JP2007107140A - アスベスト作業用使い捨て式フード - Google Patents

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Akira Osumi
彰 大角
Maki Shinomiya
真樹 篠宮
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Koken Co Ltd
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Abstract

【課題】アスベスト作業における付着アスベストの再飛散を防止できる作業性に優れた使い捨て式フードを提供する。
【解決手段】透明プラスチックシートからなるアイピースと半面形呼吸用保護具のフィルタ用開口をもつ頭部フード本体に肩部まで及ぶ外側身頃と首回り用内側身頃とを取りつけ、脱装時に表面に付着したアスベスト類を再飛散させずに封じ込めるようにした使い捨てフード。
【選択図】図1

Description

本発明はアスベストを用いた建造物の解体工事等の作業時に用いるに適した使い捨て式フードに関し、特に、半面形呼吸用保護具と一体的に用いるための使い捨て式フードに関する。
近年、アスベストの処理が大きな社会問題となっており、アスベストを用いてつくられた個所をもつ建造物の解体作業等に当っては一定基準を満たす呼吸用保護具や使い捨て式の防護服等の使用が義務づけられるようになってきた。
使い捨て式の防護服については原子力発電所やダイオキシン対策用、家畜感染症用、塗装作業用、食品加工用等が以前から存在している。これらの防護服は防護服内部に清浄空気を送り込み、防護服内部を陽圧にして外部からの汚染粒子の侵入を防止する気密服であったり、あるいは、カバーオール型で頭部まで覆うフードが付いており、防じんマスクや防毒マスク、ゴーグル等を装着する顔の部分のみが開口しているタイプの防護服であったりする。アスベストの解体作業においても身体にアスベストが付着しないようカバーオール型の防護服が着用されている。
しかしながら、そのほとんどの防護服は脱装時の防護性について考慮されていない。アスベストの解体作業において、とりわけ大量のアスベストが堆積していると思われる頭部及び肩部は、防護服の脱装時にアスベストを再飛散させる恐れがある。再飛散させた場合、再度アスベストが空中に浮遊することとなりその処理に手間がかかり、また、廃棄する場合にもアスベストを少量吸入しただけでも中皮種等を引き起こすことがあるので、防護服の脱装時においても防護性を考慮する必要がある。
本発明者等は防護服の脱装時に頭部及び肩部に堆積したアスベストを再飛散させることを防止する手段について鋭意検討し、フードを組合せることを着想した。従来のアスベスト作業では使い捨てフードを用いる試みはなされていない。そこでこの種作業に利用しうるフードを、従来提案されてきたフード(たとえば特許文献1、特許文献2、特許文献3)を転用することを前提に検討した。しかし従来提案されているフードはいずれもアスベスト作業での使用には、使い易さ、アスベストの再飛散防止性その他に問題があることが判明した。
特開2003−135611号公報 実用平2−20559号公報 実用昭59−154269号公報
前記したように、本発明者等はアスベスト作業においては頭部及び肩部にアスベストが堆積しやすいことに着目し、この堆積アスベストを再飛散させることなく、しかも安全に廃棄できる手段を確立すべく鋭意検討した結果、取り扱いが容易でしかも脱装時に堆積したアスベストを再飛散させることなく廃棄できる使い捨て式フードの開発に成功した。
本発明は、第1に、透明プラスチックシートからなるアイピースと半面形呼吸用保護具のフィルタ用開口をもつ頭部フード本体に肩部まで及ぶ外側身頃と首回り用内側身頃とを取りつけてなるアスベスト作業に適する使い捨て式フードである。
本発明は、第2に、頭部フード本体、外側身頃及び内側身頃が同じ布帛材料からなる上記の使い捨て式フードである。
本発明は、第3に、外側身頃の背側の丈が胸側の丈より長い上記の使い捨て式フードである。
本発明は、第4に、フード付きカバーオール型の防護服と組合せてなる上記の使い捨て式フードである。
本発明は、第5に、半面形呼吸用保護具のフィルタ用開口及び内側身頃の首回り部が伸縮構造となっている上記の使い捨て式フードである。
本発明は、第6に、外側身頃の胸側と背側の両端部に把持手段をもつ上記の使い捨て式フードである。
本発明は、第7に、外側身頃の胸側と背側の両端部に固定手段をもつ上記の使い捨て式フードである。
本発明の使い捨て式フードは、半面形呼吸用保護具を装着し、且つ通常フード付きカバーオール型の防護服を装着した上に、独立して装着する。脱装時には、端部から上方に脱装することで全体が反転して袋状とすることで、頭部や肩部に堆積したアスベストを再飛散させることなく、反転させた袋状フード内にとじ込めた状態で廃棄することができる。
本発明の使い捨て式フードを図面を用いて説明する。
図1は本発明の使い捨て式フードの一例を示す概略正面図であり、図2はその使用状態を示す概略正面図である。1はフード本体、2は外側身頃、3は半面形呼吸用保護具のフィルタを取り付けるための開口、4は内側身頃の首回り、5は透明プラスチックシートからなるアイピースである。
フード本体、外側身頃及び内側身頃の材質としてはポリエチレンやポリプロピレン等からなる不織布やナイロンやポリエステル等からなる編織物やフィルム等の柔軟なシート状物があるが、当然のことながら作業中に内部にアスベスト片が侵入しない表面特性をもっている必要がある。作業性を高めるために湿分透過性布帛等を用いることも好ましい。本発明に適する素材の一例としてデュポン社から市販されている「タイベック」と称する不織布がある。フード本体と外側身頃と内側身頃は同じ素材を用い、これらを縫製して図示するようなフード構造とすることが好ましい。
本発明の使い捨て式フードは使用後の脱装性に優れ且つ外部表面に付着したアスベスト類を再飛散させることなく容易に封じ込めることができることが重要であり、そのために外側身頃の背側(後身頃)と胸側(前身頃)の端に取っ手や穴等の把持手段を設けることが望ましい。また後身頃の丈を前身頃の丈より若干長くすることが好ましい。また、図3に示すように前身頃と後身頃の端部にマジックファスナやホック等の固定手段6を取りつけて反転させた後の袋状物の上端部を固定できる構造にすることも好ましい。
半面形呼吸用保護具はフィルタが1個のものに限らず2個以上のものも用いうる。フード本体にはフィルタの数に応じフィルタ用開口を設ける。この開口部はゴムひも等を用いて密封性と脱着容易性を確保することが望ましい。内側身頃の首回り部も同様の伸縮構造とすることが好ましい。
本発明の使い捨て式フードはフード付きカバーオール型の防護服を装着して、その上に独立したフードとして装着して使用することが好ましい。
アイピースとしてはポリエステルフィルム等の透明プラスチック製シートからなるものが好ましく、特に表面に防曇処理を施したものが好ましい。アイピースは縫製や接着によってフード本体に取りつけられる。
本発明の使い捨て式フードの大きさは、ヘルメットを装着した状態でもその上からの装着と使用後の脱装性に優れたものであるべきである。
ここで使用後の脱装作業の典型例について述べると、まずフード前面の前身頃端部の把持手段を持ってフードを上方にめくり、次いでフィルタとマスク面に密着しているフィルタ用開口をフィルタ下部方向から外し、次いで後身頃端部の把持手段を持ってフードを上方に捲り上げ、頭頂部で前身頃端部と後身頃端部を合せて汚染表面を包み込んだ袋状にしつつ全体を取りはずす。その後両端部にマジックテープ等の固定手段がある場合は同手段で袋形状を固定した上廃棄処理する。
このようにしてアスベスト作業から最後の廃棄処分までを簡単な操作で安全且つ確実に行うことが可能となる。
本発明の使い捨て式フードの一例を示す概略正面図。 図1の使い捨て式フードの使用状態を示す概略正面図。 図1の使い捨て式フードに固定手段を取りつけた概略正面図。
符号の説明
1 フード本体
2 外側身頃
3 半面形呼吸用保護具のフィルタ用開口
4 内側身頃の首回り
5 アイピース
6 固定手段

Claims (7)

  1. 透明プラスチックシートからなるアイピースと半面形呼吸用保護具のフィルタ用開口をもつ頭部フード本体に肩部まで及ぶ外側身頃と首回り用内側身頃とを取りつけてなるアスベスト作業に適する使い捨て式フード。
  2. 頭部フード本体、外側身頃及び内側身頃が同じ布帛材料からなる請求項1記載の使い捨て式フード。
  3. 外側身頃の背側の丈が胸側の丈より長い請求項1又は2記載の使い捨て式フード。
  4. フード付きカバーオール型の防護服と組合せてなる請求項1〜3のいずれか1項記載の使い捨て式フード。
  5. 半面形呼吸用保護具のフィルタ用開口及び内側身頃の首回り部が伸縮構造となっている請求項1〜4のいずれか1項記載の使い捨て式フード。
  6. 外側身頃の胸側と背側の両端部に把持手段をもつ請求項1〜5のいずれか1項記載の使い捨て式フード。
  7. 外側身頃の胸側と背側の両端部に固定手段をもつ請求項1〜6のいずれか1項記載の使い捨て式フード。
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