JP2007116421A - スピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高性能でかつ製作が容易で、また、外観に優れるとともに設置の自由度が高く、臨場感効果を向上させることのできるスピーカ装置を提供することを目的としている。
【解決手段】スピーカ装置100は、互いに対向する天板31及びバッフル板32と、前板33及び裏板34と、左側板41及び右側板42とからなる六面体形状のキャビネット1と、キャビネット1内に設けられたスピーカユニット2とを備えている。そして、天板31及びバッフル板32と、前板33及び裏板34との二組が互いに平行とならないように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカ装置に関する。
従来、サブウーハとして使用されるスピーカ装置は、通常、直方体形状のキャビネットにスピーカユニットを取り付けたものが使用されている。また、その他の形態としてキャビネットを樹脂成形し3次元曲面立体形状としたものがある。具体的には、ギター型などにキャビネットを形成して、キャビネットの内部の対向面同士が平行になることで音響的に悪影響を及ぼす定在波の発生を防止している。また、バッフル板と裏板との距離を近接させて薄型としても、背圧の影響を低減できるスピーカ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。その他、キャビネットを二重構造として内部にスピーカユニットを取り付けたものや、筒状の共鳴管を用いたものも公知である。
特開平8−294192号公報
しかしながら、従来のサブウーハとして使用されるスピーカ装置は、比較的大型のもの程、サブウーハとして必要な低域特性には優れるが、設置スペースが必要となり、比較的狭い部屋において、音場的な特性を良く、室内のレイアウト上バランス良く、聴取者の着座や通行に支障のない位置に配置することが困難であった。
また、多くの場合、上記の理由により聴取者の着座位置の斜め前方床上等に設置されるが、この場合、聴取者から容易にスピーカが視認できるので、音場的な特性としては良好な位置であったとしても、聴取者が感覚的に音源位置を意識してしまうことにより本来の目的である臨場感向上の効果が薄れてしまうことがある。
また、キャビネットを直方体形状としたものは内部の平行面による定在波が多く生じ、特性上歪みやピークが生じる等の悪影響を及ぼし易く、定在波の低減のために吸音材等を多く使用することになり、実質キャビネット内の容積の減少や能率の低下、価格の上昇等の弊害があった。
さらに、三次元曲面立体形状のものでは定在波を防止できるが、比較的大型の形状の樹脂成形では金型費用が非常に高価となり、また共振のない良好なキャビネットとするために板厚・重量を増やせば外観上のヒケ等の問題が起こり、成形時間は長くかかり材料費も増すことが問題であった。
その他、多くの大型のサブウーハはデザイン上又は機能上、設置面が決められており、設置姿勢が限られるためレイアウト等の問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高性能でかつ製作が容易で、また、外観に優れるとともに設置の自由度が高く、臨場感効果を向上させることのできるスピーカ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、六枚の板からなる六面体形状のキャビネットと、
前記キャビネット内に設けられたスピーカユニットとを備え、
前記キャビネットは、互いに対向する三組の板のうち、少なくとも二組の板が互いに平行とならないように形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のスピーカ装置において、
前記三組の板のうち一組の板が、他の一枚の板から延出して設置面に起立した状態で設置され、
前記他の一枚の板にスピーカユニットが設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載のスピーカ装置において、
前記他の一枚の板は、前記設置面から所定間隔を隔てるようにして前記設置面に対して傾斜していることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のスピーカ装置において、
