JP2007112894A - エチレン系樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐折曲げ性、柔軟性、流動性に優れるエチレン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)からなるエチレン系樹脂組成物であって、成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の合計を100重量%としたとき、成分(イ)の含有量が5〜39重量%であり、成分(ロ)の含有量が1〜20重量%であり、成分(ハ)の含有量が60〜90重量%であり、成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の合計100重量部に対して、成分(ニ)の含有量が0.2〜3重量部であるエチレン系樹脂組成物。
(イ)エチレン系樹脂
(ロ)粘着付与樹脂および/またはオイル
(ハ)無機充填材
(ニ)炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩
【選択図】なし
【解決手段】下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)からなるエチレン系樹脂組成物であって、成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の合計を100重量%としたとき、成分(イ)の含有量が5〜39重量%であり、成分(ロ)の含有量が1〜20重量%であり、成分(ハ)の含有量が60〜90重量%であり、成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の合計100重量部に対して、成分(ニ)の含有量が0.2〜3重量部であるエチレン系樹脂組成物。
(イ)エチレン系樹脂
(ロ)粘着付与樹脂および/またはオイル
(ハ)無機充填材
(ニ)炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩
【選択図】なし
Description
本発明は、耐折曲げ性、柔軟性、流動性に優れるエチレン系樹脂組成物に関するものである。
床タイル、カーペットバッキング、壁紙等の建装材や、電線の被覆材等の材料には、従来の塩化ビニル樹脂組成物に代えて、オレフィン系樹脂からなる組成物が用いられている。例えば、特許文献1には、エチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とするオレフィン系樹脂と、金属水和物とを含有するオレフィン系樹脂組成物が記載されている。また、特許文献2には、非晶性オレフィン系重合体、エチレン樹脂、粘着付与樹脂、オイル、無機充填材を含有するオレフィン系樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の組成物では、板状の成形体としたときの繰り返しの折り曲げに対して破断しにくい性質(以下、「耐折曲げ性」という)や柔軟性において充分でなく、また、特許文献2に記載の組成物では、耐折曲げ性と柔軟性については優れるものの、流動性においては、さらなる改良が求められていた。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題、すなわち本発明の目的は、耐折曲げ性、柔軟性、流動性に優れるエチレン系樹脂組成物を提供することにある。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題、すなわち本発明の目的は、耐折曲げ性、柔軟性、流動性に優れるエチレン系樹脂組成物を提供することにある。
すなわち、本発明の第一は、下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)からなるエチレン系樹脂組成物であって、成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の合計を100重量%としたとき、成分(イ)の含有量が5〜39重量%であり、成分(ロ)の含有量が1〜20重量%であり、成分(ハ)の含有量が60〜90重量%であり、成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の合計100重量部に対して、成分(ニ)の含有量が0.2〜3重量部であるエチレン系樹脂組成物に係るものである。
(イ)エチレン系樹脂
(ロ)粘着付与樹脂および/またはオイル
(ハ)無機充填材
(ニ)炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩
また、本発明の第二は、上記エチレン系樹脂組成物からなる建装材に係るものである。
さらに、本発明の第三は、上記エチレン系樹脂組成物からなる被覆材を用いた電線に係るものである。
(イ)エチレン系樹脂
(ロ)粘着付与樹脂および/またはオイル
(ハ)無機充填材
(ニ)炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩
また、本発明の第二は、上記エチレン系樹脂組成物からなる建装材に係るものである。
さらに、本発明の第三は、上記エチレン系樹脂組成物からなる被覆材を用いた電線に係るものである。
本発明によれば、耐折曲げ性、柔軟性、流動性に優れるエチレン系樹脂組成物が提供される。本発明のエチレン系樹脂組成物は、難燃性、重量感、風合い等にも優れるため、床タイル、カーペットバッキング、ノンハロゲン系難燃被覆材を用いた電線等の用途に好適に使用できる。
本発明の成分(イ)は、エチレン系樹脂である。エチレン系樹脂とは、エチレンに由来する単量体単位を主成分として含有する樹脂であり、例えば、エチレンの単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体等が挙げられる。また、共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和化合物とエチレンとα−オレフィンとの共重合体も挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。エチレン系樹脂の中でも、エチレンと1種類以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。該α−オレフィンとしては、炭素原子数3〜12のα−オレフィンが好ましく、具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
エチレン系樹脂の密度は、好ましくは870〜900kg/m3であり、より好ましくは875〜895kg/m3である。ここでいう密度とは、JIS K6760−1981に規定された方法により、アニール無しで測定される。
エチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは1〜200g/10分であり、より好ましくは5〜70g/10分であり、さらに好ましくは20〜50g/10分である。ここでいうメルトフローレートとは、JIS K7210(1995)に規定された方法によって、試験荷重21.18N、試験温度190℃の条件で測定された値である。
エチレン系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比は、エチレン系樹脂組成物の強度をより高める観点から、好ましくは1.8〜3.5であり、より好ましくは1.8〜2.5であり、最も好ましくは1.8〜2.2である。
エチレン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン錯体や非メタロセン錯体等の錯体系触媒を用いた、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、気相重合法、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法、溶液重合法等により製造される。なかでも、エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒や錯体系触媒を用いて、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、気相重合法によって製造されるものが好ましく、特にメタロセン触媒の存在下に製造されるものが好ましい。該メタロセン触媒は、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を含む触媒であり、該遷移金属化合物は、通常、一般式MLaXn-a(式中、Mは元素の周期律表の第4族またはランタナイド系列の遷移金属原子である。aは0<a≦nなる整数であり、nは遷移金属原子Mの原子価を表す。Lはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、少なくとも一つはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である。複数のLは互いに架橋していてもよい。Xはハロゲン原子、水素または炭素原子数1〜20の炭化水素基である。)で表され、単独または2種類以上を併用することができる。さらに、該メタロセン触媒はこの遷移金属化合物に、アルモキサン化合物を含む有機アルミニウム化合物、および/またはトリチルボレート、アニリニウムボレート等のイオン性化合物、および/またはSiO2やAl2O3等の無機担体、ポリエチレンやポリスチレン等の有機ポリマー担体を含む粒子状担体を組み合わせて用いられる。
本発明の成分(ロ)は、粘着付与樹脂および/またはオイルである。
粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂およびイソプレン系樹脂からなる群から選ばれ得る少なくとも1種の樹脂を挙げることができる。本発明に用いられるロジン系樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、部分および完全水添ロジン、これら各種ロジンのエステル化物(グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステル、メチルエステル等)、不均化物、フマル化物、ライム化物またはこれらを併用したロジン誘導体が挙げられる。ポリテルペン系樹脂としては、環状テルペン(α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等)の単独重合体または共重合体、および上記の各種のテルペンとフェノール系化合物(フェノール、ビスフェノール等)との共重合体であるα−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂、テルペン−ビスフェノール樹脂等のテルペン−フェノール系樹脂、さらには上記各種テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂が挙げられる。合成石油樹脂としては、ナフサ分解油(C5留分、C6〜C11留分、その他オレフィン系留分等)の単独重合体または共重合体およびこれら重合体の水添物である脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族−脂環式共重合樹脂等が挙げられる。さらに、上記の各種のナフサ分解油と前記の各種テルペンとの共重合体やその水添物である共重合系石油樹脂等も挙げられる。ここでナフサ分解油のC5留分としては、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン等のメチルブテン類、1−ペンテン、2−ペンテン等のペンテン類、ジシクロペンタジエン等が好ましく、C6〜C11留分としてはインデン、スチレン、o−、m−、p−ビニルトルエン、α−、β−メチルスチレン等のメチルスチレン類、メチルインデン、エチルインデン、ビニルキシレン、プロペニルベンゼン等が好ましく、その他オレフィン系留分としてはブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエン、オクタジエン等が好ましい。フェノール系樹脂としては、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂、およびこれらの変性物が挙げられる。ここで、これらフェノール系樹脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂、アルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。キシレン系樹脂としては、m−キシレンとホルムアルデヒドから成るキシレン−ホルムアルデヒド樹脂、これに第3成分を添加、反応させた変性樹脂等が挙げられる。スチレン系樹脂としては、ポリスチレンの低分子量重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合樹脂、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合樹脂等が挙げられる。イソプレン系樹脂としては、イソプレンの二量化物であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物を共重合して得られる樹脂等が挙げられる。上記各種粘着性付与樹脂のなかで、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂が好ましく、これらのなかで、脂肪族および/または脂環式構造を有するものがより好ましい。ここで脂肪族および/または脂環式構造を有する粘着性付与樹脂として特に好ましいものとして、ロジン系樹脂では部分および完全水添ロジンとそれらの誘導体、ポリテルペン系樹脂では環状テルペンの単独重合体または共重合体、合成石油樹脂では脂肪族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族−脂環式共重合樹脂、ナフサ分解油と各種テルペンとの共重合体の水添物が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で、または2種以上を併用して用いられる。
粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂およびイソプレン系樹脂からなる群から選ばれ得る少なくとも1種の樹脂を挙げることができる。本発明に用いられるロジン系樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、部分および完全水添ロジン、これら各種ロジンのエステル化物(グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステル、メチルエステル等)、不均化物、フマル化物、ライム化物またはこれらを併用したロジン誘導体が挙げられる。ポリテルペン系樹脂としては、環状テルペン(α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等)の単独重合体または共重合体、および上記の各種のテルペンとフェノール系化合物(フェノール、ビスフェノール等)との共重合体であるα−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂、テルペン−ビスフェノール樹脂等のテルペン−フェノール系樹脂、さらには上記各種テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂が挙げられる。合成石油樹脂としては、ナフサ分解油(C5留分、C6〜C11留分、その他オレフィン系留分等)の単独重合体または共重合体およびこれら重合体の水添物である脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族−脂環式共重合樹脂等が挙げられる。さらに、上記の各種のナフサ分解油と前記の各種テルペンとの共重合体やその水添物である共重合系石油樹脂等も挙げられる。ここでナフサ分解油のC5留分としては、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン等のメチルブテン類、1−ペンテン、2−ペンテン等のペンテン類、ジシクロペンタジエン等が好ましく、C6〜C11留分としてはインデン、スチレン、o−、m−、p−ビニルトルエン、α−、β−メチルスチレン等のメチルスチレン類、メチルインデン、エチルインデン、ビニルキシレン、プロペニルベンゼン等が好ましく、その他オレフィン系留分としてはブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエン、オクタジエン等が好ましい。フェノール系樹脂としては、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂、およびこれらの変性物が挙げられる。ここで、これらフェノール系樹脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂、アルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。キシレン系樹脂としては、m−キシレンとホルムアルデヒドから成るキシレン−ホルムアルデヒド樹脂、これに第3成分を添加、反応させた変性樹脂等が挙げられる。スチレン系樹脂としては、ポリスチレンの低分子量重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合樹脂、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合樹脂等が挙げられる。イソプレン系樹脂としては、イソプレンの二量化物であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物を共重合して得られる樹脂等が挙げられる。上記各種粘着性付与樹脂のなかで、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂が好ましく、これらのなかで、脂肪族および/または脂環式構造を有するものがより好ましい。ここで脂肪族および/または脂環式構造を有する粘着性付与樹脂として特に好ましいものとして、ロジン系樹脂では部分および完全水添ロジンとそれらの誘導体、ポリテルペン系樹脂では環状テルペンの単独重合体または共重合体、合成石油樹脂では脂肪族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族−脂環式共重合樹脂、ナフサ分解油と各種テルペンとの共重合体の水添物が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で、または2種以上を併用して用いられる。
オイルとしては特に制限はなく、例えば通常のゴムに用いられるパラフィン油、ナフテン油、アロマ油等の鉱物油、ナシ油等の植物油等が挙げられる。
本発明の成分(ハ)は、無機充填材である。本発明で使用する無機充填材としては、通常用いられる無機充填材が使用でき、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アルミン酸カルシウム、カオリンクレー、硫酸カルシウム等が挙げられる。また、ウォラストナイト等の繊維型フィラーでもよい。これらの中でも炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種の無機充填材が好ましく、その中でも、難燃性の壁紙、電線用としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが、床材用としては炭酸カルシウムがより好ましい。なお、無機充填剤の表面を、樹脂成分への分散性、機械的強度の向上、耐摩耗性、耐炭酸ガス白化性、耐湿性、耐油性、耐化学薬品性、加工性等を付与するために脂肪酸またはその金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤およびアルミニウムカップリング剤から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤で処理したものを使用することができる。
本発明の成分(ニ)は、炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩である。本発明で使用する炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩としては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸等から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸の亜鉛塩および/またはカルシウム塩が挙げられる。なかでもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが好ましい。
上記の成分(イ)〜(ハ)の含有量としては、成分(イ)〜(ハ)の合計を100重量%として、成分(イ)の含有量が5〜39重量%であり、成分(ロ)の含有量が1〜20重量%であり、成分(ハ)の含有量が60〜90重量%であり、好ましくは成分(イ)の含有量が7〜32重量%であり、成分(ロ)の含有量が3〜15重量%であり、成分(ハ)の含有量が65〜78重量%である。
成分(イ)の含有量が過少であると得られるエチレン系樹脂組成物の流動性が劣ることがあり、成分(イ)の含有量が過多であると得られるエチレン系樹脂組成物の耐折曲げ性が劣ることがある。成分(ロ)の含有量が過少であると得られるエチレン系樹脂組成物の耐折曲げ性、柔軟性、流動性が劣ることがあり、成分(ロ)の含有量が過多であると得られるエチレン系樹脂組成物がべたつくことがある。成分(ハ)の含有量が過少であると得られるエチレン系樹脂組成物の重量感、難燃性が劣ることがあり、成分(ハ)の含有量が過多であると得られるエチレン系樹脂組成物の柔軟性、耐折曲げ性、流動性が劣ることがある
成分(イ)の含有量が過少であると得られるエチレン系樹脂組成物の流動性が劣ることがあり、成分(イ)の含有量が過多であると得られるエチレン系樹脂組成物の耐折曲げ性が劣ることがある。成分(ロ)の含有量が過少であると得られるエチレン系樹脂組成物の耐折曲げ性、柔軟性、流動性が劣ることがあり、成分(ロ)の含有量が過多であると得られるエチレン系樹脂組成物がべたつくことがある。成分(ハ)の含有量が過少であると得られるエチレン系樹脂組成物の重量感、難燃性が劣ることがあり、成分(ハ)の含有量が過多であると得られるエチレン系樹脂組成物の柔軟性、耐折曲げ性、流動性が劣ることがある
本発明の成分(ニ)は、炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩である。本発明で使用する炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸等から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸の亜鉛塩および/またはカルシウム塩が挙げられる。中でもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが好ましく、さらには、ステアリン酸亜鉛がより好ましい。
上記の成分(ニ)の含有量としては、成分(イ)〜(ハ)の合計100重量部に対して、成分(ニ)の含有量が0.2〜3重量部であり、好ましくは0.3〜2重量部である。成分(ニ)の含有量が過少であると得られるエチレン系樹脂組成物の流動性、柔軟性が劣ることがあり、成分(ニ)の含有量が過多であると、得られるエチレン系樹脂組成物を成形して、例えば多層積層体とした場合、基材との接着性が劣ることがある。
本発明のエチレン系樹脂組成物のさらなる物性向上を計るため、必要に応じて2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(IRGANOX 1010)やn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(IRGANOX 1076)で代表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトおよびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等で代表されるホスファイト系安定剤、高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステルで代表される滑剤、炭素原子数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル等の帯電防止剤等が添加される。
種々の目的に応じて配合する、安定剤、滑剤、帯電防止剤等の添加剤は、あらかじめ溶融混練したのち、積層体加工に供してもよいし、個々にドライブレンドまたは1種以上のマスターバッチにしてドライブレンド後、積層体加工に供してもよく、いずれの方法を用いてもよい。
本発明のエチレン系樹脂組成物は、公知の成形方法により、単層シート、多層積層体、発泡体等に成形され、内装材や床材等の建装材、電線等の用途として用いられる。
本発明のエチレン系樹脂組成物を用いた内装材としては、壁紙、天井材等が挙げられる。該壁紙は、カレンダー成形法、押出し成型法等により、本発明のエチレン系樹脂組成物と難燃紙等とを貼り合わせることにより作成できる。この際、エチレン系樹脂組成物を発泡させることでさらに良好な風合いを持つ壁紙を作成することができる。さらに耐傷つき性、汚れ防止性等が要求される場合には、表面コート処理や表層に他の樹脂を積層することが好ましい。
本発明のエチレン系樹脂組成物を用いた床材としては、床タイル、長尺床シート、タイルカーペット、自動車用カーペット、幅木材等が挙げられる。床タイルや長尺床シート等において、表面に耐傷つき性、汚れ防止性等が要求される場合には、表面コートや表層に他の樹脂を積層することが好ましい。また、タイルカーペットや自動車用カーペット等は、本発明のエチレン系樹脂組成物をカーペットバッキングとしてカーペットとを貼合することにより製造することができる。
本発明のエチレン系樹脂組成物からなる被覆材を用いた電線としては、ノンハロゲン系難燃剤を添加した被覆材を用いた電線等が好適な用途として挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、物性の評価は、以下の方法により行った。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210(1995)に従い、試験荷重21.18N、試験温度190℃の条件で測定を行った。
(2)密度(d)
150℃でプレス成形して得られた厚さ1mmのシートを用い、JIS K6760
(1981)に従い測定を行った。ただし、アニールせずに測定した。
(3)分子量分布測定
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法を用い、下記の条件により測定を行った。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M 2本
温度:140℃、溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分、試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl、分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(4)曲げ剛性率
厚さが2mmのプレス成形シートから試験片を切り出し、ASTM D747に規定された方法に従い曲げ剛性率を測定した。
(5)引張破断伸び
JIS K6251(1993)に規定された方法に従い、ダンベル形状3号形により引張破断伸びを測定した。引張破断伸びが大きいほど、耐折曲げ性に優れる。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210(1995)に従い、試験荷重21.18N、試験温度190℃の条件で測定を行った。
(2)密度(d)
150℃でプレス成形して得られた厚さ1mmのシートを用い、JIS K6760
(1981)に従い測定を行った。ただし、アニールせずに測定した。
(3)分子量分布測定
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法を用い、下記の条件により測定を行った。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M 2本
温度:140℃、溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分、試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl、分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(4)曲げ剛性率
厚さが2mmのプレス成形シートから試験片を切り出し、ASTM D747に規定された方法に従い曲げ剛性率を測定した。
(5)引張破断伸び
JIS K6251(1993)に規定された方法に従い、ダンベル形状3号形により引張破断伸びを測定した。引張破断伸びが大きいほど、耐折曲げ性に優れる。
実施例に使用した材料は、以下のとおりである。
(1)成分(イ)エチレン系樹脂
住友化学株式会社製「エクセレンFX CX5501」(エチレン−ブテン共重合体、1−ブテン由来単量体単位含有量=20重量%、MFR(190℃)=30g/10分、d=880kg/m3)、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比=1.8)
(2)成分(ロ)粘着付与樹脂
ヤスハラケミカル株式会社製「クリアロンP135」
(3)成分(ロ)オイル
出光興産社製「ダイアナPW90」
(4)成分(ハ)無機充填材
三共精粉株式会社製 炭酸カルシウム「エスカロン200」
(5)成分(ニ)炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩
日東化成株式会社製 ステアリン酸亜鉛
(1)成分(イ)エチレン系樹脂
住友化学株式会社製「エクセレンFX CX5501」(エチレン−ブテン共重合体、1−ブテン由来単量体単位含有量=20重量%、MFR(190℃)=30g/10分、d=880kg/m3)、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比=1.8)
(2)成分(ロ)粘着付与樹脂
ヤスハラケミカル株式会社製「クリアロンP135」
(3)成分(ロ)オイル
出光興産社製「ダイアナPW90」
(4)成分(ハ)無機充填材
三共精粉株式会社製 炭酸カルシウム「エスカロン200」
(5)成分(ニ)炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩
日東化成株式会社製 ステアリン酸亜鉛
実施例および比較例
表1に示した組成の混合物をラボプラストミル(東洋精機(株)製、30C150(R100H))を用い、150℃、60回転/分、10分間の条件で混練してエチレン系樹脂組成物を得た。得られたエチレン系樹脂組成物の物性評価結果を表1に示した。
表1に示した組成の混合物をラボプラストミル(東洋精機(株)製、30C150(R100H))を用い、150℃、60回転/分、10分間の条件で混練してエチレン系樹脂組成物を得た。得られたエチレン系樹脂組成物の物性評価結果を表1に示した。
本発明によれば、耐折曲げ性、柔軟性、流動性に優れるエチレン系樹脂組成物が提供される。本発明のエチレン系樹脂組成物は、難燃性、重量感、風合い等にも優れるため、床タイル、カーペットバッキング、ノンハロゲン系難燃被覆材を用いた電線等の用途に好適に使用できる。
Claims (5)
- 下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)からなるエチレン系樹脂組成物であって、成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の合計を100重量%としたとき、成分(イ)の含有量が5〜39重量%であり、成分(ロ)の含有量が1〜20重量%であり、成分(ハ)の含有量が60〜90重量%であり、成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の合計100重量部に対して、成分(ニ)の含有量が0.2〜3重量部であるエチレン系樹脂組成物。
(イ)エチレン系樹脂
(ロ)粘着付与樹脂および/またはオイル
(ハ)無機充填材
(ニ)炭素原子数8〜20の脂肪酸の金属塩 - 成分(イ)のエチレン系樹脂が、メタロセン触媒を用いて製造されてなり、密度が870〜900kg/m3のエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項1に記載のエチレン系樹脂組成物。
- 成分(ハ)の無機充填材が、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機充填材である請求項1または2に記載のエチレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系樹脂組成物からなる建装材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系樹脂組成物からなる被覆材を用いた電線。
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