JP2007113090A - 金属微粒子分散液の製造方法、着色組成物、インク、感光性転写材料、遮光画像付き基板、カラーフィルター、液晶表示素子、及び液晶表示装置 - Google Patents
金属微粒子分散液の製造方法、着色組成物、インク、感光性転写材料、遮光画像付き基板、カラーフィルター、液晶表示素子、及び液晶表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】窒素原子または硫黄原子を含有する化合物を溶解させた溶液中で調製した金属微粒子液のpHを変えることによって金属微粒子を凝集沈降させた後、任意の溶媒中に再分散する工程を有することを特徴とする金属微粒子分散液の製造方法である。前記化合物は分子中に酸性基を含むことが好ましく、該化合物の酸性基としては、カルボキシル基であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
これらの遮光膜には一般に、光学濃度2以上の遮光性が要求されており、遮光膜の色調は表示装置の表示品位の点から黒色が好ましい。
以上のように、水に溶解しない溶媒に分散した金属微粒子分散液を安価に製造することは困難であり、この問題の解決が必要であった。
本発明は、金属微粒子が高濃度である金属微粒子分散液を、用いる溶媒を問わず、安価に製造することができる金属微粒子分散液の製造方法を提供することを目的とする。
また、薄膜で高濃度の黒色(遮光性)が得られる着色組成物、特に、遮光性能が高い遮光画像を低コストで作製することができ、環境性に優れる表示装置用着色膜形成用インク及び感光性転写材料を提供すること、更に薄膜で遮光性能が高い遮光画像付き基板、カラーフィルター、並びに液晶表示素子及び液晶表示装置を提供することにある。
<1> 窒素原子または硫黄原子を含有する化合物を溶解させた溶液中で調製した金属微粒子液のpHを変えることによって金属微粒子を凝集沈降させた後、任意の溶媒中に再分散する工程を有することを特徴とする金属微粒子分散液の製造方法である。
また、本発明によれば、薄膜で高濃度の黒色(遮光性)が得られる着色組成物、特に、遮光性能が高い遮光画像を低コストで作製することができ、環境性に優れる表示装置用着色膜形成用インク及び感光性転写材料を提供すること、更に薄膜で遮光性能が高い遮光画像付き基板、カラーフィルター、並びに液晶表示素子及び液晶表示装置を提供することができる。
以下に、本発明の金属微粒子分散液の製造方法について詳述する。
(金属微粒子の金属)
本発明で用いられる金属微粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属微粒子は、2種以上の金属を組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。また、金属化合物でもよいし、金属化合物と金属との複合微粒子でもよい。
特に本発明においては、長周期周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことが好ましい。また、第2〜14族からなる郡から選ばれる金属を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことがより好ましい。
本発明で言う「金属化合物」とは前記のごとき金属と金属以外の元素との化合物である。
金属と他の元素の化合物としては金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などがある。このうち硫化物が色調や微粒子形成のしやすさから特に好ましい。これら金属化合物の例としては酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、硫化銀は色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から特に好ましい。
本発明で言う金属化合物と金属との複合微粒子とは金属と金属化合物が結合して1つの粒子になったものを言う。例えば粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種類の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属は、それぞれ1種でも2種以上であってもよい。金属化合物と金属との複合微粒子の具体例としては銀と硫化銀の複合微粒子、銀と酸化銅(II)の複合微粒子などがある。
