JP2007112982A - インクジェット用インク、インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも水、有機溶媒と、高分子化合物とを含有するインクジェット用インクにおいて、該高分子化合物の少なくとも1種が、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であって、かつ該高分子化合物はインク中で溶解した状態で存在しており、さらに、インク全量に対する該高分子化合物の含有率と同量になるように該高分子化合物を水と混合したとき、該高分子化合物は水に完全に溶解しないことを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし
Description
B.インク中で溶解状態で存在していること
C.インク中における該高分子化合物の含有率と同量になる条件で、該高分子化合物を水と混合したとき、該高分子化合物は水に完全に溶解しないこと
2.前記側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物の親水性主鎖は、ポリ酢酸ビニルのケン化物であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット用インク。
本発明に係る架橋性高分子化合物をインクに適用することにより、様々な種類の記録媒体への安定した印字適性を付与でき、形成した画像のフェザリング耐性、ビーディング耐性、ブリード耐性に優れ、かつ記録媒体への接着性が高く、印字品質の高いインクジェット用インクが得られる。
親水性主鎖については、主鎖をポリ酢酸ビニルのケン化物とすることにより、側鎖の導入が簡便となり、また取り扱い性も向上する。主鎖の重合度は200以上、2000以下の範囲が好ましいが、本発明の目的効果を十分に発揮できる観点からは、重合度が200以上、500以下であることが特に好ましい。重合度が200以上であれば、架橋反応時の適度の粘度上昇を付与することができ、後述するカラーブリードやビーディングを十分に防止することができる。また、重合度が2000以下であれば、インクに添加した際の粘度の上昇を抑制でき、良好な出射安定性を得ることができる。
Poly−{(X1)m−〔B−(Y1)n〕p}
式中、Polyは親水性主鎖を表す。ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体が好ましい。
1.側鎖構造の親水化もしくは側鎖変性率の低下により、架橋性高分子化合物の親水性を高める方法
2.架橋性高分子化合物を可溶化させる溶媒を用いる方法
の二つが挙げられる。
架橋性高分子化合物を可溶化させる溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環化合物(例えば、2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。
架橋性高分子化合物をインクに溶解させるには、その主鎖、側鎖の構造にもよるが、側鎖の変性率をおよそ0.8モル以上、4モル%以下とすることが好ましい。変性率を0.8モル%以上とすることにより、カラーブリードが十分に防止可能なインクとしやすく、4モル%以下とすることにより、架橋性高分子化合物を溶解させるために必要な溶媒が過剰に多くならない傾向があるため、インクの他の物性(例えば粘度、表面張力等)を調節しやすくなる。
本発明において、重合型の側鎖を有する架橋性高分子化合物を用いる場合、光重合開始剤や増感剤を添加するのが好ましい。これらの化合物は、溶媒に溶解または分散した状態で含有されているか、架橋性高分子化合物に対して化学的に結合されていてもよい。
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、染料または顔料を用いることができる。
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
また、本発明のインクジェット用インクでは、顔料として自己分散顔料を用いることもできる。自己分散顔料とは、分散剤なしで分散が可能な顔料を指し、特に好ましくは、表面に極性基を有している顔料粒子である。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
顔料分散体の調製において、必要に応じて、顔料分散剤として界面活性剤、高分子分散剤を含有させてもよい。界面活性剤、高分子分散剤の種類は特に制限されないが、界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤を挙げることができ、また、高分子分散剤としては、吐出安定性の観点から水溶性樹脂を用いることが好ましく、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができ、更に詳しくは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
上記の各高分子分散剤のインク全量に対する添加量としては、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。これらの高分子分散剤は、2種以上併用することも可能である。
顔料粒子の粒径には、電子顕微鏡で粒子を直接観察することで得られる粒径(一次粒径)と、光散乱を利用した粒径測定装置を利用した分散粒径(二次粒径)、固有粘度から求める粘度換算粒径がある。
本発明のインクジェット用インクセットは、2種以上のインクジェット用インクから構成され、該インクジェット用インクの少なくとも1種が、本発明のインクジェット用インクであることを特徴とする。
本発明のインクジェット用インクセットにおいては、好ましくは少なくとも一色以上のインクにおいて、少なくとも二つの濃度の異なる同色のインクから構成されるインクジェット用インクセットを用いることが望ましい。更に、二色以上のインクにおいて、少なくとも二つの濃度の異なる同色のインクから構成されるインクジェット用インクセットを用いることがより好ましく、特に、三色以上のインクにおいて、少なくとも二つの濃度の異なる同色のインクから構成されるインクジェット用インクセットを用いることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクセットにおいては、上記の有色顔料に加えて、白色顔料を含有する白色インクを用いても良い。用いられる白色顔料は、インクジェット用インクを白色にするものであればよく、例えば、無機白色顔料や有機白色顔料、白色の中空ポリマー微粒子を挙げることができる。
