JP2007112837A - ハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃棄物をか焼する際において、炉内の温度を適正に保持することにより、所望の生成物を得る。
【解決手段】 廃棄物2を処理炉3内で燃焼させる。このとき、処理炉3の下部から廃棄物へは酸素ポンプ(酸素供給手段)7によって酸素を供給し、処理炉3の上部から廃棄物へはラジオ波発生器(エネルギー補充手段)4によってラジオ波を照射する。炉内の温度は温度センサ5によって測定しており、目標温度となるように酸素供給量やラジオ波照射量を制御している。廃棄物が所望の状態になったかどうかは、比抵抗センサ6により廃棄物の比抵抗を測定することにより知ることができる。本発明によれば、例えば、適正な温度制御をした状態でガス採取管12により採取した煙を冷却することにより、酢液を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 廃棄物2を処理炉3内で燃焼させる。このとき、処理炉3の下部から廃棄物へは酸素ポンプ(酸素供給手段)7によって酸素を供給し、処理炉3の上部から廃棄物へはラジオ波発生器(エネルギー補充手段)4によってラジオ波を照射する。炉内の温度は温度センサ5によって測定しており、目標温度となるように酸素供給量やラジオ波照射量を制御している。廃棄物が所望の状態になったかどうかは、比抵抗センサ6により廃棄物の比抵抗を測定することにより知ることができる。本発明によれば、例えば、適正な温度制御をした状態でガス採取管12により採取した煙を冷却することにより、酢液を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、廃棄物を熱処理することにより該廃棄物から所望の生成物を得るハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置に関する。
従来、廃棄物の熱処理としては、焼却炉によって灰になるまで焼却処理する方法が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平2004−308932号公報
しかしながら、近年、資源保護への関心の高まりから、廃棄物を単に焼却してしまうのではなく、資源として再利用する方法が模索されている。
本発明は、廃棄物を熱処理することにより該廃棄物から所望の生成物を得ることのできるハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、廃棄物(2)を熱処理することにより所望の生成物を得るハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置(1)についてのものであって、図1に例示するように、廃棄物(2)を収容すると共に該廃棄物(2)を熱処理する処理炉(3)と、
該処理炉(3)にエネルギーを補充するエネルギー補充手段(4)と、
該処理炉(3)の上下に亘って複数配置されて廃棄物(2)の温度を測定する温度センサ(5)と、
該処理炉(3)の上下に亘って複数配置されて廃棄物(2)の比抵抗を測定する比抵抗センサ(6)と、
該処理炉(3)に酸素を供給するための酸素供給手段(7)と、
所定の温度となるように少なくとも1つの温度センサ(5)からの信号に基づき前記酸素供給手段(7)による酸素供給量を制御する酸素供給量制御手段(8)と、
所定の温度となるように少なくとも1つの温度センサ(5)からの信号に基づき前記エネルギー補充手段(4)によるエネルギー補充量を制御するエネルギー補充量制御手段(9)と、
少なくとも1つの比抵抗センサ(6)からの信号に基づき前記廃棄物(2)の処理状態を検知する処理状態検知手段(11)と、を備えたことを特徴とする。
該処理炉(3)にエネルギーを補充するエネルギー補充手段(4)と、
該処理炉(3)の上下に亘って複数配置されて廃棄物(2)の温度を測定する温度センサ(5)と、
該処理炉(3)の上下に亘って複数配置されて廃棄物(2)の比抵抗を測定する比抵抗センサ(6)と、
該処理炉(3)に酸素を供給するための酸素供給手段(7)と、
所定の温度となるように少なくとも1つの温度センサ(5)からの信号に基づき前記酸素供給手段(7)による酸素供給量を制御する酸素供給量制御手段(8)と、
所定の温度となるように少なくとも1つの温度センサ(5)からの信号に基づき前記エネルギー補充手段(4)によるエネルギー補充量を制御するエネルギー補充量制御手段(9)と、