前記一組の板の前記設置面に当接する当接部分に、摩擦係数の低い摩擦低減材が設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1に記載のスピーカ装置において、
前記三組の板のうち二組の板が、他の一枚の板に対して垂直に設けられ、前記他の一枚の板が設置面に当接した状態で設置され、
前記二組の板のうちいずれか一枚の板にスピーカユニットが設けられていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスピーカ装置において、
サブウーハとして用いられることを特徴とする。
本発明によれば、キャビネット内の定在波による特性の乱れが少なく、多くの吸音材を必要とせず能率が良く、また、製作も比較的簡単でコストも安価である。さらに、単純形状でないため外観にも非常に優れ、設置の自由度が高く、臨場感効果も向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るスピーカ装置100の斜視図であり、設置方法の一例を示している。
スピーカ装置100は、例えばサブウーハとして用いられ、六面体形状のキャビネット1と、キャビネット1内に設けられたスピーカユニット2とを備えている。キャビネット1は、両端が開口した四角柱状のキャビネット本体3と、キャビネット本体3の両端の開口を塞ぎ、互いに平行となる一組の左側板41及び右側板42とを備えている。スピーカ装置100の概略の外形寸法は、幅1020mm、高さ410mm、奥行き390mmである。
以下、本発明で言う前後方向とは図1中紙面の前後を表し、左右方向とは図1中紙面の左右を表し、上下方向とは図1中紙面の上下を表すものとする。
キャビネット本体3は、天板31と、天板31に対向して設けられ、スピーカユニット2が取り付けられるバッフル板32と、天板31及びバッフル板32の前端部に設けられた前板33と、天板31及びバッフル板32の後端部に設けられて前板33に対向する裏板34とが互いに接合されてなる。これら天板31、バッフル板32、前板33及び裏板34は、図1中左右に長尺な矩形板状をなしており、天板31、バッフル板32及び裏板34は木製で、前板33はフロート板ガラスを所定形状に切断し、外周面を研磨してなるものである。
図2は、図1における切断線II−IIに沿って右側板42と平行に切断した際のスピーカ装置100の矢視断面図、図3は、図2における切断線III−IIIに沿った面のスピーカ装置100の矢視断面図である。
天板31は、設置面M(例えば、床面)に対して平行に設けられ、天板31の後端部に天板31及び設置面Mに対して垂直となるように裏板34が設けられている。天板31の前端部には前板33が裏板34に対して、その下端部が上端部よりも前側に位置するように傾斜して設けられている。そのため、前板33の下端部は、裏板34の下端部よりも上側に位置している。この前板33の下端部と裏板34の下端部とに、天板31及び設置面Mに対向してバッフル板32が設けられている。バッフル板32は、その前端部が後端部よりも上側となるように傾斜して配置されている。
このようなキャビネット本体3において、天板31と裏板34とがなす角度θ1は90°であり、これと対角にある前板33とバッフル板32とがなす角度θ2も90°である。また、天板31と前板33とがなす角度θ3は100°、これと対角にある裏板34とバッフル板32とがなす角度θ4は80°に設定されている。また、バッフル板32と設置面Mとがなす角度θ5は10°である。
そして、天板31、バッフル板32、前板33及び裏板34によって構成されるキャビネット本体3の両端開口には、それぞれの開口を塞ぐ左側板41と右側板42とが設けられている。これら左側板41と右側板42とは互いに平行に対向配置されている。すなわち、キャビネット本体3の両端開口を形成する端面に対して左側板41及び右側板42の平行面がそれぞれ垂直となるように設けられている。
左側板41及び右側板42は、側断面視五角形状をなした木製の板材であり、キャビネット本体3の両端の開口面積よりも大きく、天板31、バッフル板32、前板33及び裏板34の各縁部から突出している。特に、バッフル板32が設置面Mから所定間隔を隔てるように、左右側板41,42の下端部は、バッフル板32から下方に延出して設置面Mに起立した状態で当接している。詳細には、左右側板41,42の後端部は裏板34と略平行で、前端部は前板33の下端部近傍を頂点として山形状となるように設置面Mに向けて後ろ側に傾斜して延出し、設置面Mに当接している。
