本発明は荷重検出センサ、荷重検出センサを搭載するヘッドレストおよび着座シートに関する。
従来、荷重検出センサが知られている。特許文献1に開示されているように、荷重検出センサは、膜状の第1ベース部と、膜状の第2ベース部と、第1ベース部と第2ベース部との間に介在して設けられ感圧室を区画する内壁面をもつスペーサ部材とをもつ。
図10はこの荷重検出センサの平面図を模式的に示す。図10に示すように、この荷重検出センサは、感圧室40Xに配置された櫛歯状の第1導電パス部6Xをもつ第1配線部5Xと、感圧室40Xに配置された櫛歯状の第2導電パス部8Xをもつ第2配線部7Xとをもつ。第1導電パス部6Xは、第1配線部5Xから複数分岐して形成されており、櫛歯状をなす。第2導電パス部8Xは、第2配線部7Xから複数分岐して形成されており、櫛歯状をなす。
荷重が荷重検出センサに入力されると、導通スイッチ部9Xは、櫛歯状の第1導電パス部6Xおよび第2導電パス部8Xの双方に接触する。この結果、感圧室40X内における第1導電パス部6および第2導電パス部8Xは、導通スイッチ部9Xを介して電気的に導通する。これにより荷重の入力が検出される。
特開平11ー297153号公報
上記した荷重検出センサによれば、第1導電パス部6Xおよび第2導電パス部8Xの導通部分を抵抗とみなすと、図11に示すように、第1配線部5Xと第2配線部7との間に複数の抵抗が、電気的に並列に接続されていることになる。
並列接続であるため、複数の第1導電パス部6Xのうち1本の第1導電パス部6Xが断線したとしても、他の残り全部の第1導電パス部6Xが断線してない限り、導通スイッチ部9Xを介して、第1導電パス部6Xおよび第2導電パス部8Xは電気的に導通する。同様に、複数の第2導電パス部8Xのうち1本の第2導電パス部8Xが断線したとしても、他の残り全部の第2導電パス部8Xが断線してない限り、導通スイッチ部9Xを介して第1導電パス部6Xおよび第2導電パス部8Xは電気的に導通する。このため、1本のみの第1導電パス部6Xの断線、1本のみの第2導電パス部8Xの断線を検出することができない。
ここで、荷重検出センサの信頼性を向上させるためには、1箇所のみの断線でも検出できることが好ましい。更に、荷重検出センサによれば、第1導電パス部6Xおよび第2導電パス部8Xの導通部分を抵抗とみなすと、図11に示すように、前述したごとく、第1配線部5Xと第2配線部7Xとの間に複数の抵抗が電気的に並列に接続されていることになる。この荷重検出センサによれば、並列接続であるため、電気抵抗値自体が低下してしまう。この場合、制御装置が検出できなくなるおそれがある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、1箇所のみの断線でも検出でき、センサの信頼性を向上させることができ、更に、電気抵抗値を維持することにより制御装置による検出の確実性を向上させる荷重検出センサ、ヘッドレストおよび着座シートを提供することを課題とする。
(1)様相1に係る荷重検出センサは、第1ベース部と、第1ベース部に対面する第2ベース部と、第1ベース部と第2ベース部との間に介在して設けられ第1ベース部と第2ベース部との間に感圧室を区画する内壁面をもつスペーサ部材と、第1ベース部および第2ベース部のうちの一方に設けられ感圧室において互いに所定距離離間して配置された第1導電パス部および第2導電パス部と、感圧室を介して第1導電パス部および第2導電パス部に対面するように、第1ベース部および第2ベース部のうちの他方に設けられ感圧室に配置された導通スイッチ部と、第1導電パス部に電気的に繋がる第1配線部と、第2導電パス部に電気的に繋がる第2配線部とを具備しており、
荷重の入力により第1ベース部と第2ベース部との間の距離が短縮されるとき、感圧室において第1導電パス部と第2導電パス部とが導通スイッチ部に接触して導通することにより荷重を検出する荷重検出センサにおいて、
第1導電パス部と第2導電パス部の平面を透視する平面図で、感圧室において第1導電パス部は連続パス状であると共に第2導電パス部は連続パス状であることを特徴とする。
荷重が入力されると、第1ベース部と第2ベース部との間の距離が短縮される。このとき、感圧室において、第1導電パス部と第2導電パス部とが導通スイッチ部に接触して導通する。これにより荷重が検出される。ここで、感圧室において、第1導電パス部は連続パス状であると共に第2導電パス部は連続パス状である。従って第1導電パス部および第2導電パス部のうちの一方が断線すると、当該一方の導通が遮断されるため、当該一方の断線が検出される。
(2)様相2に係るヘッドレストは、着座シートに取り付けられるヘッドレスト本体と、ヘッドレスト本体のうち人の頭部に対面する側に設けられ人の頭部を検出するセンサとを具備するヘッドレストにおいて、荷重検出センサは、上記した様相1に係る荷重検出センサであることを特徴とするものである。
人の頭部に基づく荷重が荷重検出センサに入力されると、第1ベース部と第2ベース部との間の距離が短縮される。このとき、感圧室において、第1導電パス部と第2導電パス部とが導通スイッチ部に接触して導通する。これにより荷重が検出される。ここで、感圧室において、第1導電パス部は連続パス状であると共に第2導電パス部は連続パス状である。従って第1導電パス部および第2導電パス部のうちの一方が断線すると、当該一方の導通が遮断されるため、当該一方の断線が検出される。
