JP2007101261A - 存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラム - Google Patents

存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2007101261A
JP2007101261A JP2005289082A JP2005289082A JP2007101261A JP 2007101261 A JP2007101261 A JP 2007101261A JP 2005289082 A JP2005289082 A JP 2005289082A JP 2005289082 A JP2005289082 A JP 2005289082A JP 2007101261 A JP2007101261 A JP 2007101261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radio wave
output level
range
received
radiated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005289082A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4836536B2 (ja
Inventor
Nakanobu Moriya
中宣 森谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Precision Inc
Original Assignee
Seiko Precision Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Precision Inc filed Critical Seiko Precision Inc
Priority to JP2005289082A priority Critical patent/JP4836536B2/ja
Publication of JP2007101261A publication Critical patent/JP2007101261A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4836536B2 publication Critical patent/JP4836536B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Burglar Alarm Systems (AREA)

Abstract

【課題】 電波放射装置の存在範囲を高い精度で同定可能な存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、0.1mWの出力レベルで送られた電波をも受信できた場合には、移動体が0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲に存在するものと判定される。これに対して、リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができるが、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができなかった場合には、移動体が1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲から、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲を除外した範囲に存在するものと判定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラムに関する。
空間内で特定の移動体の位置を同定する技術として、GPS(Global Positioning System)等、様々な手法が提案されている。このうち比較的狭い空間で位置同定をする手法として無線タグとリーダを用いる手法がある。
従来の無線タグとリーダを用いた移動体位置同定手法を図12を参照して説明する。
図12(a)に示すように、移動体(人等)には微弱無線送信部を備えた無線タグを持たせる。リーダは、無線タグの送信電波に対する受信可能範囲が重ならないように配置されていて、無線タグは定期的に微弱電波を発信している。この移動体位置同定装置は、電波の到達範囲が極めて狭い(数m程度)ことを利用していて、リーダに受信反応があると、そのリーダの数m以内に無線タグが存在することがわかり、高精度で移動体の位置の同定ができる。
しかし、この手法は、位置を同定するエリアを広くしようとすると多数のリーダを必要とするため、コストがかかる。
無線タグの位置を同定するエリアを広くするために、特定小電力無線送信部を備えた無線タグと、リーダを使用する手法が考えられる。しかし、特定小電力無線の出力は微弱無線の出力より非常に強く、電波の飛距離は長い。そのため図12(b)に示すように、無線タグの送信電波に対するリーダの受信可能範囲が重なってしまい、無線タグの正確な位置の同定が出来なくなる。
このような問題を考慮した移動体位置同定装置を用いた手法の一例は、特許文献1に開示されている。
特表2002−517050号公報
特許文献1に開示されている移動体位置同定装置は、特定小電力無線送信装置を備えた無線タグと、少なくとも2つ以上のリーダと、を備えている。各リーダは一つのシステムプロセッサに接続されている。リーダは、ある無線タグの送信電波に対する受信可能範囲の一部が、他のリーダの、ある無線タグの送信電波に対する受信可能範囲の一部と重なるように配置されている。
この移動体位置同定装置は、システムプロセッサで、無線タグの送信電波がどのリーダに受信されているのかを判断する。一つのリーダで受信反応があれば、受信反応のあったリーダの受信可能範囲であって他のリーダの受信可能範囲と重ならない範囲に無線タグの位置を同定できる。複数のリーダで受信反応があれば、受信反応のあった各リーダの受信可能範囲の重なる範囲に無線タグの位置が同定できる。
特定小電力無線の出力は、微弱無線の出力より非常に強く、電波の飛距離は長い。そのため特許文献1の移動体位置同定装置で、無線タグの位置をある範囲に同定しても、その範囲は広く、微弱無線で構成された移動体位置同定装置と比べて無線タグの位置を高精度に同定することはできない。
このように無線タグの送信出力を強くすると、広いエリアで無線タグの位置の同定ができるが、高精度に無線タグの位置を同定することが出来なくなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、電波放射装置の存在範囲を高い精度で同定可能な存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る存在範囲同定システムは、第1の出力レベルと、当該第1の出力レベルよりも低い第2の出力レベルと、を含む複数の異なる出力レベルを順次切り換えて、当該出力レベルを特定可能な電波を放射する電波放射装置が存在する範囲を同定する存在範囲同定システムであって、前記電波放射装置から放射された電波を受信する電波受信手段と、前記電波受信手段によって受信した電波から、当該電波が放射されたときの出力レベルを特定する出力レベル特定手段と、前記出力レベル特定手段による特定結果に基づいて、前記電波放射装置から前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、を判別する受信電波判別手段と、前記受信電波判別手段によって前記第2の出力レベルで放射された電波を受信していないが、前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したと判別した場合、前記電波受信手段が前記第1の出力レベルで放射された電波を受信可能な第1の範囲から、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信可能な第2の範囲を除外した第3の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得し、前記第1の出力レベルで放射された電波と前記第2の出力レベルで放射された電波とを共に受信したと判別した場合、前記第2の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得する存在範囲取得手段と、を備えることを特徴とする。
