JP2007107999A - 顕微鏡画像処理方法及び顕微鏡画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】観察像に含まれるノイズ成分を人為的な操作を用いずに除去できる顕微鏡画像処理方法及び顕微鏡画像処理装置を提供する。
【解決手段】走査透過電子顕微鏡等により取得した画像を最大エントロピー法により画像処理する。この場合、画像取得時の条件から回折波の伝達関数を求め、この伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、インフォメーションリミットの外側部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散σを決定する。その後、ノイズ成分の分散σと画像の各画素の強度ei とを用いてラグランジェ未定乗数λの値が最小値に収束するように像強度を計算する。
【選択図】図3
【解決手段】走査透過電子顕微鏡等により取得した画像を最大エントロピー法により画像処理する。この場合、画像取得時の条件から回折波の伝達関数を求め、この伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、インフォメーションリミットの外側部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散σを決定する。その後、ノイズ成分の分散σと画像の各画素の強度ei とを用いてラグランジェ未定乗数λの値が最小値に収束するように像強度を計算する。
【選択図】図3
Description
本発明は、走査透過電子顕微鏡又はその他の顕微鏡を使用して原子レベルでの高分解能像観察を行う際に使用する顕微鏡画像処理方法及び画像処理装置に関する。
原子配列の高空間分解能像の観察には、走査透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope :STEM)、走査トンネル顕微鏡及び原子間力顕微鏡等が使用されている。特に、走査透過電子顕微鏡を使用した高分解能像観察は、通常の透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を使用した場合に比べて空間分解能が高く、また画像強度が観察試料の原子番号に依存するため(Z−contrast)、原子レベルでの構造や原子種を直接的に評価できる有効な手法として用いられている。
走査透過電子顕微鏡では、原子核により散乱された電子を検出して画像を描画する。微細な構造を観察するためには微細な評価プローブを使用する必要があるが、そのために検出信号が微弱になり、画像のS/N(信号/ノイズ)比が小さくなってしまう。そこで、観察像に含まれるノイズ成分を除去してより正確な原子構造像を把握することが要求されている。
従来から、顕微鏡により得られた画像を画像処理してノイズ成分を除去することが行われている。例えば、特開2001−289754号公報には、シミュレーションソフトを使用して3次元構築画像処理を行い、原子の3次元座標や、原子配列の対称性又は規則性を求め、3次元原子配列構造を決定することが記載されている。
一般的な画像処理として、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:以下、FFTという)等により評価試料の周期構造を強調し、周期構造部分にマスクをかけてノイズ成分を除去するノイズフィルタリング法が知られている。
図1は、FFTを用いたノイズフィルタリング法により周期構造を抽出するノイズ除去処理の一例を示す図である。ここでは、評価試料にSrTiO3 単結晶を用いた例を示している。
走査透過電子顕微鏡により得られた観察像(図1(a))をFFT処理すると、図1(b),(b’)に示すように、周期的な構造に依存した逆格子像が形成される。次に、周期的に強調された部分に抽出したい成分に応じたマスクを挿入し、それ以外の部分をノイズとして除去する。図1(c)は周期構造の部分のみを抽出するときに挿入するマスク(図中白い円の部分)の例を示し、図1(c’)は高周波部分を除去するときに挿入するマスク(図中白い円の部分)の例を示している。
その後、マスクを挿入した部分以外の部分をノイズとして除去する信号処理(逆FFT)を行うと、図1(d),(d’)に示すような画像が得られる。図1(d)は図1(c)に示すマスクを用いたときに得られる画像を示し、図1(d’)は図1(c’)に示すマスクを用いたときに得られる画像を示している。
特開2001−289754号公報
特表2002−528828号公報
Gull S F and Daniell G J (1978) Image reconstruction from incomplete and noisy data. Nature 272: 686-690.
Press W H, Teukolsky S A, Vetterling W T and Flannery B P (1996) Numerical Recipes in FORTRAN, 2nd Edition (Cambridge University Press, Cambridge).
上述したようにFFTを用いた従来のノイズフィルタリング法では、人為的な操作によりマスクの形状、サイズ及び挿入位置等のパラメータを設定することが必要である。そのため、図1に示すように、操作者がパラメータをどのように設定したかにより得られる画像が異なり、定量的な解析に適用することができないという問題点がある。
なお、電磁レンズの球面収差を補正する機構を備えた電子顕微鏡や電子線モノクロメータを備えた電子顕微鏡も開発されており、それらの電子顕微鏡を使用してノイズ成分が少ない画像を描画することが研究されている。しかしながら、それらの電子顕微鏡は高価であるというだけでなく、現状では定量的な評価に必要な十分な安定性を有しているとはいえない。
また、走査トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡による原子像観察においても、極微小領域をスキャンし、微弱なトンネル電流や原子間力の応答により画像を取得しているため、ノイズによる影響は大きく、走査透過電子顕微鏡による原子構造像観察と同様に定量的な評価は難しい。
以上から、本発明の目的は、観察像に含まれるノイズ成分を人為的な操作を用いずに除去できる顕微鏡画像処理方法及び顕微鏡画像処理装置を提供することである。
上記した課題は、顕微鏡により取得した画像を最大エントロピー法により画像処理する顕微鏡画像処理方法であって、前記顕微鏡により取得した画像と画像取得時の条件とを画像処理装置に入力し、前記画像処理装置により、画像取得時の条件から回折波の伝達関数を求め、前記伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、前記インフォメーションリミットの外側の部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散を求め、前記ノイズ成分の分散と画像の各画素の強度とを用いてラグランジェ未定乗数の値が最小値に収束するように像強度を演算することを特徴とする顕微鏡画像処理方法により解決する。
また、上記した課題は、顕微鏡で取得した画像を入力する画像入力部と、画像取得時における実験条件を入力する実験条件入力部と、前記実験条件入力部に入力されたデータにより回折波の伝達関数を求め、該伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、該インフォメーションリミットの外側部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散を求め、前記ノイズ成分の分散とラグランジェ未定乗数とを用いて最大エントロピー法により前記画像入力部から入力した画像を画像処理する画像処理部と、前記画像処理部により画像処理した結果を出力する出力部とを有することを特徴とする顕微鏡画像処理装置により解決する。
本発明では、走査透過電子顕微鏡等により得られた画像に含まれるノイズを人為的な操作を用いずに除去するために、最大エントロピー法(Maximum Entropy Method:以下、MEMという)を利用した画像処理(ノイズフィルタリング)を実施する。FFTを用いたノイズフィルタリング法では周期成分を抽出してノイズ成分を排除するのに対し、MEMを用いたノイズフィルタリング法では反対にノイズ成分を見積って画像からノイズ成分を除去する。
MEMを利用した画像処理は、ノイズ成分の分散とラグランジェ(Lagrange)未定乗数とに依存するため、これらの最適条件の算出方法を確立することが必要となる。本発明においては、顕微鏡により画像を取得するときの条件(以下、実験条件という)から回折波の伝達関数(Transfer function) を求め、この伝達関数からインフォメーションリミット(情報をとる範囲の閾値)を設定し、そのインフォメーションリミットの外側の部分を用いてノイズ成分を見積もることによりノイズ成分の分散を求める。そして、ノイズ成分の分散と画像の各画素(ピクセル)の強度(実験強度)とを用いてラグランジェ未定乗数の最適値(ラグランジェ未定乗数が収束する最小値)を求め、像強度を決定する。このようにして、本発明においては、人為的操作ではなく、実験結果から得られた結果に基づいてノイズ成分を除去する。
なお、顕微鏡により取得した画像には、通常、MEMを利用した画像処理で除去可能なノイズ成分以外にも、強いショットノイズが含まれている。このショットノイズを除去するために、インフォメーションリミット内に分布するノイズ成分をローパスフィルタ(Low pass filter )により最終的に除去することが好ましい。
MEMを画像処理に適用した例として、特表2002−528828号公報には非破壊試験のコンピュータ断層撮影法が記載されている。しかしながら、原子構造の定量的な解析にMEMを利用するためには、ノイズ成分を除去する際に人為的な操作を排除する工夫が必要である。本発明においては、上述したように、画像取得時の条件をパラメータとして伝達関数を計算し、その結果からインフォメーションリミットを設定するので、人為的な操作が排除され、原子構造の定量的な解析が可能になる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図2は、本発明の実施形態の顕微鏡画像処理装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の顕微鏡画像処理装置10はマイクロコンピュータ技術を利用しており、画像入力部11、実験条件入力部12、MEM処理部13、ローパスフィルタ14及び出力部15により構成されている。
画像入力部11には、走査透過電子顕微鏡(STEM)20により取得された画像(実験像)のデータが入力される。また、実験条件入力部12には、実験条件として、STEM20により画像を取得したときの加速電圧、球面収差係数、フォーカス値及び倍率等のデータが入力される。MEM処理部13は、画像入力部11及び実験条件入力部12から入力されたデータを基に、MEMを用いた画像処理を実行する。ローパスフィルタ14は、MEM処理部13により処理された画像に含まれるショットノイズを除去する。出力部15は、ローパスフィルタ14から出力された画像を描画して出力する。
MEMは情報理論から発達した逆問題に対する一種の推定法である。この方法では、逆問題を解くのに逆関数を必要とせず、情報エントロピーを導入することにより不完全なデータを基に、観測値とは誤差の範囲内で一致し、且つ未観測のデータに対しては最も偏りが少なくなるように推定を行う。
この際のエントロピーSは、Gull and Daniellの式により下記(1)式のように定義される。Gull and Daniellの式は、例えばGull S F and Daniell G J (1978) Image reconstruction from incomplete and noisy data. Nature 272: 686-690. に記載されている。
この解を求めるために、下記式(3)〜(5)に示すようにラグランジェ未定乗数法を用いて、微分した値が0となる像強度mi を求める。
図3は、実際の計算の流れを示すフローチャートである。この図3を参照して、本実施形態の顕微鏡画像処理装置の動作を説明する。
まず、MEM処理部13は、STEM20により描画された画像のデータを画像入力部11を介して入力し、画素毎の像強度ei を記憶するとともに、ei の値に応じてmi の値を設定する(ステップS11)。なお、本実施形態ではmi の値を変更してラグランジェ未定乗数λを最適化する。従って、mi の初期値は任意に決めることができる。
次に、MEM処理部13は、実験条件入力部12から実験条件を入力し、インフォメーションリミットを設定する。そして、そのインフォメーションリミットの外側の部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散σを決定する(ステップS12)。インフォメーションリミットは、電子顕微鏡観察において観察可能な分解能を示す値であり、実験条件(レンズ性能や倍率及び加速電圧等)によって計算される回折波の伝達関数により得られる。
暗視野STEM像観察法における位相伝達関数T(Q)は、次式によって与えられる。
図4は、横軸に空間周波数をとり、縦軸に強度をとって、位相伝達関数を計算した結果を示す図である。但し、ここでは、実験条件として、加速電圧を200kV、球面収差係数を1.0mm、フォーカスを−50nmとしている。観察結果として情報が入ってくる範囲は、強度が0になるまでの部分であるので、図4に示す例ではインフォメーションリミットが10nm-1となる。このインフォメーションリミットの外側は完全にノイズ成分のみとなるので、そこからノイズ成分の分散σを割り出す。このときノイズ成分は、0を中心としてガウス分布しているものとする。
次に、MEM処理部13は、ei , mi , σの値からラグランジェ未定乗数λを計算する(ステップS13)。その後、式(3)のQ(m)を最大化するように、ニュートンラプソン法によりmi を計算する(ステップS14)。次いで、得られたmi についてχ2 が1か否かの判定を行う(ステップS15)。そして、χ2 が1でなければmi の値を変更し(ステップS16)、ステップS14に戻ってQ(m)を計算し直す。これらの工程を経て、χ2 =1となればステップS15からステップS18に進み、λが最小値か否かを判定する。
ここで、χ2 が収束しない場合はλの値を変更し(ステップS17)、ステップS13,S14に戻って計算を再度繰り返す。ラグランジェ未定乗数λの値はノイズの度合いにより、数値が小さくなりすぎるとχ2 が収束しなくなるので、望ましくはλ=1として計算を繰り返し、λ=1でχ2 が収束しない場合は、ステップS19においてλの値を変化した後、ステップS13に戻って計算を繰り返す。この判断基準として、計算像のσを再度算出し画像中のノイズの分布を測定する。そして、画像中にノイズ成分が含まれている場合はλの数値を増加して計算を再度行う。最終的にはχ2 =1であり、且つλが最小値となるように計算を繰り返す。
このようにしてMEMによる画像処理が終了したら、ステップS18からステップS20に移行して、ローパスフィルタ14により画像に含まれるショットノイズの除去を行う。その後、ステップS21に移行し、得られた結果を画像として出力部14から出力する。
本発明で最も重要な部分の一つとして、ノイズの分散を見積もる手法として伝達関数により設定されたインフォメーションリミットを使用することがあげられる。
図5(a),(b)は、インフォメーションリミットの設定方法の他の例を示す図である。図5(a)は実際に撮影されたSrTiO3 (100)暗視野STEM高分解能像観察結果を示す図であり、図5(b)は図5(a)の画像をフーリエ変換した結果を示す図である。ノイズ成分のみを実験結果から抽出する設定の条件としては、周期構造を含む部分と含まれない部分とを分けることが重要となる。
一般的に、逆空間における結晶格子の場合、結晶面間隔の逆数の整数倍の間隔で周期構造がスポットで現れる。この例に示すSrTiO3 の場合は、中心から放射状に正方形にスポットが周期的に並び、高次のスポットになるほど強度が低くなる。第二次スポットまでははっきりとした輝点が形成されるが、第三次スポットは殆ど観測されない。しかしながら、第三次スポットの位置にも有限の強度が残っている可能性が高く、その場合はこの範囲までインフォメーションリミット内に入れることが必要である。これら結晶構造の情報がどこまで残っているかの判断は、観察条件、実験環境及び観察者のスキル等に大きく起因するため、最適値を決定することは難しい。そのため、インフォメーションリミットの設定に人為的な操作に基づく誤差が生じる。
一方、本実施形態においては、前述したように実験条件をパラメータとして位相伝達関数を計算することによりインフォメーションリミットを設定しているので、人為的な操作に起因する誤差の介入を防ぐことができる。図6(a)にインフォメーションリミットの外側の部分から見積もった画像に含まれるノイズ成分を示し、図6(b)にノイズ成分の分布を示す。この図6(a),(b)に示すように、ノイズ成分は、画像全体にわたり一様であり、その分布はガウス分布となっている。
図7(a)は暗視野STEM高分解能像観察結果を示す図、図7(b)は本実施形態におけるMEM処理によりノイズ成分を除去した後の画像を示す図、図7(c)は更にショットノイズ除去処理後の画像を示す図である。図7(a)と図7(b)との比較から、MEM処理により画像中のノイズ成分が低減していることがわかる。また、図7(b)と図7(c)との比較から、ショットノイズ除去処理により、画像強度を変化させずにショットノイズのみを除去できていることがわかる。
以上のように、本実施形態では、人為的な操作に基づく解析誤差を排除した画像処理を行うことが可能になり、画像強度から原子種を定量的に評価することができる。また、本実施形態は、マイクロコンピュータを利用した装置で比較的簡単に実現できるので、高額な設備投資を必要としない。
なお、上述の実施形態では本発明を走査透過電子顕微鏡により取得した画像の処理に本発明を適用した例について説明したが、本発明を走査トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡又はその他の顕微鏡により取得した画像の処理に適用してもよいことは勿論である。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)顕微鏡により取得した画像を最大エントロピー法により画像処理する顕微鏡画像処理方法であって、
前記顕微鏡により取得した画像と画像取得時の条件とを画像処理装置に入力し、
前記画像処理装置により、画像取得時の条件から回折波の伝達関数を求め、
前記伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、
前記インフォメーションリミットの外側の部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散を求め、
前記ノイズ成分の分散と画像の各画素の強度とを用いてラグランジェ未定乗数の値が最小値に収束するように像強度を演算することを特徴とする顕微鏡画像処理方法。
前記顕微鏡により取得した画像と画像取得時の条件とを画像処理装置に入力し、
前記画像処理装置により、画像取得時の条件から回折波の伝達関数を求め、
前記伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、
前記インフォメーションリミットの外側の部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散を求め、
前記ノイズ成分の分散と画像の各画素の強度とを用いてラグランジェ未定乗数の値が最小値に収束するように像強度を演算することを特徴とする顕微鏡画像処理方法。
(付記2)更に、前記インフォメーションリミットの内側の部分のノイズをローパスフィルタにより除去することを特徴とする付記1に記載の顕微鏡画像処理方法。
(付記3)前記顕微鏡により取得した画像が、原子像観察画像であることを特徴とする付記1に記載の顕微鏡画像処理方法。
(付記4)前記インフォメーションリミットが、前記伝達関数において強度が0になる空間周波数の値であることを特徴とする付記1に記載の顕微鏡画像処理方法。
(付記5)前記顕微鏡が、走査透過電子顕微鏡、走査トンネル顕微鏡及び原子間力顕微鏡のうちのいずれかであることを特徴とする付記1に記載の顕微鏡画像処理方法。
(付記6)顕微鏡で取得した画像を入力する画像入力部と、
画像取得時における実験条件を入力する実験条件入力部と、
前記実験条件入力部に入力されたデータにより回折波の伝達関数を求め、該伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、該インフォメーションリミットの外側部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散を求め、前記ノイズ成分の分散とラグランジェ未定乗数とを用いて最大エントロピー法により前記画像入力部から入力した画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部により画像処理した結果を出力する出力部と
を有することを特徴とする顕微鏡画像処理装置。
画像取得時における実験条件を入力する実験条件入力部と、
前記実験条件入力部に入力されたデータにより回折波の伝達関数を求め、該伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、該インフォメーションリミットの外側部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散を求め、前記ノイズ成分の分散とラグランジェ未定乗数とを用いて最大エントロピー法により前記画像入力部から入力した画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部により画像処理した結果を出力する出力部と
を有することを特徴とする顕微鏡画像処理装置。
(付記7)前記画像処理部と前記出力部との間に、前記画像処理部により処理された画像に含まれるショットノイズを除去するローパスフィルタを有することを特徴とする付記6に記載の顕微鏡画像処理装置。
10…顕微鏡画像処理装置、
11…画像入力部、
12…実験条件入力部、
13…MEM(最大エントロピー法)処理部、
14…ローパスフィルタ、
15…出力部、
20…STEM(走査透過電子顕微鏡)。
11…画像入力部、
12…実験条件入力部、
13…MEM(最大エントロピー法)処理部、
14…ローパスフィルタ、
15…出力部、
20…STEM(走査透過電子顕微鏡)。
Claims (5)
- 顕微鏡により取得した画像を最大エントロピー法により画像処理する顕微鏡画像処理方法であって、
前記顕微鏡により取得した画像と画像取得時の条件とを画像処理装置に入力し、
前記画像処理装置により、画像取得時の条件から回折波の伝達関数を求め、
前記伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、
前記インフォメーションリミットの外側の部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散を求め、
前記ノイズ成分の分散と画像の各画素の強度とを用いてラグランジェ未定乗数の値が最小値に収束するように像強度を演算することを特徴とする顕微鏡画像処理方法。 - 更に、前記インフォメーションリミットの内側の部分のノイズをローパスフィルタにより除去することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡画像処理方法。
- 前記顕微鏡により取得した画像が、原子像観察画像であることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡画像処理方法。
- 顕微鏡で取得した画像を入力する画像入力部と、
画像取得時における実験条件を入力する実験条件入力部と、
前記実験条件入力部に入力されたデータにより回折波の伝達関数を求め、該伝達関数の計算結果からインフォメーションリミットを設定し、該インフォメーションリミットの外側部分を平均ノイズ成分としてノイズ成分の分散を求め、前記ノイズ成分の分散とラグランジェ未定乗数とを用いて最大エントロピー法により前記画像入力部から入力した画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部により画像処理した結果を出力する出力部と
を有することを特徴とする顕微鏡画像処理装置。 - 前記画像処理部と前記出力部との間に、前記画像処理部により処理された画像に含まれるショットノイズを除去するローパスフィルタを有することを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡画像処理装置。
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2005
- 2005-10-13 JP JP2005298798A patent/JP2007107999A/ja not_active Withdrawn
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