JP2007114750A - 投影システム設計方法、リソグラフィー装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

投影システム設計方法、リソグラフィー装置およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】投影システム設計方法、リソグラフィー装置およびデバイスを製造するための方法を提供する。
【解決手段】最初に、投影システムの局所的最適化を実行してメリット関数の局所的極小点にある出発構成を求めるか、または、単に既知の極小点システムを出発構成として用いる。次に、N個の面を有する局所的極小点出発構成中の面に、ゼロ厚メニスカスレンズを挿入して、N+2個の面を有するモース指数=1の鞍点を構築し摂動を加え、鞍の両側で最適化を実行する。導入された二つの面における距離を増加させ、メリット関数の新しい極小点である二つの新しい構成mおよびmを作り出す。結果として得られた各構成は、例えば投影システムの仕様を定めるパラメータの表として、実際の投影システムを作るのに用いられるコンピュータ・ファイルとして出力する。
【選択図】図9(a)

Description

本発明は、投影システム設計方法、リソグラフィー装置およびデバイスを製造するための方法に関する。
リソグラフィー装置は、基板上に、通常は基板のターゲット部分上に、所望のパターンを付与する機械である。例えば、集積回路(IC)の製造において、リソグラフィー装置を用いることができる。その場合、択一的にマスクまたはレチクルと呼ばれるパターン形成デバイスを用いて、ICの個々の層に形成される回路パターンを作り出すことができる。このパターンは、基板(例えばシリコンウェーハ)上の、(例えば、一つのダイの一部分、または数個のダイの一部分を含む)ターゲット部分に転写される。典型的には、パターンの転写は、基板上に設けられた放射線感応性材料(レジスト)の層上へのイメージ形成(結像)を経る。一般に、一つの基板は隣接したターゲット部分のネットワークを含み、ターゲット部分は次々にパターン形成される。既知のリソグラフィー装置には、ターゲット部分にパターン全体を一度に露光させることによって各ターゲット部分を照射するいわゆるステッパと、放射ビームによってパターンを所定の方向(「スキャン」方向)にスキャンしながら、この方向と平行または平行逆向きに基板を同期してスキャンすることによって各ターゲット部分を照射するいわゆるスキャナとが含まれる。パターンを基板にインプリントすることによって、パターン形成デバイスから基板にパターンを移すことも可能である。
本発明は、基板上にパターンイメージを作製するための投影システム(光学系とも呼ばれる)を設計することに関する。投影システムを開発するにあたっては、満たさなければならない多くの制約条件(コンストレインツ)と、多くの可変パラメータが存在する。このプロセスは、最適化問題となる。光学系の大域的最適化の分野における過去20年間にわたる素晴らしい進歩は、強力なソフトウェアツールをつくり上げた。あまり複雑でない光学設計の場合には、現在の大域的最適化アルゴリズムは、メリット関数のランドスケープ(landscape)中に見られる多くの局所的極小点の中から良好な解を見つけるための価値あるツールである。しかし、構成部品の数が大きくなると、あるいは非球面係数などの非常に多数の可変パラメータがあると、局所的最適化でさえ長時間を要し、そのようなツールをそのまま適用することは難しい。この場合、目的を実現するために少数の局所的最適化しか用いない方法によって、既知の局所的極小点とは異なる局所的極小点を見つけなければならない。さらに別の問題は、既知の設計から出発しても、簡単かつ効率的でシステマティックな新しい投影システムを作り出すことが難しいことである。
リソグラフィー投影装置用の新しい投影システムを設計するための方法を提供する。
本発明の一態様によれば、
複数の面を含み、メリット関数空間中の局所的極小点に対応するメリット関数値を有する投影システム出発構成(projection system starting configuration)を求めるステップと、
出発構成中の基準面に二つの追加面を挿入するステップであって、追加面の間、および追加面と基準面との間の距離を非常に小さくし、追加面の間の光学材料を基準面のそれと実質的に同じものとし、二つの追加面の曲率を基準面の曲率と実質的に同じものとし、メリット関数空間中の鞍点に対応する投影システムの鞍点構成を作り出すステップと、
鞍点構成に摂動を加え、鞍点の少なくとも一方の側で最適化を実行して、メリット関数空間中の局所的極小点に対応するメリット関数値を有する新しい投影システム構成を求めるステップと、
二つの挿入された面の間、および挿入された面と挿入先の基準面との間の距離を増加させるステップと、
求めた投影システム構成を出力するステップとを含む、リソグラフィー投影装置用の投影システムを設計するための方法が提供される。
本発明の一態様によれば、
放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
パターン形成デバイスを支持するように構築された支持体であって、パターン形成デバイスは放射ビームの断面内にパターンを付与してパターン形成された放射ビームを生成させることができる支持体と、
基板を保持するように構築された基板テーブルと、
本発明の上記方法を用いて設計され、基板のターゲット部分上にパターン形成された放射ビームを投影するように構成された投影システムとを含むリソグラフィー装置が提供される。
本発明の様相によれば、本発明の第一の様相による方法を用いて設計された投影システムを用いて、基板上の放射線感応性材料の層のターゲット部分上にパターン形成された放射ビームを投影するステップを含むデバイス製造方法が提供される。
次に、添付の概略図を参照して、例示のためだけに本発明の実施態様を説明するが、対応する参照記号は対応する部品を示す。
図1は、本発明の一実施態様によるリソグラフィー装置の概略を示す。この装置は、
放射ビームB(例えば300nmより短い波長を有するDUV放射、または30nmより短い波長を有するEUV放射などのUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL、
パターン形成デバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターン形成デバイスを正確に位置決めするように構成された第一のポジショナーPMに接続された支持構造物(例えばマスクテーブル)MT、
基板(例えばレジストで被覆されたウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二のポジショナーPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WT、および
パターン形成デバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを、基板Wのターゲット部分C(例えば、一つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された、投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSを備える。
照明システムは、放射を誘導し、形状を定め、または制御するために、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気またはその他の種類の光学構成部品、あるいはそれらの任意の組み合わせなどのさまざまな種類の光学構成部品を含むことができる。
支持構造物は、パターン形成デバイスを支持している、すなわちパターン形成デバイスの重量を支えている。パターン形成デバイスは、パターン形成デバイスの向き、リソグラフィー装置の設計、例えばパターン形成デバイスが真空環境中に保持されるか否かなどのその他の条件に依存して、保持されている。支持体構造物は、機械的、真空的、静電気的またはその他の取付技術を用いて、パターン形成デバイスを保持することができる。例えば、支持体構造物は、枠またはテーブルであってよく、必要に応じて、固定式または可動式であるとよい。支持構造物は、パターン形成デバイスが、例えば投影システムに対して、所望の位置にあることを保証することができる。本明細書中の用語「レチクル」または「マスク」の使用は、すべてより一般的な用語「パターン形成デバイス」と同義とみなすことができる。
本明細書で用いられる用語「パターン形成デバイス」は、放射ビームの断面にパターンを付与し、これによって、基板のターゲット部分にパターンを作り出すために用いることができる任意のデバイスを指すものとして、広義に解釈するべきである。放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフト特徴(phase-shifting features)またはいわゆるアシスト特徴(assistfeatures)を備えるなら、厳密に基板のターゲット部分の所望のパターンに対応しなくてもよい点に注意すべきである。一般に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に作り出されるデバイス中の特定の機能層に対応する。
パターン形成デバイスは、透過型または反射型のいずれであっても良い。パターン形成デバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイおよびプログラマブルLCDパネルを含む。マスクは、リソグラフィー分野では公知であり、バイナリ型、alternating位相シフト(alternating phase-shift)および減衰型位相シフト(attenuated phase-shift)、ならびにさまざまなハイブリッドマスク型などのマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの例は、入射する放射ビームをさまざまな方向に反射することができるように小型ミラーをそれぞれ個別に傾けることが可能な小型ミラーのマトリックス配置を使用する。傾けられたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビーム中にパターンを付与する。
本明細書で用いられる用語「投影システム」は、用いられる露光放射、あるいは液浸用液体または真空の使用などのその他因子に適するものとして、屈折、反射、反射屈折、磁気、電磁気および静電気光学系、またはそれらの任意の組み合わせを含むあらゆる種類の投影システムを包含すると広義に解釈するべきである。本明細書では、用語「投影レンズ」の使用は、すべてより一般的な用語「投影システム」と同義であるとみなしてよい。
本明細書に示されるように、本装置は、透過型(例えば、透過型マスクを使用する)である。あるいは、本装置は反射型(例えば、上記で参照された種類のプログラマブルミラーアレイを使用するか、または反射型マスクを使用する)であってもよい。
本リソグラフィー装置は、2つ(二段ステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する種類であってもよい。そのような「多段ステージ」機械では、新たなテーブルを並列に用いてもよく、あるいは、一つもしくは複数のテーブル上で予備工程を実行しながら、一つ若しくは複数のその他のテーブルを露光に用いてもよい。
