JP2007116775A - ブラシレスdcモータのセンサレスpwm駆動における拘束電流制御方法 - Google Patents

ブラシレスdcモータのセンサレスpwm駆動における拘束電流制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータの制御方法を改善することにより、モータがダウンしないようにする。
【解決手段】ブラシレスDCモータのステータコイルLU、LV、LWを、リアクタンスLと抵抗Rの直列回路からなる等価回路と見なし、その等価回路と並列にダイオードDU−を接続し、そのダイオードDU−を接続した並列回路に第1のスイッチ手段U+を直列に接続して、前記スイッチ手段U+を直列に接続した直列回路に直流電圧を印加する。そして、前記スイッチ手段U+がONの時間をt1、OFFの時間をnt1(n=1、2、・・・)として、第1のスイッチ手段U+をON・OFFした場合の各電流からPWM制御に妥当な拘束電流を設定する。
【選択図】図2

Description

この発明は、熱安定度や長期信頼性の向上を図るためのブラシレスDCモータのセンサレスPWM駆動における拘束電流制御方法に関するものである。
一般に、モータは、負荷トルクが大きくなると回転数が低下し、回転数が低下するとモータに流れる電流は大きくなる。このとき、回転数を0にするトルクが拘束トルクで、その拘束トルクで最大になるモータ電流が拘束電流である。
そのため、モータ及びその駆動回路は、モータがロック(拘束トルク)したときの拘束電流でダウンしないように充分な余裕度を持たせる必要があった。ところが、このような余裕度を持たせると回路規模が大きくなり、小型化や軽量化に反する。また、省エネルギーにも逆行するものである。しかし、余裕度をむやみに減少させると、ダウンは防げても熱安定度や長期信頼性に問題を生じる懸念がある。
このような問題を解決する一つの方法として、(特許文献1)には、図3に示すように、ブラシレスDCモータを使用したモータファン1において、拘束電流が流れるのを検出すると、拘束電流を流れないように遮断するようにしたものが記載されている。
すなわち、このものは、PWM制御信号のON区間に検知区間を設定する。この検知区間では、モータに拘束電流が流れた際にパワーFET2のON抵抗が高くなる。そのため、このON抵抗を検出するために、ロック検出手段3を設けてパワーFET2のドレイン端子の電圧を検出し、その検出したドレイン電圧から拘束電流を検出して、前記電流が発生した際に遮断するようにして、ダウンしないようにしたものである。
特開2005−151766号公報
しかしながら、上記のものでは、パワーFETのドレイン端子の電圧(電流制限手段の前記モータ側の電圧)を検出するためのロック検出手段を設ける必要がある。
このようなロック検出手段を追加するためには、従来の回路の構成を変更したり、新たに回路を作り直したりする必要がある。そのため、手間とコストが余分に掛かる問題がある。
そこで、この発明の課題は、余裕度のために回路規模を大きくしたり、追加の検出回路を設けたりしないでも、モータの制御方法を改善することにより、モータがダウンしないようにすることである。
上記の課題を解決するため、この発明では、ブラシレスDCモータのステータコイルを、リアクタンスと抵抗の直列回路からなる等価回路と見なして、前記等価回路と並列にダイオードを接続し、そのダイオードを接続した並列回路に第1のスイッチ手段を直列に接続して、その直列回路の両端に直流電圧を印加し、前記第1のスイッチ手段をオンにした際と、オフにした際の前記並列回路に流れる電流を、前記第1のスイッチ手段のオンとオフのデューティ比と周期、並びに前記等価回路のリアクタンスと抵抗値及び印加電圧の電圧値とを任意に設定して算出し、その算出した値に基づいて拘束電流を設定して制御するという方法を採用したのである。
このような方法を採用することにより、モータを抵抗とリアクタンスとから構成される等価回路で置き換え、その等価回路に第1のスイッチ手段を介して直流電圧を印加することで、電圧振幅、デューティ比を任意に設定したPWM波形を入力できるようにする。そして、その回路から算出する電流値と消費電力とから、熱安定度と長期の信頼性が得られる条件を導き出し、その導き出した条件で制御する。こうすることで、余裕度のために回路規模を大きくしたり、追加の検出回路を設けたりしなくても拘束電流でダウンしないようにする。
この発明は、以上のように構成したことにより、回路規模を大きくしたり、追加の検出回路を設けたりすることなく、拘束電流でダウンしないようにできる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
この形態は、本願を業務用冷蔵庫のファンモータに用いられる3相ブラシレスDCモータに適用した場合について述べるもので、このように3相ブラシレスDCモータへ適用したものを述べることで、本願発明のブラシレスDCモータの拘束電流の制御方法を説明するものである。
図1に、3相ブラシレスDCモータMとそのフルブリッジ主回路Bのブロック図を示す。
図1に示すように、3相ブラシレスDCモータは、U相、V相、W相の3個のステータコイルLU、LV、LWを備えたもので、各ステータコイルLU、LV、LWは、一端同士を接続して他端をフルブリッジ主回路Bと接続してある。