更に、本発明における金属微粒子は、コア・シェル型の複合粒子であってもよい。コア・シェル型の複合粒子とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものである。コア・シェル型の複合粒子に用いる本発明のシェル材料としては、例えば、Si、Ge、AlSb、InP 、Ga、As、GaP 、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe、Se、Te、CuCl、CuBr、CuI、TlCl、TlBr、TlIや、これらの固溶体又はこれらを90mol%以上含む固溶体から選ばれる少なくとも1種の半導体、若しくは、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金、から選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。
好ましいコア材料としては、銅、銀、金、パラジウム、ニッケル、錫、ビスマス、アンモチン、鉛、又はこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
前記シェル材料は、反射率を低下させる目的で屈折率の調整剤としても好適に用いられる。
この場合、用いる金属微粒子は、気相法、液相法などの公知の方法で作製することができる。金属微粒子の作製方法については、例えば「超微粒子の技術と応用における最新動向II(住ベテクノリサーチ(株)2002年発行)」に記載されている。
当該化合物は、pHが大きい状態(例えば、8.5以上)では親水性であり、pHが小さい状態(例えば、7.5以下)では疎水性である化合物である。つまり、本発明においては、該前記化合物溶液中(水相)で金属微粒子を作製し、pHを下げることで該化合物を疎水性とし、金属微粒子の凝集沈降させるのである。
この場合、前記化合物の酸価は、特に制限無く目的に応じて適宜選択できるが、分散安定性という点において、60〜300mgKOH/gであることが好ましく、70〜250mgKOH/gであることがより好ましく、100〜230mgKOH/gであることがさらに好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸性基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性、コストおよび溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。尚、本願明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸を総称し、その誘導体の場合も同様である。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記ビニルアルコールのエステル類としては、ベルサト酸ビニル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル基等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
Yで表される総炭素数1〜8の2価の連結基は、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン)、二価のヘテロ環基(例えば、6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、又はこれらの組み合わせ(例えば−NHCH2CH2NH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、アリール基の置換基と同じである。Rのアルキル基およびアリール基は前述と同義である。
以下、本発明の金属微粒子分散液の製造方法における沈降・再分散の工程について説明する。
まず、水系の溶媒に金属粒子の前駆体となる金属化合物(既述)と窒素または硫黄を含有する化合物(好ましくはpKa:2.0〜12)をpH8.5以上に保った中で溶解させる。次いで、還元剤を添加し、金属イオンを還元することにより金属微粒子を作製する。このとき、溶液中に還元剤を溶解させた中に前記化合物と金属化合物を加えてもよく、あるいは溶液中に前記化合物を溶解させた中に還元剤と金属化合物を添加してもよい。前記化合物の添加は、金属微粒子液を製造するいずれの工程で行ってもよい。
このとき、溶液中の金属濃度は0.005M/L以上5M/L以下であることが好ましく、0.01M/L以上3M/L以下であることがさらに好ましく、0.02M/L以上1M/L以下であることが特に好ましい。
特に、後述するようなSP値が25.8MPa1/2以下の有機溶媒と用いた場合であっても当該金属固形分濃度とすることができる。
換言すると、本発明によれば、金属微粒子分散液中の全固形分に対する金属固形分重量が全固形分の80質量%以上であっても、金属微粒子を沈降、洗浄を行った後、金属微粒子濃度の高い分散液として、任意の溶媒(特に、有機溶媒)に凝集することなく分散することができる。