本リソグラフィー装置は、基板の少なくとも一部分が比較的高い屈折率を有する液体、例えば水で覆われ、これによって、投影システムと基板との間の空間を満たすことがある種類であってもよい。液浸用の液体は、リソグラフィー装置中のその他の空間、例えば、マスクと投影システムとの間に使用してもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるものとして、当分野では公知である。本明細書で用いられる用語「液浸」は、基板などの構造物を液体中に浸さなければならないことを意味するものではなく、露光の間、投影システムと基板との間に液体が導入されることを意味するに過ぎない。
図1を参照すると、イルミネータILは、放射線源SOから放射ビームを受ける。例えば、光源がエキシマレーザのときには、光源とリソグラフィー装置とは別構成であってよい。そのような場合、光源は、リソグラフィー装置の一部を形成するとはみなされず、放射ビームは、例えば、適当な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダーを備えるビームデリバリシステムBDの助けを借りて、光源SOからイルミネータILに導かれる。その他の場合、例えば光源が水銀ランプであるときには、光源は、リソグラフィー装置と一体構成であってもよい。光源SOとイルミネータILとは、必要ならビーム供給システムBDと共に放射システムと呼んでもよい。
イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するために、アジャスタADを有していても良い。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布のうち、少なくとも外部および/または内部半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)が調節可能である。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなど、さまざまな他の構成部品を含むことがある。イルミネータは、放射ビームを調節することで、放射ビーム断面に、所望の均一性および強度分布を有する。
放射ビームBは、支持構造物(例えばマスクテーブルMT)上に保持されるパターン形成デバイス(例えばマスクMA)上に入射し、パターン形成デバイスによってパターン化される。マスクMAを通過した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、基板Wのターゲット部分Cに集束される。第二のポジショナーPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダまたは容量センサ)のおかげで、基板テーブルWTは正確に移動でき、これによって、例えば放射ビームBの通路上に、異なるターゲット部分Cを位置決めすることが可能となる。同様に、第一のポジショナーPMと別の位置センサ(図1には明示的に示していない)とを用いて、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後、またはスキャン中に、放射ビームBの通路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般に、第一のポジショナーPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗位置決め)とショートストロークモジュール(微細位置決め)との助けを借りて、マスクテーブルMTの移動を実現することができる。同様に、第二のポジショナーPMの一部を形成するロングストロークモジュールとショートストロークモジュールとを用いて、基板テーブルWTの移動を実現することができる。ステッパの場合、(スキャナとは対照的に)マスクテーブルMTはショートストロークアクチュエータにだけ連結されても良いし、または固定されてもよい。マスクMAと基板Wとは、マスクアライメントマークM1、M2と、基板アライメントマークP1、P2とを用いて、位置決めされてよい。例示した基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占有しているが、これらのマークをターゲット部分間の光学系に配置してもよい(これらのマークはけがき線アライメントマーク(scribe-lane alignment marks)として知られている)。同様に、マスクMA上に2つ以上のダイが設けられている場合には、ダイの間にマスクアライメントマークを配置してもよい。
図示した装置は、以下のモードの少なくとも一つで用いることができると考えられる。
1.ステップモードでは、マスクテーブルMTと基板テーブルWTとを基本的に静置位置に保ち、放射ビームに付与されたパターン全体を、ターゲット部分Cに一回で投影(すなわち一回の静的露光)する。次に、基板テーブルWTをXおよび/またはY方向に移動させ、これによって、別のターゲット部分Cを露光させることができる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズが一回の静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズの限界となる。
2.スキャンモードでは、マスクテーブルMTと基板テーブルWTとを同期操作しながら、放射ビームに付与されたパターンをターゲット部分C上に投影(すなわち一回の動的露光)する。投影システムPSの拡大(縮小)特性および画像反転特性によって、マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの移動速さおよび方向を定めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズが一回の動的露光のターゲット部分の幅(非スキャン方向)の限界となり、一方、スキャン移動長がターゲット部分の高さ(スキャン方向の)を決定する。
3.別のモードでは、基本的にマスクテーブルMTを静置位置に保ち、プログラマブルパターン形成デバイスを保持させ、基板テーブルWTを移動またはスキャンしながら、放射ビームに付与されたパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードでは、一般に、パルス化された放射光源を使用し、基板テーブルWTの各移動の後、あるいはスキャン時の連続放射パルスの間に、必要に応じてプログラマブルパターン形成デバイスを更新する。この動作モードは、上記で参照した種類のプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターン形成デバイスを利用するマスクレスリソグラフィーに容易に適用することができる。
上述した使用モードの組み合わせおよび/または変形例、あるいはまったく異なる使用モードが実行されても良い。
<投影システム設計>
従来、マスクとウェーハ間の投影システムのための設計技術を改善することによって、構成要素のサイズが小さくなる一方であるマイクロチップに対する要求は、部分的に満たされているかもしれない。光学系設計の本質は、特定の適用要件(例えばrms波面収差、歪曲収差、公差等)に出来るだけ近いシステムを作り出すことである。
光学設計プログラムとは、初期出発構成(initial starting configuration)から、システムパラメータを変化させてデバイスの形状および位置、材料等を記述する数学的規定(mathematical prescription)を作り出すものである。
光学系の設計は、複数の工程で実行される。すなわち、
1.出発構成を選択する。
2.変数(すなわち、最適化の間に変化させるシステムパラメータ)を確立する。
3.制約条件(すなわち、システムが特定の適用要件を満たすように、変数の変化域を限定するオペランドのセット)を定める。
4.メリット関数(または誤差関数)と呼ばれる、結像性能を測るシステムパラメータの関数を定義する。
一般的な最適化プロセスは、メリット関数空間中、ベクトルx=(x,x,...,x)で記述される出発構成の選択によって開始される。ここでxは最適化変数である。変数の例としては、面曲率(または半径)、面の間の軸方向距離、非球面係数、面傾斜角、偏心率およびガラス特性である。しかし、最も重要な変数は、通常、一次出力ひいてはシステムを通る光線の経路(ray path)を定める、曲率である。制約条件を用いて、これらの変数の変化を制限することができる。これらの制約条件には、倍率、光線角(ray angles)、テレセントリック性(telecentricity)、および事実上任意である他のシステム要件などの項目を含むことができる。
光学系設計では、二種類の制約条件を用いる。すなわち、
1.等式制約条件
2.不等式制約条件
特定のドメイン内でシステムパラメータの変化が許容される場合には、不等式制約条件を用いる。最適化が許容領域の境界に到達すると、不等式制約条件は等式制約条件になり、最適化の間有効である。
最適化の目的は光学系のメリット関数を最小化することであり、ここで光学系は、次式のようにオペランドの平方の合計として定義される。
式中、fはオペランドであり、wはオペランドの重みである。平方が用いられるのは、欠陥の負の値が別の欠陥の正の値を打ち消さないようにするためである。
最適化プログラムは、次式で光学系のメリット関数空間中の解を求める。
各サイクルでベクトルXを変化させることによって、繰り返しプロセスでこの式を解く。光学設計プログラムは、境界条件内に位置し、結像目標を充足する、出発構成に対する最近似解を探し出す。このプロセスは、局所的最適化と呼ばれる。このプロセスの不利な点は、メリット関数空間内の別の場所に、もっとよい解が存在するかもしれないということである。
最適化問題を解くために、多数のアルゴリズムが提案されてきた。しかし、ほとんどの光学設計プログラムは、何らかの形の減衰最小自乗法(damped least-squares DLS)を用いるものである。DLSは、ダウンヒル型最適化プログラム(downhill optimizer)であり、最適化の間、メリット関数は減少することしかできないことを意味する。システムパラメータの一つに起る変化がメリット関数を増加させるなら、このアルゴリズムはその方向を非生産的とみなし、その方向で設計を最適化する作業には進まない。この方法は、出発構成に最も近い局所的極小点を検出する。
最善の結像性能(すなわち大域的極小点)を有する極小点を探し出すために、設計者は、さまざまな領域で変数に摂動を与え、配置することによって、空間全体を捜索する大域的最適化法を用いなければならない。多次元メリット関数空間は、非常に多数の局所的極小点を含み、最善の局所的極小点(すなわち最善の結像性能を有する局所的極小点)を探し出すことは、困難な課題である。現在、設計者は、グローバル・シンセシス(global synthesis)、グローバルエクスプローラ(globalexplorer)、模擬アニーリング法(simulated annealing)、遺伝的アルゴリズム、エスケープ関数およびネットワークグローバルサーチ(network global search)法などの大域的最適化アルゴリズムを利用できる。グローバル・シンセシスは、本説明中で後に参照されるコードV(CodeV)ソフトウェアに実装されている。グローバル・シンセシスは、「ブラックボックス型」大域的最適化アルゴリズムである。しかし、その利用は、メリット関数空間中既存の局所的極小点を探し出す上で強力な能力を示してきた。グローバルエクスプローラは、エスケープ型手法である。この方法の背後にある考えは、最適化の間に設計が局所的極小点の引力のくぼみ(the basin of attraction)に落ち込むと、既に定義されたメリット関数F(x)に、エスケープ関数fを加えることができるということである。このエスケープ関数を加えると、局所的極小点の周辺でメリット関数F(x)の形状は変化する。これによって、最適化が既存のくぼみから脱出可能となり、別の局所的極小点を見いだすことができる。
