、硬質皮膜Aと硬質皮膜Bとの混合層及び/又は積層構造を有することが好ましい。特に好ましい積層構造を図1に示す。本願発明の硬質皮膜1の構成は、基材である2の表面に、硬質皮膜Bである3、硬質皮膜Aの内層である4と両者の結合層である6、硬質皮膜Aの外層であって最表層5を有する。最表層5は酸素含有を必須とすることが特に好ましい。ここで、3と6、6と4、4と5の界面には夫々の混合層、積層膜又は傾斜組成層とすることが、各硬質皮膜の密着強度向上の点から好ましい。この場合の混合層、積層膜又は傾斜組成層とする厚さは、20nm以上、500nm未満、好ましくは、50nm以上、120nm未満が最適である。硬質皮膜Bの膜厚は、100nm以上、5000nm未満、より好ましくは100nm以上、3000nm未満である。硬質皮膜Aの内層4の膜厚は、100nm以上、3000nm未満、より好ましくは400nm以上、600nm未満である。結合層6の膜厚は、20nm以上、500nm未満、より好ましくは50nm以上、120nm未満である。最表層5の膜厚は、10nm以上、100nm未満、より好ましくは400nm以上、60nm未満である。ここで基材2は、例えばCo含有量が3重量%以上、12重量%未満からなる超硬合金、サーメット、高速度鋼、窒化硼素焼結体、セラミックスの何れかが挙げられる。切削工具としては、例えばエンドミル、ドリル、リーマ、ブローチ、ホブ、カッター、マイクロドリル、ルーター、ミーリングインサート、ターニングインサート等が挙げられる。
本願発明の硬質皮膜を被覆する製造方法は、少なくとも炭化珪素及び窒化硼素を含有した複合ターゲットを用い、SP法により被覆することが有効である。この場合、炭化珪素と窒化珪素の複合ターゲットとすることが好ましいが、炭化珪素と窒化珪素を別の蒸発源に設置し、同時にスパッタリングすることによっても製造することが可能である。更に、多層皮膜を被覆する方法は、硬質皮膜AをSP法により被覆し、硬質皮膜BをAIP法及び/又はSP法により被覆することが好ましい。例えば、図1に示す硬質皮膜Bである3は、基材2との密着強度改善が重要であることから、2と3との界面部はAIP法が好適である。界面部以外はSP法で被覆することも耐摩耗性改善に有効である。AIP法と併用することもできる。結合層である6はSP法により被覆することが好ましいが、混合層もしくは積層膜もしくは傾斜組成層とする場合は、AIP法と併用することができる。硬質皮膜Aの内層、外層である4、5は、SP法による被覆することができる。これらの被覆におけるSP法、AIP法の電源は、高周波電源若しくは直流電源でも可能であるが、被覆プロセスの安定性の観点からスパッタリング電源は高周波電源を用いることが好ましい。バイアス電源としては、硬質皮膜の電気伝導性、及び硬質皮膜の機械的特性を考慮して高周波バイアス電源を用いることがより好ましい。本願発明の硬質皮膜を切削工具に適用した場合、その効果が顕著に発揮され、苛酷な摩耗環境下においても耐摩耗性を改善する。更に、本願発明の硬質皮膜の最表面にSiO、AlO、CrO、AlN、BN、CN、SiNの何れかを被覆することにより、更に耐摩耗性を改善する。これらの皮膜は本願発明の硬質皮膜と特に密着強度にも優れ、また酸素の内向拡散を抑制し、耐摩耗性を改善する。これらの皮膜は、成膜後に形成されていなくとも、使用環境化において形成される場合もある。以下、本願発明を実施例に基づいて説明する。
図2は、本発明を被覆する被覆装置である15の構造を模式的に示す。被覆装置15は、減圧容器である12、4種類の被覆ソースである7、8、9、10、それらのシャッターである16、17、18、19から構成される。ここで7と9はRF被覆ソース、10はDC被覆ソース、8はアークソースである。各被覆ソースは、シャッターを有し、各被覆ソースを個別に遮蔽する。そして互いに独立して稼動することによって、夫々の被覆ソースを遮蔽することができる。従って被覆途中で被覆ソースを停止する必要はない。プロセスガスとしてアルゴン、反応性ガスとしてのN、O、Cを減圧容器12に供給するために、開閉機構を設けた吸気管の14を有する。回転機構を有する基材ホルダー13には、DCバイアス電源またはRFバイアス電源の11に接続されている。被覆方法において、被覆装置15の動作と被覆プロセスの好ましい形態を述べる。
(1)クリーニング
基材2は基材ホルダー13に保持した後、250℃から800℃で加熱する。その間、各ソースのシャッターは全て閉じている。基材のイオンクリーニングは、バイアス電源11によりパルスバイアス電圧を印加することにより行う。
(2)硬質皮膜Bの被覆