また、上記存在範囲同定システムにおいて、前記電波受信手段を複数備え、前記存在範囲取得手段が、前記複数の電波受信手段のうち、前記電波放射装置から放射された電波を受信した電波受信手段のそれぞれにつき、前記受信電波判別手段による判別結果に応じて、前記第2又は第3の範囲を取得し、当該取得した第2又は第3の範囲が全て重なり合う範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得する、ようにしてもよい。
さらに、上記存在範囲同定システムにおいて、前記存在範囲取得手段が、前記複数の電波受信手段のうち、前記電波放射装置から放射された電波を受信した電波受信手段の全てが前記第2の出力レベルで放射された電波を受信していないが、前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したと前記受信電波判別手段によって判別した場合、当該電波受信手段のそれぞれにつき、受信強度を取得する受信強度取得手段を含み、前記電波放射装置から放射された電波を受信した電波受信手段のそれぞれについての前記第3の範囲が全て重なり合う範囲と、前記受信強度取得手段によって取得した受信強度と、に基づいて、前記電波放射装置が存在する範囲を同定する、ようにしてもよい。
また、本発明の第2の観点に係る存在範囲同定方法は、第1の出力レベルと、当該第1の出力レベルよりも低い第2の出力レベルと、を含む複数の異なる出力レベルを順次切り換えて、当該出力レベルを特定可能な電波を放射する電波放射装置が存在する範囲を同定する存在範囲同定方法であって、前記電波放射装置から放射された電波を受信する電波受信ステップと、前記電波受信ステップによって受信した電波から、当該電波が放射されたときの出力レベルを特定する出力レベル特定ステップと、前記出力レベル特定ステップによる特定結果に基づいて、前記電波放射装置から前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、を判別する受信電波判別ステップと、前記受信電波判別ステップによって前記第2の出力レベルで放射された電波を受信していないが、前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したと判別した場合、前記電波受信ステップが前記第1の出力レベルで放射された電波を受信可能な第1の範囲から、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信可能な第2の範囲を除外した第3の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得し、前記第1の出力レベルで放射された電波と前記第2の出力レベルで放射された電波とを共に受信したと判別した場合、前記第2の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得する存在範囲取得ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の第3の観点に係るコンピュータは、第1の出力レベルと、当該第1の出力レベルよりも低い第2の出力レベルと、を含む複数の異なる出力レベルを順次切り換えて、当該出力レベルを特定可能な電波を放射する電波放射装置が存在する範囲を同定するコンピュータに、前記電波放射装置から放射された電波を受信する電波受信手順と、前記電波受信手順によって受信した電波から、当該電波が放射されたときの出力レベルを特定する出力レベル特定手順と、前記出力レベル特定手順による特定結果に基づいて、前記電波放射装置から前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、を判別する受信電波判別手順と、前記受信電波判別手順によって前記第2の出力レベルで放射された電波を受信していないが、前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したと判別した場合、前記電波受信手順が前記第1の出力レベルで放射された電波を受信可能な第1の範囲から、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信可能な第2の範囲を除外した第3の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得し、前記第1の出力レベルで放射された電波と前記第2の出力レベルで放射された電波とを共に受信したと判別した場合、前記第2の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得する存在範囲取得手順と、を実行させる。
このような構成を採用したことにより、電波放射装置の存在範囲を高い精度で同定可能な存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラムを提供することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態に係る位置同定装置について詳細に説明する。
この移動体位置同定装置は、移動体に設置された無線タグ100と、所定の位置に設置された複数のリーダ200−i(0≦i≦n−1)と、リーダ200−iに接続された位置同定端末300と、から構成されている。
図1に示すように、無線タグ100は、無線送信部10と、制御回路1と、振動センサ2と、電源3と、から構成されている。
無線送信部10は、発振回路11と、変調回路12と、周波数逓倍回路13と、RF(Radio Frequency)出力回路14と、アンテナ15と、から構成されている。発振回路11は、搬送波を生成するための回路である。変調回路12は、発振回路11で生成された搬送波を変調するための回路である。周波数逓倍回路13は、発振回路11の出力に含まれる高調波成分から高周波信号を生成するための回路である。RF出力回路14は、周波数逓倍回路13で生成された高周波信号を増幅する回路である。アンテナ15は、RF出力回路14からの高周波信号を電波として送信するための素子である。
振動センサ2は、制御回路1に接続されていて、振動を検知すると制御回路1を起動させる起動信号を送る。
制御回路1は、無線送信部10の発振回路11と、変調回路12と、RF出力回路14と、に接続されていて、振動センサ2からの起動信号に基づき、無線送信部10の発振回路11を起動させる。また、制御回路1は、変調回路12に無線タグ100の識別データである無線タグID(Identity)と、送信出力レベルを表す送信出力データと、を送る。
更に、制御回路1は、これらのデータで変調された高周波信号が無線送信部10から送信される際に、送信出力レベルを強弱2段階の出力レベルに順次切り換えさせる送信出力制御信号をRF出力回路14に送る。
本実施の形態では、RF出力回路14からは、1秒毎に高周波信号が出力され、この1回の出力において、図2に示すように、送信出力レベルが強出力レベル(例えば1mW)から弱出力レベル(例えば0.1mW)に切り換えられる。また、送信出力レベルを表す送信出力データの値は、強出力レベルのとき、「1」となり、弱出力レベルのときには、「2」となる。このような送信出力レベルを表す送信出力データを各リーダ200−iに送ることで、周りの環境の影響により、各リーダ200−iでの受信強度が変動しても補正することが可能となる。
電源3は、無線タグ100に電力を供給する。アンテナ15は、一般的に内蔵されているアンテナであるが、図面では便宜的に無線タグ100の外側に出して示してある。
また、図1に示すように、リーダ200−iは、無線受信部20と、制御回路4と、通信部5と、電源6と、から構成されている。
