JP4924094B2 - エアロゾルデポジション法を用いた圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタの製造方法並びに圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ - Google Patents

エアロゾルデポジション法を用いた圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタの製造方法並びに圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ

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Description

本発明は、圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータを有するインクジェットヘッド及びインクジェットプリンタの構成及び製造技術に関する。
噴射ノズルからインクを噴射するインクジェットヘッドの中には、インクに噴射圧力を付与するアクチュエータとして、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの強誘電性圧電セラミックス材料を用いた圧電アクチュエータを備えているものがある。インクジェットヘッドに用いられる一般的な圧電アクチュエータは、インクを収容する圧力室を覆う基板(振動板ともいう)と、この基板の一表面に薄膜状に形成された圧電材料層と、この圧電材料層の厚み方向に電界を発生させる電極を備えており、電界が生じたときの圧電材料層の変形を利用して基板を変形させることにより、圧力室内のインクに圧力を付与するように構成されている。
一方で、従来から、平坦な基板表面に薄膜を形成する方法の1つとして、微粒子状の薄膜材料とキャリアガスを含むエアロゾルを成膜ノズルから基板に向けて噴射し、その際の衝突エネルギーにより粒子を基板表面に堆積させて成膜する、エアロゾルデポジション法(以下、AD法という)が知られている。そして、特許文献1(特開2004−122341号公報)には、このAD法を用いて、圧電アクチュエータ等の圧電材料層を基板の表面に薄膜状に形成する方法が開示されている。この方法によれば、スリットを有する成膜ノズルを基板に対して相対移動させながら、圧電材料の粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを、スリットから基板表面に吹き付けて、圧電材料の粒子を基板上に堆積させることにより、薄膜状の圧電材料層を基板上に成膜する。
特開2004-122341号公報
ところで、AD法により薄膜層を基板上に成膜する場合には、成膜ノズルを基板に対して所定の一方向に相対移動させながらエアロゾルを噴射させるのが最も一般的である。この場合、基板に成膜された薄膜層は、成膜ノズルの移動方向に関しては膜厚がほぼ一定となる。しかし、成膜ノズルの移動方向と直交する方向(幅方向)に関しては大きな膜厚の分布が生じやすい(特許文献1の図10参照)。その要因として、まず、スリットから噴射されるエアロゾルの流速分布が均一でないために、成膜された帯状の薄膜層の幅方向に関して粒子が堆積する速度に差が生じてしまうことが挙げられる。また、スリットから所定の角度で噴射されたエアロゾルが、先に基板に形成された膜の一部を削り取ってしまい、結果として、その領域における粒子の堆積が遅れてしまうということも1つの要因となっている。
そして、インクジェットヘッド用の圧電アクチュエータにおいて、圧電材料層に膜厚分布が生じていると、圧電材料層に生じる電界の強さや剛性が場所によって異なることになる。すると、インクに付与される圧力がばらつき、それに伴って、液滴を噴射する複数の噴射ノズルの液滴噴射特性(液滴速度や液滴体積など)にばらつきが生じてしまうため、場合によっては、被記録媒体に記録される画像等の品質(印字品質)が大きく低下する。
本発明の目的は、AD法により基板に成膜された薄膜層に膜厚分布が生じた場合でも、その膜厚分布による印字品質の低下を極力抑えることが可能な、圧電アクチュエータ、及びそれを用いたインクジェットヘッド並びにインクジェットプリンタを提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の態様に従えば、各々が所定方向に延在し且つ平面に沿って配列された複数の圧力室、及び、これら複数の圧力室にそれぞれ連通しインクを噴射する複数の噴射ノズルを有する流路ユニットと、前記複数の圧力室を覆うように前記流路ユニットの一表面に配置される基板、及び、この基板の一方の面に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有する圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、前記基板上に、前記圧電アクチュエータの前記複数の薄膜層を形成するステップと、前記基板に流路ユニットを取り付けるステップとを含み、前記薄膜層を形成するステップにおいて、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層を、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを、前記スリットの短手方向であり且つ前記所定方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することにより形成するインクジェットヘッドの製造方法が提供される。
エアロゾルを噴射する際に、成膜ノズルを基板に対してノズルのスリットの短手方向に相対移動させながらエアロゾルを噴射させると、基板に成膜される薄膜層には、ノズルの相対移動方向と直交する方向、すなわち、ノズルの幅方向に膜厚の分布が生じやすい。しかし、この製造方法においては、エアロゾルを噴射する際に成膜ノズルの相対移動方向が、圧力室が延在する所定方向(すなわち、記録時におけるインクジェットヘッドに対する記録媒体の相対移動方向)と交差している。それゆえ、複数の噴射ノズルにより記録媒体に形成される複数のドットの配列方向と、薄膜層に膜厚分布が生じる方向とが異なる方向となる。そのため、薄膜層に生じる膜厚分布が、記録媒体に形成される複数のドットの大きさのばらつきに与える影響が小さくなり、ドットの大きさのばらつきに起因して生じるバンディングが目立ちにくくなる。つまり、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記所定方向と交差する方向は、前記所定方向と直交する方向にし得る。また、スリットから基板に噴射されるエアロゾルの領域が少なくとも一つの圧力室を覆うようなスリット長を、前記成膜ノズルが有し得る。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記所定方向と交差する方向が、インクジェットヘッドを用いる記録時における記録媒体の前記インクジェットヘッドに対する相対移動方向と直交する方向にし得る。この場合、成膜ノズルの相対移動方向が、製造後のインクジェットヘッドの記録媒体に対する相対移動方向と直交していることから、薄膜層の膜厚分布が、被記録媒体に形成される複数のドットの大きさのばらつきに与える影響がさらに小さくなり、バンディングによる印字品質の低下が確実に防止される。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記複数の噴射ノズルは、一方向に均等な間隔で配列される複数のドットをそれぞれ前記被記録媒体に形成するように配置され、前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向が、前記複数のドットの配列方向になり得る。この場合、薄膜層に膜厚分布が生じる方向が、複数の噴射ノズルにより記録媒体に形成されるドットの配列方向と異なることになるため、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記複数の噴射ノズルは少なくとも一方向に配列されており、前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向が、前記複数の噴射ノズルの配列方向にし得る。この場合、薄膜層の膜厚分布の方向が、複数の噴射ノズルにより記録媒体に形成されるドットの配列方向と異なることになるため、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記複数の噴射ノズルは、第1配列方向とこの第1配列方向と交差する第2配列方向に沿ってマトリックス状に配列されており、前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向が、前記第1配列方向と前記第2配列方向のうちの、前記噴射ノズルの配列数の多い方の配列方向となり得る。複数の噴射ノズルが異なる2つの方向にそれぞれ配列されている場合には、噴射ノズルの配列数が多い方の配列方向が、記録媒体に形成されるドットの配列方向に対応していることが多い。従って、成膜ノズルの基板に対する相対移動方向を、配列数の多い方の配列方向と平行にすることにより、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記エアロゾル噴射において、前記基板の、前記被記録媒体の前記インクジェットヘッドに対する相対移動方向に並ぶ複数の領域のそれぞれに対して、前記成膜ノズルを相対移動させながらエアロゾルを噴射させ得る。こうすれば、複数の領域のそれぞれに対して成膜ノズルからエアロゾルを噴射させることから、基板の広い領域にわたって薄膜層を形成することが可能になる。