リソグラフィー装置に適する設計は、必要な光学性能だけでなく、経済的かつ機械的要求も満たさなければならない。例えば、光学素子の球面形状から乖離が大きいほど、製造プロセスは高価になる。困難な課題は、ツールに含まれるすべての従属システム(すなわち光源、マスク、多層レンズ、ウェーハ)によって課される要求を満たす高い品質を有する投影システムを設計することである。
例えば、EUVミラー投影システムに課される要件は、以下を含む。すなわち、
1.テレセントリック性(telecentricity)
光学系は、主光線が物体面および/または像面中の光軸に平行なとき、テレセントリックである。EUVミラーシステムは、像面でテレセントリック、物体面で準テレセントリック(quasi-telecentric)でなければならない。準テレセントリック性の要件から、上部または下部周縁光線(marginal ray)は光軸に概ね平行でなければならないことになる。その理由は、EUVLツールがコンデンサシステムによって照らされる反射マスクを有するからである。
2.作業空間
作業空間は、
:マスクから物体面に最も近いミラーへの距離
:像面に最も近いミラーからウェーハへの距離
として定義される。像束(image bundles)の立体角はその位置で最大値となるので、ウェーハにおいて必要な作業空間を実現することは困難かもしれない。最高技術水準のEUVミラーシステムは、45mmより大きな作業距離を有する。
3.倍率
倍率Mは、物体サイズに対する画像サイズの比
として定義される。EUV投影システムの設計においては、1:4または1:5の倍率でマスクをウェーハ上に結像させることが要件である。負の倍率は、リソグラフィーツール17のスキャンプロセスの間、マスクとウェーハとが異なる方向に動くことを示す。二つのステージの同じ方向の移動は、露光ツールの安定性を高めると考えられる。
4.歪曲収差(ディストーション)
一定でない倍率に起因して、像に不均衡が生じる。この効果を歪曲収差と呼ぶ。EUVリソグラフィープロセスの場合、歪曲収は数ナノメートルオーダー範囲内しか許容されない。最高技術水準の投影システムは、歪曲収差を1nm未満に補正する。
5.トータルトラック(total track)
トータルトラックは、マスクからウェーハまでの距離を意味する。例えば、4枚ミラーシステムは0.5m、6枚ミラーシステムは1m、8枚ミラーシステムは1.5mの長さを有する。
6.入射角
多層コーティングミラーの反射率は、入射角変化の角度増加とともに減少する。ここでいう変化とは、面における主光線角度と上部/下部の周縁角度(marginal angle)との間の差として定義される。良好な適合性のためには、所要の入射角変化が6°未満である必要がある。
7.ミラーサイズ
EUV影システムのミラーの直径は、400mmより小さくする必要があるが、これは研磨ツールの限界に起因している。
8.結像品質
EUVミラーシステムでは、λ/20より小さな二乗平均平方根(root-mean-square RMS)波面収差が必要である。製造業者が開発したアルファツール6枚ミラー投影光学系は、λ/40未満の合成RMS波面収差を有する。
9.遮光(obscuration)
二つの連続する面の間を自由に伝播すべきである光線が、面と交差し、面によって妨害されるとき、光学系は遮断される。遮光が存在すると分解能が低下するので、遮光がないことは、EUV投影システムの設計における厳格な要件である。
10.ミラーの数を少なくすること
面を追加する毎に、ウェーハにおけるスループットが低下するので、EUVミラーシステムの要素の数はできるだけ少なくする。多層面での反射率は、75%より低い。多数の要素を有する設計の利点は、実現できる開口数と、結像要件を満たすために用いられる最適化変数の数とを大きくすることができることである。開口数については、4枚ミラーシステムでは最大値を0.15にすることができる。6枚ミラー設計では、0.3の値を実現することができる。2枚のミラーを追加すれば、最大限界は0.4に増加し得る。
11.小さい非球面性
EUVミラーシステムの要素の数を減らすと、収差を補正する最適化変数が十分に提供されない。例えば、EUV6枚ミラーシステムには、残留する収差を最小化するために最適化変数として用いることができる曲率は6つしかない。最適化パラメータの数を増加させるためには、各面を非球面にしてもよい。しかし、回折限界性能が得られるように、最適化の間、各ミラーにおける球体からのずれを20μm未満の値に制御するとよい。
本明細書に開示されるEUV投影光学系は、4枚から8枚のミラーを含み、それぞれのミラーは非球面形状を有していてもよい。その結果、多数の最適化変数が得られる(すなわち8枚ミラーシステムの場合、8つの曲率、8つの軸方向距離、および面あたり少なくとも4つの非球面係数があるので、少なくとも合計48個)。変数の数で示される次元を有するメリット関数空間内では、通常の最適化アルゴリズムは、例えば面における大きな入射角、よどみ(stagnation)、または高次元の非球面係数によって生ずる困難に遭遇する。これらの問題および困難を軽減することが望ましく、本発明の実施態様を下記に説明する。
上記で説明したように光学系設計においては、多次元メリット関数空間は、通常、多数の局所的極小点を含む。これらの局所的極小点は、特定の種類の鞍点(モース指数1を有する鞍点)から出発し、ネットワークを形成する最適化経路によって接続されることを示すことができる。複雑なシステムでは、ネットワーク全体の捜索は困難であり、時間がかかる。そのような場合、限られた数の局所的最適化を用いて目的を実現する方法によって、新しい局所的極小点を作り出すことを実行しなければならない。
局所的極小点の組のネットワーク構造に関する我々の研究によると、光学系のメリット関数ランドスケープにはある程度秩序があり、この秩序は、局所的極小点だけでなく鞍点にも注意を払うことで最もよく理解されることが分った。極小点、鞍点および極大点は、すべて臨界点であり、すなわち、メリット関数の勾配はこれらの点で消失する。(非退化)臨界点の重要な性質が、いわゆるモース指数(本明細書では省略形・MIとしても参照)である。(臨界点が「マージ(融合)」しているとき、それらを退化していると呼ぶ。)直観的には、ある方向に沿って局所的極小点であり、これと垂直な方向に沿って極大点である二次元鞍点(例えば馬の鞍)を考えることができる。同様に、N次元最適化問題における臨界点は、相互に直交する方向の組を有し、これらの方向のいくつかに沿って極小点となり、他の方向(下降(downward)方向と呼ばれる)に沿って極大点となる。モース指数とは、下降方向数のことである。従って、極小点および最大点のモース指数はそれぞれ0およびNとなり、鞍点のモース指数は1とN−1との間になる。
我々の目的に照らすと、モース指数1を有する鞍点はとりわけ興味深い。それらは、二次元鞍点の下降方向として可視化することができる一の方向では極大点となり、二次元の場合の上昇方向にすべて非常に類似している残りのN−1の方向では極小点となる。二次元の状況と同じように、互いに近いが、鞍の反対側にある二つの点を選び、それらの点から局所的最適化を出発させると、二つの別の極小点に至る。(ほとんどの場合、どの極小点に到達するかは、メリット関数ランドスケープによって定められ、局所的最適化アルゴリズムの実行の詳細によって定められるのではない。別報では、微分方程式によって、鞍点から勾配を下降する二つの経路をより正確に決定することができるが、余分なコンピュータ時間コストが生じてしまう。)鞍点と二つの下降経路は共に、二つの局所的極小点の間の変数空間(variable space)内に連結線を形成する。
モース指数1の鞍点に関する先験的な情報なしでそれらを探し出すことは、局所的極小点を見つけることと比較しても計算機コストが高価になってしまう。しかし、あまり複雑でないシステムに対応するネットワークの解析によれば、少なくともある種の鞍点の場合、この課題を容易にする反復的な特性がある。
開口、フィールドなどの制御パラメータ、または最適化に用いられなかったシステムパラメータが変化するとき、ネットワークがどのように変化するかを研究することは興味深い。実は、モース指数1を有する鞍点は、制御パラメータが変化するとき、ネットワーク中に出現または消失する様子によって、さらに分類することができる。多くの数学的な詳細に立ち入ることなく、カタストロフィー理論を用いることによってこの分類を数学的に厳密化できると述べるにとどめる。ある種の鞍点は、より容易にネットワーク中に出現し、またはネットワークから消失する傾向があるので、あまり重要でないとも言える。EUVリソグラフィー対物系のネットワークにおけるそのような出現および消失の例(いわゆる「フォールド」カタストロフィー(“fold” catastrophe)を有する例)、ならびにクックトリプレット(CookeTriplet)(「カスプ」カタストロフィー(“cusp” catastrophe))の例は既に報告した。(これらの場合、局所的極小点は、常に鞍点と共に出現/消失する。)
ここで考察するにあたっては、「曲率」鞍点と称しても良い、よりロバストな、つまりより基本的な種類のモース指数1の鞍点に注目する。この名前は、そのような鞍点が接触する薄肉球面レンズからなる簡単なシステム中に既に存在し、唯一の変数が曲率であるという事実に由来する。以下の考察では、任意の光学系で、より低い次元数の変数空間から取った局所的極小点から曲率鞍点を作り出すことができることを示す。
レンズ厚と、レンズの間の空気空間とをすべてゼロとし、メリット関数が球面収差だけを包含する薄肉球面レンズシステムは、詳細かつ解析的に研究するにあたって十分にシンプルである。三次収差理論(third-order aberration theory)に依拠するこのモデルは、単純化しすぎているように見えるが、以下に示すように、このモデルを用い、はるかに複雑なシステム中に存在する機構をも理解可能になる。
そのような薄肉球面レンズのシステムの第一の例は、単色スプリットダブレット(monochromatic split doublet)レンズ系である。単色スプリットダブレットレンズ系の場合、ソフトウェアによって六つの局所的極小点と五つの鞍点とを検出することができる(図2参照。mで極小点を示し、sで鞍点を示す)。このシステムは、面間の距離が短くかつ等間隔であり、最適化の間、曲率のうちの3つを変数として用いた。局所的極小点のうちの二つ、mおよびmは、非常に近いメリット関数値を有する。ここで、メリット関数の構成に変化を加えると、mなどの局所的極小点は容易に出現または消失可能であることが明らかとなった。従って、mと鞍点sとを含むネットワーク部分はより不安定である。ネットワークの残りはメリット関数の定義の変化に影響を受けることがなく、このシステムは安定とみなされる。
局所的最適化によって、残りの鞍点s〜sから四つの局所的極小点(m〜m)を作り出した。それらの構成は、スプリット無色ダブレットレンズ系の四つの基本形、すなわちフラウンホーファ、スタインハイル、ガウス、および逆ガウスに似ている。反対側では、各鞍点は、ハブと呼ばれる同じ局所的極小点にリンクされる。この局所的極小点は、ザイデル収差については性能が低いとしても、緩和された構成の良い例である。本説明では、これよりハブが位置する鞍の側をRサイドと称する。反対側はSサイドである。
探し出されたこれらの四つの鞍点を解析すると、興味深い性質が明らかとなる。すなわち鞍点のうちの二つ、sとsとはほぼ等しい三つの曲率(c≒c≒c)を有し、一方、残りの鞍点はほぼ等しい二つの曲率を有する(それぞれc≒c、c≒c)という性質である。接触している薄肉レンズの場合、三次球面収差を用いるモデルでは、上記の関係によってこれらの曲率は正確に等しく、薄肉レンズダブレット(屈折率n=1.5)では、表9に示される値をとる。
