JP2007124402A - 基地局装置及び基地局装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の端末装置との通信において、簡単な呼の優先制御方法により、基地局装置のタイムスロットの利用効率を高める。
【解決手段】複数の端末装置からのパケット呼それぞれに1又は複数のタイムスロットを割り当てて、それら端末装置と時分割多重方式で通信を行う基地局装置において、パケット呼を識別する呼識別情報の並び順によりパケット呼の通信待ち順を管理するタイムスロット毎の待ちキュー36と、特定のパケット呼について、すべてのタイムスロットの待ちキュー36に特定のパケット呼の呼識別情報を追加する呼識別情報追加部32と、待ちキュー36の通信待ち順に基づいて、通信待ちのパケット呼に使用されていないタイムスロットを割り当てるスロット割当部38と、を含む。
【選択図】図3
【解決手段】複数の端末装置からのパケット呼それぞれに1又は複数のタイムスロットを割り当てて、それら端末装置と時分割多重方式で通信を行う基地局装置において、パケット呼を識別する呼識別情報の並び順によりパケット呼の通信待ち順を管理するタイムスロット毎の待ちキュー36と、特定のパケット呼について、すべてのタイムスロットの待ちキュー36に特定のパケット呼の呼識別情報を追加する呼識別情報追加部32と、待ちキュー36の通信待ち順に基づいて、通信待ちのパケット呼に使用されていないタイムスロットを割り当てるスロット割当部38と、を含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、基地局装置及び基地局装置の制御方法に関し、特に、複数の端末装置からのパケット呼それぞれに1又は複数のタイムスロットを割り当てて、それら端末装置と時分割多重方式で通信を行う基地局装置及び基地局装置の制御方法に関する。
時分割多重方式による通信システムでは、通信装置間の伝送チャネルをいくつかのタイムスロットに時分割し、各タイムスロットにデータを格納して多重通信が行われる。例えば、PHS(Personal Handy-phone System)システムでは、端末と基地局との間の無線通信チャネルは、上り下りともそれぞれ複数のタイムスロットに時分割される。そして、回線交換の場合は、1つの回線交換呼が1つのタイムスロット(32kpbs)を占有し、パケット交換の場合は、1つのパケット呼が1又は複数のタイムスロットを使用して通信が行われる。ここで呼とは、通信装置間における接続要求から接続切断(ドーマント状態を含む)までの一連の通信のことをいう。回線交換呼は回線交換についての呼であり、パケット呼はパケット通信についての呼である。
呼が接続を要求すると、基地局は呼に対して使用されていないタイムスロットを割り当てる。1つの基地局に対して接続を求める端末の数が増え、タイムスロットがすべて割り当て済みになると、基地局は複数の呼でタイムスロットを共用するために、呼の優先制御(スケジューリング)を行う。すなわち、基地局は通信中の呼と通信待ちの呼をある決まりに基づいて順次切り替える制御を行う。図6に、パケット呼Aとパケット呼Bが1つの無線リソースを共用する場合の各パケット呼の状態遷移を示す。通信中のパケット呼Aの無線リソースが切断された後、パケット呼Bの無線リソースが基地局の無線リソースに接続され通信中となる。さらにまた、パケット呼Bの無線リソースが切断され、パケット呼Aの無線リソースが基地局の無線リソースに接続されて通信中となる。
なお、下記特許文献1には、入力されるパケットの優先度を、予め定められる要素(例えば、許容遅延等)に基づいて設定し、さらに、他の要素(例えば、再送要求の有無等)を考慮して、先に設定した優先度を調整した後、無線リソースを割り当てるべきパケットを決定することにより、システム全体のスループットを増大させる技術が開示されている。
特開2005−86216号公報
呼の優先制御として、従来はタイムスロット毎に呼の通信待ち順を管理する通信順管理手段としての待ちキューを設け、パケット呼の割り当てが可能となったタイムスロットができると、使用されていない当該タイムスロットの待ちキューに先に追加された呼から順にタイムスロットを割り当てるという処理を行っていた。しかし、かかる従来の構成では、図7に示すように、呼が一旦いずれかの待ちキューに追加されると、他のタイムスロットに空きができたとしても、その空いたタイムスロットを当該呼に割り当てることができず、自己が追加されたキューのタイムスロットが空くまでは通信を開始することができないという問題があった。待ちキューは、待ち順を管理するためだけの1次元の単純な構造を有することを特徴とする待ち行列であるため、途中でキュー内の順序を並び替えたり、キュー内の要素を他のキューに追加し直したりすることができないからである。このように従来の構成では、使用されていないタイムスロットを有効利用できない場合があるため、結果として通信のスループットが下がってしまうという問題があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、複数の端末装置との通信において、簡単な呼の優先制御方法により、タイムスロットの利用効率を高めることができる基地局装置及び基地局装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る基地局装置は、複数の端末装置からのパケット呼それぞれに1又は複数のタイムスロットを割り当てて、それら端末装置と時分割多重方式で通信を行う基地局装置であって、前記パケット呼を識別する呼識別情報の並び順により前記パケット呼の通信待ち順を管理する前記タイムスロット毎の通信待ち順管理手段と、特定のパケット呼について、すべての前記タイムスロットの通信待ち順管理手段に前記特定のパケット呼の呼識別情報を追加する呼識別情報追加手段と、前記通信待ち順管理手段の通信待ち順に基づいて、通信待ちのパケット呼に使用されていない前記タイムスロットを割り当てる割当手段と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る基地局装置の制御方法は、複数の端末装置からのパケット呼それぞれに1又は複数のタイムスロットを割り当てて、それら端末装置と時分割多重方式で通信を行う基地局装置の制御方法であって、前記パケット呼を識別する呼識別情報の並び順により前記パケット呼の通信待ち順を前記タイムスロット毎に管理するステップと、特定のパケット呼について、すべての前記タイムスロットの通信待ち順に前記特定のパケット呼の呼識別情報を追加する呼識別情報追加ステップと、前記通信待ち順に基づいて、通信待ちのパケット呼に使用されていない前記タイムスロットを割り当てる割当ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、複数の端末装置からのパケット呼それぞれに1又は複数のタイムスロットを割り当てて、それら端末装置と時分割多重方式で通信を行う場合に、タイムスロット毎の通信待ち順管理手段としての待ちキューに、パケット呼を識別する呼識別情報の並び順を記憶させて、パケット呼の通信待ち順を管理する。そして、特定のパケット呼については、すべてのタイムスロットの待ちキューに当該特定のパケット呼の呼識別情報を追加する。そして、通信中のパケット呼が通信を終了することによりタイムスロットに空きができると、使用されていない当該タイムスロットの待ちキューの通信待ち順に基づいて、通信待ちのパケット呼に当該使用されていないタイムスロットを割り当てる。こうすれば、パケット呼の割り当てが可能となったタイムスロットが存在するにもかかわらず、使用されていない当該タイムスロットが待ちキュー内の特定のパケット呼に割り当てられないという状況を防ぐことができる。すなわち、タイムスロット毎の待ちキューを用いた簡単な呼の優先制御方法により、基地局装置のタイムスロットの利用効率を高めることができ、通信のスループットを向上させることができる。
また、本発明の一態様では、前記割当手段が前記特定のパケット呼を前記使用されていないタイムスロットに割り当てる場合に、他の前記タイムスロットの通信待ち順管理手段における一部又は全部の前記特定のパケット呼の呼識別情報を削除する呼識別情報削除手段を含む。また、前記割当ステップが前記特定のパケット呼を前記使用されていないタイムスロットに割り当てる場合に、他の前記タイムスロットの通信待ち順における一部又は全部の前記特定のパケット呼の呼識別情報を削除する呼識別情報削除ステップを含む。こうすれば、特定のパケット呼にいずれかのタイムスロットが割り当てられると、他のタイムスロットの待ちキュー内にある当該特定のパケット呼の呼識別情報が削除され、当該待ちキュー内の他のパケット呼に通信待ち順を譲ることができる。