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記エアロゾル噴射ステップにおいて、前記成膜ノズルのスリットから、圧電材料の粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを前記基板に噴射して、前記圧電材料層を形成し得る。圧電材料層に膜厚分布が生じた場合には、その厚みの違いに応じて圧力室内のインクに付与される圧力がばらつくため、噴射ノズルにより被記録媒体に形成されるドットの大きさも変化する。しかし、この製造方法によれば、圧電材料層に膜厚分布が生じる方向が、複数の噴射ノズルにより被記録媒体に形成される複数のドットの配列方向と異なることになるため、バンディングによる印字品質の低下が極力防止される。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記成膜工程において、前記基板の前記流路ユニットと反対となる面に、前記圧電材料層を形成し得る。この製造方法によれば、圧電材料層が流路ユニットの圧力室と反対側に位置するため、圧電材料層がインクに接触しない構造の圧電アクチュエータが得られる。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記インクジェットヘッドは、所定の走査方向に移動しつつ、この走査方向と直交する方向に搬送される前記記録媒体に対して前記複数の噴射ノズルからインクを噴射するシリアル型のインクジェットヘッドであり、前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向は、前記記録媒体の搬送方向にし得る。インクジェットヘッドがシリアル型ヘッドである場合には、ヘッドの走査時に複数の噴射ノズルにより記録媒体に形成されるドットの配列方向は、記録媒体の搬送方向と同じ(平行)となる。そして、この製造方法によれば、成膜ノズルの相対移動方向が記録媒体の搬送方向であることから、薄膜層の膜厚分布が生じる方向とドットの配列方向とが異なることになり、バンディングによる印字品質の低下が確実に防止される。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法において、前記インクジェットヘッドは、前記記録媒体が搬送される方向と直交する方向に関して等間隔で配列された複数の前記噴射ノズルを有するライン型のインクジェットヘッドであり、前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向は、前記複数の噴射ノズルの配列方向にし得る。インクジェットヘッドがライン型ヘッドである場合には、複数の噴射ノズルにより被記録媒体に形成されるドットの配列方向は、噴射ノズルの配列方向と平行であることが多い。そして、この製造方法によれば、成膜ノズルの相対移動方向が噴射ノズルの配列方向と平行であることから、薄膜層の膜厚分布が生じる方向とドットの配列方向とが異なることになり、バンディングによる印字品質の低下が確実に防止される。
本発明の第2の態様に従えば、複数の圧力室、及び、これら複数の圧力室にそれぞれ連通して記録媒体に対してインクを噴射する複数の噴射ノズルを有する流路ユニットと、前記複数の圧力室を覆うように前記流路ユニットに配置される基板、及び、この基板の一方の面に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有する圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドを記録媒体に対して相対移動する方向に移動するための移動装置とを有するインクジェットプリンタの製造方法であって、前記基板上に、前記圧電アクチュエータの前記複数の薄膜層を形成することと前記基板に流路ユニットを取り付けることによりインクジェットヘッドを製造するステップと、前記移動装置をもたらすステップとを含み、前記薄膜層を形成するステップにおいて、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層を、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを、前記スリットの短手方向に且つ前記相対移動方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することにより形成するインクジェットプリンタの製造方法が提供される。
このインクジェットプリンタの製造方法によれば、エアロゾル噴射における成膜ノズルの相対移動方向が、インクジェットヘッドの記録媒体に対する相対移動方向と同じ(平行)でなく、これら2つの方向が交差していることから、複数の噴射ノズルにより記録媒体に形成されるドットの配列方向と、薄膜層に膜厚分布が生じる方向とが異なる方向となる。そのため、バンディングによる印字品質の低下が極力防止される。
本発明のインクジェットプリンタの製造方法において、前記インクジェットヘッドが、色の異なる複数種類のインクをそれぞれ噴射する複数のヘッドを備え得る。この製造方法によれば、複数のインクジェットヘッドの圧電アクチュエータの薄膜層の成膜が、全て同じ工程で行われるため、複数のヘッド間でドットの大きさのばらつき度合が等しくなり、色ごとにドットの大きさが変わってしまうことがない。
本発明の第3の態様に従えば、基板、及び、この基板上に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有し、圧電材料層に所定方向に延在する複数の活性部が区画された圧電アクチュエータの製造方法であって、前記基板上に、前記圧電材料層を形成するステップと、前記基板上に、前記圧電材料層以外の薄膜層を形成するステップとを含み、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層を、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを、前記スリットの短手方向であり且つ前記所定方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射する圧電アクチュエータの製造方法が提供される。
この圧電アクチュエータの製造方法によれば、エアロゾル噴射における成膜ノズルの相対移動方向が、活性部が延在する方向、(すなわち、この圧電アクチュエータを備えるインクジェットヘッドの記録媒体に対する相対移動方向)と交差していることから、複数の噴射ノズルにより記録媒体に形成されるドットの配列方向と、薄膜層に膜厚分布が生じる方向とが異なる方向となる。そのため、圧電アクチュエータをインクジェットヘッドに用いた場合に、バンディングによる印字品質の低下が極力防止される。
本発明の圧電アクチュエータの製造方法において、前記少なくとも一つの薄膜層が、圧電材料層になり得る。これにより、活性部の厚み分布による活性部による液滴噴射量の違いによる不都合を解消することができる。前記薄膜層が、金属板と絶縁層を含み、少なくとも一つの層が絶縁層になり得る。前記活性部は、電極により挟まれた圧電材料層の部分になり得る。
本発明の第4の態様に従えば、インクを噴射するインクジェットヘッドであって、各々が所定方向に延在し且つ平面に沿って配列された複数の圧力室、及び、これら複数の圧力室にそれぞれ連通しインクを噴射する複数の噴射ノズルを有する流路ユニットと、前記複数の圧力室を覆うように前記流路ユニットの一表面に配置される基板、及び、この基板の一方の面に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有する圧電アクチュエータとを備え、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層が、前記所定方向と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性が前記交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高いインクジェットヘッドが提供される。
本発明のインクジェットヘッドによれば、複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層が、前記所定方向(すなわち、記録媒体のインクジェットヘッドに対する相対移動方向、例えば、シリアル型インクジェットヘッドの場合には走査方向、ライン型インクジェットヘッドの場合には紙送り方向)と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性が前記交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高いので、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明のインクジェットヘッドにおいては、前記少なくとも1つの薄膜層が、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを前記スリットの短手方向であり且つ前記所定方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することによって形成され得る。このように薄膜層を製造すると、複数の噴射ノズルにより記録媒体に形成されるドットの配列方向と、薄膜層に膜厚分布が生じる方向とが異なる方向となる。そのため、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明の第5の態様に従えば、複数の圧力室、及び、これら複数の圧力室にそれぞれ連通して記録媒体に対してインクを噴射する複数の噴射ノズルを有する流路ユニットと、前記複数の圧力室を覆うように前記流路ユニットに配置される基板、及び、この基板の一方の面に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有する圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを記録媒体に対して相対移動する方向に移動するための移動装置とを備え、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層は、前記相対移動方向と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性がその交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高いインクジェットプリンタが提供される。