本発明のインクジェット用インクセットにおいては、実質的に色材を含まない無色インク(透明インクともいう)を併用することもできる。
本発明のインクには、必要に応じて、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
本発明のインクジェット用インクにおいては、ラテックスをインク中に加えてもよい。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、また乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、サーマル型インクジェットプリンターに用いても良い。このとき、コゲーションを呼ばれるヘッドの目詰まりを解決するために、特開2001−81379号に開示されている(M1)2SO4、CH3COO(M1)、Ph−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1)I、(M1)2SO3及び(M1)2CO3から選ばれる塩を加えても良い。ここでM1は、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表わし、Phはフェニル基を表わす。上記のアルカリ金属としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。又、有機アンモニウムとしては、例えば、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリヒドロキシメチルアミン、ジヒドロキシメチルアミン、モノヒドロキシメチルアミン、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、N−メチルモノエタノールアンモニウム、N−メチルジエタノールアンモニウム、モノプロパノールアンモニウム、ジプロパノールアンモニウム、トリプロパノールアンモニウム等が挙げられる。
本発明のインクジェット用インクには、架橋剤を含有させてもよい。架橋剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬、ホウ酸またはその塩等が挙げられる。
本発明のインクジェット用インクでは、従来インクジェット用インクで公知の退色防止剤を用いることができる。この退色防止剤は、光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOxなどの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。そのような退色防止剤としては、例えば、特開昭57−74192号、同57−87989号および同60−72785号に記載の酸化防止剤、特開昭57−74193号に記載の紫外線吸収剤、特開昭61−154989号に記載のヒドラジド類、特開昭61−146591号に記載のヒンダードアミン系酸化防止剤、特開昭61−177279号に記載の含窒素複素環メルカプト系化合物、特開平1−115677号および同1−36479号に記載のチオエーテル系酸化防止剤、特開平1−36480号に記載の特定構造のヒンダードフェノール系酸化防止剤、特開平7−195824号および同8−150773号に記載のアスコルビン酸類、特開平7−149037号に記載の硫酸亜鉛、特開平7−314882号に記載のチオシアン酸塩類など、特開平7−314883号に記載のチオ尿素誘導体など、特開平7−276790号および同8−108617号に記載の糖類、特開平8−118791号に記載のリン酸系酸化防止剤が、特開平8−300807号に記載の亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩などが、また、特開平9−267544号に記載のヒドロキシルアミン誘導体等を退色防止剤として挙げることができる。更に、特開2000−263928号等に記載のジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンの重縮合物なども、インクジェットにおける有効な退色防止剤の一つである。
本発明のインクジェット用インクでは、pHバッファ剤をインク中に添加してもよい。例えば、有機酸や無機酸である。有機酸としては、例えば、非揮発性のフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、安息香酸、セバチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、蓚酸、ポリアクリル酸、ベンジル酸等各種の有機酸を挙げることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、消泡剤を添加することができ、消泡剤としては特に制限なく、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば、信越シリコーン社製のKF96、66、69、KS68、604、607A、602、603、KM73、73A、73E、72、72A、72C、72F、82F、70、71、75、80、83A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限はないが、本発明のインク中に、0.001〜2質量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明のインクジェット用インクの調製については、特に制限は無いが、顔料、分散染料、無機微粒子、樹脂微粒子等の分散物を含むインクの調製を行なう場合、調製過程での凝集、沈降が生じないようにインクを調製することが好ましい。必要に応じて、分散体、溶媒、水、感光性樹脂及びその他の添加物の添加順序、添加速度を調節する等の調合方法を取ることができる。また、調合中もしくは調合後のインクについて、分散の安定化、調合時に生じた凝集を再分散すること等を目的として、ビーズミルや超音波による分散処理、加熱処理等を行っても良い。
