JP2007103693A - 固体電解コンデンサ用素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 漏れ電流が低く静電容量が高い固体電解コンデンサ陽極素子とその製造方法を提供する。
【解決手段】 固形バインダーを含んだ弁作用金属粉末を加圧成形してなる固体電解コンデンサ陽極素子において、該固形バインダーが熱溶融性材料であり、かつ該熱溶融性材料と弁作用金属粉末を加圧成形時に、成形金型を該固形バインダーの融点以上に加熱して成形することを特徴とする固体電解コンデンサ陽極素子およびその製造方法であり、当該固形バインダーである熱溶融性材料が、ステアリン酸またはパルミチン酸であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 固形バインダーを含んだ弁作用金属粉末を加圧成形してなる固体電解コンデンサ陽極素子において、該固形バインダーが熱溶融性材料であり、かつ該熱溶融性材料と弁作用金属粉末を加圧成形時に、成形金型を該固形バインダーの融点以上に加熱して成形することを特徴とする固体電解コンデンサ陽極素子およびその製造方法であり、当該固形バインダーである熱溶融性材料が、ステアリン酸またはパルミチン酸であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固体電解コンデンサに用いる素子およびその製造方法に関するものである。
従来の固体電解コンデンサに用いる素子は、タンタル等の弁作用金属の微粉末と、カンファやアクリル系樹脂等を有機溶剤に混合したバインダーとを混合し、乾燥させた粉末を用い、その粉末を成形金型に充填した後、上下パンチ、若しくは左右パンチなどにより素子を加圧成形し、焼結を行い作製している。
カンファやアクリル系樹脂等を有機溶剤に混合したバインダーを用いて素子を作製する従来の方法では、加圧成形後の空孔が微細化するため、固体化工程での硝酸マンガン溶液の含浸が悪くなる。そのため、二酸化マンガン等の固体電解質層を形成し難くなり、固体電解コンデンサの静電容量を低下させる欠点がある。
一方、タンタル等の微粉末と、カンファやアクリル系樹脂等を有機溶剤に混合したバインダーとを混合し、さらに顆粒状の固形バインダーを混合した粉末を用いて加圧成形した後、固形バインダーを除去して素子を作製することで、素子の空孔を拡張して、硝酸マンガン溶液の含浸を良くし、二酸化マンガン等の固体電解質層を形成しやすくする方法がある(例えば特許文献1参照)。
特開平10−275746号公報
しかし、顆粒状の固形バインダーを混合した粉末で作製した素子は、表面上に存在する固形バインダーが固形バインダー除去後に空孔となるため、コンデンサ製造工程で加わる機械的ストレスに弱く、漏れ電流特性が悪化するという問題があった。
上記問題を解決するために本発明は、弁作用金属粉末と固形バインダーとを混合して成形金型に充填し、加圧成形してなる固体電解コンデンサ素子において、該固形バインダーが熱溶融性材料であり、かつ成形金型を該固形バインダーの融点以上に加熱して加圧成形し、素子表面の固形バインダーを溶融させてなることを特徴とする固体電解コンデンサ用素子である。
さらに、上記固形バインダーが、ステアリン酸またはパルミチン酸であることを特徴とする固体電解コンデンサ用素子である。
また、弁作用金属粉末と固形バインダーとを混合して成形金型に充填し、加圧成形してなる固体電解コンデンサ素子の製造方法において、該固形バインダーが熱溶融性材料であり、かつ成形金型を該固形バインダーの融点以上に加熱することを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法である。
さらに、上記固形バインダーが、ステアリン酸またはパルミチン酸であることを特徴とする固体電解コンデンサ用素子の製造方法である。
弁作用金属粉末と熱溶融性材料からなる固形バインダーとを混合後、該混合粉末を成形金型へ充填し、固形バインダーの融点以上に加熱することで、成形金型と接する表面上の固形バインダーが溶融して空孔となっても加圧されているために、空孔となった部分にタンタル粉末が移動し空孔を埋めるが、素子内部の固形バインダーは、溶融せずに残るので素子内部にバインダーによる大きな空孔を形成しつつ、素子表面には空孔の少ない素子を作製することができる。
