JP2007123396A - 表面実装型コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 実装面積を変えずに、且つ、回路パターンの変更を行うことなく、静電容量増加、等価直列抵抗低減のため並列接続することを可能とした表面実装型コンデンサを提供すること。
【解決手段】 板状または箔状の拡面化した弁作用金属陽極体1の端部からは陽極端子7が引き出され、弁作用金属陽極体1の少なくとも中央部1aの表面には酸化皮膜からなる誘電体層が形成され、誘電体層上には導電性高分子膜2または金属酸化物半導体の固体電解質層が形成され、少なくとも導電性ペースト層9を介して、板状の陰極端子8と接続された多端子の表面実装型コンデンサ100において、陽極端子7及び陰極端子8を、実装面および、実装面と反対側の上面に同様に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高分子または金属酸化物半導体を固体電解質として用いた固体電解コンデンサに関し、詳しくは、表面実装型コンデンサに関する。
従来この種のコンデンサとしては、図4に示すものが知られている(以下、従来技術と呼ぶ)。
図4に示す従来技術による固体電解コンデンサは、3端子伝送線路素子タイプと呼ばれている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術による固体電解コンデンサ120は、導電性高分子膜2を固体電解質としており、弁作用金属の表面に陽極酸化皮膜層が形成され、弁作用金属陽極体1の陽極酸化皮膜層表面の中央部1aを覆うように、導電性高分子膜2を形成し、さらにその周囲にグラファイト層3、銀ペースト層4を順次形成した後、レジスト層5が形成されたレジスト形成部1bを介して、更に外側に延在する弁作用金属陽極体1の両端1cに、陽極導通片6を接合して単層コンデンサ素子としている。次に陽極端子7と陰極端子8が平板状であり、基板実装面となる同一平面上に形成され、陽極端子7と陰極端子8の隙間を埋めるとともに機械的に連結する底面部を有し、前記平面に対して略直交する側壁を有するモールド樹脂ケース10を用いて、その底面部分の内側に露出した陽極端子面7a及び陰極端子面8aに前記コンデンサ素子の陽極部(陽極導通片6)及び陰極部(銀ペースト層4)を導電ペースト層9により接続し、モールド樹脂ケース10の上側周囲を蓋11で覆うことで表面実装型コンデンサとしている。
しかしながら、コンデンサ特性である静電容量の増加、或いは、等価直列抵抗の低減を行う手段としてコンデンサを並列接続することがあるが、図4に示すように陽極端子、陰極端子とも実装面側のみ即ち片面側のみに形成されているため、並列接続を実現する場合、実装面を複数必要とするため床面積の増加をともなうこととなる。また、コンデンサ同士の電気的接続を行うための、回路パターンが必要となる。
特開2002−313676号公報
本発明の技術的課題は、実装面積を変えずに、且つ、回路パターンの変更を行うことなく、静電容量増加、等価直列抵抗低減のため並列接続することを可能とした表面実装型コンデンサを提供することにある。
本発明の表面実装型コンデンサは、板状または箔状の拡面化した弁作用金属を陽極体とし、前記陽極体の端部からは陽極端子が引き出され、前記陽極体の少なくとも中央部の表面には酸化皮膜からなる誘電体層が形成され、前記誘電体層上には導電性高分子または金属酸化物半導体の固体電解質層が形成され、少なくとも導電ペースト層を介して、板状の陰極端子と接続された多端子の表面実装型コンデンサにおいて、前記陽極端子及び陰極端子を、実装面および、実装面と反対側の上面に同様の形状に形成したことを特徴とする。
前記陽極端子及び陰極端子が、一部を残して外装樹脂で覆われるとよい。
前記表面実装型コンデンサを上方向に複数個積層してもよい。
本発明によれば、陽極端子及び陰極端子を、実装面および、実装面と反対側の上面に同様に形成したことにより、表面実装型コンデンサを積層することで、実装面積を変えることなく、且つ、回路パターンの変更を行うことなく、並列接続、即ち静電容量の増加、等価直列抵抗の低減を可能とした表面実装型コンデンサを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態による表面実装型コンデンサの図であり、図1(a)は正断面図、図1(b)は底面図である。本発明の実施の形態による表面実装型コンデンサ100は、直方体の平板状の固体電解コンデンサである。図4に示すものと同様に、3端子伝送線路素子タイプと呼ばれている。本発明の実施の形態による表面実装型コンデンサ100は、導電性高分子膜2を固体電解質としており、板状または箔状の弁作用を有する弁作用金属の表面をエッチング等による無数の空孔を形成して表面積を200倍等に大きくする拡面化を施し、この拡面化した弁作用金属陽極体1の中央部1aの表面に、陽極酸化皮膜層を形成する。ここで、弁作用金属としては、タンタル、アルミニウム、ニオブ等を用いることができる。次に、この陽極酸化皮膜が表面に形成された弁作用金属陽極体1の中央部1aを覆うように、導電性高分子膜2を形成し、さらにその周囲にグラファイト層3、銀ペースト層4を順次形成した後、弁作用金属陽極体1の中央部1aからレジスト層5が形成されたレジスト形成部1bを介して外側に連続する両端1cの実装面側および実装面と反対側に陽極導通片6を接合してコンデンサ素子とする。