(粘度)
本発明のインクジェット用インクの粘度は、特に制限はないが、25℃において、2mPa・s以上、15mPa・s以下であることが好ましい。また、本発明のインクジェット用インクの粘度は、シェアレート依存性がない方が好ましい。
また、本発明のインクジェット用インクにおいては、表面張力が35mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは20〜35mN/mである。
本発明のインクジェット用インク中の溶存酸素濃度は、2ppm以下であることが好ましく、より好ましくは1ppm以下である。インクジェットインク中の溶存酸素濃度が2ppm以下であると、インク吐出時にキャビテーションが発生しにくくなり、良好な出射性のインクとしやすい。
本発明のインクジェット記録方法で適用可能な記録媒体としては、各種紙、各種フィルム、各種布、各種木材、各種インクジェット用記録媒体等が使用できるが、記録媒体が、印刷用塗工紙または非吸収性記録媒体であることが好ましい。
印刷用塗工紙とは、印刷でしばしば用いられる塗工紙であり、一般的には上質紙や中質紙を原紙とし、紙の表面に白土等の顔料を塗布した後、平滑性を高めるためにカレンダー処理をかけて作製される。このような処理により、白色度や平滑性、印刷インクの受理性、あるいは網点再現性、印刷光沢、印刷不透明度などが向上する。塗工量により、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の分類があり、また、紙の光沢によりグロス系、ダル系、マット系等に分類される。
非吸収性記録媒体としては、一般的に使用されている各種フィルム等はすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
本発明のインクジェット記録方法では、本発明のインクジェット用インク、あるいはインクジェット用インクセットを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射してインクを硬化させた後、乾燥させることを特徴とする。
(活性エネルギー線)
本発明でいう活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明のインクジェット記録方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法では、記録媒体上へ吐出したインクジェット用インクに活性エネルギー線を照射して硬化させた後、不要の水溶性有機溶媒等を除去する目的で乾燥を行う。
本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクジェットプリンターで用いる部材としては、活性光線、例えば、紫外線の乱反射によるヘッド面への照射を防ぐために、活性エネルギー線に対する透過率や反射率が低い物が好ましい。
本発明で用いることのできるインクジェットプリンターとしては、例えば、画像形成が水平に配設され、上面で所定範囲の記録媒体の裏面(画像形成面の側と反対側となる面)を吸引装置の駆動により吸引して支持するプラテンと、記録媒体に向けてインクをノズルの吐出口から吐出する記録ヘッドと、これら記録ヘッドと活性光線を備えた照射手段を搭載し、画像形成時に走査方向に移動するキャリッジと、キャリッジに搭載されるとともに当該キャリッジを駆動するための駆動回路基板と、走査方向に沿って延在してキャリッジの移動を案内する案内部材と、走査方向に沿って延在し、その長手方向に、光学パターンが配設されたリニアスケールと、キャリッジに搭載されるとともにリニアスケールに配設された光学パターンを読み取ってクロック信号として出力するリニアエンコーダセンサとを備えて構成されている装置が挙げられる。
使用する記録ヘッド(インクジェットプリントヘッド)は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができる。好ましくは電気−機械変換方式であるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
〔架橋性高分子化合物1の調製〕
ポリアクリル酸(重合度600)100gを750gのエタノールに加熱溶解させた後、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルを3.4g(ポリアクリル酸に対する変性率は1.2モル%に相当)と触媒としてピリジンを11g加え、60℃に保ちながら24時間攪拌した。更に、この溶液の温度を95℃に上げ、水を滴下しながらエタノールを留去した後、イオン交換樹脂(三菱化学社製:PK−216H)処理を行い、ピリジンを除去して不揮発性分濃度が15%の水溶液を得た。ここに、光重合開始剤としてイルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を、上記15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水により希釈して、架橋性高分子化合物1の10質量%水溶液を得た。架橋性高分子化合物1は、親水性主鎖であるポリアクリル酸に複数の側鎖を有しており、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物である。
上記架橋性高分子化合物1の調製において、ポリアクリル酸の重合度を400、ポリアクリル酸に対する4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルの変性率を4モル%に変更した以外は同様にして、架橋性高分子化合物2の10質量%水溶液を得た。架橋性高分子化合物2は、親水性主鎖であるポリアクリル酸に複数の側鎖を有しており、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物である。
