JP2016166776A - 読み取り装置、読み取りシステム、及び読み取り方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コスト化を図った読み取り装置、読み取りシステム、及び読み取り方法を提供する。【解決手段】読み取り装置は、誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグから所定距離を隔てて配設され、前記RFIDタグに電波を放射するアンテナと、前記アンテナを介して読み取られる前記RFIDタグのn(nは1以上の整数)回目の読み取り時の最小動作電力を測定した後に、n+1回目の読み取り時の最小動作電力を検出する電力検出部と、前記n回目の最小動作電力と、前記n+1回目の最小動作電力との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する状態判定部とを含む。【選択図】図4

Description

本発明は、読み取り装置、読み取りシステム、及び読み取り方法に関する。
従来より、コンクリート構造物の状態を検出する構造物の状態検出装置であって、前記構造物の状態を埋設状態で検出する検出装置と、前記検出装置の検出結果を埋設状態で送信する無線RFIDタグと、を備える構造物の状態検出装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−134117号公報
ところで、従来の状態検出装置は、検出装置で構造物の状態を検出し、検出結果を無線RFIDタグが送信するため、検出装置と無線RFIDタグが必要である。このように、従来の状態検出装置は、検出装置を必要とすることにより、低コスト化が十分に図れていない。
そこで、低コスト化を図った読み取り装置、読み取りシステム、及び読み取り方法を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の読み取り装置は、誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグから所定距離を隔てて配設され、前記RFIDタグに電波を放射するアンテナと、前記アンテナを介して読み取られる前記RFIDタグのn(nは1以上の整数)回目の読み取り時の最小動作電力を測定した後に、n+1回目の読み取り時の最小動作電力を検出する電力検出部と、前記n回目の最小動作電力と、前記n+1回目の最小動作電力との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する状態判定部とを含む。
低コスト化を図った読み取り装置、読み取りシステム、及び読み取り方法を提供することができる。
読み取りシステム10を表すハードウェアブロック図である。 R/W100に含まれるコンピュータシステムの本体部101内の要部の構成を説明するブロック図である。 図1に示すシステム10を機能ブロックで表した図である。 R/W100でRFIDタグ200を読み取る状態を示す図である。 壁部400のRFIDタグ200の周りに生じた空隙401を拡大して示す図である。 RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な距離を示す図である。 RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な最小動作電力を示す図である。 空隙401の体積に対する最小動作電力の特性を示す図である。 壁部400のRFIDタグ200の周りに生じた水たまり402を拡大して示す図である。 RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な距離を示す図である。 RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な最小動作電力を示す図である。 水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性を示す図である。 R/W100が非破壊検査を行う際に実行する処理を示すフローチャートである。 RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な距離を示す図である。 RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な最小動作電力を示す図である。 空隙401の体積に対する最小動作電力の特性を示す図である。 RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な距離を示す図である。 RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な最小動作電力を示す図である。 水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性を示す図である。 R/W100が非破壊検査を行う際に実行する処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の読み取り装置、読み取りシステム、及び読み取り方法を適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
図1は、読み取りシステム10を表すハードウェアブロック図である。
読み取りシステム10は、R/W(Reader/Writer)100、RFID(Radio Frequency Identification)RFIDタグ200、及びPC(Personal Computer)300を含む。
R/W100は、制御回路110、信号生成器121、変調器122、可変アッテネータ123、パワーアンプ124、サーキュレータ130、アンテナ140、復調器151、電力検出器152、メモリ153、コンパレータ154、判定制御器155、リファレンスデータベース156、及びインターフェイス器180を含む。R/W100は、読み取り装置の一例である。
R/W100は、RFIDタグ200に読み取り用の信号を放射し、RFIDタグ200が放射する応答信号を受信する。読み取り用の信号は、アンテナ140から放射される電波であり、所定の周波数を有する。例えば、日本では、916MHz〜924KHzの周波数帯がRFIDタグ用に割り当てられている。
制御回路110は、R/W100のすべての制御を統括する主制御部の一例である。制御回路110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)チップ、又は、DSP(Digital Signal Processor)等で実現することができる。
信号生成器121は、R/W100がRFIDタグ200に送信する送信用の信号の搬送波を生成する。搬送波は、例えば、916MHz〜924KHzの周波数帯のRF信号であり、信号生成器121としては、シグナルジェネレータを用いることができる。
信号生成器121は、制御回路110によってオン/オフが切り替えられる。信号生成器121が出力するRF信号は、変調器122によって変調され、可変アッテネータ123に入力される。
変調器122は、信号生成器121が出力するRF信号(搬送波)の振幅をベースバンド信号によって変調する。搬送波の振幅は、送信する信号の内容に応じて変調される。ここでは、変調器122によって変調された搬送波を送信信号として取り扱う。
可変アッテネータ123は、変調器122で変調された送信信号のレベルを減衰して出力する。
パワーアンプ124は、可変アッテネータ123から出力される送信信号を増幅し、サーキュレータ130に出力する。可変アッテネータ123とパワーアンプ124は、R/W100の出力電力を掃引するために用いられる。
