JP2007106638A - ガラス回転体の製造方法及びその装置 - Google Patents

ガラス回転体の製造方法及びその装置 Download PDF

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Atsushi Ichinose
淳 市之瀬
Hiroshi Akitake
浩 秋竹
Masato Nakahama
正人 中濱
Keisuke Yoshikuni
啓介 吉國
Hideto Iijima
秀人 伊井島
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Abstract

【課題】ガラス塊を収容した成形容器を回転させることで、ガラス塊を自重と遠心力の作用で成形容器内で転動させ、大きな寸法の回転体を得る。
【解決手段】ガラス塊2を加熱するヒータ9と、このガラス塊2を収容する成形容器4と、この成形容器4を、その支持軸5を中心として回転させる従動ギヤ14と駆動ギヤ15、及び電動モータ16を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス塊を加熱軟化して転動させ、所定形状のガラス回転体を得るガラス回転体の製造方法及びその装置に関する。
従来から、光学機器に使用されるガラスレンズを成形手段により成形する技術が開示されている。例えば特許文献1には、体積管理されたガラス予備素材を熱間加工により自重による変形と表面張力による変形とを組み合わせて概略球体状に加工し、これを研磨加工(冷間加工)により球体に加工する技術が開示されている。また、特許文献2には、体積管理されたガラス素材を基盤上に配置し、該ガラス素材を加熱して軟化変形させ、表面張力によって球状化させる点が開示されている。更に、特許文献3には、ガラス塊を加熱、軟化させ、このガラス塊を表面張力により球状にした点が開示されている。また、特許文献4には、流出パイプから滴下させた溶融ガラス塊を成形型の凹部で受け、この凹部に開口する細孔から気体を吹き出し、この気体の吹き出しにより溶融ガラス塊を浮上保持しながら冷却させて球状にする技術が開示されている。
特開平6−227828公報(第2頁、図3−図5) 特開平11−199250公報(第3頁、図1) 特公平4−43851公報(第3頁、図1) 特公平7−51446公報(第3頁、図1)
しかしながら、特許文献1〜3に開示された技術では、ガラス塊を球状化するのに、溶融ガラス塊の表面張力にのみ頼っていたため、例えばΦ1mm程度の微小径のものしかきれいな球形状を得ることができなかった。すなわち、それよりも大きい径のものでは、自重によって形の崩れた概略球のものしか得ることができず、例えばΦ10mm程度の径のきれいな球形状を得るのは困難であった。また、特許文献4に開示された技術では、ガラス材を溶融させるために大きな設備が必要であると共に、ガラス材の切り替えなどに多大な工数を要するという課題があった。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ガラス塊を収容した成形容器を回転させることで、自重と遠心力の作用でガラス塊を成形容器内で転動させ、表面張力のみに頼ることなく大きな寸法の回転体を得ることのできるガラス回転体の製造方法及びその装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
ガラス塊を加熱する加熱手段と、
前記ガラス塊を収容する成形容器と、
該成形容器を、その支持軸を中心として回転させる駆動機構と、を備えていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、
ガラス塊を加熱する加熱手段と、
前記ガラス塊を収容する成形容器と、
該成形容器を、その支持軸と略直交する平面内で略同一姿勢で該支持軸に対し偏心した軸の回りに円運動させる並進運動機構と、を備えていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のガラス回転体の製造装置において、
前記成形容器の前記支持軸が、重力方向に対し傾斜して配置されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2に記載のガラス回転体の製造装置において、
前記成形容器は、前記ガラス塊を収容する開口部を覆うように対向配置された1対の略半球状容器であり、
前記1対の略半球状容器の少なくとも一方を前記開口部から退避させる退避手段を有していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のガラス回転体の製造装置において、
前記成形容器を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のガラス回転体の製造装置において、
前記成形容器の回転速度を変化させる制御手段を備えていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、
加熱したガラス塊を成形容器に供給し、
前記ガラス塊を前記成形容器内で転動させることにより回転体に成形することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、
加熱したガラス塊を回転している成形容器に供給し、
前記ガラス塊を前記成形容器内で転動させることにより回転体に成形することを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項7又は8に記載のガラス回転体の製造方法において、
前記成形容器の支持軸を重力方向に対して傾斜して配置したことを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項7又は9に記載のガラス回転体の製造方法において、
前記成形容器はその開口部を覆うように対をなして対向配置され、
該成形容器の少なくとも一方が前記開口部から退避可能であり、
前記開口部を開いて加熱した前記ガラス塊を前記成形容器に供給し、前記開口部を閉じて密閉状態とした後、
前記成形容器を回転させてガラス塊を転動させることにより回転体に成形することを特徴とする。
請求項11に係る発明は、
ガラス塊を成形容器に供給し、
該成形容器を回転させながら前記ガラス塊を加熱することにより回転体に成形することを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項11に記載のガラス回転体の製造方法において、
前記成形容器の支持軸を重力方向に対して傾斜して配置し、
前記成形容器を回転させながら前記ガラス塊を加熱することにより回転体に成形することを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に記載のガラス回転体の製造方法において、
前記成形容器はその開口部を覆うように対をなして対向配置され、
該成形容器の少なくとも一方が前記開口部から退避可能であり、
前記開口部を開いて前記ガラス塊を前記成形容器に供給し、前記開口部を閉じて密閉状態とした後、
前記成形容器を回転させて前記ガラス塊を加熱しながら転動させることにより回転体に成形することを特徴とする。
請求項14に係る発明は、
成形容器内に供給したガラス塊を加熱し、
該ガラス塊が軟化状態となった後に、前記成形容器を回転させて回転体に成形することを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項14に記載のガラス回転体の製造方法において、
前記成形容器の支持軸を重力方向に対して傾斜して配置し、
前記成形容器内に供給したガラス塊を加熱し、
該ガラス塊が軟化状態となった後に、前記成形容器を回転させて回転体に成形することを特徴とする。
請求項16に係る発明は、請求項14又は15に記載のガラス回転体の製造方法において、
前記成形容器はその開口部を覆うように対をなして対向配置され、
該成形容器の少なくとも一方が前記開口部から退避可能であり、
前記開口部を開いて前記ガラス塊を前記成形容器に供給し、前記開口部を閉じて密閉状態とした後、前記ガラス塊を加熱し、
該ガラス塊が軟化状態となった後に、前記成形容器を回転させて回転体に成形することを特徴とする。
請求項17に係る発明は、請求項7〜16のいずれかに記載のガラス回転体の製造方法において、
前記ガラス塊は、粘度104〜1012ポイズとなるような温度に加熱されることを特徴とする。
請求項18に係る発明は、請求項7〜16のいずれかに記載のガラス回転体の製造方法において、
前記ガラス塊の形状が、多角柱、円柱、略球体形状、あるいはゴブであることを特徴とする。
本発明によれば、ガラス塊を収容した成形容器を回転させることで、自重と遠心力の作用でガラス塊を成形容器内で転動させ、表面張力のみに頼ることなく大きな寸法の回転体を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態のガラス回転体の製造装置1の外観図である。
同図において、この製造装置1は、ガラス塊2を加熱する加熱手段としての加熱炉3と、加熱したガラス塊2を収容する成形容器4と、この成形容器4を、その支持軸5を中心として回転させる駆動機構7と、成形容器4の回転速度等を制御する制御部20とを備えている。加熱炉3は、加熱室を覆う炉壁8と、該炉壁8内に配置されたヒータ9とを備えている。また、炉壁8の底面には、ガラス塊2を載置するシュート10を有し、このシュート10は矢印方向に回転する搬送機構11により矢印A方向に傾斜して、加熱されたガラス塊2を成形容器4内に搬入する。制御部20は、加熱炉3や成形容器4の加熱温度を制御したり、駆動機構7による成形容器4の回転速度を任意に変化させることができる。
成形容器4は、本実施形態では、一端が開口した開口部13を有する有底円筒状をなし、その開口部13からガラス塊2が搬入される。成形容器4の底壁の隅部(コーナ部)は、ガラス塊2が略球状のガラス回転体に成形されるように円弧状に形成されている。この成形容器4の周囲には、該成形容器4を加熱する加熱手段としてのヒータ12が配設されている。
この成形容器4は、その支持軸5が、鉛直方向に対し傾斜して配置されている。本実施形態では、ガラス塊2がコーナー部で安定して成形されるように、支持軸5は鉛直方向に対し傾斜角を5度〜85度に設定している。すなわち、支持軸5が鉛直方向に対し傾斜して配置されていると、ガラス塊2は自重により、常に成形容器4の底壁の隅部(コーナ部)の最も低い部分に移動しようとする。一方、成形容器4は所定速度で回転していることから、ガラス塊2は、底壁の隅部(コーナ部)の最も低い部分に移動しようとして、底壁の隅部に接しながら転動(転がり移動)する。そして、この転動により、ガラス塊2は略球状のガラス回転体に成形される。
なお、本実施形態では、成形容器4として有底円筒状のものを用いた場合について説明したが、これに限らず、例えば、図2に示すように、底面を略半球状とした容器を用いても良い。このような略半球状の容器を用いる場合は、種々のガラス塊2の大きさに対応できるように、成形容器4の底壁を略球面状に形成するのが好ましい。
駆動機構7は、成形容器4の支持軸5に一体固定された従動ギヤ14と、この従動ギヤ14に噛合する駆動ギヤ15と、この駆動ギヤ15を駆動する電動モータ16とを有している。
本明細書中における実施の形態において、成形容器4の回転は、ガラス塊2を開口部13から投入してから回転を開始しても良いが、投入する前から成形容器4を回転しておくと、短時間で成形することができる。また、ガラス塊2を加熱してから成形容器4内に供給しても良いし、ガラス塊2を成形容器4内に供給してから加熱しても良い。更に、ガラス塊2を成形容器4内に供給し、該成形容器4を回転させながらガラス塊2を加熱しても良い。
例えば、低融点のガラス塊2を成形する場合に有効である。更にまた、ガラス塊2を成形容器4内に供給し、このガラス塊2が完全に軟化してから成形容器4を回転しても良い。この場合は、ガラス塊2が軟化しているため、該ガラス塊が成形容器4内で割れたりあばれたりすることなく、安定して回転体に成形することができる。
制御部20は、成形容器4にガラス塊2を投入してから、その回転速度を任意に変化させることができる。例えば、ガラス塊2の形状に合わせて成形容器4の回転数を増減することで、短時間で安定した成形を行うことができる。なお、成形中のガラス塊2が冷却されないように、補助加熱源として、電気抵抗加熱、高周波誘導加熱、ランプヒータ、ガスバーナ等で加熱しながら成形を行う。溶融温度の低いガラスの場合は、補助加熱源だけで成形することができる。
また、本発明の実施の形態において、加熱前のガラス塊2の形状としては、例えば多角柱、円柱、略球体形状、あるいはゴブ(gob)の形状のものが用いられる。そして、加熱炉3において、ガラス塊2は液状となる前の温度に加熱軟化される。若しも、ガラス塊2を液状になるまで加熱すると、成形容器4と融着してしまい、ガラス塊2を転動させて球状等のガラス回転体に成形することが困難となるからである。このため、本実施の形態に用いられる加熱炉3の構造は、ガラス塊2を液状に加熱する場合に比して、簡易な構造のもので足りる。
また、ガラス塊2の加熱炉3における加熱は、具体的には、その粘度が104〜1012ポイズとなるような液状となる前の温度に加熱するのが望ましい。なお、粘度が104ポイズは、ガラスの流動点(105ポイズ)よりも少し粘度が低く(軟らかく)、また、粘度が1012ポイズは、ガラス転移点(1013〜1015ポイズ)よりも少し粘度が低い(軟らかい)状態である。これは、例えばガラス塊2を加熱炉3で加熱した状態から、成形容器4に搬送する際にガラス塊2の温度が下がってしまうおそれがあるため、その分を見越して加熱するからである。更に、実際に成形する際は、ガラスの流動点からガラス転移点の範囲の粘度で成形するのが望ましい。
なお、ガラスの粘度が104ポイズというのは、ガラスの流動点よりも粘度が低い値であるが、溶融状態のガラスの粘度101〜103ポイズよりは高い粘度であり、従って、ガラスの溶融状態とは明確に区別される。
更に、成形中の成形容器4の温度は、ガラス塊2の加熱温度よりも低いことが好ましい。一方、成形容器4の温度が、ガラス塊2の加熱温度よりも高い場合は、ガラス塊2と成形容器4の間に固着等が発生するおそれがある。また、本実施形態では、軟化したガラス塊2を冷却し、固まらせながら成形する点に特徴を有することから、成形容器4の温度はガラス塊2の加熱温度よりも低いことが好ましい。また、成形中に、ガラス塊2の温度はガラス転移点よりも高いことが必要と思われる。
(第2の実施の形態)
図3及び図4は、第2の実施の形態のガラス回転体の製造装置21の外観図である。また、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
同図において、この製造装置21は、加熱したガラス塊2を収容する成形容器4と、この成形容器4を、その支持軸5に対し偏心した軸31の回りに円運動させる並進運動機構27とを備えている。なお、上述した加熱炉3と制御部20については図示を省略している。
本実施の形態では、加熱したガラス塊2を、連結部材32で開閉自在に連結した1対の略半球状容器4a,4bからなる成形容器4内に供給し、該成形容器4を密閉した状態で、この成形容器4を偏心した軸31の回りに円運動させることで、ガラス塊2を成形容器4内で効率的に転動させ、ガラス回転体を成形するものである。
前述した成形容器4は、密閉状となっているので、ガラス塊2が容器外部に飛び出すことはなく、また、成形に際して容器の回転方向や回転数にも制約されることはない。更に、ガラス塊2の大きさも広い範囲に亘って適用することができる。
並進運動機構27は、大径の穴30が形成された固定基板22と、この穴30に回動自在に嵌入された回転テーブル33と、この回転テーブル33に設けられた偏心軸29を回動自在に嵌合し、該偏心軸29と略同じ軌跡を移動するスライダ25とを有している。
このスライダ25は、固定基板22上に摺動自在に配置されたスライダ23に対し、成形容器4の支持軸5と略直交する平面内で摺動自在に配置されている。また、回転テーブル33には、その外周部にギヤ34が形成されている(図4参照)。そして、このギヤ34に駆動ギヤ15が噛合し、この駆動ギヤ15は電動モータ16によって駆動される。
図4に示すように、スライダ23は、縦辺23aと横辺23bを有する略T字状をなし、縦辺23aは、固定基板22にピン24、24を介して縦方向(図3のY方向)に摺動自在に取付けられている。また、スライダ25は、縦辺25aと横辺25bを有する略T字状をなし、このスライダ25は、スライダ23にピン26、26を介して横方向(図3のX方向)に摺動自在に取付けられている。そして、スライダ25の縦辺25aの先端部に、成形容器4の支持軸5が適宜の固定手段により固定されている。但し、支持軸5を省略してスライダ25に直接的に成形容器4を固定しても良い。
また、スライダ25の縦辺25aの長手方向の中途部には、孔28が形成されていて、この孔28に、回転テーブル33に設けられた偏心軸29が回動可能に嵌入されている。これにより、駆動ギヤ15が電動モータ16により駆動されると、この駆動ギヤ15に噛合する回転テーブル33が回転する。すると、成形容器4は、回転テーブル33の偏心軸29に係合されたスライダ25を介して、支持軸5と略直交する平面(固定基板22と略平行な平面)に対し略同一姿勢で軸31の回りに円運動する。すなわち、成形容器4は、自転することなく軸31の回りを公転することとなる。
これにより、ガラス塊2は、成形容器4内を、その球状の内壁に当接しながら転動して略球体のガラス回転体に成形される。この場合は、ガラス塊2は円運動による遠心力で球状の内壁に所定圧で当接する。
なお、成形容器4の形状としては、略半球状に限らず、例えば図5に示すように略円筒状の容器4aであっても良いし、図6に示すように半球状の容器4aであっても良いし、また、図7に示すように円弧状の容器4aであっても良い。更に、これらの形状を単独で用いても良く、また任意に組み合わせて用いても良い。また、図5〜図7では、上下1対の容器のうち一方の容器4aの形状のみを示したが、具体的には、これと対をなすように不図示の対称な容器が上方から覆われて、これら1対の容器が開閉自在に配置される。
また、本実施の形態では、並進運動機構27による成形容器4の移動軌跡は、円を描く場合を例として説明したが、必ずしも正確な円を描く必要はない。例えば、図8〜図10に示すような並進運動機構27'により、楕円の軌跡を描いてもかまわない。この場合の並進運動機構27'は、固定基板22に形成した楕円状の穴30と、回転テーブル33に形成した径方向に長い溝35とを有している。これにより、回転テーブル33に設けた偏心軸29は、楕円状の穴30に摺接しながら前記溝35に沿って移動し、成形容器4は楕円の軌跡を描く。
なお、成形中のガラス塊2が冷却されないように、補助加熱源として、電気抵抗加熱、高周波誘導加熱、ランプヒータ、ガスバーナ等で加熱しながら成形を行う。溶融温度の低いガラスの場合は、補助加熱源だけで成形することができる。また、成形容器4の回転数は可変にすることができ、ガラス塊2の形状等に合わせて回転数を変化させることにより、短時間で安定した成形を行うことができる。更に、溶融温度の低いガラスの場合は成形容器4の加熱源だけで成形することができる。
本実施の形態によれば、表面張力のみに頼ることなく、ガラス塊2の自重や遠心力の作用で大きな寸法のガラス回転体を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図11は、第3の実施の形態のガラス回転体の製造装置41の外観図を示している。また、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
同図において、この製造装置41は、加熱したガラス塊2を収容する複数の成形容器4−1〜4−5と、これらの成形容器4を、その支持軸5を中心として回転させる駆動機構7とを備えている。また、本実施形態では、第1の実施の形態と同様に、ガラス塊2が底壁の隅部(コーナ部)で安定して成形されるように、支持軸5は鉛直方向に対し5度〜85度の角度に傾斜して配置されている。
更に、中央の成形容器4−1と、その周囲の成形容器4−2〜4−5とは、外周部で接していて、中央の成形容器4−1が支持軸5を中心として回転すると、これと摺接又は噛合して回転する。すなわち、図示しないが、成形容器4−1〜4−5の外周部には摩擦部材が設けられていて、中央の成形容器4−1が回転すると、その周囲の成形容器4−2〜4−5は摩擦力で反対方向に回転する。また、成形容器4−1〜4−5の外周部に設ける部材として、摩擦部材の代わりにギヤを設けても良い。
成形容器4−1〜4−5は、夫々の一端が開口した開口部13を有する有底円筒状をなし、その開口部13からガラス塊2が搬入される。また、成形容器4の底壁の隅部(コーナ部)は、ガラス塊2が略球状のガラス回転体に成形されるように円弧状に形成されている。そして、第1の実施の形態と同様に、支持軸5が鉛直方向に対し傾斜配置されているため、ガラス塊2は自重により、常に成形容器4の底壁の隅部(コーナ部)の最も低い部分に移動する。一方、成形容器4は所定速度で回転していることから、ガラス塊2は、底壁の隅部(コーナ部)の最も低い部分に移動しようとして、底壁の隅部に接しながら転動する。そして、この転動により、複数の成形容器4−1〜4−5において、ガラス塊2は略球状のガラス回転体に成形される。
なお、成形容器4の周囲には、該成形容器4を加熱する加熱手段としてのヒータ12が配設されている。また、この成形容器4は、略半球状容器であっても良い。また、駆動機構7は、成形容器4の支持軸5に固定された従動ギヤ14と、この従動ギヤ14に噛合する駆動ギヤ15と、この駆動ギヤ15を駆動する電動モータ16とを有している。
更に、成形容器4の回転は、ガラス塊2を開口部13から投入してから行っても良いが、投入する前から成形容器4を回転しておくと、短時間で成形することができる。また、成形容器4にガラス塊2を投入してから、該成形容器4の回転速度を任意に変化させることもできる。例えば、ガラス塊2の形状に合わせて成形容器4の回転数を増減することで、短時間で安定した成形を行うことができる。
更に、成形中のガラス塊2が冷却されないように、補助加熱源として、電気抵抗加熱、高周波誘導加熱、ランプヒータ、ガスバーナ等で加熱しながら成形を行う。更にまた、溶融温度の低いガラスの場合は成形容器4の補助加熱源だけで成形することができる。なお、前述した加熱炉3と制御部20については図示を省略している。
本実施の形態によれば、一回の成形作業で多数のかつ大きな寸法の略球状のガラス回転体を得ることができる。
(第4の実施の形態)
図12は、第4の実施の形態のガラス回転体の製造装置51の外観図である。また、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
同図において、この製造装置51は、上下に対向配置された上型52及び下型53を備えている。これらの上型52と下型53には、図13及び図14に示すように、略半球状の凹部54,55が多数形成されている。これらの略半球状の凹部54,55は、上型52及び下型53の境界面に対し略対称に配置されている。このため、上型52と下型53を上下に対向配置すると、前記略半球状の凹部54,55が対をなすように対向配置される。そして、図12に示すように、上下の凹部54,55が連通した密閉状の略球状の凹部が形成される。
なお、本実施の形態では、凹部54,55の形状を略半球状としたが、これに限らず、例えば前述した図5〜図7のように、円筒状、半球状、又は円弧状としても良いし、これらを組み合わせて使用しても良い。
また、上型52の上方には、該上型52を加熱するヒータ56が配設されている。但し、下型53の周囲にヒータ56を配設しても良いし、上型52及び下型53の周囲に夫々ヒータ56を配設しても良い。
更に、図示しないが、このような上型52及び下型53が、図3及び図4に示した並進運動機構27により、偏心した軸回りに円運動され、上下の凹部54,55内に収容されたガラス塊2が転動して略球状のガラス回転体に成形される。
なお、成形中のガラス塊2が冷却されないように、補助加熱源として、電気抵抗加熱、高周波誘導加熱、ランプヒータ、ガスバーナ等で加熱しながら成形を行う。上下の凹部54,55内にガラス塊2を投入してから、上型52及び下型53の回転速度を任意に変化させることができる。例えば、ガラス塊2の形状に合わせて上型52及び下型53の回転数を増減することで、短時間で安定した成形を行うことができる。また、溶融温度の低いガラスの場合は上型52及び下型53の補助加熱源だけで成形することができる。
なお、前述した加熱炉3と制御部20については図示を省略している。
本実施の形態によれば、一回の成形作業で多数のかつ大きな寸法の略球状のガラス回転体を得ることができる。
第1の実施の形態のガラス回転体の製造装置の全体構成を示す図である。 底面を略半球状とした成形容器の外観斜視図である。 第2の実施の形態のガラス回転体の製造装置の外観図である。 同上の分解斜視図である。 略円筒状の容器を示す図である。 半球状の容器を示す図である。 円弧状の容器を示す図である。 楕円運動をする並進運動機構の外観斜視図である。 同上の分解斜視図である。 同上の分解斜視図である。 第3の実施の形態のガラス回転体の製造装置の外観図である。 第4の実施の形態のガラス回転体の製造装置の外観図である。 上型の外観図である。 下型の外観図である。
符号の説明
1 ガラス回転体の製造装置
2 ガラス塊
3 加熱炉
4 成形容器
5 支持軸
7 駆動機構
9 ヒータ
12 ヒータ
13 開口部
14 従動ギヤ
15 駆動ギヤ
16 電動モータ
20 制御部
21 ガラス回転体の製造装置
22 固定基板
23 スライダ
25 スライダ
27 並進運動機構
27' 並進運動機構
29 偏心軸
31 軸
32 連結部材
33 回転テーブル
41 ガラス回転体の製造装置
51 ガラス回転体の製造装置
52 上型
53 下型
54 凹部
55 凹部
56 ヒータ

Claims (18)

  1. ガラス塊を加熱する加熱手段と、
    前記ガラス塊を収容する成形容器と、
    該成形容器を、その支持軸を中心として回転させる駆動機構と、を備えている、
    ことを特徴とするガラス回転体の製造装置。
  2. ガラス塊を加熱する加熱手段と、
    前記ガラス塊を収容する成形容器と、
    該成形容器を、その支持軸と略直交する平面内で略同一姿勢で該支持軸に対し偏心した軸の回りに円運動させる並進運動機構と、を備えている、
    ことを特徴とするガラス回転体の製造装置。
  3. 前記成形容器の前記支持軸が、重力方向に対し傾斜して配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス回転体の製造装置。
  4. 前記成形容器は、前記ガラス塊を収容する開口部を覆うように対向配置された1対の略半球状容器であり、
    前記1対の略半球状容器の少なくとも一方を前記開口部から退避させる退避手段を有している、
    ことを特徴とする請求項2に記載のガラス回転体の製造装置。
  5. 前記成形容器を加熱する加熱手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス回転体の製造装置。
  6. 前記成形容器の回転速度を変化させる制御手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラス回転体の製造装置。
  7. 加熱したガラス塊を成形容器に供給し、
    前記ガラス塊を前記成形容器内で転動させることにより回転体に成形する、
    ことを特徴とするガラス回転体の製造方法。
  8. 加熱したガラス塊を回転している成形容器に供給し、
    前記ガラス塊を前記成形容器内で転動させることにより回転体に成形する、
    ことを特徴とするガラス回転体の製造方法。
  9. 前記成形容器の支持軸を重力方向に対して傾斜して配置した、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載のガラス回転体の製造方法。
  10. 前記成形容器はその開口部を覆うように対をなして対向配置され、
    該成形容器の少なくとも一方が前記開口部から退避可能であり、
    前記開口部を開いて加熱した前記ガラス塊を前記成形容器に供給し、前記開口部を閉じて密閉状態とした後、
    前記成形容器を回転させてガラス塊を転動させることにより回転体に成形する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のガラス回転体の製造方法。
  11. ガラス塊を成形容器に供給し、
    該成形容器を回転させながら前記ガラス塊を加熱することにより回転体に成形する、
    ことを特徴とするガラス回転体の製造方法。
  12. 前記成形容器の支持軸を重力方向に対して傾斜して配置し、
    前記成形容器を回転させながら前記ガラス塊を加熱することにより回転体に成形する、
    ことを特徴とする請求項11に記載のガラス回転体の製造方法。
  13. 前記成形容器はその開口部を覆うように対をなして対向配置され、
    該成形容器の少なくとも一方が前記開口部から退避可能であり、
    前記開口部を開いて前記ガラス塊を前記成形容器に供給し、前記開口部を閉じて密閉状態とした後、
    前記成形容器を回転させて前記ガラス塊を加熱しながら転動させることにより回転体に成形する、
    ことを特徴とする請求項11に記載のガラス回転体の製造方法。
  14. 成形容器内に供給したガラス塊を加熱し、
    該ガラス塊が軟化状態となった後に、前記成形容器を回転させて回転体に成形する、
    ことを特徴とするガラス回転体の製造方法。
  15. 前記成形容器の支持軸を重力方向に対して傾斜して配置し、
    前記成形容器内に供給したガラス塊を加熱し、
    該ガラス塊が軟化状態となった後に、前記成形容器を回転させて回転体に成形する、
    ことを特徴とする請求項14に記載のガラス回転体の製造方法。
  16. 前記成形容器はその開口部を覆うように対をなして対向配置され、
    該成形容器の少なくとも一方が前記開口部から退避可能であり、
    前記開口部を開いて前記ガラス塊を前記成形容器に供給し、前記開口部を閉じて密閉状態とした後、前記ガラス塊を加熱し、
    該ガラス塊が軟化状態となった後に、前記成形容器を回転させて回転体に成形する、
    ことを特徴とする請求項14に記載のガラス回転体の製造方法。
  17. 前記ガラス塊は、粘度104〜1012ポイズとなるような温度に加熱される、
    ことを特徴とする請求項7〜16のいずれかに記載のガラス回転体の製造方法。
  18. 前記ガラス塊の形状が、多角柱、円柱、略球体形状、あるいはゴブである、
    ことを特徴とする請求項7〜16のいずれかに記載のガラス回転体の製造方法。
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