無線受信部20は、アンテナ24と、RF入力回路21と、復調回路22と、発振回路23と、から構成されている。アンテナ24は、電波を受信するための素子である。RF入力回路21は、同調部と増幅部とから構成されていて、受信電波から希望波を選択し、選択した希望波から得られる高周波信号を増幅する。発振回路23は、搬送波を生成する。復調回路22は、発振回路23で生成された搬送波と、RF入力回路21で得られた希望波と、から中間周波をつくり、この中間周波を検波する。
また、復調回路22は、制御回路4に接続され、制御回路4は、通信部5を介して位置同定端末300に接続されている。制御回路4は、無線受信部20で受信した電波の電界強度(受信強度)を測定するとともに、この電波から無線タグIDと送信出力データとを読み出す。そして、制御回路4は、無線タグIDと、送信出力データと、測定した受信強度を表すRSSI(Received Signal Strength Indicator)値と、を通信部5を介して位置同定端末300に送る。このRSSI値は、例えば弱いものから順にS1〜S9で表される。
電源6は、リーダ200−iに電力を供給する。アンテナ24は、一般的に内蔵されているアンテナであるが、図面では便宜的にリーダ200−iの外側に出して示してある。
更に、図1に示すように、位置同定端末300は、制御部30と、通信部7と、記憶部8と、電源9と、から構成されている。
通信部7は、各リーダ200−iから送られてきた無線タグIDと、送信出力データと、RSSI値と、を受信して、これらのデータを制御部30に送る。
制御部30は、例えばROM(Read Only Memory)31と、CPU(Central Processing Unit)32と、RAM(Random Access Memory)33と、から構成されている。
CPU32は、RAM33をワークメモリとして用いてROM31に記憶されている各種プログラムを適宜実行することにより、位置同定端末300の各部の動作を制御する。また、CPU32は、通信部7及び記憶部8に接続されている。
また、RAM33には、各リーダ200−iでの受信データを解析するための受信データ解析バッファが設けられている。この受信データ解析バッファは、図3(a)に示すように、各リーダ200−iの識別データと、受信あるいは読出ポインタの値iと、受信可能範囲フラグの値と、受信中フラグの値と、リーダ200−iで受信された電波を送った無線タグ100の識別データである無線タグIDと、RSSI値と、を対応付けて格納する。
受信可能範囲フラグは、無線タグ100がリーダ200−iの受信可能範囲内に存在するか否かを示す2ビットフラグである。ここで、受信可能範囲とは、リーダ200−iが無線タグ100から所定の出力レベルで送られた電波を受信することができる範囲をいう。
本実施の形態では、リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができる範囲、具体的には、図3(b)に示すように、リーダ200−iから半径40m以内の範囲を、第1受信可能範囲とする。また、リーダ200−iが無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができる範囲、具体的には、リーダ200−iから半径12m以内の範囲を、第2受信可能範囲とする。
リーダ200−iから送られる送信出力データの値が「1」の場合、即ちリーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信した場合には、無線タグ100がリーダ200−iの第1受信可能範囲内に存在するとして、図3(a)に示す受信可能範囲フラグの値が「1」に更新される。また、送信出力データの値が「2」の場合、即ちリーダ200−iが無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信した場合には、無線タグ100がリーダ200−iの第2受信可能範囲内に存在するとして、受信可能範囲フラグの値が「2」に更新される。
このような受信可能範囲フラグの値を定期的にチェックすることにより、無線タグ100が設置された移動体の移動の様子を知ることができる。例えば、図4(b)に示すように、移動体が時刻T0にて位置P(t0)にあれば、リーダ200−iは、無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、1mWの出力レベルで送られた電波をも受信することができない。このため、受信可能範囲フラグの値は、図4(b)に示すように、「0」のままとなる。その後、図4(a)に示すように、移動体が時刻T1にて位置P(t1)まで進むと、リーダ200−iは、無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができるようになる一方で、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができない。このため、受信可能範囲フラグの値は、図4(b)に示すように、「1」に更新される。
そして、図4(a)に示すように、移動体が時刻T2にてリーダ200−iの位置と略同一の位置P(t2)まで達すると、リーダ200−iは、無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、0.1mWの出力レベルで送られた電波をも受信することができるようになる。このため、受信可能範囲フラグの値は、図4(b)に示すように、「2」に更新される。その後、図4(a)に示すように、移動体が時刻T3にて位置P3(t3)まで進むと、リーダ200−iは、無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができる一方で、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができなくなる。このため、受信可能範囲フラグの値は、図4(b)に示すように、「1」に更新される。さらに、図4(a)に示すように、移動体が時刻T4にて位置P4(t4)まで進むと、リーダ200−iは、無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、1mWの出力レベルで送られた電波をも受信することができなくなる。このため、受信可能範囲フラグの値は、図4(b)に示すように、「0」となる。
このように、受信可能範囲フラグの値が、図4(b)に示すように、時間に経過に伴って、「0」→「1」→「2」→「1」→「0」と変化していることから、移動体がリーダ200−iに近づいていき、リーダ200−iの周辺を通り過ぎた後、やがてリーダ200−iから遠ざかっていく様子が分かる。さらに、このような受信可能範囲フラグの値の変化に加えて、RSSIの値の大きさの変化をも考慮に入れて、移動体の移動の様子を知るようにすれば、移動体の移動の様子をより高い精度で知ることができるようになる。
また、図3(a)に示す受信中フラグは、リーダ200−iからデータを受信しているか否かを示す1ビットフラグであり、リーダ200−iからのデータ受信が開始されたときに、その値が「1」に更新され、終了するときに、その値が「0」に更新される。
図1に示す記憶部8は、例えばハードディスクドライブから構成されており、範囲データテーブルなどを格納している。この範囲データテーブルは、図5(a)に示すように、各リーダ200−iの識別データと、読出ポインタの値iと、第1受信可能範囲から第2受信可能範囲を除外した範囲を示す範囲データ#iと、第2受信可能範囲を示す範囲データ#n+iと、を対応付けて格納する。このような範囲データは、例えば位置同定端末300の位置を原点とした平面座標上の複数の位置座標を示すデータ(位置座標データ)から構成される。具体的には、範囲データ#iは、図5(b)に示すように、リーダ200−iの位置座標を中心とする半径40mの円内に含まれる位置座標データから半径12mの円に含まれる位置座標データを除外した複数の位置座標データから構成され、第2受信可能範囲を示すデータは、リーダ200−iの位置座標を中心とする半径12mの円内に含まれる複数の位置座標データから構成される。
