JP2007112125A - 液滴噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ライン型ヘッドよりもノズル数の少ない補助ヘッドにより、ライン型ヘッドの複数の噴射不良のノズルを効率よく補完することが可能な液滴噴射装置を提供すること。
【解決手段】インクジェットプリンタ100は、走査方向に配列された複数のノズルからなるノズル列を有するライン型インクジェットヘッド1と、走査方向に配列された複数のノズルからなり、走査方向に移動可能に設けられた補助ヘッド45とを有し、インクジェットヘッド1のノズル列のノズル配列ピッチと補助ヘッド45のノズル列のノズル配列ピッチは等しくなっている。そのため、インクジェットヘッド1の複数のノズルに同時に噴射不良が生じたときに、これらの不良ノズルを補助ヘッド45の複数のノズルにより一度に補完することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
記録用紙等に対してインクを噴射するインクジェットプリンタとして、この記録用紙等の送り方向と直交する方向に配列された複数のノズルを有する、いわゆる、ライン型のインクジェットプリンタが知られている。このライン型のインクジェットヘッドは、シリアル型のものと比べて、記録用紙の全幅に亙って配列された1ラインのノズルからインクを噴射して記録することができるために記録速度が速いという利点がある。しかし、ノズルの数が多いために、何れかのノズル内に塵やエア等が混入して、液滴を噴射できない(液滴の不吐出)、あるいは、液滴の噴射方向が曲がって着弾位置がずれるなどの噴射不良が生じやすい。このような噴射不良が生じると、記録された文字や画像に白すじが発生するなど印字品質が低下する。そこで、噴射不良が生じたノズルの代わりにインクを噴射する補助ヘッドを備えたインクジェットプリンタが提案されている。
例えば、特許文献1(特開2005−88417号公報)に記載のインクジェットプリンタは、ライン型のインクジェットヘッドと、このインクジェットヘッドに対してその長手方向(ノズルの配列方向)に移動可能な補助ヘッド(補完用記録ヘッド)とを備えている。補助ヘッドは、記録用紙の送り方向に1列に配列された複数のノズルを有する。そして、ライン型のインクジェットヘッドの何れかのノズルに噴射不良が生じたときには、補助ヘッドのノズルがその噴射不良のノズルと配列方向に関して同じ位置になるように補助ヘッドを移動させ、インクジェットヘッドの不良ノズルの代わりに補助ヘッドのノズルからインクを噴射させて、不良ノズルを補完するようになっている。
また、特許文献2(特開平11−334047号公報)に記載のインクジェットプリンタは、主ヘッドであるライン型のインクジェットヘッドと、このインクジェットヘッドと記録用紙の送り方向に並べて設けられ、インクジェットヘッドと全く同じ構造を有するライン型の補助ヘッドとを備えている。そして、インクジェットヘッドの何れかのノズルに噴射不良が生じたときには、その不良ノズルの代わりに、このノズルと配列方向に関して同じ位置にある補助ヘッドのノズルからインクを噴射させるようになっている。
特開2005−88417号公報(図2) 特開平11−334047号公報(図1)
ところで、噴射不良が発生するノズルは1つとは限らず、例えば、液滴噴射面に付着したインクが近接する2以上のノズル内へ吸い込まれて、2つのノズルに同時にエアが混入した場合などに、2以上のノズルに同時に噴射不良が生じることもよくある。しかし、特許文献1の補助ヘッドではノズルが送り方向に平行に1列に配列されているため、この補助ヘッドは、1つの噴射実行位置で1つのノズルしか補完することができず、2以上の複数のノズルに同時に噴射不良が生じている場合には、これら複数の不良ノズルにそれぞれ対応する位置へ頻繁に補助ヘッドを移動させる必要がある。
一方、特許文献2の補助ヘッドはライン型ヘッドであるため、主ヘッドの複数のノズルに同時に噴射不良が生じても、これらの不良ノズルを補助ヘッドにより一度に補完することができる。しかし、1つのインクジェットプリンタに、多数のノズルを有するライン型ヘッドを2つも設ける必要があることから、プリンタ全体のコストがかなり高くなってしまう。
本発明の目的は、ライン型ヘッドよりもノズル数の少ない補助ヘッドにより、ライン型ヘッドの複数の噴射不良のノズルを効率よく補完することが可能な液滴噴射装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の態様に従えば、所定の第1の方向に配列された複数の第1ノズルからなる第1ノズル列を有する第1の液滴噴射ヘッドと、前記第1の方向に配列された複数の第2ノズルからなり、前記第1ノズル列よりも短い第2ノズル列を少なくとも有し、前記第1の方向に移動可能に設けられた第2の液滴噴射ヘッドと、前記第2の液滴噴射ヘッドを前記第1の方向に駆動する駆動機構と、前記第2の液滴噴射ヘッドの前記第1の方向に関する位置を検出する位置検出器とを備え、前記第1ノズル列のノズル配列ピッチと前記第2ノズル列のノズル配列ピッチが等しい液滴噴射装置が提供される。
この構成によれば、第1の液滴噴射ヘッドの何れかの第1ノズルに噴射不能や噴射方向の曲がりなどの噴射不良が生じた場合に、このような噴射不良が生じた第1ノズルに対応する位置に第2の液滴噴射ヘッドを移動させて、その第1ノズルの代わりに、第2の液滴噴射ヘッドの第2ノズルから液体を噴射させて補完することができる。ここで、複数の第1ノズルからなる第1のノズル列のノズル配列ピッチと、複数の第2ノズルからなる第2のノズル列のノズル配列ピッチが等しいため、隣接する2以上の第1ノズルに同時に噴射不良が生じた場合でも、複数の第2ノズルにより一度に補完することが可能である。つまり、第1の液滴噴射ヘッドよりもノズル列が短く(ノズルの数が少なく)、低コストな第2の液滴噴射ヘッドにより、噴射不良の第1ノズルを効率よく補完することが可能になる。
本発明の液滴噴射装置において、前記第1の液滴噴射ヘッドは、前記第1の方向と直交する第2の方向に並ぶ複数の前記第1ノズル列を有してもよく、前記第2の液滴噴射ヘッドは、前記第2の方向に並ぶ複数の前記第2ノズル列を有してもよく、前記複数の前記第1ノズル列のうち隣接する2列の第1ノズル列間における前記第1の方向に関するずれ量と、隣接する2列の前記第2ノズル列間における前記第1の方向に関するずれ量が等しくてもよい。この構成によれば、隣接する2列の第1ノズル列にそれぞれ属する2つの第1ノズルに同時に噴射不良が生じた場合でも、隣接する2列の第2ノズル列にそれぞれ属する2つの第2ノズルにより一度に補完することが可能になる。
本発明の液滴噴射装置において、前記隣接する2列の前記第1ノズル列が、前記第2の方向に関して互いに近接して配置されてもよい。このように、隣接する2列の第1ノズル列が互いに近接している場合には、一方の第1ノズル列に属するある第1ノズルの周りに付着したインクが、他方の第1ノズル列に属する第1ノズルの周りにも付着して、これら2つの第1ノズルに同時に噴射不良が生じることがあるが、このような場合でも、隣接する2列の第2ノズル列にそれぞれ属する2つの第2ノズルにより一度に補完することができる。
本発明の液滴噴射装置において、前記隣接する2列の第1ノズル列にそれぞれ属し、且つ、前記第1の方向に前記ずれ量だけ離れて配置された2つの前記第1ノズルが、互いに近接配置された2つの連通口においてそれぞれ共通の液室に連通してもよい。このように、隣接する2列の第1ノズル列にそれぞれ属する2つの第1ノズルが共通の液室に連通しており、さらに、それらの2つの連通口が近接していると、共通の液室に大きな気泡が流入したときに、2つの第1ノズル内に気泡が同時に侵入して、これら2つの第1ノズルに同時に噴射不良が生じることがある。このような場合でも、隣接する2列の第2ノズル列にそれぞれ属する2つの第2ノズルにより一度に補完することができる
本発明の液滴噴射装置において、前記第1ノズル列に属する複数の第1ノズルのうち、噴射不良が生じている前記第1ノズルを特定する情報を記憶するメモリと、このメモリに記憶された情報に基づいて、噴射不良の前記第1ノズルに代わって液滴を噴射するときの、前記第2の液滴噴射ヘッドの噴射実行位置と液滴を噴射する前記第2ノズルとを決定する噴射位置決定部とを備え得る。この構成によれば、第1の液滴噴射ヘッドの何れかの第1ノズルに噴射不良が生じたときの、第2の液滴噴射ヘッドの第2ノズルによる代替噴射を効率よく行うことが可能になる。
本発明の液滴噴射装置において、前記噴射位置決定部は、前記第2の液滴噴射ヘッドの前記第1の方向への移動回数が少なくなるように、前記噴射実行位置と前記第2ノズルを決定し得る。この構成によれば、複数の第1ノズルに同時に噴射不良が生じた場合でも、第2の液滴噴射ヘッドが第1の方向に移動する回数が少なくなるため、この第2の液滴噴射ヘッドによる代替噴射を迅速に行うことができる。
本発明の液滴噴射装置において、前記第1ノズル列に属する複数の第1ノズルのうち、噴射不良が生じている前記第1ノズルを検出する不良ノズル検出器を有してもよい。この構成によれば、噴射不良が生じている第1ノズルを特定することができるため、第2の液滴噴射ヘッドの第2ノズルによる代替噴射を速やかに行うことが可能になる。
本発明の液滴噴射装置において、前記第1の液滴噴射ヘッドは、複数種類の液体をそれぞれ噴射する複数の前記第1ノズル列を有してもよく、さらに、前記第2の液滴噴射ヘッドは、前記複数種類の液体をそれぞれ噴射する複数の前記第2ノズル列を有してもよい。この構成によれば、複数種類の液体をそれぞれ噴射する複数の第1ノズルに同時に噴射不良が生じた場合でも、これらの不良ノズルを第2の液滴噴射ヘッドにより一度に補完することが可能になる。さらに、1つの第2の液滴噴射ヘッドに複数の第2ノズル列が設けられているため、複数の第2ノズル列をそれぞれ有する複数のヘッドにより別々に代替噴射を行う場合に比べて、第2の液滴噴射ヘッドを第1の方向に移動させる構成(駆動機構や位置検出器等)の構成が簡単になる。
本発明の液滴噴射装置は、前記第1の方向に移動する可動体をさらに有してもよく、前記可動体には前記第1ノズルの噴射状態を検出する検出器が設けられてもよい。前記可動体はさらに、前記第1ノズルの出射口を覆うパージキャップを有してもよい。この構成によれば、可動体に設けられた検出器とパージキャップが一体的に移動するため、検出器において噴射異常が検出された場合、直ちに噴射異常が検出されたノズルをパージして、噴射状態を正常に回復させることができる。
本発明の第1実施形態について説明する。この第1実施形態は、液滴噴射装置として、記録用紙に対してインクを噴射するライン型のインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。
まず、第1実施形態のインクジェットプリンタ100の概略構成について説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、記録用紙6の幅方向(走査方向:図1の左右方向)に延び且つその両端においてプリンタ本体5に支持されたライン型のインクジェットヘッド1(第1の液滴噴射ヘッド)と、記録用紙6を図1の前方へ搬送する搬送ローラ2と、インクジェットプリンタ100全体の制御を司る制御装置3(図10参照)などを備えている。インクジェットヘッド1は、チューブ7を介してインクタンク4から供給されたインクを、走査方向に配列された複数のノズル20(第1ノズル:図2〜図5参照)から記録用紙6に対して噴射して、所望の文字や画像を記録用紙6に記録する。また、インクジェットヘッド1により記録された記録用紙6は、搬送モータ8(図10参照)により回転駆動される搬送ローラ2により前方(紙送り方向)へ排出される。
また、図1に示すように、インクジェットヘッド1の前方には、走査方向に移動可能な補助ヘッド45(第2の液滴噴射ヘッド)が設けられている。この補助ヘッド45は、インクジェットヘッド1の何れかのノズル20に噴射不良が生じたときに、このノズル20の代わりにインクを噴射するためのものである。この補助ヘッド45については後ほど詳しく説明する。
次に、ライン型のインクジェットヘッド1について説明する。図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド1は、ノズル20及び圧力室14を含むインク流路が形成された流路ユニット400と、この流路ユニット400の上面に配置されて、圧力室14内のインクに噴射圧力を付与する圧電アクチュエータ300とを備えている。
まず、流路ユニット400について説明する。図4、図5に示すように、流路ユニット400はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12はステンレス鋼製の板である。これら3枚のプレート10〜12に、後述するマニホールド17や圧力室14等のインク流路がエッチングにより容易に形成される。また、ノズルプレート13は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート12の下面に接着される。あるいは、このノズルプレート13も、3枚のプレート10〜12と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
図2〜図5に示すように、4枚のプレート10〜13のうち、最も上方に位置するキャビティプレート10には、平面に沿って配列された複数の圧力室14が貫通孔状に形成される。これら複数の圧力室14は上下両側から後述の振動板30及びベースプレート11によりそれぞれ覆われている。また、複数の圧力室14は、走査方向(図2の左右方向)に4列に配列されている。各圧力室14は、平面視で紙送り方向(図2の上下方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
ベースプレート11の、平面視で圧力室14の両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、走査方向(図2の左右方向)に延びる4つのマニホールド17が形成されている。これら4つのマニホールド17は、平面視で、走査方向に延びる4列の圧力室14にそれぞれ対応しており、マニホールドは圧力室14の紙送り方向上流側部分(図2の上半部)と重なっている。さらに、これら4つのマニホールド17は、後述の振動板30に形成されたインク供給口18に連通しており、インクタンク4(図1参照)からインク供給口18を介してマニホールド17へインクが供給される。また、マニホールドプレート12の、平面視で複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部(図2、図3の下端部)と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔16に連なる複数の連通孔19も形成されている。
さらに、ノズルプレート13の、平面視で複数の連通孔19にそれぞれ重なる位置には、複数のノズル20が形成されている。図2に示すように、複数のノズル20は、4列に配列された複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部とそれぞれ重なっており、4つのマニホールド17と重ならない領域において走査方向(図2の左右方向:第1の方向)に配列されて、走査方向と直交する紙送り方向(図2の上下方向:第2の方向)に並ぶ4列のノズル列20a〜20d(第1のノズル列)を構成している。また、4列のノズル列20a〜20dに関して、ノズル配列ピッチP(以下、単にピッチPという)は全て等しくなっている。そして、ノズルプレート13の下面は、複数のノズル20の出射口がそれぞれ形成された液滴噴射面1aとなっている。また、図4、図5に示すように、各ノズル20は先細り形状に形成されており、その軸線は鉛直方向に平行である。そのため、ノズル20が正常であれば、液滴は鉛直方向下方に噴射される。
そして、図4に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介してノズル20に連通している。このように、流路ユニット400内には、マニホールド17から圧力室14を経てノズル20に至る個別インク流路21が複数形成されている。
次に、圧電アクチュエータ300について説明する。図2〜図5に示すように、圧電アクチュエータ300は、流路ユニット400の上面に配置された振動板30と、この振動板30の上面に複数の圧力室14に跨って連続的に形成された圧電層31と、この圧電層31の上面に複数の圧力室14にそれぞれ対応して形成された複数の個別電極32とを有する。
振動板30は、平面視で略矩形状の金属材料からなる導電性を有する板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板30は、キャビティプレート10の上面に複数の圧力室14を覆うように配設されて、接合されている。また、この振動板30は常にグランド電位に保持されており、複数の個別電極32に対向して個別電極32と振動板30との間の圧電層31に厚み方向の電界を作用させる共通電極を兼ねている。
振動板30の上面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電層31が形成されている。この圧電層31は、複数の圧力室14に跨って連続的に形成されている。尚、圧電層31は、例えば、超微粒子材料を高速で衝突させて堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)を用いて形成できる。その他、ゾルゲル法、スパッタ法、水熱合成法、あるいは、CVD(化学蒸着)法を用いることもできる。さらに、PZTのグリーンシートを焼成することにより得られた圧電シートを振動板30の表面に貼り付けて圧電層31を形成することもできる。
圧電層31の上面には、圧力室14よりも一回り小さい略楕円形の平面形状を有する複数の個別電極32が形成されている。これら個別電極32は、平面視で対応する圧力室14の中央部に重なる位置にそれぞれ形成されている。また、個別電極32は金、銅、銀、パラジウム、白金、あるいは、チタンなどの導電性材料からなる。さらに、複数の個別電極32の一端部(マニホールド17側の端部)からは、それぞれ個別電極32の長軸方向に複数の接点部35が引き出されている。そして、これら複数の接点部35には、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)等の可撓性を有する配線部材(図示省略)の接点が接合される。複数の個別電極32は、この配線部材を介して、複数の個別電極32に対して選択的に駆動電圧を供給するドライバIC22(図10参照)と電気的に接続されている。尚、複数の個別電極32及び複数の接点部35は、例えば、スクリーン印刷、スパッタ法、あるいは、蒸着法等により形成することができる。
次に、インク噴射時における圧電アクチュエータ300の作用について説明する。複数の個別電極32に対してドライバIC22から選択的に駆動電圧が印加されると、駆動電圧が印加された圧電層31上側の個別電極32とグランド電位に保持されている圧電層31下側の共通電極としての振動板30の電位が異なる状態となり、個別電極32と振動板30の間に挟まれた圧電層31に厚み方向の電界が生じる。ここで、圧電層31の分極方向と電界の方向とが同じ場合には、圧電層31はその分極方向である厚み方向に伸びて水平方向に収縮する。そして、この圧電層31の収縮変形に伴って振動板30が圧力室14側に凸となるように変形するため、圧力室14内の容積が減少して圧力室14内のインクに圧力が付与され、圧力室14に連通するノズル20からインクの液滴が噴射される。
ところで、前述したライン型インクジェットヘッド1は、紙送り方向と直交する方向に多数のノズル20を有するため、何れかのノズル20に塵やエア等が混入して、そのノズル20から液滴を噴射できなくなったり(インクの不吐出)、あるいは、液滴の噴射方向が曲がって着弾位置がずれたりするなどの噴射不良が生じやすい。このように、何れかのノズル20に噴射不良が生じている状態で記録用紙6に記録を行うと、記録された画像等に白すじが生じるなど印字品質が低下する。
そこで、図1、図6に示すように、この第1実施形態のインクジェットプリンタ100は、全てのノズル20の噴射状態を検出して噴射不良のノズル20を特定する噴射状態検出部44(不良ノズル検出器)と、この噴射状態検出部44により噴射不良が生じていることが検出されたノズル20の代わりにインクを噴射する補助ヘッド45(第2のインクジェットヘッド)を備えている。
図6、図7に示すように、インクジェットヘッド1の直下の位置には、液滴噴射面1aに対向する可動体40が、インクジェットヘッド1に対して走査方向(ノズル20の配列方向)にガイド軸41に沿って移動可能に配設されており、この可動体40は、可動体駆動モータ42(図10参照)により走査方向に駆動される。また、走査方向に平行なスケール43aを含み、可動体40の走査方向の位置を検出するリニアエンコーダ43(図10参照)も設けられている。
図6に示すように、可動体40の上部には、複数のノズル20の各々における液滴の噴射状態を検出する噴射状態検出部44が設けられている。この噴射状態検出部44は、可動体40の後端部に位置する壁部40aに設けられ、前方(ノズル配列方向と直交する方向)にレーザー光を出射する発光素子44aと、可動体40の前端部に位置する壁部40bに設けられ、発光素子44aから出射されたレーザー光を受光する受光素子44bを有する。そして、この噴射状態検出部44は、可動体40と一体的に走査方向に移動可能である。
可動体40は、インクジェットヘッド1のノズル20から記録用紙6に対してインクを噴射して記録する際には、記録用紙6の搬送経路に対して走査方向一方側(図6の右側)の待機位置において待機している。一方、インクジェットプリンタ100の制御装置3(図10参照)に対して噴射状態検出の指令が入力されたときには、可動体40は待機位置から搬送経路を横切るように左方へ移動する。
そして、図7に示すように、あるノズル20の直下の位置(ノズル20の軸線の延長線上の位置)に可動体40が位置している状態で、このノズル20から正常に(鉛直方向下方に)液滴が噴射されると、発光素子44aから前方へ出射されたレーザー光は鉛直方向下方に噴射された液滴により瞬間的に遮断されるので、受光素子44bによる受光が途切れることになり、このノズル20の噴射状態が正常であることが検出される。一方、このノズル20から液滴が噴射されなかった場合や、液滴の噴射方向が走査方向に曲がっている場合は、発光素子44aから前方へ出射されたレーザー光が液滴に遮断されず、受光素子44bによる受光が途切れないため、このノズル20の噴射状態が異常であることが検出される。そして、可動体40を移動させながら、これらの一連の検出動作を全てのノズル20に関して行うことにより、噴射状態が異常であるノズル20を特定することができる。
図1に示すように、補助ヘッド45は、ガイド軸47に沿って走査方向に移動可能なキャリッジ46に搭載されており、これらキャリッジ46と補助ヘッド45はヘッド駆動モータ48(駆動機構:図10参照)により一体的に走査方向に駆動される。また、走査方向に平行なスケール49aを含み、補助ヘッド45の走査方向に関する位置を検出するリニアエンコーダ49(位置検出器:図10参照)も設けられている。
補助ヘッド45は、圧力室やノズルの数の違いを除けば、前述したライン型インクジェットヘッド1と基本的な構造は同じである。即ち、図8、図9に示すように、補助ヘッド45は、4枚の積層状の金属プレート63〜66からなり、その内部に圧力室54及びノズル60を含むインク流路が形成された流路ユニット52と、この流路ユニット52の上面に配置された圧電アクチュエータ53とを有する。