少なくとも1つの比抵抗センサ(6)からの信号に基づき前記廃棄物(2)の処理状態を検知する処理状態検知手段(11)と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記酸素供給手段(7)は、廃棄物(2)の下部に対して酸素を供給する手段であり、
前記エネルギー補充手段(4)は、廃棄物(2)の上部に対してエネルギーを補充する手段である、ことを特徴とする。
前記エネルギー補充手段(4)は、廃棄物(2)の上部に対してエネルギーを補充する手段である、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記処理炉(3)からガスを採取するガス採取管(12)と、前記処理状態検知手段(11)からの信号に基づき前記ガス採取管(12)を開閉する開閉バルブ手段(13)と、該ガス採取管(12)に連結されると共に該採取されたガスを冷却するガス冷却手段(14)と、を備えたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記処理状態検知手段(11)からの信号に基づき前記廃棄物(2)の処理状態を告知する処理状態告知手段(15)、を備えたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記エネルギー補充手段(4)は、廃棄物(2)に電磁波を照射する電磁波照射手段である、ことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記電磁波照射手段は、廃棄物にラジオ波を照射するラジオ波照射手段である、ことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記エネルギー補充手段(4)は、ラジオ波の照射により生成された高温水蒸気を廃棄物に当てる手段である、ことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明において、廃棄物に電磁波を照射して着火する着火手段、を備えたことを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明において、前記着火手段が、廃棄物にマイクロ波を照射する手段である、ことを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の発明において、前記処理炉(3)の内部空間は逆円錐形である、ことを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の発明において、前記酸素供給手段(7)は、酸素と不燃性ガスとを所定の割合で混合した上で前記処理炉(3)に供給する手段である、ことを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発明において、図2に詳示するように、開口部(101a)を有すると共に定位置に固定されている固定部(101)と、前記開口部(101a)を開閉するように上下動可能に構成された可動部(102)と、により構成された火格子(10)、を備えたことを特徴とする。
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
請求項1に係る発明によれば、酸素供給手段により処理炉に酸素を供給した状態で廃棄物を燃焼させ、その熱により廃棄物自体の熱処理を行うようになっている。ところで、水分含有量の多い廃棄物や油化率が高い廃棄物の場合、このような廃棄物の燃焼だけでは熱処理のためのエネルギーが不足してしまうこともあるが、本発明によれば、エネルギー補充手段により処理炉にエネルギーを補充することができるようになっているため、そのような廃棄物についても適切な熱処理を施すことができる。また、本発明によれば、温度センサからの信号に基づき酸素供給量やエネルギー補充量の制御を行うようになっているため、廃棄物の温度を適正に管理することができる。さらに、該温度センサは処理炉の上下に亘って複数配置されているため、様々な箇所の温度を適正に管理することが可能となる。また、本発明によれば、少なくとも1つの比抵抗センサからの信号に基づき処理状態検知手段が廃棄物の処理状態を検知できるようになっている。該比抵抗センサは、前記処理炉の上下に亘って複数配置されているので、様々な箇所の廃棄物処理状態を検知することができる。
