本発明は、画像ファイルに記憶されている画像データ等を、印刷或いは表示する画像処理方法及びその装置に関するものである。
近年、いわゆるDPT(デスクトップパブリッシング)による文書の編集作成が盛んになりつつある。それは所望の大きさの領域(ページ)上に文字や図形、表等を配置してファイル化(ソフトウエア上の)したり、プリントアウトするものである。その場合、文書を構成するページに配列される各パーツのレイアウトを変更する場合、その移動エリアを指定して、
(I)切り出し→(II)中間バッファへコピー→(III)所望エリアにペースト
というプロセスを経ることが必要である。
また新たな画像データをパーツとして配置する場合には
(I)データのオープン→(II)中間バッファへコピー→(III)所望のエリアにペースト
というプロセスに従ってレイアウトが行われている。
更に、近年のマルチメディア・プラットフォーム環境の整備に伴って、動画ファイルを、1画面上のパーツとしてページ画面中にウィンドウとしてレイアウトし、モニタ画面上に表示できるものもある。また、そのような動画の1つのフレームを指定し、そのフレームを含む1ページの画像を印刷することも可能である。
特開平5−205399号公報
特開平6−118916号公報
特開平7−99655号公報
特開平7−107475号公報
しかしながら、出力画の高画質化が求められるようになると、不都合な点が数多く見受けられるようになってきている。それは、パーツ画像の高解像度化、広ダイナミックレンジ化(Dレンジ)などの、いわゆる高画質化に対して処理速度の低下、プリントアウト画質の劣化等を引き起こしてしまうことなどがある。
例えば、DTPにおいて簡単な図形データ(例えば、2値画像データ)をページ中にレイアウトする場合は、画像データ量も比較的少ないため、図形データファイルのオープン(I)、及び中間バッファへのコピー(II)にも余り時間はかからず、所望のエリアへのペースト(III)時の位置合わせの場合も、画面上のポインタとポインタ指示部材(例えばマウス)の動きの間に時間差がない状態で、ほぼリアルタイムに行うことができる。
しかし取り扱うデータが自然画像となり、しかも高画質化した場合、データ容量が飛躍的に増大するために、上記のプロセスを実行すると何れも非常に遅くなり、使用に耐えられなくなっている。そこで、予め画像データの画素数を小さくしておけば(つまりデータ容量を削除しておけば)上述した操作は高速になるが、印刷した場合、印刷画像が低解像度なものとなってしまい画質が劣化してしまう。
またデータ画像が動画の場合、例えば1/60秒レートのNTSC信号の画像の場合に、画像用のウィンドウをページ中にレイアウトして編集作業を行う場合を考える。この場合は、いわゆるVGAモニタ(640×480画素)などの画素数を有するモニタで行われることが多く、設定されて表示されるウィンドウサイズは最大でも640×480画素となる。図17に示す如く動画用のウィンドウをレイアウトした場合には、動画用ウィンドウは概160×120画素程度である。もちろんVGAモニタで見る場合には、160×120画素に縮小された状態でも構わないが、他のシステム(例えば高画素数のプロジェクタ)に表示して見る場合は、ページ全体の画素数が増加する可能性がある。このような画像において、文字部分はアウトラインフォント等によって画素数の影響を受けずに拡大されるにも係わらず、動画ウィンドウ部分のみが、元々160×120画素の画像を補間して得られた拡大画像であるため、この動画部分が著しく見劣りする画質の画像となってしまう。これは、一画面をプリントアウトする場合も同様である。
更に、画素数のみならず、フレームレートが異なる場合も同様である。即ち、メモリ量やD/A変換器等の能力に制限されて、1/60秒レートで表示できないモニタ用の表示データに変換されてしまった動画ファイル及びページレイアウトを、1/60秒で表示できるモニタ等に表示する場合、かなりの不満足な点が存在する。
このような問題点を緩和するものとして、例えば特公平3−4151号公報に見られるように、画像をページ中にレイアウトする場合に、データそのものを貼り付けて表示する代わりに、ファイル名を表示しておき、プリント時にはそのファイル名に該当するファイルの画像データを呼び出してプリントするというものがある。この方法によると、プリントされた画像は高画質化するが、レイアウトされたページそのものは単なる印刷手順書にすぎず、それ自体を楽しんだり、活用するものではない。また、画像の縮小、拡大等の加工や、レイアウト位置の調整等、本当に必要な機能をリアルタイムで行うことができない。
また、特公平2−11927号公報には、オリジナルデータとその間引きされたデータを持ち、それを画像検索に用いるシステムが開示されているが、この方法ではページレイアウト等は不可能であり、出力装置の違いによる問題点への解決策も明示されていない。