左側板41及び右側板42の下端面には、図1のようにスピーカ装置100を設置した場合に、設置面Mとの摩擦を低減するための摩擦係数の低い軟質樹脂製のシート(摩擦低減材)43,43が貼り付けられている。
また、キャビネット1内には、スピーカユニット2、バスレフダクト11及び端子板12が収容されている。スピーカユニット2は、バッフル板32に形成されたスピーカユニット用の穴部(図示しない)に、バッフル板32の外側から嵌め込むことによってバッフル板32のバッフル面から突出した状態で取り付けられている。突出したスピーカユニット2は、設置面Mとの距離が約30mm〜80mmとされている。すなわち、スピーカユニット2の上端部と設置面Mとの距離S1が約80mm、スピーカユニット2の下端部と設置面Mとの距離S2が約30mmである。
バスレフダクト11は、バッフル板32に形成されたバスレフダクト用の穴部(図示しない)に、バッフル板32の内側から嵌め込むことによってキャビネット1内に収容された状態で取り付けられている。バスレフダクト用の穴部はスピーカユニット用の穴部よりも径が小さくなっている。
また、端子板12は、裏板34に内側から取り付けられ、端子板12とスピーカユニット2とがスピーカケーブル13で接続されている。
図4(a)は、キャビネット1内に取り付けられた照明装置14を前側から見た際の正面図であり、図4(b)は、照明装置14を下側から見た際の下面図である。
天板31の内面前端部における中央に、左右に沿って照明装置14が取り付けられている(図2参照)。照明装置14は、厚さ1mm、幅7mm、長さ300mm程度のプリント配線基板141にLED素子142が一列に等間隔で6個取り付けられたものである。LED素子142は、バッフル板32と対向するように下向きに取り付けられている。また、プリント配線基板141の一端部に接続ケーブル143が接続されている。このようにLED素子142を一列に複数個並べた照明装置14は非常に薄く、しかも天板31の内面前端部に設けられているので、直接外側から視認しにくく外観上好ましい。また、比較的少ない電力でキャビネット1の内部を照明することができる。
さらに、図2に示すように、天板31の内面後端部には調光装置15が取り付けられている。調光装置15は、明るさを検出する受光素子と、受光素子の出力により電流を制御する定電流回路により、室内が完全に暗い場合と十分に明るい場合は照明装置14をOFFに制御し、それ以外の場合はLED素子142の電流が室内の照度に比例して予め設定した値となるように制御する。このように調光装置15を設けることによって、さらに省電力で適切な照明効果を上げることができる。
なお、照明装置14の電源入力端子144は、端子板12を介してスピーカ入力端子21の下方に取り付けられている。電源入力端子144を端子板12に設けることにより、配線接続が一カ所で行え、部品点数や取り付け工数を最低限に抑えることができ、配線作業が容易となる。
次に、天板31、バッフル板32、前板33、裏板34及び左右側板41,42をそれぞれ接合する接合構造について説明する。
図5は、天板31の側端部の一部を示す斜視図、図6は、右側板42を内側から見た際の斜視図、図7は、図3の点線部分における天板31、右側板42及び裏板34の接合構造の拡大図である。また、図8は、図5において天板31を下側から見た際の平面図である。
まず、天板31と右側板42との接合構造について説明する。
天板31は、左右に長尺な矩形板状の天板部311と、天板部311上に重ねられて天板部311の長手方向前端部を覆う鍔部312aが設けられた化粧板部312とを備えている。化粧板部312の側端面には、前後に沿って臍部313が設けられている。また、天板部311の内面側端部には、右側板42に固定するための桟材314が前後に沿って取り付けられている。この側板固定用桟材314には、三つの木ネジ用のネジ穴314a,…が所定間隔に形成されている。
一方、右側板42の内面上端部には、前後に沿って臍部313が嵌め込まれる溝部421が形成されている。そして、図7に示すように溝部41内に天板31の臍部313が嵌め込まれ、臍部313の下側に桟材314が配置されるとともにキャビネット1の内部からネジ穴314a,…にネジNがねじ込まれることによって固定されている。また、ネジ止め以外に接着剤によって固定しても良い。