本発明のインクジェットプリンタによれば、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層は、前記相対移動方向、例えば、シリアル型インクジェットヘッドの場合には走査方向、ライン型インクジェットヘッドの場合には紙送り方向、と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性がその交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高い。そのため、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明のインクジェットプリンタにおいて、前記少なくとも1つの薄膜層が、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを前記スリットの短手方向であり且つ前記相対移動方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することによって形成され得る。これにより、複数の噴射ノズルにより被記録媒体に形成されるドットの配列方向と、薄膜層に膜厚分布が生じる方向とが異なる方向となる。そのため、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明の第6の態様に従えば、液体を吐出するために用いられる圧電アクチュエータであって、基板と、この基板上に配置された圧電層を含む複数の薄膜層とを有し、圧電材料層に所定方向に延在する複数の活性部が区画されており、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層が、前記所定方向と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性が前記交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高い圧電アクチュエータが提供される。
本発明の圧電アクチュエータによれば、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層は、前記活性部が延在する方向、例えば、圧電アクチュエータをシリアル型インクジェットヘッドに用いた場合には走査方向、ライン型インクジェットヘッドの場合に用いた場合には紙送り方向、と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性がその交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高い。そのため、バンディングによる印字品質の低下が防止される。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、前記少なくとも1つの薄膜層が、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを前記スリットの短手方向に且つ前記所定方向と交差する方向、特には直交する方向に、前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することによって形成され得る。このように薄膜層を形成することにより、複数の噴射ノズルにより被記録媒体に形成されるドットの配列方向と、薄膜層に膜厚分布が生じる方向とが異なる方向となる。そのため、バンディングによる印字品質の低下が極力防止される。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、一方向に移動しながら記録用紙にインクを噴射して画像等を記録するシリアル型インクジェットヘッドに本発明を適用した一例である。
まず、シリアル型インクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタの構成について簡単に説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、図1の左右方向に移動可能なキャリッジ4(移動装置)と、このキャリッジ4に設けられて記録用紙7に対してインクを噴射するシリアル型のインクジェットヘッド1と、記録用紙7を図1の前方へ送る搬送ローラ5等を備えている。尚、図1においては、1つのインクジェットヘッド1しか示されていないが、実際には、キャリッジ4に、4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクをそれぞれ噴射する4つのインクジェットヘッド1が設けられている。即ち、インクジェットプリンタ100は、記録用紙7にカラー画像を記録することが可能な、カラーインクジェットプリンタである。
そして、このインクジェットプリンタ100は、4つのインクジェットヘッド1がキャリッジ4と一体的に左右方向(走査方向)へ移動しつつ、その下面に形成された噴射ノズル20(図2〜図5参照)から記録用紙7に対して4色のインクを噴射する動作と、搬送ローラ5が記録用紙7を所定量前方へ送る用紙搬送動作とを、交互に行わせることにより、記録用紙7に所望の文字やカラー画像等を記録可能に構成されている。
次に、インクジェットヘッド1について図2〜図5を参照して説明する。インクジェットヘッド1は、噴射ノズル20及び圧力室14を含むインク流路が形成された流路ユニット2と、この流路ユニット2の上面に配置されて、圧力室14内のインクに噴射圧力を付与する圧電アクチュエータ3とを備えている。
まず、流路ユニット2について説明する。図4、図5に示すように、流路ユニット2はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12はステンレス鋼製の板であり、これら3枚のプレート10〜12に、後述するマニホールド17や圧力室14等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート13は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート12の下面に接着される。あるいは、このノズルプレート13も、3枚のプレート10〜12と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
図2〜図5に示すように、4枚のプレート10〜13のうち、最も上方に位置するキャビティプレート10には、各々が走査方向(所定方向)に沿って延在し且つ平面に沿って配列された複数の圧力室14がプレート10を貫通する孔により形成され、これら複数の圧力室14は上下両側から後述の振動板30及びベースプレート11によりそれぞれ覆われている。また、複数の圧力室14は、紙送り方向(図2の上下方向)に4列に配列されている。さらに、各圧力室14は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
図3に示すように、ベースプレート11の、平面視で圧力室14の両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、平面視で、紙送り方向に配列された圧力室14の連通孔15側の部分と重なるように、紙送り方向(図2の上下方向)に延びる4つのマニホールド17が形成されている。また、これら4つのマニホールド17は、後述の振動板30に形成されたインク供給口18に連通しており、図示しないインクタンクからインク供給口18を介してマニホールド17へインクが供給される。さらに、マニホールドプレート12の、平面視で複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔16に連なる複数の連通孔19も形成されている。
さらに、ノズルプレート13の、平面視で複数の連通孔19にそれぞれ重なる位置には、複数の噴射ノズル20が形成されている。図2に示すように、複数の噴射ノズル20は、4列に配列された複数の圧力室14の、マニホールド17と反対側の端部とそれぞれ重なっており、4つのマニホールド17と重ならない領域において紙送り方向(図2の上下方向)に均等間隔で配列されて、走査方向に並ぶ4列のノズル列21a,21b,21c,21dを構成している。これら4列のノズル列21a〜21dはそれぞれ同数の噴射ノズル20からなり、それらの配列方向に関する噴射ノズル20の間隔(ピッチP)は全て等しい。また、4列のノズル列21a〜21dは、P/4ずつ紙送り方向下流側(図2の下方)へ順にずれている。従って、4列のノズル列21a〜21dにより、記録用紙7に、紙送り方向にP/4の間隔で並ぶ複数のドットを形成することが可能となっている。