本発明は上記従来の技術に鑑みてなされたもので、動画像データを切り出して、高速に編集できる画像処理方法及びその装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、画像データの編集時に、高速に所望の画像データを読み出して表示できる画像処理方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明の他の目的は、画像データの用途に応じて、原画像データ或いは原画像データよりもデータ量の少ない標準画像データを使用できる画像処理方法及びその装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の画像処理装置は、以下のような構成を備える。
即ち、切り出し範囲を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された切り出し範囲に基づいて、入力された動画像データから該動画像データよりもデータ量の小さい標準画像データを生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成された前記標準画像データと前記動画像データとを関連付けて記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶されている画像データの読み出しが指示されると、前記標準画像データを読み出して表示手段に表示することを表示制御手段とを有する。
また、本発明の画像処理方法は、以下のような構成を備える。
即ち、切り出し範囲を指定する工程と、前記指定手段により指定された切り出し範囲に基づいて、入力された動画像データから概動画像データよりもデータ量の小さい標準画像データを生成する工程と、前記画像生成手段により生成された前記標準画像データと前記動画像データとを関連付けて記憶する工程と、記憶されている画像データの読み出しが指示されると、前記標準画像データを読み出して表示する工程とを有する。
本発明によれば、動画像データを切り出して高速に編集できるという効果がある。
又、本発明によれば、画像データの編集時に、高速に所望の画像データを読み出して表示できる。
また、本発明によれば、画像データの用途に応じて、原画像データ或いは原画像データよりもデータ量の少ない標準画像データを使用できる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
図1は、レイアウト機能や画像処理機能を備えた電子アルバムの全体機能を示す機能ブロック図である。ここでは大きくメイン部100と、それに付随する画像データエンジン110、レイアウト画像処理エンジン120及びGUI(graphical User’s Interface)130を有している。
図2は、本機能を実現する電子アルバムのブロック図である。
図2において、201はCPUであり、ROM202に格納された処理プログラムにより全体を制御すると共に、後述する機能を実現する。202はROMであり、種々の処理プログラムや、種々のデータが予め格納されている。203はRAMであり、CPU201のワーク領域や一時的な画像データの格納領域として用いられる。205はハードディスク、光ディスク等で構成される外部記憶装置であり、本実施形態における画像データ等が格納され、記憶媒体制御回路204を介してCPU201がアクセスする。207はキーボード207a、マウス207b、スキャナ、電子スチルカメラ等の静止画入力装置207c、ビデオカメラ等の動画入力装置207d等の入力部であり、I/Oポート206を介してデータや装置全体に対する指示を入力する。209は表示装置としてのモニタであり、ビデオ回路208を介して入力される画像データを表示する。尚、ビデオ回路208はモニタ1画面分の容量を有したVRAM208aを含んでいる。210は通信回路であり、本装置と外部の装置とを通信回線を介して接続するものである。
まず、本願発明の処理の概略について説明する。
スキャナ(或いは電子スチルカメラ等)で取り込まれた画像の電子アルバムへの格納先は、GUI130のファイル入出力ブロック131により、ファイルが指定されることにより決定される。
格納先のファイルが指定されると、スキャナから取り込んだ画像は、画像データエンジン110のファイル管理ブロック111を経て、必要に応じてデータ変換ブロック113により変換され、またファイル変換ブロック114により変換される。その後、その画像がアルバムデータとして画像データブロック112に蓄えられる。この動作については後述する。
このようにして画像データブロック112に蓄えられた画像データは、画面上から指定することによって任意のタイミングで見ることができる。114はファイル変換ブロックで、例えばJPEG等で符号化されている画像データを非圧縮データに復号化する。132はベースボードで、イメージデータをページ画面に貼り付ける場合等に使用される。133はエディタ・画面表示で、1ページの画面を表示して編集する時に起動され、モニタ画面上にイメージを表示したり、イメージの貼り付ける位置を設定する場合等に使用される。
また、この画像データブロック112に蓄えられたデータをレイアウト画像処理エンジン120によってページレイアウト、ガンマ補正等の処理を行った後、画像ファイルとして出力するか、或いは印刷(ハードコピー)することが可能である。
次に各ブロックの機能について説明する。
まず、画像データエンジン110の構成について説明する。
図3は、画像データエンジン110による、入力された原画像データから縮小された画像データである標準画像データの生成を説明するための概念図である。
静止画入力装置207cにより、3072×2048画素、RGB各色16ビットの高画質の原画像データ301を入力する。
入力された原画像データ301は、RAM203に一時的に格納された後、データ変換ブロック113により標準画像データ302に変換される。本実施形態においては、CPU201がROM202に格納されているプログラムを実行することによりデータ変換ブロック113を実現するものとするが、専用のハードウエアで実現してもよい。
図3に示すように、RGB各色8ビットで384×256画素の標準画像データ302が生成される。ここで、(3072×2048)画素→(384×256)画素への変換は、全体の縮小(この場合は面積比64分の1)であっても、原画像データの一部分の切り出し或いは縮小であっても良い。
また、各色データの16ビット→8ビットへの変換は、白から黒まで全体に亘る圧縮でも、白を中心とした圧縮(いわゆるハイライト重視)や、暗い部分を中心とした圧縮(ローキー調)でも良い。また、これらの調整は、予め設定されている値に基づいて共通した変換が施されるようにしても良いし、場合に応じて任意に、キーボード207aにより設定されても良い。
このようにして生成された標準画像データ302には、画像数情報や、標準画像データを生成した時の情報(例えば、一部分の切り出しか、ハイライト重視か、ローキー調か等)であるCPU201により生成されるヘッダ情報303が付加され、更に、原画像データ301のヘッダ情報304と原画像データ301に付加されて、画像ファイルが生成される。
このように、原画像データ301にも、原画像データ301の画素数情報等を格納したヘッダ情報304を付加するので、最終的には生成された生成画像ファイル305中には、ヘッダ情報303、304と原画像データ301、標準画像データ302との組が2組存在することになる。
また、そのメモリ内(RAM203、外部記憶装置205)での配列を示したのが図7(1)である。図において、データオフセットテーブルには、メモリ内のアドレスが書いてある番地帳の役割を果すものである。
そして、生成画像ファイル305は、キーボード207aによりタイトルが付加されて、外部記憶装置205に格納される。
生成画像ファイル305の他の構成例を図4に示す。(標準画像データ302+ヘッダ情報303)を原画像データ301のヘッダ情報306の一部として格納するものである。
この様に、原画像データ301に、更に標準画像データ302を付加することにより、データ量が全体として肥大化するという印象があるが、原画像データ301のデータ量(この例の場合約36MB)に比較して、縮小された標準画像データ302のデータ量(この例の場合約288KB)は充分小さいため、それほど大きな容量の増加とはならない。
この様にして生成された画像ファイルを、画面上で見る場合には、まず、外部記憶装置205に格納されている画像ファイルの一覧をモニタ209に表示させ、キーボード207a、或いはマウス207bで任意の画像ファイルを指示することにより、指示された画像ファイルの標準画像データ302をオープンする。
この標準画像データ302はファイル容量が小さいので、高速に読み出され、RAM203に格納されると共に、VRAM208aに格納され、モニタ209の画面上に描画することができる。そしてその際、標準画像データ302のヘッダ情報303の情報を表示するようにしても良い。
モニタ209の画面上に標準画像データ302を表示した結果、表示された画像データが画質的に不満足な場合は、キーボード207a、或いはマウス207bで指示をすることにより、(原画像データ301+ヘッダ情報304)をオープンして、同様にモニタ209画面に表示する。
そして原画像データ301を表示した状態で、標準画像データ302のサイズを、キーボード207aから指示することにより、例えば(512×768)画素に変更するようにしても良い。
又、標準画像データ302より表示データがもっとラフなものでよければ、キーボード207aから指示することにより、標準画像データ302のサイズを、より小さいサイズ、例えば(128×192)画素に変更するようにしてもよい。
尚、本実施例では、標準画像データ302のサイズを(384×256)画素で、RGBの各色毎に8ビットとしたが、そのサイズは、キーボード207aにより任意に設定できるものである。
図5は、前述した画像ファイルの読み出し、表示処理を示すフローチャートである。
モニタ209に表示された画像ファイルの一覧から、キーボード207a或いはマウス207bで1つの画像ファイルが指定されると、指定された画像ファイルの標準画像データ302が外部記憶装置205から読み出され(ステップS1)、RAM203に記憶され、VRAM208aに記憶されることによりモニタ209に表示される(ステップS2)。ここでヘッダ情報303の内容を共に表示しても良い。
ステップS3で、表示された標準画像の画像品質で問題ないかをオペレータが指示する。表示されている画像データがラフであると指示された時はステップS4に進み、原画像データ301が外部記憶装置205からRAM202に読み出され、ステップS5で、読み出した原画像データ301をVRAM208aに格納することによりモニタ209に表示する。そしてステップS6に進み、標準画像データのデータサイズをキーボード207aから入力し、新たな標準画像データを生成し、前述のように保存することによりもう少し細かい画像が表示できるように変更する。
一方、ステップS3で、表示されている画像データがラフでないと指示された時はステップS7に進み、その標準画像データがもっとラフな画像であってもよいかがオペレータにより指示され、そうであればステップS8に進み、原画像データ301の読み出しが行われ、その原画像データ301に基づいて標準画像データ302の変更或いは修正が行われ、保存される。
また、ステップS7で、その表示されている標準画像データで問題がなければ、そのまま処理を終了する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態においては、レイアウト−画像処理エンジン120を使って画像のレイアウトや調子を変更した後、その画像データを印刷する場合について説明する。
図6は、本実施形態の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS11で、レイアウトのベースとなるページ画面が開かれる。即ち、RAM203に1ページ分の領域が確保され、モニタ209に表示される。
そしてステップS12で、キーボード207a、或いはマウス207bで指定することによりレイアウトしたい画像を選択すると、それに対応する外部記憶装置205に蓄えられている画像ファイルが開かれる。ここで、この画像ファイルに標準画像データ302が既に生成されて原画像データ301に付加されている場合にはステップS13からステップS14に進み、その標準画像データ302のみを読み込んでペーストボード130に蓄える。このペーストボード130は、本実施形態においては、RAM203に領域を確保することにより、実現している。
ステップS13において、標準画像データ302が生成されていない(原画像データ301に付加されていない)と判断された場合にはステップS15に進み、原画像データ301から、第1の実施形態で述べたように標準画像データ302が生成される。その際ステップS15で、レイアウト調整の目標となる画像サイズがわかっている場合(例えば、キーボード207aから画素数の指示があった場合等)にはステップS16に進み、その既知の画素数に調整する。一方、そのレイアウトの画像サイズの指示がない時は、ステップS17に進み、標準的なデフォルト値に設定する。但し、その場合には、最終的に決定された画素数がデフォルト値よりも大きかった場合(デフォルト値の標準画像データが最終的な標準画像データよりも解像度が高い場合)には、原画像データ301から標準画像データ302を再度生成する。
こうしてステップS18に進み、ペーストボード132に蓄えられた標準画像データ302を画面に表示しながら、マウス207b等のポインティングデバイスでレイアウトする位置を調整したり、画像の調子を変更したり(例えば、ガンマ変換、コントロール変換等)する。また、画像の縮小、拡大を行うようにしてもよい。そしてレイアウト位置や画像の調子、サイズ等が決定されるとステップS19に進み、その設定及び処理内容がヘッダ情報に書き込まれる。この時のヘッダ情報は、ページ中にレイアウトされている画像データに付加される。このヘッダ情報には、原画像データから標準画像データへ、そしてページ中にレイアウトされた画像データへと変化した内容が記述されており、レイアウトされた画像データそのものは、それによる処理を受けて変更されている。
一方、ここでなされた処理の内反映させたいものがあれば、外部記憶装置205の元のデータファイル(原画像データ+標準画像データ)のヘッダ部分に書き込むようにしてもよい。
こうして作成されたページデータに対して、ステップS20でファイルとして出力する。即ち、外部記憶装置205に新たに保存したり、不図示のプリンタに出力する。
このように画像ファイルとして出力、或いは印刷する場合は、次のことが可能となる。
まず、ファイルとして出力する際には、使用者がページデータ以上のデータを必要としない場合、或いは画像データブロック112の元データファイルとのリンク情報によって、処理装置の本体に含まれなくてもコール(アクセス)できる。よって、ページデータそのものに原画像データを必要としない場合には、ページデータそのもので、ファイル出力される。
また、原画像データを必要とする場合には、原画像データの画像ファイルをページデータファイルに添付し、フロッピディスク等のオフラインの記憶媒体で外部環境へ持ち出すことができる状況にも対応できる。
また、印刷出力する場合には、レイアウトした画像データ部分については、出力するプリンタの能力に応じて処理及び使用するデータ階層を変更する。例えば、1ページ画面分を(10万×10万)画素相当で印刷できる高画質プリンタを使用する場合は、レイアウトした画像データ部分については、原画像データの画像ファイルをコールしてプリントデータとする。但し、画像ヘッダに記録された画像の調子などについての設定に従って処理されるものとする。
一方、1ページ画面分を(1000×1000)画素程度のプリンタで印刷する場合には、ページ中にレイアウトされた画像データそのものを用いて印刷する。
以上、プリントアウトの例で述べたが、液晶モニタやプロジェクタへの出力の場合でも同様である。
このように構成することにより、低解像度の出力機器に出力する際は、高画質で大容量画像データファイルを用いることなく、高速に画像データを出力することができる。更に、高解像度の出力機器に出力する場合は、高画質の画像データを出力することが可能である。
次に、画像データを編集する時のデータの処理について説明する。
図8は、モニタ209上に表示した原画像データ801を示しており、その原画像データ801の領域802をマウス207bにより指定し切り取ったことを示している。
この場合、図9に示すように、表示された原画像データ801は、元データ803においては、805で示すデータであり、データ805のハッチングで示された部分が切り取られた部分の802を示している。806はデータ805を圧縮したデータである。
そして、切り出しを実行することにより、データ805から切り出されたデータ807と、このデータ807を圧縮したデータ808が生成され、切り出し後のデータ804として、独自ファイルとして格納されることになる。
また、図10に示すように、データ1001とデータ1002が合成され、作成されたデータ1003の場合においても、図8、9に説明したように、独自のファイルが生成され、格納されることになる。
次に、動画像を用いたプレゼンテーション・ウィンドウのレイアウトの方法について説明する。
ここでは、ハイビジョン画像を入力画像とする例について説明する。
動画入力装置207dにより、1/60秒間隔で、概(1800×1000)画素の画像データ70(図12参照)がファイルとして順次入力される。長時間になればそれだけ大容量のデータがファイル化されるのは当然である。また、これらの画像データは入力される時に、いわゆるJPEG、MPEG等の圧縮プログラムによってデータ量を削除されている場合もある。こうして入力されたデータは、ファイル管理ブロック111(本実施形態においては、CPU201がROM202に格納された処理プログラムを実行することにより実現する。但し、専用のハードウエアにより構成するようにしても良い)を経て画像データブロック112(外部記憶装置205)に蓄えられる。
この時、前述の実施形態で述べたように静止画像ファイルと同様に、直ちに標準画像データファイルを作成しても良く、後述するように、ページ中のプレゼンテーション・ウィンドウの描画レート・サイズが決まってから作成するようにしてもよい。
以下、直ちに標準画像データを作成しない場合について述べる。
第2の実施形態と同様に、作成するページ中にレイアウトしたい動画ファイルが選択されると、外部記憶装置205から選択された動画ファイルのヘッダ情報のみが読み込まれ、原画像データの画素数によるウィンドウがページ上(モニター209の表示画面上)にあらわれる。
例えば、図11に示すように、VGAモニタ60でハイビジョンの動画像データをページ画面61にレイアウトする場合は、動画像データの画素数が大きいので、ページ画面61の全体を縮小して表示しないと、動画像データ全体の大きさが図示できない。
そして、表示されているウィンドウ62のラインをマウス207bを用いて調整することによりウィンドウ62の大きさを決定する。また、ウィンドウ62に表示される動画の描画レートをキーボード207aにより入力する。そして、そのデータ(ウィンドウサイズ、描画レート等)を基に、外部記憶装置205の対応する動画像ファイルからプレゼンテーション用の動画像データを作成する。
いま、プレゼンテーション用の画像データ71を(180×100)画素で、1/10秒レートとすると、原画像データはファイル変換ブロック114(本実施形態においては、CPU201がROM202に格納された処理プログラムを実行することにより実現する。但し、専用のハードウエアにより構成するようにしても良い)によって、JPEGから非圧縮データに復調され、画素数・描画レート共に低下するように変換される。
そして得られた動画像データは、再びJPEGなどによって圧縮しても良い。そのデータには変換の方法等が記されたヘッダ情報が付加されると共に、外部記憶装置205の原画像データに付加されて記憶される。
そして、このプレゼンテーション用の画像データ71のうち、1画面をプリントアウトする場合には、ページファイルの当該画像データ71のヘッダ情報を読み込む。そして、高解像度プリンタにより印刷する場合は、画像データブロック112の原画像データを用いて、ヘッダ情報を参照してプリントアウトする。一方、低解像度のプリンタにより印刷する場合には、ページファイルのレートが低下された画像データをそのまま用いて印刷を行う。この点は前述の第2の実施形態と同様である。
以上、第3の実施形態においては、画像データの各階層間の相関については言及しなかったが、種々のフォーマットが考えられる。
図12は、標準画像データ90のみ通常の3色プレーンで保有しておき、より高解像度な階層のデータは高域信号のみを保有しておき、標準画像データと加算することにより高画質データを得るものである。図12において、91は高域信号1エリア、92は高域信号2エリアを示している。
そのメモリ内(RAM203、外部記憶装置205)での配列を示したのが図7(2)である。図において、データオフセットテーブルには、メモリ内のアドレスが書いてある番地帳の役割を果すものである。
図14は、いわゆる画素ずらし方法による画像データの階層化を説明するための図である。図14では、高精細画像の1画素を4分割し、これら4分割された画素のそれぞれを、標準画像データの各階層(フレーム)に割り当てた標準画像データを作成するものである。
図15に示すような形で、標準解像度4フレーム分の画像から高精細フレームの画像が合成されるようなデータファイルが入力された場合に、標準解像度で1フレーム分を標準画像データ95として保持し、残り3フレーム分96を高精細画像データ作成用として保持し、構成際画像データを作成する時には両方の階層データを用いる。
次にネットワークを利用して、本システムを稼働させた場合について説明する。
図16は、その全体を示すものである。ワークステーション83には、図1、図2に示した構成と同様に構成されているが、外部記憶装置205のみが、画像データ記憶装置82としてネットワーク上でオンラインで結ばれている。従って、ワークステーション93から画像データファイリングのリードライトは、画像データ記憶装置82に対して行われる。それによって、ワークステーション83の主記憶装置が余裕を持つことが可能となる。
また、ネットワークに接続されている解像度の異なるプリンタ80、81に対して、前述の如く異なる処理方法にて出力させることが可能である。ここで、80は高解像度のプリンタ装置、81は低解像度のプリンタ装置である。
尚、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに使用しても、1つの機器からなる装置に適用しても良い。また、本発明は、システム或いは装置に本発明を実施するプログラムを供給することによって、達成される場合にも適用される。
以上説明したように本実施例によれば、画像データを使用する用途、画像データを出力する出力機器の性能に応じて、最適かつ高速に画像データファイルを作成して処理できると効果がある。
本発明の一実施形態の機能構成を示す機能ブロック図である。
図1に示した機能を実現する電子アルバムのブロック図である。
本実施形態における画像データファイルの構成を示す概念図である。
本実施形態における画像データファイルの別の構成例を示す図である。
本発明の第1の実施形態における画像ファイルの読み出し処理を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施形態におけるページレイアウトの作成処理を示すフローチャートである。
本実施形態における画像ファイルの記憶媒体上における配列を示す概念図である。
本実施形態における編集処理を示すための図である。
本実施形態における編集処理時の画像ファイルを示す概念図である。
本実施形態における表示画面上の表示例を示す図である。
本発明の第3の実施形態における画面上の配置を説明する図である。
本発明の第3の実施形態における画像データファイルの構成を説明する図である。
本実施形態の画像データファイルの別の構成例を示す図である。
画像データファイルの別の構成における画素ずらしデータの構成を説明する図である。
本実施形態の画像データファイルの別の構成を示す図である。
本発明の第4の実施形態におけるネットワークの構成を示す図である。
従来例を説明するための表示例を示す図である。
符号の説明
110 画像データエンジン
111 ファイル管理ブロック
112 画像データブロック
113 データ変換ブロック
120 レイアウト画像処理エンジン
121 レイアウトブロック
122 画像処理ブロック
130 GUI
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 記憶媒体制御回路
205 外部記憶装置
206 I/Oポート
207 入力部
208 ビデオ回路
209 モニタ
210 通信回路
301 原画像データ
302 標準画像データ
303 ヘッダ情報
304 ヘッダ情報
305 生成画像データファイル
306 ヘッダ情報