クリーニング後、DC被覆ソース10のシャッター19を開き、硬質皮膜Bを被覆する。硬質皮膜Bは、DC−SP法、又はDC−AIP法により成膜することができる。成膜時に印加するDCバイアス電圧値は、約10Vから400Vが好ましい。またバイポーラパルスバイアス電圧を使用することもできる。この時の周波数は、例えば0.1kHzから300kHzの範囲で、正のバイアス電圧は、特に3Vから100Vの範囲が好ましい。パルス/ポーズ比は、0.1から0.95の範囲とすることができる。
(3)結合層の被覆
硬質皮膜Bの成膜途中で、シャッター16は閉じた状態でRF被覆ソース7を稼動させる。その後、シャッター16を開き、所定の結合層に応じて、DC被覆ソース10がRF被覆ソース7と同時に稼動する。このとき組成傾斜層の成分を調整するために、マグネトロンの出力を適切に変更する。DC被覆ソース10のシャッター19を閉じることによって、DC被覆ソースが遮蔽される。好ましくは、この時RF電圧を基材ホルダー13に印加する。RF被覆ソース7にはSiターゲット又はSiCターゲットが装着され、SiCx結合層の成膜のために使用される。結合層の成膜の間、シャッター18は閉じた状態でRF被覆ソース9を稼動させる。結合層が所定の厚さに到達後、RF被覆ソース9のシャッター18が開く。傾斜混合層は結合層の組成に応じて、RF被覆ソース7とRF被覆ソース9が同時に稼動する。組成傾斜を調整するためにマグネトロン出力を適切に変更することができる。その後、RF被覆ソース7のシャッター16が閉じ、遮蔽される。
(4)硬質皮膜Aの被覆
硬質皮膜Aの内層であるSi(BCN)層は、RF被覆ソース7、9により成膜される。即ち、RF被覆ソース7、9には、SiC、BNのターゲット材が好ましい。Si(BCN)を被覆するRF被覆ソース7、9の操作手段によって、Si(BCN)層の傾斜混合層も成膜できる。硬質皮膜Aの外層である最表層は、たとえば酸素などのプロセスガスが吸気管14を通って減圧容器12に供給することによって、酸素を含有させることができる。硬質皮膜Aの外層である最表層はSi(BCNO)層とし、酸素の含有比率は、表層ほど増加することが好ましい。この層は摩耗保護層として機能する。
本願発明の硬質皮膜の耐摩耗性を評価するために、Co含有量8重量%の超微粒子超硬合金製であって、直径1mmの2枚刃ボールエンドミルを用い、以下の第1の被覆方法から第3の被覆方法を用いて硬質皮膜を被覆した。第1の被覆方法は、工具を500度に加熱する第1の工程、負の電圧が200V、正の電圧が30V、周波数が20kHz、パルス/ポーズ比が4のパルスバイアス電圧を印加してイオンクリーニングを約30分間処理する第2の工程、スパッタによるDC被覆ソースを使用し、ターゲット出力5W/cm2、バイアス電圧50Vとして、AlCr層を被覆する第3の工程、窒素を供給することにより(AlCr)Nの被覆する第4の工程、Si金属結合層を被覆する第5の工程、RF被覆ソースでスパッタ被覆することによって、SiとSi(BCN)の傾斜混合層を被覆する第6の工程、RF被覆ソースを作動してSi:Bの原子組成が1:6の混合比率となるようにSi(BCN)層を被覆する第7の工程、窒素、酸素、アセチレンを付加してSi(BCNO)の最表層を被覆する第8の工程を有し、上記第1から第8の工程によって被覆した。最終的に積層構造は、AlCr、(AlCr)N、Si、Si(BCN)、Si(BNCO)の順に積層され、皮膜厚さを約3μmとした。第1の被覆方法で被覆した試料を本発明例1とした。第2の被覆方法は、工具を500℃に加熱する第9の工程、負の電圧が200V、正の電圧が30V、周波数が20kHz、パルス/ポーズ比が4のパルスバイアス電圧を印加してイオンクリーニングを約30分間処理する第10の工程、アークソースにより、(AlTi)Nを被覆する第11の工程、BN:SiCのモル混合比率が1:1のターゲットをRF被覆ソースとして作動させSi(BCN)層を被覆する第12の工程、窒素、酸素、アセチレンを付加してSi(BCNO)の最表層を被覆する第13の工程を有し、上記第9から第13の工程によって被覆した。最終的に積層構造は、(AlTi)N、Si(BCN)、Si(BNCO)の順に積層され、皮膜厚さを約3μmとした。第2の被覆方法で被覆した試料を本発明例2とした。第3の被覆方法は、工具を500℃に加熱する第14の工程、負の電圧が200V、正の電圧が30V、周波数が20kHz、パルス/ポーズ比が4のパルスバイアス電圧を印加してイオンクリーニングを約30分間処理する第15の工程、アークソースにより、(AlTi)Nを被覆する第16の工程、(AlTi)Nの電流供給を停止、別のアークソースにより(TiSi)Nを被覆する第17の工程、SiCのRF被覆ソースでスパッタ被覆する第18の工程、(TiSi)Nの電流供給を停止して、BNのRF被覆ソースでスパッタ被覆することによって、SiCとSi(BCN)との傾斜混合層を被覆する第19の工程、BN:SiCのモル混合比率が1:1のターゲットをRF被覆ソースとして作動させSi(BCN)層を被覆する第20の工程、窒素、酸素、アセチレンを付加してSi(BCNO)の最表層を被覆する第21の工程を有し、上記第14から第21の工程によって被覆した。