また、本発明の一態様では、前記呼識別情報追加手段は、前記特定のパケット呼と異なる種類のパケット呼について、特定のタイムスロットの通信待ち順管理手段に前記特定のパケット呼と異なる種類の前記パケット呼の呼識別情報をさらに追加する。こうすれば、タイムスロットの割り当て方が異なるパケット呼が混在するような場合でも、タイムスロット毎の待ちキューを用いた簡単な呼の優先制御方法により、基地局装置のタイムスロットの利用効率を高めることができ、通信のスループットを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施の形態に係る移動体通信システム10は、図1に示すように、通信ネットワーク16に有線伝送路で接続される基地局装置12と、当該基地局装置12と無線伝送路で接続される端末装置14を複数含んで構成される。
基地局装置12は、図2に示すように、制御部20、記憶部22、無線通信部24、有線通信部26を含んで構成される。制御部20は、基地局装置12の各部を制御し、通話やデータ通信に関わる処理を実行する。無線通信部24は、アンテナを備え、端末装置14からの音声信号や通信用パケット等を受信して復調し、制御部20に出力したり、制御部20の指示に従って、制御部20から入力される音声信号や通信用パケット等を変調し、アンテナを介して出力したりする。記憶部22は、制御部20のワークメモリとして動作する。また、記憶部22は、制御部20による各種処理に関わるプログラムやパラメータ及び後述する各種キューに相当するテーブル等を記憶する。有線通信部26は、通信ネットワーク16と接続されており、通信ネットワーク16からの音声信号や通信用パケット等を受信して制御部20に出力したり、制御部20の指示に従って、音声信号や通信用パケット等を通信ネットワーク16に対して送信したりする。
端末装置14は、いずれかの基地局装置12との間で、時分割多重方式による通信を行う。すなわち、端末装置14と基地局装置12との間の伝送チャネルはいくつかのタイムスロットに時分割され、各タイムスロットにデータを格納して多重通信が行われる。
以下、説明の便宜上、PHSシステムにおけるタイムスロットの使用の形態を例にとって説明する。図8に示すように、端末装置14と基地局装置12との間の無線通信チャネルは、上り方向(端末装置14から基地局装置12へ送信されるデータ)、下り方向(基地局装置12から端末装置14へ送信されるデータ)のそれぞれについて時分割される。なお、同図では、タイムスロットは4つであるとし、1つの制御チャネル(CCH)と3つの伝送チャネル(TCH)からなるものとしている。
端末装置14と基地局装置12とは、制御チャネル及び伝送チャネルを用いて呼制御(発呼/着呼等)を行う。回線交換の場合、1つの回線交換呼が1つのタイムスロット(32kbps)を占有する。一方、パケット通信の場合、1つのパケット呼が1つのタイムスロットを使用して通信を行う32kbps通信と、同時に複数のタイムスロットを使用して32kbps以上の速度で通信を行うマルチリンク接続の2種類の通信方式が存在する。この2種類の通信方式は、通信で使用するタイムスロットの数が異なるだけでなく、基地局装置12におけるパケット呼へのタイムスロットの割り当て方も異なる。すなわち、32kbps通信のパケット呼では、端末装置14側の1スロットを基地局装置12側の任意の1スロットに割り当てるのに対し、マルチリンク接続のパケット呼は、端末装置14側のタイムスロットを基地局装置12側のタイムスロットにそれぞれのスロット番号を一致させて割り当てる必要がある。具体的には、端末装置14のスロット1を基地局装置12のスロット1に、端末装置14のスロット2を基地局装置12のスロット2に、という具合にスロット番号を一致させなければならない。以下、前者のスロット番号を指定しない32kbps通信のパケット呼を非限定呼、後者のスロット番号を指定するマルチリンク接続のパケット呼を限定呼と呼ぶ。図9は、基地局装置12と端末装置14(32kbps通信、マルチリンク接続による128kbps通信)のそれぞれの無線タイムスロット構成を示す図である。
図3は、本実施の形態に係る基地局装置12の機能ブロック図である。呼管理部30は呼識別情報追加部32及び呼識別情報削除部34を含んで構成され、通信待ち順管理手段としての待ちキュー36、スロット割当部38、及び保留キュー46を制御して、複数の端末装置14からのパケット呼の優先制御を行う。
