JP2007105924A - インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク液滴を安定して吐出させるために、圧力波の残留振動を抑制し、かつ製造が容易なインクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置を提供する。
【解決手段】本発明のインクジェットヘッドは、インクを通過させる溝14が形成されたベース部材11と、溝14の前部を閉塞しインク吐出チャンネル120を形成するノズル板19とを備えたものである。そして、溝14を形成するチャンネル壁13に、チャンネル壁13を変形させるための駆動電圧を印加する駆動電極15が形成されており、ノズル板19には、チャンネル壁13の変形後に発生する残留振動を吸収する振動吸収材30が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のインクジェットヘッドは、インクを通過させる溝14が形成されたベース部材11と、溝14の前部を閉塞しインク吐出チャンネル120を形成するノズル板19とを備えたものである。そして、溝14を形成するチャンネル壁13に、チャンネル壁13を変形させるための駆動電圧を印加する駆動電極15が形成されており、ノズル板19には、チャンネル壁13の変形後に発生する残留振動を吸収する振動吸収材30が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ノズルからインクを噴射して記録媒体に記録を行うためのインクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置に関するものである。
今日、インパクト印字装置に代わり、カラー化、多階調化に適したインクジェット方式等のノンインパクト印字装置が急速に普及している。その中でも、印字時のみに必要なインクを吐出させるドロップ・オン・デマンド型印字装置が、印字効率の良さ、低コスト化、低ランニングコスト化に有利であるなどの点から注目されている。そして、このようなインクジェットヘッド方式のドロップ・オン・デマンド型印字装置として、圧電材料のシェアモード変形を利用したインクジェット方式印字装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
このような方式の印字装置では、圧電材料からなるインク吐出チャンネル壁に電極が形成されている。そして、この電極が圧電材料の分極方向と直行する方向に電界を加え、チャンネル壁をシェアモードに変形させている。そして、その際に生じる圧力波変動を利用してインク滴を吐出させている。このような方式の印字装置は、ノズルの高密度化、低消費電力、高駆動周波数化に適している。
このようなシェアモード変形を利用したインクジェットヘッドの構造について、以下、図7に基づいて詳細に説明する。このインクジェットヘッドは、ベース部材1と、カバー部材2と、ノズル板9とを備えている。ベース部材1は、図7の白抜き矢印で示す上下方向の一方向(下向き)に分極処理を施した圧電材料で構成されている。そして、この圧電材料に複数の溝4が形成されている。また、カバー部材2には、インク供給口21および共通インク室となる溝22が形成されている。また、ノズル板9には、ノズル孔10が開けられている。
複数の溝4は、相互に平行になるように形成されている。複数の溝4にはそれぞれ、該溝4の後部側へ向かうにつれ隆起してゆく斜面が形成されている。複数の溝4の前部は、ノズル孔10が形成されたノズル板9により閉塞される。また、複数の溝4の上部は、カバー部材2により閉塞される。このように溝4がカバー部材2及びノズル板9により閉塞されることにより、インク吐出チャンネル20が形成される。インク吐出チャンネル20において、溝4とノズル板9とに囲まれた空間がインク室となる。
また、溝4の後部側には、浅溝面60が形成されている。この浅溝面60は、複数の溝4の後部側の溝深さを、前部側の溝深さよりも小さくすることにより形成される。浅溝面60は、外部との通電のための電極引き出し部として機能する。
斜面11は、溝4の加工時に使用されるダイシングブレードの直径に対応した円弧状に加工された面である。また、浅溝面60も同じく、ダイシングブレードにより加工された面である。
溝4を形成するチャンネル壁3において、その上部側には、電界を印加するための駆動電極5が形成されている。さらに、浅溝面60には、外部との通電のための電極が形成されている。浅溝面60に形成された電極は、浅溝面60の後端部(溝4の後端部)で、例えばFPCのようなフレキシブル基板に形成された外部の電極8とワイヤーボンディング7により接続されている。
駆動電極5に電界が印加されることにより、ベース部材1のチャンネル壁3が剪断変形し、それによる圧力波により、ノズル孔10からインク滴が吐出される。以下、図7に示すインクジェットヘッドの駆動原理について、図8に基づいて、詳細に説明する。図8は、図7のような構成のインクジェットヘッドの駆動原理を説明するための断面図であり、図8(a)は、駆動電極に電界が印加されていない状態を示し、図8(b)及び図8(c)は、駆動電極(チャンネル壁)がシェアモードにより変形された状態を示す。
図8(a)に示すように、チャンネル壁3の両側の面の上半分には、駆動電極5が形成されている。また、チャンネル壁3は、上下方向の一方向(下向き)に分極処理を施した圧電材料で構成されている。なお、図8(a)において、白抜き矢印は分極の向きを示している。