さらに、陽極端子7及び陰極端子8が、基板実装面となる同一平面上及び実装面と反対側の上面となる同一平面上に同様の形状に形成され、陽極端子7と陰極端子8の隙間を埋めるとともに機械的に連結する底面部を有し、前記平面に対して直交する側壁を有するモールド樹脂ケース10において、その内側に露出した陽極端子面7a及び陰極端子面8aの前述のコンデンサ素子の陽極(陽極導通片6)及び陰極部(銀ペースト層4)を導電性ペースト層9により接続し、側壁のモールド樹脂ケース10同士を接着剤12で接続する。尚、本発明の実施の形態においては、導電性高分子膜2には、ピロール、チオフェン等を用いることができ、陽極端子7及び陰極端子8としては、銅、銅系合金等の板材を用いることができるが、電子部品端子材料からなる板材であるならば、これらに限定されるものではない。
本発明の実施の形態においては、図1に示すように、コンデンサ素子より電極を引き出す陽極端子7及び陰極端子8を有する平面部とその平面部と直交する側壁を有するモールド樹脂ケース10をコンデンサ素子のみならず、側壁同士を接続することで、実装面と平行で表面実装型コンデンサの中心を通る面に対して対称に実装面および実装面の反対側の上面に陽極端子7及び陰極端子8が位置する。このことにより、コンデンサ同士を積み重ねによる接続で、コンデサの並列接続が可能となる。図2に、本発明による表面実装型コンデンサを積層した状態を示す。図2においては表面実装型コンデンサ100を2個積層して並列接続している。
図3は、本発明の他の実施の形態による表面実装型コンデンサを示す図であり、図3(a)は正断面図、図3(b)は底面図である。本発明の他の実施の形態による表面実装型コンデンサ110は、外装部分以外は前記の本発明の実施の形態による表面実装型コンデンサ100と基本的に同じであるので、外装部分以外に関しての説明は省略する。以下、異なる点について説明する。まず、コンデンサ素子の陽極部(陽極導通片6)及び陰極部(銀ペースト4)に陽極端子7及び陰極端子8を導電性ペースト層9により接続する。次に、外装樹脂(モールド樹脂)13でコンデンサ素子全体を覆い、且つ、陽極端子7及び陰極端子8の下面部が夫々露出するようにモールド樹脂により外装することによって表面実装型コンデンサを形成する。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、この実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であればなしえるであろう各種変更、修正を含むことは勿論である。
従来、コンデンサの電気的並列接続については、図4で示す固体電解コンデンサ120では、ケース側壁を高くし、ケース内でコンデンサ素子を並列接続しているもの、或いは、プリント配線基板等の基板に予め並列接続用の回路パターンを設けて、コンデンサの並列接続を行っていた。本発明では、図1に示すとおり上下方向において、実装面と平行で表面実装型コンデンサの中心を通る面に対して対称に実装面および実装面の反対側の上面に陰極端子及び陽極端子を形成し、高さ方向に重ねることを可能にすることで、上述と同様の並列接続を行うことが可能である。
また、図2に示す高さ方向での並列接続は、前述のケース内でのコンデンサ素子の並列接続に酷似しており、コンデンサの静電容量アップ及び等価直列抵抗低減は、可能であることが明確であるとともに、直接接続することから、前述の回路パターンを設けて並列接続を行うものとの比較においては、インダクタンスの低減が可能である。
図3に示す実施の形態は、射出成型によるモールドタイプを示すもので、図1のケースタイプと外装成型方法が異なるものである。尚、外装成型方法が異なることで、本発明の効果を損なうものではない。
本発明の一実施形態による表面実装型コンデンサを示す図、図1(a)は正断面図、図1(b)は底面図。 本発明による表面実装型コンデンサを積層した状態を示す図。 本発明の他の実施の形態による表面実装型コンデンサを示す図、図3(a)は正断面図、図3(b)は底面図。 従来技術による固体電解コンデンサを示す図、図4(a)は正断面図、図4(b)は底面図。
符号の説明
1 弁作用金属陽極体
1a 中央部
1b レジスト形成部
1c 両端
2 導電性高分子膜
3 グラファイト層
4 銀ペースト層
5 レジスト層
6 陽極導通片
7 陽極端子
7a 陽極端子面
8 陰極端子
8a 陰極端子面
9 導電性ペースト層
10 モールド樹脂ケース
11 蓋
12 接着剤
13 外装樹脂(モールド樹脂)
100,110,120 固体電解コンデンサまたは表面実装型コンデンサ

Claims (3)

  1. 板状または箔状の拡面化した弁作用金属を陽極体とし、前記陽極体の端部からは陽極端子が引き出され、前記陽極体の少なくとも中央部の表面には酸化皮膜からなる誘電体層が形成され、前記誘電体層上には導電性高分子または金属酸化物半導体の固体電解質層が形成され、少なくとも導電ペースト層を介して、板状の陰極端子と接続された多端子の表面実装型コンデンサにおいて、前記陽極端子及び陰極端子を、実装面および、実装面と反対側の上面に同様の形状に形成したことを特徴とする表面実装型コンデンサ。
  2. 前記陽極端子及び陰極端子が、一部を残して外装樹脂で覆われたことを特徴とする請求項1記載の表面実装型コンデンサ。
  3. 請求項1または2記載の表面実装型コンデンサを上方向に複数個積層したことを特徴とする表面実装型コンデンサ。
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