このように素子内部の密度を低く、表面上の密度を高くすることで、固体電解質層の形成を妨げることなく素子強度を向上させることができる。
その結果コンデンサ製造工程で加わる機械的なストレスによる漏れ電流の上昇を防ぎ、かつ素子内部に二酸化マンガン等の固体電解質層を形成しやすくなるため、高い静電容量を得ることができる。
このように素子内部の密度を低く、表面上の密度を高くすることで、固体電解質層の形成を妨げることなく素子強度を向上させることができる。
その結果コンデンサ製造工程で加わる機械的なストレスによる漏れ電流の上昇を防ぎ、かつ素子内部に二酸化マンガン等の固体電解質層を形成しやすくなるため、高い静電容量を得ることができる。
[実施例1]
成形金型は凹面金型と左右パンチ金型と上成形金型で構成される。金型はすべて加熱できるようになっている。
本発明の具体的な実施例について図面を参照して説明する。カンファと有機溶剤を混合したバインダーとタンタル粉末とを混合して乾燥後、固形バインダーとして粒径10〜150μmのステアリン酸をタンタル粉末100重量部に対して0.25重量部混合した。図1のように全体を表面温度80℃になるように加熱した成形金型内に、固形バインダーを混合したタンタル粉末を100mg充填した。混合粉末を成形金型に充填した直後は、図3のように固形バインダーが陽極素子表面にも存在する。次に図2のように陽極リードワイヤー6を供給すると共に加熱した上成形金型5を配置し、横方向から加圧して4.0mm×3.0mm×1.5mmの陽極素子を形成した。成形金型がステアリン酸の融点(70℃)以上に加熱されているため、素子表面にある固形バインダーは溶融し空孔が発生するが、素子は加圧されているため、発生した空孔はタンタル粉末で詰まる。
成形金型は凹面金型と左右パンチ金型と上成形金型で構成される。金型はすべて加熱できるようになっている。
本発明の具体的な実施例について図面を参照して説明する。カンファと有機溶剤を混合したバインダーとタンタル粉末とを混合して乾燥後、固形バインダーとして粒径10〜150μmのステアリン酸をタンタル粉末100重量部に対して0.25重量部混合した。図1のように全体を表面温度80℃になるように加熱した成形金型内に、固形バインダーを混合したタンタル粉末を100mg充填した。混合粉末を成形金型に充填した直後は、図3のように固形バインダーが陽極素子表面にも存在する。次に図2のように陽極リードワイヤー6を供給すると共に加熱した上成形金型5を配置し、横方向から加圧して4.0mm×3.0mm×1.5mmの陽極素子を形成した。成形金型がステアリン酸の融点(70℃)以上に加熱されているため、素子表面にある固形バインダーは溶融し空孔が発生するが、素子は加圧されているため、発生した空孔はタンタル粉末で詰まる。
次に固形バインダーを除去するため、ステアリン酸の沸点360℃以上である、650℃で30分間熱処理を実施した。この固形バインダー除去を行うことにより素子内部に空孔を形成することができる。その後、素子を焼結炉に入れ、1.33×10−3Paの真空下において1400℃、20分間熱処理し焼結素子とした。その後の化成処理工程で、この焼結素子を硝酸マンガン溶液に浸漬した後、熱分解処理を行い、0.1%リン酸中にて50Vで2時間保持して陽極酸化を行い、誘電体酸化皮膜を形成した。その後の固体化工程で、陽極酸化した焼結素子を硫酸マンガン溶液に浸漬した後熱分解処理を行い、二酸化マンガンからなる固体電解質層を形成した。その後の陰極形成工程で、先の二酸化マンガンが含浸された固体電解質層上にグラファイト層、銀層を形成した。陽極リードワイヤー6を陽極フレームに溶接し、陰極を導電性接着剤により陰極フレームに接合した後、エポキシ樹脂により外装樹脂を成形し固体電解コンデンサを作製した。
(従来例1)
顆粒状の固形バインダーとしてステアリン酸を用いて、成形金型を加熱せず素子を成形した以外は実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。顆粒状の固形バインダーであるステアリン酸の加熱除去は650℃、30分の条件で行った。
顆粒状の固形バインダーとしてステアリン酸を用いて、成形金型を加熱せず素子を成形した以外は実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。顆粒状の固形バインダーであるステアリン酸の加熱除去は650℃、30分の条件で行った。
(従来例2)