また、同図に示すように、溝4の前部はノズル孔10が形成されたノズル板により閉塞される。また、溝4の上部はカバー部材により閉塞されている。このようにしてインク吐出チャンネル20が形成されている。なお、ノズル板に形成されたノズル孔10は溝4に対応するようになっている。
この駆動電極5により、チャンネル壁3に分極方向と直行する方向に電界を印加すると、チャンネル壁3の上半分は、図8(b)及び図8(c)で示すように、シェアモードにより変形する。すなわち、チャンネル壁3は、駆動電極5の下端部で折れ曲がるように変形(剪断変形)する。そして、インク吐出チャンネル2は、駆動電極5より印加される電界の向きに応じて、その容積を任意に増減させることが可能になっている。その際に生じる圧力波変動を利用してインク滴を吐出するようになっている。
しかしながら、インクジェット方式により画像や文字を印刷するためには、ノズルにより連続的に多数の液滴を噴射することが不可欠となる。図7に示すインクジェットヘッドにより液滴を連続的に噴射する場合、先行する液滴を吐出した後、後続の液滴を吐出するタイミングによって、後続の液滴の噴射効率が異なってしまうという問題があった。
すなわち、図7に示すインクジェットヘッドでは、特定のインク吐出チャンネルに圧力変動を生じさせて先行する液滴を吐出した後、該インク吐出チャンネル内には圧力の変動が残留する。そして、その残留した圧力変動により、チャンネル壁は、先行する液滴を吐出した後でも、1次モードの自由振動による振動(残留振動)を繰り返すことになる。
そして、先行する液滴に続いて、後続の液滴を吐出するためにチャンネル壁を変形させるタイミングが、先行する液滴を吐出した後の残留振動と位相が合う場合には、チャンネル壁の変形から生じる圧力波変動と上記残留振動とが強め合うようになる。一方、位相が逆になる場合には、チャンネル壁の変形から生じる圧力波変動と上記残留振動とが弱め合ってしまう。
このように、先行する液滴を吐出してから、後続の液滴の吐出するタイミングによって、後続の液滴の噴射効率が異なってしまうという問題があった。
このような残留振動の影響をなくし、先行する液滴の吐出に影響されることなく、常に、安定して連続的に液滴を吐出する手段としては、例えば、特許文献2、3に記載されたインクジェットの駆動方法が挙げられる。特許文献2、3に記載の駆動方法では、インク滴を吐出するための駆動パルスを印加した後、所定時間後にインク室の容積を減少させる方向にダンピングパルスを印加している。これにより、インク吐出チャンネルに残留している圧力波の振幅を弱めている。
さらに、例えば特許文献4には、共通インク室とインク吐出チャンネルとの間の連通部を塞いだ状態で、振動吸収材が設けられた構成が記載されている。印字品位や印字速度を上げるために印加電圧を上げて、インク滴量を大きくする、あるいはインク液滴吐出速度を高める場合に、駆動していないインク吐出チャンネルからノズル孔からインクが吐出してしまうという隣接チャンネルのクロストークが発生する。特許文献4では、このような隣接チャンネルのクロストークの発生を解決している。
さらに、例えば特許文献5には、ベース部材とノズル板の間に、接着剤吸収構造を有する有機皮膜が設けられた構成が記載されている。圧電材料に複数の溝が形成されたベース部材と、複数のノズル孔が開けられたノズル板とを貼り合せる際に、使用する接着剤がインク室内へはみ出してしまう。これにより、チャンネル壁の剛性にばらつきが生じ、チャンネル間でのインク吐出特性にばらつく。特許文献5に記載の構成では、このようなチャンネル間でのインク吐出特性のばらつきを防止している。また、特許文献5に記載の構成は、インクに触れる全ての部分が接着剤吸収構造を有する有機皮膜に覆われた構成になっている。
特開昭63−247051号公報(昭和63年10月13日公開)
特開2000−15803号公報(平成12年 1月18日公開)
特開2004−188932号公報(平成16年 7月 8日公開)
特開2000−43252号公報(平成12年 2月15日公開)
特開2003−145751号公報(平成15年 5月21日公開)
しかしながら、上記従来技術には、以下の問題が生じる。
まず、特許文献2,3に記載のインクジェットの駆動法では、インクジェットヘッドの寿命を縮めてしまうおそれがある。特許文献2,3では、インク室の容積を減少させる方向にダンピングパルスを印加することで、インク吐出チャンネルに残留している圧力波の振幅を弱めている。このような駆動方法では、インク滴下のために必要な駆動パルスを圧電材料に印加するのに加え、さらに残留振動を低減させるためにダンピングパルスを印加する必要がある。例えば特許文献3に記載のように、インク滴を吐出するのに必要な2種類の振動の他に、別の1つの振動を圧電材料に与えている。駆動パルスを印加することにより、圧電材料は変形し劣化する。このため、印加する駆動パルスの種類が増加すると、圧電材料が劣化しインクジェットヘッドの寿命が縮まることになる。例えば、特許文献3に記載の駆動方法では、ダンピングパルスを印加しない場合と比較して、インクジェットヘッドの寿命は2/3になる。
また、特許文献4に記載の構成では、インクジェットヘッドの生産性の悪化、さらに製造コストの上昇を招いてしまう。特許文献4に記載の構成では、インク室の加圧によって生じる圧力波を吸収するダンパ効果を有する振動吸収材が、共通インク室とインク吐出チャンネルとの連通部を塞いだ状態で設けられているので、インクジェットヘッドの構造が複雑化する。そして、それに伴い、インクジェットヘッドの生産性が悪化し、製造コストも高価なものになる。さらに、この振動吸収材は、インクジェットヘッドの基体を形成した後、組立工程で配置される必要がある。このため、インクジェットヘッドの生産性の悪化、さらに製造コストの上昇を招いてしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インク液滴を安定して吐出させるために、圧力波の残留振動を抑制するとともに、寿命が長くかつ製造が容易なインクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置を提供することにある。
本発明のインクジェットヘッドは、上記の課題を解決するために、インクを通過させる溝が形成された基体と、上記溝の前部を閉塞しインク吐出チャンネルを形成するノズル板とを備え、上記溝を形成する隔壁に、該隔壁を変形させるための駆動電圧を印加する駆動電極が形成されたインクジェットヘッドであって、上記ノズル板には、上記隔壁の変形後に発生する残留振動を吸収する振動吸収材が設けられていることを特徴としている。
本発明のインクジェットヘッドでは、駆動電極に駆動電圧が印加されることにより、インクを通過させる溝を形成する隔壁が変形し、それによる圧力波により、インク吐出チャンネルからインク滴が吐出されるようになっている。
従来のインクジェットヘッドでは、インク液滴を連続的に吐出する場合、先行する液滴を吐出した後でも、インク吐出チャンネル内に、チャンネル壁が変形する際に生じる圧力波変動が残留していた。そして、この残留した圧力波変動により、溝を形成する隔壁は、先行する液滴を吐出した後でも、1次モードの自由振動による残留振動を繰り返すことになる。そして、この残留振動の影響により、後続の液滴の噴射効率がばらつき、安定したインク液滴を連続的に吐出できないという問題があった。
これに対し、上記の構成によれば、ノズル板に設けられた振動吸収材が隔壁の変形後に発生する残留振動を吸収するので、インク吐出チャンネル内に残留している圧力波の振幅を弱めることができる。それゆえ、先行する液滴を吐出した後に発生する隔壁の残留振動を抑制し、後続のインク液滴を安定に吐出させることが可能になる。
その結果、上記の構成によれば、残留振動の影響をなくし、先行するインク液滴の吐出に影響されることなく、インク液滴を、常に安定して連続的に吐出することが可能になる。
また、上記の構成によれば、振動吸収材を備えたことにより残留振動の抑制を図っている。それゆえ、上記の構成によれば、上記特許文献2または3のような残留振動を低減させるためにダンピングパルスを印加する場合と比較して、溝が形成された基体の劣化が少なくなる。それゆえ、寿命が長いインクジェットヘッドを提供することが可能になる。
また、上記の構成によれば、インクジェットヘッドの生産性の悪化、さらに製造コストの上昇を招いてしまうという問題を招来しない。すなわち、本発明のインクジェットヘッドは、上記振動吸収材がノズル板に設けられた構成であるので、特許文献4に記載のような、振動吸収材が共通インク室とインク吐出チャンネルとの連通部を塞いだ状態で設けられている構成と比較して、インクジェットヘッドの構造が単純である。このため、インクジェットヘッドの生産性を向上でき、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することができる。
また、本発明のインクジェットヘッドでは、上記振動吸収材は、上記ノズル板と対向面の全面で接するように設けられていることが好ましい。
特許文献4に記載のインクジェットヘッドでは、振動吸収材が共通インク室とインク吐出チャンネルとの連通部を塞いだ状態で設けられているので、その製造方法において、共通インク室に振動吸収材を張り合わせる工程が必要になる。共通インク室の形状は、一般的に複雑である。それゆえ、特許文献4では、共通インク室に振動吸収材を張り合わせることがかなり困難である。
一方、上記の構成によれば、上記振動吸収材は、上記ノズル板と対向面の全面で接するように設けられているので、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することが可能になる。インクジェットヘッドは、通常、インクを通過させる溝が形成された基体と、上記ノズル板とを張り合わせることで作成される。上記の構成によれば、基体とノズル板とを張り合わせる前に、振動吸収材が上記ノズル板と対向面の全面で接するように、振動吸収材とノズル板とを張り合わせることが可能である。そして、その後、既存のプロセスで、このノズル板を基体に張り合わせることが可能になる。
それゆえ、上記の構成によれば、特許文献4に記載のインクジェットヘッドと比較して、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することが可能になる。
また、本発明のインクジェットヘッドでは、上記振動吸収材には、インクを通過させるインク通過孔が形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、基体とノズル板とを張り合わせる前に、容易に振動吸収材にインクを通過させるインク通過孔を形成することが可能である。それゆえ、それゆえ、上記の構成によれば、特許文献4に記載のインクジェットヘッドと比較して、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することが可能になる。
また、本発明のインクジェットヘッドでは、上記ノズル板には、インクを液滴として吐出するインク吐出孔が形成されており、上記インク通過孔の直径は、上記インク吐出孔の直径よりも大きくなっていることが好ましい。
上記の構成によれば、インク通過孔の直径は、インク吐出孔の直径よりも大きくなっているので、インクの流路抵抗を小さくできる。
また、本発明のインクジェットヘッドでは、上記インク通過孔は、ノズル板におけるインク吐出孔の加工と同一の加工により形成されていることが好ましい。
これにより、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することが可能になる。
また、本発明のインクジェットヘッドでは、上記振動吸収材には、親水化処理が施されていることが好ましい。
上記の構成によれば、振動吸収材には、親水化処理が施されているので、振動吸収材のインクに対する塗れ性が向上する。それゆえ、インクの吐出効率が高いインクジェットヘッドを実現することができる。
また、本発明のインクジェットヘッドでは、上記振動吸収材は、弾性体から構成されていることが好ましい。
また、上記振動吸収材はゴムを含んでいてもよい。
特にこの場合、適度な残留振動吸収特性を有する被覆膜(振動吸収材)を容易にノズル板に設けることが可能になる。
また、本発明のインクジェットヘッドでは、上記駆動電極は、上記溝を形成する隔壁を剪断変形させるための駆動電圧を印加するようになっていてもよい。
本発明のインクジェット式記録装置は、上記の課題を解決するために、上述のインクジェットヘッドを備えたことを特徴としている。
これにより、インク液滴を安定して吐出させるために、圧力波の残留振動を抑制するとともに、寿命が長くかつ製造が容易なインクジェット式記録装置を提供することができる。
本発明のインクジェットヘッドは、以上のように、上記ノズル板には、上記隔壁の変形後に発生する残留振動を吸収する振動吸収材が設けられている構成である。
さらに、本発明のインクジェット式記録装置は、以上のように、上述のインクジェットヘッドを備えた構成である。
それゆえ、インク吐出チャンネル内に残留している圧力波の振幅を弱めることができ、先行する液滴を吐出した後に発生する隔壁の残留振動を抑制し、後続のインク液滴を安定に吐出させることが可能になる。その結果、残留振動の影響をなくし、先行するインク液滴の吐出に影響されることなく、インク液滴を、常に安定して連続的に吐出することが可能になる。
また、振動吸収材を備えたことにより残留振動の抑制を図っているので、溝が形成された基体の劣化が少なくなり、寿命が長いインクジェットヘッドを提供することが可能になる。
また、上記振動吸収材がノズル板に設けられた構成であるので、インクジェットヘッドの構造が単純である。このため、インクジェットヘッドの生産性を向上でき、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することができる。
以下、本発明の実施の一形態について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態のインクジェットヘッドの構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェットヘッド(以下、本インクジェットヘッドと記す)は、ベース部材(基体)11と、カバー部材12と、ノズル板19と、振動吸収材30とを備えている。ベース部材11は、図1の白抜き矢印で示す上下方向の一方向(下向き)に分極処理を施した圧電材料で構成されている。そして、この圧電材料に複数の溝14が形成されている。また、カバー部材12には、インク供給口121および共通インク室となる溝(マニホールド)122が形成されている。また、ノズル板19には、ノズル孔110が開けられている。また、振動吸収材30には、インク通過孔31が形成されている。
また、ベース部材11とノズル板19との間に、振動吸収材30が配置されている。本インクジェットヘッドは、ベース部材11とカバー部材12とノズル板19と振動吸収材30とが一体化された構成である。図1では、本インクジェットヘッドにおける各種部材の構成をより分かりやすくするため、分解斜視図で示している。
複数の溝14は、相互に平行になるように形成されている。複数の溝14にはそれぞれ、該溝14の後部側へ向かうにつれ隆起してゆく斜面111が形成されている。複数の溝14の前部は、インク通過孔31が形成された振動吸収材30により閉塞される。また、複数の溝14の上部は、カバー部材12により閉塞される。このように溝14がカバー部材12及び振動吸収材30により閉塞されることにより、インク吐出チャンネル120が形成される。インク吐出チャンネル120において、溝14と振動吸収材30とに囲まれた空間がインク室となる。本インクジェットヘッドでは、カバー部材12に形成されたインク供給口121からインクが供給されると、インク吐出チャンネル120にインクが充填されるようになっている。
また、振動吸収材30の前部には、ノズル板19が設けられている。そして、振動吸収材30に形成されたインク通過孔31と、ノズル板19に形成されたノズル孔110とが互いに対応し連通するようになっている。また、振動吸収材30に形成されたインク通過孔31は、カバー部材12に形成された各溝に対応するようになっている。
また、溝14の後部側には、浅溝面160が形成されている。この浅溝面160は、複数の溝14の後部側の溝深さを、前部側の溝深さよりも小さくすることにより形成される。浅溝面160は、外部との通電のための電極引き出し部として機能する。
斜面111は、溝14の加工時に使用されるダイシングブレードの直径に対応した円弧状に加工された面である。また、浅溝面160も同じく、ダイシングブレードにより加工された面である。
溝14を形成するチャンネル壁13において、その上部側には、電界を印加するための駆動電極15が形成されている。さらに、浅溝面160には、外部との通電のための電極が形成されている。浅溝面160に形成された電極は、浅溝面160の後端部(溝14の後端部)で、例えばFPCのようなフレキシブル基板に形成された外部の電極18とワイヤーボンディング7により接続されている。
本インクジェットヘッドでは、駆動電極15に電界が印加されることにより、ベース部材11のチャンネル壁13が剪断変形し、それによる圧力波により、インクがインク通過孔31を通過し、ノズル孔110からインク滴が吐出されるようになっている。
なお、図1に示された本インクジェットヘッドは、電界が印加されることにより、チャンネル壁13が剪断変形するような構成であるが、これに限定されるものではない。すなわち、本インクジェットヘッドは、インク吐出チャンネルの体積を拡大及び縮小させることによりインクを吐出するような構成であればよい。
本インクジェットヘッドにおいて特徴的な構成は、ベース部材11とノズル板19との間に、振動吸収材30が配置されている構成である。すなわち、ノズル板19に振動吸収材30が設けられている構成である。この振動吸収材30は、チャンネル壁13の剪断変形後に発生する残留振動を吸収するものである。
従来のインクジェットヘッドでは、インク液滴を連続的に吐出する場合、先行する液滴を吐出した後でも、インク吐出チャンネル内に、チャンネル壁が剪断変形する際に生じる圧力波変動が残留していた。そして、この残留した圧力波変動により、チャンネル壁は、先行する液滴を吐出した後でも、1次モードの自由振動による残留振動を繰り返すことになる。
一方、本インクジェットヘッドでは、振動吸収材30がチャンネル壁13の剪断変形後に発生する残留振動を吸収するので、インク吐出チャンネル120内に残留している圧力波の振幅を弱めることができる。それゆえ、先行する液滴を吐出した後に発生するチャンネル壁13の残留振動を抑制し、後続のインク液滴を安定に吐出させることが可能になる。
その結果、本インクジェットヘッドでは、残留振動の影響をなくし、先行するインク液滴の吐出に影響されることなく、インク液滴を、常に安定して連続的に吐出することが可能になる。
以下、本インクジェットヘッドの各種部材について、さらに詳細に説明する。
まず、ベース部材11の材料として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いている。また、カバー部材12の材料として、分極処理を施していないPZTを用いている。ベース部材11の材料は、これに限定されるものではなく、圧電材料であればよい。例えば、ベース部材11及びカバー部材12の材料としては、アルミナまたはサスが挙げられる。
さらに、本実施の形態では、溝14は、ダイシング加工により、高さ280μmで形成されており、チャンネル壁13は、幅80μm、ピッチ169μmで形成されている。また、圧電材料の分極方向と直交する方向に電界を加えるための電極(駆動電極)15としての金属膜が、溝14を形成するチャンネル壁13の両サイドに、つまり、チャンネル壁3の側面の上部に、高さ120μmで形成されている。
駆動電極15、及び、引き出し部としての電極(斜面111と浅溝面160とに形成された電極)は、斜面111と浅溝面160とが形成されたベース部材11に電極材料であるAl(アルミニウム)を斜め蒸着することにより形成されている。そして、本インクジェットヘッドでは、チャンネル壁13の側面部における駆動電極15の厚みが1.0μmとなっている。なお、駆動電極15の電極材料として、Al以外にも、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)等の導電性材料を用いることもできる。
溝14の斜面111は、溝14の後端部を、溝加工時に使用されるダイシングブレードの直径に対応した円弧形状(R形状)で加工することにより形成される。さらに、外部との通電のための電極引き出し部としての浅溝面160は、同じくダイシングブレードにより加工することにより形成される。浅溝面160に形成された電極は、浅溝面160の後端部で、例えばFPC基板のようなフレキシブル基板に形成された外部の電極8とワイヤーボンディング7により接続されている。
インク供給用のインク供給口21と共通インク室となる溝(マニホールド)22は、カバー部材12にサンドブラスト加工を施すことにより形成される。なお、カバー部材12としては、分極処理を施していないPZT材料以外にも、セラミック材料等を用いることができる。この場合、インク供給口21とマニホールド22は、カバー部材12にフライス加工または成形加工を施すことにより形成されていてもよい。
ノズル板19の材料としては、厚さ50μmのポリイミドフィルムが用いられる。また、ノズル板19に形成されたノズル孔110は、エキシマレーザー加工により形成される。そして、ノズル孔110は、入射側(ベース部材11側)の直径が40μm、出射側(外部側)の直径20μmになるように形成される。
ここで、本インクジェットヘッドにおいて、ノズル板19に形成されたノズル孔110のピッチは、溝14のピッチと同じになるようになっている。具体的には、インク通過孔31のピッチは、169μmである。なお、ノズル板9の材料として、ポリイミドフィルム以外にも、ポリエチレン系の高分子樹脂フィルム、あるいはステンレス板等の金属材料を用いることもできる、また、ノズル板9の材料としてステンレス板等の金属材料を用いる場合には、パンチング加工によりノズル板19にノズル孔110を形成してもよい。
さらに、本インクジェットヘッドでは、ベース部材11とノズル板19との間に、インク通過孔31が設けられた振動吸収材30が配されている。すなわち、ノズル板19に振動吸収材30が形成されている。
振動吸収材30として、厚さ30μmのウレタンゴムを使用する。また、振動吸収材30に形成されたインク通過孔31は、エキシマレーザー加工により形成される。そして、インク通過孔31は、その直径が60μmとなるようにあらかじめ形成されている。
振動吸収材30に形成されたインク通過孔31のピッチは、溝14のピッチと同じになるようになっている。具体的には、インク通過孔31のピッチは、169μmである。また、インク通過孔31の直径は、ノズル孔110の入射側直径よりも大きく、かつチャンネル壁13同士が対向する幅よりも小さければよい。
さらに、特許文献5に記載の構成は、インクに触れる全ての部分が接着剤吸収構造を有する有機皮膜に覆われた構成になっているため、実効的にノズル孔の深さが深くなり、インク流路抵抗が増大するという問題が生じる。しかしながら、本インクジェットヘッドでは、インク通過孔31の直径をノズル孔110の入射側直径よりも大きくすることで、インクの流路抵抗を小さくすることが可能になる。
また、振動吸収材30の材料は、ウレタンゴムに限定されるものではなく、チャンネル壁13の剪断変形後に発生する残留振動を吸収するような材料であればよい。振動吸収材30が弾性体であれば、なお好ましい。振動吸収材30の材料としては、具体的には、パーフロ、バイトン等の有機合成ゴムが挙げられる。
また、振動吸収材30は、ゴム硬度が200以下であるものが好ましい。これにより、インク液滴の吐出効率を低下させない一方、チャンネル壁13の剪断変形後に発生する残留振動を吸収する吸収機能が向上する。上記「ゴム硬度」とは、弾性体表面に鋭利でない押し針を押し付けたときに、弾性体表面の抵抗を相対的単位の量で示したものをいう。また、「ゴム硬度」の測定には、スプリング式、あるいは定荷重式のゴム硬度計が用いられる。
また、振動吸収材30にインク通過孔31を形成した後、振動吸収材30は親水化処理が施されていることが好ましい。これにより、振動吸収材30のインクに対する濡れ性が改善し、インク液滴の吐出効率が向上したインクジェットヘッドを実現することができる。親水性処理とは、インク(または水などの溶液)との接触角が処理前の接触角より処理後の接触角の方が小さくなる処理をいう。具体的には、プラズマ処理などの放電現象を利用した処理方法が挙げられる。
また、振動吸収材30にインク通過孔31を形成した後、振動吸収材30は紫外線照射処理が施されていることが好ましい。これにより、ベース部材11、カバー部材12、振動吸収材30、及びノズル板19を組み立てて本インクジェットヘッドを製造する組立工程において、ベース部材11と振動吸収材30との接着効果、及びノズル板19と振動吸収材30との接着効果が強化する。
また、本インクジェットヘッドでは、振動吸収材30は、ノズル板19と対向面の全面で接するように設けられていることが好ましい。
特許文献4に記載のインクジェットヘッドでは、振動吸収材が共通インク室とインク吐出チャンネルとの連通部を塞いだ状態で設けられているので、その製造方法において、共通インク室に振動吸収材を張り合わせる工程が必要になる。共通インク室の形状は、一般的に複雑である。それゆえ、特許文献4では、共通インク室に振動吸収材を張り合わせることがかなり困難である。
一方、本インクジェットヘッドでは、振動吸収材30は、ノズル板19と対向面の全面で接するように設けられているので、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することが可能になる。インクジェットヘッドは、通常、溝14が形成されたカバー部材12と、ノズル板19とを張り合わせることで作成される。本インクジェットヘッドでは、カバー部材12とノズル板19とを張り合わせる前に、振動吸収材30がノズル板19と対向面の全面で接するように、振動吸収材30とノズル板19とを張り合わせることが可能である。そして、その後、既存のプロセスで、このノズル板19をカバー部材12に張り合わせることが可能になる。
それゆえ、本インクジェットヘッドでは、特許文献4に記載のインクジェットヘッドと比較して、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することが可能になる。
また、本発明のインクジェットヘッドでは、上記振動吸収材には、インクを通過させるインク通過孔31が形成されていることが好ましい。カバー部材12とノズル板19とを張り合わせる前に、容易に振動吸収材30にインクを通過させるインク通過孔31を形成することが可能である。それゆえ、それゆえ、それゆえ、本インクジェットヘッドでは、特許文献4に記載のインクジェットヘッドと比較して、製造が容易なインクジェットヘッドを提供することが可能になる。
次に、上述の構成を備えた本インクジェットヘッドのインク液滴吐出動作について、図2〜図4に基づいて、以下に説明する。図2は、本インクジェットヘッドを駆動する駆動信号の波形を示すグラフである。
図2に示すように、インク吐出チャンネルに印加される駆動信号(駆動電圧)32は、第1の駆動パルス33と第2の駆動パルス34とからなる。同図に示すように、インク吐出チャンネルには、第1の駆動パルス33として電圧Vが、時間AP印加される。次いで、第2の駆動パルス34として、第1の駆動パルス33と逆向きの電圧−Vが、時間2AP印加される。そして、時間3AP経過後、インク吐出チャンネルには電圧が印加されない。
なお、図2に示された「AP」は、第1の駆動パルス33が印加される時間を示し、本実施形態では、APを2.25μsecと設定している。また、「V」は、駆動パルスの大きさを表しており、本実施形態では、Vを15Vと設定している。しかしながら、上記の時間AP、及び電圧Vの設定は、これに限定されるものではない。
図3は、図2の駆動信号に基づいて駆動された場合のインク吐出チャンネルの状態を示す断面図である。図3(a)は、第1の駆動パルス33を印加する時間0と時間APとの間の期間(AP)におけるインク吐出チャンネルの状態を示し、図3(b)は、第2の駆動パルス34を印加する時間APと時間3APとの間の期間(2AP)におけるインク吐出チャンネルの状態を示し、図3(c)は、時間3AP経過後のインク吐出チャンネルの状態を示す。なお、ここでは、インク液滴の吐出は、チャンネルB1から行うものとする。
図3(a)に示すように、第1の駆動パルス33を印加する期間(0〜AP)では、インク吐出チャンネルB1の一対の駆動電極PB1,PB2に+Vの駆動電圧が印加される一方、両隣のインク吐出チャンネルA1,C1の一対の駆動電極PA1,PA2;PC1,PC2には、駆動電圧が印加されない。このとき、同図に示すように、インク吐出チャンネルB1を形成する側壁(チャンネル壁)WAB,WBCには、その厚さ方向に電界が与えられることになる。その結果、矢印方向の分極が発生し、インク吐出チャンネルB1が拡開する。一方、残余のインク吐出チャンネルA1,C1の側壁WA,WCには、電界が与えられず、インク吐出チャンネルA1,C1は、インク吐出チャンネルB1が拡大した体積の半分ずつ縮小することになる。
その後、第2の駆動パルス34を印加する期間(AP〜3AP)では、インク吐出チャンネルB1の一対の駆動電極PB1,PB2に−Vの駆動電圧が印加される一方、両隣のインク吐出チャンネルA1,C1の一対の駆動電極PA1,PA2;PC1,PC2には、駆動電圧が印加されない。このとき、同図に示すように、インク吐出チャンネルB1を形成する側壁(チャンネル壁)WAB,WBCには、図3(a)とは逆方向に電界が与えられることになる。その結果、矢印方向の分極が発生し、インク吐出チャンネルB1が収縮する。一方、残余のインク吐出チャンネルA1,C1の側壁WA,WCには、電界が与えられず、インク吐出チャンネルA1,C1は、インク吐出チャンネルB1が縮小した体積の半分ずつ拡大することになる。
さらに、その後(時間3AP経過後)には、インク吐出チャンネルB1の一対の駆動電極PB1,PB2には電圧が印加されていない状態になる。この状態では、図3(c)に示すように、インク吐出チャンネルA1,B1,C1に変形は生じない。
図4は、図3に示すインク吐出チャンネルB1の状態におけるインク液滴の吐出の状態を示す説明図である。同図に示されるように、インクは、時間T=0〜APの期間(第1の駆動パルス33を印加する期間)に、ノズル孔110内に引き込まれるようになる。そして、時間T=AP〜2APの期間に、インクがノズル孔110から盛り上がり、くびれが生じはじめる。そして、このくびれが時間経過とともに大きくなり、時間T=3AP付近で、インクがインク液滴として吐出される。
本インクジェットヘッドでは、溝14を形成するチャンネル壁13が駆動信号32によって剪断変形し振動することによって、インク吐出チャンネル120内に圧力変動が生じる。この圧力変動により、インクが吐出するために必要である。しかしながら、この圧力変動は、インクの吐出後にも、残留振動をもたらすことになる。本インクジェットヘッドでは、残留振動を吸収する振動吸収材30が設けられている。これにより、インク液滴吐出後の残留振動が抑制される。
以下、図5及び図6に基づいて、本インクジェットヘッドのよる残留振動の抑制効果について説明する。図5は、従来のインクジェットヘッドを図2に示す駆動信号により印加した場合におけるインク吐出チャンネル内の圧力の時間経過を示すグラフである。また、図6は、本インクジェットヘッドを図2に示す駆動信号により印加した場合におけるインク吐出チャンネル内の圧力の時間経過を示すグラフである。なお、図5及び図6では、駆動信号との対応関係を分かりやすくするため、図2に示した駆動信号の信号波形を点線で示している。
上述したように、インク液滴は、時間T=3AP付近で吐出される。図5及び図6に示すように、インク液滴が吐出されるまでの時間(T=0〜3APの期間)における、インク吐出チャンネル内の圧力変動は、本インクジェットヘッドと従来のインクジェットヘッドとの間で、あまり大差がない。
一方、インク吐出後、すなわち時間T=3AP経過後におけるインク吐出チャンネル内の圧力変動を比較すると、図5及び図6に示すように、本インクジェットヘッドのインク吐出チャンネルは、従来のインクジェットヘッドのインク吐出チャンネルよりも、圧力変動が小さくなっている。すなわち、本インクジェットヘッドでは、従来のインクジェットヘッドよりも残留振動が小さくなっていることがわかる。
その結果、本インクジェットヘッドでは、先行する液滴を噴射後、後続の液滴を噴射するためにチャンネル壁3を変形する場合、先行する液滴の噴射の影響を小さくすることができる。そして、液滴を安定して噴射することができ、液滴の噴射速度、体積を一定にすることができる。
本インクジェットヘッドは、インク吐出孔を有するノズルプレートと、インクを吐出するためにインクにエネルギーを与える上記インク吐出孔に連通した個別液室と該個別液室に連通する共通液室が形成された流路形成部材とを結合するノズルプレート接着面を備え、上記ノズルプレート接着面に、上記流路形成部材の一部表面がインクと接するように振動吸収材を備える構成であるともいえる。これにより、インク吐出チャンネルに残留している圧力波の振幅を弱めることができる。
また、この場合、上記振動吸収材は、有機合成ゴムを含むことが好ましい。この構成上記発明において好ましくは、上記有機合成ゴムは親水化処理されている。この構成を採用することによって、インクに対する濡れ性を向上し、吐出効率を高めることができる。
この場合、上記振動吸収材が上記ノズルプレートと接する構成であってもよい。この構成を採用することによって、製造が容易なインクジェットヘッドを供給することができる。
上記発明において好ましくは、上記振動吸収材には、上記振動吸収材を貫通した孔を設ける。この構成を採用することによって、製造が容易なインクジェットヘッドを供給することができる。
上記発明において好ましくは、上記振動吸収材に設けられた孔の直径は、ノズルプレートに設けられたインク吐出孔の直径より大きい。この構成を採用することによって、インクの流路抵抗が小さくすることができる。
上記発明において好ましくは、上記振動吸収材に設けられた孔は、ノズルプレートを構成する部材の孔加工と同一の装置で設ける。この構成を採用することによって、製造が容易なインクジェットヘッドを供給することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明のインクジェットヘッドは、以上のように、残留振動の影響をなくし、先行するインク液滴の吐出に影響されることなく、インク液滴を、常に安定して連続的に吐出することができるので、印刷産業に適用できる。
1,11 ベース部材(基体)
2,12 カバー部材
3,13 チャンネル壁(隔壁)
4,14 溝
5,15 駆動電極
9,19 ノズル板
10,110 ノズル孔(インク吐出孔)
32 駆動信号(駆動電圧)
21,121 インク供給口
22,122 溝
30 振動吸収材
31 インク通過孔
2,12 カバー部材
3,13 チャンネル壁(隔壁)
4,14 溝
5,15 駆動電極
9,19 ノズル板
10,110 ノズル孔(インク吐出孔)
32 駆動信号(駆動電圧)
21,121 インク供給口
22,122 溝
30 振動吸収材
31 インク通過孔
Claims (10)
- インクを通過させる溝が形成された基体と、上記溝の前部を閉塞しインク吐出チャンネルを形成するノズル板とを備え、
上記溝を形成する隔壁に、該隔壁を変形させるための駆動電圧を印加する駆動電極が形成されたインクジェットヘッドであって、
上記ノズル板には、上記隔壁の変形後に発生する残留振動を吸収する振動吸収材が設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 上記振動吸収材は、上記ノズル板と対向面の全面で接するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 上記振動吸収材には、インクを通過させるインク通過孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
- 上記ノズル板には、インクを液滴として吐出するインク吐出孔が形成されており、
上記インク通過孔の直径は、上記インク吐出孔の直径よりも大きくなっていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。 - 上記インク通過孔は、ノズル板におけるインク吐出孔の加工と同一の加工により形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェットヘッド。
- 上記振動吸収材には、親水化処理が施されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
- 上記振動吸収材は、弾性体から構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
- 上記振動吸収材はゴムを含むことを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッド。
- 上記駆動電極は、上記溝を形成する隔壁を剪断変形させるための駆動電圧を印加するようになっていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
- 請求項1〜9の何れか1項に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット式記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005296947A JP2007105924A (ja) | 2005-10-11 | 2005-10-11 | インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014043075A (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-13 | Konica Minolta Inc | インクジェットヘッド |
-
2005
- 2005-10-11 JP JP2005296947A patent/JP2007105924A/ja active Pending
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