JP2007124942A - 紙容器のレトルト殺菌方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
レトルト殺菌することができ、かつ、殺菌後も外観の劣化が少ない紙容器のレトルト殺菌方法を提供する。
【解決手段】
紙容器を配置するトレイと、該トレイを多段状に収容でき、かつ、内部上方に湾曲したガイド板からなるディフレクタを有するレトルト釜を用い、前記トレイの底面に少なくとも1条のスリットが設けられ、前記トレイの下方の噴射ノズルから、前記スリットに向けて熱水を噴射し、スリットから抜け出た熱水が前記ディフレクタのガイド板の内側曲面及び前記レトルト釜の壁面に沿って流下し、前記紙容器が熱水の直撃を受けないことを特徴とし、上記紙容器の天部、底部及び/又は胴部の外側接合部が紙の端面が露出していることも特徴とする。
【選択図】 図1
レトルト殺菌することができ、かつ、殺菌後も外観の劣化が少ない紙容器のレトルト殺菌方法を提供する。
【解決手段】
紙容器を配置するトレイと、該トレイを多段状に収容でき、かつ、内部上方に湾曲したガイド板からなるディフレクタを有するレトルト釜を用い、前記トレイの底面に少なくとも1条のスリットが設けられ、前記トレイの下方の噴射ノズルから、前記スリットに向けて熱水を噴射し、スリットから抜け出た熱水が前記ディフレクタのガイド板の内側曲面及び前記レトルト釜の壁面に沿って流下し、前記紙容器が熱水の直撃を受けないことを特徴とし、上記紙容器の天部、底部及び/又は胴部の外側接合部が紙の端面が露出していることも特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、紙容器のレトルト殺菌方法に関し、さらに詳しくは、レトルト殺菌後も外観の劣化が少ない、紙を含む積層体で作製される紙容器のレトルト殺菌方法に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「OPP」は「2軸延伸ポリプロピレン」、「CPP」は「無延伸ポリプロピレン」、及び「HS層」は「ヒートシール層」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(主なる用途)本発明の紙容器のレトルト殺菌方法で殺菌された紙容器の内容物としては、スープ、カレーなどの食品、ミネラウオーターなどの飲料、消毒薬などの医薬品、糊などの日用品などの液状、粘調状、固形物を含む液状物などで、レトルト殺菌後の外観の悪化を解消したものである。しかしながら、レトルト殺菌することができ、殺菌後も外観の劣化が少ない用途であれば、特に限定されるものではない。
(背景技術)内容物を主にプラスチック材料を主とする包装材料を用いて、包装した容器を、保存性を高めるために、レトルト殺菌処理が行われてきている。また、包装材料として、ゲーベルトップタイプやブリックタイプなどの箱型紙容器なども、使用後の廃棄処理の際、焼却も容易であり、また、紙を分離、リサイクルすることも比較的容易であることから、用途も益々拡大している。レトルト殺菌処理では、例えば、120〜135℃の高温に加熱し、殺菌後に冷却してから取り出す、しかしながら、紙容器では断熱性の高い紙を主体とすることから、冷却に長時間を要し、また、加熱及び冷却には通常蒸気や水を用いるので、該水分が被覆材を透したり、容器の断面部分から吸湿して、剛度が低下したり、変形したり、シワが発生したり、凹凸になったり、外観が著しく劣化しまう欠点があった。
従って、紙容器のレトルト殺菌方法は、レトルト殺菌することができ、かつ、殺菌後も外観の劣化が少ないことが求められている。
従って、紙容器のレトルト殺菌方法は、レトルト殺菌することができ、かつ、殺菌後も外観の劣化が少ないことが求められている。
(先行技術)従来、レトルト釜内の各段のトレー上の被処理物に熱水を噴霧して高圧殺菌処理を行なう噴霧式レトルト殺菌機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、成形容器中に多量の気体を含むような含気食品や医薬用輸液ソフトバックなどが対象で、紙容器では紙へ水分が浸透して殺菌後の外観が著しく劣化してしまうという欠点がある。
また、加熱媒体を、被殺菌物が配置されるトレイの下方から噴射し、そのトレイのスリットを通過後にガイド板に当たって転向し、下方に向かって流すレトルト殺菌装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、パウチ食品などの殺菌処理に用いるレトルト殺菌装置であって、レトルト釜の内部温度の均一化を課題としており、紙容器の殺菌については記載も示唆もされていない。
しかしながら、成形容器中に多量の気体を含むような含気食品や医薬用輸液ソフトバックなどが対象で、紙容器では紙へ水分が浸透して殺菌後の外観が著しく劣化してしまうという欠点がある。
また、加熱媒体を、被殺菌物が配置されるトレイの下方から噴射し、そのトレイのスリットを通過後にガイド板に当たって転向し、下方に向かって流すレトルト殺菌装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、パウチ食品などの殺菌処理に用いるレトルト殺菌装置であって、レトルト釜の内部温度の均一化を課題としており、紙容器の殺菌については記載も示唆もされていない。
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、レトルト殺菌することができ、かつ、殺菌後も外観の劣化が少ない紙容器のレトルト殺菌方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる紙容器のレトルト殺菌方法は、紙容器のレトルト殺菌方法において、紙容器を配置するトレイと、該トレイを多段状に収容でき、かつ、内部上方に湾曲したガイド板からなるディフレクタを有するレトルト釜を用い、前記トレイの底面に少なくとも1条のスリットが設けられ、前記トレイの下方の噴射ノズルから、前記スリットに向けて熱水を噴射し、スリットから抜け出た熱水が前記ディフレクタのガイド板の内側曲面及び前記レトルト釜の壁面に沿って流下し、前記紙容器が熱水の直撃を受けないように、したものである。
請求項2の発明に係わる紙容器のレトルト殺菌方法は、上記紙容器の天部、底部及び/又は胴部の外側接合部に紙の端面が露出しているように、したものである。
請求項2の発明に係わる紙容器のレトルト殺菌方法は、上記紙容器の天部、底部及び/又は胴部の外側接合部に紙の端面が露出しているように、したものである。
請求項1の本発明によれば、レトルト殺菌することができ、かつ、殺菌後も外観の劣化が少ない紙容器のレトルト殺菌方法が提供される。
請求項2の本発明によれば、外側接合部に紙の端面が露出している紙容器でも、請求項1の効果を享受できる紙容器のレトルト殺菌方法が提供される。
請求項2の本発明によれば、外側接合部に紙の端面が露出している紙容器でも、請求項1の効果を享受できる紙容器のレトルト殺菌方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の紙容器のレトルト殺菌方法を説明する熱水インジェクション式レトルト釜の要部の断面図である。
図1は、本発明の紙容器のレトルト殺菌方法を説明する熱水インジェクション式レトルト釜の要部の断面図である。
(紙容器)本発明の紙容器のレトルト殺菌方法に用いる紙容器としては、紙を基材としプラスチックフィルムや金属箔などを任意に積層した紙容器用積層体なるものであればよい。紙容器の形状は特に限定はされず、例えば、ゲーベルトップタイプやブリックタイプなどの箱型紙容器のほか、丸形、角形などのカップ型紙容器、或いは円筒状または角筒状の紙容器、更にはトレー状の紙容器であってもよい。
該紙容器は、胴部などの接合部において、特に紙容器の内側に紙の端面が露出する場合は、スカイブ・ヘミング、ヘミング、テープ貼りなどの公知の端面処理方法を用いて、紙の端面を隠し、耐水性や密封性を向上させてもよい。また、該紙容器の天部、底部及び/又は胴部の外側接合部に紙の端面が露出していてもよく、もちろん、必要に応じて適宜、スカイブ・ヘミングやヘミング等の処理方法を用いて、紙の端面を隠し、耐水性や密封性を向上させてもよい。また、紙容器には、内容物の取出口として、蓋材や、プルタブ形式の開封機構などを容器の形状に応じて適宜に設けることができる。更には、紙容器にレーザー光照射や機械的手段による開封用のハーフカット線もしくはハーフカットのミシン目線などを設けて取り出し口を形成してもよい。
このような構成を採ることにより、紙容器用積層体の優れた成形性、熱接着性(ヒートシール性)を利用して生産性よく紙容器を製造できると共に、紙容器用積層体の優れた耐熱性、耐水性、耐内容物性などの性能を紙容器に付与することができるので、内容物を安全に密封包装することができると共に、内容物密封後のレトルト殺菌処理を安全に行うことのできる耐熱性、耐水性、耐内容物性などの性能を備えた紙容器を提供することができる。
(紙容器積層体)紙容器用積層体の基材に用いる紙は、密度が0.60〜1.00g/cm3程度の範囲であることが、紙容器の成形を良好に行い、且つ、必要な性能を紙容器に付与できると共に、紙面にプラスチックフィルムや金属箔などを押出コートしたり、積層の際に塗布剤などをコートしたり、し易く生産性よく且つ接着性よく積層できる点で適当である。紙の密度が0.60未満の場合は、紙の繊維間の結合力が弱くなり、紙の層内剥離や割れが発生しやすくなると共に、レトルト殺菌処理を施すと紙の端面からの水分吸収が極端に多くなるため好ましくない。また、密度が1.00g/cm3を超える場合は、繊維間が締まった状態になり、剛性も強くなり、例えば、紙カップ型の容器を作製する場合、トップカールなどの成形適性が低下し、また、ゲーベルトップタイプやブリックタイプなどの箱型容器の場合は、押し罫の効果が低下し、折り曲げ適性の低下や、箱の起きトルクの増大を生じ、容器の成形適性が低下するため好ましくない。
紙容器用積層体としては特に限定されないが、例えば、HS層/紙/HS層、HS層/紙/ガスバリア層/HS層、HS層/紙/ガスバリア層/保護層/HS層、を基本構成とし、この層構成へは接着力やその他の機能を向上させるための、接着層、プライマ層、コロナ処理などの易接着層及び/又は処理をしてもよい。
(ガスバリア層)ガスバリヤ層としては、アルミニウム箔などの金属箔のほか、アルミニウムなどの金属、またはシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫、酸化マグネシウムなどの無機酸化物の蒸着層を延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルムや、延伸ナイロンフィルムなどのポリアミドフィルムなどに設けた蒸着フィルム、或いはエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)の延伸フィルムなどのガスバリヤー性フィルムを使用することができ、これらの中から紙容器の用途に応じて適宜選択して使用すればよい。即ち、充填された内容物を電子レンジで再加熱するような用途の紙容器に使用する場合は、上記ガスバリヤー層のうち、アルミニウム箔などの金属箔や金属の蒸着層は不適当であり、その他のシリカやアルミナなどの無機酸化物の蒸着層、または前記ガスバリヤー性フィルムなどから、紙容器の用途に応じて選択すればよい。
(保護層)保護層としては、例えばゲーベルトップタイプやブリックタイプなどの箱型紙容器に成形すると、折り曲げ部やヒートシール部などに金属箔のクラックを生じやすい問題があり、これを防ぐためには金属箔の内側の面に保護層を積層することが好ましく、耐熱性および機械的強度に優れたフィルムを用いることが好ましく、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)や2軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)などを好適に使用することができる。
(HS層)HS層としては、レトルト殺菌に耐える耐熱性を有するポリオレフィン系(PO系)樹脂などが適用できる。ポリプロピレン系(PP系)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)や中密度ポリエチレン(MDPE)などのポリエチレン系(PE系)樹脂、若しくは、それらのブレンド、共重合樹脂、又は変性樹脂などである。好ましくは、ポリプロピレン系樹脂で、耐熱性の点ではプロピレンのホモポリマーがよいが、押出コート適性やヒートシールなどの熱接着適性を向上させるためには、例えば、プロピレンと、エチレンやブテン−1などのα−オレフィンとの共重合体が適している。
ガスバリヤ層、保護層、HS層などのの積層方法としては、公知の方法でよく、例えば、2液硬化型ポリウレタン系接着剤などを用いたドライラミネート法、アンカーコート剤を介して押出しコート法やサンドイッチラミネート法などがある。このような構成を採ることにより、紙容器用積層体は、基材の紙を主体に、ガスバリヤ層や保護層が設けられると共に、その最外層と最内層に、ヒートシール性を有し、且つ耐熱性、耐水性、耐内容物性などに優れたHS層が積層され、ガスバリヤー性が付与され、充填された内容物の保存性を向上させることができる紙容器とすることができる。
(レトルト釜)本発明の紙容器のレトルト殺菌方法に用いる熱水インジェクション式レトルト殺菌装置は、図1に示すように、紙容器10を収納し配置するトレイ21と、該トレイ21を多段状に収容でき、かつ、内部上方に湾曲したガイド板31からなるディフレクタ30を有するレトルト釜101を用い、前記トレイ21の底面に少なくとも1条のスリット23が設けられ、前記トレイ21の下方の噴射ノズル41から、前記スリット41に向けて熱水を噴射し、スリット41から抜け出た熱水が前記ディフレクタ30のガイド板31の内側曲面及び前記レトルト釜101の壁面に沿って流下する。なお、該レトルト釜101に付帯する圧縮空気、冷却水、脱気なども制御弁を介して装備され、さらに、公知の種々のセンサー、制御装置、駆動装置なども通常装備されているが、本発明の紙容器のレトルト殺菌方法の説明に直接関与しないので図示していない。
(トレイ)レトルト釜101は、強度や耐食性に優れるステンレス鋼板などの円筒状の罐体であり、その一端は密閉され、他端は開閉自在の圧力蓋からなる公知のものが適用できる。トレイ21は、通常図示していない台車上に多段状に積層された状態でレトルト釜101に導入される。該トレイ21には、スリット23が設けられており、積層状態になったときにトレイ21の各スリット23が一連に連通するようになっている。各トレイ21には紙容器が所定数ずつ配置され、それがレトルト釜101の中にて殺菌処理される。
(スリット)トレイ21は、通常矩形状の底面と、その周囲の周壁とからなり、各角部にはトレイの積層時に上方のトレイを支持する受台ある。また、底面には多数の小孔を開口してもよく、この底面を分割するように、少なくとも1のスリット23が設けてある。該スリット23は、底面の一部を上方に折り返し、対向する2つの折り返し板がハの字状にして、スリット23を通過する加熱媒体は増速し、その近傍が減圧状態となるので、レトルト釜101の雰囲気が減圧されたトレイの内側に向かい、紙容器がより効果的に加熱される。
(熱水ノズル)熱水噴射ノズル41、及び蒸気ノズル51が紙容器の殺菌処理に用いられる加熱媒体の管体に接続され、レトルト釜101の内部下方、特に前記トレイ21のスリット23の下方に並列状に敷設されている。バルブ、ポンプ介した配管が連結され、該バルブを開いてポンプを作動させることによって、熱水噴射ノズル41からレトルト釜101の底部に貯えられた熱水が前記スリット23に向けて噴射される。また、蒸気ノズル51も管体に配管が連結されており、バルブを開くことによって、ボイラからの蒸気が管体に装備された蒸気ノズル51から前記スリット23に向けて噴射されるようになっている。熱水噴射ノズル41と蒸気ノズル51は、図1では図示の都合上スリット23幅より大幅に広がってみえるが、実際はスリット23幅内へ、噴射されるようになっている。
(熱水)加熱媒体としての熱水は、ポンプとバルブを介してレトルト釜101の中に紙容器が浸水しない程度まで給水した後、その水を循環すると同時に、蒸気及び/又はヒーターで予熱すればよい。
(ディフレクタ)ディフレクタ30は、レトルト釜101の内部上方に設けられ、該ディフレクタ30は湾曲状を呈するガイド板31を有し、該ガイド板31の内側曲面に前記スリット23から抜け出た加熱媒体が当たるように設置されている。該ガイド板31は逆U字形の断面をもち、その曲率は、レトルト釜の内壁面の曲率と同程度か、或いはそれより小さくすることが好ましい。加熱媒体がガイド板31の内側曲面鋭角状に当たるようになるので、加熱媒体はガイド板31に沿ってより円滑に転向するようにできる。なお、熱水インジェクション式レトルト殺菌装置の詳細は特開平08−238号公報に開示されている。
(レトルト殺菌方法)本発明の紙容器のレトルト殺菌方法は、まず、貯水タンクなどからレトルト釜101の底部に、紙容器10が浸水しない程度まで給水を行い、供給された水を循環しながら80℃程度に予熱する。該熱水を熱水噴射ノズル41から、蒸気を蒸気ノズル51から、双方の噴射ノズルからスリット23に向けて熱水と蒸気を噴射する。噴射される熱水と噴射される蒸気とは噴出時点で混合し、これがスリット23に向けて噴き上がり、スリット23を通り抜け、デフレクタ30のガイド板31にて転向されるようになる。その結果、熱水は図1に示す熱水の流れとなって循環する。また、熱水噴射ノズル41から、蒸気と熱水との混合物を噴射してもよい。このように、紙容器10は熱水の直撃を受けないので、紙容器10の紙を主体にしている紙容器用積層体が過剰に湿潤することなく、レトルト殺菌でき、仮に紙容器の天部、底部及び/又は胴部の外側接合部に紙の端面が露出していても、殺菌できるのである。
(冷却工程)さらに、好ましくは、上記工程に引き続いて、水浸漬、又は水シャワーによる水冷却工程を行ってもよい。空気冷却工程、及び水冷却工程は、紙容器のレトルト終了時に要求される温度によって、適宜選択すればよく、紙容器の内容物によっては空気冷却工程だけでもよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)紙容器積層体として、基材の紙に密度が0.97g/cm3で、米坪量が300g/m2の紙を用いて、その一方の面(容器の外側となる面)に、水性アンカーコート剤としてポリプロピレン系樹脂エマルジョン〔商品名ケミパールEP100H、三井化学(株)製〕を乾燥時の塗布量が2g/m2となるように塗布、加熱乾燥し、その上にポリプロピレン系樹脂としてエチレン含有量が略5モル%のプロピレン−エチレン共重合体(密度0.90g/cm3、融点169℃、MFR20)を厚みが20μmになるように押し出しコートし、次いで、もう一方の面(容器の内側となる面)に、水性アンカーコート剤として前記と同じポリプロピレン系樹脂エマルジョンを、乾燥時の塗布量が2g/m2となるように塗布、加熱乾燥し、この積層体の水性アンカーコート剤塗布面と、別にドライラミネート法で貼り合わせて作製したOPPフィルム(厚み15μm)/接着剤層/IBフィルム(大日本印刷社製、シリカ蒸着PETフィルム(厚み12μm)/接着剤層/CPPフィルム(厚み60μm)の構成(但し、接着剤層には2液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用)の積層フィルムのOPPフィルム面とを、両者の間にポリプロピレン系樹脂層としてエチレン含有量が略5モル%のプロピレン−エチレン共重合体(密度0.90g/cm3、融点169℃、MFR20)を厚みが15μmになるように溶融押し出しして圧着し、貼り合わせる押し出しラミネート法で貼り合わせて、(外側)ポリプロピレン系樹脂層(厚み20μm)/水性アンカーコート剤/紙(米坪量300g/m2)/水性アンカーコート剤/ポリプロピレン系樹脂層(厚み15μm)/OPPフィルム(厚み15μm)/接着剤層/シリカ蒸着PETフィルム(厚み12μm)/接着剤層/CPPフィルム(厚み60μm)(内容物側)の紙容器用積層体を作製した。該紙容器用積層体を用いて、天部、底部及び胴部の外側接合部の端面に紙が露出している状態のブリックタイプの箱型紙容器を作製し、尚、上記箱型紙容器の容量は500mlとし、上部シール部は、内容物としてミネラルウオーターを充填した後、その接着面をホットエアで加熱して熱接着し密封した。
該紙容器をトレイへ並べ、該トレイを15段にして、図1に示す熱水インジェクション式レトルト殺菌釜に装填し、熱水インジェクションを45分間行って殺菌し、熱水の代わりに冷却水を15分間噴射して冷却した。
該紙容器をトレイへ並べ、該トレイを15段にして、図1に示す熱水インジェクション式レトルト殺菌釜に装填し、熱水インジェクションを45分間行って殺菌し、熱水の代わりに冷却水を15分間噴射して冷却した。
(評価)冷却後の紙容器を取り出して目視で観察したところ、実施例1では紙容器の外観は良好であった。
10:紙容器
21:トレイ
23:スリット
30:ディフレクタ
31:ガイド板
40:熱水
41:熱水噴射ノズル
51:蒸気噴射ノズル
101:レトルト釜
21:トレイ
23:スリット
30:ディフレクタ
31:ガイド板
40:熱水
41:熱水噴射ノズル
51:蒸気噴射ノズル
101:レトルト釜
Claims (2)
- 紙容器のレトルト殺菌方法において、紙容器を配置するトレイと、該トレイを多段状に収容でき、かつ、内部上方に湾曲したガイド板からなるディフレクタを有するレトルト釜を用い、前記トレイの底面に少なくとも1条のスリットが設けられ、前記トレイの下方の噴射ノズルから、前記スリットに向けて熱水を噴射し、スリットから抜け出た熱水が前記ディフレクタのガイド板の内側曲面及び前記レトルト釜の壁面に沿って流下し、前記紙容器が熱水の直撃を受けないことを特徴とする紙容器のレトルト殺菌方法。
- 上記紙容器の天部、底部及び/又は胴部の外側接合部に紙の端面が露出していることを特徴とする請求項1に記載の紙容器のレトルト殺菌方法。
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Legal Events
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