フルブリッジ主回路Bは、2個のスイッチング素子U+とU−、V+とV−、W+とW−を直列に接続した出力回路を、3個並行に接続したもので、その各出力回路の直列に接続したスイッチング素子U+とU−、V+とV−、W+とW−の接続点に、図1のように各々の各相のステータコイルLU、LV、LWが接続されている。また、出力回路の各スイッチング素子U+とU−、V+とV−、W+とW−には、フライホイールダイオードDU+、DU−、DV+、DV−、DW+、DW−が並列に接続されている。
ところで、ブラシレスDCモータの単体での特性は、下記の関係式に従う。
Figure 2007116775
モータが外力によって固定された場合、ロータは回転しないので、モータ電流Iは、
Figure 2007116775
となり、印加電圧とコイル抵抗によって求まる。
ところが、フルブリッジ主回路によってブラシレスDCモータをPWM制御した際の電流値は、PWM出力が非線形出力(パルス出力)なので、[数2]式で求めることはできない。
そのため、所望の電流値(拘束電流)を得るのに、従来は、カット アンド トライでPWMの制御の条件を決めたが、ここでは、以下のような方法により、定性的に求める手法を示す。
上記の3相フルブリッジの場合、まず、2相120°通電の場合についてPWMの値を算出する。これには図2で示す等価回路を使用する。
前記回路は、図2に示すように、ブラシレスDCモータMのステータコイルLU、LV、LWを、リアクタンスLと抵抗Rの直列回路からなる等価回路と見なしたもので、その直列回路に第2のスイッチ手段V−を直列接続し、その第2のスイッチ手段V−を接続した直列回路と並列にダイオードDU−を接続し、そのダイオードDU−を接続した並列回路に第1のスイッチ手段U+を直列に接続して、その第1のスイッチ手段U+を直列に接続した直列回路の両端に直流電圧を印加するようにしたものである。
但し、上記リアクタンスLと抵抗Rとは、L=LU+LV R=RU+RVである。
また、ここでは、第2のスイッチ手段V−は常にONで閉じた状態である。この状態で第1のスイッチ手段U+をONして閉じる。すると、矢印aの向きに電流が流れる。次に、第1のスイッチ手段U+をOFFにして開放すると、図2の矢印bの向きに電流が流れる。このようにして第1のスイッチ手段U+がONの時間をt1、第1のスイッチ手段U+がOFFの時間をnt1(n=1、2、・・・)として、そのnを変えた際の時間比で第1のスイッチ手段U+をON・OFFした場合の各電流を求める。
まず、第1のスイッチ手段U+がONのとき、矢印aの向きに流れる電流は、
Figure 2007116775
以後、奇数回目のU+がOFFのときの電流値と、偶数回目のU+がONのときの電流値は、
Figure 2007116775
となる。したがって、上記式[数4]に具体的な数字を代入して拘束電流をコンピュータなどで求めればよい。
この形態は、上記のように構成され、次に、その具体的な算出手法を以下に示す。
まず、次のように、Vp、R、L、t1、nを設定する。
Figure 2007116775
10μSのONと90μSのOFFとで、周期100μSでのデューティ比が10%の場合は、
Figure 2007116775
以上より、電流換算でのスイッチU+の奇数回目のOFFのときの電流と、偶数回目のONのときの電流は、デューティ比が10%で求まる中心値に対して±4.5%の幅に収まるのに対して、消費電力換算では、+9.2%、−8.8%と幅が大きくなる。
この変化幅は、ON時間とOFF時間の合計時間である周期に大きく依存する。すなわち、余りに周期を長くして周波数を低下させるとリアクタンス(コイル)Lでの発熱のピークが大きくなる。そのうえ、図1で示す3相フルブリッジ主回路Bで消費されるスイッチング素子U+、V+、W+の損失のピークも大きくなる。このことは、モータM及び主回路Bでの熱安定度が悪化し、長期信頼性を損なう恐れがある。
ここで、周波数15kHz、周期66.67μS、デューティ比が10%の場合を求めると、
Figure 2007116775
となり、消費電力換算で、±6%以内に収まる。
以上のことから周波数15kHz以上でのPWM制御を行うことにより、装置の熱安定度を増し、長期信頼性を確保できる。
ここでは、業務用冷蔵庫のファンモータに用いられる3相ブラシレスDCモータに本願を適用した場合について述べたが、これに限定されるものではない。センサレスで駆動するブラシレスDCモータを使用する全ての機器や装置に適用できることは明らかである。
実施形態のブロック図 実施形態の作用説明図 従来例の作用説明図
符号の説明
B フルブリッジ主回路
LU ステータコイル
LV ステータコイル
LW ステータコイル
M 3相ブラシレスDCモータ
U+ スイッチング素子
U− スイッチング素子
V+ スイッチング素子
V− スイッチング素子
W+ スイッチング素子
W− スイッチング素子

Claims (1)

  1. ブラシレスDCモータのステータコイルを、リアクタンスと抵抗の直列回路からなる等価回路と見なして、前記等価回路と並列にダイオードを接続し、そのダイオードを接続した並列回路に第1のスイッチ手段を直列に接続して、その直列回路の両端に直流電圧を印加し、前記第1のスイッチ手段をオンにした際と、オフにした際の前記並列回路に流れる電流を、前記第1のスイッチ手段のオンとオフのデューティ比と周期、並びに前記等価回路のリアクタンスと抵抗値及び印加電圧の電圧値とを設定して算出し、その算出した値に基づいて拘束電流を設定して制御するブラシレスDCモータのセンサレスPWM駆動における拘束電流制御方法。
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