JP2007113709A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心式クラッチ等の自動クラッチを備えた鞍乗型車両において、自動クラッチの磨耗劣化を防止する。
【解決手段】エンジンオイルの油温が高い(T1以上)状態であり、かつ、高いギアがセットされている(シフトポジションが3速以上)状態であるときには、点火遅角処理及び燃料噴射量を減量する処理を行うことによりエンジンの回転数をN1未満に低減させる。これにより、遠心式クラッチの磨耗劣化を招くような状況下において、遠心式クラッチがクラッチイン状態とならないようにすることが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動二輪車や、四輪バギー等の鞍乗型車両に関するものである。
従来、自動二輪車等の鞍乗型車両において、遠心式クラッチを備えたものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この遠心式クラッチは、通常、スクーター等においてVベルト式無段変速機とセットで採用されている。そのため、発進時及び走行時において、クラッチを断続させる操作が不要となる。
ところで、近時、クラッチレバーを操作することにより断続を行う多板クラッチと、チェンジペダルの操作によりギアチェンジを行う常時噛み合い式変速機とを備えた自動二輪車において、更に、上記多板クラッチの上流側に遠心式クラッチを備えたものが提案されている。この自動二輪車では、変速を行う際には上記多板クラッチを断続させるが、発進を行う際には上記多板クラッチを断続させない。すなわち、上記多板クラッチを接続させたままの状態でエンジンの回転数を上昇させると、上記遠心式クラッチが自動的に接続されるため、手動によるクラッチ操作をすることなく発進を自動化させることが可能となるのである。
特開2003−301903号公報
上述した多板クラッチと遠心式クラッチとの2つのクラッチを備えた自動二輪車では、エンジンの排気量が大きい場合には、減速比が小さいギア(段数の高いギア)がセットされている状態でも多板クラッチを接続させたまま自動発進を行うことができる。しかし、このような高いギアでの自動発進を行うと、以下に説明するような問題が発生する。エンジンの回転数が上昇すると、遠心式クラッチは、クラッチオフの状態から、クラッチハウジングの駆動力がクラッチボスに伝達されつつクラッチハウジングとクラッチボスとが相対回転する半クラッチ状態を経て、クラッチオンの状態になる。しかし、高いギアでの発進を行うと、クラッチボスが負荷に見合ったトルクを発生させることができないため、クラッチハウジングとクラッチボスとが滑ってしまい、半クラッチ状態でクラッチハウジングとクラッチボスとの間の相対回転速度が大きくなる。その結果、エンジンオイルの油温が上昇してしまい、エンジンオイルが劣化してしまう。エンジンオイルが劣化すると、遠心式クラッチのクラッチ板とフリクションプレートとの間の油膜が良好に形成されなくなってしまい、クラッチ板及びフリクションプレートが磨耗劣化してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遠心式クラッチ等の自動クラッチを備えた鞍乗型車両において、自動クラッチの磨耗劣化を防止することにある。
本発明に係る鞍乗型車両は、クランク軸を有するエンジンと、前記クランク軸の駆動力が伝達されるメイン軸と、前記クランク軸と前記メイン軸との間に設けられ、駆動力の切断及び接続が自動的に行われる自動クラッチと、前記メイン軸に取り付けられた変速機とを備え、内部にエンジンオイルが充填されたエンジンユニットと、前記エンジンオイルの油温を検出する油温検出装置と、前記油温検出装置により検出された油温が所定値以上であり、かつ、前記変速機の減速比が所定値以下である場合に、前記自動クラッチを接続状態にしないように制御するクラッチ制御装置とを備えたものである。
上記鞍乗型車両によれば、例えば、高いギア(減速比が低いギア)がセットされている状態であり、かつ、エンジンオイルの油温が高い状態であるときにのみ、自動クラッチが接続状態にならないように制御される。したがって、その状態で、自動クラッチが遮断状態であるときには、エンジンの回転数を上昇させても自動クラッチが接続されずに遮断状態が維持される。そのため、高いギアがセットされている状態で自動クラッチが接続状態となってしまうことに起因して、エンジンオイルの油温が上昇し過ぎてしまい、エンジンオイルが劣化してしまうことを防止することができる。その結果、自動クラッチのクラッチ板及びフリクションプレートが磨耗劣化してしまうことを防止することができる。
本発明によれば、遠心式クラッチ等の自動クラッチを備えた鞍乗型車両において、上記自動クラッチのクラッチ板及びフリクションプレートが磨耗劣化してしまうことを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る鞍乗型車両は自動二輪車10である。なお、以下の説明では、前後左右の方向は、シート16に着座した乗員から見た方向をいうものとする。自動二輪車10は、フロントフォーク18に支持された前輪19と、リヤアーム25の後端部に支持された後輪26と、後輪26を駆動するエンジンユニット28とを備えている。エンジンユニット28は、図示しない車体フレ−ムにより支持されている。また、ハンドル15の左側部分にはグリップ12が設けられており、その前方にはクラッチレバー13が設けられている。乗員はこのクラッチレバー13を操作することにより、後述するクラッチ45(図2参照)の断続を行う。なお、図1には示していないが、ハンドル15の右側部分には、スロットルグリップが設けられているとともに、その前側にはブレーキレバーが設けられている。
以上が自動二輪車10の外観の概略構成である。次に、自動二輪車10が備えるエンジンユニット28の構成について説明する。
図2は、エンジンユニット28の内部を示す断面図である。なお、図2において、エンジンユニット28を収容するケース類については図示していない。エンジンユニット28は、エンジン29と、遠心式クラッチ41と、クラッチ45と、変速機構49とを備えている。
エンジン29は、シリンダ43と、シリンダ43に接続されたシリンダヘッド44とを備えている。また、エンジン29はクランク軸46を備えている。クランク軸46は、車幅方向に延びており、水平に配置されている。
シリンダ43内には、ピストン50が摺動可能に挿入されている。このピストン50には、コンロッド51の一端部が連結されている。クランク軸46の左側クランクアーム46aと右側のクランクアーム46bとの間には、クランクピン59が設けられている。コンロッド51の他端部は、クランクピン59に連結されている。
シリンダヘッド44には、凹部44aと、凹部44aに連通する図示しない吸気ポート及び排気ポートとが形成されている。この凹部44aの内部には、点火プラグ55が挿入されている。また、シリンダ43内の左側部には、クランク軸46とカム軸58とに巻き掛けられるタイミングチェーン57が配設されている。カム軸58は、クランク軸46の回転に従って回転し、図示しない吸気バルブ及び排気バルブを開閉させる。
また、クランク軸46の右側端部には、遠心式クラッチ41が取り付けられている。遠心式クラッチ41は、湿式多板式のクラッチであり、略円筒状のクラッチハウジング78とクラッチボス77とを備えている。クラッチハウジング78は、クランク軸46にスプライン嵌合され、クランク軸46と一体となって回転する。クラッチハウジング78には、リング状の複数のクラッチ板79が取り付けられている。これらクラッチ板79は、クランク軸46の軸方向に間隔をあけて並んでいる。
クラッチボス77は、軸受81を介してクランク軸46に嵌め込まれている。また、クラッチボス77の左端部分には、歯車80がクラッチボス77と一体的に形成されている。クラッチボス77の径方向外側には、リング状の複数のフリクションプレート82が取り付けられている。これらフリクションプレート82は、クランク軸46の軸方向に沿って間隔をあけて並んでおり、各フリクションプレート82は隣り合うクラッチ板79,79の間に配置されている。
クラッチハウジング78の左側には、複数のカム面83aが形成されている。カム面83aと、このカム面83aに対向するクラッチ板79との間には、ローラウエイト84aが配置されている。
この遠心式クラッチ41では、ローラウエイト84aに作用する遠心力の大小によって、クラッチインの状態(接続状態)とクラッチオフの状態(遮断状態)とが自動的に切り替えられる。
すなわち、クラッチハウジング78の回転速度が所定速度以上になると、ローラウエイト84aが遠心力を受けて径方向外側に移動し、クラッチ板79はローラウエイト84aによって左方向に押される。その結果、クラッチ板79とフリクションプレート82とが圧着し、クランク軸46の駆動力が遠心式クラッチ41を経て後述するクラッチ45のクラッチボス88に伝達されるクラッチイン状態となる。
一方、クラッチハウジング78の回転速度が所定速度未満になると、ローラウエイト84aに作用する遠心力が小さくなり、ローラウエイト84aは径方向内側に移動する。その結果、クラッチ板79とフリクションプレート82との圧着が解除され、クランク軸46の駆動力がメイン軸53に伝達されないクラッチオフ状態となる。
上述したように、歯車80はクラッチボス77と一体形成されており、クラッチボス77と共に回転する。この歯車80はメイン軸53に回転自在に嵌め込まれた歯車90と噛み合っている。歯車90はメイン軸53の右側端部に取り付けられたクラッチ45のクラッチハウジング88と一体的に形成されている。また、クラッチハウジング88は、軸受75を介してメイン軸53に回転自在に取り付けられている。したがって、遠心式クラッチ41がクラッチオン状態のときには、クランク軸46の駆動力が遠心式クラッチ41、歯車80及び歯車90を介してクラッチ45のクラッチハウジング88に伝達する。
クラッチ45は、湿式多板式のクラッチであり、略円筒状のクラッチハウジング88とクラッチボス87とを備えている。クラッチボス87はメイン軸53にスプライン嵌合され、メイン軸53と一体となって回転する。クラッチハウジング88には、リング状の複数のクラッチ板89が取り付けられている。これらクラッチ板89は、メイン軸53の軸方向に間隔をあけて並んでいる。また、クラッチボス88の径方向外側は、リング状の複数のフリクションプレート92が取り付けられている。これらフリクションプレート92は隣り合うクラッチ板89,89の間に配置されている。
また、クラッチ45は、クラッチスプリング93の弾性力によってクラッチ板89とフリクションプレート92とを挟みこんで圧着するプレッシャプレート91と、クラッチスプリング93の弾性力に抗してクラッチボス87とは離間する方向へプレッシャプレート91を押圧するリフター機構(図示せず)を備えている。このリフター機構は、クラッチレバー13に連動している。そのため、クラッチ45は、乗員によるクラッチレバー13の操作に応じて、断続されるようになっている。
具体的には、クラッチレバー13を握ると、上記リフター機構によってプレッシャプレート91がクラッチボス87から離間する方向へ押圧される。その結果、クラッチ板89とフリクションプレート92との圧着が解除されてクラッチオフ状態となる。一方、クラッチレバー13を離すと、プレッシャプレート91への押圧が解除される。その結果、クラッチスプリング93の弾性力によりクラッチ板89とフリクションプレート92とが圧着し、クラッチイン状態となる。クラッチイン状態では、クラッチハウジング88の駆動力がクラッチボス87を介してメイン軸53に伝達する。
図2に示すように、変速機構49は、メイン軸53の左側部分に取り付けられた変速用歯車120〜124と、ドライブ軸54に取り付けられた変速用歯車125〜129とを備えている。メイン軸53に取り付けられた変速用歯車120〜124のうち、中央の変速用歯車122には、図示しないシフトフォークが係合される環状の溝131が形成されている。この変速用歯車122は、メイン軸53にスプライン嵌合され、軸方向に移動自在となっている。また、この変速用歯車122は、上記シフトフォークにより押されて軸方向に移動することにより、ドッグクラッチ132を介して隣り合う変速用歯車121又は123に接続されたり切断されたりするように構成されている。
ドライブ軸54に取り付けられた変速用歯車125〜129のうち、変速用歯車126と変速用歯車128とには、上記シフトフォークが係合される環状の溝133が形成されている。これら変速用歯車126及び128は、ドライブ軸54にスプライン嵌合され、軸方向に移動自在となっている。また、変速用歯車126及び128は、上記シフトフォークにより押されて軸方向に移動することにより、ドッグクラッチ134に接続されたり切断されたりするように構成されている。
また、変速機構49は、乗員が足等でシフトペダル(図示せず)を操作することに応じて、上述した変速用歯車120〜129による変速位置を切り換えるシフト装置(図示せず)を備えている。本実施形態では、1〜5速の5段変速式を採用しており、段数が低くなるに連れて減速比が大きくなる。
図1、図2を用いて説明した自動二輪車10を発進させるときには、クラッチレバー13を離したまま、スロットルグリップを回してエンジン29の回転数(クランク軸46の回転数)を上昇させる。エンジン29の回転数が上昇すると、遠心式クラッチ41のクラッチボス77に徐々に駆動力が伝達してクラッチオン状態となり、自動二輪車10が発進する。したがって、実施形態に係る自動二輪車10では、クラッチレバー13を操作することなく発進を行うことができるのである。
次に、自動二輪車10の電気的構成について説明する。図3に示すように、自動二輪車10は、各装置の動作を主導的に制御するコントローラ140を備えている。そして、このコントローラ140には、油温センサ141、エンジン回転計142、ポジションセンサ143、クランク角センサ144及びスロットル開度センサ145が接続されている。
油温センサ141は、遠心式クラッチ41の近傍に設置され、遠心式クラッチ41に充填されているエンジンオイルの油温を検出する。なお、この油温センサ141は、遠心式クラッチ41におけるクラッチ板79とフリクションプレート82との接触部分の近傍に設置されることが望ましい。この部分で油温が上昇するからである。
また、エンジン回転計142は、エンジン29の回転数を検出する。ポジションセンサ143は、変速機構49におけるシフトポジションを検出する。クランク角センサ144は、クランク軸46の回転角度位置を検出し、検出したクランク角度に基づいてエンジン29の回転位置を算出する。コントローラ140は、クランク角センサ144の検出結果に基づいて、爆発行程にあるシリンダ43内の圧力変化を得る。スロットル開度センサ145は、乗員のスロットルグリップの操作によるスロットルバルブ(図示せず)の開度を検出する。
上述した油温センサ141、エンジン回転計142、ポジションセンサ143、クランク角センサ144及びスロットル開度センサ145からの出力信号は、コントローラ140に入力される。
また、コントローラ140には、油温警告灯146、点火プラグ制御回路147、噴射弁制御回路148及び電子制御スロットル弁149が接続されている。油温警告灯146は、油温センサ141の検出温度が所定値を超えたことを受けてコントローラ140から出力される制御信号を受信して点灯又は点滅する。
点火プラグ制御回路147は、コントローラ140からの制御信号を受信し、点火プラグ55の点火時期を調節する。噴射弁制御回路148は、コントローラ140からの制御信号に基づいて、燃料噴射弁(図示せず)からの燃料の噴射量及び噴射時期を制御する。電子制御スロットル弁149は、コントローラ140からの制御信号に基づいて、キャブレター(図示せず)を通過する空気量を調節するスロットル弁の開度を調節する。
以下においては、コントローラ140により行われるクラッチ制御処理について説明する。この処理は、エンジンオイルの油温と変速機構49のシフトポジションとに応じて、遠心式クラッチ41がクラッチオン状態とならないようにコントローラ140が制御する処理である。図4に示すように、まず、ステップS100において、油温が所定の閾値T1(例えば、120℃)以上であるか否かを判定する。この処理において、コントローラ140は、油温センサ141の検出結果を入力し、エンジンオイルの油温がT1以上であるか否かを判定する。
ステップS100において、油温がT1以上ではないと判定した場合、本サブルーチンに係るクラッチ制御処理を終了させる一方、油温がT1以上であると判定した場合、次に、ステップS110において、油温警告灯を点灯(又は点滅)させる処理を行う。この処理において、コントローラ140は、油温警告灯146に対して制御信号を送信し、エンジンオイルの温度が高くなっている旨の報知を行わせる。
ステップS110の処理を実行すると、次に、ステップS120において、変速機構におけるシフトポジションが3速以上であるか否かを判定する。この処理において、コントローラ140は、ポジションセンサ143の検出結果を入力し、変速機構49のシフトポジションが3速以上(3速、4速又は5速)であるか否かを判定する。
ステップS110において、シフトポジションが3速以上ではない(1速又は2速である)と判定した場合、クラッチ制御処理を終了させる一方、3速以上であると判定した場合には、次に、ステップS130において、エンジン回転数が所定の閾値N1(例えば、1500rpm)以上であるか否かを判定する。この処理において、コントローラ140は、エンジン回転計142の検出結果を入力し、エンジン29の回転数がN1以上であるか否かを判定する。なお、閾値N1は、遠心式クラッチ41が接続されてクラッチオン状態となる回転数よりも低い値として設定される。したがって、エンジン29の回転数をこの閾値N1に等しい回転数としても、遠心式クラッチ41は接続されず、クラッチオフ状態が維持される。
ステップS130において、エンジン回転数がN1以上ではない(N1未満である)と判定した場合、クラッチ制御処理を終了させる一方、エンジン回転数がN1以上であると判定した場合、次に、ステップS140において回転数制御処理を行う。この処理において、コントローラ140は、上記閾値N1を超えないようにエンジン29の回転数を制御する処理を行う。本実施形態においては、上記回転数制御処理として、以下の2つの処理を行う。
上記回転数制御処理の1つとして、コントローラ140は、点火遅角処理を行う。すなわち、コントローラ140は、点火プラグ制御回路147に制御信号を送信し、吸気弁(図示せず)の開弁時期が上死点より遅角するような時期となるように点火プラグ55の点火時期を変化させる制御を点火プラグ制御回路147に行わせる。なお、この点火時期の変更は、コントローラ140に入力されたクランク角センサ144の出力結果に基づいて行われる。
また、上記回転数制御処理の他の1つとして、コントローラ140は、噴射量減量処理を行う。すなわち、コントローラ140は、噴射弁制御回路148に制御信号を送信し、上記燃料噴射弁からの燃料の噴射量を減少させる。ステップS140の回転数制御処理を実行すると、処理をステップS130に戻し、再度、エンジン回転数の判定を行う。
このステップS140の処理を実行することにより、エンジン29の回転数が閾値N1未満となるように抑制される。このとき、たとえ、スロットルグリップを大きく回してもエンジン29の回転数はN1以上にはならないため、遠心式クラッチ41はクラッチオン状態にはならない。
以上のように、本実施形態によれば、エンジンオイルの油温が高い(T1以上)状態であり、かつ、高いギアがセットされている(シフトポジションが3速以上)状態であるときには、遠心式クラッチ41がクラッチイン状態とならないようにエンジン29の回転数を制御する。そのため、その状態で発進を行おうとしても遠心式クラッチ41が接続されずに遮断状態が維持される。その結果、エンジンオイルの油温が上昇し過ぎてしまい、エンジンオイルが劣化してしまうことを防止することができ、ひいては、遠心式クラッチ41のクラッチ板79及びフリクションプレート82が磨耗劣化してしまうことを防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、油温が所定値(T1)以上となったときに、油温警告灯1146によりその旨が報知される。このようにすることにより、油温が高くなっていることを乗員に知らせることができる。また、上述したエンジン29の回転数の制御が行われることを報知することもできるため、エンジンユニット28に故障が発生していると乗員に誤認させてしまうこともない。
上述した実施形態では、エンジン29の回転数を制御する処理として、点火遅角処理と燃料の噴射量を減少させる処理との2つの処理を行う場合(図4参照)について説明したが、エンジン29の回転数を制御する方法として他の方法を採用することも可能である。例えば、電子制御スロットル弁149(図3参照)を用いて、キャブレターを通過する空気量を調節するスロットル弁の開度を調節することにより、上記キャブレターを通過する空気量を調節する方法を採用してもよい。この方法でも、シリンダ43内に吸入される混合気の量を調節することができ、その結果、エンジン29の回転数を制御することが可能となる。また、上述した実施形態では、エンジン29の回転数を制御する処理として、上記点火遅角処理と燃料の噴射料減少処理の2つの方法を用いたが、1つの方法を用いてもよいし、3以上の方法を併用してもよい。
また、上述した実施形態では、自動クラッチとして遠心式クラッチ41を備えている場合について説明したが、本発明において、自動クラッチは、駆動力の断続が自動的に行われるものであれば遠心式クラッチに限定されるものではなく、例えば、クラッチの断続を行う駆動装置(クラッチアクチュエータ)を備えた駆動装置付クラッチであってもよい。
また、上述した実施形態では、クラッチレバー13の手動操作により断続するクラッチ45と、上記シフトペダルの手動操作でギアチェンジを行う変速機構49とを自動二輪車10が備えている場合について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、クラッチ45と変速機構49に代えて、上述した駆動装置付クラッチと、ギアチェンジを行う駆動装置(シフトアクチュエータ)を有する駆動装置付変速機構とを備えた自動変速制御機構(オートメイティッドマニュアルトランスミッション機構)を採用してもよい。
また、本発明において、鞍乗型車両は、必ずしも手動操作により断続する手動クラッチを備えている必要はない。例えば、自動クラッチを上記駆動装置付クラッチとした場合に、当該駆動装置付クラッチの下流側に手動クラッチを設けずに、変速機構を設けることとしてもよい。
また、上述した実施形態において、自動クラッチを接続状態にしないように制御するクラッチ制御装置は、エンジンの回転数を制御するエンジン制御装置である場合について説明したが、本発明では、クラッチ制御装置はエンジン制御装置に限定されるものではない。例えば、上記駆動装置付クラッチのクラッチアクチュエータに対して、クラッチを接続させる動作を行わせない制御を行う制御装置であってもよい。
なお、本実施形態では、本発明の鞍乗型車両を自動二輪車に適用した場合について説明したが、本発明の鞍乗型車両は、自動二輪車に限定されるものではなく、例えば、四輪バギー等であってもよい。
以上説明したように、本発明は、自動二輪車等の鞍乗型車両について有用である。
実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 実施形態に係る自動二輪車のエンジンユニットの内部構造を示す断面図である。 実施形態に係る自動二輪車の電気的構成を示すブロック図である。 実施形態に係る自動二輪車が備えるコントローラにて実行されるクラッチ制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
28 エンジンユニット
29 エンジン
41 遠心式クラッチ(自動クラッチ)
43 シリンダ
45 クラッチ
46 クランク軸
49 変速機構
53 メイン軸
77、87 クラッチボス
78、88 クラッチハウジング
79、89 クラッチ板
82、92 フリクションプレート
140 コントローラ
141 油温センサ(油温検出装置)
142 エンジン回転計
143 ポジションセンサ
144 クランク角センサ
145 スロットル開度センサ
146 油温警告灯(報知機)
147 点火プラグ制御回路
148 噴射弁制御回路

Claims (8)

  1. クランク軸を有するエンジンと、前記クランク軸の駆動力が伝達されるメイン軸と、前記クランク軸と前記メイン軸との間に設けられ、駆動力の切断及び接続が自動的に行われる自動クラッチと、前記メイン軸に取り付けられた変速機と、を備え、内部にエンジンオイルが充填されたエンジンユニットと、
    前記エンジンオイルの油温を検出する油温検出装置と、
    前記油温検出装置により検出された油温が所定値以上であり、かつ、前記変速機の減速比が所定値以下である場合に、前記自動クラッチを接続状態にしないように制御するクラッチ制御装置と、を備えた鞍乗型車両。
  2. 前記自動クラッチは遠心式クラッチである請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記メイン軸に取り付けられ、手動操作により断続する手動クラッチを備えた請求項1に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記クラッチ制御装置は、前記クランク軸の回転数を、前記遠心式クラッチが接続状態となる回転数未満に制御する請求項2に記載の鞍乗型車両。
  5. 前記クラッチ制御装置は、点火遅角処理を行うことにより、前記クランク軸の回転数を、前記遠心式クラッチが接続状態となる回転数未満に制御する請求項4に記載の鞍乗型車両。
  6. 前記クラッチ制御装置は、シリンダ内に吸入される混合気の量を調節することにより、前記クランク軸の回転数を、前記遠心式クラッチが接続状態となる回転数未満に制御する請求項4に記載の鞍乗型車両。
  7. 前記油温検出装置により検出された油温が所定値以上であることを報知する報知機を備える請求項1に記載の鞍乗型車両。
  8. 前記報知機は警告灯である請求項7に記載の鞍乗型車両。
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Citations (6)

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