上述のように接合された天板31及び右側板42に、前板33が接合されている。
右側板42と前板33とは、右側板42の内面前端部に上下に沿って形成された溝部422に、前板33の側端面が嵌め込まれることによって固定されている。
なお、左側板41も右側板42と同様にして天板31及び前板33に接合されているので、その説明を省略する。
図9(a)は、図1の切断線II−IIに沿った面で切断した際の矢視断面図であり、(a)は、天板31の溝部315内に前板33が挿入された状態を示し、(b)は、天板31の溝部315内にパッキン材Pが接着された状態を示している。
前板33と天板31とは、図9(a)に示すように、化粧板部312の鍔部312aと天板部311の前端面との間に形成された左右に延在する溝部315内に、前板33の上端部が嵌め込まれることによって固定されている。この溝部315内には側断面視略コ字型状にパッキン材Pが接着され、パッキン材Pに密着するように前板33の上端部を溝部315内に嵌め込むことによって固定されている。
溝部315の幅L3は約14mmである。パッキン材Pとしては、独立発泡性又は連続発泡性の気泡を有した弾性材を使用することが好ましく、例えば独立気泡ネオプレンゴムやウレタンゴムを材料とするものが好ましい。その他、フェルト、不織布、羊毛等を使用しても良い。
パッキン材Pは溝部315内に接着した状態でその厚さL1が、前板33の上端部を溝部315内に直接挿入した状態で、前板33の前面又は後面と溝部315との間に形成される隙間寸法の120%〜200%の厚さを有することが好ましく、本実施形態では約3mmである(図9(b)参照)。また、前板33挿入後の厚さL2が約2mm(図9(a)参照)となるように溝部315の深さ及び前板33の厚さの寸法調整がなされている。
このようにしてパッキン材Pによって前板33の上端部の三面(前面、後面及び上端面)が覆われるが、パッキン材Pは前板33の上端部の少なくとも一面以上を覆うように設ければ良い。
さらに、接合された左右側板41,42及び前板33に、バッフル板32が接合されている。
バッフル板32は、図2に示すように、天板31と同様に左右に長尺な矩形板状のバッフル板部321と、バッフル板部321の下面に重ねられてバッフル板部321の長手方向前端部を覆う鍔部322aが設けられた化粧板部322とを備えている。化粧板部322の側端面には、前後に沿って臍部(図示しない)が設けられている。また、バッフル板部321の内面側端部には、右側板42に固定するための桟材324が前後に沿って取り付けられている。さらに、側板固定用桟材324には、三つの木ネジ用のネジ穴(図示しない)が所定間隔に形成されている。
一方、右側板42の内面下端部には、前後に沿って臍部が嵌め込まれる溝部423(図6参照)が形成されている。そして、溝部423内にバッフル板部321の臍部が嵌め込まれ、臍部の上側に桟材324が配置されるとともにキャビネット1の内部からネジ穴にネジNがねじ込まれることによって固定されている。また、分解を要しない場合はネジ止め以外に接着剤によって固定しても良い。
なお、左側板41も右側板42と同様にしてバッフル板32に接合されているので、その説明を省略する。
また、バッフル板32と前板33とは、天板31と前板32とを接合する場合と同様にして、化粧板部322の鍔部322aとバッフル板部321の前端面との間に形成された左右に延在する溝部325内に、前板33の下端部が嵌め込まれることによって固定されている。この溝部325内には側断面視略コ字型状のパッキン材Pが接着され、パッキン材Pに密着するように前板33の下端部を溝部325内に嵌め込むことによって固定されている。
このようにして接合された天板31、バッフル板32、前板33及び左右側板41,42は、その後端面側の開口部に裏板34が接合されている。
詳細には、図5〜図8に示すように、天板部311の内面後端部に左右に沿って桟材316が取り付けられ、右側板42の内面後端部に上下に沿って桟材424が取り付けられている。そして、右側板42の桟材424の上端面と溝部421との間に天板31の桟材316が配置されている。また、バッフル板32にも同様に、内面後端部に左右に沿って桟材326(図2参照)が取り付けられ、右側板42の桟材424の下端面と溝部423との間にバッフル板32の桟材326が配置されている。