サーキュレータ130は、3端子のスイッチである。サーキュレータ130の1つの端子には、アンテナ140が接続される。残りの2つの端子には、送信回路と受信回路が接続される。サーキュレータ130は、制御回路110によって制御され、アンテナ140の接続先を送信回路又は受信回路に切り替える。
送信回路は、信号生成器121、変調器122、可変アッテネータ123、パワーアンプ124によって構築される。受信回路は、復調器151、電力検出器152、メモリ153、コンパレータ154、判定制御器155、及びリファレンスデータベース156によって構築される。
アンテナ140は、R/W100の送信信号の送信(放射)と、RFIDタグ200から送信される応答信号(受信信号)の受信を行う。アンテナ140は、RFIDタグ200と通信できればよく、例えば、ループアンテナ又はダイポールアンテナ等によって実現される。
復調器151は、サーキュレータ130と制御回路110との間に設けられており、サーキュレータ130から入力される受信信号を復調し、復調した受信信号を制御回路110に入力する。復調した受信信号には、RFIDタグ200のIDが含まれている。
電力検出器152は、復調器151で復調された受信信号の信号レベル(電力)を検出し、信号レベルを表すデータを制御回路110に出力する。受信信号の信号レベルを表すデータは、RFIDタグ200のIDと関連付けられて制御回路110によって管理され、メモリ153に保存される。電力検出器152としては、例えば、RF電力を計測するRFパワーメータを用いることができる。
メモリ153は、受信信号の信号レベルを表すデータをRFIDタグ200のIDと受信時刻又は受信回数とを関連付けて保存する。メモリ153は、例えば不揮発性のメモリ又はRAM(Random Access Memory)を用いることができる。
コンパレータ154は、制御回路110によって制御され、メモリ153に保存された2つの受信信号の信号レベルを比較し、比較結果を判定制御器155に出力する。なお、コンパレータ154に入力される2つの受信信号の信号レベルのうちの1つは、電力検出器152によって検出される受信信号の信号レベルであってもよい。この場合には、2つの受信信号の信号レベルのうちの残りの1つをメモリ153から読み出せばよい。
判定制御器155は、コンパレータ154の比較結果に基づき、RFIDタグ200の周囲の誘電体の状態を判定する。判定内容と判定処理については後述する。判定制御器155としては、例えば、CPUチップ又はマイクロコンピュータ等の演算処理装置を用いることができる。
リファレンスデータベース156は、判定制御器155がRFIDタグ200の周囲の誘電体の状態を判定する際に参照するデータを格納するデータベースである。リファレンスデータベース156に格納されるデータについては後述する。リファレンスデータベース156は、例えば、不揮発性のメモリを用いることができる。なお、リファレンスデータベース156は、メモリ153と一体化されていてもよい。
インターフェイス器180は、R/W100をPC300に接続する。インターフェイス器180は、例えば、SMTコネクタを用いることができる。R/W100で読み取ったデータは、インターフェイス器180を介してPC300に入力される。
RFIDタグ200は、信号処理器201、整流回路202、及びアンテナ203を含む。
信号処理器201は、整流回路202を介してアンテナ203に接続されており、RFIDタグ200のIDを格納する内部メモリを有する。信号処理器201としては、例えば、IC(Integrated Circuit)チップを用いることができる。
信号処理器201は、アンテナ203が受信する信号(R/W100の送信信号)の電力によって動作し、内部メモリに格納するIDを表す信号を整流回路202に出力する。IDを表す信号は、アンテナ203から放射され、R/W100によって受信される。
整流回路202は、アンテナ203が受信する信号(R/W100の送信信号)を整流して、信号処理器201に出力する。また、ここでは、整流回路202がバックスキャッタ機能を有するものとして説明する。整流回路202は、信号処理器201が出力するIDを表す信号をアンテナ203に出力する。なお、整流回路202は、例えば、信号処理器201としてのICチップと一体化されている。
アンテナ203は、例えば、ダイポールアンテナであり、整流回路202を介して信号処理器201に接続されている。アンテナ203として用いるダイポールアンテナは、整流回路202に接続される2本のアンテナエレメントによって構築されており、2本のアンテナエレメントの長さは、それぞれ、通信周波数における波長λの1/4(λ/4)に設定される。
PC300は、制御回路301、インターフェイス器302、キーボード303、及びディスプレイ304を含む。
制御回路301は、PC300の演算処理部であり、例えば、CPUチップによって実現される。
インターフェイス器302は、PC300をR/W100に接続するインターフェイス部であり、R/W100のインターフェイス器180に接続される。インターフェイス器302は、例えば、SMTコネクタを用いることができる。
キーボード303及びディスプレイ304は、制御回路301に接続されている。ディスプレイ304としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)を用いることができる。
なお、ここでは、R/W100にPC300が接続される形態を示すが、R/W100の中にPC300の機能が内蔵されていてもよく、PC300がR/W100の機能を有していてもよい。これらの場合には、R/W100とPC300が一体化される。
図2は、R/W100に含まれるコンピュータシステムの本体部101内の要部の構成を説明するブロック図である。本体部101は、バス102によって接続されたCPU103、RAM又はROM等を含むメモリ部104、及びハードディスクドライブ(HDD)105を含む。また、図2には示さないが、コンピュータシステムは、バス102を介してCPU103に接続される、ディスプレイ、キーボード、及びマウス等を含んでもよい。
図1に示す制御回路110は、例えば、図2に示すCPU103で実現することができる。また、制御回路110に加えて、図1に示す判定制御器155もCPU103で実現してもよい。また、図1に示すメモリ153とリファレンスデータベース156は、メモリ部104又はハードディスクドライブ105で実現してもよい。
なお、コンピュータシステム10は、図2に示す構成のものに限定されず、各種周知の要素を付加してもよく、又は、一部の構成要素を他の構成要素に代替してもよい。
図3は、図1に示すシステム10を機能ブロックで表した図である。
図3では、読み取りシステム10のうちのR/W100とPC300を機能ブロックとして示す。
R/W100は、制御部110A、信号生成部121A、変調部122A、パワースイープ部123A、アンテナ140、復調部151A、電力検出部152A、記憶部153A、比較部154A、判定部155A、及び参照データ部156Aを含む。
これらの構成要素のうち、制御部110A、変調部122A、パワースイープ部123A、復調部151A、電力検出部152A、比較部154A、判定部155A、及び参照データ部156Aについては、例えば、DSPのような演算処理装置で実現することができる。
なお、制御部110A、変調部122A、パワースイープ部123A、復調部151A、電力検出部152A、比較部154A、判定部155A、及び参照データ部156Aのすべてではなく、一部をDSPのような演算処理装置で実現してもよい。
制御部110Aは、R/W100のすべての制御を統括する主制御部の一例であり、図1に示す制御回路110に相当する機能を有する。