本発明の着色組成物は、前記本発明の金属微粒子分散液の製造方法により得られる金属微粒子分散液であって、前記溶媒としてSP値が25.8MPa1/2以下の有機溶媒を用い、かつ金属固形分が全固形分の80質量%以上として得られた金属微粒子分散液を少なくとも含むことを特徴としている。前述のように、本発明の製造方法においては、溶媒を問わず金属固形分濃度を全固形分の80質量%以上の金属微粒子分散液を安定な状態で製造することができるため、従来の手法では製造できなかった、SP値が25.8MPa1/2以下の有機溶媒を用い、金属固形分が全固形分の80質量%以上の金属微粒子分散液を製造することができ、該金属微粒子分散液を含有する本発明の着色組成物を得ることができるようになった。
なお、本発明に着色組成物において、遮光画像作製用に用いられるものを、「遮光画像作製用着色組成物」と呼ぶ場合がある。
SP値(δ)=(ΔEv/V)1/2
上式において、ΔEvはモル蒸発エネルギーを、Vはモル体積を表す。
また、上記ΔEv及びVとしては、「ROBERT F.FEDORS著「POLYMER ENGINEERING AND FEBRUARY」(Vol.14、No.2、151〜153頁、1974年)」に記載の原子団のモル蒸発熱(△ei)の合計(ΔEv)とモル体積(vi)の合計(V)を用いることもできる。
本発明の着色組成物は、印刷インク、インクジェットインク、フォトマスク作製材料、印刷用プルーフ作製用材料、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、プラズマデイスプレイパネル(PDP)の隔壁、誘電体パターン、電極(導体回路)パターン、電子部品の配線パターン、導電ペースト、導電フイルム、ブラックマトリックス等の遮光画像等に用いることができる。好ましくはカラーフィルター及びこれに用いる表示装置カラー液晶表示装置等に用いるカラーフィルターの表示特性向上のために、着色パターンの間隔部、周辺部分、及びTFTの外光側等に遮光画像を設けるために好適に用いることができる。特に好ましくは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部、さらに好ましくはTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のブラックマトリックスとして好適に用いられる。
遮光画像作製用着色組成物を用いて遮光層(パターニングする前の層)を形成した場合、遮光層の膜厚1μmあたりの光学濃度が1以上となることが好ましい。カラーフィルター作製の際、加熱工程時、金属微粒子が融着するのを防止することを考慮すると、上記着色組成物における金属微粒子の含有量は、形成される遮光層に含まれる金属微粒子の含有量が10〜90質量%、好ましくは10〜80質量%程度になるように調節することが好ましい。
BMは表示コントラストを向上させるため、また薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には光による電流リークによる画質低下を防止するため、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)が必要である。
本発明の着色組成物には、金属微粒子分散液中の金属微粒子の他に、顔料微粒子を含有せしめることにより、色相を黒色に近づけることが可能となる。
本発明の着色組成物に含有させる顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、又は黒鉛が好適なものとして挙げられる。
前記カーボンブラックの例として、Pigment Black(ピグメント・ブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品としては、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
前記感光性樹脂組成物は、上述のような光や電子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型でもよいし、放射線未受容部が硬化するポジ型でもよい。
例えば、ネガ型感光性樹脂組成物でアルカリ水溶液現像可能な感光性樹脂組成物としては、主成分としてカルボン酸基含有バインダー(アルカリ可溶性バインダー)と、光重合開始剤と、光重合性モノマーと、を含んでなる感光性樹脂組成物が挙げられる。尚、前記アルカリ可溶性バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体などを挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他にも水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。特に、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体も挙げることができる。
前記樹脂は、30〜400mgKOH/gの範囲の酸価と1000〜300000の範囲の重量平均分子量を有するものを選択して使用するのが好ましい。以上の他に、種々の性能、例えば、硬化膜の強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ可溶性のポリマーを添加してもよい。これらのアルカリ可溶なバインダーポリマーとしては、アルコール可溶性ナイロン或いはエポキシ樹脂を挙げることができる。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、特に二種類以上を用いることが好ましい。また、感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
これらの光重合開始剤の比率は、ジアゾール系/トリアジン系の質量比率で、好ましくは95/5から20/80、より好ましくは90/10から30/70、最も好ましくは80/20から60/40である。これらの光重合開始剤は、特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報に記載されている。
更に、好適な例としてはベンゾフェノン系も挙げられる。
ただし、本発明に使用できる光重合性組成物はこれらに限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
本発明の表示装置用着色膜形成用インクは、既述の本発明の着色組成物を用いて調製されるものである。本発明の着色組成物を用いて構成されるので、金属微粒子が高濃度であり、薄膜で高濃度の黒色(遮光性)が得られる遮光膜を形成することができる。
本発明においては、上記の感光性を有する遮光画像作製用着色組成物(インク)を用いて、遮光画像作製用感光性転写材料を作製し、これを用いてブラックマトリックス等の遮光画像を作製することができる。
上記感光性転写材料は、支持体上に少なくとも上記の感光性を有する遮光画像作製用着色組成物を用いて形成した感光性遮光層を設けたものであり、必要に応じて熱可塑性樹脂層、中間層、又は保護層等を設けることができる。
上記感光性遮光層の膜厚は0.2〜2μmの範囲が好ましく、特に0.2〜0.9μmの範囲が好ましい。
本発明における支持体としては、ポリエステル、ポリスチレン等の公知の支持体を用いることができる。中でも2軸延伸したポリエチレンテレフタレートはコスト、耐熱性、寸法安定性の観点から好ましい。上記支持体の厚みは15〜200μm程度、より好ましくは30〜150μm程度が好ましい。上記支持体の厚みが上記範囲内にあると、ラミネーション工程時に熱によりトタン板状のしわが発生するのを効果的に抑制することができ、コスト上も有利である。
また上記支持体には必要に応じて特開平11−149008号公報に記載されている導電性層を設けてもよい。
また、支持体と感光性遮光層、又は支持体と中間層の間に、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂層は、下地表面の凹凸(既に形成されている画像などによる凹凸等も含む)を吸収することができるようにクッション材としての役割を担うものであるため、当該凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ましい。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体と感光性遮光層との間に中間層を設けてもよい。
中間層を構成する樹脂としてはアルカリ可溶であれば特に制限はない。該樹脂の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体を挙げる事ができる。またポリエステルのように通常はアルカリ可溶性でない樹脂にカルボキシル基やスルホン酸基を持つモノマーを共重合した樹脂も用いる事ができる。
これらの中で好ましいものはポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましく、83から98%のものがより好ましい。
上記中間層の厚みは0.1〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μmの範囲が好ましい。中間層の厚みが上記範囲内にあると、酸素遮断性を低下させることなく、また、現像時の中間層除去時間が増大するのを防止することができる。
中間層の塗布溶媒としては上記の樹脂が溶解すれば、特にその他の制限はないが、水が好ましい。水に前述の水混和性有機溶剤を混合した混合溶媒も好ましい。好ましい具体例としては次のようなものがある。水、水/メタノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/メタノール=55/45、水/エタノール=70/30、水/1−プロパノール=70/30、水/アセトン=90/10、水/メチルエチルケトン=95/5(ただし比は質量比を表す。)。
本発明の感光性転写材料を作製するには、支持体に、本発明の感光性を有する遮光画像作製用着色組成物の溶液を、例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて塗布・乾燥させることにより形成することができる。アルカリ可溶性熱可塑性樹脂の層を設ける場合にも同様にして形成することができる。
本発明において、遮光画像は、上記着色組成物又は感光性転写材料を用いて形成した遮光層をパターニングすることにより作製される。遮光層の膜厚は0.2〜2.0μm程度、好ましくは0.9μm以下である。本発明の遮光層は金属微粒子及び顔料微粒子を分散させたものであるため、上記のごとき薄膜でも十分な光学濃度(3.5以上)を発揮することができる。
この遮光画像の製造方法は、煩瑣な工程をおこなうことを必要とせず、低コストである。
本発明における補助層とは、以下に記述するいずれかの1以上の機能を有する層であり、耐衝撃性、耐薬品性、耐溶剤性の観点から、遮光画像層中に設けることが好ましい。
2.基板と本発明における樹脂層との間、又は本発明における樹脂層と本発明における別の樹脂層との間に設けられ界面での反射を防止する層
3.光反射層と光吸収層との間の密着力を増すために、この界面に設けられる層
4.本発明における樹脂層上を保護するために設けられる層
5.本発明における樹脂層をフォトリソ法によりパターニングするために設けられる層
補助層用感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の記載成分以外に、必要に応じて、更に、黒色又は黒色以外の顔料、黒色又は黒色以外の染料、重合防止剤(禁止剤)、その他の界面活性剤、などを添加することができる。
前記顔料を用いる場合には、着色感光性樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記黒色又は黒色以外の、顔料及び染料としては、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・イエロー138等が挙げられる。
こうして得られた感光性樹脂組成物を塗布液として、基板や仮支持体に塗布し乾燥して、反射防止層を含む感光性樹脂層が形成され、その後の工程を経て、本発明における遮光画像が形成される。
本発明の遮光画像付き基板は、光透過性基板の上に遮光画像作製用着色組成物から形成された遮光層を前記のようにしてパターニングすることにより作製される。
この遮光画像付き基板(好ましくは、ブラックマトリックス基板)における遮光画像の膜厚は0.2〜2.0μmが好ましく、特に0.2〜0.9μmが好ましい。前記ブラックマトリックス基板における遮光層は棒状金属微粒子を分散させたものであるため、前記のごとき薄膜でも十分な光学濃度を有する。
本発明のカラーフィルターは、光透過性基板の上に、着色層からなり、互いに異なる色を呈する2以上の画素群を有し、上記画素群を構成する各画素は互いにブラックマトリックスにより離画されている構成を有し、上記ブラックマトリックスは、本発明の上記遮光画像作製用着色組成物又は感光性転写材料を用いて作製される。上記画素群は2つでも、3つでも4つ以上でもよい。例えば3つの場合は赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相が用いられる。赤、緑、青の3種の画素群を配置する場合は、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4種以上の画素群を配置する場合ではどのような配置であってもよい。
カラーフィルターを作製するには、光透過性の基板に常法により2以上の画素群を形成した後、上記のようにしてブラックマトリックスを形成してもよいし、或いは、最初にブラックマトリックスを形成し、その後2以上の画素群を形成してもよい。
本発明のカラーフィルターは上述のごときブラックマトリックスを備えているため、表示コントラストが高くまた平坦性に優れている。
本発明の液晶表示素子は、既述の本発明の遮光膜付き基板を用いて構成されたものである。本発明の遮光膜付き基板、詳細には、既述した本発明の微粒子含有組成物、表示装置用着色膜形成用インク、又は遮光材料を用いてなる遮光膜で構成されるので、高温環境に曝されることに伴なう色味変化が少なく、色相が良好で高い光学濃度を有しており、表示画像のコントラストが高く、良好な表示品質の画像表示が可能である。
〈銀粒子分散液の調製〉
まず、蒸留水3000gと、1N(1mol/l)の水酸化ナトリウム水溶液150gとを混合した溶液を調製した。この溶液に、硫黄原子を有する化合物として前記PO−20を3.5g加え、完全に溶解するまで攪拌した。さらに、還元剤としてアスコルビン酸12gを加え、溶解するまで攪拌した。この溶液をA液とする。
調製した銀微粒子分散液を、硝酸を滴下しpH4に調整し銀微粒子を凝集沈降させた。
凝集銀微粒子液の上澄み液を除去し、これに蒸留水を加えて静置し再び上澄みを除去し、た。これを数回繰り返した。
以上のようにして、銀粒子分散液を調製した。
下記組成を混合して、感光性遮光層用塗布液を調製した。
〔組成〕
・前記銀微粒子分散液 100g
・メチルエチルケトン 39g
・フッ素系界面活性剤 0.1g
(商品名:F780F、大日本インキ化学工業(株)製)
・ヒドロキノンモノメチルエーテル 0.001g
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 2.1g
(モル比=73/27、分子量30000)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 0.1g
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
・ポリビニルアルコール 3.0g
(商品名:PVA205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン 1.3g
(商品名:PVP−K30、アイエスピー・ジャパン社製)
・蒸留水 50.7g
・メチルアルコール 45.0g
ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が0.8μmになるように上記感光性遮光層用塗布液を塗布して100℃で5分間乾燥し感光性遮光層を形成した。次いで、この上にスピンコーターを用いて上記保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布して、100℃で5分間乾燥し保護層を形成して、感光材料を作製した。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と保護層を塗布面の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。次いで、現像処理液TCD(富士写真フイルム(株)製、アルカリ現像液)を用いて現像処理(33℃・20秒)を行った。画面サイズ10インチで、画素数が480×640であり、また、ブラックマトリックス幅が24μmで、画素部の開口が86μm×304μmであるブラックマトリックスを得た。
得られたブラックマトリックスについて下記の評価を行った。結果を下記表1に示す。
−光学濃度の測定−
膜の光学濃度は以下の方法で測定した。
まず、ブラックマトリックス作製前のガラス基板上に塗設された感光性遮光層に前記超高圧水銀灯を用いて塗布面側から500mJ/cm2の露光を行った。次いでこの光学濃度(O.D.)をマクベス濃度計(商品名:TD−904、マクベス社製)を用いて測定した。別途、ガラス基板の光学濃度(OD0)を同様の方法で測定し、上記O.D.からOD0を差し引いて、膜の光学濃度とした。
ブラックマトリックスを形成したガラス基板を使用して膜厚を測定し、評価した。
上記で得られたブラックマトリックスを形成した基板を用いて、特開平11−242243号公報の第一実施例[0079]〜[0082]に記載の方法を用いて、液晶表示装置を作製したところ、誤作動なく表示することを確認した。
得られた液晶表示装置について、下記の評価を行った。結果を下記表1に示す。
−ムラの測定−
液晶表示装置にグレイのテスト信号を入力させた時に、目視及びルーペにて観察し、ムラの発生の有無を判断した。ムラがまったく観察されなかったものを○、ムラがわずかに確認できたものを△、ムラが顕著に確認できたものを×とした。
〈金微粒子分散液の調製〉
蒸留水3000gと1Nの水酸化ナトリウム水溶液150gを混合した溶液を調製した。この溶液に、PO−20を3.5g加え、完全に溶解するまで攪拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム 3.6gを加え、溶解するまで攪拌した。この溶液をC液とする。
ここで、液温を50℃に保ち攪拌しているC液中に、D液を添加し、金微粒子分散液を調製した。
凝集金微粒子液の上澄み液を除去し、これに蒸留水を加えてスターラーで攪拌して凝集金微粒子を分散した後1時間静置し、再度凝集金ナノ粒子を沈降させた。この上澄み液を除去し、凝集金微粒子を得た。この操作を数回繰り返して得た凝集金微粒子に、金が40質量%となるようメチルエチルケトンを加えブランソン社製 ソニファー(Sonifier)II型超音波ホモジナイザーを用いて20kHzの超音波を5分間照射した。その後、ブランソン社製モデル(Model)2000bdc−h 40:0.8型超音波ホモジナイザーで40kHzの超音波を10分間照射した。超音波照射の間は、試料液が 25℃に維持されるよう、ヤマト科学社製クールニクスCTW400により冷却した。得られた試料液中の金微粒子は、体積平均粒径45nm、算術標準偏差34nmであった。