また、左側板41も右側板42と同様にして組み付けられているので、その説明を省略する。
このように左右側板41,42の桟材424と天板31の桟材316及びバッフル板32の桟材326が配置されることによって長方形枠状に組まれた桟材424,316,326に、裏板34の内面が当接し、裏板34から各桟材424,316,326に木ネジNがねじ込まれることにより固定されている。また、分解を要しない場合はネジ止め以外に接着剤によって固定しても良い。
なお、左右側板41,42の溝部421と天板31の臍部313、左右側板41,42の溝部422と前板33の臍部(図示しない)、左右側板41,42の溝部423とバッフル板32の臍部(図示しない)をそれぞれ嵌め込む場合においても、パッキン材Pを介して各臍部313が嵌め込まれている。
上述のように、天板31、バッフル板32、前板33及び左右側板41,42は、溝部421〜423と臍部313とを互いに嵌め込んで位置決めした後に木ネジNによってネジ止めされており、裏板34とこれら天板31、バッフル板32及び左右側板41,42とはネジ止めされているので、容易に分解でき、輸送や収納する際に小型化することができ、また、組み立ても簡単である。
さらに、天板31、バッフル板32及び左右側板41,42の四つの桟材424,316,326に裏板34を接合する場合にのみ、木ネジNを外側からねじ込んで固定するので、木ネジNが露出する面が裏板34の一面のみとなり、木ネジNの露出による危険を防止でき、外観上も好ましい。また、組み立て後の剛性が高く不要共振による特性の乱れが少ない。
また、左右側板41,42と天板31、左右側板41,42とバッフル板32、左右側板41,42と前板33,33と天板31、前板33とバッフル板32とは、パッキン材Pを介して互いに嵌め込んで接合しているので、各板材31〜33,41,42の端部のほぼ全周を容易に面接触で保持することができる上に、前板33は組み立ての際に木ネジ等を取り付ける必要がない。そして、パッキン材Pにより板材31〜33,41,42間の振動を遮断し空気漏れをなくすことにより、製作・組み立てが容易で性能面でも優れる。
次に、本発明に係るスピーカ装置100の設置方法について説明する。
第一の設置方法としては、上述した図1及び図2のように、バッフル板32が設置面Mから所定間隔を隔てるようにして設置面Mに対して所定角度で傾斜するように、左右側板41,42の下端面を設置面Mに起立した状態で当接させることによってスピーカ装置100を設置する。
図10は、スピーカ装置100をオーディオラック500内に収納した状態を示す斜視図、図11は、オーディオラック500の斜視図である。
図1及び図2のようにスピーカ装置100を設置した状態で、スピーカ装置100をオーディオラック500内に収納することができる。
オーディオラック500は、天板51と、天板51と平行に対向配置された二つの左右底板52,53と、天板51と左右底板52,53との間に天板51及び左右底板52,53と垂直となるように配された左側板54及び右側板55と、左側板54と右側板55との間に、両側板54,55と略平行に設けられた二つの左右仕切板56,57と、天板51、左右側板54,55及び左右仕切側板56,57に対して垂直となるように設けられた裏板58とを備えている。
左仕切板56と左側板54との間には左側収納部61が形成され、左側収納部61には上下に仕切る上下仕切板62が取り付けられている。右仕切板57と右側板55との間には右側収納部63が形成され、右側収納部63には上下に仕切る上下仕切板64が取り付けられている。また、左仕切板56と右仕切板57との間には、スピーカ装置100が収納自在とされる中央収納部65が形成されている。中央収納部65は、左右仕切板56,57、天板51及び設置面Mで形成された空間であり、設置面Mが中央収納部65内に露出している。また、中央収納部65の寸法は、スピーカ装置100より若干大きく、幅1022mm、高さ412mm、奥行き392mmである。
左右底板52,53の前端面及び中央収納部65を形成する前面に、左右に延在する桟材71がその前端面及び前面から突出して固定されている。そして、この桟材71の下面及び左右底板52,53の下面には、設置面Mに当接する長方形枠状の脚部72が取り付けられている。脚部72の前面中央部には、中央収納部65に貫通する長方形状の貫通穴72a,72aが二カ所形成されている。
