JP2007120419A - 片側斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

片側斜板式可変容量圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】吸入脈動を抑制することができるとともに、吐出容量を最小容量に変動させた際の騒音の発生を防止することができる片側斜板式可変容量圧縮機を提供すること。
【解決手段】片側斜板式可変容量圧縮機10において、ロータリバルブ41と、回転軸19の吸入室28側の端部に設けられた支持部材45との間には、ロータリバルブ41を斜板24に接近する方向へ付勢する開放ばね47が介在されている。また、ロータリバルブ41の内側には吸入室28に向けて開口し、該吸入室28から圧縮室26に冷媒ガスを供給するための冷媒供給通路43が形成されている。回転軸19の径方向へ冷媒供給通路43の開口幅よりも、前記支持部材45の径方向へのサイズが小さくなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロータリバルブが斜板の傾角の減少に連動して吸入圧領域側へスライド移動することでガス通路の通路断面積を減少させ、斜板の傾角の増大に連動して斜板側へスライド移動することでガス通路の通路断面積を増大させる構成とした片側斜板式可変容量圧縮機に関する。
この種の片側斜板式可変容量圧縮機(以下、圧縮機と記載する)としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。図3に示すように、この圧縮機90のクランク室89内に配設された回転軸91には、斜板支持体92を介して斜板93が傾動可能に支持され、さらに、回転軸91には伝達筒94及びロータリバルブ95が回転可能に支持されている。この伝達筒94及びロータリバルブ95は、前記斜板93の傾動に連動して回転軸91の軸方向に沿ってスライド移動可能に支持されている。
また、ロータリバルブ95の内側には、吸入圧領域たる吸入通路97から圧縮室96に冷媒ガスを供給するための吸入冷媒供給通路98が形成されている。そして、ロータリバルブ95は回転軸91の回転によって外部冷媒回路から吸入冷媒供給通路98へ冷媒ガスを導入するための吸入通路97と、前記圧縮室96とを順次連通するようになっている。
回転軸91には、前記ロータリバルブ95の軸端に対向するように円盤状の遮断体99が設けられ、この遮断体99はロータリバルブ95よりも吸入通路97側に配設されている。また遮断体99の直径は、ロータリバルブ95の外径とほぼ同じになっている。そして、この遮断体99は、前記吸入冷媒供給通路98と吸入通路97との間に形成される冷媒ガスの通路断面積を変化させるために設けられている。
すなわち、前記クランク室89内の圧力上昇により斜板93が最小傾角側へ移行したときは、斜板支持体92が伝達筒94を介してロータリバルブ95を押圧し、該ロータリバルブ95が遮断体99に接近され、遮断体99によって吸入冷媒供給通路98へ流入する冷媒ガスの通路断面積が徐々に絞られていくようになっている。逆に、前記クランク室89内の圧力低下により斜板93の傾角が最小傾角から増大するときは、ロータリバルブ95が遮断体99から離間し、吸入冷媒供給通路98への冷媒ガスの通路断面積が徐々に拡大していくようになっている。
そして、ロータリバルブ95の遮断体99への接近又は離間に伴い、吸入通路97から吸入冷媒供給通路98への冷媒ガスの通路断面積が徐々に増減することにより、吸入冷媒供給通路98から圧縮室96内への冷媒ガスの吸入量も徐々に増減していくようになっている。その結果として、吸入量の急激な変動による吸入脈動が抑制され、さらには、吐出容量が急激変動することが抑制され、圧縮機90におけるトルクが短時間で急激に変動することが抑制されている。
特開平7−189902号公報
ところが、前記遮断体99は、ロータリバルブ95の吸入通路97側の端面が当接することで斜板93の最小傾角を規制する機能も担っている。このため、特許文献1に記載の圧縮機90においては、クランク室89内の圧力が上昇し、吐出容量を最小容量に変動させた際には、ロータリバルブ95の端面と遮断体99とが当接して騒音が発生していた。
本発明は、吸入脈動を抑制することができるとともに、吐出容量を最小容量に変動させた際の騒音の発生を防止することができる片側斜板式可変容量圧縮機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングには回転軸が回転可能に支持されるとともに、前記ハウジングを構成するシリンダブロックにて前記回転軸の周囲には複数のシリンダボアが配設され、前記ハウジング内のクランク室には回転軸に傾動可能に支持された斜板が収容されており、前記斜板に係留された片頭ピストンによって前記シリンダボア内に圧縮室が区画され、前記シリンダブロックに形成されたバルブ収容室内には、前記回転軸の外周に嵌合されるとともに前記回転軸と同期回転することで前記圧縮室と吸入圧領域との間のガス通路を開閉可能とするロータリバルブが収容され、該ロータリバルブが斜板の傾角の減少に連動して前記吸入圧領域側へスライド移動することで前記ガス通路の通路断面積を減少させ、斜板の傾角の増大に連動して前記斜板側へスライド移動することで前記ガス通路の通路断面積を増大させる構成とした片側斜板式可変容量圧縮機において、前記ロータリバルブと、前記回転軸の吸入圧領域側に設けられた支持部材との間にはロータリバルブを斜板に接近する方向へ付勢する付勢部材が介在されているとともに、ロータリバルブの内側には吸入圧領域に向けて開口し、該吸入圧領域から圧縮室に冷媒ガスを供給するための冷媒供給通路が形成され、回転軸の径方向への冷媒供給通路の開口幅よりも、前記支持部材の前記径方向へのサイズを小さくした。
この構成によれば、クランク室内の圧力変動に依存した斜板の傾角変更に連動してロータリバルブがスライド移動する。そして、ロータリバルブのスライド移動に伴いガス通路の通路断面積が徐々に増減するため、冷媒供給通路を介した吸入圧領域から圧縮室への冷媒ガスの吸入量も徐々に増減し、圧縮室への冷媒ガス吸入量の急激な変動による吸入脈動が抑制される。また、回転軸の径方向への冷媒供給通路の開口幅は、付勢部材を回転軸に支持する支持部材の前記径方向へのサイズより大きい。このため、吐出容量を最小容量に変動させるために、斜板の傾角を減少させ、ロータリバルブを吸入圧領域側へスライド移動させてもロータリバルブが支持部材に接触することが無く、斜板が最小傾角となってもロータリバルブが支持部材に当接することも無い。その結果として、吸入脈動を抑制することができるとともに、冷媒ガスの吐出容量を最小容量側へ変動させた際の騒音の発生を防止することができる。
また、ロータリバルブの外周面と前記バルブ収容室の内周面とは、すべり軸受面を構成していてもよい。
この構成によれば、すべり軸受面によりロータリバルブに作用する力(例えば、圧縮反力)を受承している。そして、ロータリバルブが吸入圧領域側へスライド移動することで、ロータリバルブの外周面とバルブ収容室の内周面との対向面積が増加し、すべり軸受面を構成する面積が増加する。その結果として、例えば、ロータリバルブが軸受部材によって支持され、軸受面積が一定の場合に比してロータリバルブに作用する力を分散して受承することができる。
本発明によれば、吸入脈動を抑制することができるとともに、吐出容量を最小容量に変動させた際の騒音の発生を防止することができる。
以下、本発明を具体化した片側斜板式可変容量圧縮機(以下、単に圧縮機と記載する)の一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。なお、以下の説明において圧縮機の「上」「下」「前」「後」は、図1及び図2に示す矢印Y1の方向を上下方向とし、矢印Y2の方向を前後方向とする。
図1に示すように、圧縮機10のハウジングは、シリンダブロック11と、該シリンダブロック11の前端に接合されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に接合されたリヤハウジング13とから構成されている。前記シリンダブロック11とリヤハウジング13の間には弁・ポート形成体14が介在され、シリンダブロック11、フロントハウジング12、リヤハウジング13、及び弁・ポート形成体14は、複数の通しボルトBにより相互に締結固定されている(図1では1本のボルトBのみ図示)。
前記シリンダブロック11とフロントハウジング12とには回転軸19が回転可能に支持され、この回転軸19は、外部駆動源(例えば、エンジン)Eに動力伝達機構PTを介して連結されている。そして、圧縮機10の回転軸19は、前記外部駆動源Eから動力の供給を受けて回転するようになっている。また、前記ハウジング内にて、前記フロントハウジング12とシリンダブロック11に囲まれた領域にはクランク室17が区画形成され、該クランク室17内には前記回転軸19が配設されている。
前記クランク室17内において、前記回転軸19にはラグプレート16が一体回転可能に固定されている。ラグプレート16とフロントハウジング12との間には、スラストベアリング18及びラジアルベアリング22が介在されている。また、回転軸19の前側とフロントハウジング12との間にはリップシール型の軸封装置23が介在されており、回転軸19に沿ったクランク室17からの冷媒ガス(ガス)漏れを防止する。
また、前記クランク室17内において、前記回転軸19には斜板24が支持されている。前記回転軸19において、斜板24とラグプレート16との間にはコイルスプリングSが外装され、このコイルスプリングSの一端(前端)はラグプレート16に当接し、他端(後端)は斜板24に当接している。そして、コイルスプリングSは、そのばね力によって斜板24をラグプレート16に対する傾角(傾斜角度)が小さくなる向きに付勢している。
また、斜板24は、回転軸19にスライド移動可能、かつ回転軸19の中心軸L1に対する傾角を変更可能に支持されている。さらに、ラグプレート16と斜板24との間にはヒンジ機構25が介在されている。斜板24は前記ヒンジ機構25を介したラグプレート16との間でのヒンジ連結、及び回転軸19の支持により、ラグプレート16及び回転軸19と同期回転可能であるとともに、回転軸19の軸方向(中心軸L1方向)へのスライド移動を伴いながら回転軸19に対し傾動可能となっている。
前記シリンダブロック11には、複数のシリンダボア11a(本実施形態では5つ)が回転軸19の周囲に配列されるように形成されている。各シリンダボア11aには片頭ピストン31(以下、ピストン31と記載する)が往復動可能に収容されている。前記ピストン31は、斜板24の外周部に前後一対のシュー30を介して摺動自在に係留されている。そして、回転軸19の回転にともなう斜板24の回転が、シュー30を介してピストン31の往復動に変換される。
シリンダボア11aの前後開口は、弁・ポート形成体14及びピストン31によって閉塞されており、このシリンダボア11a内にはピストン31の往復動に応じて容積変化する圧縮室26が区画されている。また、前記リヤハウジング13内の中央部には、吸入圧領域としての吸入室28が形成されているとともに、リヤハウジング13には前記吸入室28に連通し、リヤハウジング13の外部へ開口する吸入口28aが形成されている。
さらに、リヤハウジング13内には、吐出室29が前記吸入室28を取り囲むようにして形成されている。また、リヤハウジング13には、前記吐出室29に連通し、リヤハウジング13の外部へ開口する吐出口29aが形成され、該吐出口29aには逆止弁29bが設けられている。前記弁・ポート形成体14には、前記圧縮室26と吐出室29とを連通する吐出ポート32、及び吐出ポート32を開閉する吐出弁33が形成されている。
前記吐出室29に連通する吐出口29aと、前記吸入室28に連通する吸入口28aとは、外部冷媒回路40で接続されている。すなわち、吐出室29へ吐出された高圧の冷媒ガスは、外部冷媒回路40へと導出され、外部冷媒回路40を構成する凝縮器40aで冷却され、膨張弁40bで減圧された後、蒸発器40cへと送られて蒸発される。そして、蒸発器40c(外部冷媒回路40)からの戻りガスは吸入口28aを介して吸入室28へ吸入されるようになっており、本実施形態の圧縮機10は、外部冷媒回路40とで冷媒循環回路を構成している。
なお、前記逆止弁29bは、外部冷媒回路40へ導出された冷媒ガスが吐出室29へと逆流するのを防止している。また、逆止弁29bは、斜板24の傾角が最小傾角であり圧縮室26から吐出室29への吐出容量が低いときは、外部冷媒回路40へ冷媒ガスを導出しないように設定されている。
前記シリンダブロック11の中心部にはバルブ収容室42が回転軸19の軸線方向に貫設されている。そして、このバルブ収容室42内には、回転軸19の吸入室28側の外周に嵌合された円筒状をなすロータリバルブ41が収容され、該ロータリバルブ41は、回転軸19と同期回転可能、かつ回転軸19の軸方向へスライド移動可能に収容されている。また、シリンダブロック11において、バルブ収容室42の周面には、ガス通路としての吸入ポート42aが複数形成されている。各吸入ポート42aは、前記圧縮室26に1対1で連通している。
前記回転軸19内には放圧通路35が形成されている。放圧通路35の入口35aはクランク室17に開口しており、放圧通路35の出口35bは、回転軸19の吸入室28側の端部から吸入室28に開口している。すなわち、クランク室17は放圧通路35を介して吸入室28に連通している。また、前記ハウジング内には、制御通路(図示せず)が設けられ、該制御通路は吐出室29とクランク室17とを接続し、該制御通路の途中には、電磁弁よりなる周知の制御弁38が配設されている。
そして、前記制御弁38が開状態にあると、吐出室29へ吐出された冷媒ガスは、制御通路(制御弁38)を通ってクランク室17へ流入する。クランク室17内の冷媒ガスは、前記放圧通路35を通って吸入室28へ流入し、該吸入室28内の冷媒ガスは前記吸入ポート42aから圧縮室26へ吸入されて吐出室29へ吐出される。すなわち、吐出室29、制御通路、制御弁38、クランク室17、放圧通路35、吸入室28、吸入ポート42a及び圧縮室26という循環経路が圧縮機10内に形成されている。
また、前記循環経路を冷媒ガスが循環することで、冷媒ガスに含まれる潤滑油が圧縮機10内を循環するようになっている。そして、前記潤滑油によって圧縮機10内の摺動部分に潤滑が付与されるようになっている。なお、斜板24の傾角が最小傾角であり圧縮室26から吐出室29への吐出容量が低いときは、逆止弁29bによって冷媒ガスが吐出室29から外部冷媒回路40へ導出されないようになっており、圧縮機10内で冷媒ガス及び潤滑油の循環が行われている。
そして、前記制御弁38の開度を調節することで、制御通路を介したクランク室17への高圧な吐出ガスの導入量と、放圧通路35を介したクランク室17からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク室17内の圧力が決定される。クランク室17内の圧力の変更に応じて、クランク室17内の圧力と圧縮室26内の圧力とのピストン31を介した差が変更され、斜板24の傾角が変更される結果、ピストン31のストロークが変更されて圧縮機10の吐出容量が変更される。
例えば、前記クランク室17内の圧力が低下されると斜板24の傾角が増大し、ピストン31のストロークが増大して圧縮機10の吐出容量が増大される。逆に、クランク室17内の圧力が上昇されると斜板24の傾角が減少し、ピストン31のストロークが減少して圧縮機10の吐出容量が減少される。
次に、前記ロータリバルブ41について詳細に説明する。
ロータリバルブ41は、回転軸19における吸入室28側(後側)の外周に嵌合されるとともに、回転軸19の周面に設けられたキー44によって回転軸19に連結されている。そして、前記キー44によって回転軸19の回転がロータリバルブ41に伝達され、ロータリバルブ41は回転軸19と同期回転可能に支持されている。
すなわち、回転軸19の吸入室28側(後側)は、ロータリバルブ41の外周面41cとバルブ収容室42の内周面42bとの直接摺動によって、シリンダブロック11に回転可能に支持されている。つまり、ロータリバルブ41は、その外周面41cとバルブ収容室42の内周面42bとで、回転軸19の後側を支持してラジアル荷重を受承するすべり軸受面を構成している。前記ロータリバルブ41の外周面41cの全体には、バルブ収容室42の内周面42bとの間の接触摺動性を良好とするためのコーティングが施されている。このコーティングは、例えば、フッ素樹脂からなっている。
また、ロータリバルブ41の内周面には、ロータリバルブ41の内側へ向かって突出する当接部46が形成され、この当接部46は回転軸19の後側の周面に突設された突出部19aに当接可能に形成されている。また、回転軸19の吸入室28側の端部たる後端部には支持部材45が圧入され、この支持部材45は回転軸19と一体回転するようになっている。支持部材45とロータリバルブ41との間、詳細には支持部材45と当接部46の間には付勢部材としてコイルばねよりなる開放ばね47が介在され、この開放ばね47はロータリバルブ41を斜板24に接近する方向へ付勢している。そして、開放ばね47によって斜板24側へ付勢されたロータリバルブ41は、当接部46が前記突出部19aに当接することで回転軸19の軸方向に沿った斜板24側への移動が規制されるようになっている。したがって、ロータリバルブ41の回転軸19上での位置は、前記コイルスプリングSのばね力と、開放ばね47のばね力と、吐出室29、クランク室17、及び吸入室28の間の圧力差によって決定されるようになっている。
ロータリバルブ41における吸入室28側(後側)の内側には冷媒供給通路43が形成されている。この冷媒供給通路43は、吸入室28と、吸入ポート42a及び圧縮室26とを連通させ、吸入室28から吐出室29へ冷媒ガスを供給可能とするためにロータリバルブ41に設けられている。冷媒供給通路43の入口43aは前記吸入室28側に向かって開口している。一方、前記冷媒供給通路43の出口43bはロータリバルブ41の外周面41cに開口形成されている。
そして、ロータリバルブ41が回転することで、冷媒供給通路43の出口43bは各吸入ポート42aに順次連通するようになっている。すなわち、吸入ポート42a及び冷媒供給通路43を介して、吸入室28を圧縮室26に順次連通させるようになっている。前記ロータリバルブ41は、ピストン31が吸入行程に移行した場合に、冷媒供給通路43の出口43bを、シリンダブロック11の吸入ポート42aに連通させる。すると、吸入室28の冷媒ガスは、ロータリバルブ41の冷媒供給通路43、及び吸入ポート42aを同順に経由して圧縮室26に吸入される。
一方、前記ピストン31の吸入行程の終了時、ロータリバルブ41の回転により冷媒供給通路43の出口43bが吸入ポート42aに対して周方向に完全にずれ、吸入室28から圧縮室26内への冷媒ガスの吸入が停止される。続けて、ピストン31が圧縮・吐出行程に移行されると、ロータリバルブ41の外周面41cによって冷媒供給通路43と圧縮室26の間が閉塞状態に保持され、冷媒ガスの圧縮及び圧縮済みガスの吐出室29への吐出が妨げられることはない。
前記ロータリバルブ41の内周面41bを形成する冷媒供給通路43は、前記開放ばね47及び支持部材45を取り囲むように形成され、開放ばね47及び支持部材45はロータリバルブ41の内側に収容されている。すなわち、ロータリバルブ41において、前記回転軸19の径方向への冷媒供給通路43の開口幅(直径)は、回転軸19の径方向への前記開放ばね47の外径(サイズ)及び支持部材45の最大径(サイズ)より大きく設定されている。さらに、支持部材45は、開放ばね47を回転軸19に支持可能とする最小の大きさに設定されている。このため、冷媒供給通路43の内側に支持部材45が収容された構成であっても、冷媒供給通路43の入口43aが吸入室28に連通する領域が多量に確保されている。
このため、ロータリバルブ41が吸入室28側へスライド移動したとき、ロータリバルブ41の後端面は支持部材45及び開放ばね47に接触することなく吸入室28内へ入り込む構成となっている。さらに、支持部材45及び開放ばね47よりも冷媒供給通路43の開口幅(入口43a)が大きいため、冷媒供給通路43は吸入室28に常に連通している。また、ロータリバルブ41の斜板24側の端面(前端面)は、斜板24に当接可能になっている。
さて、上記構成の圧縮機10において、圧縮室26の吸入圧が非常に低い状態になると、制御弁38が最大開度位置に近づく。すると、吐出室29の冷媒ガスが制御通路を経由してクランク室17へ急激に流入する。そのため、クランク室17内の圧力は上昇し、斜板24の傾角は最小側へ移行する。そして、斜板24の傾角が最小側に移行するに伴い、斜板24がロータリバルブ41を吸入室28側へ押圧するとともに、クランク室17内の圧力を受けてロータリバルブ41が吸入室28側へ押圧される。その結果として、ロータリバルブ41が吸入室28に向かってスライド移動(接近)していく。
このロータリバルブ41のスライド移動により、冷媒供給通路43の出口43bと吸入ポート42aとの連通面積が徐々に狭くなっていき、冷媒ガスの通路断面積が徐々に絞られていく。この絞り作用により、冷媒供給通路43を介した吸入室28から圧縮室26への冷媒ガスの吸入量が徐々に減少していくため、前記通路断面積が急激に減少することによる吸入脈動が防止される。また、冷媒ガスの吸入量が徐々に減少していくことにより、吐出室29からの吐出容量も徐々に減少し、最小容量側へ変動してゆく。その結果、吐出圧が徐々に低下してゆき、圧縮機10におけるトルクが短時間で大きく変動することはない。
そして、斜板24の傾角が最小となり、吐出容量が最小容量となったとき、斜板24の傾動が停止し、ロータリバルブ41のスライド移動が停止される。ここで、回転軸19の径方向への開放ばね47及び支持部材45のサイズは、回転軸19の径方向への冷媒供給通路43の開口幅よりも小さく、開放ばね47及び支持部材45はロータリバルブ41の内側に収容されている。このため、斜板24の傾角が最小となり、ロータリバルブ41のスライド移動が停止したとき、ロータリバルブ41の後端が開放ばね47及び支持部材45に接触することがない。
一方、圧縮室26の吸入圧が上昇した場合、制御弁38が閉塞する。すると、クランク室17内の圧力が低下し、斜板24の傾角が最小から増大する。この傾角増大によってロータリバルブ41は開放ばね47のばね力によって吸入室28から離間し、斜板24に向かってスライド移動する。このスライド移動により、冷媒供給通路43の出口43bと吸入ポート42aとの連通面積が徐々に広くなっていき、冷媒ガスの通路断面積が徐々に拡大していく。この徐々に行われる通路断面積の拡大により、冷媒供給通路43を介した吸入室28から圧縮室26への冷媒ガスの吸入量が徐々に増大していくため、前記通路断面積が急激に増大することによる吸入脈動が防止される。また、冷媒ガスの吸入量が徐々に増大していくことにより、吐出室29からの吐出容量も徐々に増大していく。その結果、吐出圧が徐々に上昇していき、圧縮機10におけるトルクが短時間で大きく変動することはない。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ロータリバルブ41は、回転軸19の周面にスライド移動可能に支持されているとともに、開放ばね47の付勢力によって斜板24に接近する方向へ付勢されている。そして、開放ばね47を回転軸19に支持するために設けられる支持部材45、及び開放ばね47の回転軸19の径方向へのサイズは、回転軸19の径方向への冷媒供給通路43の開口幅より小さくなっている。したがって、圧縮機10の吐出容量を最小容量側へ変動させるために、斜板24の傾角が最小となりロータリバルブ41が開放ばね47の付勢力に抗して吸入室28側へスライド移動しても、ロータリバルブ41の後端が支持部材45に接触することが無い。その結果として、斜板24の傾角が最小となり、ロータリバルブ41のスライド移動が停止してもロータリバルブ41が支持部材45に当接することが無くなり、圧縮機10の吐出容量を最小容量側へ変動させた際の騒音の発生を防止することができる。
(2)ロータリバルブ41のスライド移動に伴い、吸入ポート42aの通路断面積が徐々に増減する。このため、冷媒供給通路43から圧縮室26への冷媒ガスの吸入量も徐々に増減し、圧縮室26への冷媒ガス吸入量の急激な変動による吸入脈動が抑制され、さらには、吐出容量が急激変動することが抑制され、圧縮機10におけるトルクが短時間で急激に変動することが抑制される。
(3)ロータリバルブ41の吸入室28側には、冷媒供給通路43の入口43aが吸入室28に向かって開口し、支持部材45のサイズは、冷媒供給通路43の開口幅(入口43a)よりも小さく形成されている。このため、背景技術のように遮断体がロータリバルブ41の端面に当接するように入口43aよりも大きく形成されている場合に比して、吸入室28から冷媒供給通路43への冷媒ガスの通路断面積を多く確保することができる。すなわち、背景技術のような遮断体による圧損を抑制して圧縮機10の吸入効率を向上させることができる。
(4)ロータリバルブ41の斜板24側の端面はクランク室17に向けて突出しており、クランク室17内の圧力を直接受ける構成となっている。このため、例えば、斜板24の傾動が他の部材(背景技術では伝達筒)を介してロータリバルブ41へ伝達される場合に比して、ロータリバルブ41のスライド移動を確実とし、吸入ポート42aの通路断面積を確実に増減させることができる。
(5)ロータリバルブ41は、その外周面41cとバルブ収容室42の内周面42bとですべり軸受面を構成し、該すべり軸受面によりロータリバルブ41に作用する力(例えば、圧縮反力)を受承している。そして、ロータリバルブ41が斜板24の傾動に伴い吸入室28側に向かってスライド移動したときは、ロータリバルブ41の外周面41cとバルブ収容室42の内周面42bとのすべり軸受面の面積が増加する。したがって、例えば、ロータリバルブ41がラジアルベアリングによって支持され、前記力を受承する面積が一定の場合に比して前記力を分散して受承することができる。また、ロータリバルブ41とバルブ収容室42との間にベアリング等の軸受け部材を必要とせず、圧縮機10の部品点数を減らすことができる。
(6)ロータリバルブ41の吸入室28に向かったスライド移動は、斜板24の傾角が最小となったときに停止されるようになっており、背景技術のようにロータリバルブ41が遮断体に当接することでスライドを停止させる構成とは異なる。すなわち、ロータリバルブ41の停止位置に遮断体を配設する構成に比して回転軸19の軸短化を図ることができる。
(7)ロータリバルブ41の外周面41cと、バルブ収容室42の内周面42bとの間は、コーティングの介在によってロータリバルブ41とバルブ収容室42との接触摺動性が良好とされている。従って、例えば、ロータリバルブ41とバルブ収容室42の材質を同じに設定しても、両者間の接触摺動による凝着を防止することができる。
(8)ロータリバルブ41を斜板24側へ付勢する付勢部材としてコイルばねよりなる開放ばね47を用いた。したがって、簡易な構成で斜板24を付勢することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ ロータリバルブ41と斜板24との間に伝達部材を介在させ、該伝達部材を介して斜板24の傾動をロータリバルブ41へ伝達させる構成としてもよい。このとき、伝達部材はバルブ収容室42との間に介在される軸受部材によって支持されていてもよい。
○ 付勢部材として、開放ばね47の替わりに対極する磁石を設けてもよい。
○ 回転軸19の径方向に沿った冷媒供給通路43の開口幅よりも支持部材45が小く、斜板24の傾角が最小となりロータリバルブ41が開放ばね47の付勢力に抗して吸入室28側へスライド移動したときにロータリバルブ41が支持部材45に接触しないのであれば、支持部材45は吸入室28内に位置するように配設されていてもよい。
○ 支持部材は、回転軸19の吸入室28側の外周に装着されたサークリップであってもよい。又は支持部材は、回転軸19の吸入室28側端部に圧入された圧入部材に装着されていてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1) 前記ロータリバルブの外周面及びバルブ収容室の内周面の少なくとも一方には、両者間の接触摺動性を良好とするためのコーティングが施されている請求項2に記載の片側斜板式容量可変圧縮機。
(2)前記付勢部材は、前記回転軸の周面に沿って配設されるコイルばねである請求項1又は請求項2に記載の片側斜板式可変容量圧縮機。
(3)前記支持部材は、少なくとも前記斜板の傾角の最小時に前記冷媒供給通路の内側に収容されている請求項1又は請求項2に記載の片側斜板式可変容量圧縮機
実施形態の片側斜板式可変容量圧縮機を示す縦断面図。 ロータリバルブが吸入室側へスライドした状態を示す縦断面図。 背景技術のロータリバルブを示す縦断面図。
符号の説明
10…片側斜板式可変容量圧縮機、11…ハウジングを構成するシリンダブロック、11a…シリンダボア、12…ハウジングを構成するフロントハウジング、13…ハウジングを構成するリヤハウジング、17…クランク室、19…回転軸、24…斜板、26…圧縮室、28…吸入圧領域としての吸入室、31…片頭ピストン、41…ロータリバルブ、41c…外周面、42…バルブ収容室、42a…ガス通路としての吸入ポート、42b…内周面、43…冷媒供給通路、45…支持部材、47…付勢部材としての開放ばね。

Claims (2)

  1. ハウジングには回転軸が回転可能に支持されるとともに、前記ハウジングを構成するシリンダブロックにて前記回転軸の周囲には複数のシリンダボアが配設され、前記ハウジング内のクランク室には回転軸に傾動可能に支持された斜板が収容されており、前記斜板に係留された片頭ピストンによって前記シリンダボア内に圧縮室が区画され、前記シリンダブロックに形成されたバルブ収容室内には、前記回転軸の外周に嵌合されるとともに前記回転軸と同期回転することで前記圧縮室と吸入圧領域との間のガス通路を開閉可能とするロータリバルブが収容され、該ロータリバルブが斜板の傾角の減少に連動して前記吸入圧領域側へスライド移動することで前記ガス通路の通路断面積を減少させ、斜板の傾角の増大に連動して前記斜板側へスライド移動することで前記ガス通路の通路断面積を増大させる構成とした片側斜板式可変容量圧縮機において、
    前記ロータリバルブと、前記回転軸の吸入圧領域側に設けられた支持部材との間にはロータリバルブを斜板に接近する方向へ付勢する付勢部材が介在されているとともに、ロータリバルブの内側には吸入圧領域に向けて開口し、該吸入圧領域から圧縮室に冷媒ガスを供給するための冷媒供給通路が形成され、回転軸の径方向への冷媒供給通路の開口幅よりも、前記支持部材の前記径方向へのサイズを小さくしたことを特徴とする片側斜板式可変容量圧縮機。
  2. 前記ロータリバルブの外周面と前記バルブ収容室の内周面とは、すべり軸受面を構成していることを特徴とする請求項1に記載の片側斜板式可変容量圧縮機。
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