JP2007109507A - フラッシュランプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透光性材料からなるバルブ1内に放電ガスが封入され、該バルブ1内に、一対の電極2a,2bと、電極棒3a,3bが設けられる。バルブ1の外周には、電極2a,2b、電極棒3a,3bに対して、同軸構造をなすように略円筒形状の金属導体からなる導電性部材6が設けられ、該導電性部材6の一方端は、電極棒3bに電気的に接続されている。また、導電性部材6の一対の電極2a,2b間に対向する部分は網状導体5で構成され、電極2a,2b間で生ずるアークによるUV光を透過させる。フラッシュランプ10とコンデンサCを接続する給電回路が同軸構造であるので、伝送経路インダクタンスが低減され、短極間ランプにおいても臨界制動に近い点灯が可能となる。
【選択図】図1
Description
これらの紫外線を放射する光源としては、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀−キセノンランプ、フラッシュランプ等が一般的に多く用いられている。特に、フラッシュランプは、連続点灯する他のランプに比べて、高い電流を印加しても電極等に対する負荷が小さく、点灯時のランプ電流密度を非常に高めることができる。このような高いランプ電流密度は、放電時のプラズマ温度を高くするために有用であり、波長300nm以下の紫外線の効率的な放射を実現できる。
そこで、電極の極間距離を短くして、できるだけ短極間にし、点光源に近づけたフラッシュランプの開発が望まれている。
しかしながら、点光源として扱える短極間のフラッシュランプにおいて、従来のロングアーク型のフラッシュランプで用いていた給電方法をそのまま用いた場合、伝送経路及びランプ内電極棒部に存在する浮遊インダクタンスのために、点灯回路内の回路インダクタンス(L)を十分に小さくすることができず、臨界制動条件で短パルス・高ピーク電流の放電をさせることが困難であるという問題があった。
該公報には、短極間のフラッシュランプに対して、インダクタンスを直列に、フリーホイールダイオードを並列に、挿入することで、コンデンサ充電エネルギーを効率よくフラッシュランプで消費させる方法が開示されている。
この方法によれば、短極間のフラッシュランプに於いても電流波形が振動波形となることがない。しかしながら、この方法では電流パルス幅が非常に大きくなり、高ピーク電流が得られないという問題があった。
具体的には、以下のような現象が発生している。
フラッシュランプの点灯回路におけるコンデンサ容量をC、回路インダクタンスをL、コンデンサ充電電圧をV、ピーク電流をJとすると、点灯パルス時間幅(τ)及びダンピングファクター(α)は次式で表される。
τ=1/√(LC) ・・・(1)
α={V/√(J)}/√{V・√(L/C)} ・・・(2)
α≒0.75の場合、電流波形は臨界制動となり、配線経路の僅かな抵抗を無視すると、コンデンサへの充電エネルギーは全てフラッシュランプで消費される。
α>0.75の場合、電流波形は過制動となり臨界制動の場合よりピーク電流値が小さくなる。
α<0.75の場合、電流波形は過小制動(振動波形)となる。この場合所望のUV光は高電流密度の最初の電流ピークのみで得られるため、コンデンサ充電エネルギーからUV光への変換効率は低下する。
従って、短パルス・高ピーク電流で放電させるためにはα=0.75程度で点灯させることが必要である。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、上記インダクタンスを小さくすることが可能で、短極間のフラッシュランプを高い入力で且つ短い点灯パルスで点灯させ、高ピーク電流の放電を得ることができるフラッシュランプ装置を提供することである。
そこで、本発明では、フラッシュランプの第2の電極棒(陰極側電極棒)とコンデンサとを接続する導電性部材を、第1の電極棒(陽極側電極棒)、該電極棒に連接する一方の電極、他方の電極、及び該他方の電極に連接する第2の電極棒に対し同軸構造をなすように配置した。
通常の伝送経路あるいは電極棒のような単線経路の長さあたりインダクタンスはおよそ1μH/mのオーダーであるのに対し、同軸伝送路の場合は100nH/mのオーダーであり、上記構成とすることにより経路インダクタンスを低減することができ、短極間フラッシュランプであっても、臨界制動条件で短パルス・高ピーク電流の放電をさせることが可能となった。
(1)透光性材料からなるバルブ内に放電ガスが封入され、且つ、該バルブ内に、対向配置された一対の電極と、該電極にそれぞれ連接する第1、第2の電極棒を備えたフラッシュランプと、該フラッシュランプへ電荷を伝送する伝送経路と、該伝送経路に接続されたコンデンサと、から成るフラッシュランプ装置において、一方端が上記第2の電極棒に電気的に接続され、他方端が上記コンデンサの一方の端子に接続された導電性部材を、上記バルブの外側に配設する。そして、上記コンデンサの他方の端子に接続された第1の電極棒、該電極棒に連接する一方の電極、他方の電極、及び該他方の電極に連接する第2の電極棒に対し、上記導電性部材の少なくとも一部を同軸構造とする。
(2)上記(1)において、導電性部材の少なくとも一部を筒状の金属導体で構成する。(3)上記(1)(2)において、上記導電性部材の上記電極間外側に対向する部分を、透光性を有するように構成する。
(4)上記(1)(2)(3)において、コンデンサの一方の端子と上記第1の電極棒を接続する導体、および/または上記第1の電極棒に対して、上記コンデンサを同軸状に配置する。
(1)フラッシュランプの第2の電極棒とコンデンサとを接続する導電性部材の少なくとも一部を、第1の電極棒、該電極棒に連接する一方の電極、他方の電極、及び該他方の電極に連接する第2の電極棒に対し同軸構造をなすように配置したので、経路インダクタンスを低減することができ、フラッシュランプを臨界制動条件で短パルス・高ピーク電流の放電をさせることが可能となる。
(2)導電性部材の電極間外側の対向する部分を、平行線状あるいは網目状の導体から構成し、透光性を有するようにすることにより、低インダクタンス化を実現しながら、アークからのUV光を透過させることができる。
(3)上記第1の電極棒を接続する導体、および/または上記第1の電極棒に対して、上記コンデンサを同軸状に配置することで、さらに低インダクタンス化を図ることができる。
図1に本発明の第1の実施例のフラッシュランプ装置の構成を示す。同図(a)はフラッシュランプの長手方向の軸を通る平面で切った断面図及び給電回路とトリガ回路の構成を示す図であり、(b)は同図(a)におけるA−A面断面図である。
図1において、フラッシュランプ10は透光性材料からなるバルブ1を有し、該バルブ1内に放電ガスが封入され、且つ、該バルブ1内には、対向配置された一対の電極2a,2bと、該電極2a,2bにそれぞれ連接する第1、第2の電極棒3a,3bが設けられ、バルブ1の両端は封止部4で封止されている。
また、バルブ1の外周には、上記一対の電極2a,2b、第1、第2の電極棒3a,3bに対して、同軸構造をなすように略円筒形状の金属導体からなる導電性部材6が設けられ、該導電性部材6の一方端は、上記第2の電極棒3bに電気的に接続されている。
上記電極間に対向にする部分のバルブ1の外側には外部トリガ線8が絶縁保持部7により保持されている。該外部トリガ線8はニッケル、タングステンあるいはそれらを含む合金で構成されている。
また、上記導電性部材6の、上記一対の電極2a,2b間に対向する部分は網状導体5で構成され、電極2a,2b間で生ずるアークによるUV光を透過させる。ここで、網状導体5は、図1(b)に示すように上記外部トリガ線8が設けられた部分を避けて、バルブの外周に断面がC字状になるように取り付けられ、アーク9を含む電極2a,2bと同軸伝送路を成しながら、アークから発生するUV光の大部分を透過させる。
コンデンサCには充電電源Eが接続されており、充電電源EからコンデンサCに充電したのち、スイッチSWを閉じることにより、コンデンサCに充電されたエネルギーが上記スイッチSW、電極棒3a、電極(陽極)2a、電極(陰極)2b、電極棒3b、導電性部材6を介して放電し、フラッシュランプ10にパルス電流が流れる。これにより、電極2a,2b間にアークが発生し、フラッシュランプ10は点灯する。
外部トリガ線8とフラッシュランプ駆動回路(図示せず)とはパルストランスPTを介して接続されており、パルストランスPTを介して外部トリガ線に高電圧パルスを印加することでフラッシュランプの放電を始動することができる。
図2は本発明の第2の実施例を示す図であり、図1と同様、フラッシュランプの長手方向の軸を通る平面で切った断面図を示している。
図2において、図1と同様、バルブ1内に、対向配置された一対の電極2a,2bと、該電極2a,2bにそれぞれ連接する第1、第2の電極棒3a,3bが設けられ、バルブ1の外周には、上記一対の電極2a,2b、第1、第2の電極棒3a,3bに対して、同軸構造をなすように略円筒形状の金属導体からなる導電性部材6が設けられ、該導電性部材6の一方端は、上記第2の電極棒3bに電気的に接続されている。
上記電極2a,2b間に対向するバルブ1の外側には外部トリガ線8が絶縁保持部7により保持され、導電性部材6の上記一対の電極2a,2b間に対向する部分は網状導体5で構成され、電極2a,2b間で生ずるアークによるUV光を透過させる。
コンデンサCの一方の端子(正極側)に接続された平板導体12aは、放電を制御するスイッチSWおよび円柱状の導体棒11を介してフラッシュランプの電極棒3a、電極(陽極)2aと連結されている。また、上記コンデンサCの他方の端子(負極側)に接続された平板導体12bは、円筒状導体である導電性部材6と連結されている。
すなわち、複数のコンデンサCは、円柱状の導体棒11に対して同軸構造をなしており、コンデンサCを含めてコンデンサC間のほぼ全ての伝送経路が同軸伝送路となっている。このため、前記第1の実施例と比べ、伝送経路インダクタンスを一層低減することができる。
ここでフラッシュランプとしては、3atmのキセノン(Xe)を封入したものを用い、電極及び電極棒の長さは両極とも50mmであり、コンデンサ充電電圧は300V、コンデンサ容量は100μFのものを使用した。
第1の実施例におけるコンデンサとフラッシュランプ間の伝送路長は200mmであり、φ2.5mm導線を使用した。
また、第2の実施例におけるコンデンサCの正極側の平板導体12aからフラッシュランプに至る導体棒11は長さ200mm、φ12mmのものを使用した。さらに、従来例におけるコンデンサCとフラッシュランプ間の伝送路長は200mmであり、φ2.5mm導線を使用した。
図3は、フラッシュランプ10からのUV放射を楕円体ミラー20により集光する配置例である。楕円体ミラー20の中央には開口20aが設けられ、開口20aからフラッシュランプ10及び導電性部材6が楕円体ミラーの長軸に平行に挿入設置されている。
フラッシュランプ10の一方端側には、前記したように同軸状に配置された複数のコンデンサCが平板導体12a,12bにより取り付けられ、導電性部材6に連接した平板導体12bが、絶縁体22を介してランプ支持部23に支持されている。
また、楕円体ミラー20はミラー支持部21に支持されている。
フラッシュランプ10のアーク位置は楕円体ミラー20の1つの焦点と一致するように設置されており、アークからのUV放射は楕円体ミラー20によりもう一方の焦点に集光される。
点光源として扱える短極間のフラッシュランプを用い、図3に示す構成とすることにより、フラッシュランプ10から放射されるUV光を効果的に集光し、被照射体に照射することができる。
同図(a)はフラッシュランプの長手方向の軸を通る平面で切った断面図を示し、(b)は同図(a)におけるA−A面断面図である。
本実施例においては、前記導電性部材6の一対の電極2a,2bに対向する部分を線状の導電部材51で構成し、各線状の導電部材51は、ランプ中心軸に対して軸対称に配置している。なお、その他の構成は前記図1、図2に示したものと同様であるが、本実施例では、外部トリガ電極81がバルブ1内に挿入されている。
電極2a,2bに生ずるアークは上記導電部材51を流れる電流から反発力を受けるが、本実施例では線状の導電部材51が軸対称に配置されているため、結果的にアークはランプ中心軸に戻されるように力が働き、アークが安定化する。
2a,2b 電極
3a,3b 電極棒
4 封止部
5 網状導体
6 導電性部材
7 絶縁保持部
8 外部トリガ線
9 アーク
10 フラッシュランプ
11 導体棒
12a,12b 平板導体
13 絶縁体
20 楕円体ミラー
C コンデンサ
SW スイッチ
PT パルストランス
E 充電電源
Claims (4)
- 透光性材料からなるバルブ内に放電ガスが封入され、且つ、該バルブ内に、対向配置された一対の電極と、該電極にそれぞれ連接する第1、第2の電極棒を備えたフラッシュランプと、該フラッシュランプへ電荷を伝送する伝送経路と、該伝送経路に接続されたコンデンサと、から成るフラッシュランプ装置において、
一方端が上記第2の電極棒に電気的に接続され、他方端が上記コンデンサの一方の端子に接続された導電性部材を、上記バルブの外側に配設し、
上記コンデンサの他方の端子に接続された第1の電極棒、該電極棒に連接する一方の電極、他方の電極、及び該他方の電極に連接する第2の電極棒に対し、上記導電性部材の少なくとも一部を同軸構造とした
ことを特徴とするフラッシュランプ装置。 - 上記導電性部材の少なくとも一部は、筒状の金属導体で構成される
ことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプ装置。 - 上記導電性部材の上記電極間外側に対向する部分は、透光性を有するように構成される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフラッシュランプ装置。 - 上記コンデンサの一方の端子と上記第1の電極棒を接続する導体、および/または上記第1の電極棒に対して、上記コンデンサが同軸状に配置されている
ことを特徴とする請求項1,2または請求項3に記載のフラッシュランプ装置。
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