このように構成されたオーディオラック500の中央収納部65にスピーカ装置100を収納することにより、収納スペースを別に設ける必要もなく、外観上も優れる。また、中央収納部65をスピーカ装置100よりも若干大きく形成しているのでスピーカ装置100の出し入れが容易である。
図12は、第二の設置方法を示したスピーカ装置100の斜視図であり、スピーカ装置100は左側板41を設置面Mに当接した状態で設置している。このように設置することで、幅の狭いスペースにも設置することができる。また、左側板41は設置面Mに対して平行で、左側板41に対して天板31、バッフル板32、前板33及び裏板34が垂直となるように立設するため、安定して設置することができる。なお、図示しないが右側板42を設置面Mに当接して設置しても構わない。
以上、本発明の実施の形態によれば、六面体形状のキャビネット1と、キャビネット1内に設けられたスピーカユニット2とを備え、キャビネット1は、両端が開口した四角柱状のキャビネット本体3と、キャビネット本体3の両端の開口を塞ぎ互いに平行となる左右側板41,42とを有し、互いに平行な面は左右側板41,42のみで、これら左右側板41,42は距離が離れて設けられているので、内部の平行面による定在波を低減でき、定在波による特性の乱れが少ない。また、定在波の発生防止のために、多くの吸音材を入れる必要もなく、吸音材を入れることによって起こる能率低下も少ない。
また、天板31、バッフル板32、前板33、裏板34及び左右側板41,42を互いに組み立てて接合してなり、左右側板41,42はキャビネット本体3の開口端面に対して垂直となるように接合するので、製作も比較的簡単で製作コストも安価となる。さらに、単純な形状でないため外観にも優れたものとすることができる。
また、左右側板41,42の互いに対向する平行面が、設置面Mに対してそれぞれ直交するように設置する場合と、左右側板41,42のうち一方の側板41(42)を設置面Mに対して平行となるように当接して設置する場合との設置方法があるので、用途や室内のレイアウトに応じて設置姿勢を変えることができ設置の自由度が高い。また、オーディオラック500に収納できるので、専用のスペースが不要でスピーカ装置100の存在を意識させずに、臨場感効果の高いサブウーハとしてのスピーカ装置100とすることができる。
スピーカユニット2が取り付けられたバッフル板32が、設置面Mから所定間隔をあけて設置面Mに対して傾斜するように設置することによって、スピーカユニット2が聴取者に直接向かずに、設置面Mに対して適切な傾斜と間隔を持って配置されるので、スピーカユニット2の存在を意識させずに、音の放射効率に優れるとともに臨場感を向上させることができる。
また、左右側板41,42の設置面Mに当接する当接部分に摩擦係数の低い軟質樹脂製のシート43が設けられているので、移動が簡単で設置場所を傷つけることもない。その上、安定した状態で設置することができる。
前板33にフロートガラス板を使用しているので、通常のスピーカ装置と異なるデザインとなり、スピーカとしての存在を意識させることなく、内部透視でき、内部に意匠を施すことによりスピーカとは全く異なる外観とすることができる。また、フロートガラス板の前板33を介して内部のスピーカユニット2を積極的に見せることにより、視覚的に敢えて強調した外観とすることもできる。さらには、木質材より薄肉で高剛性が得られる。
なお、本発明の実施の形態は、上述したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、キャビネット本体3の両端開口に互いに平行に対向配置するように左右側板41,42を設けるとしたが、これら左右側板41,42を互いに平行とならないように設けても構わない。このように、より平行面を減らすことで定在波を一層低減することができ、本発明の効果をさらに向上させることができる。また、この場合、いずれか一方の側板41(42)を設置面Mに対して平行となるように当接することによってスピーカ装置100を、その長手方向が上下に沿うように設置することができる。