以下、この移動体位置同定装置の動作を図面を参照して説明する。
振動センサ2は、振動を検出すると、制御回路1を起動させるための起動信号を送る。制御回路1は、振動センサ2の起動信号に基づき、無線送信部10に制御信号を送る。
無線送信部10が制御回路1から制御信号を受けると、発振回路11は、所定の周波数の搬送波を生成し、生成した搬送波を変調回路12に送る。制御回路1は、更に変調回路12に自己の無線タグの識別データである無線タグIDと、電波の送信出力レベルと、を表す送信出力データを送る。
変調回路12は、制御回路1から送られたデータで搬送波を変調し、変調した搬送波を周波数逓倍回路13に送る。周波数逓倍回路13は、変調された搬送波を、周波数逓倍し、高周波信号を生成し、生成した高周波信号をRF出力回路14に送る。RF出力回路14に接続されている制御回路1は、RF出力回路14に、一定時間間隔で送信出力レベルを切り換えさせる送信出力制御信号を送る。
RF出力回路14は、制御回路1の送信出力制御信号に基づいて、周波数逓倍回路13で生成された高周波信号を一定時間間隔で送信出力レベルを切り換えて、アンテナ15を介して送信する。このようにして移動体が移動すると、その振動を検出して無線タグ100は、一定時間間隔で送信出力レベルを切り換えて電波を送信する。
無線タグ100から送信された電波は、リーダ200−iのアンテナ24で受信される。RF入力回路21は、受信した電波から高周波信号を取り出して増幅する。発振回路23は、搬送波を生成し、復調回路22は、発振回路23で作られた搬送波と、受信した電波から得られた高周波信号と、で中間周波を生成し、中間周波を検波して無線タグIDと送信出力データとを取り出す。
無線受信部20で取り出された無線タグIDと送信出力データとは、制御回路4に送られる。制御回路4は、無線受信部20から送られた無線タグIDと送信出力データとを読み込み、通信部5を介して位置同定端末300に送る。
このようにしてリーダ200−iは、無線タグ100の電波を受信すると無線タグ100の無線タグID、送信出力データを読み込んで、読み込んだ各データを位置同定端末300に送る。
位置同定端末300では、CPU32が定期的(例えば2ミリ秒ごと)に発生するタイマ割込みに応答して、受信データ解析処理と、移動体存在範囲絞込処理と、移動体存在範囲同定処理と、が順次実行される。
まず、CPU32が実行する受信データ解析処理の詳細につき、図6に示すフローチャートを参照して説明する。この処理において、CPU32は、図6に示すように、まず、RAM33に設けられた受信ポインタの値iに対応する受信中フラグの値をチェックすることにより、リーダ200−iから送られるデータを受信中であるか否かを判別する(ステップS1)。ここで、受信中フラグの値が「0」であれば、受信中でないと判別して(ステップS1;No)、次に、通信部7のリーダ200−iに対応するポートの入力状態をチェックすることにより、リーダ200−iからのデータの受信が開始されたか否かを判別する(ステップS2)。
ステップS2の処理にてリーダ200−iからのデータの受信が開始されたと判別した場合には(ステップS2;Yes)、リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信したものと判定して、この受信データに含まれる無線タグIDとRSSI値とを、受信データ解析バッファの受信ポインタの値iに対応する格納エリアに保存するとともに(ステップS3、ステップS4)、受信ポインタの値iに対応する受信可能範囲フラグの値を「1」に更新する(ステップS5)。さらに、この後には、受信ポインタの値iに対応する受信中フラグの値も「1」に更新される(ステップS6)。
これに対して、ステップS2の処理にてリーダ200−iからのデータの受信が開始されていないと判別した場合には(ステップS2;No)、ステップS3〜S6の処理をスキップして、ステップS11の処理へと進む。
また、ステップS1の処理にて受信中フラグの値が「1」であれば、受信中であると判別して(ステップS1;Yes)、通信部7のリーダ200−iに対応するポートの入力状態にチェックすることにより、リーダ200−iからのデータの受信が終了したか否かを判別する(ステップS7)。ここで、ステップS7の処理にてリーダ200−iからのデータの受信が未だ終了していないと判別した場合には(ステップS7;No)、この受信データに含まれる送信出力データの値が「2」になっているか否かを判別することにより、リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、0.1mWの出力レベルで送られた電波をも受信したか否かを判定する(ステップS8)。
このとき、送信出力データの値が「2」になっていれば、リーダ200−iが無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信したものと判定して(ステップS8;Yes)、受信ポインタの値iに対応する受信可能範囲フラグの値を「2」に更新する(ステップS9)。これに対して、送信出力データの値が「1」のままであれば(ステップS8;No)、ステップS9の処理をスキップして、ステップS11の処理へと進む。
また、ステップS7の処理にてリーダ200−iからのデータの受信が終了したと判別した場合には(ステップS7;Yes)、受信ポインタの値iに対応する受信中フラグの値を「0」に更新する(ステップS10)。
このようなステップS1〜S10の処理を実行した後、CPU32は、受信ポインタの値を「1」加算して更新し(ステップS11)、更新後の受信ポインタの値iがn+1となったか否かを判別する(ステップS12)。このとき、更新後の受信ポインタの値iがn+1以外の数値であれば(ステップS12;No)、ステップS1へとリターンする。これに対して、更新後の受信ポインタの値iがn+1と合致していれば(ステップS12;Yes)、各リーダ200−iからのデータの受信状態を全てチェックし終えたとして、受信ポインタに初期値「0」をセットして(ステップS13)、受信データ解析処理を終了する。
次に、CPU32が実行する移動体存在範囲絞込処理の詳細につき、図7に示すフローチャートを参照して説明する。この処理において、CPU32は、図7に示すように、まず、読出ポインタの値iに対応する受信中フラグの値が「1」であるか否かを判別する(ステップS21)。このとき、ステップS21の処理にて受信中フラグの値が「1」であると判別した場合には(ステップS21;Yes)、リーダ200−iからのデータの受信が未だ終了していないとして、ステップS34の処理へと進む。
一方、ステップS21の処理にて受信中フラグの値が「0」であると判別した場合には(ステップS21;No)、次に読出ポインタの値iに対応する受信可能範囲フラグの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS22)。このとき、受信可能範囲フラグの値が「0」であると判別した場合には(ステップS22;Yes)、リーダ200−iからのデータを受信していないとして、ステップS34の処理へと進む。
また、受信可能範囲フラグの値が「0」以外の数値であると判別した場合には(ステップS22;No)、リーダ200−iからのデータの受信が終了したものとして、さらに、この受信可能範囲フラグの値が「1」であるか「2」であるかを判別する(ステップS23)。ここで、受信可能範囲フラグの値が「1」であれば、リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信できたが、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信できなかったと判別して(ステップS23;Yes)、リーダ200−iが1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第1受信可能範囲)から、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第2受信可能範囲)を除外した範囲を示す範囲データ#iを、図5(a)に示す範囲データテーブルから取得する(ステップS24)。
