JP2007119797A - 真空処理装置 - Google Patents

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貴久 谷口
Hitoshi Murayama
仁 村山
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重教 植田
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大介 田澤
Kunimasa Kawamura
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Abstract

【課題】円筒状基体の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を抑制することができる真空処理装置を提供すること。
【解決手段】棒状の加熱部の一端に棒状の支持部が接続されたヒータを円筒状基体の内側に備え、ヒータによって円筒状基体を加熱することが可能な真空処理装置において、支持部に当接するように設けられたヒータの真空封止部材と、円筒状基体に対する加熱部の傾きを支持部において調整することが可能な傾斜調整部材を備えることを特徴とする真空処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空処理装置に関し、特に、ヒータによる円筒状基体の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を抑制することができる真空処理装置に関するものである。
従来より、プラズマCVDやスパッタリング等の堆積膜の形成やプラズマエッチング等の真空処理において、基体を加熱することが一般的に行なわれている。真空処理で用いられるヒータは、一般的に発熱体が設けられた加熱部と、加熱部を処理容器内に支持するための支持部から成る。例えば、このようなヒータを用いて基体を加熱しながら堆積膜の形成等の真空処理を行う場合、加熱された基体上の温度むらが大きくなって真空処理が均一に行われないことがある。
特に、プラズマCVDやスパッタリング等によって基体上に堆積膜を形成する際に基体の温度むらが大きいと、形成された堆積膜の膜質にむらが生じることがあり、これによって、複写機やレーザビームプリンタに用いられる電子写真用感光体や光起電力デバイス等の半導体デバイスの品質が低下することがある。
例えば、基体を加熱しながら、プラズマCVDによってアモルファスシリコンを主成分とする光導電層を有する電子写真感光体を円筒状基体上に形成する場合、基体上の温度むらが大きくなると電子写真感光体の電気的特性にむらが生じ、これが出力した画像の濃度むらに繋がることがある。
又、基体上に形成される堆積膜の応力が不均一となるため、基体を保持するために基体の両端に装着された保持部材上で堆積膜が剥離し易くなり、剥離した膜片が基体上に付着することがある。そして、膜片が基体上に付着すると、そこを基点として堆積膜が異常成長する場合がある。このような堆積膜の異常成長は、画像を出力したときに白点又は黒点状の画像欠陥として現れることがある。このように、基体上の温度の均一性が低下すると、デバイスの品質が著しく低下することがある。
そこで、真空処理中に基体を均一に加熱するための様々な検討が行われている。
例えば、基体の裏面側に配設され、基体を加熱するヒータと、基体の処理面とヒータとの間隔を制御する間隔制御手段とを備えた気相成長装置の例が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これは、基体の温度が上がり易い部分でヒータを基体から遠ざけ、基体の温度が上がりにくい部分でヒータを基体に近づけるものである。これにより、基体の温度むらが小さくなるように基体とヒータとの距離を調節することができるため、基体を加熱した際の温度むらを低減することが可能となる。
ところで、近年では電子写真感光体や光起電力デバイス、撮像デバイス等の半導体デバイスの高機能化の要求に伴い、基体の温度の均一性を従来以上に高めて真空処理を行うことが求められている。例えば、電子写真感光体については、近年高画質化の要求が高まるに伴い画像の濃度むらや画像欠陥の更なる低減が望まれており、電子写真感光体の基板を加熱する際には、基体の加熱むらに起因する膜質のむらや欠陥等の品質を従来以上に向上させることが求められている。
特開平11−087251号公報
しかしながら、上記従来例のみでは、基体の形状によっては基体の温度の均一性を従来以上に高めることが困難な場合がある。
中でも、形状が円筒状であって、母線方向に或る程度の長さを有する基体を加熱する際には、上記従来例では基体を従来以上に均一に加熱することが困難な場合がある。即ち、円筒状基体の内部にヒータを設けて加熱を行う場合、基体の位置によって基体の温度が上がり易い部分でヒータを基体から遠ざけ、基体の温度が上がりにくい部分でヒータを基体に近づけるような機構を基体の裏側、即ち円筒状基体の内部に設けることは、真空処理装置の構成が複雑となるため、実装上困難な場合が多い。
更に、円筒状基体をヒータによって加熱する際には、円筒状基体の内部に棒状のヒータを設置して加熱処理を行うことが一般的である。このような円筒状基体を加熱するヒータとしては、棒状の加熱部に支持部を接続し、支持部において処理容器内にヒータが支持されることが多い。このようなヒータを作製する際には、真空封止の容易さからヒータの加熱部と支持部を溶接して接続することが多いが、この工程で支持部に対して加熱部に微小な傾きが生じることがある。