尚、図2に示すように、複数の噴射ノズル20、及び、これら複数の噴射ノズル20に対応する複数の圧力室14は、結果的に、紙送り方向(第1配列方向)に配列されるとともに、この紙送り方向に対して角度θをなして交差する方向(第2配列方向)にも配列されて、これら2つの方向に沿ってマトリックス状に配列されている。但し、第1配列方向の噴射ノズル20及び圧力室14の配列数(10個)は、第2配列方向の配列数(4個)よりも多く、また、配置間隔が小さくなっている(配置密度が高くなっている)。つまり、第1配列方向が、記録用紙7に精細なドットの列が形成される方向に対応している。
図4に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介して噴射ノズル20に連通している。このように、流路ユニット2内には、マニホールド17から圧力室14を経て噴射ノズル20に至る個別インク流路25が複数形成されている。
次に、圧電アクチュエータ3について説明する。図2〜図5に示すように、圧電アクチュエータ3は、流路ユニット2の上面に配置された金属製の振動板30(基板)と、この振動板30の上面に複数の圧力室14に跨って連続的に形成された圧電材料層31(圧電材料層)と、この圧電材料層31の上面に複数の圧力室14にそれぞれ対応して形成された複数の個別電極32とを有する。尚、圧電材料層31と個別電極32は、共に、数μm〜十数μm程度の厚さの薄膜状の層(薄膜層)である。
振動板30は、平面視で略矩形状の金属材料からなる導電性を有する板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板30は、キャビティプレート10の上面に複数の圧力室14を覆うように配設されて、このキャビティプレート10に接合されている。また、この振動板30は常にグランド電位に保持されており、複数の個別電極32に対向して個別電極32と振動板30との間の圧電材料層31に厚み方向の電界を作用させる共通電極を兼ねている。
振動板30の上面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料層31が形成されている。この圧電材料層31は、複数の圧力室14に跨って連続的に形成されている。尚、振動板30の上面(流路ユニット2(圧力室14)と反対側の面)に配置されていることから、圧電材料層31が圧力室14内のインクと接触することはない。この圧電材料層31は、非常に細かな粒子とキャリアガスとからなるエアロゾルを基板に対して吹き付けて粒子を堆積させる、AD法により形成されている。これについては後ほど詳しく説明する。
圧電材料層31の上面には、圧力室14よりも一回り小さい略楕円形の平面形状を有する複数の個別電極32が形成されている。これら個別電極32は、平面視で対応する圧力室14の中央部に重なる位置にそれぞれ形成されている。個別電極32は金、銅、銀、パラジウム、白金、あるいは、チタンなどの導電性材料からなる。さらに、複数の個別電極32の図2の左端部からは、それぞれ複数の接点部35が引き出されている。そして、これら複数の接点部35には、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)等の可撓性を有する配線部材(図示省略)の接点が接合され、複数の接点部35は、この配線部材を介して複数の個別電極32に対して選択的に駆動電圧を供給するドライバIC(図示省略)と電気的に接続されている。個別電極32と重なる圧電材料層31の領域31aが、後述するように駆動電圧により変形する領域となり、この領域31を「活性部」という)。なお、図3には、この例で使用したインクジェットヘッドの圧力室14の寸法(長さ0.6mm、幅0.25mm)、活性部14a及び個別電極32の寸法(長さ0.5mm、幅0.16mm)の一例を示した。
次に、インク噴射時における圧電アクチュエータ3の作用について説明する。複数の個別電極32に対してドライバICから選択的に駆動電圧が印加されると、駆動電圧が印加された圧電材料層31上側の個別電極32とグランド電位に保持されている圧電材料層31下側の共通電極としての振動板30の電位が異なる状態となり、個別電極32と振動板30の間に挟まれた圧電材料層31、特に活性部31aに厚み方向の電界が生じる。ここで、圧電材料層31の分極方向と電界の方向とが同じ場合には、圧電材料層31、特に活性部31aはその分極方向である厚み方向に伸びて水平方向に収縮する。そして、この圧電材料層31の収縮変形に伴って振動板30が圧力室14側に凸となるように変形するため、圧力室14内の容積が減少して圧力室14内のインクに圧力が付与され、圧力室14に連通する噴射ノズル20からインクの液滴が噴射される。
次に、インクジェットプリンタ100の製造方法について、インクジェットヘッド1の製造工程を中心に説明する。図6にインクジェットヘッド1の製造工程を概略的に示す。まず、図6(a)に示すように、流路ユニット2を構成する4枚のプレート10〜13と圧電アクチュエータ3の振動板30とを、接着や金属拡散接合等により接合する(流路ユニット取り付けステップ)。
次に、圧電アクチュエータ3を以下の工程により作製する。図6(b)に示すように、振動板30の上面(流路ユニット2との接合面と反対側の面)に、AD法により圧電材料層31を形成する。即ち、圧電材料の超微粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを、振動板30に向けて噴射して高速で衝突させ、振動板30の上面に粒子を緻密に堆積させて薄膜状の圧電材料層31を形成する(薄膜形成ステップ)。その後、図6(c)に示すように、圧電材料層31の上面に、スクリーン印刷、スパッタ法、あるいは、蒸着法等により、複数の個別電極32及び複数の接点部35を形成する。
このようにして、4色のインクをそれぞれ噴射する4つのインクジェットヘッド1を作製し、また、キャリッジ4(移動装置)を用意し、これら4つのインクジェットヘッド1をそれぞれキャリッジ4(図1参照)に組み付ける。そして、キャリッジ4や搬送ローラ5等の種々の構成部品をプリンタのフレーム(図示省略)内に組み付けて、インクジェットプリンタ100を組み立てる。
さらに、前述したインクジェットヘッド1の製造工程のうち、AD法による圧電材料層31の成膜工程についてさらに詳しく説明する。図7は圧電材料層31の成膜装置50の概略構成図である。この成膜装置50は、成膜チャンバー51と、エアロゾル供給管64を介してエアロゾル発生器60に接続されるとともに成膜チャンバー51内に配置された成膜ノズル52と、成膜チャンバー51内において振動板30を所定方向に移動させるステージ53を備えている。
エアロゾル発生器60は、超微粒子状(例えば、粒径1μm以下)の圧電材料とキャリアガスとの混合物であるエアロゾルZを発生させる。エアロゾル発生器60は、内部に材料粒子Mを収容可能なエアロゾル室61と、このエアロゾル室61に取り付けられてエアロゾル室61を振動する加振装置62とを備えている。エアロゾル室61にはキャリアガスを導入するためのガスボンベGが導入管63を介して接続されている。尚、キャリアガスとしては、乾燥空気、窒素ガス、アルゴンガス、酸素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。成膜チャンバー51内には、成膜ノズル52とステージ53が設置されており、さらに、成膜チャンバー51は排気管54を介して真空ポンプPに接続されている。成膜ノズル52の先端部には、ステージ53上の振動板30に向けて開口する、一方向に長い矩形状のスリット55(図8参照)が設けられている。また、ステージ53は、振動板30を成膜ノズル52のスリット幅方向に(図7の水平方向)に移動させる。
そして、成膜装置50は、真空ポンプにより成膜チャンバー51内の圧力を低下させて、エアロゾル発生器で発生したエアロゾルを成膜ノズル52のスリット55から振動板30の上面に向けて噴射させながら、同時に、ステージ53上の振動板30を成膜ノズル52に対して移動させて(エアロゾル噴射工程)、振動板30の所定の領域に圧電材料層31を形成する。
さらに、圧電材料層31の成膜時における振動板30と成膜ノズル52の相対移動について詳しく説明する。図8(a),(b)は、成膜時における振動板30と成膜ノズル52の位置関係を示している。尚、前述したように、実際には振動板30がステージ53とともに成膜ノズル52に対して移動するのであるが、以下の説明においては、便宜上、成膜ノズル52が振動板30に対して移動するものとする。
図8(a)に示すように、成膜ノズル52は、振動板30の上面のある領域に対して、スリット55の幅方向に移動しながら、振動板30にエアロゾルを噴射して、この領域に圧電材料層31を形成する。また、この領域以外の別の領域にも圧電材料層31を形成する必要がある場合には、図8(b)に示すように、成膜ノズル52は、その別の領域に対して、同じくスリット55の幅方向に移動しながらエアロゾルを噴射してその別の領域にも圧電材料層31を形成する。なお、その別の領域の上方に成膜ノズル52に達するまでには噴射を停止して、別の領域の噴射開始位置に達したときに噴射を再開してもよい。図8(c)には、停止している状態の成膜ノズル52から噴射されるエアロゾルによって覆われる基板上の領域(以下、「噴射領域)という)30aが示されている。この例では、噴射領域30aは、矩形であり、約0.4mmの幅を有し、圧電材料層31の走査方向に並ぶ二つの活性部31aを完全に収容する長さを有する。なお、噴射領域30aは、一つのの活性部31aまたは、3個以上の活性部31aを覆うような長さになるような成膜ノズル52を用いてもよい。このように、振動板30の上面の複数の領域のそれぞれに対して、成膜ノズル52を相対移動させながらエアロゾルを噴射させることで、振動板30の上面の広い領域にわたって圧電材料層31を形成することが可能になる。