これに対して、受信可能範囲フラグの値が「2」であれば、リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、0.1mWの出力レベルで送られた電波をも受信できたと判別して(ステップS23;No)、リーダ200−iが0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第2受信可能範囲)を示す範囲データ#n+iを、図5(a)に示す範囲データテーブルから取得する(ステップS25)。また、このときには、移動体の位置の同定においてRSSI値を考慮にしないことを示すRSSI値考慮不要フラグの値を「1」に更新する(ステップS26)。
ステップS24又はS26の処理を実行した後には、受信可能範囲フラグが初期化されて、その値が「0」に更新される(ステップS27)。その後、CPU32は、読出ポインタの値iに対応する無線タグIDが示す無線タグ100の存在範囲を同定するための作業エリアが、RAM33内に既に作成されているか否かを判別する(ステップS28)。無線タグIDが示す無線タグ100の存在範囲を同定するための作業エリアが、RAM33内に形成されていないと判別した場合には(ステップS28;No)、係る作業エリアをRAM33内に形成する(ステップS29)。そして、CPU32は、ステップS24又はS25の処理にて取得した範囲データを、ステップS29の処理にて作成した作業エリアに保存する(ステップS30)。
また、ステップS29の処理にて作業エリアを作成してから、無線タグIDが示す無線タグ100の存在範囲を同定するまでの待ち時間を計測する同定待ち時間タイマをRAM33内に形成するとともに、この同定待ち時間タイマに所定の初期値をセットしてカウントダウンを開始させる(ステップS31)。
これに対して、無線タグIDが示す無線タグ100の存在範囲を同定するための作業エリアが、RAM33内に形成されていると判別した場合には(ステップS28;Yes)、ステップS24又はS25の処理にて取得した範囲データと、係る作業エリアに格納されている範囲データと、で共通する範囲データを取得する(ステップS32)。ステップS32の処理では、ステップS24又はS25の処理にて取得した範囲データを構成する位置座標データと、作業エリアに格納されている範囲データを構成する位置座標データと、で共通する位置座標データが抽出され、この位置座標データからなる範囲データが取得される。
そして、ステップS32の処理にて取得した範囲データを、作業エリアに上書き保存する(ステップS33)。このようにして、CPU32は、無線タグIDが示す無線タグ100の存在範囲、さらにいえばこの無線タグ100が設置された移動体の存在範囲を順次絞り込んで行くことができる。
このようなステップS21〜S33の処理を実行した後、CPU32は、読出ポインタの値を「1」加算して更新し(ステップS34)、更新後の読出ポインタの値iがn+1となったか否かを判別する(ステップS35)。このとき、更新後の読出ポインタの値iがn+1以外の数値であれば(ステップS35;No)、ステップS21へとリターンする。これに対して、更新後の読出ポインタの値iがn+1と合致していれば(ステップS35;Yes)、受信データ解析バッファに格納されているデータを全てチェックし終えたとして、読出ポインタに初期値「0」をセットして(ステップS36)、移動体存在範囲絞込処理を終了する。
続いて、CPU32が実行する移動体存在範囲同定処理の詳細につき、図8に示すフローチャートを参照して説明する。この処理において、CPU32は、図8に示すように、まず、RAM33に形成された全ての同定待ち時間タイマにおけるタイマ値を1減算して更新する(ステップS41)。次に、CPU32は、更新後の同定待ち時間タイマにおけるタイマ値をチェックして、タイマ値が「0」になってタイムアウトした同定待ち時間タイマがあるか否かを判別する(ステップS42)。
ここで、タイムアウトした同定待ち時間タイマがないと判別した場合には(ステップS42;No)、そのまま移動体存在範囲同定処理を終了する。これに対して、タイムアウトした同定待ち時間タイマがあると判別した場合には(ステップS42;Yes)、この同定待ち時間タイマに対応する無線タグIDの作業エリアに格納されている範囲データを読み出して、これを無線タグIDが示す無線タグ100の存在範囲、さらにいえばこの無線タグ100が設置された移動体の存在範囲を示すデータとして取得する(ステップS43)。このようにして、CPU32は、無線タグ100が設置された移動体の位置を高精度で同定することができる。
続いて、CPU32は、RAM33に設けられたRSSI値考慮不要フラグをチェックして、RSSI値をも考慮して移動体の位置を同定するか否かを判別する(ステップS44)。ここで、RSSI値考慮不要フラグの値が「0」であれば、RSSI値をも考慮して移動体の位置を同定するものと判別して(ステップS44;No)、ステップS43の処理にて取得した範囲データに加えて、無線タグ100を示す無線タグIDに対応するRSSI値をも考慮して移動体の位置を同定する(ステップS45)。
例えば、ステップS43の処理にて存在範囲が取得された無線タグ100からの電波を受信した各リーダ200−iのRSSI値を比較することにより、移動体の位置座標データを取得し、続いて、この位置座標データが示す位置座標を中心とする所定半径の円内に含まれる位置座標データからなる範囲データを取得する。そして、この範囲データと、ステップS43の処理にて取得した範囲データと、で共通する範囲データを、無線タグIDが示す無線タグ100の存在範囲、さらにいえばこの無線タグ100が設置された移動体の存在範囲を示すデータとして取得する。このようにすれば、CPU32は、リーダ200−iのいずれもが無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信していない場合であっても、無線タグ100が設置された移動体の位置を高精度で同定することができる。
これに対して、RSSI値考慮不要フラグの値が「1」であれば、RSSI値をも考慮して移動体の位置を同定しないものと判別して(ステップS44;Yes)、RSSI値考慮不要フラグの値を「0」に更新した後(ステップS46)、ステップS47の処理へと進む。
このようなステップS41〜S46の処理を実行した後、CPU32は、ステップS43の処理にて存在範囲が取得された無線タグ100の無線タグID、及びこれに対応するRSSI値を受信データ解析バッファの格納エリアから消去する(ステップS47)。
上述した移動体位置同定装置の動作を具体例を挙げて説明する。
リーダ200−iが移動体に設置された無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、0.1mWの出力レベルで送られた電波をも受信できた場合、リーダ200−iに対応する受信可能範囲フラグの値は、図9(a)に示すように、「2」に更新される(ステップS9)。そして、図5(a)に示す範囲データテーブルからは、リーダ200−iが0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第2受信可能範囲)を示す範囲データ#n+iが取得される(ステップS25)。
また、リーダ200−i+1及び200−i+2が無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができる一方で、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができない場合、リーダ200−i+1及び200−i+2に対応する受信可能範囲フラグの値は、図9(a)に示すように、共に「1」に更新されたままとなる(ステップS5)。そして、図5(a)に示す範囲データテーブルからは、リーダ200−i+1及び200−i+2のそれぞれが1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第1受信可能範囲)から、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第2受信可能範囲)を除外した範囲を示す範囲データ#i+1及び#i+2が取得される(ステップS24)。
