本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の一例に関して図面を参照して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、少なくとも基板101上に設けられた素子群102と、アンテナとして機能する複数の導電膜103a〜103fとを有している。ここでは、導電膜103a〜103fはそれぞれ隣接する線状の導電膜同士が並列に配置されるように設けられており、基板101を湾曲させない状態において、隣接する導電膜同士が電気的に接続しないように設けられている(図1(A))。なお、線状の導電膜が並列に配置されるとは、線状の導電膜の短辺方向に沿って複数の導電膜が配置されている状態をいい、例えば、図1(A)に示すように隣接する導電膜と平行になるように設けることができる。また、線状とは直線だけでなく曲線や蛇行している線等も含んでいる。
基板101としては、可撓性を有する、ガラス基板、石英基板、セラミック基板またはステンレスを含む金属基板等を用いる事ができる。これらの基板は、例えば、基板上に素子群102等を形成した後に、基板を薄膜化することによって可撓性を有する基板とすることができる。他にもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックやアクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能である。また、このような基板であれば、その面積や形状、大きな制限が無いため、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることが可能となる。このような利点は円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
素子群102としては、少なくともトランジスタ、ダイオードまたは太陽電池等を有する半導体素子から構成されている。トランジスタとしては、ガラス等の剛性を有する基板上に形成された半導体膜をチャネルとして利用する薄膜トランジスタ(TFT)、Si等の半導体基板上に当該基板をチャネルとして利用する電界効果型トランジスタ(FET)または有機材料をチャネルとして利用する有機TFT等で設けることができる。また、ダイオードとしては、可変容量ダイオード、ショットキーダイオードまたはトンネルダイオード等の各種ダイオードを適用することができる。本発明では、これらのトランジスタやダイオード等を用いることよって、CPU、メモリまたはマイクロプロセッサ等のありとあらゆる集積回路を設けることができる。
導電膜103a〜103fとしては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、及びニッケル(Ni)等の金属または金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いて、スパッタ法、CVD法またはめっき法等をもちいて形成することができる。また、他にも、液滴吐出法(イングジェット法とも呼ばれる)やスクリーン印刷法等の印刷法を用いて導電性のペーストを用いて形成することができる。導電性ペーストとしては、粒径が数μmから数十μmの導電性粒子を有機樹脂に溶解又は分解させたものを用いることができる、導電性粒子としては、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、およびチタン(Ti)、等のいずれか一つ以上金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子バインダー、溶媒、分散剤及び被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、珪素樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、ペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、ペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。
また、図1(A)において、線状に設けられた複数の導電膜103a〜103fは平行に設けられ、各々の両端部には接続部分121a〜126a、122b〜127bが設けられている。より具体的には、導電膜103a〜103fの一方の端部にそれぞれ接続部分121a〜126aが設けられ、導電膜103a〜103fの他方の端部にそれぞれ接続部分122b〜127bが設けられている。また、素子群102にも接続部分121b、127aが設けられており、当該接続部分121bおよび127aは、導電膜103a〜103fのうち最も外側に設けられた2つの導電膜(導電膜103a、導電膜103f)に設けられた接続部分(接続部分121a、接続部分127b)とそれぞれ電気的に接続されている。
本実施の形態で示す半導体装置は、基板101を湾曲等することにより立体化させた際に導電膜103a〜103fがコイル状となりアンテナとして機能することを特徴としている。具体的には、基板101を湾曲させた場合に、複数の導電膜103a〜103fにおいて、隣接する導電膜の端部同士が接続されることによって、導電膜103a〜103fが電気的に接続された一本のコイル状の導電膜となり、アンテナとして機能する。
図1(A)に示す半導体装置において、基板101を一定の方向(y軸方向に沿って対称となるように)に折り曲げた場合、導電膜103b〜103fの一方の端部に設けられた接続部分122a〜126aと導電膜103a〜103eの他方の端部に設けられた接続部分122b〜126bが電気的に接続される。具体的には、接続部分122aと接続部分122b、接続部分123aと接続部分123b、接続部分124aと接続部分124b、接続部分125aと接続部分125b、接続部分126aと接続部分126bとがそれぞれ電気的に接続される。このように、複数の導電膜103a〜103fにおいて、隣接する導電膜の端部同士が接続されることによって、複数の導電膜103a〜103fが電気的に接続され、アンテナとして機能する一本のコイル状の導電膜104となる(図1(B)、(C))。接続部分の接続としては、導電性テープ、導電性樹脂、異方性導電樹脂、レーザ光照射等により接続される。また、接続は、一回のみの接続とすることも出来るし、複数回行える構造とする事もできる。なお、アンテナとして機能するコイル状の導電膜104の両端部に設けられた接続部分(導電膜103aの一方の端部に設けられた接続部分121a、導電膜103fの他方の端部に設けられた接続部分127b)は、素子群102に設けられた接続部分121b、127aとそれぞれ電気的に接続されている。
接続部分121aと素子群102に設けられた接続部分121bおよび接続部分127bと素子群102に設けられた接続部分127aとが電気的に接続されていればどのように接続を行っても良い。例えば、素子群102が導電膜103a〜103fの上方または下方に設けられている場合には、導電膜103a、103fの接続部分121aおよび接続部分127bを直接素子群102に接続することができる(図2(A)、(B))。この場合、導電膜103a、103fの形状は素子群102と接続しやすいように適宜変更すればよい。また、他にも素子群102を小さく設ける場合には、複数の導電膜103a〜103fが立体的に交差するように設けることも可能である(図2(C)、(D))。
また、本実施の形態で示す半導体装置において、複数の導電膜103a〜103fは基板101上に設けられた素子群102の上方に作り込んで設けてもよいし、素子群102が設けられた基板とは別の基板上に複数の導電膜103a〜103fを設けた後に素子群102と複数の導電膜103a〜103fを電気的に接続するように設けてもよい。これらの具体例に関して図3を参照して説明する。
図3(A)は、基板101上に複数の薄膜トランジスタ105a〜105dを含む素子群102を設け、当該素子群102の上方に導電膜103a〜103fを形成することにより半導体装置を作製する例を示している。なお、図3は、図2(C)におけるA−B間の模式図を示している。導電膜103a〜103fは、スパッタ法、CVD法、スクリーン印刷法または液滴吐出法等を用いて形成することができる。特に、スクリーン印刷法や液滴吐出法を用いることによって、直接導電膜のパターンを形成することができるため、材料の利用効率や工程の簡略化を図ることができる。
例えば、スクリーン印刷法を用いる場合には、基板101上に薄膜トランジスタ105a〜105dを有する素子群102を形成した後、当該薄膜トランジスタ105a、105dと導電膜103a、103fと接続するための開口部を設ける。その後、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することにより導電膜103a〜103fを形成する。また、導電膜の形成にあたり、ペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、ペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。
本実施の形態で示す半導体装置において、スクリーン印刷法や液滴吐出法によりアンテナとして機能する複数の導電膜103a〜103fを形成する場合、複数の導電膜103a〜103fの各々が隣接する導電膜と接続部の無い線状の単純な形状を有しているため、導電膜をループ状や渦巻き状に設ける場合と比較して、導電膜を形成する際の接触不良等を抑制し歩留まりの向上を図ることができる。
他にも、図3(B)に示すように、基板101上に設けられた複数の薄膜トランジスタ105a〜105dを含む素子群102を設け、それとは別に基板106上に複数の導電膜103a〜103fを設け、その後、薄膜トランジスタ105a、105dと導電膜103a、103fとがそれぞれ電気的に接続されるように基板101と基板106とを貼り合わせる。基板106としては、上述した基板101の材料のいずれかを用いることができる。また、基板101と基板106との貼り合わせとして、ここでは接着性を有する樹脂107に含まれた導電性微粒子108を用いることによって、素子群に含まれるトランジスタとアンテナとして機能する導電膜との接続を行うことができる。また、他にも銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤、ACP(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着剤や半田接合等を用いて接続することも可能である。
なお、本発明の半導体装置に含まれる薄膜トランジスタの構造は上述した図3の構造に限られない。例えば、図3では、n型の薄膜トランジスタ105a、105cのゲート電極の側面に接して設けられたサイドウォールの下方に位置する半導体膜にLDD領域を設け、p型の薄膜トランジスタ105b、105dにはLDD領域を設けていないが、両方にLDD領域を設けた構成としてもよいし、両方にLDD領域およびサイドウォールを設けない構造(図11(A))とすることもできる。また、薄膜トランジスタの構造として上述した構造に限られず、チャネル形成領域が1つ形成されるシングルゲート構造でもよいし、2つ形成されるダブルゲート構造または3つ形成されるトリプルゲート構造等のマルチゲート構造を用いることができる。また、ボトムゲート構造としてもよいし、チャネル形成領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極を有するデュアルゲート型としてもよい。また、ゲート電極を積層構造で設ける場合に、ゲート電極下方に形成される第1の導電膜117aと当該第1の導電膜117a上に形成される第2の導電膜117bで設け、当該第1の導電膜117aをテーパー状で形成し、第1の導電膜にのみ重なるようにソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域より低い濃度の不純物領域を設ける構造(図11(B))で設けることもできる。また、ゲート電極を積層構造で設ける場合に、ゲート電極の下方に形成される第1の導電膜117aと当該第1の導電膜117a上に形成される第2の導電膜117bで設け、当該第2の導電膜117bの側壁に接し且つ第1の導電膜117aの上方に形成されるようにサイドウォールを設ける構造(図11(C))とすることも可能である。また、上記構成において、半導体膜のソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域をNi、Co、W、Mo等のシリサイドで設けることも可能である。なお、薄膜トランジスタの他にSi等の半導体基板上に当該基板をチャネルとして利用する電界効果型トランジスタや有機材料をチャネルとして利用する有機TFT等で設けることも可能である。
以上のように、本実施の形態で示す半導体装置は、湾曲させて複数の導電膜の端部同士を接続することによりはじめて非接触でデータのやりとりが可能となる。従って、曲面を有する商品に半導体装置を設ける場合であっても、複数の導電膜の端子同士を接続するように設けることによって、通信距離の低下を抑制することができる。また、半導体装置の湾曲の有無で半導体装置とリーダ/ライタとのデータのやりとりの有無を選択することができるため、商品を購入後に消費者がデータのやりとりの有無を選択することによって、第3者等への情報の漏洩を防ぎ、プライバシーを保護することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態とは異なる半導体装置の一例に関して図面を参照して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、少になくとも基板201上に設けられた素子群202と、アンテナとして機能する導電膜203(図中斜線部)とを有している。導電膜203は、梯子状となるように、互いに平行な2本の導電膜(ここでは、y軸方向に平行な導電膜203aおよび203b)の間に当該2つの導電膜を電気的に接続するように複数の導電膜が設けられている(図4(A))。具体的には、複数の導電膜の一方の端部の各々は2本の導電膜のいずれか一方に接続され、複数の導電膜の他方の端部の各々は2本の導電膜の他方に接続され、複数の導電膜は互いに隣接する導電膜同士が直接接続されないように設けられている。なお、複数の導電膜は、どのように設けてもよく、例えば図4(A)に示すようにX軸方向に平行になるように設けてもよいし、図14(A)に示すようにX軸方向に対して傾斜角を有するように平行に設けてもよいし、図14(B)に示すようにランダムに設けてもよい。また、導電膜203の端部210a、210bはそれぞれ素子群202に電気的に接続されている。
基板201としては、可撓性を有するガラス基板、石英基板、セラミック基板またはステンレスを含む金属基板等を用いる事ができる。これらの基板は、例えば、基板上に素子群102等を形成した後に、基板を薄膜化することによって可撓性を有する基板とすることができる。他にもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックやアクリル等の可倒性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能である。また、このような基板であれば、その面積や形状、大きな制限が無いため、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることが可能となる。このような利点は円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
素子群202としては、少なくともトランジスタ、ダイオードまたは太陽電池等を有する半導体素子から構成されている。トランジスタとしては、ガラス等の剛性を有する基板上に形成された半導体膜をチャネルとして利用する薄膜トランジスタ(TFT)、Si等の半導体基板上に当該基板をチャネルとして利用する電界効果型トランジスタ(FET)または有機材料をチャネルとして利用する有機TFT等で設けることができる。また、ダイオードとしては、可変容量ダイオード、ショットキーダイオードまたはトンネルダイオード等の各種ダイオードを適用することができる。本発明では、これらのトランジスタやダイオード等を用いることよって、CPU、メモリまたはマイクロプロセッサ等のありとあらゆる集積回路を設けることができる。
導電膜203としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、及びニッケル(Ni)等の金属または金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いて、スパッタ法、CVD法またはめっき法等をもちいて形成することができる。また、他にも、液滴吐出法(イングジェット法とも呼ばれる)やスクリーン印刷法等の印刷法を用いて導電性のペーストを用いて形成することができる。導電性ペーストとしては、粒径が数μmから数十μmの導電帯粒子を有機樹脂に溶解又は分解させたものを用いることができる、導電性粒子としては、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、およびチタン(Ti)、等のいずれか一つ以上金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子バインダー、溶媒、分散剤及び被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、珪素樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、ペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、ペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。
本実施の形態で示す半導体装置は、基板201を湾曲等することにより立体化させた際に導電膜203がアンテナとして機能することを特徴としている(図4(B)、(C))。なお、上記実施の形態で示した半導体装置では、基板201を湾曲させた際に複数の導電膜の端部同士を接続する必要があったが、本実施の形態で示す半導体装置は、導電膜203の端部を接続させることなくアンテナとして機能することが可能となる。具体的には、基板201の湾曲に伴い導電膜203も湾曲し、磁界の変化に伴い誘導起電力を生じるようになるため、アンテナとして機能することが可能となる。
また、本実施の形態で示す半導体装置は、湾曲させた場合に導電膜203がアンテナとして機能し、半導体装置と外部機器(リーダ/ライタ)と間においてデータのやりとりが可能となる。そのため、利用者が自分の意志で商品に設けられた半導体装置とリーダ/ライタとのデータのやりとりを制御することが可能となる。また、基板201をどの程度湾曲させるかによって、通信距離を制御することが可能となるため、消費者の利用形態に応じて通信距離を変化させて用いることができる。
また、本実施の形態で示す半導体装置においても、上記図3に示したように、導電膜203は基板201上に設けられた素子群202の上方に作り込んで設けてもよいし、素子群202が設けられた基板とは別の基板上に導電膜203を設けた後に、素子群202と導電膜203とを電気的に接続するように設けてもよい。他にも、図10に示すように、基板206上に設けられたアンテナとして機能する導電膜203とSi等の半導体基板211上にチャネル領域が形成されたトランジスタ205を含む素子群202とが電気的に接続するように貼り合わせることによって設けることも可能である。なお、図10(A)のC−D間の断面図の模式図が図10(B)に相当する。
また、導電膜203が設けられた基板206と素子群202が設けられた基板206との貼り合わせとして、例えば、接着性を有する樹脂207に含まれた導電性微粒子208を用いることによって、素子群に含まれるトランジスタとアンテナとして機能する導電膜との接続を行うことができる。また、他にも銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤、ACP(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着剤や半田接合等を用いて接続することも可能である。
もちろん、上記実施の形態においても図10に示したように、Si等の半導体基板211にチャネル領域が形成されたトランジスタ205を有する素子群202と、別の基板に設けられたアンテナとして機能する導電膜(上記実施の形態における導電膜103a、103f)とを貼り合わせて設けることができる。
以上のように、本実施の形態で示す半導体装置は、アンテナとして機能する導電膜を湾曲させることにより非接触でデータのやりとりが可能となる。従って、曲面を有する商品に半導体装置を設ける場合であっても、当該導電膜を湾曲させて設けることにより導電膜がアンテナとして機能し、データのやりとりを行うことができる。また、導電膜の湾曲の有無で半導体装置とリーダ/ライタとのデータのやりとりの有無を選択することができるため、商品を購入後に消費者がデータのやりとりの有無を選択することによって、第3者等への情報の漏洩を防ぎ、プライバシーを保護することが可能となる。また、導電膜の湾曲の程度によって通信距離を制御することができるため、利用者の用途に応じて通信距離を制御しプライバシーを保護することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の作製方法の一例に関して図面を参照して説明する。具体的には、薄膜トランジスタ、記憶素子及びアンテナを含む半導体装置の作製方法について、図面を参照して説明する。
まず、基板701の表面に剥離層702を形成し、その後当該剥離層702上に絶縁膜703を介して非晶質半導体膜704(例えば非晶質珪素を含む膜)を形成する図5(A))。
基板701は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁膜を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いるとよい。このような基板701であれば、その面積や形状に大きな制限はないため、基板701として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。また、Si等の半導体基板を用いてもよい。
剥離層702は、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD等法を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気化におけるプラズマ処理、酸素雰囲気化における加熱処理を行うことによって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物を設けることができる。例えば、金属膜としてスパッタ法により形成したタングステン膜を設けた場合、タングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸化物からなる金属酸化膜を形成することができる。また、この場合、タングステンの酸化物は、WOxで表され、Xは2〜3であり、Xが2の場合(WO2)、Xが2.5の場合(W2O5)、Xが2.75の場合(W4O11)、Xが3の場合(WO3)などがある。タングステンの酸化物を形成するにあたり、上記に挙げたXの値に特に制約はなく、エッチングレート等を基に、どの酸化物を形成するかを決めるとよい。また、プラズマ処理の条件として、例えば、高周波(マイクロ波等)を用いて高密度(好ましくは、1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下)、且つ低電子温度(好ましくは0.5eV以上1.5eV以下)の条件下(以下、「高密度プラズマ」とも記す)で行うことにより、金属膜表面に酸化膜を形成することも可能である。また、金属酸化膜の他にも、金属窒化物や金属酸化窒化物を用いてもよい。この場合、金属膜に窒素雰囲気下または窒素と酸素雰囲気下でプラズマ処理や加熱処理を行えばよい。プラズマ処理の条件としては、上記と同様にして行うことが可能である。
絶縁膜703は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。下地となる絶縁膜が2層構造の場合、例えば、1層目として窒化酸化珪素膜を形成し、2層目として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜として酸化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。または、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜は、基板701からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。
非晶質半導体膜704は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。
次に、非晶質半導体膜704を結晶化法(レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とレーザ結晶化法を組み合わせた方法等)により結晶化して、結晶質半導体膜を形成する。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にパターニングして、結晶質半導体膜706〜710を形成する(図5(B))。なお、剥離層702、絶縁膜703および非晶質半導体膜704は、連続して形成することができる。
結晶質半導体膜706〜710の作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚66nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、必要に応じてレーザ光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理によって結晶質半導体膜706〜710を形成する。
レーザ結晶化法で結晶質半導体膜を形成する場合、連続発振型のレーザビーム(CWレーザビーム)やパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。なお、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arイオンレーザ、またはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体膜がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
また、結晶化を助長する金属元素を用いて非晶質半導体膜の結晶化を行うと、低温で短時間の結晶化が可能となるうえ、結晶の方向が揃うという利点がある一方、金属元素が結晶質半導体膜に残存するためにオフ電流が上昇し、特性が安定しないという欠点がある。そこで、結晶質半導体膜上に、ゲッタリングサイトとして機能する非晶質半導体膜を形成するとよい。ゲッタリングサイトとなる非晶質半導体膜には、リンやアルゴンの不純物元素を含有させる必要があるため、好適には、アルゴンを高濃度に含有させることが可能なスパッタ法で形成するとよい。その後、加熱処理(RTA法やファーネスアニール炉を用いた熱アニール等)を行って、非晶質半導体膜中に金属元素を拡散させ、続いて、当該金属元素を含む非晶質半導体膜を除去する。そうすると、結晶質半導体膜中の金属元素の含有量を低減又は除去することができる。
次に、結晶質半導体膜706〜710を覆うゲート絶縁膜705を形成する。ゲート絶縁膜705は、CVD法やスパッタ法等により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層して形成する。具体的には、酸化珪素を含む膜、酸化窒化珪素を含む膜、窒化酸化珪素を含む膜を、単層又は積層して形成する。
また、ゲート絶縁膜705は、結晶質半導体膜706〜710に対し前述の高密度プラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素(NO2)、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、高密度プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(若しくは窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さは理想的には、ばらつきをきわめて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界でも酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
ゲート絶縁膜は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
また、半導体膜に対し、連続発振レーザ若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザビームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた結晶質半導体膜706〜710は、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁層を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高いトランジスタ(TFT)を得ることができる。
次に、ゲート絶縁膜705上に、第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。第1の導電膜は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、公知の手段により、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル(TaN)膜とタングステン(W)膜、窒化タングステン(WN)膜とタングステン膜、窒化モリブデン(MoN)膜とモリブデン(Mo)膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、ゲート電極として機能する導電膜(ゲート電極とよぶことがある)716〜725を形成する。
次に、フォトリソグラフィ法により、レジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体膜706、708〜710に、イオンドープ法又はイオン注入法により、N型を付与する不純物元素を低濃度に添加して、N型不純物領域711、713〜715とチャネル形成領域780、782〜784を形成する。N型を付与する不純物元素は、15族に属する元素を用いれば良く、例えばリン(P)、砒素(As)を用いる。
次に、フォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体膜707に、P型を付与する不純物元素を添加して、P型不純物領域712とチャネル形成領域781を形成する。P型を付与する不純物元素は、例えばボロン(B)を用いる。
次に、ゲート絶縁膜705と導電膜716〜725を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタ法)により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層又は積層して形成する。次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、導電膜716〜725の側面に接する絶縁膜(サイドウォールともよばれる)739〜743を形成する(図5(C))。また、絶縁膜739〜743の作製と同時に、ゲート絶縁膜705がエッチングされたゲート絶縁膜734〜738を形成する。絶縁膜739〜743は、後にLDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
次に、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、絶縁膜739〜743をマスクとして用いて、結晶質半導体膜706、708〜710にN型を付与する不純物元素を添加して、第1のN型不純物領域(LDD領域ともよぶ)727、729、731、733と、第2のN型不純物領域726、728、730、732とを形成する。第1のN型不純物領域727、729、731、733が含む不純物元素の濃度は、第2のN型不純物領域726、728、730、732の不純物元素の濃度よりも低い。上記工程を経て、N型の薄膜トランジスタ744、746〜748と、P型の薄膜トランジスタ745が完成する。
なお、LDD領域を形成するためには、サイドウォールの絶縁膜をマスクとして用いる手法がある。サイドウォールの絶縁膜をマスクとして用いる手法は、LDD領域の幅の制御が容易であり、また、LDD領域を確実に形成することができる。
続いて、薄膜トランジスタ744〜748を覆うように、絶縁膜を単層又は積層して形成する(図6(A))。薄膜トランジスタ744〜748を覆う絶縁膜は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ、シロキサン等の有機材料等により、単層又は積層で形成する。シロキサン系の材料とは、例えば、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質、又は、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基にフッ素、アルキル基、芳香族炭化水素の少なくとも1つを含む物質に相当する。例えば、薄膜トランジスタ744〜748を覆う絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜749として酸化珪素を含む膜を形成し、2層目の絶縁膜750として樹脂を含む膜を形成し、3層目の絶縁膜751として窒化珪素を含む膜を形成するとよい。
なお、絶縁膜749〜751を形成する前、又は絶縁膜749〜751のうちの1つ又は複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザアニール法又はRTA法などを適用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法により絶縁膜749〜751をエッチングして、N型不純物領域726、728〜732、P型不純物領域785を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電膜を形成し、当該導電膜をパターン加工して、ソースドレイン配線として機能する導電膜752〜761を形成する。
導電膜752〜761は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜752〜761は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン(TiN)膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜752〜761を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
次に、導電膜752〜761を覆うように、絶縁膜762を形成する(図6(B))。絶縁膜762は、SOG法、液滴吐出法またはスクリーン印刷法やグラビア印刷法等の印刷法を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。また、絶縁膜762は、好適には、0.75μm〜3μmの厚さで形成する。
続いて、フォトリソグラフィ法により絶縁膜762をエッチングして、導電膜757、759、761を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電膜を形成する。導電膜は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)を用いて、導電性材料により形成する。次に、導電膜をパターン加工して、導電膜763〜765を形成する。なお、導電膜763〜765は、記憶素子が含む一対の導電膜のうちの一方の導電膜となる。従って、好適には、導電膜763〜765は、チタン、又はチタンを主成分とする合金材料若しくは化合物材料により、単層又は積層で形成するとよい。チタンは、抵抗値が低いため、記憶素子のサイズの縮小につながり、高集積化を実現することができる。また、導電膜763〜765を形成するためのフォトリソグラフィ工程においては、下層の薄膜トランジスタ744〜748にダメージを与えないために、ウエットエッチング加工を行うとよく、エッチング剤にはフッ化水素(HF)又はアンモニア過水を用いるとよい。
次に、導電膜763〜765を覆うように、絶縁膜766を形成する。絶縁膜766は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。また、絶縁膜762は、好適には、0.75μm〜3μmの厚さで形成する。続いて、フォトリソグラフィ法により、絶縁膜766をエッチングして、導電膜763〜765を露出させるコンタクトホール767〜769を形成する。
次に、導電膜765に接し、アンテナとして機能する導電膜786を形成する(図7(A))。導電膜786は、CVD法、スパッタリング法、印刷法、液滴吐出法、印刷法等を用いて、導電性材料により形成する。好ましくは、導電膜786は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。例えば、導電膜786は、スクリーン印刷法を用いて形成することができる。
スクリーン印刷法を用いて導電膜786を形成する場合、まず、印刷版上面に導電性ペーストを乗せ、スクレッパによりラインパターン形成部に開口された印刷版の開口部及び全面に導電性ペーストを形成する。ここで、印刷版として例えばメッシュ数#40〜600を使用し、導電性ペーストとして例えば銀樹脂(住友電気工業株式会社、品名AGEP201X、樹脂バインダーとしてポリエステルを使用)を用いる事ができる。また、導電性ペーストとして銀樹脂を用いる場合、スクレッパと印刷版は非接触の位置でスクレッパ移動速度3〜300mm/secとして銀樹脂コーティングを行うと良い。次に、スキージを用いて導電性ペーストを形成する。このとき導電性ペーストをスキージに接触させ、押し込み圧力は圧縮空気を用いて0.14〜0.17Mpaとし、移動速度3〜300mm/secとして形成すると良い、その後、200〜300℃30分間焼成することにより導電膜786が形成される。なお、本実施の形態では、アンテナとして機能する導電膜786は、上記実施の形態に示したいずれかの形状を有しており、ループ状や渦巻き状に設ける場合と比較して単純な形状であるため、導電膜を形成する際の接触不良等を抑制し歩留まりの向上を図ることができる。
次に、導電膜763、764に接するように記憶素子として機能する有機化合物層787を形成する(図7(B))。記憶素子としては、電気的作用、光学的作用又は熱的作用等により、その性質や状態が変化する材料を用いることができる。例えば、ジュール熱による溶融、絶縁破壊等により、その性質や状態が変化し、下部電極と、上部電極とが短絡(ショート)することができる材料を用いればよい。そのため記憶素子に用いる層(ここでは有機化合物層)の厚さは、5nmから100nm、好ましくは10nmから60nmとするとよい。
ここでは、有機化合物層787は、液滴吐出法、スピンコート法、蒸着法等により形成する。続いて、有機化合物層787に接するように、導電膜771を形成する。導電膜771は、スパッタ法やスピンコート法、液滴吐出法、蒸着法等により形成する。
以上の工程を経て、導電膜763と有機化合物層787と導電膜771との積層体からなる記憶素子部789および導電膜764と有機化合物層787と導電膜771との積層体からなる記憶素子部790が完成する。
なお、上記の作製工程では、有機化合物層787の耐熱性が強くないため、アンテナとして機能する導電膜786を形成する工程の後に、有機化合物層787を形成する工程を行うことを特徴とする。
有機化合物層に用いる有機材料としては、例えば、4、4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物、ポリビニルカルバゾール(略称:PVK)やフタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物等を用いることができる。これら材料は、正孔輸送性の高い物質である。
また、他にも有機材料として、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。これら材料は、電子輸送性が高い物質である。
さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等の化合物等を用いることができる。
またメモリ材料層は単層構造であっても、積層構造であってもよい。積層構造の場合、上記材料から選び、積層構造することができる。また上記有機材料と、発光材料とを積層してもよい。発光材料として、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略称:TBP)等がある。
また、上記発光材料を分散してなる層を用いてもよい。発光材料分散してなる層において、母体となる材料としては、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)などの金属錯体等を用いることができる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等を用いることができる。
このような有機材料は、熱的作用等によりその性質を変化させるため、ガラス転移温度(Tg)が50℃から300℃、好ましくは80℃から120℃であるとよい。
また、有機材料や発光材料に金属酸化物を混在させた材料を用いてもよい。なお金属酸化物を混在させた材料とは、上記有機材料又は発酵材料と、金属酸化物とが混合した状態、又は積層された状態を含む。具体的には複数の蒸着源を用いた共蒸着法により形成された状態を指す。このような材料を有機無機複合材料と呼ぶことができる。
例えば正孔輸送性の高い物質と、金属酸化物を混在させる場合、当該金属酸化物にはバナジウム酸化物、モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、レニウム酸化物、タングステン酸化物、ルテニウム酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物を用いると好ましい。
また電子輸送性の高い物質と、金属酸化物を混在させる場合、当該金属酸化物にはリチウム酸化物、カルシウム酸化物、ナトリウム酸化物、カリウム酸化物、マグネシウム酸化物を用いると好ましい。
メモリ材料層には、電気的作用、光学的作用又は熱的作用により、その性質が変化する材料を用いればよいため、例えば光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子を用いることもできる。共役高分子として、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンエチニレン類等を用いることができる。また、光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩、o−ニトロベンジルトシレート、アリールスルホン酸p−ニトロベンジルエステル、スルホニルアセトフェノン類、Fe−アレン錯体PF6塩等を用いることができる。
なお、ここでは、記憶素子部789、790として、有機化合物材料を用いた例を示したが、これに限られない。例えば、結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料や第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料等の相変化材料を用いることができる。また、非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料を用いることも可能である。
結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料とは、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、硫黄(S)、酸化テルル(TeOx)、Sn(スズ)、金(Au)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、Co(コバルト)及び銀(Ag)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Ge−Te−Sb−S、Te−TeO2−Ge−Sn、Te−Ge−Sn−Au、Ge−Te−Sn、Sn−Se−Te、Sb−Se−Te、Sb−Se、Ga−Se−Te、Ga−Se−Te−Ge、In−Se、In−Se−Tl−Co、Ge−Sb−Te、In−Se−Te、Ag−In−Sb−Te系材料が挙げられる。また、第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料とは、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びテルル(Te)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Ag−Zn、Cu−Al−Ni、In−Sb、In−Sb−Se、In−Sb−Teが挙げられる。この材料の場合、相変化は2つの異なる結晶状態の間で行われる。また、非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料とは、テルル(Te)、酸化テルル(TeOx)、パラジウム(Pd)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びビスマス(Bi)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Te−TeO2、Te−TeO2−Pd、Sb2Se3/Bi2Te3が挙げられる。
次に、記憶素子部789、790、アンテナとして機能する導電膜786を覆うように、SOG法、スピンコート法、液滴吐出法または印刷法等により、保護膜として機能する絶縁膜772を形成する。絶縁膜772は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの炭素を含む膜、窒化珪素を含む膜、窒化酸化珪素を含む膜、有機材料により形成し、好ましくはエポキシ樹脂により形成する。
次に、剥離層702が露出するように、フォトリソグラフィ法またはレーザ光の照射により絶縁膜をエッチングして、開口部773、774を形成する(図8(A))。
次に、開口部773、774にエッチング剤を導入して、剥離層702を除去する(図8(B))。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF3)を使用する。そうすると、素子形成層791は、基板701から剥離された状態となる。なお、素子形成層791とは、ここでは、薄膜トランジスタ744〜748、記憶素子部789、790の素子群と、アンテナとして機能する導電膜786を合わせたものとする。なお、剥離層702は、全て除去せず一部分を残存させてもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え剥離層の除去に要する処理時間を短縮することが可能となる。また、剥離層702の除去を行った後にも、基板701上に素子形成層791を保持しておくことが可能となる。
素子形成層791が剥離された基板701は、コストの削減のために、再利用するとよい。また、絶縁膜772は、剥離層702を除去した後に、素子形成層791が飛散しないように形成したものである。素子形成層791は小さく薄く軽いために、剥離層702を除去した後は、基板701に密着していないために飛散しやすい。しかしながら、素子形成層791上に絶縁膜772を形成することで、素子形成層791に重みが付き、基板701からの飛散を防止することができる。また、素子形成層791単体では薄くて軽いが、絶縁膜772を形成することで、基板701から剥離した素子形成層791が応力等により巻かれた形状になることがなく、ある程度の強度を確保することができる。
次に、素子形成層791の一方の面を、第1のシート材775に接着させて基板701から完全に剥離する(図9(A))。剥離層702を全て除去せず一部を残した場合には、物理的手段を用いて基板701から素子形成層を剥離する。続いて、素子形成層791の他方の面に、第2のシート材776を設け、その後加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って、第2のシート材776を貼り合わせる。また、第2のシート材776を設けると同時または設けた後に第1のシート材775を剥離し、代わりに第3のシート材777を設ける。そして、加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って、第3のシート材777を貼り合わせる。そうすると、第2のシート材776と第3のシート材777により封止された半導体装置が完成する(図9(B))。
なお、第1のシート材775と第2のシート材776によって封止を行っても良いが、基板701から素子形成層791を剥離するためのシート材と素子形成層791を封止するためのシート材に異なるシート材を用いる場合には、上述したように、第2のシート材776と第3のシート材777で素子形成層791を封止する。これは、例えば、基板701から素子形成層791を剥離する際に、第1のシート材775が素子形成層791のみならず基板701への接着が懸念される場合等、粘着力が弱いシート材を利用したいときに有効となる。
封止に用いる第2のシート材776、第3のシート材777として、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなるフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルム等を利用することができる。また、フィルムは、被処理体と加熱処理と加圧処理が行われるものであり、加熱処理と加圧処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。また、第2のシート材776と第3のシート材777の表面には接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。また、封止後に内部への水分等の侵入を防ぐために封止するシート材にシリカコートを行うことが好ましく、例えば、接着層とポリエステル等のフィルムとシリカコートを積層指せたシート材を利用することができる。
また、第2のシート材776、第3のシート材777として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布したりすることによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した材料や形成方法は、本実施の形態でも利用することができるし、本実施の形態で示した材料や形成方法は上記実施の形態でも利用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、非接触でデータのやりとりが可能である半導体装置の適用例に関して図面を参照して以下に説明する。非接触でデータのやりとりが可能である半導体装置は利用の形態によっては、RFID(Radio Frequency Identification)、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ(Radio Frequency)、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれる。
半導体装置80は、非接触でデータを交信する機能を有し、高周波回路81、電源回路82、リセット回路83、クロック発生回路84、データ復調回路85、データ変調回路86、他の回路の制御を行う制御回路87、記憶回路88およびアンテナ89を有している(図12(A))。高周波回路81はアンテナ89より信号を受信して、データ変調回路86より受信した信号をアンテナ89から出力する回路であり、電源回路82は受信信号から電源電位を生成する回路であり、リセット回路83はリセット信号を生成する回路であり、クロック発生回路84はアンテナ89から入力された受信信号を基に各種クロック信号を生成する回路であり、データ復調回路85は受信信号を復調して制御回路87に出力する回路であり、データ変調回路86は制御回路87から受信した信号を変調する回路である。また、制御回路87としては、例えばコード抽出回路91、コード判定回路92、CRC判定回路93および出力ユニット回路94が設けられている。なお、コード抽出回路91は制御回路87に送られてきた命令に含まれる複数のコードをそれぞれ抽出する回路であり、コード判定回路92は抽出されたコードとリファレンスに相当するコードとを比較して命令の内容を判定する回路であり、CRC回路は判定されたコードに基づいて送信エラー等の有無を検出する回路である。
また、記憶回路としては1つに限定されず、複数設けてもよく、SRAM、フラッシュメモリ、ROMまたはFeRAM等や上記実施の形態で示した有機化合物層を記憶素子部に用いたものを用いることができる。
次に、本発明の非接触でデータの交信が可能な半導体装置の動作の一例について説明する。まず、アンテナ89により無線信号が受信される。無線信号は高周波回路81を介して電源回路82に送られ、高電源電位(以下、VDDと記す)が生成される。VDDは半導体装置80が有する各回路に供給される。また、高周波回路81を介してデータ復調回路85に送られた信号は復調される(以下、復調信号)。さらに、高周波回路81を介してリセット回路83およびクロック発生回路84を通った信号及び復調信号は制御回路87に送られる。制御回路87に送られた信号は、コード抽出回路91、コード判定回路92およびCRC判定回路93等によって解析される。そして、解析された信号にしたがって、記憶回路88内に記憶されている半導体装置の情報が出力される。出力された半導体装置の情報は出力ユニット回路94を通って符号化される。さらに、符号化された半導体装置80の情報はデータ変調回路86を通って、アンテナ89により無線信号に載せて送信される。なお、半導体装置80を構成する複数の回路においては、低電源電位(以下、VSS)は共通であり、VSSはGNDとすることができる。
このように、リーダ/ライタから半導体装置80に信号を送り、当該半導体装置80から送られてきた信号をリーダ/ライタで受信することによって、半導体装置のデータを読み取ることが可能となる。
また、半導体装置80は、各回路への電源電圧の供給を電源(バッテリー)を搭載せず電磁波により行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して電磁波と電源(バッテリー)により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
上記実施の形態で示した構成を用いることによって、折り曲げることが可能な半導体装置を作製することが可能となるため、曲面を有する物体に貼り付けて設けることが可能となる。
次に、可撓性を有する非接触でデータのやりとりが可能な半導体装置の使用形態の一例について説明する。表示部3210を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ3200が設けられ、品物3220の側面には半導体装置3230が設けられる(図12(B))。品物3220が含む半導体装置3230にリーダ/ライタ3200をかざすと、表示部3210に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する際に、リーダ/ライタ3200と、商品3260に設けられた半導体装置3250を用いて、該商品3260の検品を行うことができる(図12(C))。このように、システムに半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。また、上記実施の形態で示したように、曲面を有する物体に貼り付けた場合であっても、半導体装置に含まれるトランジスタ等の損傷を防止し、信頼性の高い半導体装置を提供することが可能となる。
また、上述した非接触データのやりとりが可能である半導体装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適なアンテナを設ければよい。
例えば、半導体装置における信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
また、半導体装置における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよく、例えば、アンテナとして機能する導電膜を線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
アンテナとして機能する導電膜は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、珪素樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
また、上述した材料以外にも、セラミックやフェライト等をアンテナに適用してもよいし、他にもマイクロ波帯において誘電率および透磁率が負となる材料(メタマテリアル)をアンテナに適用することも可能である。
また、電磁結合方式または電磁誘導方式を適用する場合であって、アンテナを備えた半導体装置を金属に接して設ける場合には、当該半導体装置と金属との間に透磁率を備えた磁性材料を設けることが好ましい。アンテナを備えた半導体装置を金属に接して設ける場合には、磁界の変化に伴い金属に渦電流が流れ、当該渦電流により発生する反磁界によって、磁界の変化が弱められて通信距離が低下する。そのため、半導体装置と金属との間に透磁率を備えた材料を設けることにより金属の渦電流を抑制し通信距離の低下を抑制することができる。なお、磁性材料としては、高い透磁率を有し高周波損失の少ないフェライトや金属薄膜を用いることができる。
また、アンテナを設ける場合には、1枚の基板上にトランジスタ等の半導体素子とアンテナとして機能する導電膜を直接作り込んで設けてもよいし、半導体素子とアンテナとして機能する導電膜を別々の基板上に設けた後に、電気的に接続するように貼り合わせることによって設けてもよい。
なお、上述した以外にも可撓性を有する半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図13を用いて説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図13(A))。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図13(B))。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図13(C))。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図13(D))。書籍類とは、書物、本等を指す(図13(E))。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図13(F))。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図13(G))。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図13(H))。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機、腕時計等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等に半導体装置を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。半導体装置の設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。可撓性を有する半導体装置を用いることによって、紙等に設けた場合であっても、上記実施の形態で示した構造を有する半導体装置を用いて半導体装置を設けることにより、当該半導体装置に含まれる素子の破損等を防止することができる。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん現在の体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した材料や形成方法は、本実施の形態でも組み合わせて利用することができるし、本実施の形態で示した材料や形成方法も上記実施の形態でも組み合わせて利用することができる。