また、振動板30の1つの領域に対して、成膜ノズル52を1回移動させるだけで圧電材料層31を形成してもよいし、あるいは、1つの領域に対して成膜ノズル52を複数回移動させて、圧電材料の粒子を何層にも重ねて堆積させることにより圧電材料層31を形成してもよい。
ところで、図8に示すように、エアロゾルを噴射する成膜ノズル52を、振動板30に対してスリット55の幅方向に移動させて帯状の圧電材料層31を形成すると、この帯状の圧電材料層31の膜厚は、その長手方向、即ち、成膜ノズル52の移動方向(図8(a)の前後方向)に関してはほぼ均一となる。しかし、帯状の圧電材料層31の幅方向(成膜ノズル52の移動方向と直交する方向:図8(a)の左右方向)に関しては、スリット55から噴射されるエアロゾルの流速分布が均一でない等の理由から、圧電材料層31には膜厚分布が生じやすい。このように圧電材料層31に膜厚分布が存在すると、圧電材料層31に生じる電界の強さや剛性が場所によって異なってしまうため、圧電材料層31及び振動板30の変形量がばらつく。つまり、噴射ノズル20から噴射される液滴の速度や体積などの、液滴噴射特性にばらつきが生じる。
ここで、この圧電材料層31の膜厚分布は、成膜ノズル52の振動板30に対する相対移動方向によって、印字品質に及ぼす影響が大きく異なってくる。例えば、圧電材料層31を成膜する際の成膜ノズル52の移動方向が、図9(a)に破線の矢印で示すように、噴射ノズル20(圧力室14)の配列方向と直交する方向、つまり、インクジェットヘッド1の走査方向に平行な方向であったとする。尚、この図9(a)においては、圧電材料層31の上面に配置される個別電極32の図示は省略している。この場合、図9(c)に示すように、成膜ノズル52の移動方向と平行な、インクジェットヘッド1の走査方向に関しては、圧電材料層31の膜厚はほぼ均一となる。一方、図9(b)に示すように、成膜ノズル52の移動方向と直交する、噴射ノズル20(圧力室14)の配列方向に関しては、圧電材料層31にはある膜厚分布(t1〜t6)が生じる。
このとき、個別電極32に印加される駆動電圧が同じとすると、圧電材料層31の膜厚が薄い部分には、膜厚が厚い部分に比べて大きな電界が作用する。また、膜厚が薄い部分の剛性は、膜厚が厚い部分に比べて小さくなる。そのため、膜厚が薄い部分は、膜厚が厚い部分に比べて変形量が大きくなり、この部分に対応する圧力室14内のインクには大きな圧力が付与される。従って、圧電材料層31の膜厚が薄い部分と対応する噴射ノズル20からは、比較的大きな液滴が噴射されることになる。
例えば、振動板30の厚さがt0=15μmであり、また、振動板30の上面に形成された圧電材料層31の図9(b)に示す膜厚分布が、t1=11μm、t2=13μm、t3=14μm、t4=12μm、t5=9μm、t6=10μmであったとする。この場合の、圧力室14内のインクに付与される圧力と、噴射されるインクの液滴の体積を数値解析により求めた。この解析結果を表1に示す。
Figure 0004924094
表1におけるノズルA〜ノズルPは、図10において、紙送り方向に関して間隔P/4を空けて順に配置されている16個の噴射ノズル20を示す。従って、これら16個の噴射ノズル20により、記録用紙7上に、紙送り方向に間隔P/4で並ぶ16個のドットが形成される。なお、t1は、ノズルAの紙送り方向上流側の圧力室端の位置であり、t1からt6は、それぞれ0.25μmの間隔で隔てられた位置を示している。表1に示すように、16個のノズルA〜ノズルPからそれぞれ噴射される液滴の体積は、圧電材料層31の膜厚分布に応じて変化しており、膜厚が比較的大きい部分と対応するノズルA〜ノズルHよりも、膜厚が比較的小さい部分と対応するノズルI〜ノズルPの方が、噴射される液滴体積が大きくなっている。
また、圧電材料層31の膜厚は紙送り方向に連続的に変化しており、この連続的な膜厚分布に対応して、図10に示すように、ノズルA〜ノズルPにより記録用紙7上に形成されるドットの大きさも連続的に変化する。さらに、ノズルA〜ノズルHからなるノズル群により形成された比較的小さなドット群と、ノズルI〜ノズルPからなるノズル群により形成された比較的大きなドット群が、紙送り方向に交互に並ぶことになる。従って、記録用紙7上に形成されるドットの大きさは、紙送り方向に関する長いスパン(ノズルA〜ノズルP間の距離)にわたって連続的に変化する。このようなドットの大きさの変化は、ドットの列が走査方向に多数並んだときに、目でもはっきりとわかる濃淡のムラ(バンディング)となるため、印字品質が大幅に低下することになる。
そこで、本実施形態では、圧電材料層31を成膜する際の成膜ノズル52の移動方向が、図11(a)に破線の矢印で示すように、噴射ノズル20(圧力室14)の配列方向と平行な方向で、インクジェットヘッド1の走査方向(記録時(キャリッジ走査時)における、記録用紙7のインクジェットヘッド1に対する相対移動方向)と直交する方向となっている。より具体的には、振動板30の、走査方向一方側(図11(a)左側)の2列の圧力室列に対応する領域A1と、走査方向他方側(図11(a)右側)の2列の圧力室列に対応する領域A2の、走査方向に並ぶ2つの領域のそれぞれに対して、成膜ノズル52を圧力室14の配列方向に移動させて、これら2つの領域A1,A2にそれぞれ圧電材料層31を形成する。尚、2つの領域A1,A2にそれぞれ形成された圧電材料層31の境界は、図11(a)における左から2列目と3列目の圧力室列の間に位置しており、この境界は圧力室14と重なっていない。
この場合には、図11(b)に示すように、成膜ノズル52の移動方向に平行な方向である紙送り方向に関しては、圧電材料層31の膜厚はほぼ均一となる。従って、各ノズル列21a〜21dを構成する噴射ノズル20からは、ほぼ同じ大きさのインクの液滴が噴射される。
一方、図11(c)に示すように、成膜ノズル52の移動方向と直交する方向であるインクジェットヘッド1の走査方向に関しては、圧電材料層31にはある膜厚分布(t1〜t6)が生じる。尚、この膜厚分布は、前述した図9(b)の膜厚分布とほぼ同じである。ここで、振動板30の2つの領域A1,A2にそれぞれ圧電材料層31を成膜する場合の、成膜ノズル52の移動速度(即ち、ステージ53の移動速度)やスリット55からのエアロゾルの噴射量等の成膜条件が同じであれば、これら2つの領域A1,A2における膜厚分布はほぼ等しくなる。
そのため、図11(a)の左から1列目の圧力室列21aに対応する領域の圧電材料層31の厚さは、2列目の圧力室列21bに対応する領域の厚さとは異なるものの、3列目の圧力室列21cに対応する領域の厚さとほぼ等しくなる。同様に、左から2列目の圧力室列21bに対応する領域の圧電材料層31の厚さは、4列目の圧力室21dに対応する領域の厚さとほぼ等しくなる。従って、図12に示すように、1列目のノズル列21aと3列目のノズル列21cにより形成されるドットの大きさはほぼ等しくなる一方で、2列目のノズル列21bと4列目のノズル列21dにより形成されるドットの大きさもほぼ等しくなる。また、前述したように、4列のノズル列21a〜21dにそれぞれ属する噴射ノズル20は、紙送り方向に関してP/4の間隔を空けて順に配置されていることから、これら4列のノズル列21a〜21dにより、記録用紙7上には、2種類の大きさのドットDa,Dbが、紙送り方向に交互に形成されることになる。
図12のように紙送り方向に配列された複数のドットは、それらの大きさが、非常に短い間隔P/4で交互に変化している。つまり、図10と比較して、ドットの大きさが非常に短いスパンで変化することとなり、このようなドットの大きさの変化は目では認識されにくい。従って、ドットの大きさの変化に起因して生じる、記録画像等における濃淡のムラ(バンディング)が目立たなくなることから、圧電材料層31の膜厚分布が存在してもそれによる印字品質の低下が防止される。
以上説明したように、本実施形態においては、圧電材料層31の成膜時の、成膜ノズル52の振動板30に対する相対移動方向は、走査方向(記録時における記録用紙7のインクジェットヘッド1に対する相対移動方向)と直交し、噴射ノズル20の配列方向(ノズル列21a〜21dの方向)と平行である。そのため、圧電材料層31に生じる膜厚分布が、記録用紙7上に紙送り方向に形成されるドットの大きさのばらつきに与える影響が小さくなり、このドットの大きさのばらつきに起因して生じるバンディングがあまり目立たないものとなる。つまり、バンディングによる印字品質の低下を防止できる。
尚、本実施形態のインクジェットプリンタ100は、4色のインクをそれぞれ噴射する4つのインクジェットヘッド1を備えたカラーインクジェットプリンタである。そして、これら4つのインクジェットヘッド1の圧電材料層31の成膜が、全て同じ工程により行われる。そのため、4つのインクジェットヘッド1間で、記録用紙7に形成されるドットの大きさのばらつき度合が等しくなり、色ごとでドットの大きさが変わらないため、カラー印字の品質低下が抑制される。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
<変更形態1>
前記実施形態の圧電材料層31の成膜工程において、図11に示すように振動板30の2つの領域A1,A2にそれぞれ形成された圧電材料層31の境界は、圧力室14と重なっていなかった。すなわち、領域A1,A2は、圧電材料層31上に区画される各活性部31aを完全に収容し、圧電材料層31の境界が活性部31aを横断していなかった(図8(c)参照)。しかし、振動板30の複数の領域にそれぞれ別々に形成された圧電材料層31の境界が圧力室14と重なっていてもよい。
例えば、図13(a)に示すように、振動板30の上面の、走査方向(図13(a)の左右方向)に並ぶ3つの領域B1,B2,B3に対して、破線矢印で示すように、成膜ノズル52が振動板30に対して紙送り方向(図13(a)の上下方向)に相対移動することにより、3つの領域B1,B2,B3にそれぞれ圧電材料層31を形成する。ここで、中央の領域B2は、4列の圧力室列のうちの中央2列の圧力室列と部分的に重なっている。つまり、左側の領域B1と中央の領域B2との境界、及び、中央の領域B2と右側の領域B3との境界が、圧力室14(及び活性部)と重なっている。このようにして製造されたインクジェットヘッド1Aにおいても、圧電材料層31に生じる膜厚分布が、記録用紙7上において紙送り方向に形成されるドットの大きさのばらつきに与える影響が小さくなり、バンディングが目立たなくなる。
より詳細に説明すると、図13(b)に示すように、圧電材料層31の紙送り方向に関する膜厚はほぼ均一となる。一方で、3つの領域B1,B2,B3に形成された圧電材料層31のそれぞれには、走査方向に関して所定の膜厚分布が生じる。この変更形態1においては、領域B1,B2,B3の境界が圧力室14と重なっていることから、4列の圧力室列に対応する圧電材料層31の厚さがそれぞれ異なることとなり、4列のノズル列21a〜21dからそれぞれ噴射されるインクの液滴体積も異なる。そのため、記録用紙7には、4種類の大きさのドットが紙送り方向に順に並ぶことになり、ドットの大きさのばらつきがある程度は生じる。しかし、成膜ノズル52をインクジェットヘッド1の走査方向に移動させて圧電材料層31を形成した場合(図10参照)と比べると、ドットの大きさが変化するスパンは十分短いため、その分、ドットの大きさのばらつきに起因するバンディングが目立たなくなる。
<変更形態2>
噴射ノズル20の配置は前記実施形態で説明した態様に限られるものではなく、例えば、図14に示すように、4列のノズル列21a〜21dが、左から1列目のノズル列21a、3列目のノズル列21c、2列目のノズル列21b、4列目のノズル列21dの順に、紙送り方向下流側(図14の下側)へ間隔P/4ずつ(Pは各ノズル列21a〜21dにおける噴射ノズル20の配列間隔)ずれて配置されていてもよい。このような構成のインクジェットヘッド1Bを製造する際には、成膜ノズル52を紙送り方向(噴射ノズル20の配列方向)に相対移動させて圧電材料層31を形成する。すると、記録用紙7に間隔P/4で形成されるドットの配列方向と直交する、走査方向に圧電材料層31の膜厚分布が生じる。従って、この膜厚分布がドットの大きさのばらつきに与える影響が小さくなり、ドットの大きさの変化に起因するバンディングが目立たなくなる。
<変更形態3>
この例では、図15(a)に示すように、紙送り方向に配列された噴射ノズル20の列、及び、これに対応する圧力室14の列が1列である。このような構成のインクジェットヘッド1Cを製造する際には、図15(a)の破線矢印で示すように、成膜ノズル52を振動板30に対して紙送り方向(噴射ノズル20(圧力室14)の配列方向)に相対移動させて圧電材料層31を形成する。すると、図15(b)に示すように、1列に並んだ噴射ノズル20の配列方向に関する圧電材料層31の膜厚はほぼ均一となるため、これら噴射ノズル20から噴射される液滴の体積がばらつかない。つまり、1列の噴射ノズル20により形成されるドットの大きさはほぼ等しくなるため、バンディング自体が生じなくなる。尚、図15(c)に示すように、圧電材料層31には走査方向に関して膜厚分布が生じるが、噴射ノズル20の列が1列である場合には、この膜厚分布が、噴射ノズル20の液滴体積(ドットの大きさ)のばらつきに影響を及ぼすことはない。
変形形態3の比較例を図21により説明する。図21(a)に示すインクジェットヘッド201は、図21の左右方向(走査方向)に移動しつつ、図示しない記録用紙に対してインクを噴射する、シリアル型のインクジェットヘッドである。尚、記録用紙は走査方向と直交する図21の上下方向(紙送り方向)に搬送される。さらに、このインクジェットヘッド201において、図15の場合と同様に、複数の噴射ノズル220とこれら複数の噴射ノズル220に連通する複数の圧力室214が、それぞれ、紙送り方向に1列に配列されている。また、複数の圧力室214を覆うように振動板230(基板)が配置され、この振動板230の上面には圧電材料層231が配置されている。さらに、圧電材料層231の上面の、複数の圧力室214とそれぞれ対応する領域には、圧電材料層231に電界を生じさせる複数の電極232が設けられている。
図21に示したインクジェットヘッド201では、複数の圧力室214を跨ぐように配置される圧電材料層231を成膜する際の、成膜ノズルの相対移動方向(破線矢印)が走査方向と平行である場合には、図21(b)に示すように、圧電材料層231には、噴射ノズル220(圧力室214)の配列方向と平行な方向の膜厚分布が生じ、この膜厚分布によって複数の圧力室214内のインクにそれぞれ付与される圧力が大きくばらつくことになる。つまり、圧電材料層231の膜厚分布が、そのまま、紙送り方向(図21の上下方向)に並ぶ複数のドットの大きさのばらつきとなって現れ、このようなドット列が走査方向に多数並んだときには、一目でわかる濃淡のムラ(バンディング)が生じてしまう。
<変更形態4>
この例では、図16に示すように、噴射ノズル20(圧力室14)の列が走査方向に対して所定角度傾いて(交差して)配置されている。このようなインクジェットヘッド1Dにおいては、走査方向に対して傾いた方向に配列された複数の噴射ノズルにより、紙送り方向に等間隔で並ぶドットが形成される。このインクジェットヘッド1Dを製造する際には、図16の破線矢印で示すように、成膜ノズル52を、振動板30に対して紙送り方向に相対移動させて圧電材料層31を形成する。すると、記録用紙7に形成されるドットの配列方向と直交する走査方向に、圧電材料層31の膜厚分布が生じるため、膜厚分布がドットの大きさのばらつきに与える影響が小さくなる。
<変更形態5>
この例では、図17に示すように、噴射ノズル20(圧力室14)の列が走査方向に対して所定角度傾いた構造を有するインクジェットヘッド1Eを製造する際に、成膜ノズル52を、振動板30に対して、噴射ノズル20(圧力室14)の配列方向(即ち、記録時の記録用紙7のインクジェットヘッド1Eに対する相対移動方向である走査方向と交差する方向)に相対移動させる。この場合には、噴射ノズル20(圧力室14)の配列方向と直交する方向に圧電材料層31の膜厚分布が生じるが、この膜厚分布が生じる方向は記録用紙7に形成されるドットの配列方向(紙送り方向)とは異なる方向であることから、圧電材料層31の膜厚分布がドットの大きさのばらつきに与える影響が小さくなる。
<変更形態6>
圧電材料層31は、振動板の流路ユニットと反対側の面に形成される必要は必ずしもなく、図18に示すインクジェットヘッド1Fのように、振動板30の流路ユニット2側の面に形成されていてもよい。
<変更形態7>
前記実施形態では、圧電アクチュエータ3を構成する薄膜層の1つである圧電材料層31をAD法により成膜しているが、圧電材料層31以外の薄膜層をAD法により成膜してもよい。例えば、図19に示すインクジェットヘッド1Gのように、個別電極32が振動板30の上面(圧電材料層31の下面)に配置され、圧電材料層31の上面に共通電極34が複数の個別電極に対して共通に対向配置されている構成には、個別電極32に駆動電圧を供給するための配線を振動板30の上面において引き回しやすくなるなどの利点がある。しかし、振動板30が金属板である場合には、振動板30と個別電極32の間を絶縁する絶縁層36を設ける必要がある。この絶縁層36は、圧電材料層31の変形を圧力室内のインクに確実に伝えるために、振動板30と同様に、ある程度の剛性を有することが必要であり、例えば、アルミナやジルコニア等の絶縁性セラミックス材料で形成される。
ここで、アルミナ等のセラミックス材料からなる絶縁層36は、前述した圧電材料層31の成膜工程と同じように、AD法により成膜することが可能である。即ち、スリット55を有する成膜ノズル52を振動板30に対して所定方向に移動させつつ、絶縁層36を形成するセラミックス材料の微粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを、成膜ノズル52のスリット55から振動板30に対して吹き付ける(図8参照)。このとき、圧電材料層31を成膜する場合と同じように、この絶縁層36にも、成膜ノズル52の移動方向と直交する方向に膜厚分布が生じやすい。この膜厚分布があると、絶縁層36の剛性がばらついてしまうため、液滴の噴射特性に影響が出る。
そこで、成膜ノズル52を、振動板30に対して、紙送り方向(又は、前述した変更形態5(図17参照)のように、紙送り方向に対して所定角度傾いた方向)に相対移動させる。すると、絶縁層36に膜厚部分が生じる方向が、記録用紙7上のドットの配列方向と異なる方向となり、膜厚分布がドットの大きさのばらつきに与える影響が小さくなることから、ドットの大きさのばらつきに起因して生じるバンディングが目立たなくなる。
尚、この変更形態7において、絶縁層36と圧電材料層31の両方をAD法を用いた前述の成膜工程により成膜してもよいし、圧電材料層31はAD法以外の方法により成膜してもよい。
<変更形態8>
前記実施形態及びその変更形態は、シリアル型のインクジェットヘッドの製造方法に本発明を適用した一例であるが、ライン型のインクジェットヘッドに本発明を適用することも可能である。
図20に示すように、変更形態8に係るライン型インクジェットヘッド1Hは、プリンタのフレーム(図示省略)に対して固定的に設けられている。ライン型インクジェットヘッド1Hは、シリアル型のインクジェットヘッドのようにキャリッジによりヘッドは移動されない。それゆえ、ライン型のインクジェットヘッドの場合、記録時における記録用紙のインクジェットヘッドに対する相対移動方向は、搬送ローラ(移動装置:図1参照)などにより用紙が送られる紙送り方向となる(シリアル型のインクジェットヘッドでは記録用紙のインクジェットヘッドに対する相対移動方向は走査方向である)。このインクジェットヘッド1Hは、インク流路が形成された流路ユニット2Hと、この流路ユニット2Hの上面に配置された圧電アクチュエータ3Hとを備えている。