請求項2に係る発明によれば、酸素の供給される箇所と、エネルギーの補充される箇所とが離れているため、酸素の供給量及びエネルギーの補充量を調整することによって炉内の温度分布曲線の形状や傾きを、(酸素の供給される箇所と、エネルギーの補充される箇所とが近接している場合に比べ)大きく変化させることができる。したがって、熱処理によって得ようとする生成物の種類に応じて温度分布曲線を最適なものにし、該生成物の生成量を増やしたりすることができる。例えば、本ハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置によって酢液を生成したい場合には、温度分布曲線を調整し、酢液を抽出できる層の層厚を厚くして、その抽出量を増やすことも可能となる。
請求項3に係る発明によれば、廃棄物の処理状態に応じてガスを採取し冷却することができるので、適正な生成物を取得することができる。例えば、酢液を抽出する場合、セルロースやセミセルロースが分解されている間に開閉バルブ手段を開いて酢酸抽出を行い、リグニンが分解され始める前に開閉バルブ手段を閉じて酢酸抽出を停止し、有害成分が酢酸に混ざらないようにできる。
請求項4に係る発明によれば、作業者は廃棄物の処理状態を確認しながら適切な作業を行うことができる。
請求項5乃至7に係る発明によれば、水分の多い廃棄物であっても、水分を蒸発させて、廃棄物の熱処理を適切に行うことができる。
請求項8及び9に係る発明によれば、スイッチ1つで簡単かつ確実に着火することができる。
請求項10に係る発明によれば、処理炉の内部空間は逆円錐形であるので、燃焼に伴って廃棄物の体積が減少しても隙間は生じにくい。したがって、前記比抵抗センサによる測定を円滑に行うことができる。
請求項11に係る発明によれば、酸素供給手段は酸素を不燃性ガスと混合した状態で供給するので、急激な燃焼を抑えることができる。
請求項12に係る発明によれば、火格子の可動部は上下動可能に構成されているため、水平動させる場合に比べて開口率を大きくすることができる。
以下、図1乃至図3に沿って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置の全体構造の一例を示す模式図であり、図2は、可動式火格子の詳細構造の一例を示す断面図であって、(a)は閉状態を示す断面図であり、(b)は開状態を示す断面図である。図3(a)は、酸素供給量が比較的少ない場合における炉内の温度分布曲線の一例を示す図であり、図3(b)は、酸素供給量が比較的多い場合における炉内の温度分布曲線の一例を示す図であり、図3(c)は、エネルギー補充量を変化させたときにおける温度分布曲線の変化の様子の一例を示す模式図である。
本発明に係るハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置は、廃棄物から所望の生成物(例えば、酢液や炭化物等)を得るための装置である。
本発明に係るハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置は、例えば図1に符号1で示すように、廃棄物2を収容すると共に該廃棄物2を熱処理する処理炉3と、該処理炉3に熱処理用のエネルギーを補充するエネルギー補充手段4と、該処理炉3の上下に亘って複数配置されて廃棄物2の温度を測定する温度センサ5と、該処理炉3の上下に亘って複数配置されて廃棄物2の比抵抗を測定する比抵抗センサ6と、該処理炉3に酸素を供給するための酸素供給手段7と、を備えている。また、該ハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置1は、所定の温度となるように少なくとも1つの温度センサ5からの信号に基づき前記酸素供給手段7による酸素供給量を制御する酸素供給量制御手段8と、所定の温度となるように少なくとも1つの温度センサ5からの信号に基づき前記エネルギー補充手段4によるエネルギー補充量を制御するエネルギー補充量制御手段9と、少なくとも1つの比抵抗センサ6からの信号に基づき前記廃棄物2の処理状態を検知する処理状態検知手段11と、を備えている。なお、前記処理炉3には、廃棄物2を投入するための投入口3aと、処理後の廃棄物を取り出すための取り出し口3bを形成しておく必要がある。前記投入口3aは前記処理炉3の上部に形成し、取り出し口3bは前記処理炉3の下部に形成すると良い。
本発明によれば、酸素供給手段7により処理炉3に酸素を供給した状態で廃棄物2を燃焼させ、その熱により廃棄物自体の熱処理を行うようになっている。ところで、水分含有量の多い廃棄物や油化率が高い廃棄物の場合、このような廃棄物の燃焼だけでは熱処理のためのエネルギーが不足してしまうこともあるが、本発明によれば、エネルギー補充手段4により処理炉3にエネルギーを補充することができるようになっているため、そのような廃棄物についても適切な熱処理を施すことができる。また、本発明によれば、温度センサ5からの信号に基づき酸素供給量やエネルギー補充量の制御を行うようになっているため、廃棄物の温度を適正に管理することができる。さらに、該温度センサ5は処理炉3の上下に亘って複数配置されているため、様々な箇所の温度を適正に管理することが可能となる。また、本発明によれば、少なくとも1つの比抵抗センサ6からの信号に基づき処理状態検知手段11が廃棄物の処理状態を検知できるようになっている。該比抵抗センサ6は、前記処理炉3の上下に亘って複数配置されているので、様々な箇所の廃棄物処理状態を検知することができる。