さらに、リーダ200−i+3が無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、1mWの出力レベルで送られた電波をも受信できなかった場合、200−i+3に対応する受信可能範囲フラグの値は、図9(a)に示すように、「0」のまま更新されない。
そして、ステップS32の処理では、範囲データ#n+iと、範囲データ#i+1と、範囲データ#i+2と、で共通する範囲データが抽出され、その後同定待ち時間タイマがタイムアウトしたときに(ステップS42;Yes)、ステップS43の処理にて移動体の存在範囲を示すデータとして取得される。これにより、CPU32は、移動体の位置を、図9(b)に示す斜線部分の範囲内に同定することができる。
その後、移動体が移動して、図10(a)に示すように、リーダ200−iに対応する受信可能範囲フラグの値が「1」となり、リーダ200−i+1に対応する受信可能範囲フラグの値が「2」となった場合には、ステップS32の処理にて範囲データ#nと、範囲データ#n+i+1と、範囲データ#i+2と、で共通する範囲データが抽出される。そして、ステップS43の処理では、この共通する範囲データが移動体の存在範囲を示すデータとして取得される。これにより、CPU32は、移動体の位置を、図10(b)に示す斜線部分の範囲内に同定することができ、さらには、移動体が図9(b)及び図10(b)に示す地図上の左斜め下方向に移動したことを知ることができる。
また、リーダ200−i〜200−i−3のいずれもが無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができず、受信可能範囲フラグの値が、図11(a)に示すように、「1」と「0」とのみである場合には、図11(b)に示すように、斜線部分の範囲が広くなってしまい、移動体の位置を高精度に同定することができない。
このような場合には、RSSI値考慮不要フラグの値「0」のまま更新されないため(ステップS44;No)、ステップS43の処理にて取得した範囲データに加えて、リーダ200−i〜200−i−2で測定されたRSSI値をも考慮して移動体の位置が同定される。これにより、CPU32は、リーダ200−i〜200−i−3のいずれもが無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができなかった場合でも、無線タグ100が設置された移動体の位置を高精度で同定することができる。
以上説明したように本実施の形態に係る移動体位置同定装置によれば、リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波のみならず、0.1mWの出力レベルで送られた電波をも受信できた場合には、移動体が0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第2受信可能範囲)に存在するものと判定される。これに対して、リーダ200−iが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができるが、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができなかった場合には、移動体が1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第1受信可能範囲)から、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信可能な範囲(第2受信可能範囲)を除外した範囲に存在するものと判定される。
そして、複数のリーダ200−iのそれぞれについて得られた範囲の共通範囲を、移動体が存在する範囲として取得する。これにより、CPU32は、無線タグ100が設置された移動体の位置を高精度で同定することができる。
また、複数のリーダ200−iのいずれもが無線タグ100から1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができるが、0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができなかった場合には、複数のリーダ200−iのそれぞれについて得られる範囲の共通範囲に加えて、複数のリーダ200−iのそれぞれでの受信強度も考慮して、移動体の位置が同定される。これにより、CPU32は、複数のリーダ200−iのいずれもが無線タグ100から0.1mWの出力レベルで送られた電波を受信することができなかった場合でも、無線タグ100が設置された移動体の位置を高精度で同定することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記実施の形態の変形態様について、説明する。
上記実施の形態において、無線タグ100の送信出力レベルは、0.1mWと1mWとの2つであったが、本発明は、これに限定されるものではなく、複数であれば任意に変更可能である。
また、上記実施形態において、制御部30のCPU32が実行するプログラムは、予めROM31等に記憶されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上述の処理を実行させるためのプログラムを、既存のコンピュータに適用することで、上記実施形態にかかる位置同定端末300として機能させるようにしてもよい。
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して提供可能である他、例えば、メモリカードなどの記録媒体に格納して配布してもよい。
本実施の形態に係る移動体位置同定装置の構成例を示す図である。 送信出力の模式図である。 (a)は、受信データ解析バッファの構成例を示す図であり、(b)は、第1受信可能範囲と第2受信可能範囲とを示す図である。 移動体の位置と受信可能範囲フラグ値との関係を説明するための図である。 (a)は、範囲データテーブルの構成例を示す図であり、(b)は、第1受信可能範囲から第2受信可能範囲を除外した範囲を示す図である。 受信データ解析処理の詳細を示すフローチャートである。 移動体存在範囲絞込処理の詳細を示すフローチャートである。 移動体存在範囲同定処理の詳細を示すフローチャートである。 本実施の形態における移動体の位置の同定方法を具体的に説明するための図である。 本実施の形態における移動体の位置の同定方法を具体的に説明するための図である。 本実施の形態における移動体の位置の同定方法を具体的に説明するための図である。 従来の移動体の位置の同定方法を示す図である。
符号の説明
1、4 制御回路
2 振動センサ
3、6、9 電源
5、7 通信部
8 記憶部
10 無線送信部
11、23 発振回路
12 変調回路
13 周波数逓倍回路
14 RF出力回路
15、24 アンテナ
20 無線受信部
21 RF入力回路
22 復調回路
30 制御部
31 ROM
32 CPU
33 RAM
100 無線タグ
200 リーダ
300 位置同定端末

Claims (5)

  1. 第1の出力レベルと、当該第1の出力レベルよりも低い第2の出力レベルと、を含む複数の異なる出力レベルを順次切り換えて、当該出力レベルを特定可能な電波を放射する電波放射装置が存在する範囲を同定する存在範囲同定システムであって、
    前記電波放射装置から放射された電波を受信する電波受信手段と、
    前記電波受信手段によって受信した電波から、当該電波が放射されたときの出力レベルを特定する出力レベル特定手段と、
    前記出力レベル特定手段による特定結果に基づいて、前記電波放射装置から前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、を判別する受信電波判別手段と、
