JP2007105590A - 撹拌混合システム及び該システムを用いた濃度調整方法 - Google Patents
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Abstract
粉体及び液体の投入から両者の混合物の生成までを円滑に処理すると共に、特に、二次凝集を解消可能な攪拌混合システムを提供すること。
【解決手段】
粉体を導入するための粉体導入口と液体を導入するための液体導入口とを有する予備混合手段10と、該予備混合手段から排出される混合物を導入し、撹拌羽根33を振動させて該混合物を撹拌混合する撹拌混合手段30と、該予備混合手段と該撹拌混合手段との間に設けられ、該混合物を該予備混合手段から連続的に導入し、該攪拌混合手段へ送出する導入・送出手段20とを有することを特徴とする撹拌混合システムである。
【選択図】図1
Description
これに対し、本出願人は、特許文献8のように、粉体を導入するための粉体導入口に、粉体導入装置を取り付け、該装置に粉体を搬送するためのスクリューと、該スクリューを振動回転させる構成を付加した攪拌混合装置を提案した。
さらに、ピストンポンプにより、該混合物に所定の圧力を付与しながら攪拌混合手段に導入することが可能となるため、攪拌混合手段内を通過する混合物に、所定方向への流動性を付与することが可能となる。
図1は、本発明に係る攪拌混合システムの全体構成を示す概略図である。
本発明の攪拌混合システムは、粉体を導入するための粉体導入口と液体を導入するための液体導入口とを有する予備混合手段10と、該予備混合手段から排出される混合物を導入し、撹拌羽根を振動させて該混合物を撹拌混合する撹拌混合手段30と、該予備混合手段と該撹拌混合手段との間に設けられ、該混合物を該予備混合手段から連続的に導入し、該攪拌混合手段へ送出する導入・送出手段20とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る攪拌混合システムは、撹拌混合手段30から排出される混合物9を導入し、混合物の濃度を調整するための濃度調整手段40を有することも可能であり、この構成により、予備混合手段10(及び撹拌混合手段30)において所定量より少ない液体を導入して、混合物中の粉体の濃度を所定濃度より高く設定し、濃度調整手段40で、撹拌混合手段から排出される混合物に液体を加えて、所定濃度の混合物50を得ること可能とする撹拌混合システムを用いた濃度調整方法が実現可能となる。
また、液体は予備混合手段10内の複数箇所で所定圧力で供給されることが好ましいため、蓄圧・分岐手段4を介して、液体フィーダーから供給される液体を、符号5のように複数の液体供給パイプに所定圧力で分岐して供給する。
液体5(5−1〜5−4)の供給圧力及び流量は、スクリュー13に付着した粉体や二次凝集粒を洗い流すのに十分な圧力並びに流量を備えることが好ましい。
予備混合手段10においては、粉体と液体とが混合されるが、両者の十分な混合は達成されておらず、次の攪拌混合手段30において、均質な混合が実現されることとなる。しかしながら、予備混合手段10から排出される混合物は、多量の二次凝集粒と液体との混合状態となっている。また、攪拌混合手段30においては、後述するように混合物を搬送する機構を有していないため、攪拌混合手段30の内部を通過して排出するには、所定の圧力を付与した状態で、混合物を攪拌混合手段30に送り込むことが必要となる。
また、ギアポンプなどを用いて搬送を行った場合には、ギアポンプの入口に二次凝集粒が蓄積し、ギアポンプ内に混合物が入り込むのが阻害されたり、ギアポンプ内で粉体や二次凝集粒内の粉体などに大きな圧力が掛り、粉体が押し潰され破壊するという問題も生じる。
しかも、予備混合手段10から攪拌混合手段30への混合物の円滑な搬送が実現できない場合には、予備混合手段10内に混合物が充満し、予備混合手段10の漏斗状の粉体供給部11にまで、液体が侵入する事態も生じる。
具体的には、図4に示すような2つのシリンダポンプA及びBを使用し、シリンダポンプA,Bを相互に駆動しながら、連続的に混合物を導入し、圧力を付加しながら混合物を送出することを実現している。
図4の下方にピストン72,73が移動している際には、混合物がシリンダ70,71内に導入され、逆にピストン72,73が上方へ移動する際には、シリンダ70,71内から混合物が排出されることとなる。排出された混合物は、バルブ80,81を介して攪拌混合手段30に送出される。
ポンプAが予備混合手段10から混合物を吸込動作を行っている際には、ポンプBは攪拌混合手段30へ吐出動作を行っており、逆に、ポンプBが予備混合手段10から混合物を吸込動作を行っている際には、ポンプAは攪拌混合手段30へ吐出動作を行っている。
導入・送出手段が吸引する混合物の流量は、予備混合手段において粉体が導入される流量と液体が導入される流量との総流量と比較し、より大きくすることが好ましい。これにより、予備混合手段の導入・送出手段に連通する管内の圧力を負圧に維持することが可能となり、予備混合手段の出口付近に二次凝集粒が残存したり、オーバーフローした液体が粉体導入口を逆流するなどの不具合を抑制することが可能となる。
図6(a)は側面図であり、図6(b)は図6(a)の右側から見た正面図である。
予備混合手段の粉体・液体混合部12から導入・送出手段20に混合物を導入する配管は、図6(b)に示すようにY字状の分岐管82を用いており、この構成により、配管内を移動する二次凝集粒などの混合物が円滑にシリンダポンプA及びBに流入するよう構成されている。仮に分岐管82を逆T字状に構成した場合には、二次凝集粒などが分岐部に蓄積し、粉体・液体混合部12の出口を閉塞することが危惧される。特に、図6に示すように、予備混合手段10を導入・送出手段20の上方に配置し、導入・送出手段の吸引力だけでなく、混合物の自重も使用しながら混合物を搬送する場合には、上記Y字状の分岐管82は、より効果的である。
また、シリンダポンプA,Bからの混合物の送出においても、2つの管が合流する合流部83を同様にY字状の分岐管を用いて構成することも可能である。
また、上記説明においては2つのシリンダポンプを用いた例を示したが、3つ以上のシリンダポンプを並列に配置し、連動させることも可能であることは言うまでもない。
さらに、予備混合手段と分岐管82との間に、混合物を一時的に蓄積できる容器(粉体・液体混合部より径の大きな管状部でも良い)を介在させることも可能である。ただし、長時間、該容器内に混合物が滞留する場合は、液体と二次凝集粒などの混合物との分離が進行し、混合物の処理に濃度ムラが生じる原因ともなるため、必要以上に滞留しないように該容器の容量を設定することが好ましい。
図7に示す符号8は、導入・送出手段20から圧力を掛けて送出されてきた混合物を示す。
撹拌混合手段30には、内部に流体が流通する流通路が設けられたケーシング31と、ケーシング31内に配置され、振動源37に接続された軸部38と該軸部38の周囲に取り付けられた撹拌羽根33とからなる撹拌体とが設けられている。なお、撹拌羽根は、撹拌される原料に応じて、螺旋状、棒状などの形状を適宜選択して用いることが好ましい。また、螺旋状の場合も、羽根の一部に開口や切り込みを形成し、攪拌する混合物が該開口などを通過して移動するよう構成することもできる。
仕切り板32が、ケーシング31内部を複数の攪拌室に分けると共に、各攪拌室間で混合物が連通可能に構成している。各撹拌室で攪拌混合された混合物は、図7の上方に向かって順次移動することとなる。このように、ケーシング31内部を仕切り板32により仕切ることによって、混合物の円滑な移動を抑制するだけでなく乱流効果を高め、均質な混合物を得ることが可能となる。ただし、これに限るものではなく、原料の性質などによって容易に撹拌混合可能である場合には、仕切り板32はなくてもよい。
スチームなどの投入口にフィルタ92,93が配置され、混合物が導入口に流れ込まないように、また、フィルタを介してスチームが均一なミスト状態となって攪拌室に導入されるよう構成されている。
濃度調整手段40は、混合物を蓄積する容器41と、該容器内に配置され混合物を攪拌する攪拌手段42、さらには、希釈用液体46を供給するための希釈用液体を蓄積したタンク44並びに液体供給ポンプ45から構成される。
本発明の攪拌混合システムでは、予備混合手段、導入・送出手段、さらには攪拌混合手段において、混合や搬送処理に適する混合物の濃度がある。
該濃度は、混合する粉体や液体の材料により異なるが、一般的に、最終処理物として期待される混合物の濃度値より、これらの処理に適する濃度は低い場合が多い。例えば、予備混合手段では、粉体と液体とは一度に多くが混ざり合わないため、所定量以上の液体は単に液体として搬送されるだけとなる。導入・送出手段では、ピストンポンプで吸引した場合には、二次凝集粒などの混合物より流動性の高い液体を優先的に取り込むこととなるため、搬送する混合物に濃度ムラが生じやすい。さらに、攪拌混合手段では、液体の濃度が低すぎると攪拌混合処理を行うことができず、また液体の濃度が高くなりすぎると、混合物全体の粘性が低下し、攪拌混合処理を効率良く行うことが難しくなるなどの問題を生じる。
これにより、予備混合手段から攪拌混合手段に至る一連処理を効果的に行うことができる。
2 液体タンク
3 液体フィーダー
4 蓄圧・分岐手段
5 予備混合手段に供給される液体
6 粉体
7 予備混合手段で処理された混合物
8 攪拌混合手段に導入される混合物
9 攪拌混合手段で処理された混合物
10 予備混合手段
11 漏斗状粉体供給部
12 粉体・液体混合部
13 スクリューフィーダー
14 駆動部
20 導入・送出手段
30 攪拌混合手段
31 ケーシング
32 仕切版
33 攪拌羽根
34 フィルタ
35 導入口
36 排出口
37 振動源
40 濃度調整手段
41 混合物蓄積容器
42 攪拌手段
43 混合物
44 希釈用液体タンク
45 液体供給ポンプ
46 希釈用液体
50 濃度調整された混合物
60 回転軸
61 モータ
62,63 ギア
64 超音波振動子
65 回転方向
66 振動方向
70,71 シリンダ
72,73 ピストン
74,75 ピストン軸
76,77 駆動源
78,79,80,81 バルブ
82 分岐管
83 合流部
90,91 液体、スチーム又は添加剤
92,93 フィルタ
94 未処理物
Claims (10)
- 粉体を導入するための粉体導入口と液体を導入するための液体導入口とを有する予備混合手段と、
該予備混合手段から排出される混合物を導入し、撹拌羽根を振動させて該混合物を撹拌混合する撹拌混合手段と、
該予備混合手段と該撹拌混合手段との間に設けられ、該混合物を該予備混合手段から連続的に導入し、該攪拌混合手段へ送出する導入・送出手段とを有することを特徴とする撹拌混合システム。 - 請求項1に記載の撹拌混合システムにおいて、
該予備混合手段は、該粉体導入口より下方に設けられた該液体導入口と、
該粉体導入口を貫通して配置された回転及び振動するスクリューフィーダとを有し、
該スクリューフィーダの先端は該液体導入口より下方位置まで伸びていることを特徴とする撹拌混合システム。 - 請求項1又は2に記載の撹拌混合システムにおいて、
該導入・送出手段は、少なくとも2つ以上のピストンポンプを並列に接続し、
該予備混合手段からの混合物を一定流量で連続的に吸引することを特徴とする撹拌混合システム。 - 請求項3に記載の撹拌混合システムにおいて、
該導入・送出手段が吸引する混合物の流量は、該粉体が導入される流量と該液体が導入される流量との総流量より大きいことを特徴とする撹拌混合システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の撹拌混合システムにおいて、
該撹拌混合手段は、撹拌混合された混合物を排出する排出口又はその近傍にフィルタを配置することを特徴とする撹拌混合システム。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の撹拌混合システムにおいて、
該撹拌混合手段は、混合物の導入口から排出口までの間に、スチーム又は添加剤を投入することが可能な投入口を有していることを特徴とする撹拌混合システム。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の撹拌混合システムにおいて、
該撹拌混合手段は、混合物の導入口から排出口までの間に、予備混合手段で導入した液体と同じ液体を投入することとが可能な投入口を有していることを特徴とする撹拌混合システム。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の撹拌混合システムにおいて、
該撹拌混合手段から排出される混合物を導入し、混合物の濃度を調整するための濃度調整手段を設けることを特徴とする撹拌混合システム。 - 請求項7に記載の撹拌混合システムを用いた濃度調整方法において、所定量より少ない液体を予備混合手段で導入して、混合物中の粉体の濃度を所定濃度より高く設定し、該攪拌混合手段の投入口から、該予備混合手段で導入した液体と同じ液体を、該液体の量が所定量となるように投入し、所定濃度の混合物を得ることを特徴とする撹拌混合システムを用いた濃度調整方法。
- 請求項8に記載の撹拌混合システムを用いた濃度調整方法において、所定量より少ない液体を導入して、混合物中の粉体の濃度を所定濃度より高く設定し、該濃度調整手段で、該撹拌混合手段から排出される混合物に液体を加えて、所定濃度の混合物を得ることを特徴とする撹拌混合システムを用いた濃度調整方法。
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