この場合、上述した酸素供給手段7による酸素の供給が廃棄物2の下部に対してなされるようにし、前記エネルギー補充手段4によるエネルギーの補充が廃棄物2の上部に対してなされるようにすると良い。そのようにした場合には、酸素の供給される箇所と、エネルギーの補充される箇所とが離れているため、酸素の供給量及びエネルギーの補充量を調整することによって炉内の温度分布曲線の形状や傾きを、(酸素の供給される箇所と、エネルギーの補充される箇所とが近接している場合に比べ)大きく変化させることができる。したがって、熱処理によって得ようとする生成物の種類に応じて温度分布曲線を最適なものにし、該生成物の生成量を増やしたりすることができる。例えば、本ハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置によって酢液を生成したい場合には、温度分布曲線を調整し、酢液を抽出できる層の層厚を厚くして、その抽出量を増やすことも可能となる。以下、図3(a)(b)(c)に沿って具体的に説明する。図3(a)は、炉内の温度分布曲線の一例を示す図であり、横軸には、火格子からの高さを取り、縦軸には炉内温度を取っている。上述のように廃棄物2の下部に対して酸素が供給されているので、火格子に比較的近い層(符号Δh1参照)は酸化点(最高到達温度)Tbに到達した一定温度領域となり、該層Δh1から下方に離れるに従って炉内温度が低下し(符号T1参照)、該層Δh1から上方に離れるに従って炉内温度が低下する傾向にある。いま、図3(a)の状態よりも酸素供給量を増やすと、酸化点(最高到達温度)Tbに到達した層の層厚は厚くなり(同図(b)の符号Δh2参照)、それに伴って温度分布曲線全体も変化する。一方、エネルギー補充手段4によるエネルギー補充は廃棄物2の上部に対してなされているので、エネルギー補充量を増やすと該上部の温度が上昇し(同図(c)の符号A参照)、エネルギー補充量を減らすと該上部の温度が降下する(同図(c)の符号B参照)。つまり、酸素の供給量及びエネルギーの補充量を調整することにより、炉内の温度分布曲線を種々の形状に変化させることが可能となる。
ところで、上述した処理炉3からガスを採取するガス採取管12と、該ガス採取管12に連結されると共に該採取されたガスを冷却するガス冷却手段14とを配置して、炉内で発生したガスを冷却処理できるようにすると良い。そして、前記ガス採取管12を開閉する開閉バルブ13を設けておいて、前記処理状態検知手段11からの信号に基づき前記ガス採取管12を開閉するようにすると良い。そのようにした場合には、廃棄物の処理状態に応じてガスを採取し冷却することができるので、適正な生成物を取得することができる。例えば、酢液を抽出する場合、セルロースやセミセルロースが分解されている間に開閉バルブ手段を開いて酢酸抽出を行い、リグニンが分解され始める前に開閉バルブ手段を閉じて酢酸抽出を停止し、有害成分が酢酸に混ざらないようにできる。
また、上述した処理炉3からガスを採取するガス採取管と、該ガス採取管に連結されて該採取したガスを酸化する触媒(不図示)と、を配置して、炉内で発生したガスを酸化処理できるようにしても良い。
さらに、上述した処理炉3からガスを採取するガス採取管と、該ガス採取管に連結されると共にガス吸着機能を有する多孔質体(メソ孔やミクロ孔を有する多孔質体)と、を配置して、有毒ガスを除去できるようにしても良い。この場合、多孔質体に散水して、該多孔質体を洗浄するようにすると良い。
また、前記処理状態検知手段11からの信号に基づき前記廃棄物2の処理状態を告知する処理状態告知手段15、を設けると良い。そのようにした場合には、作業者は廃棄物の処理状態を確認しながら適切な作業を行うことができる。
ところで、上述したエネルギー補充手段4としては、100kHzから10GHzの周波数の電磁波を廃棄物に照射する電磁波照射手段や、炉内に炭化物等を投入する手段や、処理炉外部にてラジオ波の照射により生成した高温水蒸気を処理炉内の廃棄物に当てる手段等を挙げることができ、電磁波照射手段としては、マイクロ波を照射するマイクロ波照射手段や、高周波を照射する高周波照射手段や、ラジオ波(具体的には、13.56メガヘルツ帯を主とした電磁波)を照射するラジオ波照射手段等を挙げることができる。電磁波照射手段(特に、ラジオ波照射手段)を用いた場合には、水分の多い廃棄物であっても、水分を蒸発させて廃棄物の熱処理を適切に行うことができる。
上述したエネルギー補充手段としての電磁波照射手段とは別に、廃棄物に電磁波を照射して着火する着火手段(不図示)を設けておいても良い。この着火手段としては、廃棄物にマイクロ波を照射する手段が好ましい。かかる着火手段によれば、スイッチ1つで簡単かつ確実に着火することができる。
一方、前記処理炉3は寸胴型としても良いが、内部空間が逆円錐形(下方ほど狭くなるように倒立させた円錐形状)となるようにしても良い。逆円錐形とした場合には、燃焼に伴って廃棄物の体積が減少しても隙間は生じにくく、比抵抗センサ6による測定を円滑に行うことができる。
前記比抵抗センサ6は、例えば30cm間隔で配置すると良く、前記温度センサ5は、例えば30cm間隔で配置すると良い。
また、上述した酸素供給手段7は、酸素と不燃性ガス(例えば、窒素)とを所定の割合で混合した上で前記処理炉3に供給する手段であって、酸素の注入量を制御できるように構成すると良い。それにより、急激な燃焼を抑えることができる。
ところで、処理炉3の下部には可動式の火格子10が配置されている。この火格子10は、図2(a)(b)に詳示するように、開口部101aを有すると共に定位置に固定されている固定部101と、開口部101aを開閉するように上下動可能に構成された可動部102と、により構成し、同図(a)に示す閉状態と、同図(b)に示す開状態とを選択的に取るようにすると良い。このうちの可動部102には、モータ等の駆動源やレバー等を連結しておいて、自動又は手動で駆動できるように構成すると良い。可動部102を上下動させるのではなく左右に駆動するようにした場合には、構造上、開口率を50%より大きくはできないが、上述のように可動部102を上下に移動させて開口部101aを開閉するようにした場合には、開口率を50%以上にすることも可能となり、灰を短時間で落下させることができる。また、可動部102を左右に移動させる方式のものでは可動部102と固定部101との間に挟まった異物は取れにくいという問題があるが、可動部102を上下に移動させる方式の場合には、異物は比較的取れ易くなる。
ここで、本ハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置により処理される廃棄物としては、植物系廃棄物(例えば、紙類、木材、草木、燃え殻など)や、灰(焼却灰、飛灰など)や、汚泥や、プラスチック(塩化ビニールも含む)や、廃電線や、生ごみや、油類(廃油、機械油、絶縁油等)や、廃鶏や、鶏糞や、家畜糞等を挙げることができる。例えば、プラスチック類や植物系廃棄物等の有機廃棄物を熱処理してカーボンを取り出せば、該カーボンをエネルギーとして再利用することができる。なお、廃棄物の木炭化を目的とするなら炉内温度は700℃以下に保持すると良く、高純度カーボンやグラファイトを得ることが目的なら炉内温度は900℃以上に保持すると良い。また、植物系廃棄物を完全に燃焼させて灰(ミネラル)にすれば、肥料として再利用することができる。さらに、植物系廃棄物から酢液や精油や低分子分解物を回収することもできる。また、塩化化合物から塩素を回収し、中和剤や融雪剤として再利用することもできる。さらに、被覆導線の被覆部分を燃焼させれば、導線材料(例えば、銅)を回収することができる。なお、被覆導線を予め細かく切断しておいて、導線片が火格子10を通り抜けて下方に落下し、回収容易となるようにしておくと良い。
次に、本発明に係るハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置の作用について説明する。
熱処理したい廃棄物2を投入口3aから処理炉3に投入し、適当な方法で火を着ける。次に、酸素供給手段7によって炉内に酸素を供給し、エネルギー補充手段4によって炉内にエネルギーを補充する。この間、炉内の温度は温度センサ5により検知されており、該温度が目標温度となるように酸素供給量やエネルギー補充量が制御される。また、廃棄物の処理状態は処理状態検知手段11が検知している。
本実施例では、図1に示す構造の廃棄物熱処理装置(ハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置)1を作製し、植物系廃棄物を熱処理して酢液を抽出してみた。
本実施例に係る廃棄物熱処理装置1には、内部空間が逆円錐形(下方ほど狭くなるように倒立させた状態の円錐形状)の処理炉3を設け、該処理炉3の上部には、廃棄物2を投入するための投入口3aを形成し、処理炉3の下部には火格子10を配置し、さらに下方には、灰等を取り出すための取り出し口3bを形成した。また、該処理炉3の炉壁には、上下に亘って30cm間隔で温度センサ5を配置し、同じく30cm間隔で比抵抗センサ6を配置した。さらに、処理炉3の上部には電極(不図示)を設け、該電極にはラジオ波発生器4を接続して、該電極を介して廃棄物2にラジオ波を照射できるようにした。
また、火格子10は、図2に詳示するような可動式とした。すなわち、上述したように、開口部101aを有する固定部101と、上下動自在にした可動部102と、により火格子10を構成し、可動部102は不図示の駆動モータにより上下動できるようにした。そして、この火格子10よりも下方の室3eには通風路3dを連通し、該通風路3dには酸素ポンプ(酸素供給手段)7を連結した。
さらに、上述したラジオ波発生器4にはエネルギー補充量制御手段9を接続してラジオ波の照射量を制御するようにし、上述した酸素ポンプ7には酸素供給量制御手段8を接続して酸素供給量を制御するようにした。そして、それらのエネルギー補充量制御手段9及び酸素供給量制御手段8には全ての温度センサ5を接続しておいて、不図示のコントローラで目標温度を設定すると、エネルギー補充量制御手段9及び酸素供給量制御手段8がラジオ波照射量及び酸素供給量を制御して、目標温度を達成できるようにした。
次に、本実施例の作用について説明する。
植物系廃棄物2を投入口3aから処理炉3に投入し、酢液の抽出プログラムを起動する。すると、酸素ポンプ7が駆動されて処理炉3の下部から酸素(正確には、酸素と窒素とを所定の割合で混合した混合ガス)が供給されると共に、不図示の着火装置が駆動されて廃棄物2の最下層に火が着けられる。また、ラジオ波発生器4がオンにされ、廃棄物2の上部にラジオ波が照射される。暫くすると、炉内の廃棄物2は、上側から、
・ 熱減成が開始されている層
・ 熱分解が行われている層
・ 木炭化が行われている層
・ 炭素化が行われている層
に分かれる。
・ 熱減成が開始されている層
・ 熱分解が行われている層
・ 木炭化が行われている層
・ 炭素化が行われている層
に分かれる。
ラジオ波の照射により水分の蒸発が行われ、続いて熱分解が開始される。そして、最初にセルロースが分解され、次にセミセルロースが分解されるが、それらの分解層が厚く維持されるよう、酸素ポンプ7及びラジオ波発生器4の出力が制御される。具体的には、このときの炉内温度は上述の温度センサ5によりモニターされていて、その結果は酸素供給量制御手段8とエネルギー補充量制御手段9とに送られ、炉内温度が目標温度となるようなフィードバック制御がなされる。そして、発生した煙はガス採取管12にて採取され、冷却装置14にて冷却されて酢液が採取される。このときの廃棄物2の状態は比抵抗センサ6にて検知されており、酢液を抽出できない状態になった場合には開閉バルブ13が自動的に閉じられる。
1 ハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置(廃棄物熱処理装置)
2 廃棄物
3 処理炉
4 エネルギー補充手段(ラジオ波照射手段、ラジオ波発生器)
5 温度センサ
6 比抵抗センサ
7 酸素供給手段(酸素ポンプ)
8 酸素供給量制御手段
9 エネルギー補充量制御手段
10 火格子
11 処理状態検知手段
12 ガス採取管
13 開閉バルブ手段
14 ガス冷却手段(冷却装置)
15 処理状態告知手段
101a 開口部
101 固定部
102 可動部
2 廃棄物
3 処理炉
4 エネルギー補充手段(ラジオ波照射手段、ラジオ波発生器)
5 温度センサ
6 比抵抗センサ
7 酸素供給手段(酸素ポンプ)
8 酸素供給量制御手段
9 エネルギー補充量制御手段
10 火格子
11 処理状態検知手段
12 ガス採取管
13 開閉バルブ手段
14 ガス冷却手段(冷却装置)
15 処理状態告知手段
101a 開口部
101 固定部
102 可動部
Claims (12)
- 廃棄物を熱処理することにより所望の生成物を得るハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置において、
廃棄物を収容すると共に該廃棄物を熱処理する処理炉と、
該処理炉にエネルギーを補充するエネルギー補充手段と、
該処理炉の上下に亘って複数配置されて廃棄物の温度を測定する温度センサと、
該処理炉の上下に亘って複数配置されて廃棄物の比抵抗を測定する比抵抗センサと、
該処理炉に酸素を供給するための酸素供給手段と、
所定の温度となるように少なくとも1つの温度センサからの信号に基づき前記酸素供給手段による酸素供給量を制御する酸素供給量制御手段と、
所定の温度となるように少なくとも1つの温度センサからの信号に基づき前記エネルギー補充手段によるエネルギー補充量を制御するエネルギー補充量制御手段と、
少なくとも1つの比抵抗センサからの信号に基づき前記廃棄物の処理状態を検知する処理状態検知手段と、
を備えたことを特徴とするハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記酸素供給手段は、廃棄物の下部に対して酸素を供給する手段であり、
前記エネルギー補充手段は、廃棄物の上部に対してエネルギーを補充する手段である、
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記処理炉からガスを採取するガス採取管と、前記処理状態検知手段からの信号に基づき前記ガス採取管を開閉する開閉バルブ手段と、該ガス採取管に連結されると共に該採取されたガスを冷却するガス冷却手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記処理状態検知手段からの信号に基づき前記廃棄物の処理状態を告知する処理状態告知手段、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記エネルギー補充手段は、廃棄物に電磁波を照射する電磁波照射手段である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記電磁波照射手段は、廃棄物にラジオ波を照射するラジオ波照射手段である、
ことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記エネルギー補充手段は、ラジオ波の照射により生成された高温水蒸気を廃棄物に当てる手段である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 廃棄物に電磁波を照射して着火する着火手段、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記着火手段は、廃棄物にマイクロ波を照射する手段である、
ことを特徴とする請求項8に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記処理炉の内部空間は逆円錐形である、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 前記酸素供給手段は、酸素と不燃性ガスとを所定の割合で混合した上で前記処理炉に供給する手段である、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。 - 開口部を有すると共に定位置に固定されている固定部と、前記開口部を開閉するように上下動可能に構成された可動部と、により構成された火格子、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置。
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---|---|---|---|
JP2005303033A JP2007112837A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | ハイブリッド電磁波式リサイクル炭化装置 |
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Cited By (3)
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JP2014171939A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 連続式固定床触媒反応器 |
CN105948453A (zh) * | 2016-07-11 | 2016-09-21 | 无锡派乐科技有限公司 | 一种基于阻力检测实时调控的污泥搅拌装置 |
CN116736746A (zh) * | 2023-07-06 | 2023-09-12 | 碎得机械(北京)有限公司 | 一种泵送设备的控制方法、装置及系统 |
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2005
- 2005-10-18 JP JP2005303033A patent/JP2007112837A/ja active Pending
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