呼識別情報追加部32は、呼管理部30からの指示に基づいて、新規パケット呼の呼識別情報又は保留キュー46内の呼識別情報を、タイムスロットの待ちキュー36に追加する処理を行う。呼識別情報とは、パケット呼を一意に識別するための識別情報であり、パケット呼を識別するための識別子であってもよいし、識別子に関連付けて、パケット呼が特定のパケット呼であるか否か、例えば、スロット番号を指定しない非限定呼であるか否か等の情報を含んでもよい。待ちキュー36に追加すべきパケット呼が特定のパケット呼である場合、呼識別情報追加部32は、すべてのタイムスロットの待ちキュー36に当該特定のパケット呼の呼識別情報を追加する。すなわち、パケット呼がスロット番号を指定しない32kbps通信の非限定呼である場合、呼識別情報追加部32は、すべてのタイムスロットの待ちキュー36に当該非限定呼の呼識別情報を追加する。このように、すべての待ちキュー36に非限定呼の呼識別情報を追加することにより、すべてのタイムスロットの中で最も先にパケット呼の割り当てが可能となったタイムスロットを、当該非限定呼に割り当てることが可能となる。一方、待ちキュー36に追加すべきパケット呼が特定のパケットと異なる種類のパケット呼である場合には、特定のタイムスロットの待ちキュー36に当該特定のパケットと異なる種類のパケット呼の呼識別情報を追加することとしてもよい。すなわち、パケット呼がスロット番号を指定するマルチリンク接続の限定呼である場合、呼識別情報追加部32は、指定されたスロット番号のタイムスロットの待ちキュー36に当該限定呼の呼識別情報を追加する。
呼識別情報削除部34は、呼管理部30からの指示に基づいて、特定のパケット呼が使用されていないタイムスロットに割り当てられた場合に、待ちキュー36に記憶されている当該特定のパケット呼の一部又は全部の呼識別情報を削除する処理を行う。すなわち、パケット呼が非限定呼である場合、すべてのタイムスロットの中で最も先にパケット呼の割り当てが可能となったタイムスロットが割り当てられるように、すべての待ちキュー36に当該非限定呼の呼識別情報が追加されている。そのため、当該非限定呼のいずれか1つの呼識別情報がスロット割当部38により取り出され1つのタイムスロットが割り当てられると、当該非限定呼にとっては他のタイムスロットの割当は不要となる。そこで、非限定呼にタイムスロットが割り当てられる場合に、他のタイムスロットの待ちキュー36に記憶された当該非限定呼の一部又は全部の呼識別情報が、呼識別情報削除部34により削除される。
待ちキュー36は、記憶部22に含まれる先入れ先出し方式の記憶手段であり、複数のパケット呼の呼識別情報を記憶することにより通信待ち順管理手段として機能する。図4に示すように、待ちキュー36は、タイムスロット管理部40おけるタイムスロット毎に設けられ、呼識別情報の並び順により、パケット呼のタイムスロットへの割当順序、すなわち、通信待ち順を管理する。待ちキュー36には、呼管理部30から入力される新規パケット呼と、呼管理部30の指示により保留キュー46から入力されるパケット呼の呼識別情報が記憶される。
スロット割当部38は、呼管理部30の指示に基づいて、新規のパケット呼又は待ちキュー36に記憶された呼識別情報により識別されるパケット呼を、タイムスロットに割り当てる処理を行う。すなわち、スロット割当部38は、あるパケット呼のデータ通信が終了した時、パケット呼の通信データ量が所定量に達した時、タイマー部44の計測によりパケット呼のデータ通信時間が所定時間に達した時等のタイミングで、当該パケット呼へのタイムスロットの割当を解除する。そして、タイムスロットの割当の解除により使用されないタイムスロットが発生すると、当該使用されていないタイムスロットの待ちキュー36から、最も先に追加された呼識別情報を取り出して、当該呼識別情報により識別されるパケット呼に対して当該使用されていないタイムスロットを割り当てる。
タイムスロット管理部40は、図5に示すように、スロット番号に関連付けてパケット呼の呼識別情報を記憶することにより、タイムスロットの割当状態を管理する。タイムスロット管理部40の内容はスロット割当部38により更新される。すなわち、スロット割当部38は、呼識別情報をスロット番号に関連付けて記憶させることにより、当該呼識別情報により識別されるパケット呼に対してタイムスロットを割り当てる処理を行う。パケット呼にタイムスロットが割り当てられると、通信制御部48が当該パケット呼の呼処理を開始し、通信部50によって通信が行われる。また、スロット割当部38は、スロット番号に関連付けて記憶された呼識別情報を削除することにより、当該スロット番号のタイムスロットの割当を解除する処理を行う。タイムスロットの割当の解除は、パケット呼のデータ通信が終了した時、パケット呼の通信データ量が所定量に達した時、タイマー部44の計測によりパケット呼のデータ通信時間が所定時間に達した時等のタイミングで実行される。タイムスロットの割当を解除され通信が切断されたパケット呼は、呼識別情報追加部32により待ちキュー36にキューイングされる(待ちパケットとして追加される)。データ通信が終了したパケット呼については、通信すべきパケットが発生するまで保留キュー46にキューイングされることとしてもよい。