信号生成部121Aは、図1に示す信号生成器121に相当する機能を有する。変調部122Aは、図1に示す変調器122に相当する機能を有する。パワースイープ部123Aは、図1に示す可変アッテネータ123とパワーアンプ124を合わせたものであり、変調部122Aで変調された送信信号の出力電力を掃引して、アンテナ140に出力する。
復調部151Aは、図1に示す復調器151に相当する機能を有する。電力検出部152Aは、図1に示す電力検出器152に相当する機能を有し、復調部151Aで復調された受信信号の信号レベル(電力)を検出し、信号レベルを表すデータを制御部110Aに出力する。受信信号の信号レベルを表すデータは、RFIDタグ200のIDと関連付けられて制御部110Aによって管理され、記憶部153Aに保存される。
記憶部153Aは、図1に示すメモリ153に相当し、受信信号の信号レベルを表すデータをRFIDタグ200のIDと受信時刻又は受信回数とを関連付けて保存する。
比較部154Aは、図1に示すコンパレータ154に相当し、制御部110Aによって制御され、記憶部153Aに保存された2つの受信信号の信号レベルを比較し、比較結果を判定部155Aに出力する。
判定部155Aは、図1に示す判定制御器155に相当する機能を有し、比較部154Aの比較結果に基づき、RFIDタグ200の周囲の誘電体の状態を判定する。判定内容と判定処理については後述する。判定部155Aは、状態判定部の一例である。
参照データ部156Aは、図1に示すリファレンスデータベース156に格納されるデータに相当し、判定部155AがRFIDタグ200の周囲の誘電体の状態を判定する際に参照するデータである。参照データ部156Aについては後述する。
PC300は、制御部301A、入力部303A、及び表示部304Aを含む。制御部301A、入力部303A、及び表示部304Aは、それぞれ、図1に示す制御回路301、キーボード303、及びディスプレイ304に相当する機能を有する。
図4は、R/W100でRFIDタグ200を読み取る状態を示す図である。図4では、RFIDタグ200は、誘電体製の壁部400に埋め込まれている。図4には壁部400の断面を示す。図5は、壁部400のRFIDタグ200の周りに生じた空隙401を拡大して示す図である。
壁部400は、住宅の壁、又は、屋内あるいは屋外の建造物の壁等の様々な壁であってよい。壁部400は、木、コンクリート、又は樹脂等の様々な誘電体(絶縁体)で作製されている。また、壁部400には、鉄筋又は鉄板のような金属が含まれていてもよい。
RFIDタグ200は、壁部400を作製した後に、壁部400の一部をくり抜いて内部に設置され、蓋400Bで覆われている。このようにして、RFIDタグ200は、壁部400に埋め込んで設置されている。蓋400Bは、壁部400と同一の材料で作製されていてもよいし、壁部400とは異なる誘電体で作製されていてもよい。なお、RFIDタグ200は、壁部400を作製する際に予め設置されていてもよい。
実施の形態1のR/W100は、壁部400に埋め込まれたRFIDタグ200を一定の距離の位置から最小動作電力で読み取り、所定の期間が経過した後に、再び同じ距離の位置からRFIDタグ200を最小動作電力で読み取り、2回の測定で得る最小動作電力の差分に基づいて壁部400の経年変化あるいは経年劣化を検出する。
図4では、一例として、R/W100のアンテナ140は、スタンド500に取り付けられている。図4に示す箱状のアンテナ140の放射導体は、図4にアンテナ140の幅(横)方向の中央を通る破線で示す位置に配設されている。
スタンド500は、台座501、ポール502、及びキャスター503を有し、台座501の上にポール502を取り付け、台座501の下側に取り付けられたキャスター503で移動可能になっている。
アンテナ140は、RFIDタグ200が埋め込まれた壁部400に向けて(図4中の右方向に向けて)電波を放射できるように、ポール502に固定されている。また、アンテナ140の放射面側(図4中の右側)には、アダプタ190が取り付けられている。
アダプタ190は、壁部400に埋め込まれたRFIDタグ200から一定の距離の場所にアンテナ140を設置するために、アンテナ140の放射面側に取り付けられている。アダプタ190は、R/W100で所定の期間毎に繰り返し読み取りを行う際に、スタンド500に取り付けられているアンテナ140と壁部400との間の距離を一定に保てる部材であればよい。
図4では、一例として、アダプタ190がアンテナ140の放射面を遮らないように形成される筒状の部材である形態を示すが、アダプタ190は、アンテナ140の放射面を遮らずにアンテナ140と壁部400との間の距離を一定に保てる部材であれば、どのような形態の部材であってもよい。例えば、ステー状の部材又は板状の部材等でアダプタ190を構築すればよい。
なお、アンテナ140と壁部400との間の距離を一定に保つことは、アンテナ140とRFIDタグ200との間の距離を一定に保つことと同義である。
また、図4では、一例として、アンテナ140とRFIDタグ200との間の距離D1を0.5mに設定する。RFIDタグ200は、壁部400のアンテナ140が設置される側の表面400Aから距離(深さ)D3の位置に埋め込まれている。D3は、一例として0.05mである。このため、アダプタ190は、アンテナ140と壁部との間の距離D2を0.45mに保持できるように寸法が設定されていればよい。
例えば、壁部400の経年変化あるいは経年劣化によって、RFIDタグ200の周りに空隙401が生じたとする。壁部400は、作製された直後には誘電体で埋め尽くされており、壁部400に埋め込まれたRFIDタグ200の周りは、壁部400の材料である誘電体で覆われている。
しかしながら、RFIDタグ200の周りに空隙401が生じると、RFIDタグ200の周囲の誘電率の分布が変わるため、RFIDタグ200の放射特性に変化が生じる。空隙401は、誘電体製の壁部400の内部に生じた空洞であり、内部には空気だけが存在している。空気の誘電率は約1であり、誘電体の誘電率は、木材であれば約5、プラスティックであれば約3程度であるため、RFIDタグ200の周りに空隙401が生じると、RFIDタグ200の周囲に誘電率が低下した部分が生じることになる。
R/W100は、壁部400のRFIDタグ200の周りに空隙401が生じたような場合に、RFIDタグ200の放射特性の変化を利用して、空隙401が生じる前のRFIDタグ200の最小動作電力と、空隙401が生じた後のRFIDタグ200の最小動作電力とを比較することにより、壁部400を破壊することなく、空隙401の発生を検出する。
すなわち、実施の形態1のR/W100は、非破壊検査を行うことができる。
図6は、RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な距離を示す図である。図7は、RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な最小動作電力を示す図である。
ここでは、RFIDタグ200の共振周波数は850MHzに設定されているものとする。RFIDタグ200の共振周波数は、RFIDタグ200のアンテナ203の長さによって設定される。なお、R/W100の出力は、30dBmに設定されており、R/W100とRFIDタグ200との間の距離は、0.5mに設定されていることとする。
壁部400に空隙401が生じていない場合に、R/W100が出力する周波数を約800から約950MHzまで変化させてRFIDタグ200を読み取ると、図6に示す特性α0が得られる。特性α0は、RFIDタグ200の共振周波数である850MHzで最大(約5m)になり、共振周波数よりも低いと読み取り可能な距離は短くなり、共振周波数よりも長くても読み取り可能な距離は短くなる。
また、R/W100が出力する周波数を約800から約950MHzまで変化させてRFIDタグ200を読み取る最小動作電力を測定すると、図7に示す特性β0のように、RFIDタグ200の共振周波数である850MHzで最小(約10dBm)になり、共振周波数よりも低いと最小動作電力は大きくなり、共振周波数よりも長くても最小動作電力は大きくなる。
また、壁部400に空隙401が生じると、RFIDタグ200の周囲に誘電率が低下した部分が生じるため、RFIDタグ200が受信する電波の実効波長が長くなり、図6に示す読み取り可能な距離の特性は、特性α0よりも高周波側にシフトした特性α1になる。
同様に、図7に示す最小動作電力の特性は、特性β0よりも高周波側にシフトした特性β1になる。
ここで、空隙401は、壁部400よりも誘電率が低いため、図6及び図7に示すように、特性α0、β0は高周波側にシフトするが、空隙401に水が入っていると、水の誘電率は約80と壁部400の誘電率(木材であれば約5、プラスティックであれば約3程度)よりも高いので、特性α0、β0は低周波側にシフトする。
このため、R/W100が放射する電波の周波数と、RFIDタグ200の共振周波数とが一致すると、RFIDタグ200の周囲の誘電率に変化が生じた場合に、空隙401と水を区別できない。
そこで、壁部400の非破壊検査を行うために、R/W100が放射する電波の周波数をRFIDタグ200の共振周波数(850MHz)からシフトさせて、919MHzに固定してRFIDタグ200を読み取ることとする。
上述のように、日本では、916MHz〜924KHzの周波数帯がRFIDタグ用に割り当てられている。このため、R/W100が放射する電波の周波数をRFIDタグ200の共振周波数(850MHz)からシフトさせて919MHzに設定することは、換言すれば、R/W100が放射する電波の周波数(919MHz)から共振周波数をシフトさせたRFIDタグ200を用いることである。
図6に示すように、R/W100の出力周波数f0(919MHz)においては、特性α0が特性α1にシフトすると、読み取り可能な距離が長くなる。また、図7に示すように、R/W100の出力周波数f0(919MHz)においては、特性β0が特性β1にシフトすると、最小動作電力が低下する。
図8は、空隙401の体積に対する最小動作電力の特性を示す図である。
空隙401が生じていない場合の最小動作電力(初期値)が18dBmであったとする。空隙401が成長して体積が大きくなると、RFIDタグ200の周囲の誘電率が低下するため、最小動作電力が低下する。最小動作電力が極小値を取るのは、図7に示す特性β0が特性β2までシフトしたときであり、極小値は10dBmである。このときの空隙401の体積が25mmであったとする。
空隙401が成長して体積が大きくなり、図7に示す特性β2よりもさらに右にシフトすると、最小動作電力は再び増大し、最小動作電力は、初期値(18dBm)よりも大きくなる。ここで、最小動作電力が初期値(18dBm)と等しくなるときの空隙401の体積を65mmとする。
図8では、空隙401の体積が0mmから25mmまでの範囲を領域1とし、25mmから65mmまでの範囲を領域2とする。
図9は、壁部400のRFIDタグ200の周りに生じた水たまり402を拡大して示す図である。
ここで、水たまり402は、壁部400の一部に水分がたまった部分、又は、空隙401の内部に水がたまることよって発生する。水たまり402は、壁部400よりも誘電率が高い。水の誘電率は約80であり、壁部400の誘電率(木材であれば約5、プラスティックであれば約3程度)よりも高い。
図10は、RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な距離を示す図である。図11は、RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な最小動作電力を示す図である。
ここでは、RFIDタグ200の共振周波数は850MHzに設定されているものとする。なお、R/W100の出力は、30dBmに設定されており、R/W100とRFIDタグ200との間の距離は、0.5mに設定されていることとする。
図10に示す特性α0と、図11に示す特性β0は、それぞれ、図6に示す特性α0と、図7に示す特性β0と同一である。
壁部400に水たまり402が生じると、RFIDタグ200の周囲に誘電率が増大した部分が生じるため、RFIDタグ200が受信する電波の実効波長が短くなり、図10に示す読み取り可能な距離の特性は、特性α0よりも低周波側にシフトした特性α2になる。
同様に、図11に示す最小動作電力の特性は、特性β0よりも低周波側にシフトした特性β3になる。
水たまり402は、壁部400よりも誘電率が高いため、図10及び図11に示すように、特性α0、β0は低周波側にシフトする。
ここでは、図6及び図7と同様に、壁部400の非破壊検査を行うために、R/W100が放射する電波の周波数をRFIDタグ200の共振周波数(850MHz)からシフトさせて、919MHzに固定してRFIDタグ200を読み取ることとする。
すなわち、R/W100が放射する電波の周波数(919MHz)から共振周波数をシフトさせたRFIDタグ200を用いる。
図10に示すように、R/W100の出力周波数f0(919MHz)においては、特性α0が特性α2にシフトすると、読み取り可能な距離が短くなる。また、図11に示すように、R/W100の出力周波数f0(919MHz)においては、特性β0が特性β3にシフトすると、最小動作電力が増大する。
図12は、水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性を示す図である。
水たまり402が生じていない場合の最小動作電力(初期値)が18dBmであったとする。水たまり402が成長して体積が大きくなると、RFIDタグ200の周囲の誘電率が増大するため、最小動作電力が増大する。水たまり402の体積が10mmのときに、最小動作電力は22dBmであるとする。
水たまり402が成長して体積が大きくなり、図11に示す特性β2よりもさらに右にシフトすると、最小動作電力はさらに増大する。
図12では、水たまり402の体積が増大に伴って最小動作電力が増大する範囲を領域3とする。
図13は、R/W100が非破壊検査を行う際に実行する処理を示すフローチャートである。図13に示す処理は、R/W100の制御部110A、パワースイープ部123A、比較部154A、及び判定部155Aによって実行される。
ここでは、図8及び図12に示す空隙401と水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性を表すデータが参照データ部156Aとして準備されていることとする。参照データ部156Aは、図1に示すリファレンスデータベース156に格納されている。空隙401と水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性を表す参照データ部156Aは、予め実験又はシミュレーション等で作成しておけばよい。
アンテナ140とRFIDタグ200との間の距離D1を0.5mに設定し、R/W100が処理を開始する(スタート)。
まず、パワースイープ部123Aが出力電力を掃引する(ステップS1)。
次に、制御部110は、電力検出部152Aが検出する電力を監視し、最小動作電力を検出する(ステップS2)。
ステップS2の処理を初めて(1回目)に行うときは、最小動作電力の初期値P(0)を検出する処理になる。このため、RFIDタグ200を設置した直後に検出しておけばよい。
次に、制御部110は、検出した最小動作電力を表すデータを記憶部153Aに格納する(ステップS3)。
次に、制御部110は、電力検出部152Aが検出する電力に基づいて最小動作電力を検出し、n回目に検出した最小動作電力と、n+1回目に検出した最小動作電力とを比較部154Aに比較させ、判定部155Aに差分が所定値以下であるかどうか判定させる(ステップS4)。
ここで、nは1以上の整数である。ステップS4の処理は、前回(n回目に)検出した最小動作電力と、その次に(今回(n+1回目に))検出した最小動作電力とを比較する処理である。今回(n+1回目に)検出した最小動作電力を表すデータについては、記憶部153Aから読み出さずに、検出したデータをそのまま判定に用いてもよい。
ステップS4の処理を所定期間が経過する度に行えば、壁部400の経年変化あるいは経年劣化を検出することができる。なお、ここでいう所定期間が一定の期間であれば、一定期間後との経年変化あるいは経年劣化を検出するができるが、所定期間は、一定の期間ではなくてもよい。
次に、判定部155Aは、比較部154Aの比較結果に基づき、n回目に検出した最小動作電力と、n+1回目に検出した最小動作電力との差分が所定値(±1dBm)以下であれば(S4:YES)、異常なしと判定する(ステップS5)。
また、判定部155Aは、差分が所定値(±1dBm)より大きい(S4:NO)場合は、n回目に検出した最小動作電力と、n+1回目に検出した最小動作電力との関係が次のいずれのパターンに属するかを判定する(ステップS6)。フローがステップS6に進行するのは、RFIDタグ200の環境に変化があると判定した場合である。
ここで、最小動作電力の初期値をP(0)、n回目の読み取りで得る最小動作電力をP(n)と、n+1回目の読み取りで得る最小動作電力をP(n+1)とする。
判定部155Aは、最小動作電力P(0)よりも最小動作電力P(n)が小さく、かつ、最小動作電力P(n)よりも最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、比較的大規模な空隙401が存在すると判定する(ステップS7)。これは、壁部400の誘電率よりも誘電率が小さく、かつ、大規模な物体が存在していると考えられる場合である。
次いで、判定部155Aは、参照データ部156Aの空隙401の体積に対する最小動作電力の特性の領域2(図8参照)のデータを参照し、空隙401の体積を推定する(ステップS8)。推定した結果は、例えば、PC300のディスプレイ304に表示すればよい。
判定部155Aは、最小動作電力P(0)よりも最小動作電力P(n)が小さく、かつ、最小動作電力P(n)よりも最小動作電力P(n+1)が小さい場合には、比較的小規模な空隙401が存在していると判定する(ステップS9)。これは、壁部400の誘電率よりも誘電率が小さく、かつ、小規模な物体が存在していると考えられる場合である。
次いで、判定部155Aは、参照データ部156Aの空隙401の体積に対する最小動作電力の特性の領域1(図8参照)のデータを参照し、空隙401の体積を推定する(ステップS10)。推定した結果は、例えば、PC300のディスプレイ304に表示すればよい。
なお、ステップS7における比較的大規模な空隙401と、ステップS9における比較的小規模な空隙401との違いは、最小動作電力P(n)よりも最小動作電力P(n+1)が大きいか又は小さいかの違いである。そして、大小関係によって、参照データ部156Aの空隙401の体積に対する最小動作電力の特性の領域1(図8参照)又は領域2のデータを使うことになる。
従って、比較的大規模な空隙401とは、図8に示す領域1と2の境界にある25mmよりも大きい場合であり、比較的小規模な空隙401とは、図8に示す領域1と2の境界にある25mmよりも小さい場合である。
判定部155Aは、最小動作電力P(0)よりも最小動作電力P(n)が大きく、かつ、最小動作電力P(n)よりも最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、水たまり402が存在していると判定する(ステップS11)。これは、壁部400の誘電率よりも誘電率が大きい物体が存在していると考えられる場合である。
次いで、判定部155Aは、参照データ部156Aの水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性の領域3(図12参照)のデータを参照し、水たまり402の体積を推定する(ステップS12)。推定した結果は、例えば、PC300のディスプレイ304に表示すればよい。
制御部110Aは、ステップS5、S8、S10、S12の処理が完了すると、一連の処理を終了する(エンド)。
以上、実施の形態1によれば、R/W100とRFIDタグ200を用いるだけで、特に検査対象の壁部400にセンサ等を設置することなく、壁部400の非破壊検査を行うことができるR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法を提供することができる。
従って、実施の形態1によれば、低コスト化を図ったR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法を提供することができる。
実施の形態1のR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法は、RFIDタグ200の周波数特性の変化を利用してRFIDタグ200の周囲の誘電率の変化を検出する。
このため、壁部400に変形が生じずに、空隙401又は水たまり402が生じているような場合であっても、RFIDタグ200の周囲の誘電率の変化がRFIDタグ200の周波数特性の変化として表れるため、空隙401又は水たまり402の出現を確実に検出することができる。
実施の形態1のR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法によれば、最初に初期値として測定する最小動作電力P(0)、n回目の測定で得る最小動作電力P(n)、及び、n+1回目の測定で得る最小動作電力P(n+1)を比較することにより、壁部400の非破壊検査を行うことができる。
空隙401の体積に対する最小動作電力の特性の領域1及び領域2のデータ(図8参照)と、水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性の領域3のデータ(図12参照)を用いて、最小動作電力P(0)、P(n)、及びP(n+1)を比べることにより、空隙401と水たまり402を区別した上で、サイズを推定することができる。
そして、このような非破壊検査は、検査対象にRFIDタグ200を設置して、所定期間が経過する度に、RFIDタグ200から一定の距離の場所にR/W100を設置してRFIDタグ200を読み取ることだけで実現することができる。
従って、実施の形態1によれば、R/W100とRFIDタグ200を用いて、壁部400に生じうる空隙401と水たまり402を判別し、その上サイズを推定できるR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法を提供することができる。
なお、以上では、空隙401と水たまり402を検出する形態について説明したが、RFIDタグ200を設置する誘電体の誘電率よりも低いものと高いものであれば、空隙401と水たまり402以外のものでも検出することができる。
また、以上では、RFIDタグ200から見て、R/W100とは逆側に空隙401と水たまり402が生じる形態について説明した。しかしながら、R/W100に対して空隙401と水たまり402がどちらの方向に生じても、RFIDタグ200の周囲の誘電率が変化して、RFIDタグ200の周波数特性が変化する。従って、R/W100は、R/W100に対して空隙401と水たまり402がどちらの方向に生じても、検出することができる。
また、以上では、1つのRFIDタグ200を読み取る形態について説明した。しかしながら、壁部400に複数のRFIDタグ300を埋め込んで設置しておけば、壁部400の複数の場所で、非破壊検査を行うことができる。例えば、住宅の壁、トンネルの内部の壁、橋桁等の様々な構造物の非破壊検査を実現することができる。RFIDタグ200には、EPC(Electronic Product Code)と呼ばれる固有なIDが割り振られるため、複数のRFIDタグ200を順番に読み取ることにより、様々な構造物の非破壊検査を行うことができる。
また、以上では、読み取り装置の一例としてR/W100を用いる形態について説明した。しかしながら、少なくともRFIDタグ200を読み取ることができればよく、書き込み動作は行わなくてもよいので、R/W100の代わりに、読み取り専用のRFIDタグリーダーを用いてもよい。
また、以上では、RFIDタグ200を壁部400に埋め込む形態について説明したが、RFIDタグ200を壁部400の表面400Aに取り付けてもよく、表面400Aから少し浮かせた位置に設置してもよい。このような場合でも、RFIDタグ200の最小動作電力を検出することで、RFIDタグ200の周囲の誘電率の変化を検出することができる。
また、以上では、R/W100がRFIDタグ200を読み取る周波数を919MHzに設定し、RFIDタグ200の共振周波数を850MHzに設定する形態について説明した。しかしながら、これらの周波数の値は一例であり、用途又は使用する環境等に応じて、適宜設定すればよい。
また、誘電率の変化だけを検出できればよい場合には、R/W100がRFIDタグ200を読み取る周波数と、RFIDタグ200の共振周波数とが等しくてもよい。
また、以上では、判定部155AがステップS5において、差分が所定値(±1dBm)以下であれば異常なしと判定する形態について説明した。しかしながら、ステップS5で用いる所定値は、用途又は使用する環境等に応じて適切な値に設定すればよい。
<実施の形態2>
実施の形態1では、R/W100が放射する電波の周波数(919MHz)に対して、RFIDタグ200の共振周波数を低周波数側の850MHzにシフトさせて、R/W100でRFIDタグ200を読み取る形態について説明した。
実施の形態2では、R/W100が放射する電波の周波数(919MHz)に対して、RFIDタグ200の共振周波数を高周波数側の950MHzにシフトさせて、R/W100でRFIDタグ200を読み取る形態について説明する。
なお、実施の形態2では、実施の形態1の読み取りシステム10、R/W100、RFIDタグ200と同様の読み取りシステム10、R/W100、RFIDタグ200を用いる。
図14は、RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な距離を示す図である。図15は、RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な最小動作電力を示す図である。
ここでは、RFIDタグ200の共振周波数は950MHzに設定されているものとする。RFIDタグ200の共振周波数は、RFIDタグ200のアンテナ203の長さによって設定される。なお、R/W100の出力は、30dBmに設定されており、R/W100とRFIDタグ200との間の距離は、0.5mに設定されていることとする。
壁部400に空隙401が生じていない場合に、R/W100が出力する周波数を約800から約950MHzまで変化させてRFIDタグ200を読み取ると、図14に示す特性α10が得られる。特性α10は、RFIDタグ200の共振周波数である950MHzで最大(約5m)になり、共振周波数よりも低いと読み取り可能な距離は短くなり、共振周波数よりも長くても読み取り可能な距離は短くなる。
また、R/W100が出力する周波数を約800から約950MHzまで変化させてRFIDタグ200を読み取る最小動作電力を測定すると、図15に示す特性β10のように、RFIDタグ200の共振周波数である950MHzで最小(約10dBm)になり、共振周波数よりも低いと最小動作電力は大きくなり、共振周波数よりも長くても最小動作電力は大きくなる。
また、壁部400に空隙401が生じると、RFIDタグ200の周囲に誘電率が低下した部分が生じるため、RFIDタグ200が受信する電波の実効波長が長くなり、図14に示す読み取り可能な距離の特性は、特性α10よりも高周波側にシフトした特性α11になる。
同様に、図15に示す最小動作電力の特性は、特性β10よりも高周波側にシフトした特性β11になる。
図14に示すように、R/W100の出力周波数f0(919MHz)においては、特性α10が特性α11にシフトすると、読み取り可能な距離が短くなる。また、図15に示すように、R/W100の出力周波数f0(919MHz)においては、特性β10が特性β11にシフトすると、最小動作電力が低下する。
図16は、空隙401の体積に対する最小動作電力の特性を示す図である。
空隙401が生じていない場合の最小動作電力(初期値)が18dBmであったとする。空隙401が成長して体積が大きくなると、RFIDタグ200の周囲の誘電率が増大し、最小動作電力が増大する。空隙401の体積が10mmのときに、最小動作電力は24dBmであるとする。
空隙401が成長して体積が大きくなり、図15に示す特性β11よりもさらに右にシフトすると、最小動作電力はさらに増大する。
図16では、空隙401の体積が増大に伴って最小動作電力が増大する範囲を領域3とする。
図17は、RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な距離を示す図である。図18は、RFIDタグ200の周波数に対する読み取り可能な最小動作電力を示す図である。
ここでは、RFIDタグ200の共振周波数は950MHzに設定されているものとする。なお、R/W100の出力は、30dBmに設定されており、R/W100とRFIDタグ200との間の距離は、0.5mに設定されていることとする。
図17に示す特性α10と、図18に示す特性β10は、それぞれ、図14に示す特性α10と、図15に示す特性β10と同一である。
壁部400に水たまり402が生じると、RFIDタグ200の周囲に誘電率が増大した部分が生じるため、RFIDタグ200が受信する電波の実効波長が短くなり、図17に示す読み取り可能な距離の特性は、特性α10よりも低周波側にシフトした特性α12になる。
同様に、図18に示す最小動作電力の特性は、特性β10よりも低周波側にシフトした特性β12になる。
水たまり402は、壁部400よりも誘電率が高いため、図17及び図18に示すように、特性α10、β10は低周波側にシフトする。
ここでは、図14及び図15と同様に、壁部400の非破壊検査を行うために、R/W100が放射する電波の周波数をRFIDタグ200の共振周波数(950MHz)からシフトさせて、919MHzに固定してRFIDタグ200を読み取ることとする。
すなわち、R/W100が放射する電波の周波数(919MHz)から共振周波数をシフトさせたRFIDタグ200を用いる。
図17に示すように、R/W100の出力周波数f0(919MHz)においては、特性α10が特性α12にシフトすると、読み取り可能な距離が長くなる。また、図18に示すように、R/W100の出力周波数f0(919MHz)においては、特性β10が特性β12にシフトすると、最小動作電力が低下する。
図19は、水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性を示す図である。
水たまり402が生じていない場合の最小動作電力(初期値)が18dBmであったとする。水たまり402が成長して体積が大きくなると、RFIDタグ200の周囲の誘電率が増大し、最小動作電力が低下する。最小動作電力が極小値を取るのは、図15に示す特性β10が特性β13までシフトしたときであり、極小値は10dBmである。このときの水たまり402の体積が27mmであったとする。
水たまり402が成長して体積が大きくなり、図15に示す特性β13よりもさらに右にシフトすると、最小動作電力は再び増大し、最小動作電力は、初期値(18dBm)よりも大きくなる。ここで、最小動作電力が初期値(18dBm)と等しくなるときの水たまり402の体積を68mmとする。
図19では、水たまり402の体積が0mmから27mmまでの範囲を領域1とし、25mmから67mmまでの範囲を領域2とする。
図20は、R/W100が非破壊検査を行う際に実行する処理を示すフローチャートである。図20に示す処理は、R/W100の制御部110A、パワースイープ部123A、比較部154A、及び判定部155Aによって実行される。
ここでは、図16及び図19に示す空隙401と水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性を表すデータが参照データ部156Aに格納されていることとする。空隙401と水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性を表すデータは、予め実験又はシミュレーション等で作成しておけばよい。
また、ステップS1〜S6の処理は、実施の形態1のステップS1〜S6(図13参照)と同様であるため、説明を省略する。
判定部155Aは、ステップS6で、最小動作電力P(0)よりも最小動作電力P(n)が小さく、かつ、最小動作電力P(n)よりも最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、比較的大規模な水たまり402が存在すると判定する(ステップS21)。これは、壁部400の誘電率よりも誘電率が大きく、かつ、大規模な物体が存在していると考えられる場合である。
次いで、判定部155Aは、参照データ部156Aの水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性の領域2(図19参照)のデータを参照し、水たまり402の体積を推定する(ステップS22)。推定した結果は、例えば、PC300のディスプレイ304に表示すればよい。
判定部155Aは、最小動作電力P(0)よりも最小動作電力P(n)が小さく、かつ、最小動作電力P(n)よりも最小動作電力P(n+1)が小さい場合には、比較的小規模な水たまり402が存在していると判定する(ステップS23)。これは、壁部400の誘電率よりも誘電率が大きく、かつ、小規模な物体が存在していると考えられる場合である。
次いで、判定部155Aは、参照データ部156Aの水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性の領域1(図19参照)のデータを参照し、水たまり402の体積を推定する(ステップS24)。推定した結果は、例えば、PC300のディスプレイ304に表示すればよい。
なお、比較的大規模な水たまり402とは、図19に示す領域1と2の境界にある27mmよりも大きい場合であり、比較的小規模な水たまり402とは、図19に示す領域1と2の境界にある27mmよりも小さい場合である。
判定部155Aは、最小動作電力P(0)よりも最小動作電力P(n)が大きく、かつ、最小動作電力P(n)よりも最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、空隙401が存在していると判定する(ステップS25)。これは、壁部400の誘電率よりも誘電率が小さい物体が存在していると考えられる場合である。
次いで、判定部155Aは、参照データ部156Aの空隙401の体積に対する最小動作電力の特性の領域3(図16参照)のデータを参照し、空隙401の体積を推定する(ステップS26)。推定した結果は、例えば、PC300のディスプレイ304に表示すればよい。
制御部110Aは、ステップS5、S22、S24、S26の処理が完了すると、一連の処理を終了する(エンド)。
以上、実施の形態2によれば、R/W100とRFIDタグ200を用いるだけで、特に検査対象の壁部400にセンサ等を設置することなく、壁部400の非破壊検査を行うことができるR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法を提供することができる。
従って、実施の形態2によれば、低コスト化を図ったR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法を提供することができる。
実施の形態2のR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法によれば、最初に初期値として測定する最小動作電力P(0)、n回目の測定で得る最小動作電力P(n)、及び、n+1回目の測定で得る最小動作電力P(n+1)を比較することにより、壁部400の非破壊検査を行うことができる。
水たまり402の体積に対する最小動作電力の特性の領域1及び領域2のデータ(図19参照)と、空隙401の体積に対する最小動作電力の特性の領域3のデータ(図16参照)を用いて、最小動作電力P(0)、P(n)、及びP(n+1)を比べることにより、空隙401と水たまり402を区別した上で、サイズを推定することができる。
そして、このような非破壊検査は、検査対象にRFIDタグ200を設置して、所定期間が経過する度に、RFIDタグ200から一定の距離の場所にR/W100を設置してRFIDタグ200を読み取ることだけで実現することができる。
従って、実施の形態2によれば、R/W100とRFIDタグ200を用いて、壁部400に生じうる空隙401と水たまり402を判別し、その上サイズを推定できるR/W100、読み取りシステム10、及び読み取り方法を提供することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の読み取り装置、読み取りシステム、及び読み取り方法について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグから所定距離を隔てて配設され、前記RFIDタグに電波を放射するアンテナと、
前記アンテナを介して読み取られる前記RFIDタグのn(nは1以上の整数)回目の読み取り時の最小動作電力を測定した後に、n+1回目の読み取り時の最小動作電力を検出する電力検出部と、
前記n回目の最小動作電力と、前記n+1回目の最小動作電力との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する状態判定部と
を含む、読み取り装置。
(付記2)
前記アンテナの放射面側に取り付けられ、前記アンテナを前記RFIDタグから前記所定距離の位置に固定する固定具(190)をさらに含む、付記1記載の読み取り装置。
(付記3)
前記RFIDタグの共振周波数と、前記読み取り装置が前記RFIDタグの読み取りに用いる通信周波数とは異なる、付記1又は2記載の読み取り装置。
(付記4)
前記読み取り装置が前記RFIDタグの読み取りに用いる通信周波数よりも、前記RFIDタグの共振周波数の方が低く、
前記状態判定部は、初回の前記読み取り時の最小動作電力P(0)と、前記n回目の最小動作電力P(n)と、前記n+1回目の最小動作電力P(n+1)との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する、付記1乃至3のいずれか一項記載の読み取り装置。
(付記5)
