JP2007116865A - モータのローターユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で且つ簡単な構造よりなるモータのローターユニットを提供する。
【解決手段】樹脂ブッシュ3と、樹脂ブッシュの軸穴に圧入されて一体化される回転軸1と、樹脂ブッシュの外周面に配置されるリング状の複数の永久磁石2a,2bと、樹脂ブッシュの外周面の、複数の永久磁石の間に配置され、樹脂ブッシュの外周面における前記永久磁石の位置出しを行うリング状部材5とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂ブッシュ3と、樹脂ブッシュの軸穴に圧入されて一体化される回転軸1と、樹脂ブッシュの外周面に配置されるリング状の複数の永久磁石2a,2bと、樹脂ブッシュの外周面の、複数の永久磁石の間に配置され、樹脂ブッシュの外周面における前記永久磁石の位置出しを行うリング状部材5とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パーマネントマグネット型ステッピングモータ等に具備されるモータのローターユニットに関するものである。
回転軸が圧入されたブッシュの外周面に多極着磁された永久磁石が配置されてなるローターユニットと、ボビンに銅線を巻かれてなる励磁用コイルと、該励磁用コイルへの通電により磁化される櫛歯ヨークとを有するパーマネントマグネット型ステッピングモータの、前記ローターユニットが従来より提案されている(例えば特許文献1)。この種の従来の構成を図2及び図3に示す。
図2は、プレス加工又は切削加工により製作された円筒状の金属ブッシュ103の軸穴101aに回転軸101が圧入され、金属ブッシュ103の外周面に1個のリング状の永久磁石102が接着固定されてなるローターユニットを示すものである。図3は、ローレット201aを有する回転軸201及び1個のマグネット202を金型内に組み込み、樹脂によるインサート成形してなるローターユニットを示すものである。なお、図3の203は樹脂により成形される樹脂ブッシュである。
上記図2のようにプレス加工又は切削加工にて製作された金属ブッシュ103をローターユニットの一部材として使用した場合、その形状の複雑さから加工が難しく、ローターユニットとして高価なものに仕上がる可能性があった。これに対し、図3のように樹脂インサート成形により構成されるローターユニットにおいては、樹脂ブッシュ203は樹脂によるインサート成形されるので、加工の簡素化を図れ、コストの低減化を達成できる。
特開2005−174513号公報
図3に示すローターユニットは上記のような利点を有する反面、以下のような課題を有していた。
一般に永久磁石には高価なネオジウム等の材料が使用されており、図3に示すローターユニットにおいては、永久磁石の占める割合が大きく、コストの面に難があった。そのため、永久磁石の使用量を少なくするために、サイズ、特にスラスト方向(軸方向)の設定を特性的にみて可能な限り小さくする等の手法が取られていた。しかしながらこの手法では、特性重視の場合にはどうしてもサイズ的には無理が生じ、結果的にコスト面での大きな効果は望めるものではなかった。この点に鑑み、クローポール式ステッピングモータでは、構造上、永久磁石のスラスト方向の中央部分はモータの特性にあまり影響しない。このことに着目し、スラスト方向において永久磁石の2分割化を実施することで、従来の手法に比べ、大幅に永久磁石の使用量を削減し、コスト低減化を図っていた。
しかしながら、この従来の技法では、2個の永久磁石をスラスト方向に精度良く組み立てる(位置出しする)ことは難しく、又仮に2個の永久磁石を同時にインサート成形するとした場合でも、スラスト方向の位置決めや金型構造の複雑さから同様に困難であった。
また、ローターユニットが樹脂成形品である場合、ローターユニットに含まれる回転軸を軸支する含油軸受けに使用する油の種類に応じて、樹脂ブッシュとの化学反応(ケミカルアタック)の影響を考慮しなければならない。そのため、樹脂ブッシュの材料選択の幅が必ずしも十分ではなかった。さらに、回転軸の固定強度の確保のため、図3に示すように該回転軸にローレットなどの機械加工を施す必要があり、コスト増につながっていた。
(発明の目的)
本発明の第1の目的は、安価で且つ簡単な構成よりなるモータのローターユニットを提供しようとするものである。
本発明の第1の目的は、安価で且つ簡単な構成よりなるモータのローターユニットを提供しようとするものである。
本発明の第2の目的は、さらに、軸受けの含浸油が樹脂ブッシュに流れ込んで化学反応を起こしてしまうといったことを防止することのできるモータのローターユニットを提供しようとするものである。
本発明の第3の目的は、さらに、樹脂ブッシュを成形する樹脂材料として、回転軸の樹脂ブッシュに圧入される部分に機械的加工を施さなくとも該圧入のみで固定強度を確保することのできるモータのローターユニットを提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、樹脂ブッシュと、前記樹脂ブッシュの軸穴に圧入されて一体化される回転軸と、前記樹脂ブッシュの外周面に配置されるリング状の複数の永久磁石と、前記樹脂ブッシュの外周面の、前記複数の永久磁石の間に配置され、前記樹脂ブッシュの外周面における前記永久磁石の位置出しを行うリング状部材と、を有するモータのローターユニットとするものである。
上記構成においては、永久磁石の使用量削減のために、モータの特性にあまり影響のない中央部分にリング状部材を配置し、該リング状部材により、樹脂ブッシュの外周面のスラスト方向における永久磁石の位置出しを行うようにしている。
また、上記第2の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、樹脂又は金属からなるキャップ部材を、前記樹脂ブッシュの軸方向の両端側を塞ぐように前記回転軸に固着した請求項1に記載のモータのローターユニットとするものである。
上記構成においては、樹脂ブッシュの軸方向の両端側にキャップ部材を設け、回転軸を軸支する含浸軸受けから抽出される油が樹脂ブッシュ側に流れ込むのを防ぎ、樹脂ブッシュに油が流れ込んで化学反応を起こしてしまうことが無いようにしている。
また、上記第3の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、前記樹脂ブッシュを成形する樹脂材料として、ポリカーボネートを使用した請求項2に記載のモータのローターユニットとするものである。
上記構成においては、樹脂ブッシュを成形する樹脂材料の選定の幅が広がることから、回転軸を樹脂ブッシュへ圧入することのみで固定強度を得ることができるポリカーボネートを、樹脂ブッシュの材料として用いるようにしている。
本発明によれば、安価で且つ簡単な構造よりなるモータのローターユニットを提供できるものである。
本発明によれば、さらに、軸受けの含浸油が樹脂ブッシュに流れ込んで化学反応を起こしてしまうといったことを防止することができるモータのローターユニットを提供できるものである。
本発明によれば、さらに、樹脂ブッシュを成形する樹脂材料として、回転軸の樹脂ブッシュに圧入される部分に機械的加工を施さなくとも該圧入のみで固定強度を確保することができるモータのローターユニットを提供できるものである。
以下の実施例に示す通りである。
図1は本発明の一実施例に係わるモータのローターユニットを示す断面図である。このローターユニットは、不図示の励磁コイルと、該励磁コイルに通電することで磁化される櫛歯ヨークともに、パーマネントマグネット型ステッピングモータの構成要素の一つとして用いられる。
図1において、1は回転軸であり、後述の樹脂ブッシュへの圧入時における固定強度を確保するためのローレット等の機械的加工は施されておらず、機械的加工は施されているものに比べ、安価である。2a,2bは後述の樹脂ブッシュの外周面に圧入されるリング状の永久磁石である。3はポリカーボネートにより成形される樹脂ブッシュであり、回転軸1が圧入される軸穴3aを有している。4a,4bは樹脂又は金属からなるキャップ部材で、回転軸1を軸支する含浸軸受け(不図示)から抽出される油が該回転軸1を伝わって樹脂ブッシュ3側に流れ込むことを遮るためのものであり、樹脂ブッシュ3のスラスト方向の両端側を塞ぐように回転軸1に圧入(固着)される。
5は樹脂又は金属よりなる非磁性のリング状部材であり、樹脂ブッシュ3の外周面のスラスト方向において、永久磁石2a,2bの位置出しを精度良く行うとともに、永久磁石の使用量を減らすためのものである。つまり、従来は、図3に示したように、樹脂ブッシュ203の外周面に1個の円筒状の永久磁石202が圧入されていた。しかし、永久磁石の材料は高価であり、又永久磁石の中央部分はモータの特性にあまり影響がない。このことに着目し、永久磁石をスラスト方向に2分割して、その中央にリング状部材5を配置した。これによって、モータの特性を損なうことなく永久磁石の使用量を減らすことを可能にし、かつ、樹脂ブッシュ3の外周面上での永久磁石2aと永久磁石2bの位置出しを行うことを可能にしている。又これにより、図3のローターユニットを構成するに必要な、複雑で高価な金型が不要になる。