保留キュー46は、記憶部22に含まれる先入れ先出し方式の記憶手段であり、複数のパケット呼の呼識別情報を記憶することができる。保留キュー46は、データ通信が終了したドーマント状態のパケット呼の呼識別情報を、通信すべきパケットが発生するまで一時的に記憶しておくために用いられる。保留キュー46に記憶されたパケット呼は、通信すべきパケットが発生すると、呼管理部30の指示に基づいて、待ちキュー36に移動される。
図10は、パケット呼のキューイング処理及びタイムスロットの割当処理の流れを示す概念図である。同図では、タイムスロット管理部40におけるタイムスロットの数は4つであるものとしている。各タイムスロットにはそれぞれ待ちキュー36が設けられている。新規パケット呼は、割り当てられるべきタイムスロットが使用されていなければ、スロット割当部38により、当該タイムスロットを割り当てられる。割り当てられるべきタイムスロットが使用されている場合は、呼の優先制御の対象となるため、当該パケット呼は待ちキュー36にキューイングされる。すなわち、呼識別情報追加部32により、当該割り当てられるべきタイムスロットの待ちキュー36に当該パケット呼の呼識別情報が追加される。タイムスロットが割り当てられたパケット呼は、通信データ量が所定量に達した時、データ通信時間が所定時間に達した時等のタイミングで、タイムスロットの割当が解除され、待ちキュー36にキューイングされる。タイムスロットに空きができると、当該タイムスロットの待ちキュー36の中で最先に追加された呼識別情報により識別されるパケット呼に対して、当該空いたタイムスロットが割り当てられる。なお、データ通信が終了したパケット呼については、待ちキュー36にキューイングする代わりに、通信すべきパケットが発生するまでは保留キュー46にキューイングしておき、通信すべきパケットが発生したタイミングで待ちキュー36に移動させるようにしてもよい。
次に、図11に基づいて、非限定呼にタイムスロットを割り当てる処理を説明する。図11(a)には、4つのタイムスロットを有するタイムスロット管理部40において、スロット1からスロット3は限定呼のPS1が使用中で、スロット4は非限定呼のPS2が使用中であり、全てのタイムスロットの待ちキュー36は空である状態が示されている。ここで、32kbpsの通信を行う端末装置14から新規に非限定呼PS3が発呼されると、タイムスロットはすべて使用中であるため、図11(b)に示すように、PS3の呼識別情報は呼識別情報追加部32によりすべての待ちキュー36に追加される。スロット4の非限定呼PS2のデータ通信時間が所定時間に達するあるいは通信データ量が所定量に達すると、図11(c)に示すように、スロット4の非限定呼PS2の呼識別情報はスロット割当部38により削除され、当該PS2の呼識別情報はすべての待ちキュー36の最後尾に追加される。スロット4が空くと、図11(d)に示すように、スロット4の待ちキュー36の中で最先に追加された非限定呼PS3の呼識別情報がスロット割当部38により取り出され、スロット4が割り当てられる。非限定呼PS3は1つのタイムスロットを使用して32kpbs通信を行うパケット呼であり、スロット4以外の他のスロットの割当を受ける必要はないため、スロット1からスロット3の待ちキュー36に記憶されたPS3の呼識別情報は呼識別情報削除部34によりすべて削除される。このように、スロット番号を指定しない非限定呼に対しては、すべてのタイムスロットの待ちキューに対してその呼識別情報を追加しておくことにより、最も早くパケット呼の割り当てが可能となったタイムスロットを確実に割り当てることができるようになる。
以下、基地局装置12におけるパケット呼の優先制御処理を、図12及び図13のフローチャートに基づいて説明する。図12は、新規パケット呼のキューイング処理を説明するフローチャートである。新規パケット呼が発生すると、呼管理部30は、スロット割当部38を介してタイムスロット管理部40におけるタイムスロット割当状態を確認する(S200)。新規パケット呼に割り当てられるべきタイムスロットが使用中でなければ、使用されていない当該タイムスロットがスロット割当部38により割り当てられる。割り当てられるべきタイムスロットが使用中であれば、呼のキューイング処理に入る。呼管理部30は新規パケット呼の種類を確認し(S202,S206)、新規パケット呼が非限定呼であれば、呼識別情報追加部32により、当該新規パケット呼の呼識別情報がすべての待ちキュー36に追加され(S204)、限定呼であれば、指定されたスロット番号に対応する待ちキュー36に追加される(S208)。
図13は、タイムスロットの割当処理を説明するフローチャートである。タイムスロットを割り当てられたパケット呼のデータ通信時間が所定時間に達するあるいは通信データ量が所定量に達すると、スロット割当部38は、タイムスロット管理部40において当該タイムスロットのスロット番号に関連づけられた呼識別情報を削除し、当該呼識別情報により識別されるパケット呼へのタイムスロットの割当を解除する(S220)。スロット割当部38は、空いたタイムスロットに対応する待ちキュー36から、最先に追加された呼識別情報を取り出す(S222)。次に、取り出した呼識別情報に識別されるパケット呼の種類を確認し(S224,S230)、非限定呼であれば、タイムスロットの待ちキュー36に記憶されている当該パケット呼の呼識別情報が呼識別情報削除部34によりすべて削除され(S226)、スロット割当部38により、空いたタイムスロットが当該パケット呼に割り当てられる(S228)。限定呼であれば、指定されたスロット番号のタイムスロットが割り当てられる(S228)。
以上に述べた基地局装置によれば、複数の端末装置との通信において、簡単な呼の優先制御方法により、基地局装置のタイムスロットの利用効率を高めることができ、通信のスループットを向上させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、移動体通信システムを例に挙げて説明したが、複数のタイムスロットを割り当てて時分割多重方式にて通信を行う通信システムであれば、どのようなものにでも適用することが可能である。具体的には、例えば時分割多重方式にて通信を行う有線通信にも適用することができる。
10 移動体通信システム、12 基地局装置、14 端末装置、16 通信ネットワーク、20 制御部、22 記憶部、24 無線通信部、26 有線通信部、30 呼管理部、32 呼識別情報追加部、34 呼識別情報削除部、36 待ちキュー、38 スロット割当部、40 タイムスロット管理部、44 タイマー部、46 保留キュー、48 通信制御部、50 通信部。
Claims (5)
- 複数の端末装置からのパケット呼それぞれに1又は複数のタイムスロットを割り当てて、それら端末装置と時分割多重方式で通信を行う基地局装置であって、
前記パケット呼を識別する呼識別情報の並び順により前記パケット呼の通信待ち順を管理する前記タイムスロット毎の通信待ち順管理手段と、
特定のパケット呼について、すべての前記タイムスロットの通信待ち順管理手段に前記特定のパケット呼の呼識別情報を追加する呼識別情報追加手段と、
前記通信待ち順管理手段の通信待ち順に基づいて、通信待ちのパケット呼に使用されていない前記タイムスロットを割り当てる割当手段と、
を含むことを特徴とする基地局装置。 - 請求項1に記載の基地局装置において、
前記割当手段が前記特定のパケット呼を前記使用されていないタイムスロットに割り当てる場合に、他の前記タイムスロットの通信待ち順管理手段における一部又は全部の前記特定のパケット呼の呼識別情報を削除する呼識別情報削除手段、
を含むことを特徴とする基地局装置。 - 請求項1に記載の基地局装置において、
前記呼識別情報追加手段は、前記特定のパケット呼と異なる種類のパケット呼について、特定のタイムスロットの通信待ち順管理手段に前記特定のパケット呼と異なる種類の前記パケット呼の呼識別情報をさらに追加する、
ことを特徴とする基地局装置。 - 複数の端末装置からのパケット呼それぞれに1又は複数のタイムスロットを割り当てて、それら端末装置と時分割多重方式で通信を行う基地局装置の制御方法であって、
前記パケット呼を識別する呼識別情報の並び順により前記パケット呼の通信待ち順を前記タイムスロット毎に管理するステップと、
特定のパケット呼について、すべての前記タイムスロットの通信待ち順に前記特定のパケット呼の呼識別情報を追加する呼識別情報追加ステップと、
前記通信待ち順に基づいて、通信待ちのパケット呼に使用されていない前記タイムスロットを割り当てる割当ステップと、
を含むことを特徴とする基地局装置の制御方法。 - 請求項4に記載の基地局装置の制御方法において、
前記割当ステップが前記特定のパケット呼を前記使用されていないタイムスロットに割り当てる場合に、他の前記タイムスロットの通信待ち順における一部又は全部の前記特定のパケット呼の呼識別情報を削除する呼識別情報削除ステップ、
を含むことを特徴とする基地局装置の制御方法。
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