ダブレットレンズ系の鞍点s2およびs3の曲率値は、シングルレンズのパラメータから容易に求めることができる。これらの二つの鞍点では、一つの曲率値が3回表れることが分る。これは、導入される面の一つと同じ曲率を有する薄肉メニスカスレンズを挿入することによって、これらの鞍点を構築することができることを示している。ここで、N個の面を有するシステムから、N+2個の面を有する鞍点を構築することができることがわかる。すべての曲率が変数であるとき、ならびに、それらのいくつかが制御パラメータの役割を果すとき、この方法を用いることができる。しかし本方法中のこの段階で制約条件が必要であり、それは光学要素に用いられる材料の種類に関連づけられている。本考察では、すべてのレンズが同一材料で作られているシステムであるとして、この方法を説明する。
次に考察する、そのような薄肉球面レンズのシステムの第二の例は、単色スプリットトリプレットレンズである。表10は、屈折率n=1.5、物体を無限遠とした単色トリプレットレンズのいくつかの曲率鞍点の曲率の正確な値を再現するものである。(最初の五つの曲率を独立変数として用い、6番目の曲率を用い焦点距離を1に保った。)
同じ方法で、これらのシステムの(「ハブ」と称される)特定局所的極小点の曲率値も解析的に計算することができる。(ネットワーク中に少数のリンクを有するほとんどの局所的極小点と異なり、ハブは多くのリンクを有している。)単色ダブレットレンズ(焦点距離1、n=1.5、物体無限遠)のハブは、例えば
を有する。
(数1)に示されるダブレットの局所的極小点のパラメータから、表10のトリプレットの鞍点曲率を非常に簡単に導くことができる点にご注意頂きたい。トリプレットの曲率値は、(数1)に示される値であるが、各鞍点について、これらの曲率の一つが3回続けて表れる。物理的には、この数値的性質を以下のように解釈することができる。すなわち、ダブレットハブの四つの面に一つのメニスカスレンズを順に挿入することによって、四つのトリプレットの鞍点が求められるということである。すべての場合に、メニスカスレンズは等しい曲率を有し、それらの共通の値は、メニスカスを導入する元のダブレット表面の曲率に等しい。接触する薄いレンズシステムの一般式を用い、N個の面を有するハブから、N+2個の面を有する曲率鞍点が同様に求められ得る。これは、全ての曲率を変数として用いられているときに起こり、また曲率のいくつかが制御パラメータとして用いられているときにも起こる。
システムにおける第一の曲率を(変数としては用いずに)制御パラメータとして用いると、ハブと上記機構によって作り出される曲率鞍点との間の関係を調べるのに有用である。(この解析では、同じ数のレンズを有するハブを鞍点とみなす。)我々の解析結果によると、第一の曲率がある臨界値より低い限り、すべての曲率鞍点は、一方の側で同じハブにリンクされる。第一の曲率が臨界値に到達すると、ハブ、周囲のモース指数1の鞍点、および存在するならより大きなモース指数を有する鞍点がマージして単一の退化臨界点になる。他の研究で考察された二次元ダブレットの例では、この縮退化臨界点は「モンキーサドル(monkey saddle)」と呼ばれている。数学的には、ここでは、いわゆる“ellipticumbilic”カタストロフィーに遭遇する。カタストロフィー理論によれば、三つの非退化曲率鞍点がモンキーサドルから“shaken loose”されると言うことができる。そのような退化臨界点は、高次元にも存在する。四つの変数曲率と、制御パラメータとして用いられる一つの曲率とを有するトリプレットの場合、モンキーサドルの高次等価物(higher-order equivalent)は、16重に退化した臨界点である。第一の曲率がこの臨界値より小さくなると、この退化臨界点は、局所的極小点(ハブ)、モース指数1を有する五つの曲率鞍点、およびモース指数2を有する10個の鞍点に分裂する。
数十年前、単色ダブレット、トリプレットおよびカルテットについて、フルチャー(Fulcher)は、ハブと呼ばれる極小点の曲率を導いた。これらのシステムは、緩和された設計であることが分った。ハブダブレットの結像品質は貧弱であるが、一方で図3に示されるように、n=1.5を有するフルチャー単色カルテットは注目すべきシステムである。薄肉レンズのフルチャーの仕様を最適化し、適切なレンズ厚を加えることによって、0.6の開口数、0.999のシュトレール比の軸結像(axial imaging)が得られる。図3では、光路の滑らかな湾曲と、リソグラフィー対物系の設計における構成要素との類似性にご注意頂きたい。事実、我々は高品質なリソグラフィー設計の場合にもハブが存在することを見いだした。見かけ通り、ハブ構造と緩和(relaxation)との間により一般的な相関関係があるかどうか、詳細に検討する価値がある。
以上の考察で、共心の薄肉メニスカスレンズを三次球面収差の局所的極小点(これらの極小点がハブであった)に挿入すると、所与の極小点は曲率鞍点に変換されることが分った。驚くべきことにこの関係は、さらに一般的に、任意の回転対称型システムについて成立する。以下の考察では、この技法を一般化し、どのようにして任意の光学メリット関数の任意の局所的極小点から曲率鞍点を求めることができるかを示す。この解析では、ガラスおよび軸方向の厚さに対するある種の制約条件(下記で説明する)を用いるが、続けて、この制約条件が取り払われてもよいことを示す。
局所的極小点であるN個の球面を有するシステムのk番目の面(図4(a))を考える。この面のメリット関数の値をMFref、曲率をcrefとする。k番目の面の後に、軸方向の厚さがゼロの薄肉レンズを導入してk番目の面と接触させる(すなわち、導入されたレンズの前の空気空間の軸方向厚さもゼロである)。薄肉レンズのガラスはその前のレンズと同一のものであり、面は同じく球面である。(本節では、球面レンズについて考察しているが、この技法が、ミラー面および非球面にも一般化されても良い。)
まず、薄肉レンズの曲率ck+1とck+2とは、変化するが、等しいままであると仮定する。(同一の面を有するゼロ厚レンズは物理的には消失するので、「null」レンズと呼ぶ。)この「null」レンズは、光線伝搬にはまったく影響せず、N+2個の面を有する新しいシステムのメリット関数は、MFrefに等しいままである(図4(b))。同様に、曲率cとck+1とが変化するが、等しいままであれば、このレンズの前の空気空間も「null」レンズになる。さらに、薄肉レンズの第二の曲率についてck+2=crefなら、新しいシステムのメリット関数は、この場合にも挿入によって変化せず、MFrefに等しい(図4(c))。(N個の面を有するオリジナルの極小点曲率cは変化するが、新しい薄膜レンズの第二の曲率が役割を果たし、MFrefは変化しないままであることを保証する点に注意すること。)
図4(a)は、局所的極小点であるシステムの曲率crefを有するk番目の面を示す。薄肉レンズが図4(b)のように等しい曲率を有するか、あるいは、薄肉レンズ前の薄い空気メニスカスが等しい曲率を有し、第二の薄肉レンズ曲率が図4(c)示されているように同じcrefなら、光線はすべて逸れることなく面k+1およびk+2を有する薄肉レンズを通過する。図4(d)は、三つの連続する面が同じ曲率crefを有する曲率鞍点を示す。理解を助ける目的で、図4では、薄肉レンズおよびその前の空気空間をゼロではない厚さで描いている。
次の変換式
は、N+2個の面を有する新しい系における変数空間中の2本のラインを記載したものである(図5参照)。これらのライン上の個々の点の位置は、パラメータuおよびvによって示される。上述したように、メリット関数は、両方のライン上で不変量であり、MFrefに等しい。u=v=crefの場合、これらの二つの不変量ラインは交差する。すなわち、
となる。これらのライン上の個々の点の位置は、パラメータuおよびvによって示される。例えば、数7及び数8の設定により、各ライン上に二つの点(p1−、p1+およびp2−、p2+)を定めることができる。
εは曲率の小さな変化を示す。これらの点で局所的最適化を実行すると、二つの新しい局所的極小点mおよびm(N+2個の面を有する)が作り出される。最後に、各極小点で、挿入された薄肉メニスカスの厚さ、およびそれと導入先の面との間の距離が増加する。
上記の解析は、最初に(仮定上の)ゼロ厚メニスカスレンズをシステム内の任意の面に挿入することにもとづいていた。システム中の任意の面にゼロ距離を有する二つのミラー面を挿入することによって、反射光学を用い、同様の効果を得ることができる。この場合、これは仮定上の構造体であり、二つのミラー面が互いに遮蔽し得ることからあいまいさの条件を初期的に緩和しなければならないが、同様の手順に従って、新しい極小点と実際に動作可能な投影システムとを求めることができる。
そのようなわけで、ゼロ厚メニスカスレンズ(または中間にゼロ距離を有する二つのミラー面)を既知の局所的極小点の任意の面に挿入し、N+2個の面を有するMI=1の鞍点を構築することによって、二つの新しい局所的極小点(すなわち局所的最適化光学系)を作り出した。下記で、この方法をさらに厳密に考察する。
上記解析では、局所的極小点である既存の設計のk番目の面の後に面k+1およびk+2を有する薄肉レンズを挿入すると仮定した。しかし、既存の極小点のk+2番目の面の前に面kおよびk+1を有する薄肉レンズを配置しても、数7〜数9は成立する。この場合、不変量ライン(2)および(3)が、形成される「null」空気空間レンズおよび「null」ガラスレンズにそれぞれ関連している。
下記で、N+2個の面を有する新しいシステムの変数空間中の交点(数9)(図4(d)参照)の性質を解析する。このためには、変数c、ck+1およびck+2の三次元部分空間を調べれば十分である。図6(a)を参照すると、変数c、ck+1およびck+2で定義される部分空間中で、(数7)および(数8)の不変量ラインによって、面OAB(斜線部)が定義される。点Pもこの平面上に含まれることにご留意頂きたい。図6(a)中の座標系は、x=c−cref、y=ck+1−crefおよびz=ck+2−crefである。
図6(a)の単位立方体中で、数8および数7の不変量ラインは次のベクトル、
の方向にそれぞれ配向される。ここで、面OAB内の点を(三つのパラメータではなく)二つのパラメータだけでパラメータ化出来るよう、座標系を回転させると便利である。OA=OB=ABなので、OAとOBとの間の角度は60度であり、二つのラインは直交座標系を形成しない。しかし、面OAB内で直交軸系を構築することは容易である。すると、新しい軸x’およびy’は、次のベクトル、
の方向に配向される(図6(a)参照)。すると、面OABに直交する軸z’(図6(a)には示していない)は、(1,−1,1)方向に配向される。OPおよびOQ方向の単位ベクトルを取ることによって、面OAB内の任意の点の位置は、
で示される。すると面OAB内の点に対応する三つの曲率は
で示される。ある面内で、関数が一定である二つの線が交差すると、交点はその関数の二次元鞍点である。面OAB内で、二つの不変量ラインはOで交差する。図6(b)を参照すると、二つの不変量ライン(実線)と、直交軸x’およびy’(水平および垂直方向の点線)とが、同一平面内に存在する。これらの線は、すべて鞍点Oで交差している。次に、Oは臨界点であることを示す。関数の最速変化の方向は、関数が一定である方向に直交することは、周知である。従って、不変量ライン上の各点で、メリット関数の勾配をOABへ投影したものは、不変量ラインに直交する。交点において、勾配の投影は二つの異なる方向を指すことはできないので、ゼロでなければならない。従って、面OAB内で、点Oが二次元鞍点である。(点Oは、二次元極大点でも、極小点でもあり得ない。そのような場合、等量輪郭(equimagnitude contours)は楕円であり、直線ではないからである。)面OAB内で、点Oは、直交軸の一方の上では極小点であり、他方の上では極大点である。元の局所的極小点ではcに対するメリット関数導関数は既にゼロであったので、Oは、OABの外でもOxの方向の極小点である。従って、メリット関数のx、yおよびzに対する導関数はすべてOでゼロでなければならない。オリジナルの局所的極小点のc以外の変数は一定のままなので、それらに対するメリット関数導関数はゼロのままである。従って、Oでは、メリット関数の勾配の成分はすべてゼロである。