次に、本実施例におけるローターユニットの組立手順を説明する。まず、ポリカーボネートにより成形される樹脂ブッシュ3の外周面に、リング状の永久磁石2b、リング状部材5、リング状の永久磁石2aを順に圧入する。次に、樹脂ブッシュ3の軸穴3aに、回転軸1を圧入する。そして、樹脂ブッシュ3のスラスト方向の両端側を塞ぐように、キャップ部材4a,4bを回転軸1に圧入する。これにより、ローターユニットが組み上がる。
最後に、上記の実施例における効果を、以下にまとめて列挙する。
(1)永久磁石の使用量削減のために、モータの特性にあまり影響のない中央部分に樹脂又は金属製のリング状部材5を配置し、このリング状部材5により、樹脂ブッシュ3の外周面のスラスト方向における永久磁石2aと永久磁石2bの位置出しを精度良く行うようにしている。よって、安価で且つ簡単な構成によりモータのローターユニットを製作することができる。
(2)樹脂ブッシュ3の軸方向の両端側にキャップ部材5a,5bを設けているので、回転軸1を軸支する不図示の含浸軸受けから抽出される油が樹脂ブッシュ3側に流れ込むのを防ぐようにしている。よって、軸受けの含浸油が樹脂ブッシュ3に流れ込んで化学反応を起こしてしまうといったことを防止することができる。
(3)上記のように樹脂ブッシュ3の軸方向の両端側にキャップ部材5a,5bを設けることで、樹脂ブッシュ3を成形する樹脂材料の選定の幅を広げることができる。よって、樹脂ブッシュ3を成形する樹脂材料として、回転軸1の樹脂ブッシュ3に圧入される部分にローレット等の機械的加工を施さなくとも該圧入のみで固定強度を確保可能な、ポリカーボネートを使用することができ、コストの面で有利なものとなる。
1 回転軸
2 リング状の永久磁石
3 樹脂ブッシュ
4 キャップ
5 リング状部材
2 リング状の永久磁石
3 樹脂ブッシュ
4 キャップ
5 リング状部材
Claims (3)
- 樹脂ブッシュと、
前記樹脂ブッシュの軸穴に圧入されて一体化される回転軸と、
前記樹脂ブッシュの外周面に配置されるリング状の複数の永久磁石と、
前記樹脂ブッシュの外周面の、前記複数の永久磁石の間に配置され、前記樹脂ブッシュの外周面における前記永久磁石の位置出しを行うリング状部材と、
を有することを特徴とするモータのローターユニット。 - 樹脂又は金属からなるキャップ部材を、前記樹脂ブッシュの軸方向の両端側を塞ぐように前記回転軸に固着したことを特徴とする請求項1に記載のモータのローターユニット。
- 前記樹脂ブッシュを成形する樹脂材料として、ポリカーボネートを使用したことを特徴とした請求項2に記載のモータのローターユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005308054A JP2007116865A (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | モータのローターユニット |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005308054A JP2007116865A (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | モータのローターユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007116865A true JP2007116865A (ja) | 2007-05-10 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2005308054A Pending JP2007116865A (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | モータのローターユニット |
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JP (1) | JP2007116865A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011525790A (ja) * | 2008-06-13 | 2011-09-22 | アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ | 締まり嵌めによってシャフトの一部分の周りにブッシュを取り付けるための方法 |
-
2005
- 2005-10-24 JP JP2005308054A patent/JP2007116865A/ja active Pending
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