また、左右側板41,42の形状は五角形状であるとしたが、キャビネット本体3の両端開口を塞ぎ、バッフル板32を設置面Mから所定間隔を隔てるようにして傾斜して配置できる形状であれば特に限定しないものとする。その他、天板31、バッフル板32、前板33及び裏板34の形状も変更可能である。
前板33は、全面がフロートガラス製であるとしたが、木製としても良いし、所望の面積を透明もしくは透明性のある部材で構成しても良い。
また、バッフル板32と設置面Mとのなす角度θ5を10°としたが、5〜45°の範囲であれば変更しても良く、バッフル板32から突出したスピーカユニット2と設置面Mとの距離S1,S2も、30〜80mmに限らず30〜200mmであれば良い。バッフル板32と設置面Mとのなす角度θ5及びスピーカユニット2と設置面Mとの距離S1,S2を上記範囲としたのは、この範囲であれば聴取者からスピーカユニット2が見えることがなく、設置面Mとの定在波を防止するとともに近接効果によるスピーカユニット2への負荷も少なく、前方への放射効率が向上するためである。
また、オーディオラック500は上述した形状のものに限られず、適宜変更して良い。
本発明に係るスピーカ装置100の斜視図であり、設置方法の一例を示している。 図1における切断線II−IIに沿って右側板42と平行に切断した際のスピーカ装置100の矢視断面図である。 図2における切断線III−IIIに沿った面のスピーカ装置100の矢視断面図である。 キャビネット1内に取り付けられた照明装置14を示したものであり、(a)は照明装置14を前側から見た際の正面図であり、(b)は、照明装置14を下側から見た際の下面図である。 天板31の側端部の一部を示す斜視図である。 右側板42を内側から見た際の斜視図である。 図3の点線部分における天板31、右側板42及び裏板34の接合構造の拡大図である。 図5において天板31を下側から見た際の平面図である。 図1の切断線II−IIに沿った面で切断した際の矢視断面図であり、(a)は、天板31の溝部315内に前板33が挿入された状態を示し、(b)は、天板31の溝部315内にパッキン材Pが接着された状態を示している。 スピーカ装置100をオーディオラック500内に収納した状態を示す斜視図である。 オーディオラック500の斜視図である。 スピーカ装置100の斜視図であり、設置方法のその他の一例を示している。
符号の説明
1 キャビネット
2 スピーカユニット
31 天板
32 バッフル板
33 前板
34 裏板
41 左側板(平行板)
42 右側板(平行板)
43 軟質樹脂製のシート(摩擦低減材)
100 スピーカ装置
M 設置面

Claims (6)

  1. 六枚の板からなる六面体形状のキャビネットと、
    前記キャビネット内に設けられたスピーカユニットとを備え、
    前記キャビネットは、互いに対向する三組の板のうち、少なくとも二組の板が互いに平行とならないように形成されていることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記三組の板のうち一組の板が、他の一枚の板から延出して設置面に起立した状態で設置され、
    前記他の一枚の板にスピーカユニットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記他の一枚の板は、前記設置面から所定間隔を隔てるようにして前記設置面に対して傾斜していることを特徴とする請求項2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記一組の板の前記設置面に当接する当接部分に、摩擦係数の低い摩擦低減材が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のスピーカ装置。
  5. 前記三組の板のうち二組の板が、他の一枚の板に対して垂直に設けられ、前記他の一枚の板が設置面に当接した状態で設置され、
    前記二組の板のうちいずれか一枚の板にスピーカユニットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  6. サブウーハとして用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスピーカ装置。
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