Oが面OAB内の一つの方向の極大点であること、その面内の直交方向の極小点であること、およびc以外のオリジナルの局所的極小点の変数に対する極小点でもあることが示された。調べ残した唯一の方向は、Oz’の方向である。我々の実験では、数値試験によれば、Oは(1,−1,1)の方向でも極小点であった。(同じく面OABの外にあるOx上でOが極小点でなければならないことを知っているので、これはもっともらしい。)従って、一般に、曲率鞍点Oはモース指数1の鞍点である。(Oに関して、これとは異なる例として、Oz’上の極大値が発見された場合、モース指数は2となり、鞍点から局所的極小点を発生させるための次節で説明される手続きを採用しなければならない。)
この説明で示す実施例では、米国カリフォルニア州パサデナ(Pasadena, California, USA,)のオプティカル・リサーチ・アソシエーツ(Optical Research Associates)による光学設計ソフトウェアであるCODE V(商標)を用いており、我々のメリット関数は、横収差にもとづくこのプログラムのデフォルトメリット関数である。局所的最適化変数は面曲率であり、物体は無限遠に存在し、最終曲率は有効焦点距離を一定に保つ解を有する。図7は、鞍点の値に近い関数値を有する面OAB内の点に対して(数14)で数値計算した二つの異なるシステム等量輪郭(すなわち関数が一定である輪郭)を示す。すべてのガラスが同じであり、n=1.5、F/5、ハーフフィールド(half-field)3度である薄肉レンズ単色トリプレットの極小点の第三の面の前と(図7(a))、異種ガラス、F/2、ハーフフィールド14度の多色ダブルガウスシステムの第三の面の前とに(図7(b))、ゼロ距離でゼロ厚のレンズを挿入する。薄肉レンズのガラスは、次レンズのガラスと同一のものである。図7(c)は、図7(b)の鞍点Oの周りの領域を拡大して示したものである。図7では、メリット関数を黒で示し、さらに、三次球面収差を灰色で示す。一般的な等量輪郭は湾曲しているが、曲率鞍点(4)を作り出す交差直線に留意していただきたい。線分(2)および(3)は、用いられる光学関数の性質に依存しないので、三次球面収差およびメリット関数のプロットは、完全に重ね合せることができる。三次球面収差の場合、第三のラインの存在にご注意頂きたい。結果として得られる三角形は、これらの鞍点の数学的起源がelliptic umbilic カタストロフィに関連することを示している。
図4(d)に示されるように、特定の面に同心メニスカスレンズを挿入することによって鞍点を作り出すことは、実際に非常に有用なことがある。まず、互いに近接するが、鞍の両側にある二つの点をとる。これは、例えば(2)でu=cref±ε(図6(b)の点PおよびP)とするか、または(3)でv=cref±ε(点PおよびP)とすることによって実行することができ、ここで、εは小さな曲率変化を示す。次に、これらの点の最適化によって二つの異なる局所的極小点が得られる。最終的には、これらの解において、面間のゼロ距離を所望の値まで増加させることができる。
多くの場合(しかし、常にではない)、このようにして作り出された曲率鞍点から求めた極小点の一つは、ハブである。図8(a)は、レンズが同一のガラスであり、出発点として用いられる単色カルテットの局所的極小点を示す。解析を容易にするために、最初の2枚のレンズ厚を等しくし、レンズ間の空気空間をゼロにする。(実用的な結果を求めるためには、これは必要でない。)図8(a)の最初の四つの面1、2、3および4に、同じガラスで、対応面と同心の薄肉メニスカスレンズを順に挿入することによって、四つの鞍点を作り出した。結果として得られた8個の局所的極小点で、挿入されたレンズ厚を、隣接するレンズの場合と同じ値まで増加させた。注目すべきことに、これらの極小点のうちの4つは、各鞍点から一つずつ得られるが、同一(図8(b)に示される構成)であることがわかった。
実用的には、鞍点自体よりも、結果として得られた二つの極小点で厚さを増加させる方が容易である。しかし、薄肉レンズの厚さを隣接するレンズの厚さと同じ値に増加させると、図8(b)に示したシステムのメリット関数ランドスケープ中に四つの曲率鞍点が存在し続ける。図8(b)に示したシステムは、それらのすべてに繋がっている。このシステムは数個の鞍点に接続されるので、ハブと呼ぶ。
上記の考察では、薄肉メニスカスを導入し、同一ガラスの別のレンズと接触させる特別な状況を解析した。
本発明のこの実施態様によるプロセス全体を、図9(a)に要約する。まず、投影システムの局所的最適化を実行してメリット関数の局所的極小点である出発構成を求めるか、または、単に既に知られている極小点システムを出発構成として用いる。次に、N個の面を有する局所的極小点出発構成中のある面(基準面とも呼ばれる)にゼロ厚メニスカスレンズ(または中間にゼロ距離を有する2枚のミラー面)を挿入して、N+2個の面を有するMI=1の鞍点を構築する。次に、鞍点に摂動を加え(例えば数7,数8,数9,数10に従って)、鞍の両側で最適化を実行し、導入された二つの面における距離を増加させて(すなわち挿入されたメニスカスの厚およびそれと導入先の面との間の距離を増加させる、また、挿入されたミラー面間の距離についても同様)、メリット関数の新しい極小点である二つの新しい構成mおよびmを作り出す。オプションとして、次に、結果として得られた局所的極小点から、一対の面を取り除いて元の面の数Nを回復してもよい。単にコンピュータ中でそのようなシステムパフォーマンスをモデリングするのではなく、例えば投影システムを特定するパラメータの表として、実際の投影システムの製作に用いられるコンピュータ・ファイルとして、得られたそれぞれの構成を出力する。
大域的最適化を用いる通常の投影システム設計の主要な難点の一つは、最適化問題の次元数が増加するにつれて計算時間が著しく増加することである。ここで考察した新しい局所的極小点発見方法は、この欠点に影響されることがはるかに少ない。局所的極小点である設計のさまざまな位置にメニスカスレンズ(または一対のゼロ間隔のミラー)を挿入することによって鞍点を作り出し、これらの鞍点から新しい局所的極小点が結果として得られる。面の数を元に戻さなければならないのであれば、結果として得られた局所的極小点から一対の面を取り除けばよい。普通、あるシステムにレンズを挿入すると、通常であれば最適化後に単一の局所的極小点が生じる。しかし、本発明のこの実施態様の方法では、鞍点が作り出され、次いで最適化後に二つの極小点が結果として得られるようにレンズを挿入して、さらなる設計変更および改善を目的としてこれらの二つのうち最善のものを選択できる。上記で説明した方法では、挿入された面の間の距離(すなわちメニスカスレンズの厚さまたはミラーの対の間の距離)はゼロであるが、この値は正確にゼロである必要はない。距離が10−4m未満など十分に小さければ、この方法は依然として有効である。挿入された面と、挿入先の基準面との間の距離についても同じことが成立し、この距離は、ゼロ、または10−4m未満など実質的にゼロであればよい。
本発明による方法は、専用の電子的なハードウェアとして具体化されてもよい。あるいは、本発明による方法はソフトウェア中に具体化されてもよく、例えば本方法の各工程をコンピュータ・コードのうちより長い一部分のモジュールまたはサブルーチンとすることができる。本発明がソフトウェアにて具体化される場合、本発明の実施態様は、コンピュータ・システム上で実行されるコンピュータ・プログラムを含んでよい。図9(b)を参照すると、コンピュータ・システム10は、任意の種類のコンピュータ・システムであってよいが、一般には、任意の適当な言語で書かれたコンピュータ・プログラムを実行する通常のパーソナル・コンピュータである。コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読取可能媒体12上に記憶するとよい。媒体12は任意の種類、例えば、コンピュータ・システムのドライブに挿入可能であり、磁気的、光学的または磁気光学的に情報を記憶することができるディスク形媒体などの記録媒体、ハードディスク・ドライブなどのコンピュータ・システムの固定記録媒体、あるいはソリッド・ステートなコンピュータ・メモリであるとよい。
次に、特定のリソグラフィー投影システムを設計することへの本発明のこの実施態様の方法の適用を説明する。本発明を具体化する方法のさらに別の変化形は、以下の説明から明らかであり、本発明を具体化するリソグラフィー投影システムの実施例についても同様である。
<Deep-UVリソグラフィー屈折投影システム>
図10は、43個の面(絞り面を含む)を有するリソグラフィー投影システム(本明細書ではリソグラフィー対物系とも呼ぶ)を示す。開口数は0.56であり、像高さは11mmであり、倍率は−0.25であり、波長は248nmである。面はすべて球面であり、43個の面曲率をすべて最適化変数として用いた。
鞍点構築方法を二つ目の膨らみで詳細に説明する。メリット関数空間中のハブの存在を調べるために、面34と面39との間のレンズ厚をすべて等しくした(図10参照)。これらのレンズの間の二つの距離も等しくし、小さな値とした。(しかし、光学系を作り出す実用的な目的のため、レンズ厚とレンズ間の空気空間の軸方向厚さとを初期の値に保持してもよい。)続いて、上述のとおり、この群の各面に薄肉メニスカスレンズを挿入した。このようにして、45個の面で六つの鞍点(MI=1)を構築した。鞍のそれぞれの側で実行される局所的最適化によって、各鞍点から二つの新しい極小点を作り出した。興味深いことに、薄肉メニスカスの厚さを群s34〜39中の他のレンズの厚さと同じ値に増加させると、12個の局所的極小点のうち6つは同じ点(「ハブ」)となり、図11に示すように、構築された六つの鞍点はすべて一方の側でそれにリンクされている。この図で、他の六つの極小点(メニスカス厚を増加させた後で示される)はmで指定され、iはメニスカスを挿入した面を示す。望むなら、対応する鞍点sでもメニスカス厚を増加させることができる(すなわち、図11には詳細に示していないが、これらの鞍点は存在し続ける)が、これを実行するための方法はより精巧であり、実用上は必要ない。
図11は、N+2=45個の面を有する単色リソグラフィー対物系の局所的極小点のネットワーク中の六つのリンクを有するハブを示す。さらに詳しい比較のため、メニスカスを挿入するとき最も顕著な変化が起こる局所的極小点の部分を拡大している(円で囲まれている)。指数は、追加のレンズを挿入したオリジナルのシステムにおける面を示し、結果としてメニスカスから得られた新しいレンズを斜線で示している。
実質すべての場合に、薄肉メニスカスの厚さを増加させると、図5の不変量ライン上に配置された点p1−からの局所的最適化によって求めた局所的極小点はハブとなる。p1−は、c=ck+1=v、ck+2=cref[すなわち数8]と定義され、vは次式として選ばれる。
メニスカスがまだ薄い場合には、ハブになる方の極小点は鞍点の反対側の局所的極小点より常に高いメリット関数値を有するが、驚くべきことに、厚さを加えた後、この傾向は逆になる。図11に示される場合、ハブのメリット関数の値は、mのメリット関数より0.1%から63%低い。分りやすくするため、これ以降の考察では、鞍点から到達した解のうち薄肉メニスカスに厚さを導入した後に結果として得られた局所的極小点を、鞍点から作り出された局所的極小点と呼ぶことにする。
一つ目の膨らみでも類似の結果を求めた。興味深いことに、ここで我々はそれぞれ三つの鞍点に接続される二つのハブを作り出した。これらの二つのハブにおいて、新たな制約条件を用いてレンズの間の最小エッジ厚さ(面18と21との間)を制御すると、それらはマージして単一ハブになった。
設計における面の数を変えてはならない場合、(適当な中間工程を経て)ハブのある位置でレンズを抜き出すことができる。例えば、図11の45個の面を有するハブから、面34と41との間で1枚のレンズを順に抜き出した。すべての場合に、局所的最適化を経て、43個の面を有する同じ極小点が得られる。興味深いことに、この局所的極小点は、実は出発システムである。
実は、出発システムもハブである。この特性を図示するために、出発システムの二つ目の膨らみ(二つ目の膨らみにおけるレンズ厚は等しい)から一のレンズを抜き出した。41個の面を有する局所的極小点が得られた。新しい極小点のs34とs38との間の各面にメニスカスレンズを順に挿入した。構築された五つの鞍点は一方の側で極小点にリンクされ、厚さを加えた後、局所的極小点は再びマージして、43個の変数を有する出発システムであるシングルハブになる(図10に示したN=43個の面を有する単色リソグラフィー対物系のハブの周りネットワークを示す図12参照)。
システムにメニスカスレンズを挿入すると、(図11参照)ほとんどの構成変化は、新しいレンズが導入された場所で局所的に発生することが分る。システムの残りにおける面曲率のほとんどは一定のままである傾向がある。計算効率を増加させるために、鞍点を構築し局所的極小点を作り出すプロセスの間、そのような面が固定されても良い。
上記で言及した変数の数を減らした(18)検討も実行した。興味深いことに、これらの変数は、ハブの引力くぼみに局所的最適化を配置するのに十分である。実際、最終設計を仕上げるためにだけ、これらの検討の間固定された残りの26個の面曲率が用いられる。
鞍点の構築は、設計に有用であり得る。鞍点を構築しR側(すなわち薄肉メニスカスによるメリット関数の減少が少ない側)で最適化した後、レンズを取り除くことによって、初期性能を大きく逸脱させることなくリソグラフィーシステムのレンズ数を減らすことができるかどうかを検討するため、研究を実行した。
図13に示されるリソグラフィーレンズは、絞りを含む47個の球面および非球面からなる。このシステムの非球面は、すべて太線で示される。開口数は0.85であり、像高さは14.02mmであり、倍率は−0.25である。歪曲収差は、視野ポイントあたり4.2nm未満である。波面収差にもとづくメリット関数、テレセントリック性、および歪曲収差の制御によって再最適化されると、このシステムは、0.999以上のシュトレール比および3.67mλの波面収差を有する。
一番目の膨らみ(B)および二番目の膨らみ(B)で作業を実行した。プロセス全体の間、歪曲収差およびテレセントリック性を出発設計と同じ限度内に保った。この方法を説明するために、二つの膨らみの中での工程を詳細に説明する。
一番目の膨らみ(B)は、球面および非球面を有する7枚のレンズからなる。レンズ厚をすべて等しくし、レンズ間距離もすべて等しくした。図13の矢印1で示される位置に球面メニスカスを挿入して、鞍点を構築した。この鞍点に接続される二つの局所的極小点のうち、鞍のR側にある一方を選んだ。この構成から、2枚のレンズ、すなわち、図13の矢印2で示されるレンズ(非球面を有する)、および既に導入したメニスカスの結果として得られた球面レンズを抜き出した。レンズを抜き出す方法の例示を以下に記載する。すなわち、適切な工程で、抜き出されるレンズ厚、およびそのレンズと前後のレンズとの間の距離をゼロに減らした後、結果として得られる新しい薄肉レンズの面を接触する面と等しくすれば、この段階で、得られた薄肉メニスカスのレンズを、システム効率に影響を及ぼすことなく取り除くことができる。結果として得られた極小点(図14)は、図13に示される出発システムより面が2個少ない。さらに、それは、非球面(7つの非球面係数で記述される)が1個少ない。波面収差は4.57mλであり、出発システムの波面収差より若干大きいが、これも、この段階で、この膨らみのレンズ厚、ならびにレンズ間の軸方向厚さがまだ正しい値を有しないという事実に起因する。シュトレール比(0.998より大きい)は同程度のままである。
これらの二つの構成を比較すると、最も顕著な差異は、メニスカスを挿入し、レンズを抜き出した領域の周りに表れるようである(図15)。図11と同じように、残りのレンズはほとんど変化しないままである。このことによっても、すべての変数の代わりに限られた数の変数を変化させるだけで、局所的極小点の引力くぼみにおける局所的最適化を配置するには十分であるという推測が成り立つ。
一番目の膨らみでの手順と同様な手順を二番目の膨らみで適用する(一つのメニスカスを挿入した)ことによって、構成を求めた。これらの構成で、図13の矢印5で示される非常に湾曲したレンズを含む3枚のレンズをシステムから抜き出すことが可能となる。
二番目の膨らみBの5枚のレンズは、球面および非球面を有する。これらのレンズ厚をすべて均等にした。図13の矢印3で示される位置に、球面メニスカスを挿入した。構築された鞍点から、局所的最適化を経て二つの局所的極小点を作り出した。鞍のR側にある解を選択し、このシステムの薄肉メニスカスの厚さを増加させた。その結果得られた構成(図16参照)で、図13の矢印4で示される2枚のレンズを1つのレンズに変換した後、同図の矢印5で示される非常に湾曲したレンズを抜き出したところ、システムの感度は低下した。要素数を減らしても、システムの性能が低下することは無く、若干改善された。シュトレール比0.999以上での平均RMS波面収差は、4.46mλである。
求めたN−2枚レンズの構成をN−1枚レンズのそれと比較すると、面の数はほとんど変わらないままであることが分る(図17)。レンズを抜き出すプロセスの間、これらのレンズは凍結されてもよく、作り出されたシステムを磨く段階で取り払われても良い。凍結される面のほとんどは、最適化プロセスの前に、最適化を安定させる目的で、準不変量によって指定されてもよい。
次の段階で、図13の矢印6で示される2枚のレンズをマージさせた。最後に、変数として用いられるすべてのパラメータ(曲率、非球面係数および距離)を用いて、システムが最適化された。
結果として得られた極小点(図18)は、図13に示される出発システムよりレンズが3枚少ない。さらにそれは、(7つの非球面係数で記述される)非球面が1枚少ない。波面収差、歪曲収差、テレセントリック性およびシュトレール比に関するその性能(下記参照)は、出発システムの性能より若干良好である。波面収差は2.37mλであり、出発システムのそれより低い。シュトレール比は0.9998であり、実際は1とみなされる。
次に、図18に示された、最終的な深紫外線リソグラフィー対物系の仕様および性能を説明する。図18に示されるリソグラフィー対物系は、41枚の(絞りを含む)球面および非球面を有する。各非球面は、円錐定数と、単項式の高次係数とで記述される。z軸周りの回転対称性を有する標準非球面は、
と表すことができる。ここで、cは面の頂点における曲率であり、kは円錐定数であり、a2nは多項式係数(n=2、…、n0)であり、表12、表18、表24および表29ではa、b、c等とも表される。ここで、それぞれ、aはaであり、bはaであり、cはaである。表11および表12に、この光学系の関連パラメータの値を示す。
表13に、開口数(NA)、像高さ、波長および倍率などのシステム仕様を示す。
表14は、図18に示されるシステムの性能を示す。ここでは、各フィールドについて別々に、基準球体の中心のシフト、対応するRMS波面収差値およびシュトレール比を示す。「最善複合焦点(Best Composite Focus)」と題する列の組は、フィールドウェイテッド最善焦点(field-weighted best focus)についてのシステムの性能を示す。
RMSの単位は、193.4nmの波数である。シュトレール比とは、口径食および遮光が同じときの無収差像のピーク値に対する分率としてのピークの点像強度である。ここで用いられる近似は、一般に、RMS<0.1で成立する。
最後に、図19および図20は、図18に示されるシステムの光路差解析および歪曲収差解析をそれぞれ示す。
<Extreme-UVリソグラフィー反射投影システム>
鞍点構築方法の一般化したものを、EUVリソグラフィー用のリングフィールドミラーシステム(ring-field mirror system)にも適用した。非球面において、同一の非球面形状を有する一対のミラーを挿入することによって鞍点が生成される。以下の実施例によって、この方法を説明する。図21(a)に示される4枚ミラー局所的極小点から出発し、第一の面の後に一対のミラーを挿入することによって、6枚のミラーを有する鞍点を構築した。既述のとおり、新しい距離はともにゼロである。新しい鞍点は、メリット関数空間中の二つの局所的極小点を生む。この場合にも、局所的極小点のうちの一方がはるかに高いメリット関数を有することが分った。(この場合にも、鞍のこの側をハブ側と呼ぶ。)ゼロ距離を増加させ、最適化した後、LMおよびLMと示される二つの解は、図21(b)に示される形状となる。
図21 EUV実施例:
a)出発局所的極小点(N=4)。開口数は0.16、物体高さは114mmと118mmとの中間、倍率は0.25。
b)第一の面(N+2=6)で構築されたSP(鞍点)から結果として得られたEUV解。
図22は、4枚のミラーを有する局所的極小点から出発する場合、6枚ミラーシステムおよび8枚ミラーシステムがどのように作り出され得るかを示すものである。
出発点として選ばれる4枚ミラーシステムは、クラス9+に分類され(米国特許第6,556,648号には、このミラーシステムのクラス表記法がさらに詳細に記されている)、面はすべて球面である。四つの曲率をすべて変化させる。開口数は0.16であり、リングイメージ位置(ring image position)は29.5mmであり、倍率は0.25である。横収差にもとづくデフォルトのCODE V-メリット関数を最適化に用いた。制約条件をメリット関数に加えて像側のテレセントリック性および物体側の準テレセントリック性を制御した。
第二および第三の面の前にミラーの対を順に挿入した。これらの2枚のミラーは、導入先のミラーと同一の球面形状を有する。3枚の連続するミラーの間の軸方向距離はゼロである。このようにして、6つの面を有する二つの鞍点sおよびsを構築した。局所的最適化によって、各鞍点から二つの新しい解が得られる。この場合も、解の一方は他方よりはるかに大きなメリット関数を有する。整合性を保つ目的で、鞍のこの側をR側と呼ぶ。3枚の連続するミラーの間の軸方向距離を増加させると、図22から分るように、新しい形状を有する四つの解(mR2、mS2、mR3、mS3)が得られる。4枚ミラーシステムのさまざまな位置に一対のミラーを順に挿入することによって、結果として6の面を有する二つの鞍点sおよびsが得られる。
ミラーの対を挿入した位置は、結果として得られた解が属するクラスに影響した。例えば、4枚ミラーシステムの第二の面の前にミラーの対を挿入すると、結果としてクラス41+に属する二つの6枚ミラーシステム(mR2およびmS2)が得られた。対照的に、sから作り出される二つの解は、クラス37+に属する。
さらに、N+2(=8)変数の新しい鞍点を作り出すプロセスのための出発点として、sおよびsからの鞍のR側に位置する二つの6枚ミラーシステム(mR2およびmR3)が用いられる。二つの新しい鞍点sおよびsは図22に示され、同じ8枚ミラーシステムに接続される。
R2の第五の面の前にミラーの対を挿入し、8つの面を有する鞍点sを構築する。この鞍点から、二つの局所的極小点mR5およびmS5を作り出す。同じ方法で、第二の面の前にミラーの対を挿入することによって、6枚のミラーを有するmR3から8枚のミラーを有する二つの解(mR2およびmS2)を作り出した。驚くべきことに、鞍のR側で、sからの解と同じ解を探し出した。実は、この解は、メリット関数ランドスケープ中で少なくとも七つの鞍点に接続される。
R2中の第四の面から出発して、第六の面で終わる各面の前後に一対のミラーを連続挿入することによって鞍点のそれぞれを得た。
R3中の第一の面から出発して、第二の面で終わる各面の前後に一対のミラーを連続挿入することによって鞍点のそれぞれを得た。
同様に、6枚のミラーを有する二つの解mR2およびmR3は、少なくとも三つの鞍点に接続される。これらの解において、それぞれ第一、第三の面で鞍点を構築すると、8枚のミラーを有する新しい解が作り出される。例えば、第二の面の前にミラーの対を挿入すると、図23(a)に例が示される二つの解が結果として得られ、mR3中の第三のミラーの前にミラーの対を挿入すると、図23(b)に示される二つの解が得られる。
上記実施例は、EUV投影光学系の設計において、本鞍点構築方法をどのように用いることができるかを示す。しかし、図22および23に例を示したシステムを実際の適用例に用いるためには、実際的な要件を満たすようにシステムをさらに最適化しなければならない。例えば、図22の8枚ミラーシステムmR5をさらに最適化すると、準テレセントリック性、テレセントリック性および歪曲収差要件を満たすことができ、このシステムは図24に示される。面はすべて球面であり、歪曲収差は1nm未満に補正されるが、開口数がまだ小さく、すなわちNA=0.16である。
EUVシステムを大きく変化させると、驚くべき構成を生む。例えば、図22で、鞍点sから、mR3と指定される非ゼロ軸方向距離を有する解が探し出される。この6枚ミラーシステムはクラス37+に属する。しかし、sから探し出された局所的極小点の3枚の連続するミラーの間の距離を増加させると、軸方向距離を増加させるために用いられるステップサイズが大きければ、最適化によって異なる解が導かれる(図25参照)。そのような場合には、最適化プロセスの間に、マスクによって反射され、第一のミラーによって集められた光線より上に第二のミラーを配置する。メリット関数は最適化ドメインをクラス37+に限定する制約条件を含まないので、オブストラクションボーダー(obstruction border)は犯される。結果として得られる図25に示される解は、クラス5+に属する。
次に、本発明を具体化する方法および投影システムの例を示すさらに別の実施例を説明する。クラス6−に分類され、図26に例を示す4枚ミラーシステム(N=4)を出発点として用いた。面はすべて非球面であり、非球面係数は各面上で18次まで高くなる。このシステムは0.15の開口数を有し、像高さは23.8mmである。主光線入射角はすべて16.1°未満である。波面収差は28mλである。
局所的最適化には、デフォルトのCODEV-メリット関数を用いた。鞍点を構築するプロセスの間、追加の制約条件を用いてマスクを出る上部周縁光線と、最後のミラーから出る主光線とが光軸と平行になるように制御した。
第三の面の前に一対の非球面ミラーを挿入した。構築された鞍点sから、図27に例を示す形状を有する二つの解(N+2=6)を得た。
本鞍点構築方法を用いることで、高品質の解を求めることができる。本実施例では、球面を有する6枚ミラーシステムから、8枚ミラーシステムを求めた。図28は、N=6の球面および0.16の開口数を有する出発局所的極小点を示す。図28に例を示した6枚ミラーの出発構成で、第二の面の後に一対の球面鏡を挿入した。構築された鞍点からの局所的最適化によって、それぞれ三つの連続する接触したミラーを有する二つの解を作り出した。ゼロ距離を増加させた後、すべての変数(曲率、非球面係数および距離)ならびに実際の制約条件を用いて解を局所的最適化した。このようにして、図29に示される二つのシステムmR2およびmS2を求めた。局所的最適化のプロセスの間に、二つの解の開口数は0.16から0.4に増加した。
鞍のR側に位置する極小点は、実際の要件、すなわち、10mλの波面収差で、フィールドあたり1nmより小さな歪曲収差、0.998より大きなシュトレール比を満たす解に収束した。図30にこのミラーシステムをさらに詳細に示す。面はすべて非球面であり、このシステムは、ミラー4と5との間の中間像を含む。開口絞りは、第二のミラー上に位置する。表15にシステムの仕様のいくつかを示す。光学的規定の詳細な一覧は後で提示する。最適化の間、制約条件を用いてミラー8が前の二つのミラーの間の光路に入リ込まないようにする。しかし、最適化の後の方のサイクルでは、オブストラクション制約条件の自由さが無効にされた。最終設計にはオブストラクションは生じていない。マスクにおける主光線の入射角は、ほぼ6.3°の値を取る。ウェーハ側ではシステムはテレセントリック性、すなわち、主光線は像平面に垂直である。コーティングの都合で、各面における主光線の入射角は、表16で分かるように、26°未満保たれ、うち5つは15°未満である。
図30は、実施例6で考察される8枚ミラー投影システムの構成を示すものである。8枚のミラーはすべて非球面であり、システムを記述するパラメータの値は、表17および表18に示される。
表19は、開口数、像高、波長および倍率などの図30におけるシステムの仕様を示すものである。
表20は、基準球体の中心のシフト、RMS波面収差値およびシュトレール比に関する、図30に示されるシステムの性能を示すものである。
RMSの単位は、13.4nmの波数である。シュトレール比とは、口径食および遮光が同じときの無収差像のピーク値に対する分率としてのピーク点像の強度である。ここで用いられる近似は、一般に、RMS<0.1で成立する。
最後に、図31および図32は、図30に示されるシステムの歪曲収差解析および光路差解析をそれぞれ示すものである。
図33は、6枚のミラーを有する投影システムのためのネットワーク計算の結果を示す。鞍点は文字sで示され、極小点は文字mで示され、後に続く数字はその構成のメリット関数値を示す。すべての変数および実際の要件を用いて、図33中の最善の極小点に対応するシステム(m8.77179、最上部に示されている)を最適化した。図34に結果を示し、表21から25にこのシステムの仕様および性能のいくつかを示す。面はすべて非球面である。第二のミラーに開口絞りを配置する。歪曲収差は、フィールド位置あたり1nm未満に保たれる。このシステムにはオブストラクションは生じていない。マスクにおける主光線の入射角は約4.4°の値を取る。このシステムは、ウェーハ側ではテレセントリック性である。すなわち、主光線は像平面に垂直である。多層ミラーとの適合性のために、各面における主光線の入射角(表22中の「角度」)を20°未満に保ち、うち5つを13°より小さくした。
図34に示されるEUV投影システムは、13nmの波長で動作するように設計した。トータルトラックは、1030mmである。表23に、面半径、およびミラーの間の距離に関するシステムの仕様を示す。面はすべて非球面であり、表24に非球面係数の値を示す。
表25に、上記で示したシステムの性能を示す。各フィールドについて別々に、基準球体の中心のシフト、対応するRMS波面収差値およびシュトレール比を示す。複合波面収差は16mλであり、シュトレール比は0.986より大きい。
図34に示されるシステムの開口数を0.3の値に増加させると、結果として図35のシステムが得られる。波面収差およびシュトレール比で見た結像性能は低下するが、得られた解をさらに局所的最適化することによって改善され得る。
システムは、局所的最適化プロセスの間に、別のクラスに変わる傾向を有する。解をクラス45+に維持するためには、遮光制約条件の自由さ(freedom of obscuration constraint)が必要である。この制約条件がないと、第四のミラーと第五のミラーとの間で第三のミラーが光路に干渉し、システムはクラス45+とクラス41+との間の境界線にまたがってしまう。
新たに得られた構成をもう一度最適化すると、クラス41+に分類される0.3(表26参照)の開口数を有する6枚ミラーシステム(図36参照)が得られる。歪曲収差、ウェーハのテレセントリック性、マスクの準テレセントリック性および無遮光に関する設計要件が満たされる。各面での主光線の入射角(表27の「角度」)は、15°未満であり、うち4つは7°未満である。rms波面収差は31mλより小さい。下記に、この設計に関するさらに別の情報を示す。
下記に、図36に例を示したEUV用6枚ミラー投影システムの仕様および性能の一部を示す。
図36は、0.3の開口数を有するEUV投影システムを示す。このシステムは、13.5nmの波長で動作するように設計された。トータルトラックは、1036.2mmである。表28に、半径およびミラー間の距離に関するシステムの仕様を示す。面はすべて非球面であり、表29に非球面係数の値を示す。
表30に、図36に示したシステムの波面収差およびシュトレール比に関する性能を示す。各フィールドについて別々に、基準球体の中心のシフトも示す。
図36などの本明細書中のミラーシステムの図面では、ミラーは概略のみが示されている。従って、例えば、現実のシステムでは、極端な光線は第六のミラーで遮光されない。
本文中では、ICの製造におけるリソグラフィー装置の使用を具体的に参照することができるが、本明細書で説明したリソグラフィー装置は、集積光学系、磁気ドメインメモリ用誘導および検出パターン、フラット・パネル・ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造など、他の用途を有する可能性があると理解するべきである。そのような代わりの用途の状況で、本明細書における用語「ウェーハ」または「ダイ」の使用を、もっと一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」とそれぞれ同義であるとみなすことができることは、当業者には自明である。本明細書で参照される基板は、露光前または露光後に例えばトラック(通常、基板にレジストの層を塗布し、露光されたレジストを現像するツール)、計測ツールおよび/または検査ツール中で加工することができる。適用される場合、そのような、およびその他の基板プロセス加工ツールに本明細書における開示を適用することができる。さらに、基板は、例えば多層型のICを作り出すために二回以上加工することができ、これによって、本明細書で用いられる用語基板は既に複数の加工ずみの層を含む基板を指すこともできる。
本明細書で用いられる用語「放射」および「ビーム」は、紫外線(UV)(例えば365、355、248、193、157または126nmあるいはそれらの周辺の波長を有する)、および極紫外線(EUV)(例えば5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含する。
状況によって、用語「レンズ」は、屈折、反射、磁気、電磁気、静電光学構成部品を含むさまざまな種類の光学構成部品の任意の一つまたは組み合わせを指すことができる。
ここまで、本発明の特定の実施態様を説明してきたが、説明してきた態様とは異なる態様によって本発明を実施することができることはいうまでもない。例えば、本発明は、上記で開示された方法を記述する機械可読指令の一つ以上の配列を含むコンピュータ・プログラム、または内部に記憶されたそのようなコンピュータ・プログラムを有するデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気または光学ディスク)の形であってもよい。
本記載は例示のためのものであって、限定するためのものではない。したがって、添付の請求項の範囲を逸脱することなく、記載された本発明を変更することができることは、当業者にとって自明のことである。
本発明の実施態様によるリソグラフィー装置を示す図である。 無色スプリットダブレットレンズシステムのメリット関数ランドスケープ中の極小点と鞍点とのネットワークの説明例である。 フルチャー無色カルテットレンズシステムを示す図である。 挿入された薄肉レンズのさまざまな構成による光学系中のレンズ面を示す図である。 図4(b)から(d)のメリット関数空間内のラインを概略的に示す図でありる。これらライン上ではメリット関数は不変量である。 鞍点の領域におけるメリット関数空間を図式的に説明する図である。 鞍点の領域におけるメリット関数の等高線のプロットを示す図である。 出発レンズシステムを示す図である。 図8(a)の面1、2、3および4の何れかに薄肉レンズを挿入することによって作り出された鞍点から計算されたメリット関数空間内のハブに対応する作り出されたレンズシステムを示す図である。 本発明の実施態様による方法を例示するフローチャートである。 本発明を実現するコンピュータ・プログラムを実行するためのコンピュータ・システムを示す図である。 出発点として用いられる、43の面を有する屈折型リソグラフィー投影システムを示す図である。 図10のリソグラフィー投影システム中のさまざまな面に薄肉レンズを挿入することによって構築された鞍点によって求めた、45の面を有する投影システム(局所的極小点)のネットワークを示す図である。 図11のハブシステムからさまざまなレンズを抜き出し、最適化することによって求めた、43の面を有するシステムのネットワークを示す図である。 出発点として用いられる、47の面を有するリソグラフィー投影システムを示す図である。 本発明の方法を用いて図13の出発システムから求めた、面を2つ減らしたリソグラフィー投影システムを示す図である。 図13と14との投影システムを重ね合せて示す図である。 図14のシステムから得られ、面を2つ減らしてさらに改良された投影レンズシステムを示す。 図14と16とのシステムを重ね合わせて示す図である。 図16のシステム中の二つのレンズをマージさせ、最適化することによって導かれた、本発明の実施態様による最終的に最適化された投影システムを示す図である。 図18のシステムの光路差解析のプロットを示す図である。 図18のシステムの歪曲収差解析を示す図である。 出発点として用いられる、4枚のミラーを有する反射型リソグラフィー投影システムを示す図である。 本発明を具現化する方法によって構築された、それぞれ6枚のミラーを有する二つのシステムを示す図である。 4枚のミラーを有するシステムから本発明を具現化する方法によって作り出された、6枚および8枚のミラーを有する投影システムのネットワークを示す図である。 6枚のミラーを有する出発システムと、出発構成中の第二のミラー面の前に一対のミラーを挿入することによって作り出された8枚のミラーを有する二つの新しい解を示す図である。 6枚のミラーを有する出発システムと、出発構成中の第三のミラー面の前に一対のミラーを挿入することによって作り出された8枚のミラーを有する二つの新しい解を示す図である。 図22のシステムmR5から求めた、本発明の実施態様によって最適化された8枚ミラー投影システムを示す図である。 図22の鞍点Sからの最適化によって得られるが、挿入されたミラー面の間の距離を増加させるときアブストラクト制約条件を緩和した6枚ミラーシステムを示す図である。 出発点として用いられる4枚ミラーシステムを示す図である。 図26のミラーシステムから、第三の面の前に一対の非球面ミラーを挿入することによって構築された鞍点から作り出される二つの6枚ミラー解を示す図である。 出発点として用いられる6枚ミラー投影システムを示す図である。 図28のシステムから構築された8枚ミラーを有する二つの解を示す図である。 図29の極小点mR2に対応する最適化されたシステムを示す図である。 図30のシステムの歪曲収差解析プロットを示す図である。 図30のシステムの光路差解析を示す図である。 6枚ミラー投影システムのメリット関数空間内の局所的極小点と鞍点とのネットワークを示す図である。 図33の最善の極小点システムを最適化することによって求めた、本発明の実施態様による6枚ミラー投影システム示す図である。 図34のシステムの開口数を0.3の値に増加させることによって求めたシステムを示す図である。 図33の最善の極小点システムから求められるが、遮光制約条件の自由さを緩和して0.3の開口数を有する、本発明の実施態様による6枚ミラー投影システムを示す図である。

Claims (27)

  1. リソグラフィー投影装置用の投影システムを設計する方法であって、
    複数の面を含み、メリット関数空間中の局所的極小点に対応するメリット関数値を有する投影システム出発構成を求めるステップと、
    前記出発構成中の基準面に二つの追加面を挿入するステップであって、前記追加面の間および前記追加面と前記基準面との間の距離を非常に小さなものとし、前記追加面の間の光学材料を前記基準面におけるそれと実質的に同じものとし、前記二つの追加面の曲率を前記基準面の曲率と実質的に同じものとして、メリット関数空間中の鞍点に対応する投影システムの鞍点構成を作り出すステップと、
    前記鞍点構成に摂動を加え、前記鞍点の少なくとも一方の側で最適化を実行して、前記メリット関数空間中の局所的極小点に対応するメリット関数値を有する新しい投影システム構成を求めるステップと、
    前記二つの挿入された面の間、および前記挿入された面とそれらが挿入された先の前記基準面との間の前記距離を増加させるステップと、
    結果として得られた投影システム構成を出力するステップとを含む方法。
  2. 前記鞍点がモース指数値1を有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記追加面の間、および前記追加面と前記基準面との間の距離が10−4mより少ない請求項1に記載の方法。
  4. 前記追加面の間、および前記追加面と前記基準面との間の距離が実質的にゼロである請求項1に記載の方法。
  5. 前記鞍点の二つの側で最適化を実行することによって二つの新しい投影システム構成を求め、前記二つの挿入された面の間の前記距離を増加させた後、前記二つの構成のうちで低い方のメリット関数値を有する前記最適化された構成を、出力されるべき結果として得られた投影システム構成として選択する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記投影システムが複数のレンズを含む請求項1に記載の方法。
  7. 前記二つの追加面がメニスカスレンズの面を含む請求項6に記載の方法。
  8. 300nmより短い波長を有する放射の投影ビームを用いるリソグラフィー投影装置用の投影システムを設計するための請求項1に記載の方法。
  9. 前記投影システムが複数のミラーを含む請求項1に記載の方法。
  10. 前記二つの追加面が一対の反射面を含む請求項9に記載の方法。
  11. 30nmより短い波長を有する放射の投影ビームを用いるリソグラフィー投影装置用の投影システムを設計するための請求項1に記載の方法。
  12. 前記鞍点構成上で最適化を実行した後に得られた投影システム構成から、少なくとも一つのレンズまたは二つの反射面を取り除くステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  13. 前記少なくとも一つのレンズまたは二つの反射面を取り除いた後、前記構成のさらなる最適化を実行するステップを含む請求項12に記載の方法。
  14. 前記二つの挿入された面の間、および前記挿入された面とそれらが挿入された先の前記基準面との間の前記距離を増加させた後、前記構成のさらなる最適化を実行するステップを含む請求項1に記載の方法。
  15. 請求項1に定められる前記方法を繰り返し、各繰り返しにおいて、前記投影システム構成中の異なる基準面に前記二つの追加面を挿入する方法。
  16. 前記方法がコンピュータに実装される請求項1に記載の方法。
  17. リソグラフィー装置であって、
    放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
    パターン形成装置を支持するように構築された支持体であって、前記パターン形成装置は前記放射ビームの断面内にパターンを付与してパターン化された放射ビームを形成させることができる支持体と、
    基板を保持するように構築された基板テーブルと、
    請求項1に記載の方法を用いて設計され、前記パターン形成された放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムとを有する装置。
  18. 請求項1に記載の方法を用いて設計された投影システムを用いて、基板上の放射線感応性材料の層のターゲット部分上にパターン形成された放射ビームを投影するステップを含むデバイス製造方法。
  19. 請求項18に記載の方法によって製造されたデバイス。
  20. コンピュータ・システム上で実行されると請求項1に記載の方法をコンピュータ・システムに実行させるコンピュータ実行可能コード、を含むコンピュータ・プログラム。
  21. 請求項20に記載のコンピュータ・プログラムを記憶するコンピュータ読取可能媒体。
  22. 投影ビームが順番に通過する複数のレンズを含むリソグラフィー装置投影システムであって、前記レンズは面Sの配列を構成し、各面は異なる値のiによって表され、各面は次の面から距離Pだけ離れ、面Sの次の媒質の屈折率は値Nを有し、各面は曲率Qを有し、前記面の特定のものは非球面係数A、B、C、D、E、F、Gによってさらに定められ、
    前記距離Pは(1−ε)pから(1+ε)pの範囲にあり、
    前記屈折率Nは(1−ε)nから(1+ε)nの範囲にあり、
    前記非球面係数Xは(1−ε)xから(1+ε)xの範囲にあり、ここでXおよびxは文字A、B、C、D、E、F、Gならびにa、b、c、d、e、fおよびgをそれぞれ表し、
    前記曲率Qは、(1/r)−μから(1/r)+μの範囲にあり、
    ここで、ε、εおよびεはそれぞれ0.01以下であり、μは3×10−2mm−1以下であり、値p、n,r、a、b、c、d、e、f、gは以下の表、すなわち、
    に示されるリソグラフィー装置投影システム。
  23. μが1×10−3mm−1以下である請求項22に記載のリソグラフィー装置投影システム。
  24. ε、ε、εおよびμがすべて実質的にゼロである請求項22に記載のリソグラフィー装置投影システム。
  25. 投影ビームが順番に遭遇する複数のミラーを含むリソグラフィー装置投影システムであって、前記ミラーは反射面Sの配列を構成し、各面は異なる値のiによって表され、各面は次の面から距離Pだけ離れ、各面は曲率Qを有し、各面は非球面係数A、B、C、D、Eによってさらに定義され、
    前記距離Pは、(1−ε)pから(1+ε)pの範囲にあり、
    前記非球面係数Xは、(1−ε)xから(1+ε)xの範囲にあり、ここでXおよびxは文字A、B、C、D、Eならびにa、b、c、dおよびeをそれぞれ表し、
    前記曲率Qは、(1/r)−μから(1/r)+μの範囲にあり、
    ここで、εおよびεはそれぞれ0.01以下であり、μは2×10−3mm−1以下であり、値p、r、a、b、c、d、eは以下、すなわち表3および表4、または表5および表6、あるいは表7および表8のうちの一組に示されるリソグラフィー装置投影システム。
  26. μが1×10−4mm−1以下である請求項25に記載のリソグラフィー装置投影システム。
  27. ε、εおよびμはすべて実質的にゼロである請求項25に記載のリソグラフィー装置投影システム。
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