流路ユニット52には、走査方向に1列に配列された平面視略楕円形の4つの圧力室54と、これら4つの圧力室54にそれぞれ連通し、同じく走査方向に配列された4つのノズル60(第2ノズル)からなるノズル列60a(第2のノズル列)と、走査方向に延びて4つの圧力室54に連通するマニホールド57が形成されている。圧力室54及びノズル60は、インクジェットヘッド1の圧力室14及びノズル60(図2、図3参照)と同一の形状及び寸法に形成されている。また、ノズル列60aのピッチは、インクジェットヘッド1の4つのノズル列20a〜20dのピッチP(図2参照)と等しく、さらに、ノズル列60aの長さは、インクジェットヘッド1のノズル列20a〜20dよりも短い(即ち、ノズルの数が少ない)。図1、図8に示すように、マニホールド57は、4つの圧力室54を覆う圧電アクチュエータ53の振動板70に形成されたインク供給口58、及び、チューブ59を介してインクタンク4に接続されている。そして、図9に示すように、流路ユニット52内には、マニホールド57から圧力室54を介してノズル60に至る個別インク流路61が、インクジェットヘッド1の個別インク流路21(図4参照)とほぼ同一の形状及び同一の寸法で形成されている。
圧電アクチュエータ53は、インクジェットヘッド1の圧電アクチュエータ300(図2〜図5参照)とほぼ同様の構成を有する。即ち、図8、図9に示すように、圧電アクチュエータ53は、4つの圧力室54を覆う振動板70、この振動板70の上面に形成された圧電層71、及び、圧電層71の上面において4つの圧力室54にそれぞれ対応して配置された4つの個別電極72とを備えている。各個別電極72は、インクジェットヘッド1の個別電極32と同一の形状及び寸法に形成され、対応する圧力室54の中央部に対向するように配置されている。また、4つの個別電極72はドライバIC73(図10参照)に接続されており、ドライバIC73から選択的に駆動電圧が印加されるようになっている。
そして、噴射状態検出部44により、インクジェットヘッド1のあるノズル20に噴射不良が生じていることが検出されたときに、補助ヘッド45は、その4つのノズル60の何れかが、インクジェットヘッド1の噴射不良のノズル20と走査方向の位置が同じとなるような位置(噴射実行位置)に移動して、噴射不良のノズル20の代わりにノズル60からインクを噴射させる(代替噴射)。この代替噴射動作はインクジェットプリンタ100の次に説明する制御装置3により制御される。
次に、制御装置3を中心とするインクジェットプリンタ100の電気的構成について図10のブロック図を参照して説明する。制御装置3は、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、インクジェットプリンタ100の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等からなる。
また、この制御装置3は、インクジェットヘッド1のインク噴射動作を制御するヘッド制御部80と、搬送モータ8による記録用紙6の搬送動作を制御する用紙搬送制御部81と、インクジェットヘッド1の何れかのノズル20に噴射不良が生じたときに可動体40及び噴射状態検出部44によるノズル20の噴射状態検出動作を制御する検出制御部82と、補助ヘッド45による代替噴射を制御する補助ヘッド制御部83とを備えている。尚、これらヘッド制御部80、用紙搬送制御部81、検出制御部82、及び、補助ヘッド制御部83は、それぞれ、CPU、ROM、RAM、及び、これらを接続するバスなどにより構成されている。
PC等の入力装置85から制御装置3に対して印字指令及び印字データが入力されると、ヘッド制御部80はインクジェットヘッド1のドライバIC22に対して指令を出力し、圧電アクチュエータ300の複数の個別電極32(図2〜図5参照)に対して選択的に駆動電圧を印加させて、ノズル20からインクを噴射させる。同時に、用紙搬送制御部81は、搬送モータ8を制御して搬送ローラ2(図1参照)を回転駆動して、記録用紙6を所定の搬送速度で紙送り方向へ搬送する。
また、白すじの発生などの印字不良が生じていることがプリンタ使用者の目視により確認されたときなどに、PC等の入力装置85から噴射不良のノズル20を特定する指令が検出制御部82に入力されると、検出制御部82は、図7に示すように、噴射状態検出部44の発光素子44aからレーザー光を出射させるとともに、リニアエンコーダ43からの位置情報に基づいて可動体駆動モータ42を制御して、可動体40を待機位置から記録用紙6の搬送経路を横切るように左方へ移動させる。さらに、可動体40がノズル20の直下の位置まで移動したときには、ヘッド制御部60に指令を出力してこのノズル20からインクの液滴を噴射させる。ここで、ノズル20から正常に(鉛直下方に)液滴が噴射されたときには、発光素子44aからのレーザー光が液滴により瞬間的に遮断されるため、ノズル20の噴射状態が正常であることが検出される。一方、ノズル20から液滴が噴射されない、あるいは、液滴の噴射方向がノズル20の配列方向(図7の左右方向)に曲がっている場合には、発光素子44aからのレーザー光は液滴に遮断されないため、このノズル20の噴射状態が異常であることが検出される。そして、噴射状態検出部44により検出された噴射不良のノズル20を特定する情報(例えば、ノズル位置やノズル番号等)が不良ノズル記憶部82a(記憶部)に記憶される。尚、その後の記録用紙6への記録時にこれら噴射不良のノズル20からインクが噴射されることがないように、不良ノズルを特定する情報はヘッド制御部80に送られる。
補助ヘッド制御部83は、不良ノズル記憶部82aに記憶された情報に基づいて、代替噴射を行うときの補助ヘッド45の噴射実行位置と不良ノズル20に代わって液滴を噴射する代替ノズルとを決定する噴射位置決定部83a(噴射位置決定部)を有する。例えば、図11に示すように、インクジェットヘッド1の最前列(紙送り方向に関して最も下流側の列)のノズル列20aに属する複数のノズル20のうち、左から2番目と4番目のノズル20が、噴射状態検出部44により不良ノズルであると検出されたとする。ここで、補助ヘッド45はピッチPで走査方向に配列された4つのノズル60を有することから、噴射位置決定部83aは、2Pの間隔を空けて位置する2つの不良ノズル20と補助ヘッド45の何れか2つのノズル60とが走査方向に関してそれぞれ同じ位置(図11の一点鎖線の位置)となるように、補助ヘッド45の噴射実行位置を決定する。また、噴射位置決定部83aは、補助ヘッド45がこの噴射実行位置にあるときに、2つの不良ノズル20と走査方向の位置が同じになる2つのノズル60を代替ノズルと決定する。
このようにして補助ヘッド45の噴射実行位置と代替ノズルが決定された後に、入力装置85からヘッド制御部80に印字指令が入力されると、ヘッド制御部80はドライバIC22を制御して、検出された噴射不良のノズル20以外の正常なノズル20のみからインクを噴射させるとともに、補助ヘッド制御部83に対して不良ノズルの代替噴射の指令を出力する。すると、補助ヘッド制御部83は、リニアエンコーダ49からの位置情報に基づいてヘッド駆動モータ48を制御して、補助ヘッド45を前述の噴射位置決定部83aにより決定された噴射実行位置に移動させる。さらに、補助ヘッド制御部83は、補助ヘッド45のドライバIC73を制御して、噴射位置決定部83aにより決定された代替ノズル60からインクを噴射させて、インクジェットヘッド1の不良ノズル20を補完する。
このように、インクジェットヘッド1の複数のノズル20に同時に噴射不良が生じても、不良ノズル同士が隣接しているか、あるいは、隣接していなくてもそれらの間隔が3P以内に収まっている場合には、補助ヘッド45を1カ所の噴射実行位置から移動させることなくその位置を固定して、4つのノズル60によりこれらの不良ノズル20を一度に補完することができることから、代替噴射を効率よく行うことができる。
尚、図11に示すインクジェットヘッド1の噴射不良状態において、噴射位置決定部83aにより2つの不良ノズル20に対して異なる2つの噴射実行位置をそれぞれ決定し、補助ヘッド45をこれら2つの噴射実行位置の間で移動させて2つの不良ノズル20をそれぞれ補完することも可能ではあるが、この場合には、2つの不良ノズル20の代替噴射を行う度に補助ヘッド45を走査方向に移動させる必要があるため、代替噴射の効率が悪くなり、代替噴射を迅速に行うことが困難になる。そこで、噴射位置決定部83aは、補助ヘッド45の噴射実行位置の数を少なくして(図11の例では1つ)、代替噴射時の補助ヘッド45の無駄な移動が極力少なくなるように、噴射実行位置及び代替ノズルを決定する。
一方、図12に示すように、最前列のノズル列20aに属する2つのノズル20に加えて、例えば、2列目のノズル列20bの右から2番目と4番目のノズル20にも噴射不良が生じていると検出されたときには、補助ヘッド45は、1カ所の噴射実行位置で4つの不良ノズル20を一度に補完することは不可能であるため、補助ヘッド45を走査方向に移動させる必要がある。しかし、この場合でも、補助ヘッド制御部83の噴射位置決定部83aは、補助ヘッド45の噴射実行位置の数が少なくなるように、噴射実行位置及び代替ノズルを決定する。即ち、最前列のノズル列20aにおいて2Pの間隔を空けて位置する2つの不良ノズル20を補完する場合には、補助ヘッド45の噴射実行位置を図12に実線で示す位置とし、これら2つの不良ノズル20を一度に補完できるようにする。一方、2列目のノズル列20bにおいて2Pの間隔を空けて位置する2つの不良ノズル20を補完する場合には、補助ヘッド45の噴射実行位置を図12に2点鎖線で示す位置とし、これら2つの不良ノズル20を一度に補完できるようにする。このように、噴射位置決定部83aは、補助ヘッド45が1つの噴射実行位置においてできるだけ多くの不良ノズル20を一度に補完できるように噴射実行位置を決定する。そのため、噴射実行位置の数、即ち、代替噴射時における補助ヘッド45の移動回数が少なくなるため、代替噴射を迅速に行うことができる。
尚、前述したように、補助ヘッド45のノズル60及び圧力室54を含むインク流路や、圧力室54内のインクに圧力を付与するための個別電極72などは、インクジェットヘッド1と同じ形状及び寸法に形成されていることから、インクジェットヘッド1のノズル20からインクを噴射する場合と、補助ヘッド45のノズル60からインクを噴射する場合とで、液滴速度や液滴体積等の噴射特性はほぼ等しくなり、補助ヘッド45による代替噴射によって印字品質が変わることはほとんどない。
以上説明したインクジェットプリンタ100によれば、以下のような効果が得られる。
補助ヘッド45は、ライン型インクジェットヘッド1のノズル列20a〜20dと同じピッチPで走査方向に配列された4つのノズル60を有するため、インクジェットヘッド1の複数のノズル20に同時に噴射不良が生じた場合でも、これら不良ノズル20を一度に補完することが可能になる。また、ライン型のインクジェットヘッド1と比べてノズルの数が非常に少ない補助ヘッド45により、噴射不良のノズル20を効率よく補完することができるため、インクジェットヘッド1と同じライン型の補完用ヘッドを別に設ける場合に比べて、インクジェットプリンタ100のコストを低く抑えることができる。
また、噴射状態検出部44により噴射不良が生じているノズル20を自動的に特定することができるため、補助ヘッド45による代替噴射を速やかに行うことが可能になる。さらに、補助ヘッド制御部83の噴射位置決定部83aは、不良ノズル記憶部82aに記憶された不良ノズルを特定する情報に基づいて、補助ヘッド45の噴射実行位置の数が少なくなるように噴射実行位置及び代替ノズルを決定するため、補助ヘッド45の移動回数が少なくなり、代替噴射を効率的且つ迅速に行うことができる。
次に、前記第1実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]ライン型インクジェットヘッドが、紙送り方向に並ぶ複数列のノズル列を有するとともに、補助ヘッドも紙送り方向に並ぶ複数列のノズル列を有し、インクジェットヘッドの複数列のノズル列にそれぞれ属する複数の噴射不良のノズルを、補助ヘッドにより一度に補完することが可能に構成されていてもよい。
例えば、図13に示すライン型のインクジェットヘッド1Aは、走査方向に配列された複数のノズル20からなり、紙送り方向(前後方向)に並ぶ4列のノズル列20a〜20dを有する。4列のノズル列20a〜20のピッチPは全て等しくなっており、さらに、互いに隣接する2列のノズル列(ノズル列20aと20b、ノズル列20bと20c、及び、ノズル列20cと20d)の間における走査方向に関するずれ量(それぞれの列に属するノズル20のずれ量)は、ピッチPの1/4となっている。さらに、前2列のノズル列20a,20bと、後2列のノズル列20c,20dは、それぞれ紙送り方向に互いに近接して配置されている。
また、このインクジェットヘッド1Aには、走査方向に延びる3つのマニホールド17Aが形成されている。そして、最前列のノズル列20aと前から4列目のノズル列20dは、両端に位置する2つのマニホールド17Aにそれぞれ圧力室14を介して連通している。一方、前から2列目のノズル列20bと3列目のノズル列20cにそれぞれ属するノズル20は、圧力室14を介し、連通孔15の下端(連通口)において中央のマニホールド17A(液室)に共通に連通している。さらに、2列目のノズル列20bのノズル20に連なる連通孔15と3列目のノズル列20cのノズル20に連なる連通孔15は走査方向に互いに近接して配置されている。
このように、隣接する2列のノズル列(ノズル列20aと20b、及び、ノズル列20cと20d)が紙送り方向に互いに近接していると、一方のノズル列に属するノズル20から噴射されたインクが、このノズル20の出射口周りに付着し、さらに、このノズル20に近接し且つ他方のノズル列に属する別のノズル20の周りにも付着してしまい、2列のノズル列にそれぞれ属する2以上のノズル20に同時に噴射不良が生じやすい。また、中央の2列のノズル列20b,20cにそれぞれ属し、走査方向にピッチPの1/4だけずれて配置された2つのノズル20は、それぞれ連通孔15を介して共通のマニホールド17Aに連通しており、さらに、それらの2つの連通孔15同士が近接しているため、マニホールド17Aに大きな気泡が流入したときに、近接する2つの連通孔15から2つのノズル20内に気泡が同時に侵入して、これら2つのノズル20に同時に噴射不良が生じやすい。
そこで、この変更形態の補助ヘッド45Aは、インクジェットヘッド1Aの2列のノズル列にそれぞれ属する複数の噴射不良のノズル20を、一度に補完することが可能に構成されている。図13に示すように、補助ヘッド45Aは、それぞれが走査方向に配列された4つのノズル60からなり、紙送り方向に並ぶ2列のノズル列60a,60bを有する。また、これら2列のノズル列60a,60bのピッチはインクジェットヘッド1Aのノズル列20a〜20dのピッチPに等しく、さらに、2列のノズル列60a,60b間における走査方向に関するずれ量はそのピッチPの1/4となっている。即ち、補助ヘッド45Aにおけるノズル列20a,20bのピッチとノズル列20a,20b間の走査方向に関する位置ずれ量の両方がインクジェットヘッド1Aの4列のノズル列20a〜20dと等しくなっており、補助ヘッド45Aのノズル配置は、インクジェットヘッド1Aの一部の矩形領域を切り出したときのその領域におけるノズル配置と等しくなっている。
そのため、インクジェットヘッド1Aの隣接する2列のノズル列に属する2以上のノズル20に同時に噴射不良が生じた場合でも、これらの不良ノズル20を、補助ヘッド45Aの2列のノズル列60a,60bにそれぞれ属するノズル60により一度に補完することが可能になる。尚、インクの逆流や気泡の混入といった前述した理由により2列のノズル列に亙って同時に噴射不良が生じる場合には、複数の不良ノズルは走査方向に関して互いに近接していることが多いことから、補助ヘッド45Aのノズル列60a,60bをインクジェットヘッド1Aのノズル列20a〜20dに比べて十分短くしても効率的な補完が可能であり、補助ヘッド45Aのノズル60の数を少なくしてコストを抑えることができる。
尚、前述のような2列のノズル列を有する補助ヘッドによる補完が可能なインクジェットヘッドは、図13のようなノズル配置のものに限られない。例えば、図14に示すように、インクジェットヘッドの隣接する2列のノズル列間の、走査方向に関するずれの方向が図13とは逆であってもよい。即ち、図13のインクジェットヘッド1Aでは、最前列のノズル列20aに対して2列目のノズル列20bが右方へピッチPの1/4だけずれているが、図14のインクジェットヘッド1Bでは、最前列のノズル列20aに対して2列目のノズル列20bが左方へピッチPの1/4だけずれている。このようなインクジェットヘッド1Bに対しても、補助ヘッド45Bの2列のノズル60a,60b列のピッチ及びノズル列間のずれ量を、インクジェットヘッド1Bのノズル列20a〜20dと等しくすることにより、補助ヘッド45Bによる効率的な補完が可能になる。
また、互いに近接している2列のノズル列と、共通のマニホールドに連通している2列のノズル列の位置が図13と反対になっていてもよい。即ち、図15に示すインクジェットヘッド1Cでは、4列のノズル列20a〜20dのうち、前から2列目のノズル列20bと3列目のノズル列20cとが紙送り方向に関して近接している。一方、最前列のノズル列20aと2列目のノズル列20bが前側に位置するマニホールド17Cに共通に連通し、さらに、3列目のノズル列20cと4列目のノズル列20dが後側に位置するマニホールド17Cに共通に連通している。このようなインクジェットヘッド1Cに対しても、補助ヘッド45Cの2列のノズル列60a,60bのピッチ及びノズル列間のずれ量を、インクジェットヘッド1Cのノズル列20a〜20d等しくすることにより、補助ヘッド45Cによる効率的な補完が可能になる。
2]ライン型インクジェットヘッドのノズル列は4列である必要は特になく、要求される解像度等の種々の設計条件に応じて自由に決定することができる。さらに、補助ヘッドのノズル列も2列に限られるものではなく、ライン型インクジェットヘッドのノズル列の近接状態や1つのマニホールドに連通するノズル列の数など、ライン型インクジェットヘッドのノズル配置に応じて適宜変更可能である。
図17Aは、前記第1実施形態における可動体40を、インクジェットヘッド1の液滴噴射面1a側から見た図である。前記第1実施形態では、ノズルから噴射された液滴が、発光素子44aから受光素子44bに出射されるレーザー光を通過しない場合に、そのノズルの噴射状態の異常が検出される。すなわち、ノズルから噴射された液滴がレーザー光(図17Aの破線)の軌跡上を通過すれば、レーザー光を遮ることにより、そのノズルの噴射方向の異常は検出されなくなる。より詳細には、液滴が所望の位置(ノズル噴射口から鉛直下方)からレーザー光の軌跡上でオフセットしていても、そのようなオフセットは、図17Aに記載の検出系では検出できない。これを解決するための変更形態について、以下に説明する。
3−1]図17Bに示した可動体140は、壁部40aに取り付けられた第1の発光素子44aおよび第2の発光素子144aと、壁部40bに取り付けられた第1の受光素子44bおよび第2の受光素子144bとを有する。第1の発光素子44aから出射された第1のレーザー光151は、所望の位置X(ノズル噴射口の鉛直下方)を通過して第1の受光素子44bに受光される。第2の発光素子144aから出射された第2のレーザー光152は、所望の位置Xを通過して第2の受光素子144bに受光される。第1の発光素子44aおよび第1の受光素子44bは、第1のレーザー光151の軌跡が紙送り方向に対して傾斜するように配置されており、第2の発光素子144aおよび第2の受光素子144bは、第2のレーザー光152の軌跡が紙送り方向に対して傾斜するとともに、第1のレーザー光151と位置Xで交差するように配置されている。このような構成によれば、第1の受光素子44bおよび第2の受光素子144bのいずれにも、液滴によるレーザー光の遮断が検知された時は、液滴が所望の位置Xに噴射されていることがわかる。なお、第1の発光素子44aおよび第1の受光素子44bは、第1のレーザー光151の軌跡が紙送り方向に対して平行であり、かつ位置Xを通過するように配置されてもよい。その場合、第2の発光素子144aおよび第2の受光素子144bは、第2のレーザー光152の軌跡が、第1のレーザー光151の軌跡に対して傾斜するとともに、第1のレーザー光151と位置Xで交差するように配置されてもよい。
3−2]また、図18Aおよび図18Bに示した別の形態の可動体150は、壁部40aに摺動可能に取り付けられた第1の環状アーム150aと、壁部40bに摺動可能に取り付けられた第2の環状アーム150bと、第1の環状アーム150aに取り付けられた発光素子44aと、第2の環状アーム150bに取り付けられた受光素子44bと、可動体150の下方部に設けられ、第1および第2の環状アームを壁部40aおよび40bに沿って摺動させる駆動モータ(不図示)を有する。第1および第2の環状アームは、環状アームの半径方向に延在する図示しない支持部によって連結されている。この支持部の長手方向中央が駆動モータのスピンドル(不図示)により軸支されている。駆動モータによって第1および第2の環状アームが、所望の位置X(ノズル噴射口の鉛直下方)を中心として、壁部40aおよび40bに沿って摺動することにより、発光素子44aおよび受光素子44bはそれぞれ、図18Aに示す第1位置(151a、151b)と、図18Bに示す第2位置(152a、152b)との間を移動することができる。発光素子44aおよび受光素子44bは、第1位置(151a、151b)および第2位置において(152a、152b)、発光素子44aから出射されたレーザー光が、所望の位置Xを通過して受光素子44bに受光されるように、第1および第2の環状アーム上に配置されている。まず発光素子44aおよび受光素子44bが第1位置(151a、151b)に配置されるように第1および第2の環状アームを摺動させ、発光素子44aから出射されたレーザー光が、ノズルから噴射された液滴によって遮断されるかについて、受光素子44bによって検知する。レーザー光が液滴により遮断されることが検知されれば、液滴は、第1位置(151a、151b)におけるレーザー光の軌跡上に噴射されていることがわかる。次に、発光素子44aおよび受光素子44bが第2位置(152a、152b)に配置されるように第1および第2の環状アームを摺動させ、発光素子44aから出射されたレーザー光が、ノズルから噴射された液滴によって遮断されるかについて、受光素子44bによって検知する。レーザー光が液滴により遮断されることが検知されれば、液滴は、第2位置(152a、152b)におけるレーザー光の軌跡上に噴射されていることがわかる。このような構成によれば、受光素子44bが第1位置(151b)および第2位置(152b)のいずれにおいても、レーザー光の遮断を検知した時は、液滴が所望の位置Xに噴射されていることがわかる。なお、発光素子44aおよび受光素子44bの配置位置の移動は、検査対象ノズルごとに行われなくてもよい。例えば、発光素子44aおよび受光素子44bを第1位置(151a、151b)に配置した状態で全ノズルを検査し、次に、発光素子44aおよび受光素子44bを第2位置(152a、152b)に移動させ、発光素子44aおよび受光素子44bを第2位置(152a、152b)に配置した状態で全ノズルを検査してもよい。
3−3]噴射不良のノズル20を検出する不良ノズル検出器としては、前記第1実施形態の噴射状態検出部44のような発光素子及び受光素子を有する光学式のものに限られず、種々の型式のものを採用できる。例えば、可動体40の液滴噴射面1aと対向する面に設けられた電極を有し、帯電したインクの液滴が電極に向けて噴射されたときに、電極表面の電位の変化から液滴の着弾位置を認識して、各ノズル20の噴射状態を検出するものであってもよい。あるいは、ノズルチェックパターンを印字して、そのノズルチェックパターン中の欠落部をスキャナ等の画像読取装置により読み取ることにより、不良ノズル20を検出するものであってもよい。
さらには、不良ノズル検出器が省略されてもよい。例えば、印字されたノズルチェックパターンを使用者が読み取るなどして、噴射不良が生じているノズル20を使用者が特定し、使用者により、特定された不良ノズル20の情報が入力装置85からプリンタの制御装置へ入力されるように構成されていてもよい。
4]前記第1実施形態において、可動体40は可動体駆動モータ42により走査方向に駆動され、補助ヘッド45はヘッド駆動モータ48により走査方向に駆動される。しかし、可動体40および補助ヘッド45の走査方向への駆動方法はこれに限られない。例えば図19に示すように、可動体40および補助ヘッド45を連結するコネクタ500を設け、可動体40および補助ヘッド45を連結する。そして、可動体40および補助ヘッド45のいずれか一方にのみ駆動力を与えることにより、可動体40および補助ヘッド45を一体として走査方向に駆動させる。この構造により、可動体40および補助ヘッド45に別個に必要だった駆動モータを共通化することができる。すなわち、駆動モータの数を1つ減らすことができ、製品の小型化や、部品点数の低減による製造コストの削減につながる。なお、コネクタ500のかわりに、例えば可動体40および補助ヘッド45のいずれか一方に係合爪を設け、他方にその係合爪を受ける係合爪受け部を設けて、可動体40と補助ヘッド45を係合してもよい。また、互いに極性が異なるマグネットを可動体40および補助ヘッド45に着脱可能に取り付け、可動体40と補助ヘッド45をマグネットの磁力により連結させてもよい。また、可動体40に駆動力を与えて可動体40および補助ヘッド45を一体として駆動させる場合、補助ヘッド45を駆動させるためのキャリッジ46およびガイド軸47は省略されてもよい。
5]前記第1実施形態において、可動体40の上部には、複数のノズル20の各々における液滴の噴射状態を検出する噴射状態検出部44が設けられているが、本変形形態では、図20に示すように、可動体40の2つの壁部40a,40bの間の中央部に位置する凹部40cに、ノズル20の出射口を覆うパージキャップ145が設けられている。パージキャップ145は平面視矩形状であり、前後方向(紙送り方向)に延在する。このパージキャップ145は可動体40と一体的に走査方向に移動可能である。また、可動体40には、パージキャップ145を上下に駆動するキャップ駆動モータ(不図示)が設けられている。パージキャップ145はキャップ駆動モータにより駆動されて、液滴噴射面1aに接触する上方のパージ位置(図21の破線の位置)から、液滴噴射面1a下方の凹部40cに収まるパージ準備位置(図21の実線の位置)まで移動可能に構成されている。なお、パージキャップ145は、液滴噴射面1aに確実に密着できるように、合成樹脂材料やゴム材料等のある程度の可撓性を有する材料により形成されてもよい。
また、図20、図21に示すように、パージキャップ145には、チューブ147を介して吸引ポンプ(不図示)が接続されている。そして、パージキャップ145がパージ位置にある状態で、パージキャップ145を介してノズル20内のインクを強制的に吸引し、チューブ147から排出する。この構造により、ノズルの噴射異常が検出された場合、その場でそのノズルをパージして噴射状態を正常に回復させることができる。
6]前記第1実施形態において、噴射状態検出部44は、ライン型インクジェットヘッド1のノズル20の噴射不良を検出するが、ライン型インクジェットヘッド1だけでなく、補助ヘッド45のノズル60の噴射不良を検出してもよい。例えば図22に示すように、可動体40の壁部40a、40bに取り付けられた発光素子44aから受光素子44bまでの距離が、ライン型インクジェットヘッド1の紙送り方向の幅W1と補助ヘッド45の紙送り方向の幅W2との和よりも大きくなるように可動体40を形成する。この構成によれば、発光素子44aから受光素子44bまでの距離が、ライン型インクジェットヘッド1および補助ヘッド45の紙送り方向の幅をカバーするので、ライン型インクジェットヘッド1のノズル20だけでなく、補助ヘッド45のノズル60の噴射不良も検出することができる。
7]上記第1実施形態において、図12に示すように、複数の噴射不良ノズル20の位置が離れている場合、補助ヘッド45は一度でそれらの不良ノズル20を補完することはできないので、補助ヘッド45を走査方向に移動させることにより補完する。しかし、図10に示す噴射位置決定部83aは、複数の噴射不良ノズル20が、補助ヘッド45が一度で補完できる範囲内に存在するか否かについて判断してもよい。より詳細には、複数の噴射不良ノズルのうち、両端に位置する2つのノズルの走査方向への間隔と、補助ヘッド45において両端に位置するノズルの間隔とを比較する。例えば、両端に位置する噴射不良ノズルの間隔が、補助ヘッド45の両端に位置するノズルの間隔より小さい場合は補助ヘッド45で補完し、大きい場合は、制御部3がメンテナンスを促すメッセージをプリンタの表示部に表示するようにしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態は4色(シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラック)のインクを記録用紙に対して噴射してカラー画像を記録可能なカラーインクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。図16に示すように、この第2実施形態のインクジェットプリンタ200は、ライン型のカラーインクジェットヘッド201(第1の液滴噴射ヘッド)と、このインクジェットヘッド201に対して走査方向に移動可能な補助ヘッド245(第2の液滴噴射ヘッド)を備えている。
インクジェットヘッド201は、4色のインクをそれぞれ噴射するノズル220からなる4組(4種類)のノズル組220a〜220dを有する。各ノズル組220a〜220dは、走査方向にピッチPで配列された複数のノズル220(第1ノズル)からなる4列のノズル列(第1のノズル列)で構成されている。また、インクジェットヘッド201には、4つのインク供給口218から4色のインクがそれぞれ供給される4つのマニホールドが形成されており、これら4つのマニホールドは、4組のノズル組220a〜220dにそれぞれ属するノズル220に連通している。さらに、インクジェットヘッド201は、インクに噴射圧力を付与する圧電アクチュエータ203を備えている。この圧電アクチュエータ203は、前記第1実施形態の圧電アクチュエータ300と同様に、圧電層231の上面に形成された個別電極232に駆動電圧が印加されたときの圧電層231の変形を利用して、インクに噴射圧力を付与するように構成されている。そして、インクジェットヘッド201は、4種類のノズル組220a〜220dにそれぞれ属するノズル220から4色のインクを記録用紙に対して噴射させて、記録用紙にカラー画像を記録することが可能になっている。
補助ヘッド245は、4色のインクをそれぞれ噴射するノズル260(第2ノズル)からなる4列(4種類)のノズル列260a〜260d(第2のノズル列)を有する。各ノズル列260a〜260dのノズル配列ピッチは、インクジェットヘッド201のノズル列のピッチPと同じである。また、補助ヘッド245には、4つのインク供給口258から4色のインクがそれぞれ供給される4つのマニホールド257が形成されており、これら4つのマニホールド257は、4列のノズル列260a〜260dにそれぞれ属するノズル260に連通している。さらに、補助ヘッド245は、インクに噴射圧力を付与する圧電アクチュエータ253を備えている。この圧電アクチュエータ253は、前記第1実施形態の圧電アクチュエータ53と同様に、圧電層271の上面に形成された個別電極272に駆動電圧が印加されたときの圧電層271の変形を利用して、インクに噴射圧力を付与するように構成されている。
このインクジェットプリンタ200は、インクジェットヘッド201の何れかのノズル220に噴射不良が生じたときには、この不良ノズル220と同じ色のインクを噴射する補助ヘッド245のノズル260のうちの何れかのノズル260が、走査方向に関して不良ノズル220と同じ位置となるような位置(噴射実行位置)へ補助ヘッド245を移動させる。さらに、不良ノズル220の代わりに、この不良ノズル220と走査方向に関して同じ位置にあるノズル260(代替ノズル)からインクを噴射させる。
この構成によれば、補助ヘッド245が、4色のインクをそれぞれ噴射する4列のノズル列260a〜260dを有するため、ライン型インクジェットヘッド201の異なる色のインクをそれぞれ噴射する2以上のノズル220に同時に噴射不良が生じた場合でも、補助ヘッド245によりこれらの不良ノズル220を一度に補完することが可能になる。また、1つの補助ヘッド245に4列のノズル列260a〜260dが設けられているため、これら4列のノズル列260a〜260dをそれぞれ有する4つのヘッドにより別々に代替噴射を行う場合と比べて、補助ヘッド245を移動させるための構成が簡単になる。
以上説明した実施の形態は、記録用紙にインクを噴射するインクジェットプリンタに本発明を適用した例であるが、それ以外の用途に用いられる液滴噴射装置に本発明を適用することもできる。例えば、導電ペーストを噴射して基板上に配線パターンを形成したり、有機発光体を基板に噴射して有機ELディスプレイを形成したり、あるいは、光学樹脂を基板に噴射して光導波路等の光学デバイスを形成したりする、種々の液滴噴射装置に本発明を適用できる。
本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 ライン型インクジェットヘッドの平面図である。 図2の一部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 ノズルの噴射状態検出動作を行うための構成を示す斜視図である。 図6のVII-VII線断面図である。 補助ヘッドの平面図である。 図8のIX-IX線断面図である。 インクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図である。 代替噴射時のライン型インクジェットヘッドと補助ヘッドの平面図である。 別の代替噴射時のライン型インクジェットヘッドと補助ヘッドの平面図である。 第1実施形態の変更形態に係る、代替噴射時のライン型インクジェットヘッドと補助ヘッドの平面図である。 別の変更形態に係る、代替噴射時のライン型インクジェットヘッドと補助ヘッドの平面図である。 さらに別の変更形態に係る、代替噴射時のライン型インクジェットヘッドと補助ヘッドの平面図である。 第2実施形態に係る、代替噴射時のライン型インクジェットヘッドと補助ヘッドの平面図である。 (a)は第1実施形態の可動体をインクジェットヘッドの液滴噴射面側から見た図、(b)は変更形態の可動体をインクジェットヘッドの液滴噴射面側から見た図である。 (a)、(b)はさらに別の変更形態の可動体をインクジェットヘッドの液滴噴射面から見た図である。 可動体および補助ヘッドを一体的に駆動させるための構成を示す平面図である。 噴射不良ノズルをパージするための構成を示す斜視図である。 図20のXXI-XXI線断面図である。 ライン型インクジェットヘッドおよび補助ヘッドの噴射不良ノズルを検出するための構成を示す平面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C ライン型インクジェットヘッド
20 ノズル
20a〜20d ノズル列
44 噴射状態検出部
45,45A,45B,45C 補助ヘッド
48 ヘッド駆動モータ
49 リニアエンコーダ
60 ノズル
60a ノズル列
60a,60b ノズル列
82a 不良ノズル記憶部
83a 噴射位置決定部
100 インクジェットプリンタ
200 インクジェットプリンタ
201 ライン型インクジェットヘッド
220 ノズル
245 補助ヘッド
260 ノズル
260a〜260d ノズル列

Claims (10)

  1. 所定の第1の方向に配列された複数の第1ノズルからなる第1ノズル列を有する第1の液滴噴射ヘッドと、
    前記第1の方向に配列された複数の第2ノズルからなり、前記第1ノズル列よりも短い第2ノズル列を少なくとも有し、前記第1の方向に移動可能に設けられた第2の液滴噴射ヘッドと、
    前記第2の液滴噴射ヘッドを前記第1の方向に駆動する駆動機構と、
    前記第2の液滴噴射ヘッドの前記第1の方向に関する位置を検出する位置検出器とを備え、
    前記第1ノズル列のノズル配列ピッチと前記第2ノズル列のノズル配列ピッチが等しい液滴噴射装置。
  2. 前記第1の液滴噴射ヘッドは、前記第1の方向と直交する第2の方向に並ぶ複数の前記第1ノズル列を有し、
    前記第2の液滴噴射ヘッドは、前記第2の方向に並ぶ複数の前記第2ノズル列を有し、
    前記複数の前記第1ノズル列のうち隣接する2列の第1ノズル列間における前記第1の方向に関するずれ量と、隣接する2列の前記第2ノズル列間における前記第1の方向に関するずれ量が等しい請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 前記隣接する2列の前記第1ノズル列が、前記第2の方向に関して互いに近接して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記隣接する2列の第1ノズル列にそれぞれ属し、且つ、前記第1の方向に前記ずれ量だけ離れて配置された2つの前記第1ノズルが、互いに近接配置された2つの連通口においてそれぞれ共通の液室に連通している請求項2に記載の液滴噴射装置。
  5. 前記第1ノズル列に属する複数の第1ノズルのうち、噴射不良が生じている前記第1ノズルを特定する情報を記憶するメモリと、
    メモリに記憶された情報に基づいて、噴射不良の前記第1ノズルに代わって液滴を噴射するときの、前記第2の液滴噴射ヘッドの噴射実行位置と液滴を噴射する前記第2ノズルとを決定する噴射位置決定部と、
    を備える請求項1に記載の液滴噴射装置。
  6. 前記噴射位置決定部は、前記第2の液滴噴射ヘッドの前記第1の方向への移動回数が少なくなるように、前記噴射実行位置と前記第2ノズルを決定する請求項5に記載の液滴噴射装置。
  7. 前記第1ノズル列に属する複数の第1ノズルのうち、噴射不良が生じている前記第1ノズルを検出する不良ノズル検出器を有する請求項1に記載の液滴噴射装置。
  8. 前記第1の液滴噴射ヘッドは、複数種類の液体をそれぞれ噴射する複数の前記第1ノズル列を有し、
    さらに、前記第2の液滴噴射ヘッドは、前記複数種類の液体をそれぞれ噴射する複数の前記第2ノズル列を有する請求項1に記載の液滴噴射装置。
  9. 前記第1の方向に移動する可動体をさらに有し、前記可動体には前記第1ノズルの噴射状態を検出する検出器が設けられている請求項1に記載の液滴噴射装置。
  10. 前記可動体は、前記第1ノズルの出射口を覆うパージキャップをさらに有する請求項9に記載の液滴噴射装置。

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