上記架橋性高分子化合物1の調製において、ポリアクリル酸の重合度を600、ポリアクリル酸に対する4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルの変性率を4モル%に変更した以外は同様にして、架橋性高分子化合物3の10質量%水溶液を得た。架橋性高分子化合物3は、親水性主鎖であるポリアクリル酸に複数の側鎖を有しており、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物である。
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80度の湯浴中で8時間攪拌した。室温まで冷却した後、5質量%炭酸ナトリウム水溶液100gを加えて1時間攪拌し、酢酸エチルにより抽出した。酢酸エチルをエバポレーターにより留去し、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを得た。
上記架橋性高分子化合物4の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を300、ケン化率を98%、ポリビニルアルコールに対するp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの変性率を3モル%に変更した以外は同様にして、架橋性高分子化合物5の15質量%水溶液を得た。架橋性高分子化合物5は、親水性主鎖であるポリ酢酸ビニルのケン化物に複数の側鎖を有しており、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物である。
上記架橋性高分子化合物4の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を500、ケン化率を98%、ポリビニルアルコールに対するp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの変性率を1モル%に変更した以外は同様にして、架橋性高分子化合物6の15質量%水溶液を得た。架橋性高分子化合物6は、親水性主鎖であるポリ酢酸ビニルのケン化物に複数の側鎖を有しており、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物である。
上記架橋性高分子化合物4の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を300、ケン化率を98%、ポリビニルアルコールに対するp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの変性率を2モル%に変更した以外は同様にして、架橋性高分子化合物7の15質量%水溶液を得た。架橋性高分子化合物7は、親水性主鎖であるポリ酢酸ビニルのケン化物に複数の側鎖を有しており、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物である。
上記架橋性高分子化合物4の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を300、ケン化率を98%に変更し、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドに変えて4−(4−ホルミルフェニルエテニル)−1−メチルピリジニウムメトサルフェート(昭和化工社製)を用い、ポリビニルアルコールに対する変性率を2モル%に変更した以外は同様にして、架橋性高分子化合物8の15質量%水溶液を得た。架橋性高分子化合物8は、親水性主鎖であるポリ酢酸ビニルのケン化物に複数の側鎖を有しており、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物である。
従来公知のUVインクに用いられる活性エネルギー線反応性化合物である新中村化学工業(株)製のA−200を反応性化合物A、新中村化学工業(株)製のA−TMPT−3EOを反応性化合物Bとして使用した。
〔インクセット1の調製〕
下記の方法に従って、イエローインク1、マゼンタインク1、シアンインク1、ブラックインク1から構成されるインクセット1を調製した。
下記の各添加剤を順次混合し、ビーズミルを用いて分散した後、#3000の金属メッシュフィルターでろ過してイエローインク1を調製した。
プロピレングリコール 40部
オルフィンE1010(日信化学工業社製) 0.5部
顔料:Cab−O−Jet270(キャボット社製 イエロー自己分散顔料)
固形分として3部
防黴剤:Proxel GXL(アビシア社製) 0.3部
以上の各添加物にイオン交換水を加え、100部に仕上げた。
上記イエローインク1の調製において、顔料をCab−O−Jet270に代えて、それぞれCab−O−Jet260(キャボット社製 マゼンタ自己分散顔料)、Cab−O−Jet250(キャボット社製 シアン自己分散顔料)、Cab−O−Jet300(キャボット社製 ブラック自己分散顔料)を用いた以外は同様にして、マゼンタインク1、シアンインク1、ブラックインク1を調製した。
上記インクセット1の調製において、各色インクの架橋性高分子化合物、反応性化合物の種類及び添加量、水溶性有機溶媒の種類及び添加量を、表1に記載の条件に変更した以外は同様にして、インクセット2〜18を調製した。
EG:エチレングリコール
DEG:ジエチレングリコール
PG:プロピレングリコール
Gly:グリセリン
PDO:1,3−プロパンジオール
HDO:1,2−ヘキサンジオール
TEGBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
DPGME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
MP:N−メチル−2−ピロリドン
PRY:2−ピロリジノン
〈界面活性剤〉
オルフィンE1010:アセチレノール系界面活性剤、日信化学工業社製
BYK347:ポリシロキサン系界面活性剤、ビックケミー社製
表1に記載の各インクセットについて、顔料を水に置き換えた模擬インクをそれぞれ調製し、インクにおける架橋性高分子化合物、反応性化合物の溶解性を評価した。また、表1に記載のインクについて、架橋性高分子化合物や反応性化合物以外の溶媒、顔料、その他添加剤を全て水に置き換えた架橋性高分子化合物または反応性化合物の水溶液を調製し、水に対する各架橋性高分子化合物、反応性化合物の溶解性についても評価した。
未溶解:白濁もしくは沈殿物の存在が確認された
《画像の形成》
ノズル口径23μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、最小液適量3pL、ノズル密度180dpi(なお、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、ピエゾ型ヘッドの両端に120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を配置し、最大記録密度が1440×1440dpiであるオンデマンド型インクジェットプリンタを用意した。メタルハライドランプを照射しながら、インクセット1〜12の各インクセットを吐出し、王子製紙(株)社製のアート紙、SA金藤Nに10cm×10cmの各色ベタ画像、およびYMCK各色が隣接するウェッジ画像を記録した。画像記録後、ドライヤーにより1分間温風乾燥した後、24時間自然乾燥した。
上記方法にて形成したインクセット1〜12より得られた各画像を、下記の方法に従って、各評価を行った。いずれも○以上の性能を許容レベルとした。
上記作成したウェッジ画像を目視観察し、下記の基準に従いカラーブリード耐性を評価した。
△:中濃度部〜高濃度部において、色間の境界で若干滲みが生じている
×:画像全域にわたって、色間の境界で滲みが生じている
(バンディング耐性の評価)
上記作成した各色ベタ画像を目視観察し、下記の基準に従ってバンディング耐性の評価を行った。
△:各色ベタ画像にバンディングが発生しており、インク着弾精度は不良である
×:各色ベタ画像にバンディングが多発しており、インク着弾精度は著しく不良である −:ビーディング(インクあふれによるまだら)が発生しており、評価不能である
《出射安定性の評価》
画像形成に使用したインクジェットヘッド、および特開2002−363469号公報の図2に記載のストロボ発光方式のインク飛翔観察装置を用いて、吐出周期と発光周期を同期させCCDカメラによりインク飛翔状態をモニターし、下記基準に従って、インクの出射安定性を評価した。
○:インク液滴はほぼ正常に射出されているが、わずかに斜め出射が生じている液滴が1〜2個見られる
△:インク液滴の射出に異常が見られ、斜め出射、速度のバラつきが生じている液滴がある
×:インク液滴の射出に多くの異常が見られ、斜め出射、速度のバラつきが生じている液滴が多くみられる
《間欠出射性の評価》
室温25℃、湿度55%の環境にて、画像形成に使用したインクジェットヘッドにより各インクを1分間連続出射した後に出射を停止し、1分後に出射を再開して、インクの飛翔状態を観察した。インク飛翔観察装置は前記出射安定性評価と同様の装置を使用し、下記基準に従って、インクの間欠出射性を評価した。
○:出射再開後も全てのノズルから液滴が射出されているが、いくつかのノズルで斜め出射や速度のバラつきが生じている
△:出射再開後、いくつかのノズルから液滴が射出されていない
×:出射再開後、過半数のノズルから液滴が射出されていない
以上により得られた結果を、表2に示す。
Claims (12)
- 少なくとも水、有機溶媒と、高分子化合物とを含有するインクジェット用インクにおいて、該高分子化合物の少なくとも1種が、下記A〜Cの要件を全て満たす化合物であることを特徴とするインクジェット用インク。
A.親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合が可能な高分子化合物であること
B.インク中で溶解状態で存在していること
C.インク中における該高分子化合物の含有率と同量になる条件で、該高分子化合物を水と混合したとき、該高分子化合物は水に完全に溶解しないこと - 前記側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物の親水性主鎖は、ポリ酢酸ビニルのケン化物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 前記側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物の親水性主鎖に対する側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4.0モル%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
- 前記側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物の親水性主鎖の重合度が、200以上、500以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物の含有量が、0.8質量%以上、5質量%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記有機溶媒の少なくとも1種が、炭素数4〜7の1,2−アルカンジオールまたは多価アルコールエーテル類または複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記有機溶媒の少なくとも1種が、複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 2種以上のインクジェット用インクから構成され、該インクジェット用インクの少なくとも1種が、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット用インクセット。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項8に記載のインクジェット用インクセットを構成するインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体が、印刷用塗工紙であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体が、非吸収性記録媒体であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録方法。
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