(3)様相3に係る着座シートは、着座シート本体と、着座シート本体に設けられ人の着座を検出するセンサとを具備する着座シートにおいて、センサは、上記した様相1に係る荷重検出センサであることを特徴とする。
人の荷重が荷重検出センサに入力されると、第1ベース部と第2ベース部との間の距離が短縮される。このとき、感圧室において、第1導電パス部と第2導電パス部とが導通スイッチ部に接触して導通する。これにより荷重が検出される。ここで、感圧室において、第1導電パス部は連続パス状であると共に第2導電パス部は連続パス状である。従って第1導電パス部および第2導電パス部のうちの一方が断線すると、当該一方の導通が遮断されるため、当該一方の断線が検出される。
本発明によれば、荷重が入力されると、第1ベース部と第2ベース部との間の距離が短縮される。このとき、感圧室において、第1導電パス部と第2導電パス部とが導通スイッチ部に接触して導通する。これにより荷重が検出される。ここで、感圧室において、第1導電パス部は連続パス状であると共に第2導電パス部は連続パス状である。従って第1導電パス部および第2導電パス部のうちの一方が断線すると、当該一方の導通が遮断されるため、当該一方の断線が検出される。
このような本発明によれば、感圧室における1箇所の断線でも検出でき、センサの信頼性を向上させることができる。更に、櫛歯による並列接続を採用していないため、当該センサにおける電気抵抗値の低下を抑えることができる。これにより制御装置による検出の確実性を向上させることができる。
本発明に係る荷重検出センサは、第1ベース部と、第2ベース部と、スペーサ部材と、第1導電パス部および第2導電パス部と、導通スイッチ部と、第1配線部と、第2配線部とを備える。第1ベース部および第2ベース部は、互いに対面しており、荷重検出センサの主要素を形成するものである。
第1ベース部および第2ベース部のうちの少なくとも一方は、第1ベース部と第2ベース部との距離を狭めるように変形する機能をもつ。第1ベース部および第2ベース部のうち他方は、剛体等のように事実上変形しないものでもよいが、第1ベース部と第2ベース部との距離を狭めるように変形する機能をもつものでも良い。従って、第1ベース部および第2ベース部のうち一方または双方は、例えば膜体(フィルム)とすることができる。膜体としては樹脂材、ゴム材を例示できる。
スペーサ部材は、第1ベース部と第2ベース部との間に介在しており、第1ベース部と第2ベース部との間の距離を確保するものである。スペーサ部材は、感圧室を区画する内壁面をもつ。第1導電パス部および第2導電パス部は、第1ベース部および第2ベース部のうちの一方に設けられており、通常の状態では、感圧室において互いに所定距離離間して配置されている。導通スイッチ部は、第1導電パス部と第2導電パス部とを導通させる。導通スイッチ部は、感圧室を介して第1導電パス部および第2導電パス部に対面するように、第1ベース部および第2ベース部のうちの他方に設けられており、感圧室に配置されている。第1配線部は第1導電パス部に電気的に繋がる。第2配線部は第2導電パス部に電気的に繋がる。第1導電パス部と第2導電パス部の平面を透視する平面図で、感圧室において第1導電パス部は連続パス状であると共に、第2導電パス部は連続パス状である。従って、平面図で、第1導電パス部は感圧室において分岐しない非分岐構造であり、第2導電パス部は感圧室において分岐しない非分岐構造であることが好ましい。
本発明は、次の形態を例示することができる。次の形態のうちの一つまたは二つ以上を併用することができる。
・平面図で、第1導電パス部および第2導電パス部は、感圧室において一方向に沿って所定の距離を隔てて並走している。ここで、導通スイッチ部は実質的に四角形状をなしており、前記一方向に沿って延設された第1辺部と、前記一方向に対して交差する方向に沿って延設された第2辺部とを備える。寸法公差または組付公差などにより、導通スイッチ部の位置が、前記一方向あるいは前記一方向に対して交差する方向に沿って、第1導電パス部および第2導電パス部に対して相対的にずれたとしても、第1導電パス部および第2導電パス部に導通スイッチ部が電気的に接触する接触面積のバラツキが低減され易い。この結果、センサ感度の変動を抑制するのに有利である。
・平面図で、第1導電パス部および第2導電パス部は感圧室において一方向に沿って並走している。そして、第1導電パス部および第2導電パス部のうちの少なくとも一方は、前記一方向に交差する方向に沿って延設された内輪郭と外輪郭とを有するパス部分を備える。ここで、スペーサ部材の内壁面はパス部分の内輪郭と外輪郭との間に位置している。この場合、スペーサ部材の内壁面で区画された感圧室の径を内輪郭と外輪郭との間において調整することにより、センサ感度は調整可能とされている。
・スペーサ部材は、第1配線部および第2配線部のうちの少なくとも一方に乗り上げる。この場合、平面図では、スペーサ部材は、第1配線部および第2配線部のうちの少なくとも一方の乗り上げ部分に投影的に重なる。この場合、感圧室の回りにおける乗り上げの均等化を図るため、第1配線部および第2配線部のうちの少なくとも一方において、ダミー路が形成されていることが好ましい。
・平面図で、第1導電パス部および第2導電パス部は一方向に沿って並走している。そして、第1配線部は、感圧室の内壁面の外側において迂回する第1迂回路をもつ。第2配線部は、感圧室の内壁面の外側において迂回する第2迂回路をもつ。第1迂回路および第2迂回路は、感圧室に位置する第1導電パス部および第2導電パス部を挟む位置に配置されている。第1迂回路および第2迂回路は導電パスであるため、厚みをもつ。この場合、スペーサ部材が迂回路およびダミー路に投影的に重なり、スペーサ部材が第1迂回路および第2迂回路に乗り上げるとき、第1迂回路および第2迂回路は、感圧室に位置する第1導電パス部および第2導電パス部を挟む位置に配置されている。このため、第1ベース部と第2ベース部との間の距離LB(図2参照)の均衡化を図るのに有利である。従って、第1ベース部および第2ベース部の歪みが回避され易い。故に、歪みに起因するセンサ感度のバラツキが抑制される。
・平面図で、第1導電パス部および第2導電パス部は一方向に沿って並走しており、第1配線部および第2配線部のうちの一方または双方は、感圧室の内壁面の外側において迂回する迂回路およびダミー路をもつ。迂回路およびダミー路は、感圧室に位置する第1導電パス部および第2導電パス部を挟む位置に配置されている。迂回路およびダミー路は導電パスであり、ある程度の厚みをもつ。この場合、スペーサ部材が迂回路およびダミー路に投影的に重なり、スペーサ部材が迂回路およびダミー路に乗り上げるとき、迂回路およびダミー路は、感圧室に位置する第1導電パス部および第2導電パス部を挟む位置に配置されている。このため、第1ベース部と第2ベース部との間の距離LB(図2参照)の均衡化を図るのに有利である。従って、第1ベース部および第2ベース部の歪みが回避され易い。故に、歪みに起因するセンサ感度のバラツキが抑制される。
・本発明に係る荷重検出センサは、車両用の荷重検出センサとして利用でき、車両の乗員を検出する乗員検出センサとして利用できる。また、本発明に係る荷重検出センサを、ヘッドレストまたは着座シート(車両用のチャイルド着座シート、トイレの便座装置を含む)に搭載でき、更には、介護椅子、車椅子、就寝用ベッド等に搭載できる。ヘッドレストは、人の頭部を支えるためにチェアや車両用着座シートに取り付けられるものである。ヘッドレストは、着座シートに取り付けられるヘッドレスト本体と、ヘッドレスト本体のうち人の頭部に対面する側に設けられ人の頭部を検出するセンサとをもつ。ヘッドレストにおいて、センサは上記した荷重検出センサとされている。この荷重検出センサは頭部による荷重を検出する。また、着座シートは、人の尻に対面する着座シートクッションと人の背中に対面するシートバックとをもつ着座シート本体と、着座シート本体のうちシートクッションおよびシートバックのうちの少なくとも一方に設けられ人の荷重を検出するセンサとをもち、センサは上記した荷重検出センサとされている。荷重検出センサにより人の着座が検出される。着座シートとしては車両等の着座シートが例示される。着座シートとしての便座装置は、便器に取り付けられる便座と、便座に設けられ人の荷重を検出するセンサとをもつ。このセンサは上記した荷重検出センサとされている。
以下、本発明の実施例1について図1〜図3を参照して具体的に説明する。図1は荷重検出センサ1の要部を投影した平面図を模式的に示す。図2は荷重検出センサ1の断面図を示す。荷重検出センサ1は、図2に示すように、第1ベース部2と、第2ベース部3と、スペーサ部材4と、第1導電パス部6および第2導電パス部8と、導通スイッチ部9とを備える。第1ベース部2および第2ベース部3は、互いに対向しており、荷重検出センサ1の主要素を形成するものであり、樹脂で形成された膜体とされている。
スペーサ部材4は、第1ベース部2と第2ベース部3との間に介在しており、内壁面42と外壁面43とをもつ。内壁面42は、円形の空間状をなす感圧室40を区画する円形状をなしている。スペーサ部材4は、粘着材41により第1ベース部2と第2ベース部3との間に固定されている。
図1に示すように、荷重検出センサ1は、第1導電パス部6に繋がる第1配線部5と、第2導電パス部8に繋がる第2配線部7とをもつ。第1導電パス部6に電気的に繋がる第1配線部5は、第1導電パス部6と共に第1ベース部2の搭載面2sに設けられている。第2導電パス部8に電気的に繋がる第2配線部7は、第2導電パス部8と共に第1ベース部2の搭載面2sに設けられている。第1配線部5および第2配線部7のうち一方は信号線にでき、他方はグランド線にできる。第1導電パス部6は、第1配線部5のうち感圧室40内に設けられているパス部分をいう。第2導電パス部8は、第2配線部7のうち感圧室40内に設けられているパス部分をいう。
第1導電パス部6および第2導電パス部8は、感圧室40において、互いに所定距離LA離間しつつ、一方向(矢印X方向)に沿って並走している。第1配線部5および第2配線部7は、第1導電パス部6および第2導電パス部8と共に、蒸着、印刷などの成膜手段により同じ厚みで形成されている。本実施例では、感圧室40において第1導電パス部6および第2導電パス部8が延設されている方向を矢印X方向と定義し、これと交差する方向を矢印Y方向と定義する。図1に示すように、複数の感圧室40(40A、40B)の間には連通部46が配置されている。即ち、複数の感圧室40(40A、40B)は、感圧室40(40A、40B)よりも幅が狭い連通部46で連通している。感圧室40(40A、40B)および連通部46は、全体としてめがね形状をなしている。
図2に示すように、導通スイッチ部9は、感圧室40(40A、40B)を介して第1導電パス部6および第2導電パス部8に対面するように、第2ベース部3の搭載面3sに設けられている。導通スイッチ部9は、感圧室40(40A、40B)に臨むように配置されている。導通スイッチ部9は、導電物質を成膜する成膜手段(蒸着、スパッタリング、印刷など)により形成されている。
図1に示すように、第1導電パス部6は、感圧室40(40A、40B)において1本の連続パス状である。第2導電パス部8は、感圧室40(40A、40B)において、1本の連続パス状である。換言すると、図1に示すように、第1導電パス部6は、感圧室40(40A、40B)において分岐しない非分岐構造である。第2導電パス部8は、感圧室40(40A、40B)において分岐しない非分岐構造である。この結果、図1に示すように、荷重検出センサ1において、第1導電パス部6をもつ第1配線部5は、連続する1本の導電パスで一筆書き状に形成されている。同様に、第2導電パス部8をもつ第2配線部7は、連続する1本の導電パスで一筆書き状に形成されている。
本実施例によれば、荷重が入力されると、第1ベース部2と第2ベース部3との間の距離LB(図2参照)が短縮される。このとき、感圧室40(40A、40B)において、第1導電パス部6および第2導電パス部8は、導通スイッチ部9に接触して導通する。これにより荷重の入力が検出される。荷重の入力が解除されると、第1ベース部2と第2ベース部3との間の距離LB(図2参照)が復元し、第1導電パス部6および第2導電パス部8は、導通スイッチ部9に非接触となり、非導通となる。これにより荷重の解除が検出される。
ここで、前述したように、感圧室40において第1導電パス部6は1本の連続パス状であると共に第2導電パス部8は1本の連続パス状である。従って本実施例によれば、感圧室40における第1導電パス部6および第2導電パス部8のうちの一方が断線すると、当該一方の導通が遮断され、通電オフとなるため、当該一方の断線が直ちに検出される。
殊に本実施例によれば、図1に示すように、第1導電パス部6をもつ第1配線部5は、非分岐構造であり、連続する1本の導電パスで一筆書き状に形成されている。また、第2導電パス部8をもつ第2配線部7は、非分岐構造であり、連続する1本の導電パスで一筆書き状に形成されている。万一、第1導電パス部6以外の第1配線部5、第2導電パス部8以外の第2配線部7のうちのいずれか少なくとも一方が断線すると、第1配線部5と第2配線部7との間における導通が遮断されて通電オフとなり、制御装置により断線が検出される。このため制御装置は荷重検出センサ1の故障と直ちに判定し、警告信号を警告手段(例えば警告灯、音響警告器)に出力するので、システムの安全性を高めることができる。
更に、特許文献1と異なり、第1導電パス部6は櫛歯構造ではなく、第1配線部5に対して直列である。同様に、第2導電パス部8は櫛歯構造ではなく、第1配線部5に対して直列である。このように櫛歯による並列接続を採用していないため、荷重検出センサ1における電気抵抗値が維持される。この結果、制御装置による検出の確実性を向上させることができる。
本実施例によれば、平面図(図3)で示すように、第1導電パス部6および第2導電パス部8は、感圧室40において、矢印X方向に沿って延設されて並走している。導通スイッチ部9は実質的に四角形状をなしており、矢印X方向に沿って延設された第1辺部91と、矢印Y方向に沿って延設された第2辺部92とを備える。第1ベース部2および第2ベース部3を組み付けて荷重検出センサ1を製作するとき、寸法公差、組付公差などが存在することがある。この場合、矢印X方向、あるいは、矢印Y方向に沿って、導通スイッチ部9の位置が第1導電パス部6および第2導電パス部8に対して相対的にずれることが間々ある。産業製品であるため、ずれを絶無にするには、コストが過剰に高騰する。
そこで、上記した矢印X方向または矢印Y方向にずれが発生したとしても、導通スイッチ部9は正規の位置から矢印X方向または矢印Y方向に相対的にほぼ平行移動することになる。この場合、第1導電パス部6および第2導電パス部8が導通スイッチ部9に接触する接触面積が変化することが抑制される。この結果、組付時における導通スイッチ部9のずれに起因してセンサ感度が変動することを抑制するのに有利である。
なお、導通スイッチ部9が実質的に四角形状ではなく、円形状をなしているときには、第1ベース部2および第2ベース部3を組み付けて荷重検出センサ1を製作するとき、矢印X方向、あるいは、矢印Y方向に沿って、万一、導通スイッチ部9の位置が第1導電パス部6および第2導電パス部8に対して相対的にずれるとき、第1導電パス部6および第2導電パス部8が導通スイッチ部9に接触する接触面積がかなり変化する。この結果、組付時における導通スイッチ部9のずれに起因してセンサ感度が変動するおそれがある。
更に本実施例によれば、図1に示すように、第1配線部5は、感圧室40の内壁面42の外側において迂回始点51fから矢印Y1方向に迂回する第1迂回路51をもつ。第2配線部7は、感圧室40の内壁面42の外側において迂回始点72fから矢印Y2方向に迂回する第2迂回路72をもつ。ここで、第1迂回路51および第2迂回路72は導電パスであるため、薄いとはいえ、ある程度の厚みをもつ。故に、スペーサ部材4の面44が第1迂回路51または第2迂回路72に乗り上げたり、乗り上げなかったりする場合には、感圧室40の回りの乗り上げのバラツキに起因し、第1ベース部2および第2ベース部3の歪みが誘発されるおそれがある。この場合、センサ感度のバラツキを発生させるおそれがある。
この点本実施例によれば、図1に示すように、第1迂回路51および第2迂回路72は、感圧室40の回りにおいて互いに逆方向に迂回している。故に、第1迂回路51および第2迂回路72は、感圧室40に位置する第1導電パス部6および第2導電パス部8を挟む位置に配置されている。この結果、荷重検出センサ1の組付時に、図2に示すように、スペーサ部材4の面44が第1配線部5の第1迂回路51および第2配線部7の第2迂回路72の双方に乗り上げる。即ち、スペーサ部材4が第1配線部5の第1迂回路51および第2配線部7の第2迂回路72の双方に投影的に重なる。このため、感圧室40の回りにおける乗り上げのバラツキが低減される。故に、乗り上げに起因する第1ベース部2および第2ベース部3の歪みが低減される。よって、センサ感度のバラツキを低減させるのに有利である。
更に説明を加える。図1に示すように、感圧室40において第1導電パス部6と第2導電パス部8との中央を中心PAとする。第1配線部5は、感圧室40の内壁面42の外側において矢印Y1方向に迂回する第1迂回路51をもつ。第1迂回路51は、中心PAを中心とする円弧で規定された半リング形状とされている。第1迂回路51は径R1で規定されている。更に、図1に示すように、第2配線部7は、感圧室40の内壁面42の外側において第1迂回路51と逆方向(矢印Y2方向)に迂回する第2迂回路72をもつ。第2迂回路72は、中心PAを中心とする円弧で規定された半リング形状とされている。第2迂回路72は径R2で規定されている。図1に示すように、第1迂回路51の径R1と第2迂回路72の径R2とは基本的には同じ値とされている。
このように第1迂回路51および第2迂回路72は、中心PAを中心とする円弧に沿った高い対称性をもつ形状とされている。更に、第1迂回路51および第2迂回路72は、中心PAを通る矢印X方向を基準線とする線対称性が高い。また、第1迂回路51および第2迂回路72は、中心PAを通る矢印Y方向を基準線とする線対称性が高い。
このように第1迂回路51および第2迂回路72は互いに対称性が高いため、荷重検出センサ1の組付時に、図2に示すようにスペーサ部材4の面44が第1配線部5の第1迂回路51および第2配線部7の第2迂回路72に乗り上げるとき、矢印X方向における乗り上げのバラツキ、矢印Y方向における乗り上げのバラツキが低減される。故に、乗り上げの均衡化が図られ易い。故に乗り上げに起因する第1ベース部2および第2ベース部3の歪みが低減される。よって、センサ感度のバラツキを低減させるのに有利である。
図4〜図6は実施例2を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する部位には共通の符号を付する。図4に示すように、荷重検出センサ1は、第1導電パス部6および第2導電パス部8と、導通スイッチ部9と、第1配線部5と、第2配線部7とを備える。第1ベース部2および第2ベース部3は互いに対向しており、荷重検出センサ1の主要素を形成する。スペーサ部材4は、第1ベース部2と第2ベース部3との間に介在しており、円形状をなす感圧室40を区画する円形状をなす内壁面42をもつ。スペーサ部材4は粘着材41により第1ベース部2と第2ベース部3との間に固定されている。
図6は荷重検出センサ1の内部構造の平面図を示す。図6に示すように、第1導電パス部6に電気的に繋がる第1配線部5は、第1導電パス部6と共に第1ベース部2の搭載面2sに設けられている。第2導電パス部8に電気的に繋がる第2配線部7は、第2導電パス部8と共に第1ベース部2の搭載面2sに設けられている。第1導電パス部6は、第1配線部5のうち感圧室40内に設けられているパス部分をいう。第2導電パス部8は、第2配線部7のうち感圧室40内に設けられているパス部分をいう。第1導電パス部6および第2導電パス部8は、感圧室40において、互いに所定距離離間しつつ、矢印X方向に沿って延設されて並走している。
本実施例においても、図6に示すように、感圧室40において、第1導電パス部6は1本の連続パス状であると共に、第2導電パス部8は1本の連続パス状である。換言すると、第1導電パス部6は感圧室40において分岐しない非分岐構造であり、第2導電パス部8は感圧室40において分岐しない非分岐構造である。
この結果、図6に示すように、1本の第1導電パス部6および1本の第2導電パス部8は、感圧室40において矢印X方向に沿って延設されて並走している。図6に示すように、第1導電パス部6は、平面図でコの字形状をなしており、矢印X方向に沿って延設された直状パス部分60と、直状パス部分60の長さ方向の一端に屈曲状に形成された第1パス部分61と、直状パス部分60の長さ方向の他端に屈曲状に形成された第2パス部分62とを備える。なお第2導電パス部8は、直状パス部分60に対面する突部80をもつ。
図5に示すように、第1パス部分61は、矢印Y方向に沿って延設された内輪郭64と外輪郭65とを有する。同様に、第2パス部分62は、矢印Y方向に沿って延設された内輪郭64と外輪郭65とを有する。内輪郭64と外輪郭65との間の寸法をDEとして示す。ここで、スペーサ部材4の内壁面42で区画された感圧室40の径をDとするとき、スペーサ部材4の感圧室40の内壁面42は、感圧室40の径方向において、内輪郭64と外輪郭65との間の寸法DE内(図5参照)に位置するように設定されている。
ところで、荷重検出センサ1の高精度化を図るためには、同一荷重が荷重検出センサ1に入力されるとき、センサ感度を同一とすることが好ましい。そこで、スペーサ部材4の感圧室40の径Dを調整することにより、センサ感度をチューニングすることができる。第1配線部5および第2配線部7は薄膜状といえども、厚みを有する。このため、センサ感度をチューニングしたとしても、スペーサ部材4が第1配線部5および第2配線部7に乗り上げたり、乗り上げなかったりすると、第1ベース部2および第2ベース部3の歪みが発生することがある。この場合、センサ感度のバラツキの発生させる要因となるおそれがある。
この点本実施例によれば、スペーサ部材4の感圧室40の内壁面42は、感圧室40の径方向において、前述したように、第1パス部分61および第2パス部分62の内輪郭64と外輪郭65との間(図5に示す寸法DE内)に設定されている。従って、上記したチューニングにおいても、スペーサ部材4の感圧室40の内壁面42を、第1導電パス部6の第1パス部分61および第2パス部分62において内輪郭64と外輪郭65との間に設定させる。この結果、スペーサ部材4の内壁面42が寸法DE内に乗り上げる構造とされている。従って、乗り上げたり、乗り上げなかったりすることが防止される。故に、センサ感度のバラツキを低減させるのに有利である。
図6に示すように、感圧室40において第1導電パス部6と第2導電パス部8との中央を中心PAとする。本実施例によれば、第1配線部5は、感圧室40の内壁面42の外側において矢印Y1方向に迂回する第1迂回路51をもつ。第1迂回路51は、中心PAを中心とする円弧で規定された半リング形状とされている。第1迂回路51は、内径Ri1、外径Ro1をもつ。更に、図6に示すように、第2配線部7は、感圧室40の内壁面42の外側において第1迂回路51と同じ方向(矢印Y1方向)に迂回する第2迂回路72をもつ。第2迂回路72は、第1迂回路51の外周側に設けられており、中心PAを中心とする円弧で規定された半リング形状とされている。第2迂回路72は、内径Ri2、外径Ro2をもつ。
図6に示すように、第2配線部7は、感圧室40の内壁面42の外側において第1迂回路51と逆方向(矢印Y2方向)に迂回する第1ダミー路76をもつ。第1ダミー路76は半リング形状とされており、内径Ri1、外径Ro1をもつ。第1ダミー路76は、中心PAを中心とする円弧で規定された半リング形状とされており、内径Ri1、外径Ro1をもつ。図6に示すように、第1ダミー路76の内径Ri1と第1迂回路51の内径Ri1とは基本的には同じ値とされている。第1ダミー路76の外径Ro1と第1迂回路51の外径Ro1とは基本的には同じ値とされている。このように第1ダミー路76および第1迂回路51は、中心PAを中心とする円弧に沿った高い対称性をもつ形状とされている。
更に図6に示すように、第2配線部7は、感圧室40の内壁面42の外側において第2迂回路72と逆方向(矢印Y方向、第1ダミー路76と同じ側)に迂回する第2ダミー路77をもつ。第2ダミー路77は、中心PAを中心とする円弧で規定された半リング形状とされている。第2ダミー路77は、内径Ri2、外径Ro2をもつ。第2迂回路72の内径Ri2と第2ダミー路77の内径Ri2とは同じ値とされている。第2迂回路72の外径Ro2と第2ダミー路77の外径Ro2とは同じ値とされている。このように第2迂回路72および第2ダミー路77は、中心PAを中心とする円弧に沿った高い対称性をもつ形状とされている。
ところで、本来的には、電流の帰還を考慮すれば、第1導電パス部6は第1迂回路51を有すれば良く、第2導電パス部8は第2迂回路72を有すれば良く、第1ダミー路76および第2ダミー路77を有する必要がない。この点本実施例によれば、第2導電パス部8の周囲に第1ダミー路76および第2ダミー路77をダミー的に形成している。第1ダミー路76は第1迂回路51と同様な半径で同軸的に曲成されており、第1迂回路51に対して高い対称形状を有する。第2ダミー路77は第2迂回路72と同様な半径で同軸的に曲成されており、第2迂回路72に対して高い対称形状を有する。ここで、高い対称形状とは、一の形状の面積を100%とするとき、他の形状に点対称または線対称で対称となる面積が60%以上または70%以上占めることが好ましい。
このため荷重検出センサ1を組み付けるとき、スペーサ部材4の面44が第1配線部5および第2配線部7に乗り上げるとき、図6から理解できるように、スペーサ部材4の面44は、矢印Y1方向では第1迂回路51および第2迂回路72に乗り上げると共に、矢印Y2方向では第1ダミー路76および第2ダミー路77に乗り上げる。この結果、矢印X方向における乗り上げのバラツキが低減され、矢印Y方向における乗り上げのバラツキが低減される。よって乗り上げの均衡化が図られ易い。故に、乗り上げのバラツキに起因する第1ベース部2および第2ベース部3の歪みが低減される。よって、センサ感度のバラツキを低減させるのに有利である。
本実施例によれば、荷重が入力されると、第1ベース部2および第2ベース部3のうち荷重の入力側が変形し、第1ベース部2と第2ベース部3との間の距離LB(図4参照)が短縮される。このとき、感圧室40において、第1導電パス部6および第2導電パス部8と導通スイッチ部9とが接触して導通する。これにより荷重の入力が検出される。前記した実施例と同様に、感圧室40において、第1導電パス部6は1本の連続パス状であると共に、第2導電パス部8は1本の連続パス状である。従って第1導電パス部6および第2導電パス部8のうちの一方が断線すると、当該一方の導通が遮断されるため、当該一方の断線が検出される。このように本実施例によれば、1箇所のみの断線でも検出でき、センサの信頼性を向上させることができる。
更に、特許文献1と異なり、第1導電パス部6は櫛歯構造ではなく、第1配線部5に対して直列である。同様に、第2導電パス部8は櫛歯構造ではなく、第1配線部5に対して直列である。このように櫛歯による並列接続を採用していないため、当該センサ1における電気抵抗値の低下が回避される。よって制御装置による検出の確実性を向上させることができる。
更に本実施例によれば、図5に示すように、導通スイッチ部9は実質的に四角形状をなしており、矢印X方向に沿って延設された第1辺部91と、矢印Y方向に沿って延設された第2辺部92とを備える。第1ベース部2および第2ベース部3を組み付けてセンサ1を製作するとき、導通スイッチ部9の位置が矢印X方向あるいは矢印Y方向に沿って第1導電パス部6および第2導電パス部8に対して相対的にずれることがある。このようなときであっても、導通スイッチ部9は矢印X方向あるいは矢印Y方向に沿ってほぼ平行移動することになる。従って、第1導電パス部6および第2導電パス部8と導通スイッチ部9との導通面積が変化することが抑制される。この結果、センサ感度が変動することを抑制するのに有利である。
図7は実施例3を示す。本実施例は実施例2と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施例2と相違する部分を中心として説明する。図7に示すように、平面図で、スペーサ部材4の内壁面42は、互いに連通する複数の感圧室40A、40Bを形成している。複数の感圧室40A、40Bは連通室46で連通する。連通路46の幅DSは、感圧室40A、40Bの径Dよりも小さい。双方の感圧室40A、40Bにおける第1導電パス部6は、分岐せずに延設されている。双方の感圧室40A、40Bにおける第2導電パス部8は、分岐せずに延設されている。
実施例2と同様に、図7に示すように、第1配線部5は、感圧室40A、40Bの内壁面42の外側において、矢印Y1方向に迂回する半リング形状の第1迂回路51をもつ。更に、第2配線部7は、感圧室40A、40Bの内壁面42の外側において第1迂回路51と同じ方向(矢印Y1方向)に迂回する半リング形状の第2迂回路72をもつ。図7に示すように、第2配線部7は、感圧室40A、40Bの内壁面42の外側において第1迂回路51と逆方向(矢印Y2方向)に迂回する半リング形状の第1ダミー路76をもつ。第2配線部7は、感圧室40A、40Bの内壁面42の外側において第2迂回路72と逆方向(矢印Y2方向)に迂回する半リング形状の第2ダミー路77をもつ。
図8は実施例4の要部を示す。本実施例は実施例3と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施例3と相違する部分を中心として説明する。このヘッドレスト100は、車両の衝突時において乗員の首部をむち打ち症から保護する制御システムに使用される。図8に示すように、ヘッドレスト100は、車両等に装備される着座シートに取り付けられるヘッドレスト本体102と、ヘッドレスト本体102のうち人の頭部に対面する側に設けられたセンサ搭載面104とをもつ。センサ搭載面104のほぼ全域には、上記した実施例3に係る荷重検出センサ1が多数搭載されている。図8は要部を示すものであるため、図8ではヘッドレスト本体102の意匠用表面膜は省略されている。
上記した実施例3に係る荷重検出センサ1の全部によれば、ヘッドレスト100のセンサ搭載面104のほぼ全域において、第1導電パス部6をもつ第1配線部5は、連続する1本の導電パスで一筆書き状に形成されている。同様に、センサ搭載面104のほぼ全域において、第2導電パス部8をもつ第2配線部7は、連続する1本の導電パスで一筆書き状に形成されている。従って、センサ搭載面104の全域において、第1導電パス部6をもつ第1配線部5のうちの少なくとも一箇所が断線すると、制御装置は警告信号を警告手段に出力する。同様に、センサ搭載面104の全域において、第2導電パス部8をもつ第2配線部7のうちの少なくとも一箇所が断線すると、制御装置は警告信号を警告手段に出力する。これにより当該センサ1の信頼性を高めている。
本実施例に係る荷重検出センサ1によれば、感圧室40における1箇所のみの断線でも検出でき、荷重検出センサ1の信頼性を向上させることができる。更に、特許文献1と異なり、第1導電パス部6は櫛歯構造ではなく、第1配線部5に対して直列である。同様に、第2導電パス部8は櫛歯構造ではなく、第1配線部5に対して直列である。このように櫛歯による並列接続を採用していないため、電気抵抗値を維持することにより制御装置による検出の確実性を向上させることができる。
更に、図8に示すように、センサ搭載面104には静電容量センサ200の電極202が併設されている。静電容量センサ200は、人の頭部の裏面に対向しており、荷重検出センサ1と独立して人の頭部を検出する。電極202は導電材料で形成されており、センサ搭載面104の外縁104cに沿って形成された面状の外縁電極部202aと、外縁電極部202aよりも内側に形成された面状の内電極部202bとを有する。図8に示すように、外縁電極部202aおよび内電極部202bにより、多数の荷重検出センサ1が包囲されている。即ち、外縁電極部202aと内電極部202bとの間において多数の荷重検出センサ1が配置されている。従って、センサ搭載面104近傍に人の頭部が存在するとき、荷重検出センサ1および静電容量センサ200の双方がそれぞれ独立して人の頭部の存在を検出する。これによりセンサの信頼性を高めている。
上記したようにヘッドレスト100では、人の頭部による荷重を荷重検出センサ1により検出することにより、人の頭部の有無を検出する。更に、人の頭部の接近による静電容量変化を静電容量センサ200により検出することにより、人の頭部の接近の有無を検出する。これによりヘッドレスト100を使用している人の頭部の有無の検出が一層容易となり、センサの精度を更に高めることができる。
人の髪の毛は多様性がある。髪の毛は、条件によっては、静電容量センサ200の感度に影響を与えることがある。この点本実施例のようにセンサ搭載面104には、荷重検出センサ1によるセンシングと、静電容量センサ200によるセンシングとを併有させれば、上記した髪の影響等を回避するのに有利である。
なお本実施例では、荷重検出センサ1の全部によれば、ヘッドレスト100のセンサ搭載面104のほぼ全域において、第1導電パス部6をもつ第1配線部5は、連続する1本の導電パスで一筆書き状に形成されていると共に、センサ搭載面104のほぼ全域において、第2導電パス部8をもつ第2配線部7は、連続する1本の導電パスで一筆書き状に形成されている。しかしこれに限らず、ヘッドレスト100のセンサ搭載面104を複数に分割して独立分割領域とし、独立分割領域のそれぞれについて、第1導電パス部6をもつ第1配線部5を一筆書き状に形成すると共に、第2導電パス部8をもつ第2配線部7を一筆書き状に形成する構成としても良い。
図9は実施例5を示す。本実施例は実施例1〜3と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する部位には共通の符号を付する。以下、実施例1〜3と相違する部分を中心として説明する。図9に示すように、着座シート400は車両用などに使用されるものであり、人の尻に対面するシートクッション401と人の背中に対面するシートバック402とをもつ着座シート本体403と、着座シート本体403のうちシートクッション401に設けられ人の荷重を検出するセンサとをもつ。センサは上記した各実施例に係る荷重検出センサ1である。荷重検出センサ1は、着座シート400への着座を検出する着座センサとして用いられている。なお、シートバック402に各実施例に係る荷重検出センサ1を取り付けることにしても良い。
その他、本発明は上記しかつ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更して実施できる。
本発明は車両着座シート、便座装置等に搭載される人体検出センサ、乗員検出センサなどに適用できる。
実施例1に係り、荷重検出センサの内部構造を示す平面図である。
実施例1に係り、荷重検出センサの内部構造を示し、図1のIIーII線に沿った断面図である。
実施例1に係り、導通スイッチ部付近を示す平面図である。
実施例2に係り、荷重検出センサの内部構造を示し、図6のIV−IV線に沿った断面図である。
実施例2に係り、第1導電パス部および第2導電パス部の付近を示す平面図である。
実施例2に係り、荷重検出センサの内部構造を示す平面図である。
実施例3に係り、荷重検出センサの内部構造を示す平面図である。
実施例4に係り、ヘッドレスト本体に荷重検出センサを搭載している状態を示す側面図である。
実施例5に係り、荷重検出センサを搭載している着座シートを示す構成図である。
従来例に係り、荷重検出センサの内部構造を示す平面図である。
従来例に係り、荷重検出センサの配線構造を示す配線図である。
符号の説明
1は荷重検出センサ、2は第1ベース部、3は第2ベース部、40は感圧室、42は内壁面、4はスペーサ部材、5は第1配線部、51は第1迂回路、6は第1導電パス部、64は内輪郭、65は外輪郭、7は第2配線部、72は第2迂回路、76は第1ダミー路、77は第2ダミー路、8は第2導電パス部、9は導通スイッチ部、91は第1辺部、92は第2辺部を示す。