流路ユニット2Hは、記録用紙7が搬送される紙送り方向(図20の左右方向)と直交する、ヘッド長手方向(図20の上下方向)に等間隔で4列に配列された複数の噴射ノズル20と、これら複数の噴射ノズル20に対応して4列に配列された複数の圧力室14とを有する。複数の圧力室14には、インク供給口18からマニホールド17を介してインクが供給される。マニホールドから圧力室14を介して噴射ノズル20に至る個別インク流路の構造は、前記実施形態とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
圧電アクチュエータ3Hは、複数の圧力室14を覆う振動板30と、この振動板30の上面に配置された圧電材料層31と、圧電材料層31の上面において複数の圧力室14にそれぞれ対応して配置された複数の個別電極32とを備えている。この圧電アクチュエータ3Hは前記実施形態のものと類似の構成を有することから、その詳細な説明は省略する。
このライン型インクジェットヘッド1Hは、図20の左右方向に搬送される記録用紙7に対して、複数の噴射ノズル20からインクを噴射して、噴射ノズル20の配列方向と平行に配列されるドットを記録用紙7に形成するものである。そして、このライン型インクジェットヘッド1Hの製造工程において、圧電アクチュエータ3Hの圧電材料層31を振動板30の上面に成膜する場合には、成膜ノズル52を、図20の破線矢印で示すように、振動板30に対して、複数の噴射ノズル20の配列方向と平行な方向(紙送り方向と直交する方向)に相対移動させながら、この成膜ノズル52からエアロゾルを振動板30に対して噴射させる。このとき、振動板30に形成された圧電材料層31には、成膜ノズル52の移動方向と直交する方向である、紙送り方向に関して膜厚分布が生じる。
しかし、この膜厚分布が生じる方向は、記録用紙7に形成されるドットの配列方向(噴射ノズル20の配列方向)と直交していることから、圧電材料層31の膜厚分布がドットの大きさのばらつきに与える影響は小さく、このばらつきに起因して生じるバンディングが目立たなくなる。
上記実施形態及び変更形態により本発明を具体的に説明してきたが、本発明はそれらに限定されず、当業者が思いつくそれらの改良及び変更を包含する。インクジェットヘッドの構造及び寸法、及び材料は上記形態で示したものに限らず、種々のものを使用することができる。圧電アクチュエータをインクジェットヘッドに適用する場合を説明したが、それに限らず、種々の液体吐出または液体輸送装置に適用することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2の一部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 インクジェットヘッドの製造工程の説明図である。 成膜装置の概略構成図である。 圧電材料層の成膜時における振動板と成膜ノズルの位置関係を示す図であり、(a)は振動板のある領域における成膜時の位置関係、(b)は振動板の別の領域における成膜時の位置関係、(c)は噴射領域と活性部の関係をそれぞれ示す。 成膜ノズルを走査方向と平行な方向に相対移動させたときの、圧電材料層の成膜状態を示す図であり、(a)はインクジェットヘッドの平面図、(b)は走査方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図、(c)は紙送り方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図である。 図9の成膜工程により成膜された圧電材料層を有するインクジェットヘッドの平面図、及び、このインクジェットヘッドにより記録用紙に形成されるドットを示す図である。 成膜ノズルを紙送り方向と平行な方向に相対移動させたときの圧電材料層の成膜状態を示す図であり、(a)はインクジェットヘッドの平面図、(b)は走査方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図、(c)は紙送り方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図である。 (a)は、図11の成膜工程により成膜された圧電材料層を有するインクジェットヘッドの平面図、及び、このインクジェットヘッドにより記録用紙に形成されるドットを示す図であり、(b)は紙送り方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図である。 変更形態1の圧電材料層の成膜状態を示す図であり、(a)はインクジェットヘッドの平面図、(b)は走査方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図、(c)は紙送り方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図である。 変更形態2のインクジェットヘッドの平面図である。 変更形態3の圧電材料層の成膜状態を示す図であり、(a)は圧電アクチュエータ(インクジェットヘッド)の平面図、(b)は走査方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図、(c)は紙送り方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図である。 変更形態4のインクジェットヘッドの平面図である。 変更形態5のインクジェットヘッドの平面図である。 変更形態6のインクジェットヘッドの図4相当の断面図である。 変更形態7のインクジェットヘッドの図4相当の断面図である。 変更形態8のライン型インクジェットヘッドの平面図である。 (a)は、成膜ノズルを走査方向と平行な方向に相対移動させることにより成膜された圧電材料層を有するインクジェットヘッドの平面図、(b)は、走査方向から見たときの圧電アクチュエータの側面図である。
符号の説明
1,1A〜1G シリアル型インクジェットヘッド
1H ライン型インクジェットヘッド
3,3H 圧電アクチュエータ
7 記録用紙
14 圧力室
20 噴射ノズル
30 振動板
31 圧電材料層
32 個別電極
36 絶縁層
52 成膜ノズル
53 ステージ
55 スリット
100 インクジェットプリンタ

Claims (25)

  1. 各々が所定方向に延在し且つ平面に沿って配列された複数の圧力室、及び、これら複数の圧力室にそれぞれ連通しインクを噴射する複数の噴射ノズルを有する流路ユニットと、前記複数の圧力室を覆うように前記流路ユニットの一表面に配置される基板、及び、この基板の一方の面に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有する圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記基板上に、前記圧電アクチュエータの前記複数の薄膜層を形成するステップと、
    前記基板に流路ユニットを取り付けるステップと、を含み、
    前記薄膜層を形成するステップにおいて、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層を、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを、前記スリットの短手方向に且つ前記所定方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することによって形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記所定方向と交差する方向が、前記所定方向と直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. スリットから基板に噴射されるエアロゾルの領域が少なくとも一つの圧力室を覆うようなスリット長を、前記成膜ノズルが有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記所定方向と交差する方向が、インクジェットヘッドを用いる記録時における記録媒体の前記インクジェットヘッドに対する相対移動方向と直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記複数の噴射ノズルは、一方向に均等な間隔で配列される複数のドットをそれぞれ前記記録媒体に形成するように配置され、
    前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向が、前記複数のドットの配列方向であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記複数の噴射ノズルは少なくとも一方向に配列されており、
    前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向が、前記複数の噴射ノズルの配列方向であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 前記複数の噴射ノズルは、第1配列方向とこの第1配列方向と交差する第2配列方向に沿ってマトリックス状に配列されており、
