JP2007110535A - 騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのばらつき調整方法 - Google Patents

騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのばらつき調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007110535A
JP2007110535A JP2005300614A JP2005300614A JP2007110535A JP 2007110535 A JP2007110535 A JP 2007110535A JP 2005300614 A JP2005300614 A JP 2005300614A JP 2005300614 A JP2005300614 A JP 2005300614A JP 2007110535 A JP2007110535 A JP 2007110535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
noise
gain
adjustment
variation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005300614A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4524242B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Matsuoka
弘之 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2005300614A priority Critical patent/JP4524242B2/ja
Publication of JP2007110535A publication Critical patent/JP2007110535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4524242B2 publication Critical patent/JP4524242B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】騒音キャンセルヘッドフォンは、ADC、DACの遅れにより応答周波数1kHzを実現するデジタル化が困難であった。本発明は、1ビット信号処理技術を使って応答周波数1kHzを実現し、フィードバック制御ループのゲインばらつきを自動的に調整し、最適な騒音低減効果を得ることを目的とする。
【解決手段】騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、スピーカ44とマイク46を近接して設け、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、音楽信号とマイク46からの帰還信号の偏差信号に応じた信号によりスピーカ44から音声を出力し、スピーカ44からの音声と騒音をマイク46によって集音してフィードバックするように構成されるフィードバック制御回路と、騒音キャンセルスイッチ62をONする毎に、フィードバック制御回路の開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整する装着時ばらつき調整手段を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、騒音キャンセルヘッドフォンに係り、特に騒音キャンセルの制御ループを構成するデジタル信号処理回路の処理速度を高速化することにより、高音質の音声を再生することができる騒音キャンセルヘッドフォン、及びその制御ループゲインのばらつき調整方法に関する。
近年、周囲の騒音をキャンセルして音楽などを聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンが各社より製品化されている。これらの騒音キャンセルヘッドフォンは、周囲の騒音をマイクから入力して逆位相で打ち消し、低騒音化を実現するようになっている。騒音を逆位相で打ち消す方法として、大きく分けて、閉ループによるもの(例えば特許文献1)と、開ループによるもの(例えば特許文献2)がある。
図10は、閉ループによる騒音キャンセルを実現する従来技術における制御構成の概略を示したものである。図10を参照して閉ループによる騒音キャンセルの制御について簡単に説明する。なお、以下の説明では音響を含めて音声として記載する。
騒音キャンセル制御では、騒音をキャンセルする為に、吸音材などを利用した受動騒音制御だけでなく、電気的に制御して騒音と逆相の信号を音源から発生することにより騒音を直接打ち消す能動騒音制御を行っている。これにより、受動騒音制御だけではキャンセルできない低域分を能動騒音制御によりキャンセルすることができる。以下の図10を参照して、従来の騒音低減制御のうち能動騒音制御について説明する。
図10において、1は騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路部である。2は騒音キャンセルヘッドフォンの音声再生部(以下ヘッドフォンという)を示す。また、3は音楽などの音声信号をアナログ音声信号として出力する音声信号再生装置であり、図10ではシリコンプレーヤ(音楽データを記憶する記憶媒体が半導体メモリである携帯型オーディオ装置)となっている。制御回路部1とヘッドフォン2は、一体に構成されたものや別体として構成されたものがある。また、ヘッドフォン2はヘッドフォン型の他にイヤホン型のものもある。
音声信号再生装置3から入力されたアナログ音声信号は、制御回路部1で音声信号処理されてヘッドフォン2に出力され音声Sとして再生される。
制御回路部1は、補正回路4、信号増幅器5、アナログフィルタ6、切替スイッチ17、ヘッドフォンアンプ7、マイクアンプ8、騒音キャンセルスイッチ9、電源スイッチ10、電池11などで構成されている。ヘッドフォン2は、スピーカ13、マイク14、ヘッドフォンハウジング12、バンド16などで構成されている。なお、15は聴取者の耳を簡略化して描いたものである。
音声信号再生装置3の出力部は補正回路4の入力部に接続されている。また、補正回路4の出力部は信号増幅器5の正入力端子に接続されると共に切替スイッチ17のb端子に接続される。また、信号増幅器5の出力部はアナログフィルタ6の入力部に接続される。アナログフィルタ6の出力部は切替スイッチ17のa端子に接続される。また、切替スイッチ17はa端子又はb端子がc端子に切替接続される切替スイッチとなっており、c端子はヘッドフォンアンプ7の入力部に接続されている。また、ヘッドフォンアンプ7の出力部はスピーカ13に接続されている。スピーカ13とマイク14はヘッドフォンハウジング12内に近接して取り付けられている。ユーザがヘッドフォン2を装着した状態で、マイク14はスピーカ13からの音声Sとヘッドフォンハウジング12を介してマイク14に届いた周囲の騒音Nの両方を集音するようになっている。ここで、騒音はヘッドフォンハウジング12を介してヘッドフォンハウジング12内の耳空間に届くので、ヘッドフォンハウジング12の外側の騒音をN’、内側の騒音をNと表現している。
補正回路4は、音声信号再生装置3から入力された音声信号を補正して、スピーカ13から出力される音声Sの可聴周波数範囲での周波数特性がほぼフラットの特性となるように設けられた補正回路である。また、信号増幅器5は、補正回路4から正入力端子に入力された音声信号と、マイクアンプ8から負入力端子に入力されたフィードバック信号の差分を増幅する偏差増幅器となっている。また、アナログフィルタ6は騒音を低減したい周波数帯域でゲインを大きくしたバンドパスフィルタとなっている。また、ヘッドフォンアンプ7は入力された信号を電力増幅してスピーカ13に供給する。マイク14は、スピーカ13から出力された音声S及び騒音Nを集音して電気信号に変換し、マイクアンプ8に供給する。マイクアンプ8はマイク14からの信号を増幅し、信号増幅器5の負入力端子にフィードバック信号として帰還させる。
このように制御回路部1、ヘッドフォン2、音声信号再生装置3で構成された音声再生システムは、切替スイッチ17をa端子側に切り替えたとき、信号増幅器5、アナログフィルタ6、ヘッドフォンアンプ7、スピーカ13、マイク14、マイクアンプ8により負帰還のフィードバックループを構成する。このとき、音声再生モードは騒音キャンセル制御モードとなる。また、切替スイッチ17をb端子側に切り替えたとき、アナログフィルタ6の出力が遮断されてフィードバックループが解除され、補正回路4の出力が切替スイッチ17のb、c端子を介してヘッドフォンアンプ7の入力に接続される。このとき、音声再生モードは騒音キャンセル制御を行わない通常の音声再生モードとなる。
いま、騒音キャンセル制御モードにおけるフィードバックループを考える。図10の音声再生システムの制御回路構成を、伝達関数を使ったブロック線図で表現すると図11のようになる。
補正回路4の出力部x(=信号増幅器5の正入力端子であり、音楽信号Iが入力される)からスピーカ13の出力部(=音声Sが出力される)までの前向きのループゲインをG1、マイク14の入力部y(=聴取者の耳空間部であり、音声Sと騒音Nの混合した音が入力される)から信号増幅器5の負入力端子までの後ろ向きのループゲインをG2とする。また、聴取者の耳空間部yに入力点zから騒音Nが外乱として入力される。
図11において、101は前向きループゲインG1、102は後ろ向きループゲインG2、103はフィードバック信号加算部、104は騒音Nの加算点を示している。スピーカ13からの音声Sは、音楽信号Iによる音と騒音Nによる音が混合している。また、耳空間部yでは、スピーカ13からの音声Sと騒音Nが混合している。
補正回路4の出力部xを入力点としてマイク14の入力部yを出力点とする閉ループゲインH1は制御理論から明らかなように次の式で表される(*は乗算を意味する。以下同様)。
H1=G1/(1+G1*G2) ・・・・・・・・(1)
また、騒音Nの入力部zを入力点としマイク14の入力部yを出力点とする閉ループゲインH2は次のようになる。
H2=1/(1+G1*G2) ・・・・・・・・(2)
音楽信号Iの入力と騒音Nの入力に対応する総合的な耳空間部yの音は、音声Sと騒音Nの合成になり、次のようになる。
S+N=H1*I+H2*N
={G1/(1+G1*G2)}*I+{1/(1+G1*G2)}*N ・・・・・・・・(3)
(3)式の第1項は音楽信号Iによる音声、第2項は騒音Nによる音声を示している。騒音をキャンセルするときは第2項を小さくすればよいことがわかる。
ゲインG1とゲインG2の積、すなわち開ループゲインG1*G2が1に対して非常に大きくなったとき、補正回路4の出力部xからマイク14の入力部yまでの閉ループゲインH1は(1)式から、
H1→1/G2 ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
となり、また、騒音Nの入力部zからマイク14の入力部yまでの閉ループゲインH2は(2)式から、
