JP2007124230A - 画像形成装置、色変換装置、及び色変換ルックアップテーブルの作成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ルックアップテーブルを参照して色変換処理を行うにあたり、キャッシュヒット率を高め、色変換処理を高速に実行することを目的とする。
【解決手段】色変換ルックアップテーブルを参照して色変換処理を行う色変換処理手段を含む画像形成装置であって、色変換処理手段は、入力信号の信号値を各入力色毎に取得し、各入力色毎の信号値の各下位ビットが、オフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置してオフセット値を計算し、当該オフセット値を用いて、色変換ルックアップテーブルを参照する。
【選択図】図5
【解決手段】色変換ルックアップテーブルを参照して色変換処理を行う色変換処理手段を含む画像形成装置であって、色変換処理手段は、入力信号の信号値を各入力色毎に取得し、各入力色毎の信号値の各下位ビットが、オフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置してオフセット値を計算し、当該オフセット値を用いて、色変換ルックアップテーブルを参照する。
【選択図】図5
Description
本発明は、画像形成装置に関し、特に、色変換処理時に参照するルックアップテーブルのメインメモリ上の配置により、色変換処理の高速化を可能にする技術に関する。
インクジェット等により画像を形成する画像形成装置は、デジタルカメラで撮像した写真やコントローラ上で作成されたデザインなどを印刷媒体上に印刷する手段として広く普及している。画像形成装置は、ホストコンピュータに接続され、ホストコンピュータから画像形成データを受信し、所定の画像処理を行って印刷エンジン、例えばインクヘッドや電子写真エンジンに画像再生データを出力する。
ホストコンピュータにおいて、画像データは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)により取り扱われる。一方、画像形成装置においては、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインク色によって印刷媒体上に出力することから、画像データはCMYK4色により取り扱われるのが一般的である。
そのため、RGB値から画像形成装置固有のCMYK等の記録色に色変換する必要がある。色変換の方法としては、様々な方法が提案されているが、その一つにダイレクトマッピング方法とよばれる方法がある。これは、入力されるRGB値に応じて、あらかじめ用意されたルックアップテーブル(以下、「LUT」という。)に記述されているCMYK値を直接参照するものである。この方法を用いれば、非線形関係にある変換や複雑な変換が可能になり、より繊細な画像設計を行うことが可能になる。なお、LUTを作成する方法が、例えば特許文献1に記載されている。
特開平10−191076号公報
ところで、RGBそれぞれが8ビットの階調を持ち、この値によってLUT参照を行ってCMYKの4色に変換する場合、LUTの容量は64Mバイト(256×256×256×4)と大きなものになる。そして、従来のRGB値をそのままインデックスとしてメモリ上に3次元LUTを構成する方式では、キャッシュメモリを効率的に使用することができない。この点について、図面を用いて説明する。
図8は、従来のLUTのオフセット値、すなわち、メインメモリ上の配置を示す図である。従来のLUTのオフセット値は、RGB各8ビットの場合、図8(A)式に示すオフセット計算式により求めている。図8(B)は、このオフセット計算式により実装されるLUTのメインメモリ上での配置を示す図である。従来のLUTでは、例えば、B(ブルー)の要素が少し変動する分には、LUT上のアドレスは大して変わらない。しかし、R(レッド)の要素についてはRの値が1つ変わると、対応するLUT参照アドレスは大きく変動する。
一方、実際の画像は、近傍の画素は色が近くなることが多い。本来、画像の濃度変化は緩やかであるため、近傍画素のRGB値は近い値になることが多い。従来の方法では、濃度値が近いにも関わらずLUT内には大きな距離(アドレス)をおいて配列されることになり、キャッシュメモリの入れ替えが頻繁に発生するようになる。しかし、キャッシュをもっと効率的に使用することができれば色変換処理の性能を向上させることができる。