    前記受信電波判別手段によって前記第2の出力レベルで放射された電波を受信していないが、前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したと判別した場合、前記電波受信手段が前記第1の出力レベルで放射された電波を受信可能な第1の範囲から、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信可能な第2の範囲を除外した第3の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得し、前記第1の出力レベルで放射された電波と前記第2の出力レベルで放射された電波とを共に受信したと判別した場合、前記第2の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得する存在範囲取得手段と、
    を備えることを特徴とする存在範囲同定システム。
  2. 前記電波受信手段を複数備え、
    前記存在範囲取得手段が、
    前記複数の電波受信手段のうち、前記電波放射装置から放射された電波を受信した電波受信手段のそれぞれにつき、前記受信電波判別手段による判別結果に応じて、前記第2又は第3の範囲を取得し、当該取得した第2又は第3の範囲が全て重なり合う範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の存在範囲同定システム。
  3. 前記存在範囲取得手段が、
    前記複数の電波受信手段のうち、前記電波放射装置から放射された電波を受信した電波受信手段の全てが前記第2の出力レベルで放射された電波を受信していないが、前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したと前記受信電波判別手段によって判別した場合、当該電波受信手段のそれぞれにつき、受信強度を取得する受信強度取得手段を含み、
    前記電波放射装置から放射された電波を受信した電波受信手段のそれぞれについての前記第3の範囲が全て重なり合う範囲と、前記受信強度取得手段によって取得した受信強度と、に基づいて、前記電波放射装置が存在する範囲を同定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の存在範囲同定システム。
  4. 第1の出力レベルと、当該第1の出力レベルよりも低い第2の出力レベルと、を含む複数の異なる出力レベルを順次切り換えて、当該出力レベルを特定可能な電波を放射する電波放射装置が存在する範囲を同定する存在範囲同定方法であって、
    前記電波放射装置から放射された電波を受信する電波受信ステップと、
    前記電波受信ステップによって受信した電波から、当該電波が放射されたときの出力レベルを特定する出力レベル特定ステップと、
    前記出力レベル特定ステップによる特定結果に基づいて、前記電波放射装置から前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、を判別する受信電波判別ステップと、
    前記受信電波判別ステップによって前記第2の出力レベルで放射された電波を受信していないが、前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したと判別した場合、前記電波受信ステップが前記第1の出力レベルで放射された電波を受信可能な第1の範囲から、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信可能な第2の範囲を除外した第3の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得し、前記第1の出力レベルで放射された電波と前記第2の出力レベルで放射された電波とを共に受信したと判別した場合、前記第2の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得する存在範囲取得ステップと、
    を備えることを特徴とする存在範囲同定方法。
  5. 第1の出力レベルと、当該第1の出力レベルよりも低い第2の出力レベルと、を含む複数の異なる出力レベルを順次切り換えて、当該出力レベルを特定可能な電波を放射する電波放射装置が存在する範囲を同定するコンピュータに、
    前記電波放射装置から放射された電波を受信する電波受信手順と、
    前記電波受信手順によって受信した電波から、当該電波が放射されたときの出力レベルを特定する出力レベル特定手順と、
    前記出力レベル特定手順による特定結果に基づいて、前記電波放射装置から前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信したか否かと、を判別する受信電波判別手順と、
    前記受信電波判別手順によって前記第2の出力レベルで放射された電波を受信していないが、前記第1の出力レベルで放射された電波を受信したと判別した場合、前記電波受信手順が前記第1の出力レベルで放射された電波を受信可能な第1の範囲から、前記第2の出力レベルで放射された電波を受信可能な第2の範囲を除外した第3の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得し、前記第1の出力レベルで放射された電波と前記第2の出力レベルで放射された電波とを共に受信したと判別した場合、前記第2の範囲を、前記電波放射装置が存在する範囲として取得する存在範囲取得手順と、
    を実行させるためのプログラム。
JP2005289082A 2005-09-30 2005-09-30 存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラム Expired - Fee Related JP4836536B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005289082A JP4836536B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005289082A JP4836536B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007101261A true JP2007101261A (ja) 2007-04-19
JP4836536B2 JP4836536B2 (ja) 2011-12-14

Family

ID=38028365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005289082A Expired - Fee Related JP4836536B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4836536B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008271376A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Matsushita Electric Works Ltd 無線認証システムおよびそのセンサ
JP2010086551A (ja) * 2009-12-23 2010-04-15 Mitsubishi Electric Corp Id送信機及び路側無線装置
WO2018135539A1 (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 株式会社村田製作所 位置検知システム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03104328A (ja) * 1989-09-19 1991-05-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 移動通信制御方法
JPH08271624A (ja) * 1995-03-22 1996-10-18 Stc Internatl Computers Ltd 電子識別システム