    前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向が、前記第1配列方向と前記第2配列方向のうちの、前記噴射ノズルの配列数の多い方の配列方向であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 前記エアロゾル噴射において、前記基板の、前記記録媒体の前記インクジェットヘッドに対する相対移動方向に並ぶ複数の領域のそれぞれに対して、前記成膜ノズルを相対移動させながらエアロゾルを噴射させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 前記エアロゾル噴射において、前記成膜ノズルのスリットから、圧電材料の粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを前記基板に噴射して、前記圧電材料層を形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 前記基板の前記流路ユニットと反対側に、前記圧電材料層を形成することを特徴とする請求項9に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 前記インクジェットヘッドは、所定の走査方向に移動しつつ、この走査方向と直交する方向に搬送される前記記録媒体に対して前記複数の噴射ノズルからインクを噴射するシリアル型のインクジェットヘッドであり、
    前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向は、前記記録媒体の搬送方向であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  12. 前記インクジェットヘッドは、前記記録媒体が搬送される方向と直交する方向に関して等間隔で配列された複数の前記噴射ノズルを有するライン型のインクジェットヘッドであり、
    前記成膜ノズルの前記基板に対する相対移動方向は、前記複数の噴射ノズルの配列方向であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  13. 複数の圧力室、及び、これら複数の圧力室にそれぞれ連通して記録媒体に対してインクを噴射する複数の噴射ノズルを有する流路ユニットと、前記複数の圧力室を覆うように前記流路ユニットに配置される基板、及び、この基板の一方の面に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有する圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドを記録媒体に対して相対移動する方向に移動するための移動装置とを有するインクジェットプリンタの製造方法であって、
    前記基板上に、前記圧電アクチュエータの前記複数の薄膜層を形成することと前記基板に流路ユニットを取り付けることによりインクジェットヘッドを製造するステップと、
    前記移動装置をもたらすステップとを含み、
    前記薄膜層を形成する際に、前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層を、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを、前記スリットの短手方向に且つ前記相対移動方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することにより形成することを特徴とするインクジェットプリンタの製造方法。
  14. 前記インクジェットヘッドが、色の異なる複数種類のインクをそれぞれ噴射する複数のヘッドを備えることを特徴とする請求項13に記載のインクジェットプリンタの製造方法。
  15. 基板、及び、この基板上に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有し、圧電材料層に所定方向に延在する複数の活性部が区画された圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記基板上に、前記圧電材料層を形成するステップと、
    前記基板上に、前記圧電材料層以外の薄膜層を形成するステップと、を含み、
    前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層を、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを、前記スリットの短手方向に且つ前記所定方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することによって形成することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  16. 前記少なくとも一つの薄膜層が、圧電材料層であることを特徴とする請求項15に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  17. 前記薄膜層が、金属板と絶縁層を含み、少なくとも一つの層が絶縁層であることを特徴とする請求項15に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  18. 前記活性部が、電極により挟まれた圧電材料層の部分であることを特徴とする請求項15に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  19. インクを噴射するインクジェットヘッドであって、
    各々が所定方向に延在し且つ平面に沿って配列された複数の圧力室、及び、これら複数の圧力室にそれぞれ連通しインクを噴射する複数の噴射ノズルを有する流路ユニットと、
    前記複数の圧力室を覆うように前記流路ユニットの一表面に配置される基板、及び、この基板の一方の面に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有する圧電アクチュエータとを備え、
    前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層が、前記所定方向と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性が前記交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高いことを特徴とするインクジェットヘッド。
  20. 前記少なくとも1つの薄膜層が、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを前記スリットの短手方向であり且つ前記所定方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することによって形成されていることを特徴とする請求項19に記載のインクジェットヘッド。
  21. 複数の圧力室、及び、これら複数の圧力室にそれぞれ連通して記録媒体に対してインクを噴射する複数の噴射ノズルを有する流路ユニットと、前記複数の圧力室を覆うように前記流路ユニットに配置される基板、及び、この基板の一方の面に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層を有する圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを記録媒体に対して相対移動する方向に移動するための移動装置とを備え、
    前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層は、前記相対移動方向と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性がその交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高いことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  22. 前記少なくとも1つの薄膜層が、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを前記スリットの短手方向に且つ前記相対移動方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することによって形成されていることを特徴とする請求項21に記載のインクジェットプリンタ。
  23. 液体を吐出するために用いられる圧電アクチュエータであって、
    基板と、
    この基板上に配置された圧電材料層を含む複数の薄膜層と、を有し、
    圧電材料層に所定方向に延在する複数の活性部が区画されており、
    前記複数の薄膜層の少なくとも1つの薄膜層が、前記所定方向と交差する方向における薄膜層の厚みの均一性が前記交差する方向と直交する方向における薄膜層の厚みの均一性よりも高いことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  24. 前記少なくとも1つの薄膜層が、一方向に長いスリットが形成された成膜ノズルを前記スリットの短手方向に且つ前記所定方向と交差する方向に前記基板に対して相対移動させながら、前記成膜ノズルのスリットから前記薄膜層を形成する粒子とキャリアガスとを含むエアロゾルを噴射することによって形成されていることを特徴とする請求項23に記載の圧電アクチュエータ。
  25. 前記所定方向と交差する方向が、前記所定方向と直交する方向であることを特徴とする請求項24に記載の圧電アクチュエータ。
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