H2→1/G1*G2→0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
となる。したがって、(3)と(5)式から、図11の伝達関数のブロック線図において開ループゲインG1*G2を大きくすると騒音が低減されることがわかる。
また、このとき、フィードバック制御ループの安定性は開ループゲインG1*G2により判定できることはよく知られたことであり、図12を使って簡単に説明すると次のようになる。
図12の(a)は開ループゲインG1*G2のゲイン特性を表している。図示のように低域のカットオフ周波数が20Hz〜30Hz、高域のカットオフ周波数が800Hz〜2kHzのバンドパス特性となっている。また、図12の(b)は開ループゲインG1*G2の位相特性を表している。サーボ制御理論より、フィードバック制御ループが安定であるためには、ゲイン特性が0dBになる周波数で位相余裕が約30°以上有り、位相特性が180°になる周波数でゲイン余裕が約10dB以上有ることが必用である。位相余裕、又はゲイン余裕がこれより小さいときは発振現象を起こしハウリングし異常状態となる。
上記のゲインG1はアナログフィルタ6のゲインを調整することにより行われている。ゲインG1は騒音低減のためには大きいほうがよいが、大きくするとフィードバック制御ループの安定性が損なわれて異常状態になる。また、ゲインG2の変動には、マイク14、マイクアンプ8のハード的な特性に起因する変動要因と、聴取者のヘッドフォン装着状態に起因する変動要因がある。従来は安定性を確保するため、アナログフィルタ6の可変ボリュームによりゲイン調整してゲインG1を必要以上に小さく設定し、十分なゲイン余裕と位相余裕を得るようにしておき、聴取者のヘッドフォン装着状態によりゲインG2が大きく変わっても発振現象を起こさないようにしていた。
特開平6−343195号公報 特開平11−196488号公報
上記従来技術では、聴取者のヘッドフォン装着状態によりゲインG2が大きく変わっても発振現象を起こさないようにアナログフィルタ6の可変ボリュームによりゲイン調整してゲインG1を必要以上に小さく設定し、十分なゲイン余裕と位相余裕を得るようにしていた。(4)式と(5)式を合わせて考えると、騒音低減の効果を大きく得るためにはゲインG1をなるべく大きく設定する必用がある。従来は聴取者のヘッドフォン装着状態によるゲインG2の変動に対応することができないのでゲインG1を必要以上に小さく設定し、十分なゲイン余裕と位相余裕を得るようにしていたものである。
本発明は安定性を確保できる範囲でゲインG1をなるべく大きく、しかもゲインG1、G2のばらつき、及びヘッドフォン装着状態におけるゲインG2のばらつきの影響が少なくなるように精度良く調整された状態で自動設定することを目的にするが、アナログ的に実現された従来のアナログフィルタ6の可変ボリュームの調整方法ではこれを実現することが困難である。そこで本発明ではゲインG1の調整機構をデジタル化して実現することを考える。
ところで、上記背景技術の欄で従来技術は騒音をキャンセル為に、吸音材などを利用した受動騒音制御だけでなく、騒音と逆相の信号を音源から発生することにより、騒音を直接打ち消す能動騒音制御を行っていることを述べたが、これはスピーカなどの動作遅れにより能動騒音制御の応答が高く取れないため、能動騒音制御で約1kHz以下の騒音を低減し、それ以上の騒音は受動騒音制御で低減するようにしていることによるものであった。例えばスピーカ13の動作遅れが一番大きく約100μsecあり、その他の構成要素の遅れも入れて音声再生システムとしての応答周波数が約1kHz以下となっているものである。
ゲインG1の調整機構をデジタル化してPCM音楽データをデジタル処理しようとした場合、マイク14からのアナログフィードバック信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器(以下ADCという)と、デジタル音声信号を処理してアナログ信号の音声信号に変換しスピーカ13に出力するためにデジタル/アナログ変換器(以下DACという)が少なくとも1個ずつ必要となる。そこでADCとDACの遅れ時間を検討すると、ADCが約340μsec、DACが約340μsecの遅れ時間を持っており、現状のスピーカなどの動作遅れ約100μsecよりかなり大幅な遅れとなる。したがって、ADCやDACを使ったのでは応答が約100Hz程度以下に落ちてしまい実用化することができない。
このように、従来技術ではデジタル制御で応答周波数1kHzを実現することは困難であり、このことが従来技術でデジタルフィルタが採用されなかった理由でもある。
本発明は上記問題点に鑑み、デジタル制御技術を使って応答周波数1kHzを実現し、G1、G2のばらつきを自動的に調整し、しかも聴取者が騒音キャンセル制御モードで動作させる毎にヘッドフォンの装着状態に応じてゲインG1を自動的に調整し、ゲイン余裕と位相余裕を必用以上に取らなくても、制御系が安定に動作し、最適な騒音低減効果を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明の要旨は、音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声を聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、スピーカとマイクが近接して設けられており、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記音楽信号と前記マイクからの帰還信号の偏差信号に応じた信号により前記スピーカから音声を出力し、前記スピーカからの音声と騒音を前記マイクによって集音して前記帰還信号としてフィードバックするように構成されるフィードバック制御回路と、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御回路の開ループゲインを予め設定されたヘッドフォン装着時の目標値になるように調整する装着時ばらつき調整手段を備えたことを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォンに存する。
また、本発明の請求項2に係る発明の要旨は、音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声を聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、スピーカとマイクが近接して設けられており、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記音楽信号と前記マイクからの帰還信号の偏差信号に応じた信号により前記スピーカから音声を出力し、前記スピーカからの音声と騒音を前記マイクによって集音して前記帰還信号としてフィードバックするように構成されるフィードバック制御回路と、前記フィードバック制御回路の開ループゲインが予め設定した出荷時の目標値になるようなゲイン調整値を求めて不揮発性メモリに記憶する出荷時ばらつき調整手段と、電源をONするごとに、前記不揮発性メモリに記憶されたゲイン調整値により前記フィードバック制御回路の開ループゲインを設定する電源ON時ゲイン設定手段と、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御回路の開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整する装着時ばらつき調整手段を備えたことを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォンに存する。
また、本発明の請求項3に係る発明の要旨は、前記フィードバック制御回路には、前記偏差信号入力部と前記スピーカの間にフィルタが設けられ、前記装着時ばらつき調整手段は、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィルタのゲインを調整して、前記フィードバック制御回路の開ループゲインを予め設定した目標値になるように調整することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の騒音キャンセルヘッドフォンに存する。
また、本発明の請求項4に係る発明の要旨は、前記装着時ばらつき調整手段は、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御回路のループをオープン状態にしてばらつき調整用開ループを形成する切替手段と、特定周波数の正弦波信号に対する前記ばらつき調整用開ループのゲインを測定し、予め設定した前記ばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値になるように前記フィルタのゲインを調整するゲイン調整手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォンに存する。
また、本発明の請求項5に係る発明の要旨は、前記正弦波信号の周波数は、騒音キャンセルすべき周波数帯域内の特定周波数であることを特徴とする請求項4に記載の騒音キャンセルヘッドフォンに存する。
また、本発明の請求項6に係る発明の要旨は、前記音楽信号は1ビット信号であり、前記帰還信号は前記マイクからのアナログ信号が1ビット信号に変換された信号であり、前記偏差信号は、前記音楽信号の1ビット信号と前記帰還信号の1ビット信号をデジタル的に引き算した1ビット信号であり、前記フィルタは1ビット信号処理によるデジタルフィルタであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォンに存する。
また、本発明の請求項7に係る発明の要旨は、音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声を聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、制御電源をON、OFFする電源スイッチと、出荷時のばらつき調整の際にONされる出荷時調整スイッチと、騒音キャンセルモードと通常モードの切り替えを行うための騒音キャンセルスイッチと、ばらつき調整時に調整用信号として特定の周波数の正弦波信号を出力するばらつき調整用信号生成回路と、デジタルフィルタの出力信号に応じた信号により音声を再生するスピーカと、前記スピーカに近接して設けられ、前記スピーカで再生された音声と周囲からの騒音を集音して電気信号に変換して出力するマイクと、前記マイクからの信号を1ビット信号に変換して帰還させるフィードバック回路と、1ビット信号に変換された前記音楽信号と1ビット信号に変換された前記帰還信号の偏差信号をデジタル的に引き算して1ビット信号として入力し、該入力された1ビット信号の偏差信号を騒音キャンセル周波数帯域でパスさせる1ビット信号処理の前記デジタルフィルタと、前記デジタルフィルタの信号レベルを検出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路で検出されたレベル検出値と予め設定した開ループゲイン調整目標値に基づき前記デジタルフィルタのゲイン調整値を求めて出力するレベル決め回路と、前記出荷時調整スイッチのON動作に応じて、前記レベル決め回路で求められたゲイン調整値を記憶する書き替え可能な不揮発性メモリと、前記電源スイッチのON動作に応じて、前記不揮発性メモリに記憶されたゲイン調整値により前記デジタルフィルタのゲインを調整する第1のゲイン調整手段と、前記騒音キャンセルスイッチのON動作に応じて、前記第1のゲイン調整手段の調整に加えて、前記レベル決め回路で求められたゲイン調整値で前記デジタルフィルタのゲインを調整する第2のゲイン調整手段を備えたことを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォンに存する。
また、本発明の請求項8に係る発明の要旨は、音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声をスピーカで聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法において、マイクを前記スピーカに近接して設け、前記音楽信号に前記マイクからの帰還信号を負極性でフィードバックして偏差信号を求め、該偏差信号で制御するフィードバック制御ループを形成し、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御ループの開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整することを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法に存する。
また、本発明の請求項9に係る発明の要旨は、音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声をスピーカで聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法において、マイクを前記スピーカに近接して設け、前記音楽信号に前記マイクからの帰還信号を負極性でフィードバックするフィードバック制御ループを形成し、出荷時調整の際、前記フィードバック制御ループの開ループゲインが予め設定した出荷時の目標値になるようなゲイン調整値を求めて記憶し、電源をONするごとに、前記記憶されたゲイン調整値により前記フィードバック制御ループの開ループゲインを設定し、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御ループの開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整することを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法に存する。
また、本発明の請求項10に係る発明の要旨は、前記フィードバック制御ループに前記偏差信号を入力して特定の周波数帯域の周波数をパスさせるフィルタを設け、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィルタのゲインを調整して、前記フィードバック制御ループの開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整することを特徴とする請求項8又は請求項9のいずれかに記載の騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法に存する。
また、本発明の請求項11に係る発明の要旨は、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御ループをオープン状態にしてばらつき調整用開ループを形成し、特定周波数の正弦波信号に対する前記ばらつき調整用開ループのゲインを測定し、前記ばらつき調整用開ループのゲインが、予め設定した前記ばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値になるように、前記フィルタのゲインを調整することを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法に存する。
また、本発明の請求項12に係る発明の要旨は、前記正弦波信号の周波数は、騒音キャンセルすべき周波数帯域内の特定周波数であることを特徴とする請求項11に記載の騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法に存する。
また、本発明の請求項13に係る発明の要旨は、前記音楽信号は1ビット信号であり、前記帰還信号は前記マイクからのアナログ信号が1ビット信号に変換された信号であり、前記偏差信号は、前記音楽信号の1ビット信号と前記帰還信号の1ビット信号をデジタル的に引き算した1ビット信号であり、前記フィルタは1ビット信号処理によるデジタルフィルタであることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法に存する。
本発明によれば、デジタル制御技術を使って応答周波数1kHzを実現し、G1、G2のばらつきを自動的に調整することができる。
また、本発明によれば、聴取者が騒音キャンセル制御モードで動作させる毎に、ばらつき調整を自動的に実行し、ヘッドフォンの装着状態に応じて変化するゲインG2を補正するようにゲインG1が自動調整される。これにより、ゲイン余裕と位相余裕を必用以上に取らなくても制御系が安定に動作し、最適な騒音低減効果を得ることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明による騒音キャンセルヘッドフォンの制御構成の第1の実施の形態を示している。
まず、騒音キャンセルヘッドフォンの制御構成を説明する。
図1において、31は騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路部である。なお、ステレオ音声の場合、制御回路部31と同じ構成をした左右の制御回路部があるが、左右における一方のみを示し、他方は図示を省略している。64、65はイヤホン型の音声再生部である。64、65はイヤホン型に限定されず、ヘッドフォン型であってもよい。以下64、65をヘッドフォンという。また、ヘッドフォン64と制御回路部31は、一体に構成、或いは別体として構成することができる。
32、33はシリコンプレーヤであるが、シリコンプレーヤ32はPCMのデジタル音楽信号が出力される。また、シリコンプレーヤ33はアナログの音楽信号が出力される。
34はシリコンプレーヤ32からPCMのデジタル音楽信号を取り込んで1ビット信号に変換するPCM/1bit変換器である。また、35はシリコンプレーヤ33からアナログ音楽信号を取り込んで1ビット信号に変換するアナログ/1bit変換器である。
36はセレクタであり、入力された信号のいずれかを選択して出力する。セレクト信号は図示を省略しているが、シリコンプレーヤ32、33の接続状態によってセレクト信号を発生して切り替えるようにすればよい。
37乃至39はセレクタであり、入力された信号のいずれかを選択して出力する。セレクト信号は切替信号生成回路から出力される。
40は補正回路であり、セレクタ36で選択されたPCM/1bit変換器34からの1ビット信号、或いはアナログ/1bit変換器35からの1ビット信号を補正して、スピーカ13から出力される音声の可聴周波数範囲での周波数特性が所望の特性となるように設けられた補正回路である。以下で説明する騒音キャンセル用のフィードバックループ制御回路の存在により周波数特性が可聴範囲でフラットな特性でなくなるため、これを補正回路40により補正して可聴範囲でフラットな特性とする。補正回路40はイコライザ機能を兼ねることも可能で、そのときは補正回路40により聴取者の所望の特性になるように調整することができる。
41はデジタルフィルタであり、図10に示したアナログフィルタ6に代わるものであり、騒音を低減するために設けられている。デジタルフィルタ41は、フィルタ係数を変えることにより、フィルタの特性が変えられるようになっている。デジタルフィルタ41には、デジタルフィルタ41のゲインを決めるデフォルト値αが記憶されており、電源が投入されると、まずこのデフォルト値αによりフィルタ係数が決められフィルタ係数レジスタが設定されるようになっている。また、フィルタ係数レジスタに設定された値は、外部から入力されるゲイン調整値により更新されるようになっている。なお、デフォルト値αは、デジタルフィルタ41内に設けたROMに記憶してもよいし、ハード的に設定する(例えば電源電圧と接地電位を使って1、0の信号を設定する)ようにしてもよい。
42はスイッチングアンプであり、1ビットパルスの波高値を揃え、またスピーカ46で音声を出力するための電力増幅を行うために設けられている。
また、43はローパスフィルタであり、スイッチングアンプ42で波高値が揃えられた1ビットパルスのパルス列の高周波分を濾波するために設けられている。ローパスフィルタ43を通過した1ビット信号はパルス列の粗密に応じたアナログ信号となる。そして、ローパスフィルタ43のアナログ音楽信号がスピーカ44(45)に供給されることにより音声が再生される。スイッチングアンプ42とローパスフィルタ43は、1ビット信号をアナログ信号に変換する1ビット信号D/A変換部を構成する。
46(47)はマイクであり、スピーカ44(45)からの音声信号と周囲の騒音を集音して電気信号に変換する。48乃至51は信号線である。また、66、67は聴取者の耳を表している。()書きした上記スピーカ(45)、マイク(47)は、ステレオ音声の場合の左右一方のスピーカ44、マイク46に対し、他方のものを示している。一方と他方は、基本的な制御動作は同じなので、他方の説明は省略する。
52はマイクアンプであり、マイク46からの電気信号を増幅して出力する。53はマイクアンプ52からのアナログ信号を1ビット信号のデジタル信号に変換する1ビット信号AD変換器である。
54は補正回路40の1ビット信号と1ビット信号AD変換器53からフィードバックされてきた1ビット信号をデジタル的に引き算して、その差分として1ビット信号の偏差信号を出力するデジタル加算器である。
55はデジタルフィルタ41の出力から音楽信号のレベルをデジタル的に検出するレベル検出器である。このレベル検出器55は、アップダウンカウンタを使って信号レベルを検出する。レベル検出器55の動作は後述する。
56はレベル決め回路(出荷時)であり、出荷時の信号レベル調整作業において、レベル検出器55の出力信号(ばらつき調整用のレベル検出値)を入力し、EEPROM58にデジタルフィルタ41のゲイン調整値を出力する。なお、後で詳述するが、騒音キャンセル機能を動作させるときに形成される閉ループ回路は、このばらつき調整用のレベル検出を行う際にはセレクタ38で信号が遮断されるので開ループとなる(この開ループをばらつき調整用開ループと呼ぶことにする)。レベル決め回路(出荷時)56には、出荷時調整の際に形成されるこのばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値A(具体的には例えば15dB)が記憶されている。
58はEEPROMであり、このEEPROM58は書き替え可能な不揮発性メモリである。EEPROM58には出荷時のばらつき調整作業において、レベル決め回路(出荷時)56から送られてきたデジタルフィルタ41のゲイン調整値が記憶される。
また、57はレベル決め回路(装着時)であり、聴取者がヘッドフォンを装着し騒音キャンセル制御モードで動作させたときのレベル検出器55の出力信号(ばらつき調整用のレベル検出値)を入力し、このレベル検出値を基にデジタルフィルタ41のゲイン調整値を求めてセレクタ37に出力する。これも後で詳述するが、出荷時調整と同様、ばらつき調整用開ループが形成される。レベル決め回路(出荷時)57には、装着時調整の際に形成されるばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値A(具体的には例えば20dB)が記憶されている。
59はばらつき調整用の信号を生成するばらつき調整用信号生成回路で、本実施の形態では200Hzの正弦波信号を生成する200Hz生成回路となっている。
60は電池63からの制御電源を入り切りする電源スイッチである。また、61は出荷時ばらつき調整用の出荷時調整スイッチである、また、62は騒音キャンセルモードに切り替える騒音キャンセルスイッチである。68は切替信号生成回路であり、電源スイッチ60、出荷時調整スイッチ61、騒音キャンセルスイッチ62からのON、OFF信号を入力して、セレクタ37、38を切り替えるための信号、及びデジタルフィルタへの書き込み信号を生成する。
出荷時調整スイッチ61がONすると、出荷時調整スイッチ61がONしている間、セレクタ37は切替信号生成回路68からEEPROM58の出力データを通過させ、また、騒音キャンセルスイッチ62がONすると、セレクタ37は騒音キャンセルスイッチ62がONしたときから所定時間だけレベル決め回路(装着)57の出力データを通過させる。
切替信号生成回路68は出荷時調整スイッチ61がONすると、出荷時調整スイッチ61がONしている間、セレクタ38を200Hz生成回路59側に切り替える信号を出力する。
また、切替信号生成回路68は騒音キャンセルスイッチ62がONすると、騒音キャンセルスイッチ62がONしたときから所定時間だけセレクタ38を200Hz生成回路59側に切り替える信号を出力する。セレクタ38は200Hz生成回路59側に切り替えられると、200Hz正弦波信号を通過させる。
また、セレクタ39は騒音キャンセルスイッチ62がONすると、騒音キャンセルスイッチ62がONしている間、セレクタ38からの信号を選択して通過させる。
デジタルフィルタ41は、切替信号生成回路68からの書き込み信号によりフィルタ係数を決めるレジスタの値を更新する。
これにより製品出荷時のゲイン調整値、あるいは騒音キャンセル制御モードで聴取するごとにデジタルフィルタ41のゲインが自動的に更新され、デジタルフィルタ41のゲインは常に最適な値となる。
次に、1ビット信号処理の遅れ時間について説明する。
フィードバックループの構成要素のうちデジタル的に動作するもので動作時間遅れの最も大きいものは、1ビット信号AD変換器53である。そこで、1ビット信号生成としてΔΣ変調器による1ビット信号(例えば特開2003−318665号公報、特開2005−151589号公報などを参照)を考えると、1ビット信号AD変換器53は、代表的な例において、7クロックで変換が完了する。このときΔΣ変調器のクロック周波数として2.8MHzを採用すると変換が完了するまでの経過時間は、
Td=7*1/2.8MHz
≒2.5μsec
となる。デジタルフィルタ41、セレクタ38、39、スイッチングアンプ42は1ビット信号A/D変換器53の遅れに対し無視できる。
制御ループ内にあるアナログ回路も含めて遅れ時間の最も大きなものを考えると、先にも述べたがスピーカの遅れ100μsecが最も大きい。このスピーカの遅れ100μsecに対して、2.8MHzクロックのΔΣ変調器による1ビット信号AD変換器53の遅れ2.5μsecは無視できる程度に小さい。スイッチングアンプ42とローパスフィルタ43で構成される1ビット信号D/A変換部の遅れ時間は1ビット信号AD変換器53の遅れより小さくできる。したがって、2.8MHzクロックのΔΣ変調器による1ビット信号AD変換器53を使用すれば、従来のアナログフィルタ6を使った応答1kHzとほぼ同じ程度の応答1kHzを実現することができる。
次に、レベル検出器55の動作について説明する。
図2はレベル検出回路55の構成例を示している。図2において、71は1ビット信号をカウントするアップダウンカウンタである。CK端子にクロック信号clockが入力され、このクロック信号clockが入力されるごとにU/Dの入力端子に接続された1ビット信号をカウントし、出力端子Qに出力する。72は最大値検出回路であり、アップダウンカウンタ71の出力Qの最大値を検出する。73は最大値出力部であり、最大値検出回路72の値を次の最大値検出タイミングまでホールドして、レベル決め回路(出荷時)56、及びレベル決め回路(装着時)57にばらつき調整用のレベル検出値として出力する。
図3はレベル検出回路55の動作を説明する図である。図3の(a)はアップダウンカウンタ71に入力される1ビット信号のパルス列を示している。図3の(b)はアップダウンカウンタ71に入力されるリセット信号resetを示している。このリセット信号resetは、クロック信号clockを基に1024クロックごとにリセット信号発生器74からアップダウンカウンタ71のRES端子に出力される。図3の(c)は、アップダウンカウンタ71のサンプリング期間ごとの最終カウント値を示している。図3の(d)における実線(信号a)はアップダウンカウンタ71のカウント値を仮想的にアナログ的に表現したものである。また、図3の(d)における点線(信号b)は1ビット信号が表す値を仮想的にアナログ値で表現したものである。
1ビット信号は信号レベル”1”と信号レベル”0”で表現されたものとなっているが、1ビット信号(例えば、ΔΣ変調器による1ビット信号)の特性として、信号のレベルが大きいときにはそのレベルに対応して信号レベル”1”の数が多く、信号のレベルが小さいときにはそのレベルに対応して信号レベル”0”の数が多くなっている。したがって、1ビット信号をアップダウンカウンタ71でカウントすることにより、信号Bに比例した信号Aが得られ、この信号の最大値を検出することにより1ビット信号の信号レベルが検出できる。図3の例では、仮想的に信号Bとして示した−6dBのアナログ信号に対し、(c)に示されたアップダウンカウンタ71のカウント値の最終値560が最大値として最大値検出回路72で検出される。予めアップダウンカウンタ71のカウント値と1ビット信号が表す信号レベル(dB)を対応付けておけば、最大値検出回路72の出力をレベル検出値とすることができ、ばらつき調整用のレベル検出値とすることができる。
ばらつき調整用のレベルを検出するときには、セレクタ38で200Hz生成回路からの200Hz正弦波信号を選択し、デジタルフィルタ41の出力をレベル検出回路55で検出する。200Hz正弦波信号は騒音キャンセルしようとしている騒音の周波数帯域20Hz〜30Hz乃至1KHz〜2kHzの中で代表的な周波数を選定すればよい。後述するように50Hz〜500Hzの範囲の任意の値に選ぶことができるが、100Hz〜300Hzの範囲の値に選ぶと調整が容易になる。本実施の形態では200Hzとしている。
次に、ばらつき調整作業時のデジタルフィルタ41のゲイン調整について説明する。デジタルフィルタ41のゲイン調整は出荷時におけるばらつき調整と、聴取者がヘッドフォンを装着し騒音キャンセル機能を動作させたときのばらつき調整がある。出荷時におけるばらつき調整はヘッドフォン固有の制御ループゲインのばらつきを調整することを目的とし、聴取者がヘッドフォンを装着した状態で行うばらつき調整は、聴取者のヘッドフォン装着状態に起因する制御ループゲインのばらつきを調整することを目的とする。
まず、出荷時のばらつき調整について説明する。
出荷時の調整を行うときはヘッドフォンをHATSと呼ばれるダミー人形に装着する。そしてセレクタ38で200Hz生成回路59からの200Hz正弦波信号を選択する。この200Hz正弦波信号はスイッチングアンプ42、ローパスフィルタ43を介してスピーカ44に入力され音声Sとして再生される。この音声Sはマイク46で集音されるが、同時に騒音Nも集音される。マイク46で集音された音声Sと騒音Nはアナログの電気信号に変えられてマイクアンプ52に出力される。マイクアンプ52で増幅された信号は1ビットA/D変換器53で1ビット信号に変換され、加算器54に出力される。加算器54では補正回路40からの1ビット信号と1ビットA/D変換器53からの1ビット信号の差分を取りデジタルフィルタ41に出力される。なお、出荷時の調整を行うときは補正回路40からの1ビット信号の値は、音楽信号による影響を排除するため無信号の状態とされる。これにより、1ビットA/D変換器53からの1ビット信号を極性反転した値の信号がそのままデジタルフィルタ41に出力される。
デジタルフィルタ41は200Hzを中心とするバンドパスフィルタ特性とされている。したがって入力された信号の低域成分と高域成分は遮断されて出力される。このデジタルフィルタ41のバンドパスフィルタ特性により、200Hz正弦波信号は通過され、その低域側と高域側の騒音信号は減衰し遮断される。このようにデジタルフィルタ41は200Hz正弦波信号を通過させ、それ以外の帯域の騒音信号を減衰させものとなるので、200Hz正弦波信号の信号レベルをレベル検出回路55で検出する際に、騒音Nの影響を小さくできる効果を奏する。
なお、騒音キャンセル機能を動作させるときに形成される閉ループ回路は、このレベル検出を行う際にはセレクタ38で信号が遮断されるので開ループとなる。この開ループをばらつき調整用開ループと呼ぶことにする。
レベル検出回路55で検出されたばらつき調整用のレベル検出値Bがレベル決め回路(出荷)56に入力される。レベル決め回路(出荷時)56は入力されたばらつき調整用検出レベルBの値が所定の範囲に入っていない場合には不良品と判断する。
図4に出荷時のばらつき調整におけるレベル調整値のレベル決めの動作フローを示す。
まず、ステップS1として、例えば出荷時のばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値をA(具体的には例えば15dB)として、予めレベル決め回路(出荷時)56内に記憶しておく。また、ばらつき調整用開ループの開ループゲインがこの開ループゲイン調整目標値Aになるためのデジタルフィルタ41のゲインは、設計値として予め求めることができるから、この設計値をデフォルト値αとしてデジタルフィルタ41内に記憶しておく。
なお、出荷後の使用状態が不明なので、出荷時のばらつき調整用開ループゲインの開ループゲイン調整目標値Aはハウリング防止の観点から安定限界のゲインより多少低めに設定するのがよい。また、上記開ループゲイン調整目標値Aを15dBとしたのは一例であって、この目標値は制御回路の構成によってかわり、より詳しくはゲイン余裕が安定限界内に有るように設定される。
ステップS2において、出荷時調整スイッチ61がONされる。すると、ステップS3において、出荷時調整スイッチ61からの信号を受けたセレクタ38は200Hz信号生成回路からの信号を選択する。
200Hz信号生成回路から発した200Hz正弦波信号は、ばらつき調整用開ループを一巡し、ステップS4においてその信号レベルがレベル検出回路55で検出される。この検出された信号レベルをばらつき調整用のレベル検出値Bとする(例えば10dBが検出されたとする)。なお、200Hz正弦波信号の一巡した値をレベル検出回路55でレベルを検出することは、ばらつき調整用開ループのゲインを測定していることでもある。
レベル検出回路55で検出されたレベル検出値Bはレベル決め回路(出荷時)56に入力され、ステップS5において、その大きさBが許容範囲(例えば10dB〜20dBの範囲)にあるか否かが判定される。この判定はレベル決め回路(出荷時)56で行われる。10dB〜20dBの許容範囲にあると判定された場合には開ループゲイン調整目標値A(15dB)との比率A/Bが求められ、レベル決め回路(出荷時)56はこの比率A/Bをゲイン調整値としてEEPROM58に出力する。
ステップS7において、レベル決め回路(出荷時)56から出力されたゲイン調整値A/Bは、EEPROM58に記憶される。例えばA=15dBに対しB=10dBであればA/B=1.5として記憶される。このEEPROM58に記憶された値は電源がOFFされてもその内容が保持され、出荷後に聴取者が電源ONしたときにデジタルフィルタ41のゲイン調整値としてデジタルフィルタ41のレジスタに設定されるものである。
また、ステップS5において、レベル検出回路55で検出されたレベルBが10dB〜20dBの範囲にないと判定された場合には、調整不可の不良品とする。不良品と判断されたとき、不良品であることをブザーを鳴らして知らせる。あるいは不良品と判断したことを外部に出力し、自動的に不良品として仕分けされるようにしておいてもよい。このようにして出荷時のレベル調整が行われたものは、ばらつき調整用開ループの開ループゲインが開ループゲイン調整目標値のAに揃えられたことになる。
次に、聴取者がヘッドフォンを装着したときのばらつき調整について説明する。
実際に聴取者がヘッドフォンを装着した状態では、スピーカ44、マイク46、聴取者の耳66との関係が個人により異なるので、ばらつき調整用開ループの開ループゲインの大きさが異なってくる。したがって、聴取者がヘッドフォンを装着したときのばらつき調整用開ループの開ループゲインは開ループゲイン調整目標値Aを中心にばらつくことになる。
聴取者がヘッドフォンを装着したときのレベル調整に対する基本的な考えは出荷時のレベル調整と同じであるが、具体的な調整の仕方が異なっている。
例えばヘッドフォン装着時のばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値としてA(具体的には例えば20dB)を予めレベル決め回路(装着時)57内に記憶しておく。そして、電源スイッチ60がONになるとデジタルフィルタ41のフィルタ係数の値はデフォルト値αで決められる値になる。電源スイッチ60がONの信号を受けて、切替信号生成回路68は、所定時間後にEEPROM58を選択する信号をセレクタ37に送る。これによりEEPROM58に記憶されていた出荷時のゲイン調整値A/Bがデジタルフィルタ41に出力され、デジタルフィルタ41のゲインはA/Bによって更新される。この状態からヘッドフォン装着時のばらつき調整が行われる。
聴取者がヘッドフォンを装着したときのばらつき調整の開始は、騒音キャンセルスイッチ62がONとなったときである。騒音キャンセルスイッチ62がONになると、切替信号生成回路68は所定時間の間、セレクタ38が200Hz生成回路59を選択する信号を出力する。
したがって、出荷時調整と同様にセレクタ38で200Hz生成回路59からの200Hz正弦波信号が選択されるが、セレクタ38で200Hz生成回路59からの200Hz正弦波信号が選択されるタイミングは、出荷時調整と異なり、騒音キャンセルスイッチがONになってから所定時間の間に限られる。そして、所定時間の間はばらつき調整用開ループが形成されてデジタルフィルタのゲイン調整が行われ、この所定時間が経過した後は騒音キャンセルモードで聴取できるように騒音キャンセル制御のフィードバック回路が形成される。
ばらつき調整用開ループが形成されている間は、200Hz生成回路59からの200Hz正弦波信号はスイッチングアンプ42、ローパスフィルタ43を介してスピーカ44に入力され音声Sとして再生される。この音声Sはマイク46で集音されるが、同時に騒音Nも集音される。マイク46で音声Sと騒音Nはアナログの電気信号に変えられてマイクアンプ52に出力される。マイクアンプ52で増幅された信号は1ビットA/D変換器53で1ビット信号に変換され、加算器54に出力される。加算器54では補正回路40からの1ビット信号と1ビットA/D変換器53からの1ビット信号の差分を取りデジタルフィルタ41に出力される。なお、出荷時の調整と同様に、補正回路40からの1ビット信号の値は、音楽信号による影響を排除するため無信号の状態とされる。これにより、1ビットA/D変換器53からの1ビット信号を極性反転した値の信号がそのままデジタルフィルタ41に出力される。
デジタルフィルタ41はその特性にしたがって前記1ビット信号の差分信号を濾波して出力する。デジタルフィルタ41の出力信号はレベル検出回路55によりレベル検出値Bとして検出される。レベル検出回路55により検出されたレベル検出値Bはレベル決め回路(装着時)57に入力される。
レベル決め回路(装着時)57には装着時調整の際に形成されるばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値Aが記憶されているので、レベル決め(装着時)57は、開ループゲイン調整目標値Aとレベル検出回路55により検出されたレベル検出値Bとの比率A/Bを求めて、セレクタ37にゲイン調整値として出力する。したがって、デジタルフィルタ41のフィルタ係数の値はゲイン調整値A/Bにより更新される。結局、騒音キャンセルモードでのデジタルフィルタ41の最終的なゲインは、α*(A/B)*(A/B)となる。
以下、図5のフローチャートを参照して、聴取者がヘッドフォンを装着したときのばらつき調整の動作を説明する。
まず、ステップS11として、レベル決め回路(装着時)57に、予めばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値Aを記憶させる。例えば具体的には例えば20dBを記憶させておく。なお、上記開ループゲイン調整目標値Aを20dBとしたのは一例であって、ゲイン余裕が安定限界内に有る範囲で任意に選ぶことができる。
次に、ステップS12において、電源スイッチ60をONさせる。電源スイッチ60がONすると、ステップS13に進み、デジタルフィルタ41には、ゲイン設定値としてデフォルト値αが設定される。また、電源スイッチ60のON信号を受けて、切替信号生成回路68は、所定時間後にEEPROM58を選択する信号をセレクタ37に送る。これによりEEPROM58に記憶されていた出荷時のレベル調整値A/Bがデジタルフィルタ41に出力され、デジタルフィルタ41のゲインはA/Bによって更新される。このときデジタルフィルタ41のゲインはαのA/B倍に更新される。
ステップS14においてヘッドフォンが聴取者に装着される。騒音キャンセルモードのレベル調整は、聴取者の装着状態によるばらつきを補正するものであるから、必ずヘッドフォンが装着された状態でレベル調整を行うようにする。
ステップS15において、騒音キャンセルスイッチ62がONされると、ステップS16において、騒音キャンセルスイッチ62からの信号を受けたセレクタ38は200Hz信号生成回路からの信号を選択する。
ステップS17において、ばらつき調整用開ループを一巡した200Hz正弦波信号のレベル検出値Bとしてレベル検出回路55で検出される。レベル検出回路55で検出されたレベル検出値Bはレベル決め回路(装着時)57に入力される。
ステップS18において、予め記憶して置いた開ループゲイン調整目標値A(20dB)との比率A/Bを求め、この比率A/Bをゲイン調整値としてレベル決め回路(装着時)57からセレクタ37に出力する。
騒音キャンセルスイッチ62がONされると、ステップS19において、切替信号生成回路68はセレクタ37に対して所定時間だけレベル決め回路(装着時)57を選択する信号を出力している。この間に、レベル決め回路(装着時)57から出力されたゲイン調整値A/Bはセレクタ37を介してデジタルフィルタ41に入力される。デジタルフィルタ41は入力されたゲイン調整値A/Bを基にデジタルフィルタ41のゲインを更新する。このときデジタルフィルタ41のゲインはα0*A/B*A/Bとなる。その結果、ばらつき調整用開ループの開ループゲインは開ループゲイン調整目標値のAになる。
ステップS20において、騒音キャンセル制御ループが形成され、聴取者は騒音キャンセルモードとして騒音が抑制された音声を聞くことができる。
騒音キャンセル制御ループが形成されるタイミングは、スイッチ62がONされてから上記処理が済んで開ループゲイン調整目標値Aが設定された以後の所定時間にすることができるが、開ループゲイン調整目標値Aされるまでの処理は短時間に終了する。
ここで、聴取者はこの調整中に200Hzの音声を聞くことになる。この200Hzの音声は騒音キャンセルモードになってばらつき調整が行われている間に聞くことができる。したがって、この200Hzの音声を騒音キャンセルモードになったことと、ばらつき調整が開始されたことを聴取者に知らせるためのビープ音として利用することができる。このビープ音を聴取者に効果的に認識させるためにはある程度長い時間、例えば200ms程度の間にするとよい。この時間は聴取者がビープ音を効果的に認識する時間として200msに限らず任意の値に設定することができる。
(第2の実施の形態)
次に、上記ばらつき調整におけるレベル検出を効果的に行うことのできるデジタルフィルタ14の特性設定について説明する。
ばらつき調整を行うとき、デジタルフィルタ14の特性は、聴取時のデジタルフィルタ14の特性とすることもできるが、マイク46は騒音Nも集音するので、レベル検出回路55で検出された値に騒音の影響が出てしまう。
そこで、本実施の形態では、特定の周波数、例えば200Hz正弦波信号を使ってばらつき調整のレベル検出をおこなうとき、騒音の影響を少なくするように、デジタルフィルタ14の特性をモディファイする。
図6は、デジタルフィルタ14の特性をモディファイして、騒音キャンセルモードのフィードバックループの開ループゲイン特性と、ばらつき調整を行うときの開ループ特性とを変化させたときの開ループゲイン特性を示している。
図6において201は騒音キャンセルモードで聴取しているときのフィードバックループの開ループゲイン特性である。また、202はばらつき調整用のレベルを検出しているときのばらつき調整用開ループの開ループゲイン特性である。
騒音キャンセルモードで聴取しているときのフィードバックループの開ループゲイン特性201は、騒音を低減したい周波数帯域に合ったバンドパスフィルタの特性を有している。本実施の形態では、低域のカットオフ周波数が20Hz〜30Hz、高域のカットオフ周波数が800Hz〜2kHzのバンドパス特性となっている。これに対し、ばらつき調整用のレベルを検出しているときのばらつき調整用開ループの開ループゲイン特性202は、図で示したように、低周波側、高周波側のカットオフ周波数間の幅を調整用周波数である200Hzを中心として狭くしてある。
このような特性とすることにより、レベル検出回路の検出信号は、調整用周波数200Hzを中心として、低周波側と高周波側の騒音の影響が少ない値として検出できるようになる。
デジタルフィルタ14の特性をモディファイするには、騒音キャンセルモードで聴取しているときのフィードバックループの開ループゲイン特性201に対するフィルタ係数と、ばらつき調整用のレベルを検出しているときのばらつき調整用開ループの開ループゲイン特性202に対するフィルタ係数の両方をデジタルフィルタ14内に記憶しておき、例えばセレクタ37への切替信号と、出荷時調整スイッチ61のON/OFF信号のOR信号を使って選択するようにすればよい。この切替信号のタイムシーケンスの例を図7、図8に示す。
図7は、出荷時のばらつき調整におけるデジタルフィルタ14の特性のモディファイ状態を示したものである。ここで、騒音キャンセルモードで聴取しているときのフィードバックループの開ループゲイン特性201をワイドバンド、ばらつき調整用のレベルを検出しているときのばらつき調整用開ループの開ループゲイン特性202をナローバンドと呼ぶことにする。
図7の信号は、上から順に、電源スイッチ60のON、OFF信号、出荷時調整スイッチ61のON、OFF信号、騒音キャンセルスイッチ62のON、OFF信号、セレクタ37、38、39のセレクト信号、セレクタ37と出荷時調整スイッチ61のOR信号、EEPROM58へのゲイン調整値書き込み信号WR1、デジタルフィルタ41へのゲイン調整値書き込み信号WR2、デジタルフィルタ41のゲイン状態を示している。
EEPROM58へのゲイン調整値書き込み信号WR1は出荷時調整スイッチ61のONから所定時間τ0が経過したとき切替信号生成回路68からEEPROM58に出力され、EEPROM58にレベル決め回路(出荷時)56からのレベル調整値が書き込まれる。
デジタルフィルタ41の特性はセレクタ37と出荷時調整スイッチ61のOR信号により切り替えられ、図7では出荷時調整スイッチ61がONになる前はワイドバンド、ONのときナローバンドになっていることが示されている。また、電源スイッチがONされるとデジタルスイッチ41のゲイン状態はαとなる。デジタルフィルタ41のフィルタ係数のレジスタは動作クロック(動作クロック周波数は、例えば2.8MHz)ごとに更新されるようになっているので、電源が投入されるとフィルタ係数のレジスタ値を更新してゲインがデフォルトのαになるように設定される。
図7に示したセレクタ37、38、39のセレクト信号、セレクタ37と出荷時調整スイッチ61のOR信号、EEPROM58へのゲイン調整値書き込み信号WR1、デジタルフィルタ41へのゲイン調整値書き込み信号WR2は、電源スイッチ60のON、OFF信号、出荷時調整スイッチ61のON、OFF信号、騒音キャンセルスイッチ62のON、OFF信号を基に、切替信号生成回路68によって作られる。
図8は、ヘッドフォン装着時のばらつき調整におけるデジタルフィルタ14の特性のモディファイ状態を示したものである。図8の信号は、図7と同じである。
電源スイッチがONされるとデジタルスイッチ41のゲイン状態はデフォルトのαとなる。すなわち、デジタルフィルタ41のフィルタ係数のレジスタは動作クロックごとに更新されるようになっているので、電源が投入されるとフィルタ係数のレジスタ値を更新して、まず、ゲインがデフォルトのαになるように設定される。
次に、電源スイッチ60のONから所定時間τ1が経過した時点で、デジタルフィルタ41へのゲイン調整値書き込み信号WR2が出力される。このとき、セレクタ37はEEPROM58を選択しているので、EEPROM58に記憶されている出荷時のレベル調整値が書き込まれる。これによりデジタルフィルタ41はゲインをデフォルト値αからA/B倍に更新する。このときデジタルフィルタ41の特性はワイドバンドである。
次に、騒音キャンセルスイッチ62がONされると、所定時間τ2の時間経過後にデジタルフィルタ41へのゲイン調整値書き込み信号WR2が出力される。このときセレクタ37はレベル決め回路(装着時)57を選択しているので、レベル決め回路(装着時)57からのゲイン調整値A/Bがセレクタ37を介してデジタルフィルタ41に書き込まれる。これによりデジタルフィルタ41はゲインを、先に更新されたα*A/Bを更にA/B倍して、α*A/B*A/Bとなるように更新する。このときデジタルフィルタ41の特性は200Hz正弦波信号を使ったばらつき調整中なのでナローバンドとなっている。
デジタルフィルタ41の特性はセレクタ37と出荷時スイッチ61のOR信号となっているので、所定時間τ3後にセレクタ37が0になったときワイドバンドに切り替わる。
ここで、所定時間τ3は、聴取者に上記したビープ音が聞こえる期間である。このビープ音を聴取者に効果的に認識させるためには、ある程度長い時間、例えば200ms程度の間にすることは既に述べた。
このように、デジタルフィルタ41の特性は200Hz正弦波信号を使ったばらつき調整中はナローバンドに切り替わり、通常の聴取時や騒音キャンセルモードでの聴取時にはワイドバンドになる。このように、騒音キャンセルモードでの聴取時には騒音キャンセルしたい帯域幅のデジタルフィルタ41の特性が得られ、また、200Hz正弦波信号を使ったばらつき調整中は通常より帯域幅の狭い特性が得られる。したがって騒音キャンセルモードでの聴取時には効果的に騒音が低減できると共に、200Hz正弦波信号を使ったばらつき調整中は騒音の影響を受けないようにしてレベル検出が行える。
なお、図7、図8において、デジタルフィルタ41の特性をナローバンドに切り替えなければ、実施の形態1と同じになる。
図9は、ばらつき調整用開ループの開ループゲイン特性を実測したデータの一例を示したものである。低周波のカットオフ周波数が10Hz、高周波のカットオフ周波数が1kHzとなっている。また、100Hz〜200Hzで20dBのゲインとなっている。この特性は一例であって、種々の要因によってばらつきを生じる。多くのデータを解析した結果、ばらつき調整の際にレベル検出回路55によってレベル検出値B、Bを、精度よく検出するには50Hz乃至500Hzの周波数範囲が良いことがわかった。ゲインの変動が少なくしかも大きな値として得られる周波数範囲として100Hz乃至300Hzとすれば、更に精度よく検出することができることがわかった。本発明では上記実施の形態として、200Hzとして、200Hz生成回路の信号を発生するようにしている。勿論、この周波数として50Hz乃至500Hzの範囲のものを採用することが可能であり、更に精度よく検出するためには100Hz乃至300Hzとすればよい。
上記実施の形態における説明では、デジタルフィルタ41はバンドパス特性を有するものとしたが、デジタルフィルタ41をローパス特性、あるいはハイパス特性とすることもできる。即ち、スピーカ44やマイク46はハイパス特性を有しており、またローパスフィルタ43がフィードバックループ内の要素として備わっているので、これらの特性を利用することにより、デジタルフィルタ41をローパス特性、あるいはハイパス特性としてもトータルとしてバンドバス特性を得ることができる。この場合、ローパス特性、あるいはハイパス特性としたデジタルフィルタ41のゲイン特性、位相特性を調整することにより、上記実施の形態と同様に制御系の安定を図ることになる。
以上、具体的な実施の形態によって本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することができることは言うまでもない。
本発明は、騒音キャンセルヘッドフォンに限らず、騒音を抑制しようとする装置に広く利用できる。例えば高速道路などの騒音対策用の装置などにも応用が可能である。
本発明による、騒音キャンセルヘッドフォンの第1の実施の形態を示す制御回路構成図である。 本発明による、第1の実施の形態のレベル検出回路の詳細構成図である。 本発明による、第1の実施の形態のレベル検出回路の動作説明図である。 本発明による、第1の実施の形態の出荷時のばらつき調整のフローチャートである。 本発明による、第1の実施の形態のヘッドフォン装着時のばらつき調整のフローチャートである。 本発明による、第2の実施の形態のばらつき調整時のデジタルフィルタのモディファイの一例を示す図である。 本発明による、第2の実施の形態の出荷時のばらつき調整時のタイミングチャートを示す。 本発明による、第2の実施の形態のヘッドフォン装着時のばらつき調整時のタイミングチャートを示す。 本発明による、ばらつき調整用開ループのゲイン特性の一例を示す。 従来技術による、騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路構成の例を示す図である。 図10の従来技術の制御回路を伝達関数のブロック線図で表した図である。 騒音キャンセルヘッドフォンのフィードバック制御の安定性を説明する図である。
符号の説明
1、31・・・制御回路部
2、64、65・・・ヘッドフォン(音声再生部)
3、32、33・・・シリコンプレーヤ(音声信号再生装置)
4・・・補正回路
5・・・信号増幅器
6・・・アナログフィルタ
7・・・ヘッドフォンアンプ
8、52・・・マイクアンプ
9、62・・・騒音キャンセルスイッチ
10・・・電源スイッチ
11、63・・・電池
12・・・ヘッドフォンハウジング
13、44、45・・・スピーカ
14、46、47・・・マイク
15、66、67・・・耳
16・・・バンド
17・・・切替スイッチ
34・・・PCM/1bit変換器
35・・・アナログ/1bit変換器
36〜39・・・セレクタ
40・・・補正回路
41・・・デジタルフィルタ
42・・・スイッチングアンプ
43・・・ローパスフィルタ
48〜51・・・信号線
53・・・1ビット信号AD変換器
54・・・デジタル加算器
55・・・レベル検出器
56・・・レベル決め回路(出荷時)
57・・・レベル決め回路(装着時)
58・・・EEPROM(不揮発性メモリ)
59・・・200Hz生成回路(ばらつき調整用信号生成回路)
60・・・電源スイッチ
61・・・出荷時調整スイッチ
68・・・切替信号生成回路
71・・・アップダウンカウンタ
72・・・最大値検出回路
73・・・最大値出力部
74・・・リセット信号発生器
101・・・前向きループゲインG1
102・・・後ろ向きループゲインG2
103・・・フィードバック信号加算部
104・・・加算点

Claims (13)

  1. 音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声を聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、
    スピーカとマイクが近接して設けられており、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記音楽信号と前記マイクからの帰還信号の偏差信号に応じた信号により前記スピーカから音声を出力し、前記スピーカからの音声と騒音を前記マイクによって集音して前記帰還信号としてフィードバックするように構成されるフィードバック制御回路と、
    騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御回路の開ループゲインを予め設定されたヘッドフォン装着時の目標値になるように調整する装着時ばらつき調整手段を備えたことを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォン。
  2. 音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声を聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、
    スピーカとマイクが近接して設けられており、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記音楽信号と前記マイクからの帰還信号の偏差信号に応じた信号により前記スピーカから音声を出力し、前記スピーカからの音声と騒音を前記マイクによって集音して前記帰還信号としてフィードバックするように構成されるフィードバック制御回路と、
    前記フィードバック制御回路の開ループゲインが予め設定した出荷時の目標値になるようなゲイン調整値を求めて不揮発性メモリに記憶する出荷時ばらつき調整手段と、
    電源をONするごとに、前記不揮発性メモリに記憶されたゲイン調整値により前記フィードバック制御回路の開ループゲインを設定する電源ON時ゲイン設定手段と、
    騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御回路の開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整する装着時ばらつき調整手段を備えたことを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォン。
  3. 前記フィードバック制御回路には、前記偏差信号入力部と前記スピーカの間にフィルタが設けられ、
    前記装着時ばらつき調整手段は、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィルタのゲインを調整して、前記フィードバック制御回路の開ループゲインを予め設定した目標値になるように調整することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の騒音キャンセルヘッドフォン。
  4. 前記装着時ばらつき調整手段は、騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御回路のループをオープン状態にしてばらつき調整用開ループを形成する切替手段と、
    特定周波数の正弦波信号に対する前記ばらつき調整用開ループのゲインを測定し、予め設定した前記ばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値になるように前記フィルタのゲインを調整するゲイン調整手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォン。
  5. 前記正弦波信号の周波数は、騒音キャンセルすべき周波数帯域内の特定周波数であることを特徴とする請求項4に記載の騒音キャンセルヘッドフォン。
  6. 前記音楽信号は1ビット信号であり、
    前記帰還信号は前記マイクからのアナログ信号が1ビット信号に変換された信号であり、
    前記偏差信号は、前記音楽信号の1ビット信号と前記帰還信号の1ビット信号をデジタル的に引き算した1ビット信号であり、
    前記フィルタは1ビット信号処理によるデジタルフィルタである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォン。
  7. 音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声を聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、
    制御電源をON、OFFする電源スイッチと、
    出荷時のばらつき調整の際にONされる出荷時調整スイッチと、
    騒音キャンセルモードと通常モードの切り替えを行うための騒音キャンセルスイッチと、
    ばらつき調整時に調整用信号として特定の周波数の正弦波信号を出力するばらつき調整用信号生成回路と、
    デジタルフィルタの出力信号に応じた信号により音声を再生するスピーカと、
    前記スピーカに近接して設けられ、前記スピーカで再生された音声と周囲からの騒音を集音して電気信号に変換して出力するマイクと、
    前記マイクからの信号を1ビット信号に変換して帰還させるフィードバック回路と、
    1ビット信号に変換された前記音楽信号と1ビット信号に変換された前記帰還信号の偏差信号をデジタル的に引き算して1ビット信号として入力し、該入力された1ビット信号の偏差信号を騒音キャンセル周波数帯域でパスさせる1ビット信号処理の前記デジタルフィルタと、
    前記デジタルフィルタの信号レベルを検出するレベル検出回路と、
    前記レベル検出回路で検出されたレベル検出値と予め設定した開ループゲイン調整目標値に基づき前記デジタルフィルタのゲイン調整値を求めて出力するレベル決め回路と、
    前記出荷時調整スイッチのON動作に応じて、前記レベル決め回路で求められたゲイン調整値を記憶する書き替え可能な不揮発性メモリと、
    前記電源スイッチのON動作に応じて、前記不揮発性メモリに記憶されたゲイン調整値により前記デジタルフィルタのゲインを調整する第1のゲイン調整手段と、
    前記騒音キャンセルスイッチのON動作に応じて、前記第1のゲイン調整手段の調整に加えて、前記レベル決め回路で求められたゲイン調整値で前記デジタルフィルタのゲインを調整する第2のゲイン調整手段を備えたことを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォン。
  8. 音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声をスピーカで聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法において、
    マイクを前記スピーカに近接して設け、
    前記音楽信号に前記マイクからの帰還信号を負極性でフィードバックして偏差信号を求め、該偏差信号で制御するフィードバック制御ループを形成し、
    騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御ループの開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整することを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法。
  9. 音楽信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声をスピーカで聴取することができる騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法において、
    マイクを前記スピーカに近接して設け、
    前記音楽信号に前記マイクからの帰還信号を負極性でフィードバックするフィードバック制御ループを形成し、
    出荷時調整の際、前記フィードバック制御ループの開ループゲインが予め設定した出荷時の目標値になるようなゲイン調整値を求めて記憶し、
    電源をONするごとに、前記記憶されたゲイン調整値により前記フィードバック制御ループの開ループゲインを設定し、
    騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御ループの開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整することを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法。
  10. 前記フィードバック制御ループに前記偏差信号を入力して特定の周波数帯域の周波数をパスさせるフィルタを設け、
    騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィルタのゲインを調整して、前記フィードバック制御ループの開ループゲインを予め設定したヘッドフォン装着時の目標値になるように調整することを特徴とする請求項8又は請求項9のいずれかに記載の騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法。
  11. 騒音キャンセルモードに切り替えるごとに、前記フィードバック制御ループをオープン状態にしてばらつき調整用開ループを形成し、
    特定周波数の正弦波信号に対する前記ばらつき調整用開ループのゲインを測定し、
    前記ばらつき調整用開ループのゲインが、予め設定した前記ばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値になるように、前記フィルタのゲインを調整する
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法。
  12. 前記正弦波信号の周波数は、騒音キャンセルすべき周波数帯域内の特定周波数であることを特徴とする請求項11に記載の騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法。
  13. 前記音楽信号は1ビット信号であり、
    前記帰還信号は前記マイクからのアナログ信号が1ビット信号に変換された信号であり、
    前記偏差信号は、前記音楽信号の1ビット信号と前記帰還信号の1ビット信号をデジタル的に引き算した1ビット信号であり、
    前記フィルタは1ビット信号処理によるデジタルフィルタである
    ことを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォンのばらつき調整方法。
JP2005300614A 2005-10-14 2005-10-14 騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのばらつき調整方法 Expired - Fee Related JP4524242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005300614A JP4524242B2 (ja) 2005-10-14 2005-10-14 騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのばらつき調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005300614A JP4524242B2 (ja) 2005-10-14 2005-10-14 騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのばらつき調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007110535A true JP2007110535A (ja) 2007-04-26
JP4524242B2 JP4524242B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=38036012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005300614A Expired - Fee Related JP4524242B2 (ja) 2005-10-14 2005-10-14 騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのばらつき調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4524242B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011194778A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2012513035A (ja) * 2008-12-18 2012-06-07 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ オーディオノイズキャンセリング
JP2015024493A (ja) * 2014-09-02 2015-02-05 セイコーエプソン株式会社 液体噴射機構の制御装置および液体噴射装置
KR101595964B1 (ko) * 2014-11-25 2016-02-19 충북대학교 산학협력단 볼륨 및 주파수 자동 조절 이어폰
CN107360496A (zh) * 2017-06-13 2017-11-17 东南大学 可根据环境自动调节音量的扬声器系统及调节方法
CN115226004A (zh) * 2022-09-15 2022-10-21 荣耀终端有限公司 开启低噪声放大器的方法和装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02228196A (ja) * 1989-03-01 1990-09-11 Sony Corp ヘッドホン装置
JPH0670391A (ja) * 1992-08-19 1994-03-11 Sony Corp ヘッドホン装置
JPH06343195A (ja) * 1994-04-12 1994-12-13 Bose Corp ヘツドホーン装置
JPH0833761B2 (ja) * 1986-10-22 1996-03-29 ドイチエ・トムソン−ブラント・ゲゼルシヤフト・ミット・ベシユレンクテル・ハフツング 制御利得の調整方法および回路装置
JPH08221080A (ja) * 1995-02-13 1996-08-30 Fujitsu Ten Ltd 騒音制御装置
JPH09146560A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Fujitsu Ten Ltd 騒音制御装置
JPH1124705A (ja) * 1997-06-27 1999-01-29 Pioneer Electron Corp 電子回路の特性の調整方法及び調整装置
JP2001154704A (ja) * 1999-11-26 2001-06-08 Prime Motion:Kk フィードバック制御システム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0833761B2 (ja) * 1986-10-22 1996-03-29 ドイチエ・トムソン−ブラント・ゲゼルシヤフト・ミット・ベシユレンクテル・ハフツング 制御利得の調整方法および回路装置
JPH02228196A (ja) * 1989-03-01 1990-09-11 Sony Corp ヘッドホン装置
JPH0670391A (ja) * 1992-08-19 1994-03-11 Sony Corp ヘッドホン装置
JPH06343195A (ja) * 1994-04-12 1994-12-13 Bose Corp ヘツドホーン装置
JPH08221080A (ja) * 1995-02-13 1996-08-30 Fujitsu Ten Ltd 騒音制御装置
JPH09146560A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Fujitsu Ten Ltd 騒音制御装置
JPH1124705A (ja) * 1997-06-27 1999-01-29 Pioneer Electron Corp 電子回路の特性の調整方法及び調整装置
JP2001154704A (ja) * 1999-11-26 2001-06-08 Prime Motion:Kk フィードバック制御システム

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012513035A (ja) * 2008-12-18 2012-06-07 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ オーディオノイズキャンセリング
US8948410B2 (en) 2008-12-18 2015-02-03 Koninklijke Philips N.V. Active audio noise cancelling
KR101625361B1 (ko) * 2008-12-18 2016-05-30 코닌클리케 필립스 엔.브이. 액티브 오디오 잡음 소거
JP2011194778A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
US9055968B2 (en) 2010-03-23 2015-06-16 Seiko Epson Corporation Liquid injection device
JP2015024493A (ja) * 2014-09-02 2015-02-05 セイコーエプソン株式会社 液体噴射機構の制御装置および液体噴射装置
KR101595964B1 (ko) * 2014-11-25 2016-02-19 충북대학교 산학협력단 볼륨 및 주파수 자동 조절 이어폰
CN107360496A (zh) * 2017-06-13 2017-11-17 东南大学 可根据环境自动调节音量的扬声器系统及调节方法
CN115226004A (zh) * 2022-09-15 2022-10-21 荣耀终端有限公司 开启低噪声放大器的方法和装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4524242B2 (ja) 2010-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4887060B2 (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン
US10431198B2 (en) Noise cancellation system with lower rate emulation
JP4417316B2 (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのフィードバックループゲインばらつき調整方法
US9014397B2 (en) Signal processing device and signal processing method
CN101656901B (zh) 消噪系统
US8670571B2 (en) Frequency control based on device properties
GB2455828A (en) Noise cancellation system with adaptive filter and two different sample rates
JP4524242B2 (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのばらつき調整方法
US20090315708A1 (en) Method and system for limiting audio output in audio headsets
US20040252846A1 (en) Noise reduction apparatus
JP2007108522A (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン、及びそのばらつき調整方法
JP4558625B2 (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン、及びその聴取方法
JP2010268188A (ja) フィードバック型ノイズキャンセリングヘッドホン
TW200701818A (en) Recording device and adjustment method of audio input signals of the recording device
WO2009081184A1 (en) Noise cancellation system and method with adjustment of high pass filter cut-off frequency
JP2008079032A (ja) ミュート回路
KR101171398B1 (ko) 오디오 음질 보정 장치 및 그 방법
JP4505399B2 (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン、及びばらつき調整開始時のビープ音発生方法
JP4505427B2 (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン、及び騒音キャンセル制御モード切替方法
KR20050089187A (ko) 오디오 기기에서의 스피커 특성 보상장치 및 방법
JP2007110533A (ja) 1ビット処理による騒音キャンセルヘッドフォン、及び騒音キャンセル方法
JP2007110531A (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン、及びその制御ループゲインのばらつき調整方法
JP5482579B2 (ja) 信号処理装置および方法
JP4505428B2 (ja) 騒音キャンセルヘッドフォン、及び騒音キャンセル制御モード切替方法
JPWO2018167834A1 (ja) 音響信号処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees