JP2007109597A - 酸化マグネシウム薄膜及びその製造方法 - Google Patents

酸化マグネシウム薄膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】AC型PDPの誘電体層の保護膜として有利に用いることができる酸化マグネシウム薄膜を提供する。
【解決手段】マグネシウム1モルに対して、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を0.0001〜0.15モルの範囲にて含む、平均結晶子径が1〜18nmの範囲にある酸化マグネシウム結晶相が酸化マグネシウム非晶質相に分散されてなる酸化マグネシウム薄膜。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流型プラズマディスプレイパネルの誘電体層の保護膜として有利に用いることができる酸化マグネシウム薄膜、及びその酸化マグネシウム薄膜の製造方法に関する。本発明はまた、上記の酸化マグネシウム薄膜を製造するのに有用な溶液組成物にも関する。
交流型プラズマディスプレイパネル(以下、AC型PDPという)は、表示電極(放電電極ともいう)、誘電体層、そして保護膜がこの順で積層されているフロントカバープレート(前面板ともいう)と、アドレス電極、隔壁、そして赤、緑、青の紫外線励起蛍光体からなる蛍光体層とが配設されたバックプレート(背面板ともいう)とを、それぞれ保護膜と蛍光体層とが放電ガスが充填された空間を挟んで互いに向き合うように配置した構成となっている。誘電体層上の保護膜には、二次電子放出能が高く、耐スパッタ性の高い酸化マグネシウム薄膜が一般的に利用されている。
AC型PDP用酸化マグネシウム薄膜の製造方法は、物理蒸着法(PVD法)や化学蒸着法(CVD法)などの蒸着法と、酸化マグネシウムもしくは加熱により酸化マグネシウムを生成する酸化マグネシウム化合物を含む溶液組成物を塗布し、得られた塗布膜を加熱して酸化マグネシウム薄膜を形成する湿式法とに大別される。さらに、湿式法には、溶液組成物に、難溶解性マグネシウム化合物(例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム)が分散されているマグネシウム化合物分散液を用いる方法と、マグネシウム化合物(例えば、硝酸マグネシウム、マグネシウムアルコキシド)が溶解しているマグネシウム化合物溶液を用いる方法とに分けられる。蒸着法によって製造された酸化マグネシウム薄膜は、柱状の酸化マグネシウム結晶からなる構造となる。これに対して湿式法により製造された酸化マグネシウム薄膜は、酸化マグネシウム結晶相とその他の相とが混在した構造となる。このようなAC型PDP用酸化マグネシウム薄膜の改良としては、これまでに下記のような検討がなされている。
特許文献1には、酸化マグネシウム粉末と、Ba・Sr・Gd複合アルコキド溶液とを含む溶液組成物を塗布して焼成することにより製造されたスピネル構造を有するBa0.6Sr0.4Gd24結晶相と酸化マグネシウム結晶相とからなる酸化マグネシウム薄膜が開示されている。この特許文献1によれば、Ba0.6Sr0.4Gd24結晶は、酸化マグネシウム結晶(粉末)間の隙間を埋めて、膜の緻密性を高める働きがあるとされている。
特許文献2には、マグネシウム化合物溶液に、この溶液を光学的、化学的あるいは熱的に硬化させる化合物を添加して、基体上に塗布して、得られた塗布膜を光学的、化学的あるいは熱的に固化させた後、熱処理することによって形成された酸化マグネシウム薄膜が開示されている。この特許文献2では、マグネシウム化合物として、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、マグネシウムエトキシドを用いた例が開示されている。
特許文献3には、蒸着法により形成された、電気陰性度が1.4eV以上の元素を含む酸化物が添加された酸化マグネシウム薄膜が開示されている。この特許文献3によれば、酸化マグネシウム薄膜にマグネシウムよりも電気陰性度の高い元素の酸化物(例えば、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化鉛)を添加して、酸化マグネシウム薄膜の電気陰性度や帯電性を制御することにより、PDP製造過程において発生する不純ガスの酸化マグネシウム薄膜への吸着を抑えることができ、これによりPDPの放電維持電圧の安定化と、パネル輝度劣化の低減を図ることが可能になるとされている。
特開平7−220640号公報 特開2005−36208号公報 特開2004−342606号公報
上述のように、AC型PDP用酸化マグネシウム薄膜については種々の検討がなされているが、塗布膜から形成された酸化マグネシウム薄膜の酸化マグネシウム結晶のサイズとAC型PDPの放電開始電圧や放電維持電圧などの放電特性との関係について検討された例はない。本発明者は、AC型PDPの酸化マグネシウム薄膜のマグネシウム結晶相のサイズと、AC型PDPの放電特性との関係を研究したところ、酸化マグネシウム薄膜中の酸化マグネシウム結晶のサイズが微細な方がAC型PDPの放電開始電圧や放電維持電圧が低くなる傾向にあることを見出した。
従って、本発明の目的は、AC型PDP用酸化マグネシウム薄膜として有利に用いることができる、酸化マグネシウム結晶相のサイズが微細な酸化マグネシウム薄膜、及びその酸化マグネシウム薄膜の形成方法を提供することにある。本発明はまた、酸化マグネシウム結晶相のサイズが微細な酸化マグネシウム薄膜を形成するのに有用な溶液組成物を提供することもその目的とする。
本発明は、マグネシウム1モルに対して、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を0.0001〜0.15モルの範囲にて含む、平均結晶子径が1〜18nmの範囲にある酸化マグネシウム結晶相が酸化マグネシウム非晶質相に分散されてなる酸化マグネシウム薄膜にある。
本発明はまた、多価アルコールと多塩基有機酸とからなる溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜を加熱して固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる上記本発明の酸化マグネシウム薄膜の製造方法にもある。
本発明はまた、ゲル化剤との接触によりゲル化する有機物溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜にゲル化剤を接触させて固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる上記本発明の酸化マグネシウム薄膜の製造方法にもある。
本発明はまた、感光性樹脂溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜に光を照射して固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる上記本発明の酸化マグネシウム薄膜の製造方法にもある。
本発明はまた、多価アルコールと多塩基有機酸とからなる溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物にもある。
本発明はさらに、ゲル化剤との接触によりゲル化する有機物溶媒に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物にもある。
本発明はさらに、感光性樹脂溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物にもある。
本発明の酸化マグネシウム薄膜を誘電体層の上に形成したAC型PDPは、従来の酸化マグネシウム薄膜を誘電体層の上に形成したAC型PDPと比べて放電開始電圧や放電維持電圧が低くなる。
本発明の酸化マグネシウム薄膜は、下記の(1)〜(3)の方法を利用することによって製造することができる。
(1)多価アルコールと多塩基有機酸とからなる溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜を加熱して固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる方法。
(2)ゲル化剤との接触によりゲル化する有機物溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜にゲル化剤を接触させて固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる方法。
(3)感光性樹脂溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜に光を照射して固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる方法。
上記(1)〜(3)の方法において用いる溶液組成物に含まれるマグネシウム化合物の例としては、マグネシウムの硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物、炭酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトネート化合物、あるいはメトキシド、エトキシド、ブトキシド等の金属アルコキシド類が挙げられる。特に好ましいのは、マグネシウムの硝酸塩である。
溶液組成物中のマグネシウム化合物の濃度は、溶液組成物全体量に対するマグネシウム量として、0.1〜70質量%の範囲であることが好ましく、0.2〜50質量%の範囲であることが特に好ましい。
溶液組成物に含まれるアルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる長周期型周期律表12〜15族の元素を含む化合物は、酸化マグネシウム薄膜中に生成する酸化マグネシウム結晶相のサイズを微細にする効果を有する。上記元素の化合物は、亜鉛、スズ及びアンチモンなどの導電性酸化物を形成する元素の化合物であることが好ましい。上記元素の化合物は、二種以上を混合して用いてもよい。
上記元素の化合物の例としては、上記元素の硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物、炭酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトネート化合物、あるいはメトキシド、エトキシド、ブトキシド等の金属アルコキシド類が挙げられる。特に好ましいのは、硝酸塩及び塩化物である。
上記元素の化合物の濃度は、マグネシウム1モルに対して該元素の量が0.001〜0.15モルの割合となる量であることが好ましく、0.01〜0.10モルの割合となる量であることが特に好ましい。
前記(1)の方法において用いる溶液組成物は、マグネシウム化合物を含む多価アルコールと多塩基有機酸との混合物溶媒からなる。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール及びグリセリンが挙げられる。有機酸の例としては、クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸及びイタコン酸が挙げられる。
多価アルコールと有機酸との配合割合は、多価アルコール100質量部に対して有機酸が70〜300質量部の範囲となる量であることが好ましい。混合物溶媒中の有機酸の濃度は、混合物溶媒全量に対して10〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
前記(1)の方法においては、マグネシウム化合物を含む溶液組成物から形成した塗布膜を加熱して固化膜とした後、該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる。
塗布膜を加熱すると、溶液組成物中の多価アルコールと多塩基有機酸とがエステル縮合して固化膜となる。加熱温度は、60〜350℃の範囲にあることが好ましく、250〜350℃の範囲にあることが特に好ましい。
固化膜の焼成温度は、450〜600℃の範囲にあることが好ましい。
前記(2)の方法において用いる溶液組成物は、マグネシウム化合物を含むゲル化剤との接触によりゲル化する有機物溶液からなる。
ゲル化剤との接触によりゲル化する有機物溶液の例としては、アルギン酸塩の水溶液が挙げられる。アルギン酸塩の例としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウムが挙げられる。アルギン酸塩水溶液中のアルギン酸濃度は、水溶液全量に対して5〜20質量%の範囲にあることが好ましい。
前記(2)の方法においては、マグネシウム化合物を含む溶液組成物から形成した塗布膜にゲル化剤を接触させて固化膜とした後、該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる。
有機物溶液がアルギン酸水溶液の場合は、ゲル化剤には、濃度0.5〜40質量%の塩化カルシウム水溶液を用いることができる。
固化膜の焼成温度は、450〜600℃の範囲にあることが好ましい。
前記(3)の方法において用いる溶液組成物は、マグネシウム化合物を含む感光性樹脂溶液からなる。感光性樹脂溶液は、波長200〜480nmの光にて固化するネガ型であることが好ましい。ネガ型感光性樹脂溶液の例としては、ポリビニルアルコールやビニルモノマー等にけい皮酸基を反応させたポリけい皮酸類に光増感剤としてN−アセチル4−ニトロ1−ナフチルアミンや2,4,6−トリニトロアニリンなどを添加した水溶液、あるいはフェノール系樹脂に光増感剤としてビスアジドを添加したアルコール溶液が挙げられる。
前記(3)の方法においては、マグネシウム化合物を含む溶液組成物から形成した塗布膜に光を照射して固化膜にした後、該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる。
塗布膜の固化には、キセノン−水銀ランプ等が使用できる。
固化膜の焼成温度は、450〜600℃の範囲にあることが好ましい。
次に、本発明の酸化マグネシウム薄膜の製造方法を、酸化マグネシウム薄膜をAC型PDPの誘電体層の上に形成する操作を例にとって説明する。
AC型PDPの誘電体層の材料の例としては、酸化亜鉛、三酸化二ホウ素及び酸化ケイ素の混合物(ZnO−B23−SiO2)を主成分とするガラス組成物、酸化鉛、三酸化二ホウ素及び酸化ケイ素の混合物(PbO−B23−SiO2)を主成分とするガラス組成物、酸化鉛、三酸化二ホウ素、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの混合物(PbO−B23−SiO2−Al23)を主成分とするガラス組成物、酸化鉛、酸化亜鉛、三酸化二ホウ素及び酸化ケイ素の混合物(PbO−ZnO−B23−SiO2)を主成分とするガラス組成物が挙げられる。
誘電体層の上にマグネシウム化合物を含む溶液組成物を塗布して塗布膜を形成する方法としては、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、メニスカスコート法、バーコート法、流延法等の手法が適用できる。
図1は、上記のようにして製造された本発明の酸化マグネシウムの断面模式図である。
参考のために、AC型PDPの誘電体層の上に、電子ビーム蒸着法(EB法)によって形成された酸化マグネシウム薄膜の断面模式図を図2に示す。また。従来の溶液組成物(アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素の化合物を含まない)を用いた湿式法によって形成された酸化マグネシウム薄膜の断面模式図を図3に示す。
図1において、誘電体層11の上に形成された酸化マグネシウム薄膜12では、微細な酸化マグネシウム結晶相13が酸化マグネシウム非晶質相14に分散されている。酸化マグネシウム結晶相13の平均結晶子径は1〜18nmの範囲にある。
図2において、誘電体層21の上に形成された酸化マグネシウム薄膜22は、柱状の酸化マグネシウム結晶23からなる。
図3において、誘電体層31の上に形成された酸化マグネシウム薄膜32では、微細な酸化マグネシウム結晶相33が酸化マグネシウム非晶質相34に分散されているが、酸化マグネシウム結晶相33の平均結晶子径は20nm以上となる。
本発明の酸化マグネシウム薄膜は、図1に示すように、酸化マグネシウム結晶相の平均結晶径が、従来のEB法や湿式法により製造された酸化マグネシウム薄膜中の酸化マグネシウム結晶よりも小さいため、単位面積当たりの膜表面に突出している酸化マグネシウム結晶相の数が多くなる。AC型PDPにおいて、酸化マグネシウム薄膜の表面に突出している酸化マグネシウム結晶相は、放電の起点となる。従って、本発明の酸化マグネシウム薄膜を誘電体層の上に形成したAC型PDPは、従来の酸化マグネシウム薄膜を誘電体層の上に形成したAC型PDPと比べて放電開始電圧や放電維持電圧が低くなる。
本発明の酸化マグネシウム薄膜では、表面に多くの酸化マグネシウム結晶相を有しながらも、酸化マグネシウム結晶相のサイズが微細であるため、酸化マグネシウム薄膜の表面の凹凸が小さくなる。このため、本発明の酸化マグネシウム薄膜は、膜表面において光の散乱が起こりにくい。従って、本発明の酸化マグネシウム薄膜が形成されているAC型PDPでは、PDP内部で発光した光を効率よく外部に取り出すことが可能となる。
酸化マグネシウム薄膜の表面の算術平均粗さ(Ra)は、0.4〜10nmの範囲にあることが好ましく、0.4〜5.0nmの範囲にあることがより好ましく、0.4〜1.8nmの範囲にあることが特に好ましい。酸化マグネシウム薄膜の表面の突起の最大高さ(Rmax)は、5〜50nmの範囲にあることが好ましく、5〜40nmの範囲にあることがより好ましく、5〜20nmの範囲にあることが特に好ましい。酸化マグネシウム薄膜の表面の表面積率は、0.5〜20%の範囲にあることが好ましく、0.5〜10%の範囲にあることがより好ましく、0.5〜7.0%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明の酸化マグネシウム薄膜は、膜厚が0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、0.1〜10μmの範囲にあることが特に好ましい。
本発明の酸化マグネシウム薄膜に含まれる、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素は、酸化マグネシウム薄膜中に通常は酸化物として存在するが、マグネシウムとの複合酸化物を形成していてもよい。
本実施例及び比較例において、酸化マグネシウム薄膜の結晶相の平均結晶子径、表面粗さ(Ra、Rmax、表面積率)、放電開始電圧及び放電維持電圧は下記の方法により測定した。
[結晶相の平均結晶子径の測定方法]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影した酸化マグネシウム薄膜表面の拡大写真から、任意の20個の結晶相の直径を測定して、その平均を算出する。
[表面粗さの測定方法]
表面粗さは、原子間力顕微鏡を用いて測定する。測定範囲を1μm×1μmとして、算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rmax)、表面積率(トレース面積/トレースエリア面積(1μm2)×100)を測定する。
[放電開始電圧・放電維持電圧の測定方法]
(1)放電特性の評価用パネルの作成
簡便に酸化マグネシウム薄膜の放電特性を評価するために、図4及び図5に示すような電極パターンの放電特性の評価用パネルを使用する。放電特性評価パネルは、ガラス基板41、ガラス基板41の上に形成された二本の電極線42a、42bからなる十組の放電電極43と、放電電極の電極線42a、42bを外部に接続するための取り付け用電極44a、44bとからなる電極パターン、そして電極パターンの放電電極部を覆うように形成された誘電体層[酸化鉛、三酸化二ホウ素及び酸化ケイ素の混合物(PbO−B23−SiO2)]45からなる。
ガラス基板41のサイズは縦:50mm×横:50mmであり、放電電極43を構成する二本の電極線42a、42b(幅は何れも0.3mm)のギャップは0.1mmであり、各放電電極43のギャップは0.2mmである。電極線と取り付け用電極部との接点部分は、幅0.5mmになっている。
評価対象の酸化マグネシウム薄膜は、誘電体層を覆うように形成する。
(2)放電開始電圧・放電維持電圧の測定
評価用パネルの取り付け用電極に高電圧パルス発生装置を取り付ける。評価用パネルを上部に観察窓が設けられている密閉容器に、評価用パネルの放電電極が観察窓から見える位置に設置する。密閉容器の内圧を0.13Pa(1×10-3トル)以下まで減圧にする。続いて、密閉容器内にHe:95体積%、Xe:5体積%からなる混合ガスを容器内圧が大気圧となるまで充填する。この操作を3回繰り返した後、密閉容器の内圧を、混合ガスにて6.67×104Pa(500トル)に調整する。その後、高電圧パルス発生装置により、評価用パネルの取り付け用電極に方形波形の電圧を加えて、放電状態を観察する。具体的には、電圧を徐々に増加させて行き、放電が開始した電圧を放電開始電圧とし、次に電圧を徐々に減少させて行き、放電電極の放電が、十組中で一組でも途切れる電圧を放電維持電圧とする。
[実施例1]
エチレングリコール46質量部に、硝酸マグネシウム六水和物18.8質量部と硝酸亜鉛六水和物0.2質量部とを加えて撹拌溶解させた。この溶液にクエン酸35質量部を添加し、130℃の温度に加熱して、エチレングリコールとクエン酸とを部分的に縮重合させて、酸化マグネシウム薄膜製造用の溶液組成物を調製した。
この溶液組成物をガラス基板上にスピンコート法により塗布した。得られた塗布膜を大気中で250℃の温度にて加熱することにより、塗布膜を固化させた。この時点で、ピンホールのような欠陥や乾燥収縮によるクラックのない固化膜が得られたことが確認された。得られた固化膜を大気中で500℃の温度にて1時間焼成して酸化マグネシウム薄膜を形成した。得られた酸化マグネシウム薄膜の膜厚は、0.2μmであった。
得られた酸化マグネシウム薄膜の断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、酸化マグネシウム薄膜は、図1に示すように、微細な酸化マグネシウム結晶相が非晶質相に分散された構造を有することが確認された。この酸化マグネシウム薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる剥離試験でも剥離することがなく良好であった。得られた酸化マグネシウム薄膜の結晶相の平均結晶子径は15nm、Raは0.74nm、Rmaxは9.1nm、表面積率は0.8%であった。
また、上記の溶液組成物を用いて、放電特性評価パネルの誘電体層上に酸化マグネシウム薄膜を形成して、放電開始電圧と放電維持電圧とを測定したところ、放電開始電圧は403V、放電維持電圧は324Vであった。
[実施例2]
硝酸亜鉛六水和物0.2質量部を、塩化スズ0.2質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、酸化マグネシウム薄膜製造用の溶液組成物を調製した。
この溶液組成物をガラス基板上にスピンコート法により塗布した。得られた塗布膜を大気中で、250℃の温度にて加熱することにより、塗布膜を固化させた。この時点で、ピンホールのような欠陥や乾燥収縮によるクラックのない固化膜が得られたことが確認された。得られた固化膜を大気中で500℃の温度にて1時間焼成して酸化マグネシウム薄膜を形成した。得られた酸化マグネシウム薄膜の膜厚は、0.2μmであった。
得られた酸化マグネシウム薄膜の断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、酸化マグネシウム薄膜は、図1に示すように、微細な酸化マグネシウム結晶相が非晶質相に分散された構造を有することが確認された。この酸化マグネシウム薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる剥離試験でも剥離することがなく良好であった。得られた酸化マグネシウム薄膜の結晶相の平均結晶子径は15nm、Raは1.5nm、Rmaxは18nm、表面積率は5.1%であった。
また、上記の溶液組成物を用いて、放電特性評価パネルの誘電体層上に酸化マグネシウム薄膜を形成して、放電開始電圧と放電維持電圧とを測定したところ、放電開始電圧は423V、放電維持電圧は336Vであった。
[実施例3]
硝酸亜鉛六水和物0.2質量部を、塩化アンチモン0.2質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、酸化マグネシウム薄膜製造用の溶液組成物を調製した。
この溶液組成物をガラス基板上にスピンコート法により塗布した。得られた塗布膜を大気中で、250℃の温度にて加熱することにより、塗布膜を固化させた。この時点で、ピンホールのような欠陥や乾燥収縮によるクラックのない固化膜が得られたことが確認された。得られた固化膜を大気中で500℃の温度にて1時間焼成して酸化マグネシウム薄膜を形成した。得られた酸化マグネシウム薄膜の膜厚は、0.2μmであった。得られた酸化マグネシウム薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる剥離試験でも剥離することがなく良好であった。
得られた酸化マグネシウム薄膜の断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、酸化マグネシウム薄膜は、図1に示すように、微細な酸化マグネシウム結晶相が非晶質相に分散された構造を有することが確認された。この酸化マグネシウム薄膜の結晶相の平均結晶子径は15nm、Raは0.58nm、Rmaxは8.4nm、表面積率は1.1%であった。
また、上記の溶液組成物を用いて、放電特性評価パネルの誘電体層上に酸化マグネシウム薄膜を形成して、放電開始電圧と放電維持電圧とを測定したところ、放電開始電圧は410V、放電維持電圧は329Vであった。
[実施例4]
アルギン酸ナトリウム濃度が0.5質量%のアルギン酸ナトリウム水溶液89.88質量部に、硝酸マグネシウム六水和物10質量部と塩化アンチモン0.12質量部とを加えて攪拌溶解させ、酸化マグネシウム薄膜製造用の溶液組成物を調製した。
この溶液組成物をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。得られた塗布膜を、5質量%の塩化カルシウム水溶液に接触させて塗布膜を固化させた。この時点で、ピンホールのような欠陥や乾燥収縮によるクラックのない固化膜が得られたことが確認された。得られた固化膜を大気中で500℃の温度にて1時間焼成して酸化マグネシウム薄膜を形成した。得られた酸化マグネシウム薄膜の膜厚は、0.2μmであった。得られた酸化マグネシウム薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる剥離試験でも剥離することがなく良好であった。
得られた酸化マグネシウム薄膜の断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、酸化マグネシウム薄膜は、図1に示すように、微細な酸化マグネシウム結晶相が非晶質相に分散された構造を有することが確認された。この酸化マグネシウム薄膜の結晶相の平均結晶子径は15nm、Raは0.62nm、Rmaxは9.6nm、表面積率は1.5%であった。
また、上記の溶液組成物を用いて、放電特性評価パネルの誘電体層上に酸化マグネシウム薄膜を形成して、放電開始電圧と放電維持電圧とを測定したところ、放電開始電圧は409V、放電維持電圧は334Vであった。
[実施例5]
フェノール系ノボラック樹脂に増感剤としてビスアジドを添加したネガ型光硬化型樹脂とエタノールとを質量比で90:10の割合で混合して感光性樹脂溶液を調製した。この感光性樹脂溶液89.88質量部に、硝酸マグネシウム六水和物10質量部と塩化アンチモン0.12質量部を加えて攪拌溶解させ、酸化マグネシウム薄膜製造用の溶液組成物を調製した。
この溶液組成物をガラス基板にスピンコート法により塗布した。得られた塗布膜を100℃の温度にて30分予備乾燥した後、キセノン−ハロゲンランプを照射して塗布膜を固化させた。この時点で、ピンホールのような欠陥や乾燥収縮によるクラックのない固化膜が得られたことが確認された。得られた固化膜を、500℃の温度にて1時間焼成して酸化マグネシウム薄膜を形成した。得られた酸化マグネシウム薄膜の膜厚は、0.2μmであった。得られた酸化マグネシウム薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる剥離試験でも剥離することがなく良好であった。
得られた酸化マグネシウム薄膜の断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、酸化マグネシウム薄膜は、図1に示すように、微細な酸化マグネシウム結晶相が非晶質相に分散された構造を有することが確認された。この酸化マグネシウム薄膜の結晶相の平均結晶子径は15nm、Raは0.59nm、Rmaxは8.2nm、表面積率は2.3%であった。
また、上記の溶液組成物を用いて、放電特性評価パネルの誘電体層上に酸化マグネシウム薄膜を形成して、放電開始電圧と放電維持電圧とを測定したところ、放電開始電圧は399V、放電維持電圧は328Vであった。
[比較例1]
エチレングリコール53質量部に、硝酸マグネシウム六水和物6質量部を加えて撹拌溶解させた。この溶液にクエン酸41質量部を添加した後、130℃の温度に加熱して、エチレングリコールとクエン酸とを部分的に縮重合させて、酸化マグネシウム薄膜製造用の溶液組成物を調製した。
この溶液組成物をガラス基板上にスピンコート法により塗布した。得られた塗布膜を大気中で250℃の温度にて加熱することにより、塗布膜を固化させた。この時点で、ピンホールのような欠陥や乾燥収縮によるクラックのない固化膜が得られたことが確認された。得られた固化膜を大気中500℃で1時間焼成して酸化マグネシウム薄膜を形成した。得られた酸化マグネシウム薄膜の膜厚は、0.2μmであった。得られた酸化マグネシウム薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる剥離試験でも剥離することがなく良好であった。
得られた酸化マグネシウム薄膜の断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、酸化マグネシウム薄膜は、図3に示すように、酸化マグネシウム結晶相が非晶質相に分散された構造を有することが確認された。
得られた酸化マグネシウム薄膜の酸化マグネシウム結晶相の平均結晶子径は20nm、Raは1.7nm、Rmaxは18nm、表面積率は7.2%であった。
また、上記の溶液組成物を用いて、放電特性評価パネルの誘電体層上に酸化マグネシウム薄膜を形成して、放電開始電圧と放電維持電圧とを測定したところ、放電開始電圧は424V、放電維持電圧は382Vであった。
実施例1〜5及び比較例1にて得られた酸化マグネシウム薄膜の酸化マグネシウム結晶相の平均結晶子径、Ra、Rmax、表面積率、放電開始電圧及び放電維持電圧の測定結果を下記の表1にまとめて示す。表1の結果から、酸化マグネシウム結晶相の平均結晶子径の小さい酸化マグネシウム薄膜の方が、放電開始電圧及び放電維持電圧が低くなる傾向にあることがわかる。
表1
────────────────────────────────────────
平均結晶 Ra Rmax 表面積率 放電開始 放電維持
子径(nm)(nm)(nm) (%) 電圧(V) 電圧(V)
────────────────────────────────────────
実施例1 15 0.74 9.1 0.8 403 324
実施例2 15 1.5 18 5.1 423 336
実施例3 15 0.58 8.4 1.1 410 329
実施例4 15 0.62 9.6 1.5 409 334
実施例5 15 0.59 8.2 2.3 399 328
────────────────────────────────────────
比較例1 20 1.7 18 7.2 424 382
────────────────────────────────────────
本発明の酸化マグネシウム薄膜の断面模式図である。 従来のEB法により製造された酸化マグネシウム薄膜の断面模式図である。 従来の湿式法によって製造された酸化マグネシウム薄膜の断面模式図である。 本実施例にて使用した放電特性評価用パネルの平面図である。 図4の要部拡大図である。
符号の説明
11 誘電体層
12 酸化マグネシウム薄膜
13 酸化マグネシウム結晶相
14 非晶質相
21 誘電体層
22 酸化マグネシウム薄膜
23 柱状酸化マグネシウム結晶
31 誘電体層
32 酸化マグネシウム薄膜
33 酸化マグネシウム結晶相
34 非晶質相
41 ガラス基板
42a、42b 電極線
43 放電電極
44a、44b 取り付け用電極
45 誘電体層

Claims (8)

  1. マグネシウム1モルに対して、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を0.0001〜0.15モルの範囲にて含む、平均結晶子径が1〜18nmの範囲にある酸化マグネシウム結晶相が酸化マグネシウム非晶質相に分散されてなる酸化マグネシウム薄膜。
  2. 交流型プラズマディスプレイパネルの誘電体層の保護膜である請求項1に記載の酸化マグネシウム薄膜。
  3. 多価アルコールと多塩基有機酸とからなる溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜を加熱して固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる請求項1に記載の酸化マグネシウム薄膜の製造方法。
  4. ゲル化剤との接触によりゲル化する有機物溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜にゲル化剤を接触させて固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる請求項1に記載の酸化マグネシウム薄膜の製造方法。
  5. 感光性樹脂溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物から塗布膜を形成する工程、該塗布膜に光を照射して固化膜にする工程、そして該固化膜を焼成して酸化マグネシウム薄膜を生成させる工程からなる請求項1に記載の酸化マグネシウム薄膜の製造方法。
  6. 多価アルコールと多塩基有機酸とからなる溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物。
  7. ゲル化剤との接触によりゲル化する有機物溶媒に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物。
  8. 感光性樹脂溶液に、マグネシウム化合物と、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、水銀、タリウム、鉛及びビスマスからなる群より選ばれる元素を含む化合物とが、マグネシウム1モルに対して、該元素の量が0.0001〜0.15モルの割合となるように溶解されている溶液組成物。
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