JP2007112611A - 給紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

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穣 大島
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Abstract

【課題】ミスフィード、重送の給紙性能を維持したまま、構成部品の消耗を低減する。
【解決手段】トルク制御部77が、荷重制御部75が調整したピックアップロール58の荷重に応じて、リタードロール62のリタードトルクの強さを調整する。予め、リタードロール62のリタードトルクを、強く設定しておく場合には、リタードロール62及びフィードロール70の磨耗が激しくなるが、この構成では、リタードロール62のリタードトルクの強さが、ピックアップロール58の荷重に応じて行われるため、必要なときのみ、リタードロール62のリタードトルクを強くすることができ、リタードロール62及びフィードロール70の磨耗が低減される。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートを給紙する給紙装置及びその給紙装置を備える画像形成装置に関する。
シートを給紙する給紙装置としては、シート収容部の最上にあるシートを送り出すピックアップロールと、このピックアップロールの下流側に配置されたフィードロールと、このフィードロールの下側に対向して配置されたリタードロールとで構成される給紙装置が知られている。
この構成によれば、ピックアップロールが、シート収容部に積載収容されたシートのうち、最上にある1枚目のシートに圧接して、1枚目のシートをシート収容部から送り出す。
シート収容部から送り出された1枚目のシートは、フィードロールとリタードロールとの間に導入され、そのシートの上面にフィードロールが当接して、下流へ搬送される。
このとき、シート収容部から複数のシートが重なって送り出された場合は、フィードロールに対向して配置されたリタードロールが、2枚目以降のシートへ下面側から搬送抵抗を付与することにより、シートの重送を防止する。すなわち、フィードロールとリタードロールとで、重なったシートを捌いて(分離して)、シートを一枚ずつ給紙する。
また、シートを給紙する給紙装置としては、特許文献1に開示される給紙装置が公知である。特許文献1の給紙装置では、シートの給送遅れ(滑り)を検出し、遅れがあるときはピックアップロールがシートに接触する荷重を大きくすることで滑りを小さくし、ミスフィード(シートが送れないこと)を防止する。
特開平07−315595号公報
しかしながら、ピックアップロールの荷重が増えると、トレイから複数のシートが連れ送られる確率が高くなり、また2枚目以降のシートの搬送力が強くなるため捌き性能が低下する。そのため、ミスフィードの頻度は低下できても、副作用として、重送の頻度が増大してしまう。これを防止するには、捌きを強くする必要があるが、リタードロール及びフィールドロールによりシートを捌く構成においては、単に、捌き強さを強くすると(リタードロールがシートに付与する搬送抵抗を大きくすると)、リタードロールやフィールドロールの磨耗が激しくなり、交換回数の増加し、サービスコストが高くなってしまう。
本発明は、上記事実を考慮し、ミスフィード、重送の給紙性能を維持したまま、構成部品の消耗を低減できる給紙装置及びその給紙装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る給紙装置は、シートを収容するシート収容部からシートを送り出すピックアップロールと、該ピックアップロールに送り出されたシートを1枚ずつ捌いて給紙する捌き手段と、を有する給紙装置において、前記シートに付与される前記ピックアップロールの荷重を調整する荷重調整手段と、前記荷重調整手段が調整した前記ピックアップロールの荷重に応じて、前記捌き手段の捌きの強さを調整する捌き調整手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ピックアップロールが、シートを収容するシート収容部からシートを送り出す。ピックアップロールに送り出されたシートは、捌き手段によって、1枚ずつ捌いて給紙される。シートに付与するピックアップロールの荷重は、荷重調整手段が調整する。
ここで、本発明の請求項1の構成では、捌き調整手段が、荷重調整手段が調整したピックアップロールの荷重に応じて、捌き手段の捌きの強さを調整する。
予め、捌き手段の捌き強さを、強く設定しておく場合には、捌き手段を構成する構成部品の消耗が激しくなるが、請求項1の構成によれば、捌き手段の捌きの強さが、荷重調整手段が調整したピックアップロールの荷重に応じて行われるため、必要なときのみ捌き手段の捌き強さを強くすることができ、捌き手段を構成する構成部品の消耗が低減される。
なお、本明細書において、シートとは、紙、プラスチックフィルム、その他のシート状のものをいう。給紙装置は、このシートを給送するものであり、紙を給送するものに限られない。
また、本発明の請求項2に記載のように、本発明の請求項1に係る捌き調整手段が、前記ピックアップロール荷重が増加すると、前記捌き手段の捌き強さを強くする構成としてもよい。
また、本発明の請求項3に記載のように、本発明の請求項1に係る捌き調整手段が、前記ピックアップロール荷重が減少すると、前記捌き手段の捌き強さを弱くする構成としてもよい。
また、本発明の請求項4に記載のように、本発明の請求項1に係る捌き手段は、シートを搬送するフィードロールと、該フィードロールと対向して配置されシートに搬送抵抗を付与するリタードロールとで構成してもよく、本発明の請求項1に係る捌き調整手段は、リタードロールがフィードロールによって搬送される用紙を搬送方向と反対方向に戻すように回転するように作用するトルクを可変するトルク可変手段で構成してもよい。
また、本発明の請求項4に係るトルク可変手段は、本発明の請求項5に記載のように、DCモータ及びその駆動制御手段で構成してもよい。
本発明の請求項6に係る給紙装置は、請求項1項の構成において、前記ピックアップロールの荷重は、前記ピックアップロールと前記シートとの滑り量に応じて可変されることを特徴とする。
この構成によれば、ピックアップロールの荷重は、ピックアップロールとシートとの滑り量に応じて可変される。このため、必要なときのみ、すなわち、ピックアップロールとシートとの滑りが大きいときに、ピックアップロールの荷重を増加させることができる。
捌き手段の捌きの強さは、ピックアップロールの荷重に応じて行われるため、必要なときのみピックアップロールの荷重を増加させることで、捌き手段の捌き強さを強くするのも最小限に抑えることができ、捌き手段を構成する構成部品の消耗がより低減される。
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の給紙装置を備えたことを特徴とする。
本発明は、上記構成としたので、ミスフィード、重送の給紙性能を維持したまま、構成部品の消耗を低減できる。
以下に、本発明の給紙装置及びその給紙装置を備えた画像形成装置に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
まず、本発明の画像形成装置としての複写機の全体構成について説明する。図1には、本実施形態に係る複写機を前方からみた正面図が示されている。
図1に示すように、本実施形態に係る複写機10は、装置上部に配置された画像読取ユニット(スキャンユニット)12と、装置下部に配置された画像記録ユニット(プリンタユニット)14とから構成されている。画像読取ユニット12は、原稿の画像を読み取り、その読み取った画像を電気的な画像信号に変換し、画像記録ユニット14は、画像読取ユニット12が変換した画像信号に基づいて画像記録を行う。
画像読取ユニット12は、読み取り対象となる原稿を載せるプラテンガラス18を備えている。プラテンガラス18の上方には、プラテンガラス18に載せられた原稿を保持するプラテンカバー16が開閉可能に取り付けられている。
この画像読取ユニット12では、プラテンガラス18に載せられた原稿へ、露光光学系28から照射される照射光を図1における左右方向へ沿って走査し、原稿から反射した反射光を検出し、電気的な画像信号に変換するように構成されている。
一方、画像記録ユニット14は、その下部に、シートとしての用紙Pを積載収容する給紙トレイ(シート収容部)46を備えている。
この給紙トレイ46は、複写機10の前方へ引き出し可能にガイドレール48に支持されている。給紙トレイ46の下部に設けられた凸部50がガイドレール48に案内されることにより、給紙トレイ46は、複写機10へ装着されると共に、複写機10の前方へ引き出される。
給紙トレイ46の上方には、後述する給紙装置によって給紙トレイ46から給紙された用紙Pを、画像を記録する画像記録部31へ搬送する複数の搬送ロール72対が設けられている。画像記録部31は、一方向(図1において時計方向)へ回転する感光体ドラム32を備えている。
感光体ドラム32の周囲には、感光体ドラム32の回転方向上流から順に、感光体ドラム32の表面を帯電させる帯電ロール34と、感光体ドラム32へ露光し、画像読取ユニット12が変換した画像信号に基づいて感光体ドラム32上に静電潜像を形成する露光装置30と、感光体ドラム32上に形成された静電潜像へトナーを付着させて現像する現像ロール38と、感光体ドラム32上に形成されたトナー画像を用紙Pへ転写する転写ロール40が設けられている。
感光体ドラム32の用紙搬送方向下流側には、用紙Pへ転写されたトナー画像を定着させる一対の定着ロール42が設けられている。一対の定着ロール42の用紙搬送方向下流側には、トナー画像が定着された用紙Pを排紙トレイ20へ排出する一対の排出ロール44が配置されている。
次に、本実施形態に係る複写機の一連の複写動作(画像形成動作)について説明する。
画像読取ユニット12において、プラテンに載せられた原稿から画像を読み取り、電気的な画像信号に変換する。この画像信号は、露光装置30へ入力される。
一方、画像記録ユニットにおいては、感光体ドラム32の表面が、帯電ロール34により一様に帯電する。帯電した感光体ドラム32の表面は、露光装置30により露光され、画像読取ユニット12が変換した画像信号に応じた静電潜像が感光体ドラム32の表面に形成される。
感光体ドラム32に形成された静電潜像は、現像ロール38によって現像されることにより、感光体ドラム32上にトナー画像が形成される。感光体ドラム32に形成されたトナー画像は、転写ロール40により、給紙トレイ46から搬送される用紙Pに転写される。
トナー像が転写された用紙Pは、一対の定着ロール42より画像が定着された後、排出ロール44により排紙トレイ20へ排出される。以上のように、複写機10において、一連の複写動作(画像形成動作)が行われる。
ここで、給紙トレイ46から用紙Pを給紙する給紙装置について説明する。
給紙装置60は、給紙トレイ46の先端側(図1において右端側)の上部で軸支されたピックアップロール58を備えている。図2に示すように、ピックアップロール58は、支持部材59に回転可能に支持され、駆動制御部(図示省略)によって、用紙搬送方向に直交する方向を軸方向としてこの軸周りに回転駆動すると共に、その回転駆動が制御される。
このピックアップロール58が、給紙トレイ46に積載収容された複数の用紙Pのうち、最上にある用紙Pの上面の先端側に圧接して、回転駆動することにより、給紙トレイ46内から用紙Pが送り出される。
支持部材59は、揺動軸57を中心に揺動可能に支持されており、支持部材59の上方には、ピックアップロール58が用紙Pに付与する荷重を調整するためのリニアアクチュエータ(荷重調整手段)61が設けられている。このリニアアクチュエータ61は、ボイスコイルモータ、ソレノイドなどを用いたアクチュエータであり、支持部材59へ突出する押圧部材63が、支持部材59の端部を押圧して、支持部材59を用紙P側へ揺動させ、支持部材59に支持されたピックアップロール58が用紙Pに付与する荷重が調整される。
また、リニアアクチュエータ61には、ピックアップロール58が用紙Pに付与する荷重を制御する荷重制御部75が接続され、この荷重制御部75がリニアアクチュエータ61へ流す電流量を調整することで、電流に比例する荷重が作用し、ピックアップロール58の荷重を複数段階に調整可能となっている。
ピックアップロール58の荷重の調整は、用紙Pの種類や環境などに応じて、ユーザ又は、荷重制御部75(装置側)が荷重を選択するように、構成することができる。例えば、厚紙、A3等の幅広の用紙、コート紙など、搬送負荷の大きい用紙を搬送する際に、デフォルト(初期設定値)の荷重より荷重の大きい荷重をユーザが選択する。また、用紙に湿気が多いと、搬送負荷となるため、装置内で湿度を測定し、装置内の湿度がある基準より高い場合に、デフォルトの荷重より荷重の大きい荷重を荷重制御部75が選択するように構成してもよい。
支持部材59の端部には、引張バネ65が取り付けられており、電流がリニアアクチュエータ61に供給されていない状態では、引張バネ65が支持部材59を上方へ引き上げ、用紙Pは、ピックアップロール58から荷重を付与されない。
ピックアップロール58の用紙搬送方向下流側には、フィードロール70が軸支されている。フィードロール70の下側には、リタードロール62がフィードロール70に対向して配置されている。これにより、フィードロール70とリタードロール62との間に、給紙トレイ46内から送り出された用紙Pを挟持するニップ部Nが形成される。
フィードロール70は、駆動制御部(図示省略)によって、用紙搬送方向に直交する方向を軸方向としてこの軸周りに回転すると共に、その回転駆動が制御される。このフィードロール70が、給紙トレイ46から送り出されニップ部Nに導入される用紙Pの上面(表面)に当接して、回転駆動することにより、用紙Pが下流へ搬送される。
リタードロール62は、図3に示すように、対向配置された一対のフレーム67に回転可能に支持され、用紙搬送方向に直交する方向を軸方向としてこの軸周りに、回転する構成となっている。このリタードロール62のリタードトルク(リタードロールがフィードロールによって搬送される用紙を搬送方向と反対方向に戻すように回転するように作用するトルク)を可変するトルク可変手段としてのDCモータ73(捌き調整手段)が、リタードロール62に隣接して設けられている。
リタードロール62の回転軸には、ギア69が取り付けられ、DCモータ73の回転軸には、ギア71が取り付けられ、このギア71とギア69とが噛合している。DCモータ73が、ギア71及びギア69を介して、リタードロール62を、フィードロール70の回転方向とは逆方向へ回転させる。
なお、リタードトルクを可変するトルク可変手段としては、DCモータ73に限られず、図9に示すように、電磁クラッチ90と、逆回転方向に回転するモータ(例えばステッピングモータ)92とで構成されたものであってもよい。
DCモータ73には、図2に示すように、駆動制御手段としてのトルク制御部77が接続され、トルク制御部77がDCモータ73を駆動制御することにより、リタードロール62のリタードトルクが調整される。トルク制御部77は、荷重制御部75と接続され、荷重制御部75がリニアアクチュエータ61に生じさせるピックアップロール58の荷重情報が、荷重制御部75からトルク制御部77に送られ、トルク制御部77は、送られてきた荷重情報に基づき、DCモータ73に生じさせるトルクを制御する。ピックアップロール58の荷重が、例えば、荷重Aと荷重Bの2段階である場合には、荷重Aに対応するトルクA、荷重Bに対応しトルクAよりトルクの大きいトルクBに調整するように構成することができる。
トルク制御部77によってリタードトルクが制御されるリタードロール62の表面に用紙Pが当接し、この用紙Pとの摩擦によって、リタードロール62へ回転力が付与されると、リタードロール62は、所定の回転負荷を生じるブレーキとして機能し、複数枚の用紙Pが重なってニップ部Nに導入された場合に、その用紙Pへ、その用紙Pの下面側(裏面側)から搬送抵抗を付与して、フィードロール70が搬送する用紙Pの重送を防止する。
このように、給紙トレイ46からニップ部Nへ複数の用紙Pが重なって送り出せられると、フィードロール70が上側の用紙P(1枚目の用紙P)へ搬送力を付与する一方、下側の用紙P(2枚目以降の用紙P)へは、リタードロール62が、搬送抵抗を付与する。
すなわち、フィードロール70とリタードロール62とで、重なった用紙Pを捌いて(分離して)、用紙Pを一枚ずつ給紙する。
なお、ニップ部Nより、用紙搬送方向下流側には、搬送される用紙Pの先端又は後端を検知するシートセンサ79が配置されている。シートセンサ79は、荷重制御部75に接続され、シートセンサ79が、搬送される用紙Pの先端を検知すると、検知した信号が荷重制御部75に送られる。荷重制御部75は、この信号に基づき、リニアアクチュエータ61の脱荷重を行う。
また、シートセンサ79が、搬送される用紙Pの後端を検知すると、検知した信号が、ピックアップロール58及びフィードロール70の駆動制御部、リタードロール62のトルクを制御するトルク制御部77に送られ、駆動制御部及びトルク制御部77が、給紙が終了したとして、ピックアップロール58、フィードロール70、リタードロール62の回転が停止する。
次に、第1実施形態に係る給紙装置について、図4に示す制御フローに基づき、作用を説明する。なお、ここでは、ピックアップロール58の荷重が、デフォルト(初期設定値)としての荷重A、荷重Aより荷重の大きい荷重Bの2段階の調整が可能であると共に、リタードロール62のリタードトルクを荷重Aに対応するトルクA、荷重Bに対応しトルクAよりトルクの大きいトルクBに調整可能である構成を一例として説明する。
給紙装置60において給紙が開始されると、ステップ100で、荷重制御部75がリニアアクチュエータ61を制御することにより、ピックアップロール58が用紙Pに接地する。このとき、ピックアップロール58の荷重は、ユーザ等によって選択された荷重A又は荷重Bに設定される。
次に、ステップ102で、設定された荷重が荷重Aであるか否かが判定される。設定荷重が荷重Aである場合は、ステップ104で、リタードロール62のリタードトルクがトルクAに設定される。設定荷重が荷重Aでない場合は、すなわち、設定荷重が荷重Bである場合には、ステップ106で、リタードロール62のリタードトルクがトルクBに設定される。
次に、ステップ108で、ピックアップロール58、フィードロール70、リタードロール62の各ロールの回転を開始する。これにより、ピックアップロール58が、給紙トレイ46から用紙Pが送り出すと共に、フィードロール70とリタードロール62とで、重なった用紙Pを捌いて(分離して)、用紙Pが一枚ずつ給紙される。
次に、ステップ110で、シートセンサ79が用紙Pを検知するか否かを判定し、用紙Pを検知しない場合は、ステップ110が繰り返される。用紙Pを検知した場合は、ステップ112で、ピックアップロールの脱荷重が行われる。
次に、ステップ114で、リタードロール62のリタードトルクがトルクBであるか否かが判定され、リタードトルクがトルクBである場合には、ステップ116で、リタードトルクをトルクAに設定し、ステップ118に移行する。リタードトルクがトルクAである場合には、ステップ118に直接、移行する。
ステップ118では、シートセンサ79が用紙Pの後端を検知するか否かによって、給紙が終了したか否かを判定し、給紙が終了していないと判定した場合は、ステップ118が繰り返される。給紙が終了したと判定した場合は、ステップ120で、ピックアップロール58、フィードロール70、リタードロール62の各ロールの回転を停止し、給紙動作が終了する。
このように、第1実施形態では、トルク制御部77が、荷重制御部75が調整したピックアップロール58の荷重に応じて、リタードロール62のリタードトルクの強さを調整する。予め、リタードロール62のリタードトルクを、強く設定しておく場合には、リタードロール62及びフィードロール70の磨耗が激しくなるが、第1実施形態の構成によれば、リタードロール62のリタードトルクの強さが、ピックアップロール58の荷重に応じて行われるため、必要なときのみ、リタードロール62のリタードトルクを強くすることができ、リタードロール62及びフィードロール70の磨耗が低減される。
なお、第1実施形態では、ピックアップロールの荷重及びリタードロールのリタードトルクが、それぞれ、2段階に調整可能な例について説明したが、本発明の構成としては、これに限られず、例えば、ピックアップロールの荷重及びリタードロールのリタードトルクは、それぞれ、3段階以上に調整可能であってもよい。
また、第1実施形態では、ピックアップロール58の荷重が、デフォルト(初期設定値)としての荷重A、荷重Aより荷重の大きい荷重Bの2段階の調整が可能であると共に、リタードロール62のリタードトルクを荷重Aに対応するトルクA、荷重Bに対応しトルクAよりトルクの大きいトルクBに調整可能である構成について、説明したが、ピックアップロール58の荷重が、デフォルト(初期設定値)としての荷重A、その荷重Aより荷重の小さい荷重Bに調整が可能であると共に、リタードロール62のリタードトルクを荷重Aに対応するトルクA、荷重Bに対応しトルクAよりトルクの小さいトルクBに調整可能である構成であってもよい。
この構成によれば、通常の用紙Pより搬送抵抗の小さい用紙Pを使用する際に、荷重B及びトルクBを選択する。トルクAよりトルクの小さいトルクBにすることにより、リタードロール62及びフィードロール70の磨耗が低減される。
また、第1実施形態では、ピックアップロールの荷重が増加すると、リタードロールのリタードトルクも増加させていたが、ピックアップロールの荷重が増加しても、所定量以上の荷重になるまでは、リタードロールのリタードトルクを変えずに維持し、ピックアップロールの荷重が所定量を超えて増加した場合に、リタードロールのリタードトルクを変える構成であってもよい。
例えば、ピックアップロールの荷重が、荷重A、荷重Aより大きい荷重B、荷重Bより大きい荷重Cの3段階の荷重に設定され、リタードロールのリタードトルクが、トルクA、トルクAより大きいトルクBの2段階に設定される構成の場合に、ピックアップロールの荷重が、荷重Aから荷重Bに変更されても、リタードロールのリタードトルクは、トルクAのままに維持し、ピックアップロールの荷重が、荷重Cに変更された場合にはじめて、リタードロールのリタードトルクを、荷重Bに変更する構成であってもよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。また、画像形成装置の全体構成は、第1実施形態と同一であるので、説明を省略する。
第1実施形態では、ユーザ等によって、ピックアップロール58の荷重を決定していたが、第2実施形態は、ピックアップロール58の荷重を、ピックアップロール58と用紙Pとの滑り量に応じて可変する構成である。
図5に示すように、給紙トレイ46に積載収容された複数の用紙Pのうち、最上にある用紙Pの移動量を検出するためのロータリエンコーダ80が設けられている。
ロータリエンコーダ80は、給紙トレイ46に積載収容された複数の用紙Pのうち、最上にある用紙Pの上面に接触し、最上にある用紙Pに従動して回転し、その回転角度から、最上にある用紙Pの実際の移動量を検出する構成となっている。このロータリエンコーダ80には、滑り量演算部82が接続され、ロータリエンコーダ80から紙の移動量情報が滑り量演算部82へ送られる。なお、ロータリエンコーダ80の回転体と用紙Pとの間に滑りが生じないように、回転体の周面に突起を設けてもよい。
ピックアップロール58は、ステッピングモータで駆動する構成となっており、このステッピングモータの駆動制御部からステッピングモータへ送られるパルス信号によって、ピックアップロール58の回転量が制御される。
このピックアップロール58の回転量情報は、滑り量演算部82へ送られ、ピックアップロール58の回転量と、最上にある用紙Pの実際の移動量とから、最上にある用紙Pとピックアップロール58との間で生じた滑り量が算出される。ピックアップロール58の回転量と、最上にある用紙Pの実際の移動量とが等しい場合は、ピックアップロール58の回転力がすべて、最上にある用紙Pに伝達し、最上にある用紙Pとピックアップロール58との間で滑りが生じなかったこととなり、ピックアップロール58の回転量より、最上にある用紙Pの実際の移動量が少ない場合は、最上にある用紙Pとピックアップロール58との間で滑りが生じたことになる。
次に、第2実施形態に係るピックアップロール58の荷重及びリタードロール62のリタードトルクを制御するための制御系の構成を説明する。
図6に示すように、リニアアクチュエータ61には、荷重制御部75が接続されており、荷重制御部75がリニアアクチュエータ61の駆動を制御することにより、ピックアップロール58が用紙Pへ付与する荷重が調整される。
荷重制御部75には、トルク制御部77が接続されており、荷重制御部75からピックアップロール58の荷重情報が入力される。トルク制御部77は、DCモータ73と接続されており、荷重制御部75から入力された荷重情報を基に、補正式Cによってトルク設定値を算出して、DCモータ73の駆動を制御することにより、リタードロール62が用紙Pへ付与するリタードトルクが調整される。
なお、補正式Cは、図7に示すように、リタードロール62のトルク設定値をTrとし、ピックアップロール58の荷重設定値をNとした場合における、Tr=f(N)である。
また、ピックアップロール58の回転量情報が、滑り量演算部82へ入力されると共に、用紙Pの移動量情報が滑り量演算部82へ入力される。滑り量演算部82は、ピックアップロール58の回転量X1、用紙Pの移動量X2から用紙Pの滑り量XSを検出し、この滑り量情報が荷重制御部75に入力される。
荷重制御部75は、滑り量と、許容滑り量とを比較し、滑り量が許容滑り量を超えている場合には、リニアアクチュエータ61の駆動が制御して、ピックアップロール58が用紙Pへ付与する荷重が再調整する。
荷重制御部75からピックアップロール58の荷重情報が再入力される。トルク制御部77は、荷重制御部75から再入力された荷重情報を基に、補正式Cによってトルク設定値を算出して、DCモータ73の駆動を制御することにより、リタードロール62が用紙Pへ付与するリタードトルクが再調整される。
次に、第2実施形態に係る給紙装置について、図8に示す制御フローに基づき、作用を説明する。
給紙装置60において給紙が開始されると、ステップ200で、荷重制御部75がリニアアクチュエータ61を制御することにより、ピックアップロール58が用紙Pに接地する。このとき、ピックアップロール58の荷重は、デフォルトの荷重が設定される。
次に、ステップ202で、ピックアップロール58、フィードロール70、リタードロール62の各ロールの回転を開始する。これにより、ピックアップロール58が、給紙トレイ46から用紙Pが送り出すと共に、フィードロール70とリタードロール62とで、重なった用紙Pを捌いて(分離して)、用紙Pが一枚ずつ給紙される。
次に、ステップ204で、滑り量演算部82が、ピックアップロール58の回転量、用紙Pの移動量から用紙Pの滑り量を演算する。
次に、ステップ206で、滑り量演算部82が演算した滑り量の基づき、荷重制御部75がリニアアクチュエータ61を制御することにより、ピックアップロール58の荷重が補正される。
次に、ステップ208で、ピックアップロール58の荷重に基づき、リタードロール62のリタードトルクが補正される。
次に、ステップ210で、シートセンサ79が用紙Pを検知するか否かを判定し、用紙Pを検知しない場合は、ステップ204〜ステップ210が繰り返される。用紙Pを検知した場合は、ステップ212で、ピックアップロールの脱荷重が行われる。
次に、ステップ214で、リタードロール62のリタードトルクをトルクAに設定する。次に、ステップ216で、シートセンサ79が用紙Pの後端を検知するか否かによって、給紙が終了したか否かを判定し、給紙が終了していないと判定した場合は、ステップ216が繰り返される。給紙が終了したと判定した場合は、ステップ218で、ピックアップロール58、フィードロール70、リタードロール62の各ロールの回転を停止し、給紙動作が終了する。
このように、第2実施形態では、ピックアップロール58の荷重を、ピックアップロール58と用紙Pとの滑り量に応じて可変する。このため、必要なときのみ、すなわち、ピックアップロール58と用紙Pとの滑りが大きいときに、ピックアップロール58の荷重を増加させることができる。リタードロール62のリタードトルクは、ピックアップロール58の荷重に応じて行われるため、必要なときのみピックアップロール58の荷重を増加させることで、リタードロール62のリタードトルクを強くする期間も最小限に抑えることができ、リタードロール62及びフィードロール70の磨耗が低減される。
なお、第2実施形態では、ピックアップロール58は、ステッピングモータで駆動する構成となっており、制御部からステッピングモータへ送られるパルス信号によって、ピックアップロール58の回転量が検出されるようになっていたが、この構成に限られず、ステッピングモータを用いずに、ピックアップロール58の回転軸にロータリエンコーダを取り付けて、ピックアップロール58の回転量を測定する構成であってもよい。本発明は、上記の第1実施形態及び第2実施形態に限るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変形、変更、改良が可能である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る複写機を前方からみた正面図である。 図2は、第1実施形態に係る給紙装置の構成を示す図である。 図3は、第1実施形態に係るリタードロールにリタードトルクを調整する構成を示す図である。 図4は、第1実施形態に係る給紙開始から給紙動作終了までの制御フローを示す図である。 図5は、第2実施形態に係る給紙装置の構成を示す図である。 図6は、第2実施形態に係るピックアップロールの荷重及びリタードロールのリタードトルクを制御するための制御系の構成を示すブロック図である。 図7は、第2実施形態に係るリタードロールのリタードトルクのトルク設定値と、ピックアップロールの荷重設定値との関係を示す図である。 図8は、第2実施形態に係る給紙開始から給紙動作終了までの制御フローを示す図である。 図9は、図3に示したリタードロールにリタードトルクを調整する構成の変形例を示す図である。
符号の説明
10 複写機(画像形成装置)
46 給紙トレイ(シート収容部)
58 ピックアップロール
58 フィードロール
60 給紙装置
61 リニアアクチュエータ(荷重調整手段)
62 リタードロール
73 DCモータ(捌き調整手段)
77 トルク制御部(駆動制御手段)
P 用紙

Claims (7)

  1. シートを収容するシート収容部からシートを送り出すピックアップロールと、該ピックアップロールに送り出されたシートを1枚ずつ捌いて給紙する捌き手段と、を有する給紙装置において、
    前記シートに付与される前記ピックアップロールの荷重を調整する荷重調整手段と、
    前記荷重調整手段が調整した前記ピックアップロールの荷重に応じて、前記捌き手段の捌きの強さを調整する捌き調整手段と、
    を備えたことを特徴とする給紙装置。
  2. 前記捌き調整手段は、前記ピックアップロール荷重が増加すると、前記捌き手段の捌き強さを強くすることを特徴とする請求項1の給紙装置。
  3. 前記捌き調整手段は、前記ピックアップロール荷重が減少すると、前記捌き手段の捌き強さを弱くすることを特徴とする請求項1の給紙装置。
  4. 前記捌き手段は、シートを搬送するフィードロールと、該フィードロールと対向して配置されシートに搬送抵抗を付与するリタードロールとで構成され、
    前記捌き調整手段は、前記リタードロールがフィードロールによって搬送される用紙を搬送方向と反対方向に戻すように回転するように作用するトルクを可変するトルク可変手段で構成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の給紙装置。
  5. 前記トルク可変手段は、DCモータ及びその駆動制御手段であることを特徴とする請求項4の給紙装置。
  6. 前記ピックアップロールの荷重は、前記ピックアップロールと前記シートとの滑り量に応じて可変されることを特徴とする請求項1の給紙装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の給紙装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008303043A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Fuji Xerox Co Ltd 給紙装置及びこれを備えた画像形成装置

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