JP2000023238A (ja) * 1998-07-02 2000-01-21 Ntt Mobil Communication Network Inc 移動通信システムにおけるセル構成法、無線アクセス方式及び移動機
JP2001238252A (ja) * 2000-02-25 2001-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 移動局装置、基地局装置および無線通信チャネル割り当て方法
JP2003087840A (ja) * 2001-09-10 2003-03-20 Ntt Docomo Inc セル形状制御方法及び移動通信システム並びにそのシステムで用いられる基地局及び移動機
JP2005509136A (ja) * 2001-04-03 2005-04-07 エイ ティ アンド ティ ワイヤレス サービシズ インコーポレイテッド 移動局所在地推定方法および装置
WO2006044291A2 (en) * 2004-10-14 2006-04-27 Flarion Technologies, Inc. Wirelless terminal location using apparatus and methods employing carrier diversity

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03104328A (ja) * 1989-09-19 1991-05-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 移動通信制御方法
JPH08271624A (ja) * 1995-03-22 1996-10-18 Stc Internatl Computers Ltd 電子識別システム
JP2000023238A (ja) * 1998-07-02 2000-01-21 Ntt Mobil Communication Network Inc 移動通信システムにおけるセル構成法、無線アクセス方式及び移動機
JP2001238252A (ja) * 2000-02-25 2001-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 移動局装置、基地局装置および無線通信チャネル割り当て方法
JP2005509136A (ja) * 2001-04-03 2005-04-07 エイ ティ アンド ティ ワイヤレス サービシズ インコーポレイテッド 移動局所在地推定方法および装置
JP2003087840A (ja) * 2001-09-10 2003-03-20 Ntt Docomo Inc セル形状制御方法及び移動通信システム並びにそのシステムで用いられる基地局及び移動機
WO2006044291A2 (en) * 2004-10-14 2006-04-27 Flarion Technologies, Inc. Wirelless terminal location using apparatus and methods employing carrier diversity

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008271376A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Matsushita Electric Works Ltd 無線認証システムおよびそのセンサ
JP2010086551A (ja) * 2009-12-23 2010-04-15 Mitsubishi Electric Corp Id送信機及び路側無線装置
JP4659902B2 (ja) * 2009-12-23 2011-03-30 三菱電機株式会社 Id送信機及び路側無線装置
WO2018135539A1 (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 株式会社村田製作所 位置検知システム
JPWO2018135539A1 (ja) * 2017-01-20 2019-11-07 株式会社村田製作所 位置検知システム
US10613192B2 (en) 2017-01-20 2020-04-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. Position detection system

Also Published As

Publication number Publication date
JP4836536B2 (ja) 2011-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11933877B2 (en) Systems and methods for RFID tag locating using constructive interference
JP5332878B2 (ja) 測位システム
JP4239033B2 (ja) 無線タグ通信システムの質問器
CN102073839B (zh) 使用激光器光探测唤醒的远距离选择性的rfid
JP2007114003A (ja) 非接触icタグ位置検出システム
US9177180B2 (en) RF tag reader and RF tag information acquisition method
JP4836536B2 (ja) 存在範囲同定システム、存在範囲同定方法、及びプログラム
JP2007303972A (ja) 無線icタグの位置特定システム、並びに位置特定装置
JP2007148957A (ja) 無線タグ情報読み取り装置
JP2007304874A (ja) 無線icタグの位置特定システム、並びに位置特定装置
JP2006071466A (ja) 移動方向判定システム、移動方向判定方法、プログラムおよび記録媒体
JP4662210B2 (ja) 無線タグ通信システムの質問器
JP7483469B2 (ja) 情報処理装置、表示制御方法、及びプログラム
JP2007088743A (ja) 無線タグ情報読み取り装置
JP2011065216A (ja) Rfタグリーダライタ
US8816824B2 (en) System and method for multiple reading interface with a simple RFID antenna
EP3428833A1 (en) Radio tag reading device and radio tag reading method
JP2016166776A (ja) 読み取り装置、読み取りシステム、及び読み取り方法
ES2642009T3 (es) Método para optimizar la precisión de localización de una etiqueta RFID en un alcance de radio de frecuencia ultra alta en un sistema para la localización de etiquetas RFID que comprende una pluralidad de lectores
JP2006008086A (ja) タイヤ情報検出装置
JP2006266876A (ja) 測位システム及び測位方法及び移動体端末及び地図サーバ装置
US10747972B2 (en) Tag communication device, control method thereof, and control program
JP5035869B2 (ja) Rfidタグシステム、rfidリーダ補助装置、及びrfidリーダ
JP2005331434A (ja) 測定装置および測定方法、測定システム、リーダライタおよびデータ処理方法、記録媒体、並びにプログラム
WO2023026649A1 (ja) 物品検査システム、検査方法及び情報処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110927

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees