JP2007105068A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マルチスライスCT用として2列に設けられる半導体検出素子アレイを1/2ピッチずらして配置し、それぞれのギャップ位置をお互いに補完できるように配列する。また、データ処理時に各検出素子からのデータを互いに補完するように並べなおす処理を行う。この処理により、ギャップ位置に対応するデータを他の検出素子アレイのデータで補完可能となる。
【選択図】図1
Description
このため、この種の装置においてはギャップについて考慮する必要がなく、検出素子群をマトリクス状に配置しても問題はなかった(特許文献1参照)。
だが、最近X線CT用の検出器として、半導体検出器が用いられるようになってきた。
しかしながら半導体検出器ではボケがなく、ギャップの影響がはっきり生じる。
X線CT用半導体放射線検出器に用いられる半導体検出器には、以下のような長所と短所が存在している。
長所:
1)半導体検出器は感度と特性が従来のシンチレータに比べ格段に高い。
2)素子サイズに応じた高い解像度を得ることができる。
短所:
1)画素間に隙間(ギャップ)ができ、情報の欠落が生じる。
図5は従来のマルチスライスCT用の検出素子(5,6)を2列配列した検出器アレイ(15)を示す。検出器アレイ(15)は、2列の平行する検出素子アレイ(1,2)により構成されている。X線ビーム(3)の入射方向は紙面に垂直であり、検出素子アレイ(1,2)全体を照射する。1列目の検出素子(5,5’…)と2列目の検出素子(6,6’…)は、それぞれのギャップ位置が同じ角度位置にある構造となっている。測定対象物(4)はデータ取得ごとに下方向に列ピッチ分送られる。
測定対象物が列ピッチ分移動したときに行われる2回目のスキャン(pass2)においてもギャップ位置は1回目のスキャンと同一の角度位置に存在しており、データ(d21)を得た位置に隣接する位置ではデータが欠落する。
ギャップの存在により、X線CT撮像のために測定対象物を回転して投影像(透過像)を撮像する場合、測定対象物が小さい場合、ある角度ではギャップにのみ投影像が入る現象が生じる。
CT処理の前提条件は、360度全周からの情報が得られることであり、ギャップによる情報の欠落は、線状のノイズとして再構成画像に発生し、顕著な問題が生じる。
または、検出素子を2列に配列したアレイにおいて、その画素をアクチュエータにより1/2ピッチ分ずらして素子間のギャップを完全に補完可能に構成し、2列の素子ピッチ分ずつ測定対象物を移動してマルチスライス撮像をする。マルチスライスを行わないときには1列に配列した素子を用いることができる。
これらの技術的解決方法の細部は異なるが、いずれの構成も測定対象物と検出素子アレイの相対的移動により、ギャップのない位置でX線−電荷変換を行わせることでギャップの影響を防いだものである。
図1に検出器アレイ(15)の配列例を示す。
検出器アレイ(15)は、2列の平行する検出素子アレイ(1,2)により構成される。検出素子(5,6)は2列にわたり千鳥配置される。X線ビーム(3)の入射方向は紙面に垂直であり、検出素子アレイ(1,2)全体を照射する。1列目の検出素子(5,5’…)と2列目の検出素子(6,6’…)は、それぞれのギャップを補完するために、列ピッチ移動に対し少し重なる構造とする。測定対象物(4)が列ピッチ分移動したときに1列目のギャップで取得できなかったデータを2列目の検出器の取得データで補完できる配置とする。
図2にデータ補完の概念を示す。
1回目のスキャン(pass1)において第1の検出素子アレイ(1)から得られるデータは、ギャップの存在のために、ギャップ位置において欠落したデータとなる。即ちデータ(d11)が得られた検出素子(5)に隣接するギャップにおいてはデータが欠落し、その次の検出素子(5’)位置ではデータ(d12)が得られる。最後のデータ(d1n)を取得した後、測定対象物(4)を列ピッチ分ステップ送りして2回目のスキャンを行う。
このとき同時に、測定対象物(4)の新しい位置で、第1の検出素子アレイ(1)により3回目のスキャン(pass3)を行い、新しい位置に対するデータ(d31,d32,...d3n)が得られる。これらのデータは、さらに測定対象物(4)を列ピッチ分ステップ送りした後に、第2の検出素子アレイ(2)から得られるデータ(d41,d42,...d4n)により補完される。
以下、同様にくり返すことにより、ギャップがあっても信号処理に影響を与えることがなくなる。
なおCT用デバイスとして各素子の特性をそろえるために、1列目と2列目は同じ大きさであることが望ましい。また、検出素子アレイを3列以上に拡張すれば、データ取得の高速化が期待できる。
さらに検出素子アレイを千鳥状に3列設けて2列同時に並行してデータ処理すれば、測定対象物(4)のステップ送りを2列分とすることができ、処理の高速化が図れる。
図3にその例を示す。
15は検出器アレイである。ここでは検出器アレイ(15)は2列の検出素子アレイ(1,2)により構成される。ここまでは従来の技術と同じである。
検出器アレイ(15)は、行方向(図面の横方向)に1/2ピッチだけアクチュエータ(16)により可動可能なようになっている。17は固定端である。アクチュエータとしては圧電素子によるものが小型化可能である。その他に、ソレノイド、小型モータ、超音波モータやリニアモータなども利用可能である。
次の測定は、測定対象物(4)を2列ピッチ分ステップ送りした後に行う。
ここでは検出器アレイ(15)を2列の検出素子アレイ(1,2)により構成するものとしたが、3列以上に拡張することは容易に想到できる。また、マルチスライスを行わないときには、検出素子アレイは1列で十分である。
3,13 X線ビーム
4 測定対象物
5,6 検出素子
10 制御装置
11 ガントリ
12 X線源
14 回転中心
15 検出器アレイ
16 アクチュエータ
17 固定端
20 信号処理装置
Claims (3)
- 半導体X線検出素子(5,6)を2列にわたり千鳥配列をなした検出素子アレイ(1,2)からなる検出器アレイ(15)と、信号処理装置(20)とを有し、前記信号処理装置(20)は検出器アレイ(15)からのデータを処理するにあたり、第1の検出素子アレイ(1)から得られたデータと、測定対象物を検出素子アレイの列ピッチ分移動させた後に第2の検出素子アレイ(2)から得られるデータとを相互にギャップ位置に対応するデータで補完することを特徴とするX線CT装置。
- 半導体X線検出素子(5,6)を2列にわたり千鳥配列をなした検出素子アレイ(1,2)からなる検出器アレイ(15)と、該検出器アレイ(15)を列ピッチ分、列方向に移動させるアクチュエータと、信号処理装置(20)とを有し、前記信号処理装置(20)は検出器アレイ(15)からのデータを処理するにあたり、第1の検出素子アレイ(1)から得られた第1のデータと、測定対象物を停止させたまま前記検出器アレイ(15)全体を検出素子アレイの列ピッチ分移動させた後に第2の検出素子アレイ(2)から得られる第2のデータとを相互にギャップ位置に対応するデータで補完することを特徴とするX線CT装置。
- 半導体X線検出素子(5)を1列に配列した検出素子アレイ(1)からなる検出器アレイ(15)と、該検出器アレイ(15)を1/2画素ピッチ分、行方向に移動させるアクチュエータ(16)と、信号処理装置(20)とを有し、前記信号処理装置(20)は検出器アレイ(15)からのデータを処理するにあたり、検出素子アレイ(1)から得られた第1のデータと、測定対象物を停止させたまま検出素子アレイを行方向に1/2画素ピッチ分移動させた後に検出素子アレイ(1)から得られる第2のデータとを相互にギャップ位置に対応するデータで補完することを特徴とするX線CT装置。
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