JP4816073B2 - 紙容器 - Google Patents

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Description

本発明は紙容器に関し、液体の内容物が容器内に残り難くした紙容器に関するものである。
近年、液体容器の分野では、流通コストの削減や廃棄性などから容器の紙化率が急速に高まっている。このような紙容器として、紙、バリア層、シーラント層の順に外側から積層された積層体から成形される紙容器が知られている。このような液体用の紙容器のシーラント層には、ポリエチレン樹脂等が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
一方、シート状のシール等の剥離性を良くするために、剥離層としてオルガノシロキサンをグラフト共重合させたシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂が添加された樹脂が用いられている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−192018号公報 特開平6−31865号公報
上述した紙容器のシーラント層としてポリエチレン樹脂等が用いられた液体用紙容器において、粘度の高い液体内容物や固形物等が混入している液体内容物(いずれの内容物も食品及び非食品を含む)に関しては、紙容器から内容物を外に出したときに、液切れが悪く、紙容器中に内容物が多く残る傾向があった。内容物が紙容器内に残り、内容物が捨てられることは、資源が有効に使用されておらず、環境にも良いとはいえない。
そこで、本発明は、内容物が粘度の高い液体や固形物が混入している液体であっても、当該内容物が中に残り難くした紙容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の紙容器は、少なくとも、紙、バリア層、シーラント層の順に外側から積層された積層体から成形される紙容器であって、前記シーラント層が少なくとも貼合層と最内層である内層の2層以上からなり、前記内層が、オレフィン系ポリマーにオルガノシロキサンをグラフト共重合させたシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂と、非変性のポリオレフィン系樹脂と、を混合した樹脂からなる層であり、前記貼合層が、エチレン−α・オレフィン共重合体からなる層であり、前記内層と前記貼合層との層厚比が1〜0.05であることを特徴とする。
これによれば、シーラント層にシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂を添加した混合樹脂を用いることにより、内容物が粘性の高い液体や固形物が混入している液体であっても、内容物の液切れが良好となり、ほとんどの内容物を容器外に出して使い切ることが可能となる。そのため、内容物の資源が有効に活用され、環境にも良い。また、シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂はグラフト共重合によりオルガノシロキサンとオレフィン系ポリマーが結合しているため、この樹脂からケイ素等が脱落し、紙容器の内容物に混合することがなく、紙容器の内容物の風味が変わること等が防止される。
上記本発明の紙容器において、前記シーラント層が、シリコーン含有量30〜80質量%のシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂と、非変性のポリオレフィン系樹脂と、を混合して得られるシリコーン含有量1〜50質量%の混合樹脂を含有することを特徴とする。これによれば、シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂におけるシリコーン量が適量であるために効率よく重合できる範囲であり、シール性も良好であり、加工性に適した紙容器を提供することができる。
上記本発明の紙容器において、前記シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・アクリル酸エチル共重合体又はエチレン・酢酸ビニル共重合体の少なくともいずれか一種に、オルガノシロキサンをグラフト共重合させた重合体からなることを特徴とする。
上記本発明の紙容器において、前記シーラント層が少なくとも二層以上からなり、オレフィン系ポリマーにオルガノシロキサンをグラフト共重合させたシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂と、非変性のポリオレフィン系樹脂と、を混合した樹脂からなる層が最内面であることを特徴とする。
これによれば、シーラント層を多層化することにより、シール性(充填機適性)が改善され、また、シリコーン変性ポリオレフィンをマスターバッチ化にする事により、混合する非変性のポリオレフィンの選択性が広がる。なお、非変性のポリオレフィンについては、シール性を重視、官能を重視、ストレスクラック対策等の目的により、樹脂の種類やグレードを変更することが可能となる。
上記本発明の紙容器において、前記バリア層が、無機酸化物の薄膜層又は蒸着層からなることを特徴とする。これによれば、アルミニウム自体を用いる場合に比べて、低い燃焼カロリーで焼却できる等、環境適性に優れたものとすることができる。また、上記本発明の紙容器において、前記バリア層が、アルミニウムを含む薄膜層又は蒸着層からなることを特徴とする。これによれば、バリア層に遮光性を付与でき、また、材料費を安くすることができる。
上記本発明の紙容器において、前記バリア層が、金属箔からなることを特徴とする。これによれば、バリア性が高くなり、遮光性を有することとなる。上記本発明の紙容器において、前記バリア層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂又はポリアクリロニトリル系樹脂の少なくともいずれか一種の樹脂若しくは前記樹脂を用いた共重合フィルムからなることを特徴とする。これによれば、バリア層と他の樹脂層(接着層、シーラント層等)との共押出しが可能となり、製造工程を簡略化することが可能となる。
本発明の紙容器によれば、シーラント層にシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂を添加した混合樹脂を用いることにより、内容物が粘性の高い液体や固形物が混入している液体であっても、内容物の液切れが良好となり、ほとんどの内容物を容器外に出して使い切ることが可能となる。そのため、内容物の資源が有効に活用され、環境にも良い。また、シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂はグラフト共重合によりオルガノシロキサンとオレフィン系ポリマーが結合しているため、この樹脂からケイ素等が脱落し、紙容器の内容物に混合することがなく、紙容器の内容物の風味が変わること等が防止される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は本発明の紙容器を形成する積層体の層構成の一例を示す断面図である。
図1に示す積層体10においては、紙11、バリア層12、シーラント層13の順に外側から積層されており、本発明の紙容器に用いられる積層体は、これらの構成を必須の構成として含んでいる。また、積層体10には、他に任意の層を設けることができるが、図1の積層体10においては、最外層14を有している。また図2おいては、積層体10のシーラント層13が二つの層13a、13bからなる例を示している。以下に、積層体10の各層について説明する。
紙11は、紙容器を構成する基本素材となることから賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができる。紙としては、例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙基材を使用することができる。紙11は、これらの紙を複数層重ねたものであってもよい。また、紙11は、秤量80〜600g/m程度、好ましくは秤量100〜450g/m程度であり、厚さ80〜800μm程度、好ましくは100〜600μm程度のものを使用することができる。なお、紙11には、例えば、文字、図形、記号、その他の所望の絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができる。
バリア層12は、紙11の一方の面に積層され、内容物の臭いが外部に漏れたり、液体である内容物が紙11に染みることを防止する。
バリア層12としては、無機酸化物や金属の薄膜層又は蒸着層を用いることができる。無機酸化物としては、アルミニウムやケイ素、マグネシウムの酸化物を用いることができ、金属としてはアルミニウム等を用いることができる。具体的に、バリア層12としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等からなるフィルムに、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物を蒸着し、又は薄膜として形成したフィルムや、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等からなるフィルムに、アルミニウム等の金属を蒸着し、又は薄膜として形成したフィルムを用いることができる。バリア層12が無機酸化物の薄膜層又は蒸着層からなる場合には、アルミニウム自体を用いる場合に比べて、低い燃焼カロリーで焼却できる等、環境適性に優れたものとすることができる。また、バリア層12がアルミニウムを含む薄膜層又は蒸着層からなる場合には、バリア層12が遮光性を有し、また、材料費を安くすることができる。バリア層12が上述の無機酸化物の薄膜層又は蒸着層からなる場合の厚さは、9〜40μm程度である。薄膜層や蒸着層は極薄いため、これはほぼフィルムの厚みである。なお、バリア層12がフィルムに薄膜層や蒸着層が設けられたものである場合には、薄膜層や蒸着層が紙11と接するように紙容器の積層体10が形成される。
また、バリア層12として、アルミニウム等の金属箔を用いることができ、この場合には、バリア性が高くなり、遮光性を有することとなる。バリア層12としてアルミニウム等の金属泊を用いた場合の厚さは、6〜30μm程度である。さらに、バリア層12としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂又はポリアクリロニトリル系樹脂の少なくともいずれか一種の樹脂若しくはこれらの樹脂を用いた共重合フィルムを用いることができる。バリア層12がこのような樹脂からなる場合には、他の樹脂層(接着層、シーラント層等)と共押出しが可能となり、製造工程を簡略化することが可能となる。このような樹脂系のバリア層12は、金属泊や蒸着層程度のバリア性を必要としない内容物の容器に用いるのに適している。バリア層12としてこのような樹脂を用いた場合の厚さは、5〜30μm程度である。バリア層12には、上記各種のバリア層の中から2種以上を選択して用いてもよい。
このバリア層12と紙11との積層は、熱可塑性樹脂によるサンドラミネートによることが好ましい。また、紙11の表面には、コロナ処理、火炎処理、アンカーコート処理等の表面処理を行うことが好ましく、バリア層12の表面にはインラインでコロナ処理、オゾン処理等を行うことが好ましい。このサンドラミネートに用いられる熱可塑性樹脂として、熱によって溶融し相互に融着し得る熱可塑性樹脂からなる樹脂層を使用することができ、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂等を使用することができる。
シーラント層13は、紙容器(積層体10)の最内層となり、バリア層12に積層される。シーラント層13は、図2に二層、貼合層13aと内層13bからなるシーラント層を示すように、複数の層からなっていてもよい。
シーラント層13は、オレフィン系ポリマーにオルガノシロキサンをグラフト共重合させたシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂と、非変性のポリオレフィン系樹脂と、を混合した樹脂を含有する。オルガノシロキサンを用いた混合樹脂を紙容器の最内面であるシーラント層13に使用することにより、シーラント層13が紙容器の内容物をはじきやすくなる。そのため、紙容器から内容物を出した後の液切れが良好となり、内容物が紙容器内に残りにくい。また、オレフィン系ポリマーにオルガノシロキサンがグラフト共重合されていることにより、オルガノシロキサンに含有されるケイ素が紙容器の内容物中に混入することが防止され、内容物が変質することが防止される。
オレフィン系ポリマーとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)の少なくともいずれか一種を用いることができる。その他に、オレフィン系ポリマーとしては、例えば、高圧法エチレン単独重合体、あるいはエチレンとプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、4−メチルペンテン−1等のエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン等が用いられる。このオレフィン系ポリマーの密度は、特に限定されないが、通常、0.88〜0.940g/cm程度であり、そのメルトインデックスM.I.も、特に限定されないが、通常、0.2〜20程度である。
オルガノシロキサンは、RSiO(RSiO)SiRや(RSiO)等によって示される化合物を総称したものである。なお、Rはアルキル基やアリール基等となる。本発明においてポリオレフィン系樹脂に共重合されるオルガノシロキサンは、上述の化学式で示されるものであれば特に限定されないが、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、メチルアリルポリシロキサン、フェニルビニルポリシロキサン等が用いられる。
オレフィン系ポリマーにオルガノシロキサンをグラフト共重合させる際には、従来公知の方法でグラフト共重合させることができる。シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂のシリコーン含有量は、特に限定されないが、30〜80質量%程度であることが好ましい。シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂のシリコーン含有量が30質量%未満であると、非変性のポリオレフィンと混合する際、シリコーン変性ポリオレフィンの含有量が過剰となってしまうとともに、シール性が劣る場合や、臭い(官能)の面で不利になる場合がある。シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂のシリコーン含有量が80質量%を超えると、オレフィンに対してシリコーンが多くなり、効率よく重合出来ない場合がある。なお、このシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂のシリコーン含有量は、従来公知の手法により測定できる。
非変性のポリオレフィン系樹脂としては、上述のオレフィン系ポリマーと同様の樹脂を用いることができる。この非変性のポリオレフィン系樹脂の密度は、特に限定されないが、通常、0.88〜0.940g/cm程度であり、そのメルトインデックスM.I.も、特に限定されないが、通常、0.2〜20程度である。
シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂と非変性のポリオレフィン系樹脂とを混合する手法は、特に限定されないが、例えば、ドライブレンドにより混合する。シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂と非変性のポリオレフィン系樹脂とを混合して得られる混合樹脂のシリコーン含有量は、特に限定されないが、1〜50質量%程度であることが好ましい。混合樹脂のシリコーン含有量が1質量%未満であると、残液の液切れが悪くなり、シリコーン含有量が50質量%を超えると、積層体10を加工して紙容器とする際のシール性が低下し、また、シリコーンが飽和状態となる為に、シリコーンが入っている割には液切れ性が改善されなくなる。なお、この混合樹脂中のシリコーン含有量は、従来公知の手法により測定できる。
シーラント層13は、一層でもよいが、図2に示すように、少なくとも内層13bと貼合層13aとを含む多層フィルムであることが望ましい。シーラント層13を多層フィルムとする場合、シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂を含む混合樹脂を内層13bのみに用いることにより、上述のように液体である内容物の液切れが良くなる。さらに、内層13bを極力薄層化することにより、シリコーンが添加されていてもシール性を良好にすることができる。なお、シーラント層13の内層13bは、紙容器に組み立てて、内容物を充填後に、漏れ等がなく密封性が高い熱シールが可能であること、そして同時に、内容物に接する層として内容物の香料等を吸着しにくいこと等が要求される。
内層13b(シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂のベースとなるオレフィン系ポリマー及び非変性のポリオレフィン系樹脂)に用いられる樹脂は、メタロセン系触媒を使用したLLDPEとし、一方、シーラント層の貼合層13a側の樹脂は、マルチサイトのLLDPEにする事により、さらにシール性を安定させることができる。なお、貼合層13a側にメタロセン系触媒による樹脂を使用すると、樹脂同士の埋まりが悪くシール性が落ちる場合がある。これは、メタロセン系触媒による樹脂のメルトフローレートが大きく、また、溶融樹脂にかかる剪断速度が高いときにシングルサイト触媒を用いて重合された直鎖低密度ポリエチレンは流れ難いので、樹脂同士の埋まりが悪くなる。
シーラント層13の多層フィルムの具体的な構成を説明する。内層13bには、密度0.880〜0.920g/m、メルトインデックスM.I.が0.2〜20のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体樹脂が用いられる。なお、シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂のベースとなるオレフィン系ポリマーも同一である。また、シール性の状態によっては、密度0.910〜0.925g/m、メルトインデックスM.I.が0.2〜10の低密度ポリエチレン5〜40%とをブレンドした樹脂を用いても良い。
また、貼合層13aは、密度0.900〜0.920g/m、メルトインデックスM.I.が0.2〜20のシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂でも良いが、より好ましくは、貼合層13aは、密度0.900〜0.920g/m、メルトインデックスM.I.が0.2〜20のマルチサイト触媒を用いて重合した直鎖状低密度ポリエチレンを用いる。また、シール性の状態によっては、貼合層13aは密度0.910〜0.925g/m、メルトインデックスM.I.が0.2〜5の低密度ポリエチレン5〜40wt%をブレンドしても良い。
内層13bと貼合層13aとの層厚比は、内層/貼合層=1〜0.05、好ましくは、0.5〜0.07である。この層厚比、内層/貼合層が1を超えると、シール性が悪くなり、層厚比、内層/貼合層が0.05未満であると、充分な液切れ性が得られない。
シーラント層13は、220〜350℃に溶融して押出しコーティングされるが、二層以上からなる場合には、所定の順の層となるように共押出しで積層したフィルムとすることもできる。共押出フィルムは、たとえばTダイ又はインフレーション法により共押出しして形成される。
この共押出しフィルムのシーラント層13とバリア層12との積層は、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂によるサンドラミネート、あるいは、エステル系アンカーコート剤等の接着剤を使用したドライラミネートにより行われる。このとき、バリア層12及びシーラント層13の表面にはコロナ処理、火炎処理、オゾン処理、アンカーコート処理等の表面処理を行うことが好ましい。シーラント層13とバリア層12との間に接着剤等による層が形成される場合には、接着剤等の塗布量は、0.1〜10g/m程度とする。
本発明の紙容器に用いる積層体10に任意に設けられる最外層14は、紙11の一方の面に積層され、シーラント層13との接着性が良好である低密度ポリエチレン(LDPE)を主に使用することができる。最外層14は、シーラント層13と接着されるため、外面シーラント層とも呼ばれる。最外層14は、紙容器の表面となる層であるが、さらに表面に絵柄や文字等が印刷される場合もあるため、印刷インキの密着性の向上を図るために表面にコロナ処理等の表面処理を施すことが好ましい。
最外層14を形成する低密度ポリエチレン(LDPE)としては、たとえば高圧法エチレン単独重合体、あるいはエチレンとプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、4−メチルペンテン−1等のエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレンが好適に用いられる。この最外層14を形成する低密度ポリエチレンの密度は、特に限定されないが、通常、0.88〜0.940g/cm程度であり、そのメルトインデックスM.I.も、特に限定されないが、通常、0.2〜20程度である。
最外層14は、積層体10における紙11の外面となる側に材料を塗布することにより形成される。最外層14の材料の塗布方法は、特に限定されないが、通常、押出コート等により最外層14が塗布される。最外層14の厚さは、特に限定されないが、通常、20〜50μmの範囲である。
これらの層構成からなる積層体10の厚さも、特に限定されないが、通常、250〜800μm程度である。
積層体10を用いた紙容器の製造は、通常、次のようにして行われる。すなわち、前述の層構成からなる積層体10のシートの外面に印刷を行った後、打ち抜き、端面をスカイブ・ヘミングして内容物が端面に接触しないようにし、充填装置内で底部及びトップ部を熱風加熱、火炎加熱等によりヒートシールして紙容器とする。
この紙容器の形状については、用途・目的等に応じて適宜に決定すればよく、例えばゲーベルトップタイプ、ブリックタイプ、フラットタイプ等が挙げられ、また、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等が挙げられる。この紙容器の注出口には、たとえばポリエチレン製のキャップ、プルタブ型の開封機構等を適宜に設けてもよい。
紙容器の内容物も、特に限定されず、酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウォーター等の各種の飲料品、醤油、ソース、スープ等の液体調味料、あるいは、カレー、シチュー、スープ、その他等の種々の液体飲食物、食用油、機械用油、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品、その他シャンプー、リンス、洗剤等の化成品等の様々な液体を内容物とすることができる。また、本発明の紙容器は、液体以外のものを入れてもよい。
実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
秤量400g/mのミルク原紙の一方の面に、低密度ポリエチレン樹脂(密度;0.923g/cm、メルトインデックスM.I;3.7)を押出コートして厚さ20μmの最外層を形成した。
次いで、バリア層として、厚さ12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(なお、アルミ蒸着層500Å(オングストローム)、PETフィルム約12μm)を準備し、アルミ蒸着層にインラインでコロナ処理を施し、また、上記ミルク原紙の他方の面にフレーム処理を施し、アルミ蒸着層とミルク原紙とを対向させた。そして、アルミ蒸着層とミルク原紙の層間にEMAA樹脂を厚さ20μmで押出コートして、ミルク原紙とバリア層とを貼り合わせた。
さらに、上記のミルク原紙と貼り合わせたバリア層側に2液硬化型のエステル系アンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製、商品名:タケラックA3210/タケネートA3075)を1g/mの塗布量でグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥路に通した。その後、このアンカーコート剤の面に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度;0.910g/cm、メルトインデックスM.I;10.0)からなる層と、オルガノシロキサンがグラフト共重合されているシリコーン含有量50質量%のシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂とメタロセン系低密度ポリエチレン樹脂(密度;0.905g/cm、メルトインデックスM.I;4.0)とを混合したシリコーン含有量5質量%の混合樹脂と、を共押し出ししてシーラント層を形成した。シーラント層の厚さは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の層:シリコーン含有混合樹脂の層を55μm:5μmとした。
このようにして、PE20μm/ 紙400g/m /EMAA20μm/アルミ蒸着PET12μm/(PE55μm/シリコーン含有混合樹脂5μm)の順に積層された積層体を製造した。
この積層体から1Lゲーベルトップのブランク板を打ち抜き加工し、スカイブ・ヘミング等の端面処理を行った。次に、このブランク板にフレーム処理又はホットエアー処理等の加熱処理を行い、ブランク板の重ね合わさる部分に存在する最外層と最内層(シーラント層)とを構成する低密度ポリエチレン樹脂を加熱溶融し、押圧して胴貼りを行って胴シール部を形成し、スリーブ状の紙容器を作製した。これを実施例1の紙容器とする。
(実施例2、3、4)
実施例1のシリコーン含有混合樹脂における、シリコーン含有量を10質量%に変更した他は、実施例1と同様にして、実施例2の紙容器を作製した。実施例1のシリコーン含有混合樹脂における、シリコーン含有量を20質量%に変更した他は、実施例1と同様にして、実施例3の紙容器を作製した。実施例1のシリコーン含有混合樹脂における、シリコーン含有量を70質量%に変更した他は、実施例1と同様にして、実施例4の紙容器を作製した。
(比較例1)
実施例1の積層体におけるシリコーン含有混合樹脂5μmの層をメタロセン系低密度ポリエチレン樹脂(密度;0.905g/cm、メルトインデックスM.I;4.0)5μmに変更した他は、実施例1の紙容器と同様にして比較例1の紙容器を作製した。
(評価方法)
各実施例、比較例1の紙容器について、内容物の液切れ性、シーラント層のシール性を評価した。
内容物の液切れ性は、各紙容器にコンディショナーを充填し、ボトルへの詰め替えにかかる時間を測定し、また、コンディショナーを各紙容器からボトルへ詰め替えた後の残液の有無を確認することにより評価した。詰め替えにかかった時間及び残液の有無を表1に示す。この結果、比較例1に対して、各実施例の方が、液切れ性が良好であった。
シーラント層のシール性は、1000本/時間の速度で内容物を充填できる充填機において、トップシールする際の良好なシール温度幅を測定することにより評価した。このときのシール温度幅を表1に示す。この結果、実施例4のシール温度幅が若干狭くなりシール温度が高くなるものの、実施例1〜4及び比較例1のいずれもシール温度幅が広く、シール温度を低くすることができるものであり、シーラント層のシール性が良好であった。
このように、本発明の各実施例は、液体の内容物が残りにくいものであり、特にシリコーン含有量を調節することで、シール温度をも低くすることができた。
Figure 0004816073
本発明の紙容器を形成する積層体の層構成の一例を示す断面図である。 本発明の紙容器を形成する積層体の層構成の他の例を示す断面図である。
符号の説明
10 積層体
11 紙
12 バリア層
13 シーラント層
13a シーラント層(貼合層)
13b シーラント層(内層)
14 最外層

Claims (7)

  1. 少なくとも、紙、バリア層、シーラント層の順に外側から積層された積層体から成形される紙容器であって、
    前記シーラント層が少なくとも貼合層と最内層である内層の2層以上からなり、
    前記内層が、オレフィン系ポリマーにオルガノシロキサンをグラフト共重合させたシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂と、非変性のポリオレフィン系樹脂と、を混合した樹脂からなる層であり、
    前記貼合層が、エチレン−α・オレフィン共重合体からなる層であり、
    前記内層と前記貼合層との層厚比が1〜0.05であることを特徴とする紙容器。
  2. 前記シーラント層が、シリコーン含有量30〜80質量%のシリコーン変性ポリオレフィン系樹脂と、非変性のポリオレフィン系樹脂と、を混合して得られるシリコーン含有量1〜50質量%の混合樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の紙容器。
  3. 前記シリコーン変性ポリオレフィン系樹脂が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・アクリル酸エチル共重合体又はエチレン・酢酸ビニル共重合体の少なくともいずれか一種に、オルガノシロキサンをグラフト共重合させた重合体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙容器。
  4. 前記バリア層が、無機酸化物の薄膜層又は蒸着層からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の紙容器。
  5. 前記バリア層が、アルミニウムを含む薄膜層又は蒸着層からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の紙容器。
  6. 前記バリア層が、金属箔からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の紙容器。
  7. 前記バリア層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂又はポリアクリロニトリル系樹脂の少なくともいずれか一種の樹脂若しくは前記樹脂を用いた共重合フィルムからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の紙容器。
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