最終的に層構造は、(AlTi)N、(TiSi)N、(TiSi)(CN)、SiC、Si(BCN)、Si(BNCO)の順に積層され、皮膜厚さを約3μmとした。第3の被覆方法で被覆した試料を本発明例3とした。ここで、スパッタリングの圧力は、標準で0.1Paから5Paの範囲である。アークソースによる被覆の標準的な放電電流は、30Aから200Aである。アークソースによる被覆時の圧力は、たとえば1Paから10Paの範囲である。本発明例4から本発明例9は、硬質皮膜BをAIP法により被覆し、硬質皮膜AはSP法により被覆し、各膜厚は約3μm被覆した。更に、本発明例5、6、17から21には、結合層と硬質皮膜Aとの間に傾斜混合層を設けた。本発明例4から21については、上記の第1の被覆方法から第3の被覆方法に準じた被覆方法を適宜採用して被覆した。従来例22、23は、AIP法により被覆した。各試料の詳細について表1、2に示す。表2のXPS定性結合とは、XPSにより少なくとも定性的な解析が可能である結合を意味するものである。非晶質相の存在ならびに結晶粒径は透過電子顕微鏡(以下、TEMと記す。)により確認することができる。
本願発明の硬質皮膜の静的環境下における耐熱性の評価した。評価条件は、超硬基材としてCo含有量8重量%の超微粒子超硬合金製インサートを用い、大気中、1200℃、湿度56%、室温22℃の条件下で3時間保持した後の硬質皮膜表面の状態を走査電子顕微鏡(以下、SEMと記す。)により観察した。評価試料は本発明例3と従来例23を用いた。処理後のSEM観察写真を図3、図4に示す。図3、図4より、本発明例3の硬質皮膜は酸化の進行が遅く、表面に緻密な酸化物を形成していた。一方、従来例23は、上記環境化において30分保持後に観察した結果、硬質皮膜が完全に脱落し、超硬合金の基材の酸化が著しく進行する結果となった。これより本願発明の硬質皮膜が優れた耐熱性を示すことがわかった。
耐摩耗性を評価した。その評価条件を以下に示す。切削評価結果は、逃げ面摩耗幅が0.1mmに達した切削長、若しくは著しく不安定な加工状態、例えば火花発生、異音、加工面のむしれ、焼け等などの状態に達した時点における切削長を切削寿命として示した。また、10m未満の切削寿命は切り捨てて表記した。耐摩耗性評価結果を表2に示す。
(評価条件)
工具:2枚刃ボールエンドミル(直径1mm)
切削方法:超高速仕上げ加工
被削材:FCD540
切り込み:軸方向、0.02mm、径方向、0.02mm
主軸回転数:40kmin−1
テーブル送り:8m/min
切削油:無し、ドライ切削
表2より、本発明例1から21は、従来例22、23と比較して安定した切削寿命が得られ、耐摩耗性に優れていた。本発明例3は、従来例23の上層として本発明の硬質皮膜Aを被覆した場合を示す。これにより2倍以上の耐摩耗性改善効果が確認された。本発明例4は、本発明例2に比べ、最表層の酸素含有Si(BCNO)層がない場合である。酸素含有したSi(BCNO)層を被覆した方が耐摩耗性に優れる結果となった。本発明例5は、結合層、傾斜混合層、最表層が存在する場合で、特に耐摩耗性に優れ本発明の特に好ましい形態である。本発明例6は、硬質皮膜Bが、(AlCr)Nの場合であり、耐摩耗性に優れていた。本発明例7は、本発明例2に比較して、硬質皮膜Aの結晶粒径が20nmから24nmの場合である。耐摩耗性の観点から結晶粒径は20nm未満とすることが好ましい。本発明例8から16は、硬質皮膜AのSiを他の元素に置換した例である。即ち、本発明例8は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するAl含有原子比率が0.1の場合を示す。本発明例9は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するTi含有原子比率が0.1の場合を示す。本発明例10は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するCr含有原子比率が0.1の場合を示す。本発明例11は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するMo含有原子比率が0.1の場合及びSを含む場合を示す。本発明例12は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するW含有原子比率が0.1の場合を示す。本発明例13は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するNb含有原子比率が0.1の場合を示す。本発明例14は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するMg含有原子比率が0.05の場合を示す。本発明例15は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するY含有原子比率が0.05の場合を示す。本発明例16は、硬質皮膜AにSiが1.0に対するCe含有原子比率が0.05の場合を示す。上記の様に、硬質皮膜Aに、Al、Ti、Cr、Mo、S、W、Nb、Mg、Y、Ce等を添加することにより、耐摩耗性を改善できることがわかった。本発明例17から21は、硬質皮膜Bの含有元素を検討した例である。即ち、本発明例17は、硬質皮膜Bが(AlCrNb)Nの場合を示す。本発明例18は、硬質皮膜Bが(AlTiW)Nの場合を示す。本発明例19は、硬質皮膜Bが(AlTi)N、その上層に(AlTi)(CN)の場合を示す。本発明例20は、硬質皮膜Bが(AlTi)N、その上層に(AlTiW)(NS)の場合を示す。本発明例21は、硬質皮膜Bが(AlTi)N、その上層に(AlTi)(CBN)の場合を示す。上記の様に、硬質皮膜Bが、Al、Ti、Nb、Cr、W等と、B、C、N、S等を含有することにより、耐摩耗性を改善できることがわかった。
図1は、本発明の好ましい積層構造の1例を示す概略図。 図2は、本発明に用いた被覆装置形態の1例を示す。 図3は、本発明例3の電子顕微鏡写真を示す。 図4は、従来例23の電子顕微鏡写真を示す。
符号の説明
1:硬質皮膜
2:基材
3:硬質皮膜B
4:硬質皮膜Aの内層
5:硬質皮膜Aの外層
6:結合相
7:RF被覆ソース
8:アークソース
9:RF被覆ソース
10:DC被覆ソース
11:DCバイアス電源もしくはRFバイアス電源
12:減圧容器
13:基材ホルダー
14:ガス導入口もしくは排気管
15:被覆装置
16:シャッター
17:シャッター
18:シャッター
19:シャッター

Claims (8)

  1. 基材表面に組成が異なる硬質皮膜を2層以上被覆した多層皮膜被覆部材であって、該硬質皮膜は少なくとも硬質皮膜A及び硬質皮膜Bを有し、該硬質皮膜Aは、Si(B)で示され、但し、u、v、w、zは各元素の原子%、u>0、v>0、w>0、z≧0、u+v+w+z=1、を満足する硬質皮膜、該硬質皮膜Bは、Al、Ti、Cr、Nb、Mo、W、Zr、V、Siから選択される2種以上とB、C、N、O、Sから選択される1種以上を有する硬質皮膜であることを特徴とする多層皮膜被覆部材。
  2. 請求項1記載の多層皮膜被覆部材において、該硬質皮膜Aは非晶質相を含有することを特徴とする多層皮膜被覆部材。
  3. 請求項1、請求項2の何れかに記載の多層皮膜被覆部材において、該硬質皮膜Aは0.1nm以上、20nm未満の結晶粒子を含有することを特徴とする多層皮膜被覆部材。
  4. 請求項2、請求項3の何れかに記載の硬質皮膜において、前記結晶粒子及び/又は非晶質相が、Si炭化物相、Si窒化物相、Si硼化物相、窒化硼素相、窒化炭素相の何れかを主成分とすることを特徴とする多層皮膜被覆部材。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の多層皮膜被覆部材において、該硬質皮膜AのSiの一部を、Al、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Mn、Fe、Co、Ni、Li、Be、Mg、Sc、Y、La、Ce、Nd、Smから選択される少なくとも1種以上、原子比率で、Siが1.0に対して、0.5未満置換し、該硬質皮膜BのSi含有量は、原子比率で、金属元素に対して、0.5未満であることを特徴とする多層皮膜被覆部材。
  6. 請求項1から請求項5の何れかに記載の多層皮膜被覆部材において、該硬質皮膜は、硬質皮膜Aと硬質皮膜Bの混合層及び/又は積層構造を有することを特徴とする多層皮膜被覆部材。
  7. 請求項1から請求項6の何れかに記載の多層皮膜被覆部材において、該硬質皮膜は少なくとも炭化珪素及び窒化硼素を含有した複合ターゲットを用い、スパッタリング法により被覆することを特徴とする多層皮膜被覆部材の製造方法。
  8. 請求項1から請求項7の何れかに記載の多層皮膜被覆部材において、該硬質皮膜Aはスパッタリング法により被覆し、該硬質皮膜Bはアーク放電式イオンプレーティング法及び/又はスパッタリング法により被覆することを特徴とする多層皮膜被覆部材の製造方法。
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