この微小な傾きを放置したまま円筒状基体の加熱を行うと、支持部に対する加熱部の傾きが微小であっても、円筒状基体が母線方向にある程度の長さを有する場合、加熱部の上端や下端で基体との距離が近くなることがある。そして、この距離が小さくなり過ぎると、円筒状基体を加熱した際に、ヒータとの距離が近い部分で円筒状基体の温度が高くなり、円筒状基体の温度の均一性が低下する場合がある。その結果、基体の母線方向に沿って堆積膜の膜質にむらが生じたり、堆積膜の応力差に起因する剥離が発生して画像欠陥が顕在化することがある。
そして、近年、電子写真感光体の膜質むらや欠陥の更なる低減が求められる中で、このようなヒータの加熱部の微少な傾きに起因する膜質のむらや欠陥等の品質の低下をも改善することが求められている。これを改善するためには、基体の円周面とヒータの距離を一定に保つ必要がある。
ところが、円筒状基体の加熱に用いられる棒状のヒータは、その一端のみに支持部を設けて処理容器内に支持されることが一般的である。そのため、加熱部が支持部に対して傾いた場合、円筒状基体の母線方向全域に渡って円筒状基体の円周面とヒータの加熱部の距離とを一定に保つことは困難である。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、円筒状基体の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を抑制することができる真空処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、棒状の加熱部の一端に棒状の支持部を接続されたヒータを円筒状基体の内側に備え、ヒータによって円筒状基体を加熱することが可能な真空処理装置において、支持部に当接するように設けられたヒータの真空封止部材と、円筒状基体に対する加熱部の傾きを支持部において調整することが可能な傾斜調整部材を備えることを特徴とする。これにより、円筒状基体の母線方向とヒータの加熱部を平行に保つことができる。そのため、円筒状基体を均一に加熱することができる。
又、本発明に係る真空処理装置においては、ヒータの支持部の外周にスリーブを備え、傾斜調整部材が、少なくともその一部がスリーブの真空側において前記スリーブとヒータの支持部の間に押し込まれる深さを調節することが可能であって、且つ、スリーブの内周面と当接する面が円筒状基体の母線方向に対して傾斜した楔状の形状とすることができる。これにより、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体の母線方向とヒータの加熱部を平行に保つことができる。そのため、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体を均一に加熱することができる。
更に、本発明に係る真空処理装置においては、傾斜調整部材がスリーブの内周面と当接する面に円筒状基体の母線方向に対して傾斜を有するとともに、傾斜調整部材がスリーブとヒータの支持部の間に押し込まれる部分の端部にリング状の部材を接合した形状とすることことができる。これにより、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体の母線方向とヒータの加熱部を平行に保つことができる。そのため、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体を均一に加熱することができる。又、ヒータの真空封止部材上に堆積膜の膜片やエッチング後の残渣が堆積することを抑制することができる。
本発明によれば、円筒状基体を均一に加熱することができるため、円筒状基体の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を抑制することができる。
又、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体を均一に加熱することができる。そのため、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を抑制することができる。
更に、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を抑制することができるとともに、ヒータの真空封止部材上に堆積膜の膜片やエッチング残渣が堆積することを更に抑制することができるため、ヒータの真空封止能力の劣化を抑制することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1に本発明に係る真空処理装置の一例を示す。図1に示した真空処理装置は、アモルファスシリコンを主成分とする光導電層を有する電子写真感光体を形成するためのプラズマCVD装置の一例である。
架台2001の上に設置された底板1201上には、セラミック等の誘電体から成るチャンバー1202が設置されている。又、チャンバー1202上には上蓋1203が設置されている。そして、底板1201とチャンバー1202と上蓋1203によって処理容器1204が形成されている。尚、処理容器1204は、不図示のOリング等から成る真空封止部材によって内部を真空に保つことが可能となっている。
円筒状基体1101は、保持部材1205に保持され、保持部材1205は、底板1201内に設けられた受け台1206に設置される。又、円筒状基体1101の上部を保持部材1205に精度良く保持するため、キャップ1207が設けられている。
更に、円筒状基体1101の内側には、円筒状基体1101を所望の温度に加熱できるように、
ヒータ1208が設けられている。ヒータ1208は、発熱体が内部に挿入された棒状の加熱部1209と、加熱部1209を底板1201に支持するための棒状の支持部1210から成る。
尚、ヒータ1208は真空仕様のものであれば良いが、シース状ヒータの巻き付けヒータ、板状ヒータ、セラミックヒータ等の電気抵抗発熱体を用いることが一般的である。又、加熱部1209と支持部1210は、ネジ止めや溶接などによって接続されるが、真空封止のし易さから溶接を用いるのが望ましい。
ヒータ1208は、支持部1210においてフランジ1211を介して底板1201に支持され、フランジ1211はOリング1212によって真空封止される。尚、フランジ1211の固定する位置を調整することにより、ヒータ1208の中心軸の位置を変化させることができる。又、ヒータ1208の支持部1210にはOリング1213が当接しており、ヒータ1208と処理容器1204との間を真空封止している。
処理容器1204の周りには複数の電極1214が設けられ、分岐板1215を介してマッチングボックス1216及び高周波電源1217,1218へと接続される。尚、本発明においては、図1に示したように、2台の高周波電源1217,1218で2種類の周波数の電力を供給することができるが、1台の電源のみを使って1種類の周波数の電力を供給しても良い。電極1214の周りには、電極1214から周囲に高周波が漏洩するのを防止する高周波シールド1219〜1222が設けられている。
又、底板1201には排気口1223が設けられ、真空排気路1301を介して排気装置1401へと接続されている。又、真空排気路中には、弁1501と、処理容器1204内の圧力を調整するためのスロットル弁1502が設けられている。
更に、ガス導入管1224はガス供給路1302を介してガス供給装置1600に接続される。そして、ガス供給装置1600は、ガスボンベ1611〜1616、弁1511〜1516、1521〜1526、1531〜1536、レギュレータ1621〜1626、マスフローコントローラ1631〜1636等から成る。又、ガス供給路1302中には弁1503が設けられている。
アモルファスシリコンを主成分とする堆積膜の形成時に使用されるシリコン供給用ガスとしては、SiH4 、Si26 、Si38 、Si410等のガス状態又はガス化し得る水素化珪素(シラン類)が挙げられ、特に層作成時の取り扱い易さ、シリコン供給効率の良さ等の点でSiH4 やSi26 が好ましい。
又、光導電層にハロゲンを積極的に導入するためにハロゲン供給用の原料ガスを使用しても良い。例えばハロゲンガス、ハロゲン化合物、ハロゲンを含むハロゲン間化合物等が挙げられ、これを単体、或は水素や希ガス等で希釈して使用することが可能である。又、所望の帯電能や感度、ゴースト特性を実現するために、導電率の調整用に周期表第13族等の導電性制御元素を含むガスを供給することもできる。
例えば、B26 、B410等の水素化硼素、BF3 、BCl3 等のハロゲン化硼素等が挙げられる。その他、AlCl3 、GaCl3 、InCl3 等も挙げることができる。又、負帯電用の電子写真感光体を作成する際には、PH3 やP24 等に代表される周期表第15族の導電性制御元素を用いることができる。これらの導電性制御元素を含むガスを導入する際には、必要に応じてH2 及び/又はHe等の希ガスにより希釈して使用しても良い。
更に、本発明に係る真空処理装置においては、ヒータ1208を作製する際に支持部1210に対する加熱部1209の微小な傾きが生じた場合に、円筒状基体1101の母線方向に対する加熱部1209の傾きを調整するため、傾斜調整部材1225が設けられている。これにより、円筒状基体1101の母線方向に対して加熱部1209が平行となるように支持部1210の傾きを調整することができるため、円筒状基体1101を従来以上に均一に加熱することが可能となる。
本実施の形態においては、傾斜調整部材1225の一例として、支持部1210が貫通する穴を有する部材を傾斜調整部材1225として支持部1210の下方に設けている。本実施の形態における傾斜調整部材1225の構造を図2に示す。
本実施の形態においては、傾斜調整部材1225が、固定具1226に保持されている。固定具1226は移動穴1227が設けられており、底板1201に保持されている。そして、傾斜調整部材1225は、移動穴1227に沿って移動させることが可能となっている。尚、傾斜調整部材1225は、止め具(不図示)によって、移動穴1227の任意の位置に固定される。
そして、傾斜調整部材1225を移動穴1227に沿って移動させることで、Oリング1213を支点として、支持部1210の傾きを調整することができる。尚、傾斜調整部材1225の構造としては、ヒータ1208の真空封止を十分に確保することができる範囲内で支持部の傾きを調整することができる構造であれば制限はないが、真空処理中に傾斜調整部材1225の位置がずれないような構造とする必要がある。
又、傾斜調整部材1225の材質としては、セラミックスや金属材料、樹脂等を用いることができるが、熱による変形が比較的小さく、強度に優れた材質とすることが望ましく、アルミニウムやステンレス等の金属材料を用いることが望ましい。
次に、本発明に係る真空処理装置を用いた真空処理方法の一例として、図1及び図2に示されたプラズマCVD装置を用いた電子写真感光体の作製方法について説明する。
先ず、傾斜調整部材1225を用い、加熱部1209の傾きを以下の手順で調整する。
加熱部1209の傾きの調整方向が移動穴1227と平行となるようにヒータ1208を保持し、傾斜調整部材1225を固定具1226の移動穴1227に沿って移動させ、加熱部1209が円筒状基体1101の母線方向と平行となるように支持部1210の傾きを調整する。
尚、ヒータ1208を繰り返し使用する中で、Oリング1213が変形したり、加熱部1209の支持部1210に対する傾きが経時的に変化することがある。このようなときには、その都度傾斜調整部材1225の位置を調整し、加熱部1209の傾きの調整を行う。
以上の手順で加熱部1209の傾きを調整した後、全ての弁が閉じられた状態で、保持部材1205に保持した円筒状基体1101を処理容器1204内の受け台1206に設置し、キャップ1207を設置し、上蓋1211で処理容器1204を封止する。
次に、排気装置1401を作動させ、弁1501を開いて処理容器1204内を真空排気する。所定の圧力に達するまで処理容器1204内の排気を行った後、ヒータ1208を用いて円筒状基体1101を加熱する。このとき、ヘリウムやアルゴン等の不活性ガスを加熱用ガスとして処理容器内に導入しても良い。その際、不活性ガスのボンベ1611に接続されているマスフローコントローラ1631によって流量を調節する。
又、スロットル弁1502を用い、不図示の真空計により圧力を確認しながら処理容器1204内の圧力を調節しても良い。円筒状基体1101の温度が所望の温度に達した後、成膜ガスのボンベ1612〜1616のうち、堆積膜の機能に応じて成膜ガスの種類を選択し、そのガスの流量をマスフローコントロー1632〜1636によって調節し、ガス導入管1224から成膜ガスを処理容器1204内に導入する。
成膜ガスの流量が安定した後、スロットル弁1502によって処理容器1204内の圧力を調節する。処理容器1204内の圧力が安定した後、高周波電源1217,1218からマッチングボックス1216、分岐板1215を介して電極1214に高周波電力を印加し、成膜ガスをプラズマ化して円筒状基体1101上に堆積膜を形成する。このとき、ヒータ1208によって円筒状基体1101の温度を適宜調節しても良い。
堆積膜の層構成や膜厚、特性は、目的に応じて成膜ガスの種類や流量、更には処理容器1204内の圧力や高周波電力等によって任意に調節する。このとき、円筒状基体1101を回転機構(不図示)によって一定の速さで回転させても良い。これにより、
円筒状基体1101の周辺において、周方向のプラズマの分布にむらがあるときでも均一な膜質を得ることができる。
尚、本発明においては、堆積膜の形成中に円筒状基体1101を回転可能としても良い。例えば、図1に示したプラズマCVD装置においては、受け台1206を回転可能とすることで円筒状基体1101を回転させながら真空処理を行なうことができる。又、処理容器1204内に複数の円筒状基体1101とヒータ1208を同一円周上に配置し、それぞれのヒータ1208の加熱部1209の傾きを調整できるように傾斜調整部材1225を設けても良い。
以上のように、ヒータ1208を用いて円筒状基体1101を加熱する際に、ヒータ1208の支持部1210に、円筒状基体1101に対する加熱部1209の傾きを調整することが可能な傾斜調整部材1225を備えることで、円筒状基体1101を均一に加熱することができる。そのため、傾斜調整部材1225を用いて加熱部1209の傾きを調整して真空処理を行うことにより、円筒状基体1101の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を抑制することができる。
<実施の形態2>
更に、本発明においては、ヒータ1208の支持部1210の外周にスリーブ1228を設け、楔状の部材を用いて加熱部1209の傾きを調整することができる。
図3に本発明に係る真空処理装置の他の例を示す。
図3に示した真空処理装置は、図1と類似の構成のアモルファスシリコンを主成分とする光導電層を有する電子写真感光体を形成するためのプラズマCVD装置の他の例である。図3においては、ヒータ1208の支持部1210の外周にスリーブ1228が設けられており、スリーブ1228の内周の真空側に楔状の傾斜調整部材1229が設けられている。図4に楔状の傾斜調整部材1229の形状の詳細を示す。
図4においては、スリーブ1228の内周と支持部1210との間に楔状の傾斜調整部材1229が押し込まれている。即ち、楔状の傾斜調整部材1229は、スリーブ1228の内周面に当接する面が、円筒状基体1101の母線方向に対して傾斜している。そして、楔状の傾斜調整部材1229は、その一部がスリーブ1228の内周面と支持部1210の間に押し込まれており、その深さを調整することが可能となっている。
又、スリーブ1228の下方にはヒータ1208と処理容器1204との間を真空封止するため、Oリング1230が設けられている。Oリング1230は、止め具1231によって支持部1210とスリーブ1228の間に保持されている。
更に、スリーブ1228と処理容器1204との間を真空封止するため、Oリング1232が設けられている。このように、傾斜調整部材1229がスリーブ1228の内周面に当接する面に傾斜が設けられているので、その押込み深さを変えるだけで容易に加熱部1209の傾きを調整することができる。
又、楔状の傾斜調整部材1229をスリーブ1228の真空側に設置するだけで加熱部1209の傾きを調整することができるため、排気路1301やガス供給路1302等の構造物が原因で処理容器1204の外部に加熱部1209の傾きを調整するための機構を設けることが困難な場合であっても、真空処理装置の構造を複雑化することなく加熱部1209の傾きを調整することができる。
以上のことから、楔状の傾斜調整部材1229をスリーブ1228と支持部1210の間に押し込む深さを調整することで、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体1101を加熱することができる。
尚、傾斜調整部材1229のスリーブ1228の内周面に当接する面の傾斜は、スリーブの内径に応じて調整する。
又、傾斜調整部材1229の支持部1210と当接する面は、傾斜調整部材1210の位置決めを安定させるため、支持部に平行な面とすることが望ましい。
更に、支持部1210の周方向において、傾斜調整部材1229に覆われる部分が多くなると、傾斜調整部材1229を深く押し込んでも加熱部1209の傾きを調整することが困難となる。そのため、傾斜調整部材1229は、支持部1210の周方向の半分程度以下を覆う大きさとすることが望ましい。又、傾斜調整部材1229は真空中に設置されるため、脱ガスの少ないアルミニウムやステンレス等の金属材料を用いることが望ましい。
図3に示したプラズマCVD装置を用いた堆積膜の形成は以下の手順で行うことができる。
先ず、楔状の傾斜調整部材1229を用い、加熱部1209の傾きを以下の手順で調整する。加熱部1209の傾きが円筒状基体1101の母線方向と平行となるよう調整するために傾斜調整部材1229を設置する。そして、傾斜調整部材1229のスリーブ1228への押込み深さを変化させることによって、加熱部1209が円筒状基体1101の母線方向と平行となるように支持部1210の傾きを調整する。加熱部1209の傾きを調整した後、前述した円筒状基体1101の加熱及び堆積膜の形成手順と同様の手順で円筒基体1101上に堆積膜を形成する。
以上のように、ヒータ1208の支持部1210の外周にスリーブ1228を設け、スリーブ1228の内周にヒータ1208と処理容器1204の間を真空封止するためのOリング1230を設けるとともに、楔状の傾斜調整部材1229をOリング1230よりも真空側に設けることにより、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体1101を均一に加熱することができる。そのため、円筒状基体1101の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に抑制することができる。
<実施の形態3>
本発明においては、楔状の部材にリング状の部材を接合させた形状を有するものを用いて加熱部1209の傾きを調整することができる。
図5に本発明に係る真空処理装置の他の例を示す。
図5に示した真空処理装置は、図1と類似の構成のアモルファスシリコンを主成分とする光導電層を有する電子写真感光体を形成するためのプラズマCVD装置の一例である。図5においては、スリーブ1228に傾斜調整部材1235が押し込まれている。本実施の形態における傾斜調整部材1235の詳細を図6に示す。
図5及び図6に示された傾斜調整部材1235は、スリーブ1228の内周面に当接する部分が円筒状基体1101の母線方向に対して傾斜した楔部分1236に、リング部分1237が接合された形状となっている。そして、楔部分1236がスリーブ1228内に押し込まれる深さを調整することで、加熱部1209の傾きを調整することが可能となっている。リング部分1237は楔部分1236のスリーブ1228内に押し込まれる部分の先に接合されており、その外径はスリーブ1228の内径よりも小さくなっている。これにより、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体1101を均一に加熱することができるとともに、ヒータ1208と処理容器1204の間の真空封止能力の劣化を抑制することができる。
即ち、真空処理装置を用いて堆積膜の形成やエッチングを行った後で処理容器1204を大気開放した際には、処理容器1204の内壁や上蓋1203に付着した膜片やエッチング残渣が剥がれ落ち、Oリング1230上に堆積することがある。これを放置して加熱部1209の傾きの調整を繰り返すと、膜片やエッチング残渣がヒータ1208とOリング1230の間の封止部分に入り込み、ヒータ1208と処理容器1204の間の真空封止能力を劣化させることがある。
そこで、楔部分1236にリング部分1237を接合した形状を有する傾斜調整部材1235を設け、リング部分1237をスリーブ1228内に設けることで、Oリング1230上に膜片やエッチング残渣が到達しにくくなる。これにより、ヒータ1208と処理容器1204の間の真空封止能力が劣化することを抑制することができる。
尚、傾斜調整部材1235形状としては、Oリング1230上に膜片やエッチング残渣が到達することを抑制するため、加熱部1209の傾きを調整する必要がない場合でも、傾斜調整部材1235がスリーブ1228内にその一部が押し込まれるような形状とすることが望ましい。
又、リング部分1237の外径は、スリーブ1228の内径に近いほど膜片やエッチング残渣がOリング1230上に到達しにくくなるが、リング部分1237がスリーブ1228の内周に干渉して加熱部1209の傾きの調整を阻害しない程度とする必要がある。
図5に示したプラズマCVD装置を用いた堆積膜の形成は以下の手順で行うことができる。
先ず、傾斜調整部材1235用い、加熱部1209の傾きを以下の手順で調整する。即ち、加熱部1209が円筒状基体1101の母線方向と平行となるよう調整するために傾斜調整部材1235を設置する。そして、傾斜調整部材1235のスリーブ1228への押込み深さを変化させることによって、加熱部1209が円筒状基体1101の母線方向と平行となるように支持部1210の傾きを調整する。加熱部1209の傾きを調整した後、前述した円筒状基体1101の加熱及び堆積膜の形成手順と同様の手順で円筒基体上1101に堆積膜を形成する。
以上のように、楔部分1236にリング部分1237を接合した形状の傾斜調整部材1235をヒータ1208のスリーブ1228の内部に押し込んで支持部1209の傾きを調整可能とすることで、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に円筒状基体1101を均一に加熱することができるとともに、Oリング1230に膜片やエッチング残渣が堆積することを抑制することができる。そのため、円筒状基体1101の温度むらに起因する品質の低下を、真空処理装置の構造を複雑化することなく、且つ、容易に抑制することができるとともに、ヒータ1208の真空封止能力の劣化を抑制することが可能となる。
本発明における実施例を図を用いて以下に説明する。
図1に示したプラズマCVD装置を用い、図2に示した傾斜調整部材を用いて加熱部の傾きを調整した状態で円筒状基体を加熱し、円筒状基体をヒータで加熱した際の温度むらを調べた。
円筒状基体としては、外径30mm、内径24mm、母線方向の長さが358mmのアルミニウムシリンダーを用いた。又、ヒータとしては長さが390mm、直径が8mmの加熱部を直径10mmの支持部に溶接したものを用いた。そして、図2に示した傾斜調整部材を用い、加熱部の中心軸と円筒状基体の中心軸のずれが、円筒状基体の母線方向全体に渡って1mm以下となるように支持部の傾きを調整した。
そして、円筒状基体を処理容器内に設置して処理容器内を排気した後、処理容器内にアルゴンガスを500ml/min.[normal]導入し、処理容器内の圧力を500Paとなるように調整し、ヒータで円筒状基体を加熱した。このとき、円筒状基体の母線方向の中心から5cm毎に温度計(安立計器(株)製 蛍光式光ファイバー温度計AMOTH TM−5855)を設置し、加熱中の円筒状基体の温度を測定した。そして、円筒状基体の母線方向の中央部における温度が250±5℃となった時点で、最も温度の高い部分と低い部分の差を算出し、加熱時の温度むらとして評価した。
[比較例1]
図1に示したプラズマCVD装置において傾斜調整部材を取り外し、ヒータの加熱部の下端が円筒状基体の中心軸と重なるように調整した状態で円筒状基体を加熱し、円筒状基体をヒータで加熱した際の温度むらを調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては実施例1と同様のものを用いた。本比較例においては、円筒状基体を加熱する前にフランジの位置を調整し、ヒータの支持部が円筒状基体の母線方向と平行な状態で、ヒータの加熱部の下端の中心が円筒状基体の中心軸と合致するようにした。尚、このとき、加熱部の上端において、加熱部の中心軸と基体の中心軸に約2.5mmのずれが生じた。そして、実施例1と同様の手順で円筒状基体を加熱し、実施例1と同様の方法で加熱時の温度むらを計測した。
[比較例2]
図1に示したプラズマCVD装置において傾斜調整部材を取り外し、ヒータの加熱部の上端が円筒状基体の中心軸と重なるように調整した状態で円筒状基体を加熱し、円筒状基体をヒータで加熱した際の温度むらを調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては実施例1と同様のものを用いた。本比較例においては、円筒状基体を加熱する前にフランジの位置を調整し、ヒータの支持部が円筒状基体の母線方向と平行な状態で、ヒータの加熱部の上端の中心が円筒状基体の中心軸と合致するようにした。尚、このとき、加熱部の下端において、加熱部の中心軸と基体の中心軸に約2.5mmのずれが生じた。そして、実施例1と同様の手順で円筒状基体を加熱し、加熱時の温度むらを計測した。
実施例1および比較例1,2において計測された加熱時の温度むらについて、比較例1に対する比を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2007119797
表1から明らかなように、円筒状基体をヒータによって加熱する際に加熱部の傾きを調整したときには、ヒータの支持部が円筒状基体の中心軸に平行な状態で、加熱部の上端や下端の中心が円筒状基体の中心軸と重なるように調節したときよりも、円筒状基体を均一に加熱することができていることが分かる。
以上のように、円筒状基体をヒータによって加熱しながら真空処理を行なう際に、円筒状基体の母線方向に対する加熱部の傾きを調整する部材を設けることで、円筒状基体を均一に加熱することができる。
図1に示したプラズマCVD装置を用い、図2に示した傾斜調整部材を用いて加熱部の傾きを調整した状態で電子写真感光体を作製し、得られた電子写真感光体の電位特性のむらと、画像欠陥数を調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては実施例1と同様のものを用いた。本実施例においては、電子写真感光体を作製する前に、図2に示した構造の傾斜調整部材を用い、加熱部の中心軸と円筒状基体の中心軸のずれが、円筒状基体の母線方向全体に渡って1mm以下となるように支持部の傾きを調整した。本実施例における電子写真感光体の作製条件を表2に示す。
Figure 2007119797
尚、高周波電源の発振周波数としては、60MHzと105MHzとした。
以上の手順で、電子写真感光体の作製を10回繰り返した。尚、本実施例においては、電子写真感光体を作製する度に、図2に示した傾斜調整部材を用い、円筒状基体の母線方向に対するヒータの加熱部の傾きを調整した。
そして、得られた電子写真感光体について、以下の手順で電位特性のむらを調べた。先ず、得られた電子写真感光体をデジタル複写機(キヤノン(株)製GP55の改造機)に装着し、電子写真感光体を暗部表面電位が450Vとなるように帯電させた後、露光レーザ光を照射し、表面電位が200Vとなるような光量を感度として測定した。
感度の測定は、電子写真感光体の母線方向の中央から2cm毎に母線方向の±14cmの範囲で測定し、感度の最も小さい値に対する最も大きい値の比を算出し、この比の10本の平均値を感度むらとして評価した。又、得られた電子写真感光体を用いて全面黒チャートの画像を出力し、画像上で直径が0.1mm以上の白抜けした点の数を測定し、10本の平均値を画像欠陥数として評価した。
[比較例3]
図1に示したプラズマCVD装置において傾斜調整部材を取り外し、ヒータの加熱部の下端が円筒状基体の中心軸と重なるように調整した状態で電子写真感光体を作製し、得られた電子写真感光体の電位特性のむらと画像欠陥数を調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては実施例1と同様のものを用いた。又、本比較例においては、電子写真感光体を作製する度にフランジの位置を調整し、ヒータの支持部が円筒状基体の母線方向と平行な状態で、ヒータの加熱部の下端の中心が円筒状基体の中心軸と合致するようにした。尚、このとき、加熱部の上端において、加熱部の中心軸と基体の中心軸に約2.5mmのずれが生じた。ヒータの調整を行った後、実施例2と同様の条件で10本の電子写真感光体を作製した。そして、得られた電子写真感光体について、実施例2と同様の手順で感度むらと、画像欠陥数を評価した。
[比較例4]
図1に示したプラズマCVD装置において傾斜調整部材を取り外し、ヒータの加熱部の上端が円筒状基体の中心軸と重なるように調整した状態で電子写真感光体を作製し、得られた電子写真感光体の電位特性のむらと画像欠陥数を調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては実施例1と同様のものを用いた。又、本比較例においては、電子写真感光体を作製する度にフランジの位置を調整し、ヒータの支持部が円筒状基体の母線方向と平行な状態で、ヒータの加熱部の上端の中心が円筒状基体の中心軸と合致するようにした。尚、このとき、加熱部の下端において、加熱部の中心軸と基体の中心軸に約2.5mmのずれが生じた。ヒータの調整を行った後、実施例2と同様の条件で10本の電子写真感光体を作製した。そして、得られた電子写真感光体について、実施例2と同様の手順で感度むらと画像欠陥数を評価した。
実施例2及び比較例3,4において評価された感度むらと画像欠陥数について、比較例3に対する比を算出した結果を表3に示す。
Figure 2007119797
表3から明らかなように、電子写真感光体を作製する度に加熱部の傾きを調整した時には、加熱部の上端や下端の中心が円筒状基体の中心軸と重なるように支持部を移動させた時と比較して、感度むらを小さくすることができていることが分かる。又、画像欠陥数についても、加熱部の傾きを調整することによって低減することができていることが分かる。
以上のように、円筒状基体をヒータによって加熱しながら真空処理を行う際に、円筒状基体の母線方向に対する加熱部の傾きを調整する部材を設けることで、基体の加熱むらに起因するデバイスの品質の低下を抑制することができる。
図3に示したプラズマCVD装置を用い、図4に示した傾斜調整部材を用いて加熱部の傾きを調整した状態で円筒状基体を加熱し、円筒状基体をヒータで加熱した際の温度むらを調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては実施例1と同様のものを用いた。又、本実施例においては、ヒータの支持部の外周にスリーブを設けた。そして、図4に示した楔状の傾斜調整部材の押込み深さを調節し、加熱部の中心軸と円筒状基体の中心軸のずれが円筒状基体の母線方向全体に渡って1mm以下となるように支持部の傾きを調整した。このとき、楔状の傾斜調整部材としては、スリーブ内面の半周程度を覆う大きさのものを用いた。加熱部の傾きを調整した後、実施例1と同様の手順で円筒状基体を加熱し、実施例1と同様の方法で加熱時の温度むらを計測した。
実施例3において計測された加熱時の温度むらについて、比較例1に対する比を算出した結果、0.72となった。即ち、楔状の傾斜調整部材をヒータのスリーブの内周とヒータの支持部の間に押し込んで加熱部の傾きを調整することによって、実施例1と同等の温度の均一性が得られていることが分かる。更に、真空処理装置の構成を複雑化することなく、且つ、容易に加熱部の傾きを調整することができる。
図3に示したプラズマCVD装置を用い、図4に示した傾斜調整部材を用いて加熱部の傾きを調整した状態で電子写真感光体を作製し、得られた電子写真感光体の電位特性のむらと画像欠陥数を調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては、実施例1と同様のものを用いた。又、本実施例においては、実施例3で用いたものと同様のスリーブをヒータの支持部の外周に設けた。そして、電子写真感光体を作製する度に、実施例3で用いたものと同様の楔状の傾斜調整部材を用い、加熱部の中心軸と円筒状基体の中心軸のずれが円筒状基体の母線方向全体に渡って1mm以下となるように支持部の傾きを調整した。その後、実施例2と同様の条件で10本の電子写真感光体を作製した。そして、得られた電子写真感光体について、実施例2と同様の手順で感度むらと画像欠陥数を評価した。
実施例4における感度むらと画像欠陥数について、比較例3に対する比を算出した結果を表4に示す。
Figure 2007119797
表4から明らかなように、楔状の傾斜調整部材をヒータのスリーブに押し込むことによって加熱部の傾きを調整したときには、実施例2において処理容器の外に傾斜調整部材を設けた時と同等の感度むらや画像欠陥数を得ることができている。更に、楔状の傾斜調整部材を用いることによって、真空処理装置の構成を複雑化することなく、且つ、容易に加熱部の傾きを調整することができる。
以上のように、楔状の傾斜調整部材をヒータの外周に設けたスリーブに押し込んで加熱部の傾きを調整することによって、ヒータによる円筒状基体の温度むらに起因するデバイスの品質の低下を真空処理装置の構成を複雑化することなく、且つ、容易に抑制することができる
図5に示したプラズマCVD装置を用い、図6に示した傾斜調整部材を用いて加熱部の傾きを調整した状態で円筒状基体を加熱し、円筒状基体をヒータで加熱した際の温度むらを調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては実施例1と同様のものを用いた。そして、実施例3で用いたものと同様のスリーブをヒータの支持部の外周に設け、図6に示した形状の傾斜調整部材の押込み深さを調節し、加熱部の中心軸と円筒状基体の中心軸のずれが、円筒状基体の母線方向全体に渡って1mm以下となるように支持部の傾きを調整した。このとき、傾斜調整部材としては、実施例3で用いた楔状の傾斜調整部材に、内径12mm、外径16mm、高さ10mmのリングを接合した形状のものを用いた。加熱部の傾きを調整した後、実施例1と同様の手順で円筒状基体を加熱し、実施例1と同様の方法で加熱時の温度むらを計測した。
実施例5において計測された加熱時の温度むらについて、比較例1に対する比を算出した結果、0.70となった。即ち、楔状の部材にリング状の部材を接合した形状の傾斜調整部材を、ヒータのスリーブの内周とヒータの支持部の間に押し込んで加熱部の傾きを調整することによって、実施例1と同等の温度の均一性が得られた。更に、真空処理装置の構成を複雑化することなく、且つ、容易に加熱部の傾きを調整することができる。
図5に示したプラズマCVD装置を用い、図6に示した傾斜調整部材を用いて加熱部の傾きを調整した状態で電子写真感光体を作製し、得られた電子写真感光体の電位特性のむらと、画像欠陥数を調べた。
ヒータ及び円筒状基体としては、実施例1と同様のものを用いた。又、本実施例においては、実施例3で用いたものと同様のスリーブをヒータの支持部の外周に設けた。そして、電子写真感光体を作製する度に、実施例5で用いたものと同様の形状の傾斜調整部材を用い、加熱部の中心軸と円筒状基体の中心軸のずれが円筒状基体の母線方向全体に渡って1mm以下となるように支持部の傾きを調整した。その後、実施例2と同様の条件で10本の電子写真感光体を作製した。そして、得られた電子写真感光体について、実施例2と同様の手順で感度むらと画像欠陥数を評価した。
実施例6における感度むらと画像欠陥数について、比較例3に対する比を算出した結果を表5に示す。
Figure 2007119797
表5から明らかなように、楔部分にリング部分を接合させた形状の傾斜調整部材を使用して加熱部の傾きを調整したときには、実施例2において処理容器の外に傾斜調整部材を用いたときや、実施例4において楔状の傾斜調整部材を用いたときと比較して同等の感度むらや画像欠陥数を得ることができていることが分かる。
更に、実施例2、4、6において、各々10本の電子写真感光体を作製した後に、プラズマCVDを分解して、Oリング1213,1230上に堆積した膜片の状況を目視にて観察したところ、実施例2や実施例4に対して、実施例6は明らかに膜片の数が減少しており、図6に示した傾斜調整部材を用いることにより、膜片がOリング1230上に到達するのを効果的に抑制できることが判明した。
以上のように、楔部分にリング部分を接合した形状の傾斜調整部材を用いて加熱部の傾きを調整することによって、ヒータによる円筒状基体の温度むらに起因するデバイスの品質の低下を、真空処理装置の構成を複雑化することなく、且つ、容易に抑制することができるとともに、ヒータの真空封止能力の劣化を抑制することができる。
本発明に係る真空処理装置の構成図である。 傾斜調整部材の構造を示す斜視図である。 本発明に係る真空処理装置の他の例を示す図である。 楔状の傾斜調整部材を示す図である。 本発明に係る真空処理装置の他の例を示す図である 楔部分にリング部分を接合した形状の傾斜調整部材の構成図である。
符号の説明
1101 円筒状基体
1201 底板
1202 チャンバー
1203 上蓋
1204 処理容器
1205 保持部材
1206 受け台
1207 キャップ
1208 ヒータ
1209 加熱部
1210 支持部
1211 フランジ
1212 Oリング
1213 Oリング
1214 電極
1215 分岐板
1216 マッチングボックス
1217,1218 高周波電源
1219〜1222 シールド
1223 排気口
1224 ガス導入管
1225 傾斜調整部材
1226 固定具
1227 移動穴
1228 スリーブ
1229 傾斜調整部材
1230 Oリング
1231 止め具
1232 Oリング
1233 傾斜調整部材
1234 貫通穴
1235 傾斜調整部材
1236 楔部分
1237 リング部分
1301 真空排気路
1302 ガス供給路
1401 排気装置
1501 弁
1502 スロットル弁
1503 弁
1511〜1516 弁
1521〜1526 弁
1531〜1536 弁
1600 ガス供給装置
1611 不活性ガスボンベ
1612〜1216 成膜ガスボンベ
1621〜1226 レギュレータ
1631〜1236 マスフローコントローラ

Claims (3)

  1. 棒状の加熱部の一端に棒状の支持部が接続されたヒータを円筒状基体の内側に備え、前記ヒータによって前記円筒状基体を加熱することが可能な真空処理装置において、
    前記支持部に当接するように設けられたヒータの真空封止部材と、前記円筒状基体に対する前記加熱部の傾きを前記支持部において調整することが可能な傾斜調整部材を備えることを特徴とする真空処理装置。
  2. 前記ヒータの前記支持部の外周にスリーブを備え、前記傾斜調整部材は、少なくとも一部が、前記スリーブの真空側において、前記スリーブと前記ヒータの前記支持部の間に押し込まれる深さを調節することが可能であって、且つ、前記スリーブの内周面と当接する面が前記円筒状基体の母線方向に対して傾斜を有する楔形の形状であることを特徴とする請求項1記載の真空処理装置。
  3. 前記傾斜調整部材が前記スリーブと前記ヒータの支持部の間に押し込まれる部分の端部にリング状の部材が接合された形状を有することを特徴とする請求項2記載の真空処理装置。
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