JP2007120252A - 耐火外断熱構造及びその工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通気外断熱構造における耐火性を確保し、SI建築物を配慮した構造躯体に適用できる乾式耐火外断熱構造を提供する。
【解決手段】柱を後退配置した構造躯体を有する建築物の外周に、屋外側から屋内側へ向かって、耐火外装パネル、空気層、断熱パネル及び内装部を順次設けた層構造と、断熱パネルを上階と下階の間で隔絶する耐火断熱材と、空気層の上階と下階の間を通常時は通気させかつ火災時には隔絶するべく通常時は非膨張状態であり熱感知時は膨張状態となる熱膨張性耐火材とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の外周部分の構造及び工法に関し、特にSI建築物による構造躯体と外断熱構造とを組合せた構造及び工法に関する。
従来、鉄筋コンクリート等の建築物の外断熱構造が知られている。図4Aは、その一例を概略的に示した建築物の断面図である。例えば、柱101と梁またはスラブ102からなる構造躯体の外面に断熱材130を設け、さらに通気のための空気層120を介して外装パネル110を設けている(例えば、特許文献1参照)。柱101の内側に必要に応じて内装部140が設けられる。空気層120を設けず断熱材130と外装パネル110が密着層型の場合は界面結露を生じるが、空気層120があることで通気(細い矢印で示す)を確保し、結露を防止できる。また、図4Aの構造では、構造躯体が外周部分にあることにより、火災時において構造躯体(構造壁)が耐火部材となって各階の間の延焼を防止できる(太い矢印で示す)。しかしながら、構造躯体の外面にある断熱材130の延焼は避けられない。断熱材130の延焼を防止するには、専ら断熱材130の自己消化性または不燃性に依存することになる。
また、構造躯体(スケルトン)と住戸部分(インフィル)を完全に分離して設計、施工するスケルトンインフィル建築物(SI建築物)が普及しつつある(例えば、特許文献2参照)。
さらにまた、建築物の各部材の表面や目地等に防耐火性をもたせるための熱膨張性耐火部材が知られている。例えば、特許文献3、4及び非特許文献1に記載の、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填材を含有する耐火性のゴムまたは樹脂の組成物からなる柔軟性シート材料である。必要に応じて不燃性の基板シートと積層一体化されている。
特許文献3には、熱膨張性耐火部材の柔軟シートと不燃性の基板シートと積層した鉄骨用耐火被覆ユニットが開示されている。この熱膨張性耐火部材シートは、鉄骨への装着が容易である上、軽量でありかつ熱膨張する前の通常状態では嵩が小さいため施工性がよい。
特許文献4には、梁または柱が屋外側と屋内側の熱橋となること防止するべく梁または柱の屋外側に断熱材と透湿防水シートとを設け、断熱材と外装との間に通気層が形成されている。さらに、梁または柱の位置において断熱材と透湿防水シートの間に熱膨張性耐火被覆材が積層されることにより、断熱材及び通気層の耐火性を図っている。
特開2005−68791号公報 特許第3261404号公報 特許2000−38783号公報 特許2000−320032号公報 「セキスイ熱膨張性耐火材フィブロック(登録商標)」、[平成17年10月11日検索]、インターネット、<http://www.sekisui.co.jp/kinouken/fps1.htm>
SI建築物を考えた場合、図4Aに示す外断熱通気構造は、構造躯体101、102と、外装パネル110及び断熱材130との分離が不十分である。このため、スケルトンを維持しつつインフィルを自在に変えられるというSI建築物の利点が損なわれる。特許文献4もほぼ同じ構造である。また、外断熱通気構造は、外装パネル110と構造壁との二重となっておりコストが高い。さらに、外装パネル110の施工は屋外側から行うため、外部足場が必要となる。外部足場を設けることは、高層、超高層となるほど困難となる。
ここで、図4Bは、柱201から梁またはスラブ202を片持ち状に張り出した構造躯体と外断熱構造を組み合わせた仮想的な建築物を示す断面図である。このように柱201が梁またはスラブ202の先端よりも屋内側に後退している構造躯体とすれば、外装パネル110及び断熱材130を構造躯体の主要部分から分離した構造とすることができる。
しかしながら、図4Bの仮想建築物では、断熱材130及び空気層120を通して下階と上階の間で延焼する可能性があり(太い矢印を参照)、各階間の耐火区画が確保できないという問題がある。
また、図4Bの仮想建築物では、外装パネル110、断熱材130及び内装部140が建築物の外周部分を構成するため、これらの構成要素によって屋外からの様々な負荷(風、雨、温度等)を阻止して快適な居室環境を確保する必要がある。
さらに、外装及び内装の施工において、接着剤やモルタル等を用いた湿式施工は作業の負担が大きい上に工期が斯かるので、これらを用いない乾式施工が望ましい。
以上の現状に鑑み本発明は、通気性を確保する空気層を有する外断熱構造における耐火性を確保すると共に、SI建築物を配慮した構造躯体に対して好適に適用でき、かつ低コストで施工の際に外部足場を必要としない、乾式耐火外断熱構造及びその工法を提供することを目的とする。
さらに、外装及び内装により屋外からの負荷を阻止し構造躯体を保護すると同時に快適な居室環境を確保できる乾式耐火外断熱構造及びその工法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、本発明は以下の構成を提供する。
(1)請求項1に係る乾式耐火外断熱構造は、柱を屋内側に後退させて配置した構造躯体を有する建築物の外周に設置される耐火外断熱構造において、屋外側から屋内側へ向かって、耐火外装パネル、空気層及び断熱パネルを順次設けた層構造と、前記断熱パネルを上階と下階の間で隔絶する耐火断熱材と、前記空気層の上階と下階の間を通常時は通気させかつ火災時には隔絶するべく、通常時は非膨張状態であり熱感知時は膨張状態となる熱膨張性耐火材とを有することを特徴とする。
(2)請求項2に係る耐火外断熱構造は、請求項1において、前記熱膨張性耐火材が前記耐火断熱材に隣接して前記空気層に面して設けられることを特徴とする。
(3)請求項3に係る耐火外断熱構造は、請求項1または2において、前記建築物の各階において前記断熱パネルの屋内側に内装部を有し、前記内装部が、耐水ボード及び/または気密防湿シートと、内装パネルとを具備することを特徴とする。
(4)請求項4に係る耐火外断熱構造は、前記建築物の各階において各住戸を区画する耐火界壁を有し、前記耐火界壁の屋外側の端部が各住戸間において前記断熱パネル及び前記空気層を隔絶することを特徴とする。
(5)請求項5に係る乾式耐火外断熱構造は、柱を屋内側に後退させて配置した構造躯体を有する建築物の外周に施工する乾式耐火外断熱工法において、耐火外装パネルを設置する工程と、前記耐火外装パネルの屋内側に空気層を介在させて断熱パネルを設置すると共に、該断熱パネルを上階と下階の間で隔絶する耐火断熱材と該耐火断熱材の該空気層側に隣接する熱膨張性耐火材とを設置する工程とを有し、前記熱膨張性耐火材が前記空気層の上階と下階の間を通常時は通気させかつ火災時には隔絶するべく、通常時は非膨張状態であり熱感知時は膨張状態となるように設けられることを特徴とする。
・請求項1では、外断熱構造を形成する断熱材の各階間を耐火断熱材で隔絶することにより断熱材を介した各階間の延焼が防止できる。
また、通常時は空気層を通気させ火災時には隔絶する熱膨張性耐火材を各階間に設けたことにより、通常時は外断熱構造における断熱材と外装パネルとの間の通気を確保して湿気及び結露を防止でき、火災時には熱膨張性耐火材が熱感知して膨張し空気層を塞ぐことにより各階間の延焼を防止でき、各階間の耐火区画が確保される。
さらに、耐火外装パネルにより、耐風圧、防水、耐火、耐候性を確保し風雨、火災及び紫外線等を遮断できる。
さらに、構造躯体の屋外側に断熱材を設けた外断熱構造により、結露がおきにくく気密性が高く、構造躯体が保護される。
本発明では、耐火外装パネル、空気層、断熱パネル、耐火断熱材及び熱膨張性耐火材がそれぞれの機能を発揮することにより一体化された耐火外断熱構造を形成し、その結果、建築物の耐火性を確保すると共に構造躯体を外部の様々な負荷から保護することができる。
また、これらの層構造を、柱を屋内側に後退させて配置した構造躯体の外周に設けたことにより、スケルトンとクラディング(外装等)を完全に分離できるため、外装(パネルと開口のデザインなど)を部分的にも全体的にもリフォームすることが容易にできる。また、構造壁を外周に設ける必要がないためコストを低減できる。
耐火外装パネル、断熱パネル、耐火断熱材及び熱膨張性耐火材を有する層構造は、屋内側から設置可能であるので施工において外部足場が不要となる。また、乾式工法が可能であるので工期を短縮でき、コストを低減できる。
・請求項2では、熱膨張性耐火材が耐火断熱材に隣接して空気層に面して設けられるため、通常時には熱膨張性耐火材は空気層の一方の壁の一部であり、火災時には熱膨張性耐火材が耐火断熱材の延長部分のごとく空気層側に膨張して空気層を下階と上階に分離することができる。これにより断熱材と空気層の両層に亘る延焼障壁が形成される。
・請求項3では、内装部の構成要素として耐水ボード及び/または気密防湿シートと、内装パネルとを設けることにより、気密性能を確保し室内空気の流出・騒音等を防止する。
・請求項4では、各階における各住戸を区画する耐火界壁の屋外側の端部が、各住戸間において断熱パネル及び空気層を隔絶するように設けられている。このように耐火界壁を設けることにより各階における住戸間の延焼を防止できる。加えて、このように耐火界壁を設けた場合、空気層の水平方向の連続性は分断されるが上下方向の連続性は維持されるため、建築物全体の上下方向の通気は確保できる。
・請求項5では、柱が屋内側に後退して配置された構造躯体を有する建築物の外周に耐火外装パネル、断熱材、熱膨張性耐火材、耐火断熱材及び内装部を順次、屋外側から取り付けていくことにより、建築物の屋内側を作業場所として無足場乾式工法を行うことができる。これは、取り付け工事のみでなく解体工事の際も、逆の手順により無足場で屋内側から解体していくことができる。従って、耐用年数が約40年の外装パネルのメンテナンスが容易となる。同様に、SI建築物に代表される長寿命建築(たとえば100年住宅など)を実現するに適した工法といえる。特に、高層及び超高層建築では無足場工法は有用である。
また、乾式工法とすることにより、湿式工法のような乾燥時間を必要とせず工期を短縮できる。加えて、工場生産による大型部品化(ユニット化)ができることでも工期短縮及びコストダウンが可能である。
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による耐火外断熱構造の形態を示す建築物の部分断面図である。下階(例えば、住戸B)と上階(例えば、住戸A)の境界部分でありかつ外周近傍部分である。図面左側が屋外側、図面右側が屋内側である。構造躯体を構成するスラブ202により下階と上階が隔てられている。スラブ202は、例えば鉄筋コンクリート(RC)、プレキャストコンクリート(PC)等であり、耐火性を有する。好適な実施形態では、建築物の構造躯体が前述の図4Bと同様のものであり、柱(図示せず)が梁またはスラブの先端よりも屋内側に後退して配置されており、スラブ202が屋外の方へ片持ち状に突き出している。
スラブ202の先端位置に建築物の外周部分を形成するクラディングが設けられている。クラディングは、通常、SI建築物においてスケルトン及びインフィルを外側から覆うもので、屋根、外壁、開口部、外部床等を含むが、図1では、主として外装パネル10と断熱材30がクラディングに相当する。図1に示す外周部分においては、構造躯体の主要部とクラディングが完全に分離されている。これによりクラディングの設置、改修及び解体等の作業が容易となる。これに対し、図4Aに示した従来技術ではクラディングが構造壁と密着しているため、クラディングに関する作業が大掛かりとなる。
図1に示す建築物外周部分の層構造の概要は次の通りである。屋外側から屋内側へ向かって耐火外装パネル10、空気層20、断熱パネル30、内装部40が順次設けられている。内装部40は、通常、複数の部材からなる層構造を有し、上階と下階の各々の内装部40は、耐火構造躯体であるスラブ202により隔絶されている。断熱パネル30もまた上階と下階の間で耐火断熱材51により隔絶されている。耐火断熱材51の屋内側の面はスラブ202と接合されている。さらに、耐火断熱材51の屋外側の面上には熱膨張性耐火材52が接合されている。熱膨張性耐火材52の屋外側の面を断熱パネル30の屋外側の面と同一平面となるように設置することが、空気層20における通気を円滑にする上で好適である。熱膨張性耐火材52は、火災時には熱感知して膨張状態となり空気層を隔絶する。
上記の層構造の各構成要素は、基本的に、図1において紙面の奥行き方向と手前方向に延在する。特に、耐火性を有する構成要素である耐火外装パネル10、耐火断熱材51及び熱膨張性耐火材52については、各階の耐火区画の確保に必要な長さだけ水平方向に延在していなければならない。
以下、層構造の各構成要素について詳細に説明する。
耐火外装パネル10は、最外層にあって風雨、火災、紫外線等から建築物を保護し、耐風圧、防水、耐火、耐候性等を備える板状部材である。適宜の外装支持金物15を用いて各耐火外装パネル10が連結固定される。耐火外装パネル10の一例としては、プレキャストコンクリート(PC)板、押し出し成形セメント板、ガラス繊維強化コンクリート(GRC)板、軽量気泡コンクリート(ALC)板等がある。
空気層20は、外装パネル10と断熱パネル30の間に介在することによって通気(破線矢印参照)を確保し、湿気や結露を解消してダニやカビの発生を防止する。通常時は、熱膨張性耐火材52は非膨張状態であるので、熱膨張性耐火材52の面する部分も、空気層20における他の部分と全く同じ間隔を有している。空気層20を建築物の鉛直方向全体に亘って連通させることができるため、理想的な通気性が得られる。
断熱パネル20は、外断熱構造としての断熱性能を担っている。例えば、発泡ポリウレタン板、発泡ポリエチレン板、ロックウール、グラスウール、セルロースファイバー等、羊毛断熱材がある。
断熱耐火材51は、上階の断熱パネル20と下階の断熱パネル20との間に挿入されかつスラブ202と接合されることにより、断熱パネル20を介する各階間の延焼を防止し、各階の耐火区画を確保する。断熱耐火材51は、例えば、セラミック、発泡ガラス、耐火ボード等がある。
熱膨張性耐火材52は、断熱耐火材51の屋外側に隣接して接合される。図2Aは、図1の一部拡大断面図である。熱膨張性耐火材52は、通常時は非膨張状態であり空気層を通気させている。図2Bは、図2Aと同じ部分の火災時の状態を示す断面図である。火災時には、熱膨耐火材52は熱感知することで膨張し、空気層20を塞ぐことにより空気層20の上階と下階の間を隔絶する。これにより、空気層20を介する各階間の延焼を防止し、各階の耐火区画を確保する。熱膨張性耐火材52としては、中和処理された熱膨張性黒鉛、リン化合物及び無機充填材を、耐火性の非加硫ゴムまたは樹脂に含有させた組成物を成形した柔軟性シート材料が好適である。例えば積水化学工業(株)製のフィブロック(登録商標)である。この熱膨張性耐火材は、200°C超の加熱により通常時の10倍〜30倍に膨張し、無機耐火材に匹敵する耐火性を発揮する。熱膨張性耐火材の一例では、厚さが通常時に2mmのものが熱感知時に20mmへと膨張し、膨張状態では熱抵抗約0.1K・m/Wを示す。別の例では、厚さが通常時に2mmのものが熱感知時に60mmへと膨張し、膨張状態で熱抵抗約0.2K・m/Wを示す。これらの熱抵抗は、厚さ25mmのケイ酸カルシウムやセラミックマットに相当する。
内装部40は、必要に応じて選択された複数の材料の層から構成される。図1に示す通り、内装部40は基本的に各階にそれぞれ設けられる。従って、上階と下階の各内装部40は、耐火性を有するスラブ202により隔絶されている。図1の例では、耐水ボード41と気密防湿シート42の各層については、これらの層を予め断熱パネル30と一体化させたパネルを取り付けることにより設ける。一体化パネルを用いることにより必要なパネル強度を確保できる。さらに中空部43を介して1または複数の内装パネル44、45を設けている。
耐水ボード41と気密防湿シート42は、防水性及び気密性を確保する。気密防湿シートは、例えばポリエチレンシート等である。耐水ボード41と気密防湿シート42は、双方を設けることが好適であるが、必要に応じていずれか一方を設けてもよい。
内装パネル44、45は仕上げ材であると共に、二次防水、気密性、遮音性等も適宜確保できる。内装パネルとしては、例えば、プラスターボード等である。
内装部40の各層として種々の材料を選択できる。なお、内装部40の一部または全体を構成する複数の層を予め工場でユニット化した複合パネルを用いてもよい。
図1の例では、内装部40の屋内側に床材60が設置されている。床材60とスラブ202との間には床下空間が設けられている。
図3は、本発明による耐火外断熱構造を有する建築物の各階において、各住戸を区画する耐火界壁203の近傍を概略的に示す部分斜視図である。各階における耐火界壁203は、その上端と下端がスラブ202と接合されている。さらに、耐火界壁203の屋外側の端部は、断熱パネル30及び空気層20を分断し耐火外装パネル10と当接している。すなわち、耐火界壁203の屋外側の端部は、隣り合う住戸の間において断熱パネル30及び空気層20を隔絶している。このように耐火界壁203を設けることにより各階における住戸間の延焼を防止できる。なお、耐火界壁203が図示のように空気層20を横切ることにより、空気層20の水平方向の連続性は分断される。しかしながら、空気層20の上下方向の連続性は耐火界壁203によって影響を受けないため、建物全体に亘る上下方向の通気は確保できる。耐火界壁は、例えば、耐火性を有するプレキャストコンクリート(PC)板、軽量気泡コンクリート(ALC)板、乾式パネル等である。
次に、上記の外断熱耐火構造の設置工程について説明する。上記の外断熱耐火構造は、構造躯体よりも屋外側に設けられる。よって柱等は外周部分から屋内側に後退した位置にあるため、外周部分近傍に作業場所(例えば、スラブ上の幅1m程度)を確保し易い。従って、建築物の内側から施工可能であり、特に高層、超高層の場合には、外部足場が不要であることは大きな利点である。
図1を参照して設置工程を説明すると概ね次の通りであり、モルタル等を用いない乾式工法で行うことが好適である。
・第1工程:耐火外装パネル10を外装支持金物を用いて設置する。
・第2工程:耐火外装パネル10の屋内側に空気層20を介在させて断熱パネル30を適宜の固定手段(金物等)を用いて設置する。その際、各階の間に耐火断熱材51と熱膨張性耐火材52とを設置する。
・第3工程:断熱パネル30の屋内側に内装部40の各層のシート、パネル、またはユニット等を固定手段(金物、ランナー等)を用いて順次設置する。
解体工程は上記の逆の順序になる。
なお、本発明を適用する建築物の構造種別は、鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)、鉄骨造、コンクリート充填鋼管造等のいずれも可能である。また、プレキャストコンクリート造(PC)として予め工場生産したものでもよい。
本発明による乾式耐火外断熱構造の形態を示す建築物の部分断面図である。 図1の一部拡大断面図である。 図2Aと同じ部分の火災時の状態を示す断面図である。 本発明による耐火外断熱構造を有する建築物の各階における各住戸等を区画する耐火界壁の近傍を概略的に示す部分斜視図である。 従来の外断熱構造の一例を概略的に示した建築物の断面図である。 柱から梁またはスラブを片持ち状に張り出した構造躯体を外断熱構造を組み合わせた仮想的な建築物を示す断面図である。
符号の説明
10 耐火外装パネル
20 空気層
30 断熱パネル
40 内装部
41 耐水ボード
42 気密防湿シート
43 中空部
44、45 内装パネル
51 耐火断熱材
52 熱膨張性耐火材
201 柱
202 スラブ
203 耐火界壁

Claims (5)

  1. 柱を屋内側に後退させて配置した構造躯体を有する建築物の外周に設置される耐火外断熱構造において、
    屋外側から屋内側へ向かって、耐火外装パネル、空気層及び断熱パネルを順次設けた層構造と、
    前記断熱パネルを上階と下階の間で隔絶する耐火断熱材と、
    前記空気層の上階と下階の間を通常時は通気させかつ火災時には隔絶するべく、通常時は非膨張状態であり熱感知時は膨張状態となる熱膨張性耐火材とを有することを特徴とする耐火外断熱構造。
  2. 前記熱膨張性耐火材が前記耐火断熱材に隣接して前記空気層に面して設けられることを特徴とする請求項1に記載の耐火外断熱構造。
  3. 前記建築物の各階において前記断熱パネルの屋内側に内装部を有し、前記内装部が、耐水ボード及び/または気密防湿シートと、内装パネルとを具備することを特徴とする請求項1または2に記載の耐火外断熱構造。
  4. 前記建築物の各階において各住戸を区画する耐火界壁を有し、前記耐火界壁の屋外側の端部が各住戸間において前記断熱パネル及び前記空気層を隔絶することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐火外断熱構造。
  5. 柱を屋内側に後退させて配置した構造躯体を有する建築物の外周に施工する乾式耐火外断熱工法において、
    耐火外装パネルを設置する工程と、
    前記耐火外装パネルの屋内側に空気層を介在させて断熱パネルを設置すると共に、該断熱パネルを上階と下階の間で隔絶する耐火断熱材と該耐火断熱材の該空気層側に隣接する熱膨張性耐火材とを設置する工程とを有し、
    前記熱膨張性耐火材が前記空気層の上階と下階の間を通常時は通気させかつ火災時には隔絶するべく、通常時は非膨張状態であり熱感知時は膨張状態となるように設けられることを特徴とする乾式耐火外断熱工法。
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