本発明は、かかる実情に鑑み、色変換処理を高速に実行することを目的としている。特に、特有なオフセット計算法を採用することにより、参照するテーブル値がキャッシュに残っている可能性を高くし、メインメモリとの間のアクセスを減らして、色変換処理全体の高速化を図るものである。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、第1の色空間内にて表される入力信号値と第2の色空間内にて表される出力信号値との対応関係を記述した色変換ルックアップテーブルを格納した記憶手段と、記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブル又はキャッシュメモリに保持された色変換ルックアップテーブルの一部を参照して色変換処理を行う色変換処理手段とを備え、入力画像の複製画像を形成する画像形成装置であって、色変換処理手段は、記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブルを参照するにあたり、入力信号値に基づいてオフセット値を計算するオフセット値計算手段と、オフセット値計算手段により計算したオフセット値を用いて、記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブルを参照する手段と、をさらに備え、オフセット値計算手段は、入力信号の信号値を各入力色毎に取得し、各入力色毎の信号値の各下位ビットが、オフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置してオフセット値を計算する。かかる発明によれば、色変換処理におけるキャッシュヒット率が高まり、メインメモリへのアクセスを減らすことができるので、色変換処理全体の高速化が可能となり、画像形成処理全体の処理速度が向上する。
好適には、第1の色空間は、R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)のセットを含む色空間であり、第2の色空間は、少なくともC(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロー)K(ブラック)のセットを含む色空間であり、オフセット値計算手段は、入力信号のRGB値の各下位ビットが、オフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置してオフセット値を計算する。かかる発明によれば、特にインクジェットプリンタ等の画像形成装置において、色変換処理におけるキャッシュヒット率が高まり、メインメモリへのアクセスを減らすことができるので、色変換処理全体の高速化が可能となり、ひいてはプリンタへの出力速度が向上する。
好適には、オフセット値計算手段は、RGB値の各ビットをオフセット値計算レジスタ上で櫛歯状に配置してオフセット値を計算する。また、好適には、オフセット値計算手段は、少なくともRGB値の各最下位ビットを、オフセット値計算レジスタの下位3ビットに配置してオフセット値を計算する。かかる発明によれば、特有なオフセット計算法を採用することにより、参照するテーブル値がキャッシュに残っている可能性を高くし、メインメモリとの間のアクセスを減らすことができるので、色変換処理の高速化が可能となる。
また、本発明に係る色変換装置は、第1の色空間内にて表される入力信号値と第2の色空間内にて表される出力信号値との対応関係を記述した色変換ルックアップテーブルを格納した記憶手段と、記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブル又はキャッシュメモリに保持された色変換ルックアップテーブルの一部を参照して色変換処理を行う色変換処理手段とを備える色変換装置であって、色変換処理手段は、記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブルを参照するにあたり、入力信号値に基づいてオフセット値を計算するオフセット値計算手段と、オフセット値計算手段により計算したオフセット値を用いて、記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブルを参照する手段と、をさらに備え、オフセット値計算手段は、入力信号の信号値を各入力色毎に取得し、各入力色毎の信号値の各下位ビットが、オフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置してオフセット値を計算する。かかる発明によれば、色変換処理におけるキャッシュヒット率が高まり、メインメモリへのアクセスを減らすことができるので、色変換処理全体の高速化が可能となる。
また、本発明に係る色変換ルックアップテーブルの作成方法は、第1の色空間内にて表される入力信号値と第2の色空間内にて表される出力信号値との対応関係を記述した色変換ルックアップテーブルを記憶手段に格納し、色変換ルックアップテーブルを参照して色変換処理を行う色変換装置における色変換ルックアップテーブルを作成する方法であって、入力信号の信号値から取得される各入力色毎の信号値の各下位ビットがオフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置して計算される値と色変換ルックアップテーブルのオフセット値とが等しくなるように、前記色変換ルックアップテーブルを作成する。かかる発明により作成した色変換ルックアップテーブルによれば、色変換処理におけるキャッシュヒット率が高まり、メインメモリへのアクセスを減らすことができるので、色変換処理全体の高速化が可能となる。