固形バインダーを混含しないタンタル粉末を使用し、成形金型を加熱せず素子を成形した対外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
固形バインダーを混含しないタンタル粉末を使用し、成形金型を加熱せず素子を成形した対外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
実施例1、従来例1、2の焼結素子について、走査型電子顕微鏡で、倍率500倍にて表面状態を形態観察し、直径10μm以上の空孔を数え、それを表面の空孔数とした。
さらに、固体電解コンデンサに対して10Vの電圧を印加して1分間充電した後の漏れ電流とバイアス電圧1.5Vにおける静電容量とを測定した。
表1から明らかなように、実施例1では表面上の固形バインダーを溶融して成形することにより表面上の空孔数を固形バインダー無しで成形した素子と同等にすることができた。また、漏れ電流が良好でかつ高い静電容量を持つ固体電解コンデンサを得ることができる。
実施例では固形バインダーとしてステアリン酸を用いたが、パルミチン酸等、炭素数16以上の直鎖飽和脂肪酸等などの熱溶融性材料であれば実施例と同様の効果が得られる。また金型を予め加熱したが、弁作用金属粉末充填後加熱してもよい。
さらに、焼結方法、陽極酸化方法、固体電解質形成方法等、本実施例に限定されるものではなく、公知の技術を適宜選択して使用できることはいうまでもない。
1 凹断面成形金型
2 粉末供給機
3 横パンチ
4 弁作用金属粉末
5 上成形金型
6 陽極リードワイヤー
7 固形バインダー
2 粉末供給機
3 横パンチ
4 弁作用金属粉末
5 上成形金型
6 陽極リードワイヤー
7 固形バインダー
Claims (4)
- 弁作用金属粉末と固形バインダーとを混合して成形金型に充填し、加圧成形してなる固体電解コンデンサ素子において、
該固形バインダーが熱溶融性材料であり、かつ成形金型を該固形バインダーの融点以上に加熱して加圧成形し、素子表面の固形バインダーを溶融させてなることを特徴とする固体電解コンデンサ用素子。 - 請求項1記載の固形バインダーが、ステアリン酸またはパルミチン酸であることを特徴とする固体電解コンデンサ用素子。
- 弁作用金属粉末と固形バインダーとを混合して成形金型に充填し、加圧成形してなる固体電解コンデンサ素子において、
該固形バインダーが熱溶融性材料であり、かつ成形金型を該固形バインダーの融点以上に加熱することを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。 - 請求項3記載の固形バインダーが、ステアリン酸またはパルミチン酸であることを特徴とする固体電解コンデンサ用素子の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2005291953A JP2007103693A (ja) | 2005-10-05 | 2005-10-05 | 固体電解コンデンサ用素子およびその製造方法 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61107717A (ja) * | 1984-10-31 | 1986-05-26 | 松下電器産業株式会社 | 焼結型電解蓄電器の製造方法 |
JPS61136602A (ja) * | 1984-12-04 | 1986-06-24 | Honda Motor Co Ltd | 高強度アルミニウム合金焼結体の製造方法 |
JPH10275746A (ja) * | 1997-03-28 | 1998-10-13 | Hitachi Aic Inc | 固体電解コンデンサの製造方法 |
JP2003160802A (ja) * | 2001-11-22 | 2003-06-06 | Toyota Industries Corp | 粉末成形体およびその製造方法並びに多孔質焼結体の製造方法 |
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2005
- 2005-10-05 JP JP2005291953A patent/JP2007103693A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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