〈銀金合金粒子分散液の調製〉
蒸留水3000gと1Nの水酸化ナトリウム水溶液150gを混合した溶液を調製した。この溶液に、PO−20を3.5g加え、完全に溶解するまで攪拌した。この溶液をE液とする。蒸留水150gに硝酸銀28.8gを加え、溶解するまで攪拌した。この溶液をF液とする。蒸留水150gにテトラクロロ(III)金酸四水和物29.04gを加え、完全に溶解するまで攪拌した。この溶液をG液とする。
調製した銀金合金微粒子に、硝酸を加えてpH3に調整し、銀金合金微粒子を凝集沈降させた。
凝集銀金合金微粒子の上澄み液を除去し、これに蒸留水を加えてスターラーで攪拌して凝集銀金合金微粒子を分散した後1時間静置し、再度凝集銀金合金微粒子を沈降させた。この上澄み液を除去し、凝集銀金合金微粒子を得た。この操作を数回繰り返し、凝集銀金合金微粒子を得た。
〈銀錫合金粒子分散液の調製〉
1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用い、pHを12.0に調整した水溶液2.5Lに、高分子化合物PO−20を3g加え、完全に溶解するまで45℃で30分攪拌した。この溶液50℃に温度制御し、水素化ホウ素ナトリウム3gを含む水溶液酢酸銀(I)23.6g、塩化スズ(II)水和物13.3gを含む水溶液を添加して、黒褐色の銀錫合金ナノ粒子含有液を調製した。調製した銀錫合金微粒子に、硝酸を加えてpHを4に調整し、銀錫合金微粒子を凝集沈降させた。
次いで、この液を遠心分離して銀錫合金微粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)により回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。得られた凝集銀錫合金微粒子液を吸引ろ過し、凝集銀錫合金微粒子ペーストを得た。
実施例1において、感光性遮光層用塗布液の調製の際に、銀微粒子分散液に加えてカーボンブラック(商品名:商品名:CFP−FF−949K、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用い、銀微粒子分散物の添加量に対しカーボンブラックの添加量を、銀微粒子:カーボンブラック=95:5(質量比)とした以外は、実施例1と同様にブラックマトリックスと液晶表示装置を作製し、同様の評価を行った。結果を下記表1に示す。
実施例1において、銀微粒子分散液の調製の際、PO−20の代わりに窒素を含有する化合物としてPO−32を使用し、銀微粒子分散液を作製した。得られた試料液中の銀微粒子は、体積平均粒径105nm、算術標準偏差45nmであった。
実施例1において、銀微粒子分散液の調製の際、メチルエチルケトンの代わりにシクロヘキサノンを使用し、銀微粒子分散液を作製した。得られた試料液中の銀微粒子は、体積平均粒径45nm、算術標準偏差30nmであった。
純水380gに、テトラクロロ(III)金酸四水和物41g、市販のディスパーピック190(ビックケミー社製)を10g、1NのNaOH水溶液80gを混合した。この溶液に水素化ホウ素ナトリウム3gを添加し、30分攪拌して500nmに高い吸収を持つ金微粒子を得た。電子顕微鏡観察から、この金粒子は平均粒子径が25nmの球形粒子であることがわかった。ここで得られたコロイド溶液は限外ろ過によって濃縮した後、エタノールに溶解させ、固形分重量が8質量%となるよう調製した。全固形分重量中に占める金固形分濃度は70.5質量%であった。この金微粒子分散液をブランソン社製 ソニファー(Sonifier)II型超音波ホモジナイザーを用いて20kHzの超音波を5分間照射した。その後、ブランソン社製モデル(Model)2000bdc−h 40:0.8型超音波ホモジナイザーで40kHzの超音波を10分間照射した。超音波照射の間は、試料液が25℃に維持されるよう、ヤマト科学社製クールニクスCTW400 により冷却した。得られた試料液中の金微粒子は、体積平均粒径267nm、算術標準偏差65nmであった。
原料金属化合物溶液として、反応容器内に入れた純水1800g中に酢酸銀60gを添加し、攪拌した。さらに、市販のディスパーピック190(ビックケミー社製)を46gと1NのNaOH水溶液を100g添加し、酢酸銀が完全に溶解するまで攪拌した。ここに、ヒドロキシルアセトン500gを添加し、30分間攪拌を続け、黄色を呈する銀微粒子溶液を得た。この粒子は400nmに高い吸収を有し、電子顕微鏡観察から、平均粒子径30nmの球形粒子であることがわかった。この銀微粒子を限外ろ過することによって濃縮した後エタノールに溶解させ、固形分重量が8質量%となるよう調製した。全固形分重量中に占める銀固形分濃度は68.5質量%であった。この銀微粒子分散液をブランソン社製 ソニファー(Sonifier)II型超音波ホモジナイザーを用いて20kHzの超音波を5分間照射した。その後、ブランソン社製モデル(Model)2000bdc−h 40:0.8型超音波ホモジナイザーで40kHzの超音波を10分間照射した。超音波照射の間は、試料液が25℃に維持されるよう、ヤマト科学社製クールニクスCTW400Sにより冷却した。得られた試料液中の銀微粒子は、体積平均粒径 150nm、算術標準偏差62nmであった。
原料金属化合物溶液として、反応容器内に入れた純水1800g中に酢酸銀60gを添加し、攪拌した。さらに、市販のディスパーピック190(ビックケミー社製)を46gと1NのNaOH水溶液を100g添加し、酢酸銀が完全に溶解するまで攪拌した。ここに、ヒドロキシルアセトン500gを添加し、30分間攪拌を続け、黄色を呈する銀微粒子溶液を得た。この粒子は400nmに高い吸収を有し、電子顕微鏡観察から、平均粒子径30nmの球形粒子であることがわかった。この銀微粒子を限外ろ過することによって濃縮した。これをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分重量が8質量%となるよう調製した。この銀微粒子分散液をブランソン社製 ソニファー(Sonifier)II型超音波ホモジナイザーを用いて20kHzの超音波を5分間照射した。その後、ブランソン社製モデル(Model)2000bdc−h 40:0.8型超音波ホモジナイザーで40kHzの超音波を 10分間照射した。超音波照射の間は、試料液が 25 ℃に維持されるよう、ヤマト科学社製クールニクスCTW400により冷却した。しかし、得られた試料液中の銀微粒子は、凝集がひどく分散状態を保っていなかったため、評価することができなかった。
Claims (16)
- 窒素原子または硫黄原子を含有する化合物を溶解させた溶液中で調製した金属微粒子液のpHを変えることによって金属微粒子を凝集沈降させた後、任意の溶媒中に再分散する工程を有することを特徴とする金属微粒子分散液の製造方法。
- 前記化合物は分子中に酸性基を含むことを特徴とする請求項1に記載の金属微粒子分散液の製造方法。
- 前記化合物の酸性基が、カルボキシル基であることを特徴とする、請求項2に記載の金属微粒子分散液の製造方法。
- 前記化合物の酸価が60〜300mgKOH/gであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属微粒子分散液の製造方法。
- 前記化合物は、重量平均分子量が1000以上の重合体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の金属微粒子分散液の製造方法。
- さらに、前記任意の溶媒に再分散させる時に20KHz以上の超音波を印加することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の金属微粒子分散液の製造方法。
- 前記金属微粒子液中の金属固形分が全固形分の80質量%以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の金属微粒子分散液の製造方法。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の金属微粒子分散液の製造方法により得られる金属微粒子分散液を少なくとも含む着色組成物であって、前記溶媒としてSP値が25.8MPa1/2以下の有機溶媒を用い、かつ金属固形分が全固形分の80質量%以上として得られた金属微粒子分散液を少なくとも含むことを特徴とする着色組成物。
- 請求項8に記載の着色組成物を用いてなる表示装置用着色膜形成用インク。
- 支持体上に少なくとも感光性転写層を設けた感光性転写材料であって、前記感光性転写層が請求項8に記載の着色組成物によって形成されることを特徴とする感光性転写材料。
- 請求項8に記載の着色組成物を用いて作製される表示装置用遮光画像を有することを特徴とする遮光画像付き基板。
- 請求項10に記載の感光性転写材料を用いて作製される表示装置用遮光画像を有することを特徴とする遮光画像付き基板。
- 請求項8に記載の着色組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルター。
- 請求項13に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示素子。
- 請求項11または12に記載の遮光膜付き基板を有することを特徴とする液晶表示素子。
- 請求項14または15に記載の液晶表示素子を用いて作製したことを特徴とする液晶表示装置。
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