なお、明細書等において、オフセットとは、あるデータの位置を、基準点(基準アドレス)からの距離で表した値のことである。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図1は、本実施の形態における画像形成装置の構成図である。この画像形成装置は、一例として、大判用紙への画像形成を可能にするインクジェットプリンタであり、コントローラ20が、図示しないホストコンピュータから画像形成データを受信し、それを画像処理して画像再生データを生成し、インクを吐出する多数のノズルを有する印刷ヘッド10に画像再生信号38を出力する。コントローラ20は、画像再生データを生成するための画像処理を制御するCPUと、そのCPUバスCBUS1と、CPUバスCBUS1に接続された画像処理ユニット22とを有する。また、CPUバスCBUS1には外部CPUメモリCPUMEMが接続され、この外部CPUメモリには、種々のパラメータや制御プログラムが格納されている。
また、CPUバスCBUS1は、画像処理ユニット22内のCPUインタフェースCPUIFを介して第2のCPUバスCBUS2に接続されている。また、画像処理ユニット22は、種々の通信路NET1〜3のインタフェースIF1〜3と、入力データの転送制御を行うパス制御部24と、解凍処理を行う解凍ユニット26と、ラスタ方向の画像再生データを印刷ヘッドのパス毎に分解するパス分解処理部32と、パス毎に分解された画像再生データを印刷ヘッドのノズル順に順番を入れ替えるノズル順変換処理部34とが、それぞれ専用のハードウエアブロックとして設けられる。また、色変換及び二値化処理部12は、解凍ユニット26やパス分解処理部32、ノズル順変換処理部34のようなコントローラ20内の専用ハードウエアではなく、外付けの専用プロセッサにより構成され、色変換及び二値化処理をプログラムにより実現し、それらの処理の変更に容易に対応できるようにしている。
更に、画像処理ユニット22は、前述のパス制御部24、解凍ユニット26、パス分解処理部32、ノズル順変換処理部34を接続するローカルバスLBUSを有し、このローカルバスLBUSには外部メモリコントローラ28を介して外部の大容量メモリE−MEMが接続される。外部メモリコントローラ28と外部メモリE−MEMとは、メモリバスMBUSを介して接続される。そして、外部の大容量メモリE−MEMは、入力される画像形成データを一時的に格納し、各処理後のデータを一時的に格納する複数のバッフ領域を有する。また、ローカルバスLBUSが二値化インタフェースユニット30に接続され、二値化バスHTBUSを介して色変換及び二値化処理部12に接続される。また、ローカルバスLBUSは、ヘッドインタフェースユニット36を介して印刷ヘッド10に接続される。
CPUバスCBUS1、CBU2は、コマンド解釈などに利用されるのに対して、ローカルバスLBUSは大量の画像データの転送に利用されるので、CPUバスに比較すると大容量のバス(ローカルバスは128ビット、CPUバスは32ビット)に形成されている。
画像処理ユニット22内の専用処理ユニットらは、CPUと、第1のCPUバスCBUS1及び第2のCPUバスCBUS2を介してその動作を制御される。例えば、CPUが、各処理ユニットの動作開始レジスタに動作開始フラグを書き込むことで各専用処理ユニットは対応する処理を実行し、CPUは、各処理ユニットの処理終了時に動作終了割り込み信号を受信してその動作終了を検知する。
インクジェットの大判プリンタは、印刷業などで広く利用されているが、本実施の形態では、RGB画像データや、RGB画像データをJPEG形式で圧縮したJPEG圧縮データ等を受信可能である。RGB画像データ等は、通信線NET1〜NET3を介してコントローラ20に入力される。JPEG圧縮データの場合は、ホストコンピュータ側で元の画像データがJPEG圧縮され、その圧縮データがコントローラ20に入力される。圧縮率が高いので通信データ量を小さくすることができ、ホストコンピュータとプリンタ間の通信時間を短くすることができる。但し、プリンタ側では、受信したJPEG圧縮データを解凍してRGB画像データを再生する必要がある。
このように入力されたRGB画像データには、色変換、二値化処理、ヘッドのノズルに対応させる変換処理、つまりドット毎の二値化データをパス毎に分解するパス分解処理、パス毎に分解されたラスタ方向に並べられたデータをヘッドのノズル順に並び替えるノズル順変換処理が施される。
次に、入力される画像形成データに対応してデータの流れと処理について説明する。入力される画像形成データは、パケットの形態で種々の通信路NET1〜3を介して入力され、それぞれの入力インタフェースIF1〜3は、パケットを元のデータ列に再構成するなどの処理を行い、送信前の元のデータに戻す。そして、この入力データは、パス制御部24内のFIFOメモリで構成される第1の入力バッファI−BUF1に格納されながら、ローカルバスLBUSを介して、外部の大容量メモリE−MEMの入力バッファI−BUF3に格納される。この外部メモリE−MEMは、例えば、ダブルレートのシンクロナスDRAMであり、大容量且つ高速メモリである。また、外部メモリE−MEMへのアクセスは、メモリコントローラユニットE−MCとメモリバスMBUSを経由して行われる。
そして、外部メモリE−MEMに格納された入力データのうち、先頭の部分が再度ローカルバスLBUSを介して、パス制御部24内の第2の入力バッファI−BUF2に格納される。つまり、入力データが全て外部メモリE−MEMに格納されると共に、その先頭の一部のみがパス制御部24内の第2の入力バッファI−BUF2に格納されて停止する。第1及び第2の入力バッファI−BUF1、2は、FIFOバッファであり、図示しないFIFOコントローラにより制御される。
そこで、CPUは、CPUバスCBUS1、2を介して第2の入力バッファI−BUF2にアクセスして、入力データの先頭部分のコマンドを解析してフォーマットの種類(圧縮形式情報)とデータ量を認識すると、外部メモリE−MEMの第3の入力バッファI−BUF3内に格納した入力データを、次々に第2の入力バッファI−BUF2に転送し、そこから解凍ユニットにデータを転送させる。このデータ転送は、ローカルバスLBUSを経由せず、第2の入力バッファI−BUF2から専用線で行われる。
例えば、JPEGフォーマットの場合は、解凍ユニット26で解凍(復号化)され、解凍済みの再生画像データが外部メモリE−MEMのRGBバッファRGB−BUFに格納される。この再生画像データは、所定の解像度の画素に対応するそれぞれ8ビットまたは16ビットのRGB階調データである。入力される画像データがRGB画像データの場合は、解凍ユニット26を介することなくRGBバッファRGB−BUFに格納される。このRGBバッファに格納されたRGBの再生画像データは、二値化インタフェースユニット30を経由して色変換及び二値化処理部12に転送され、そこで色変換処理されてプリンタのインクの色空間CMYKの画像データに変換され、更に、印刷ヘッド10のノズルによるインク吐出データ(2ビット)に二値化処理がされ、外部メモリE−MEMのプレーンバッファPL−BUFに格納される。2ビットのインク吐出データは、前述の8色のインクそれぞれに対して大きなドット印刷用の吐出の有無と、小さなドット印刷用の吐出の有無を示すものであり、二値化データである。また、上記の二値化処理部12では、解凍済みの再生画像データの解像度をより高い解像度に変換する解像度変換を必要に応じて行う。その結果、二値化処理により、プリンタヘッドにより印刷される画素密度の解像度でドットの吐出有無を示す二値化データとなる。
プレーンバッファPL−BUFに格納されたCMYKの二値化データは、パス分解処理32でヘッド10のパス毎の二値化データに分解されて、外部メモリE−MEM内のパスバッファMW−BUFに格納される。そして、パス毎に分解された二値化データは、ノズル順変換処理部34でヘッドのノズル順に並び替えられ、そのノズル順二値化データが外部メモリE−MEM内のヘッドバッファHD−BUFに格納される。最後に、ノズル順に並び替えられたノズル順二値化データが、ヘッドコントロールユニット36を経由して、画像再生データ38としてプリンタヘッド10に転送される。
図2は、本実施の形態における色変換及び二値化処理部12の構成図である。色変換及び二値化処理部12は、CPUチップ50とメモリ60とを備える。キャッシュ54はCPUチップ50内部の高速メモリであり、CPUコア52の動作とメモリ60へのアクセスとの間の速度差を吸収する。メモリ60とキャッシュとの間では、16/32/64バイト等のキャッシュラインサイズでリード・ライトされる。CPUコア52はキャッシュ54上に有効なデータが有る場合は、キャッシュアクセスのみで動作するため、処理を高速に実行できる。しかし、キャッシュ54のサイズには限りがあるため、必要なデータが常にキャッシュ54に存在するとは限らない。CPUチップ50は、前述のキャッシュ54を接続する内部バス58を有し、この内部バス58にはメモリコントローラ56を介してメモリ60が接続される。
メモリ60にはLUTが格納される。色空間の標準規格であるsRGBに関するカラープロファイルや、プリンタ固有の印刷特性、用紙等の印刷媒体などに基づいて、複数のLUTを格納してもよい。
図3は、画像形成装置での処理の流れを示す図である。画像形成装置は、ホストコンピュータから画像形成データを受信すると(S70)、第1入力バッファI−BUF1、外部メモリE−MEM、第2入力バッファI−BUF2に入力画像形成データが格納され、第2入力バッファI−BUF2に格納されているコマンドが、CPUにより読み出され解析される。入力画像がRGB画像データの場合は、解凍ユニット26を介することなくRGBバッファRGB−BUFに格納される。JPEG圧縮された画像形成データの場合は、ここでCPUによりJPEG圧縮フォーマットであることが検出され、圧縮データ54が解凍ユニット26に転送され、そこで解凍処理され、解凍されたRGB画像データがRGBバッファRGB−BUFに格納される。
プリンタのコントローラ20は、外部メモリ内のRGBバッファRGB−BUFの再生画像データを、二値化インタフェースユニット30と二値化バスHTBUSとを介して色変換及び二値化処理部12に転送する。色変換及び二値化処理部12は、そのファームウエアを実行して、再生画像データに対しRGBからCMYKへの色変換処理を行う(S72)。色変換処理の後、インクの吐出有無に対応する二値化データを生成する二値化処理を実行する(S74)。例えば、二値化処理により、4色256階調のデータをドットの0、1に変換する。二値化されたデータは、外部メモリのプレーンバッファPLBUFに格納される。色変換及び二値化処理部12は、専用プロセッサで構成され、RGBデータに対する処理プログラムがファームウエアとしてメモリ60に格納されている。
更に画像形成装置のコントローラ20は、二値化されたデータを、パス分解処理部32とノズル順変換処理部34とによりヘッドデータに変換する(S76)。そして、変換されたヘッドデータを画像再生信号38としてプリンタヘッド10に出力する(S78)。
図4は、色変換処理の詳細を示すフローチャートである。まず、色変換及び二値化処理部12に転送された再生画像データから、当該再生画像データを構成する画素のRGB値を取得する(S80)。本実施形態において、画素のR,G,B値は、各8ビットで表現される。
次に、取得したRGB値に基づいてLUTを参照して、画像形成装置の色表現(CMYK)に変換する。このとき、S80で取得したRGB値に対応するLUTがキャッシュ54に存在すれば(S82:Yes)、CPUコア50はキャッシュ54に保持されたLUTを参照して、CMYK値に変換する(S84)。一方、対応するLUTがキャッシュ54に存在しない場合(S82:No)、メモリ60にアクセスして、メモリ60に記憶されるLUTを参照してCMYK値に変換する(S86)と共に、参照したLUTの近傍アドレスに位置するLUTをキャッシュ54に書き込む(S88)。なお、CMYK値は、プリンタのインク色毎に各8ビットで表現される。
色変換処理をしていない画素が残っていれば(S90:Yes)、S80に戻り、各画素毎にCMYK値を取得する。全ての画素について処理が終了すれば(S90:No)、色変換処理を終了して、続いて二値化処理を行う。
なお、上述した処理フローの各処理は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
図5は、本実施の形態における色変換処理に用いるLUT先頭アドレスからのオフセット計算アルゴリズムを示す図であり、32ビットレジスタ内でのオフセット値を示す図である。同図(A)は、従来のオフセット値の求め方を示す図である。画像形成装置30に入力されるRGBデータは各8ビットで表現される。しかし、本実施の形態のLUTでは、RGBそれぞれ下位2ビットを落として、各6ビットで構成する。これは、LUTを記憶するメモリ容量を節約でき、かつ、各下位2ビットを落としても印刷結果にほとんど影響を与えないからである。なお、RGB各8ビットでLUTを構成すると、256×256×256=16Mバイトのテーブルが必要となるが、各6ビットの場合、64×64×64=262Kバイトのテーブルで足りる。
従来、LUT先頭アドレスからのオフセット値は、図5(A)に示すように、RGB値を順に並べて、オフセット値を計算している。すなわち、RGB各6ビットの場合、以下の式1により求められるオフセット値に従って、メモリに格納するLUTのアドレスを決定する。
(式1) オフセット値=212×r+26×g+b
ここで、r,g,bはそれぞれ、R,G,B値の下位2ビットを落としてようにシフトして6ビットで表現したものである。式1で計算されるオフセット値に基づいて構成されるLUTのメモリ上での配置は、図6(A)のようになる。
(式1) オフセット値=212×r+26×g+b
ここで、r,g,bはそれぞれ、R,G,B値の下位2ビットを落としてようにシフトして6ビットで表現したものである。式1で計算されるオフセット値に基づいて構成されるLUTのメモリ上での配置は、図6(A)のようになる。
これに対して、本実施の形態におけるオフセット値は、図5(B)に示すように計算する。すなわち、R,G,B値をビット毎に分解して、RGBの各ビットを櫛歯状に配置して、オフセット値を求める。すなわち、以下の式2により求められるオフセット値に従って、LUTのアドレスを決定する。
(式2) オフセット値=217×R5+216×G5+215×B5
+・・・
+25×R1+24×G1+23×B1
+22×R0+2×G0+B0
ここで、R5,・・・,R0,G5,・・・,G0,B5,・・・,B0は、それぞれr,g,bの各ビット値を示すものであり、以下の式3乃至5の関係が成り立つ。
(式3) r=25×R5+24×R4+23×R3+22×R2+2×R1+R0
(式4) g=25×G5+24×G4+23×G3+22×G2+2×G1+G0
(式5) b=25×B5+24×B4+23×B3+22×R2+2×R1+R0
なお、例えば、LUTの1つの要素が4バイト(CMYK)である場合、最終的に求めるべきオフセット値はRGB値から計算したオフセット値を4倍にして求める。
(式2) オフセット値=217×R5+216×G5+215×B5
+・・・
+25×R1+24×G1+23×B1
+22×R0+2×G0+B0
ここで、R5,・・・,R0,G5,・・・,G0,B5,・・・,B0は、それぞれr,g,bの各ビット値を示すものであり、以下の式3乃至5の関係が成り立つ。
(式3) r=25×R5+24×R4+23×R3+22×R2+2×R1+R0
(式4) g=25×G5+24×G4+23×G3+22×G2+2×G1+G0
(式5) b=25×B5+24×B4+23×B3+22×R2+2×R1+R0
なお、例えば、LUTの1つの要素が4バイト(CMYK)である場合、最終的に求めるべきオフセット値はRGB値から計算したオフセット値を4倍にして求める。
図6は、LUTのメモリ60上での配置を示す図である。同図(A)は従来例であり、同図(B)は、式2で計算されるオフセット値に基づいて構成されるLUTのメモリ上での配置を示す図である。従来のLUTの場合、R値が1変化すると、オフセット値が4096変わるのに対し、本実施の形態のオフセット計算法によれば、R値が1変化するのに対し、オフセット値は4しか変わらない。すなわち、RGB値の各ビットをシャッフルして櫛歯状に配置してインデックス値を生成することで、RGB値がわずかに異なるだけのLUTは、近接したアドレスに配置されることになる。
上述のとおり、本実施の形態におけるオフセット計算法を用いると、RGB値の近い画素のLUT参照位置はアドレス距離の狭い範囲に配置することができる。多くの場合、画像を構成する近傍画素間の濃度変化は緩やかであるため、近傍画素のRGB値は近い値になっていることが期待される。そのため、画像を構成する画素を並び順に連続して色変換する場合、本実施の形態のオフセット計算法を使うと、キャッシュヒット率が向上し、キャッシュ上に存在するデータを効率的に使用して色変換を行うことが可能となる。メインメモリとの間のアクセスが減少し、キャッシュの書き換えも少なくなるため、色変換処理全体を高速化することができる。
図7は、本発明におけるオフセット値計算法のバリエーションを示す図である。先の実施の形態においては、式2に基づいてオフセット値を求める例を示したが、本発明のオフセット値計算アルゴリズムは式2に限定されるものではない。例えば、図7(A)に示すように、櫛歯状に並べるRGB各ビットの配置順は、任意に設定可能である。また、図7(B)に示すように、RGB各ビットは、等間隔の櫛歯状に配置しなくてもよい。さらに、図7(C)に示すように、RGB毎に複数のビットをまとめて櫛歯状に配置してもよい。つまり、RGBの下位ビットが32ビットレジスタ内でも下位ビットに位置するようなオフセット値であれば、任意のオフセット値計算法を採用可能である。
通常、一回のアクセスでキャッシュに読み書きされる単位は、16バイト又は32バイトである。画像を形成するインクがCMYKの4色256階調であれば、LUTの一つの要素のサイズは4バイトであるから、一回のメモリアクセスにつき、4つ又は8つの要素がキャッシュに書き込まれることになる。従って、好ましくは、RGBの各最下位ビットが32ビットレジスタ内で下位0〜2ビットに位置する形でオフセット値を算出するようにすれば、一回のメモリアクセスによりキャッシュに書き込まれる複数の要素の中に、RGB色空間上で近接する格子点に関する要素を含む可能性が高くなる。
なお、32ビットレジスタにRGBの各ビットを櫛歯状等に配置するための操作が必要となるが、例えば、専用のデバイスを使用してもよいし、櫛歯型に変換するテーブルを用意してもよい。
なお、本発明の画像形成装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るものである。本実施の形態においては、色変換及び二値化処理部12を汎用のCPUにより構成する例を示したが、DSP等の専用のプロセッサにより、実装してもよい。
12 色変換及び二値化処理部、 50 CPUチップ、 52 CPUコア、 54 キャッシュ、 56 メモリコントローラ、 58 内部バス、 60 外部メモリ
Claims (6)
- 第1の色空間内にて表される入力信号値と第2の色空間内にて表される出力信号値との対応関係を記述した色変換ルックアップテーブルを格納した記憶手段と、前記記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブル又はキャッシュメモリに保持された色変換ルックアップテーブルの一部を参照して色変換処理を行う色変換処理手段とを備え、入力画像の複製画像を形成する画像形成装置であって、
前記色変換処理手段は、前記記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブルを参照するにあたり、入力信号値に基づいてオフセット値を計算するオフセット値計算手段と、
前記オフセット値計算手段により計算したオフセット値を用いて、前記記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブルを参照する手段と、をさらに備え、
前記オフセット値計算手段は、入力信号の信号値を各入力色毎に取得し、前記各入力色毎の信号値の各下位ビットが、オフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置してオフセット値を計算する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の色空間は、R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)のセットを含む色空間であり、
前記第2の色空間は、少なくともC(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロー)K(ブラック)のセットを含む色空間であり、
前記オフセット値計算手段は、入力信号のRGB値の各下位ビットが、オフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置してオフセット値を計算する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記オフセット値計算手段は、RGB値の各ビットをオフセット値計算レジスタ上で櫛歯状に配置してオフセット値を計算する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記オフセット値計算手段は、少なくともRGB値の各最下位ビットを、オフセット値計算レジスタの下位3ビットに配置してオフセット値を計算する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 第1の色空間内にて表される入力信号値と第2の色空間内にて表される出力信号値との対応関係を記述した色変換ルックアップテーブルを格納した記憶手段と、前記記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブル又はキャッシュメモリに保持された色変換ルックアップテーブルの一部を参照して色変換処理を行う色変換処理手段とを備える色変換装置であって、
前記色変換処理手段は、前記記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブルを参照するにあたり、入力信号値に基づいてオフセット値を計算するオフセット値計算手段と、
前記オフセット値計算手段により計算したオフセット値を用いて、前記記憶手段に格納された色変換ルックアップテーブルを参照する手段と、をさらに備え、
前記オフセット値計算手段は、入力信号の信号値を各入力色毎に取得し、前記各入力色毎の信号値の各下位ビットが、オフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置してオフセット値を計算する
ことを特徴とする色変換装置。 - 第1の色空間内にて表される入力信号値と第2の色空間内にて表される出力信号値との対応関係を記述した色変換ルックアップテーブルを記憶手段に格納し、前記色変換ルックアップテーブルを参照して色変換処理を行う色変換装置における色変換ルックアップテーブルを作成する方法であって、
入力信号の信号値から取得される各入力色毎の信号値の各下位ビットがオフセット値計算レジスタの下位ビットに位置するように配置して計算される値と前記色変換ルックアップテーブルのオフセット値とが等しくなるように、前記色変換ルックアップテーブルを作成する、
ことを特徴とする色変換ルックアップテーブルの作成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005313020A JP2007124230A (ja) | 2005-10-27 | 2005-10-27 | 画像形成装置、色変換装置、及び色変換ルックアップテーブルの作成方法 |
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JP2005313020A JP2007124230A (ja) | 2005-10-27 | 2005-10-27 | 画像形成装置、色変換装置、及び色変換ルックアップテーブルの作成方法 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2009025954A (ja) * | 2007-07-18 | 2009-02-05 | Fuji Xerox Co Ltd | データ処理装置及びデータ処理プログラム |
-
2005
- 2005-10-27 JP JP2005313020A patent/JP2007124230A/ja active Pending
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