前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が小さく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が小さい場合には、前記誘電体よりも誘電率が小さい物体が前記RFIDタグの周囲に存在すると判定する、付記4記載の読み取り装置。
(付記6)
前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が小さく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、前記誘電体よりも誘電率が小さく、かつ、所定規模よりも大きな物体が存在すると判定する、付記4又は5記載の読み取り装置。
(付記7)
前記誘電率が小さい物体は、前記誘電体に生じた空隙である、付記5又は6記載の読み取り装置。
(付記8)
前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が大きく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、前記誘電体よりも誘電率が大きい物体が前記RFIDタグの周囲に存在すると判定する、付記4乃至7のいずれか一項記載の読み取り装置。
(付記9)
前記誘電率が大きい物体は、前記誘電体に生じた水分である、付記8記載の読み取り装置。
(付記10)
前記読み取り装置が前記RFIDタグの読み取りに用いる通信周波数よりも、前記RFIDタグの共振周波数の方が高く、
前記状態判定部は、初回の前記読み取り時の最小動作電力P(0)と、前記n回目の最小動作電力P(n)と、前記n+1回目の最小動作電力P(n+1)との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する、付記1乃至3のいずれか一項記載の読み取り装置。
(付記11)
前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が小さく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が小さい場合には、前記誘電体よりも誘電率が大きい物体が前記RFIDタグの周囲に存在すると判定する、付記10記載の読み取り装置。
(付記12)
前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が小さく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、前記誘電体よりも誘電率が大きく、かつ、所定規模よりも大きな物体が存在すると判定する、付記10又は11記載の読み取り装置。
(付記13)
前記誘電率が大きい物体は、前記誘電体に生じた水分である、付記11又は12記載の読み取り装置。
(付記14)
前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が大きく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、前記誘電体よりも誘電率が小さい物体が前記RFIDタグの周囲に存在すると判定する、付記10乃至13のいずれか一項記載の読み取り装置。
(付記15)
前記誘電率が小さい物体は、前記誘電体に生じた空隙である、付記14記載の読み取り装置。
(付記16)
前記最小動作電力P(0)、前記最小動作電力P(n)、及び前記最小動作電力P(n+1)の基準値を表すデータを格納する格納部と、
前記格納部に格納される前記基準値と、前記電力検出部によって検出される、前記最小動作電力P(0)、前記最小動作電力P(n)、及び前記最小動作電力P(n+1)との関係に基づいて、前記誘電体の内部に生じる前記物体のサイズを推定する推定部と
をさらに含む、付記4乃至15のいずれか一項記載の読み取り装置。
(付記17)
前記RFIDタグは、所定時間毎に前記読み取り装置に読み取られており、
前記電力検出部は、前記所定時間毎の前記読み取り時の最小動作電力を検出する、付記1乃至16のいずれか一項記載の読み取り装置。
(付記18)
誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグと、
前記RFIDタグを読み取る読み取り装置と
を含み、
前記読み取り装置は、
誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグから所定距離を隔てて配設され、前記RFIDタグに電波を放射するアンテナと、
前記アンテナを介して読み取られる前記RFIDタグのn(nは1以上の整数)回目の読み取り時の最小動作電力を測定した後に、n+1回目の読み取り時の最小動作電力を検出する電力検出部と、
前記n回目の最小動作電力と、前記n+1回目の最小動作電力との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する状態判定部と
を有する、読み取りシステム。
(付記19)
誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグを、前記RFIDタグから所定距離を隔てた位置において読み取る読み取り装置が実行する読み取り方法であって、
前記RFIDタグに電波を放射するアンテナを介して読み取られる前記RFIDタグのn(nは1以上の整数)回目の読み取り時の最小動作電力を測定した後に、n+1回目の読み取り時の最小動作電力を検出し、
前記n回目の最小動作電力と、前記n+1回目の最小動作電力との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する、読み取り方法。
10 読み取りシステム
100 R/W
110 制御回路
121 信号生成器
122 変調器
123 可変アッテネータ
124 パワーアンプ
130 サーキュレータ
140 アンテナ
151 復調器
152 電力検出器
153 メモリ
154 コンパレータ
155 判定制御器
156 リファレンスデータベース
110A 制御部
121A 信号生成部
122A 変調部
123A パワースイープ部
140 アンテナ
151A 復調部
152A 電力検出部
153A 記憶部
154A 比較部
155A 判定部
156A 参照データ部
180 インターフェイス器
200 RFIDタグ
201 信号処理器
202 整流回路
203 アンテナ
300 PC
301 制御回路
302 インターフェイス器
303 キーボード
304 ディスプレイ
301A 制御部
303A 入力部
304A 表示部

Claims (14)

  1. 誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグから所定距離を隔てて配設され、前記RFIDタグに電波を放射するアンテナと、
    前記アンテナを介して読み取られる前記RFIDタグのn(nは1以上の整数)回目の読み取り時の最小動作電力を測定した後に、n+1回目の読み取り時の最小動作電力を検出する電力検出部と、
    前記n回目の最小動作電力と、前記n+1回目の最小動作電力との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する状態判定部と
    を含む、読み取り装置。
  2. 前記アンテナの放射面側に取り付けられ、前記アンテナを前記RFIDタグから前記所定距離の位置に固定する固定具をさらに含む、請求項1記載の読み取り装置。
  3. 前記RFIDタグの共振周波数と、前記読み取り装置が前記RFIDタグの読み取りに用いる通信周波数とは異なる、請求項1又は2記載の読み取り装置。
  4. 前記読み取り装置が前記RFIDタグの読み取りに用いる通信周波数よりも、前記RFIDタグの共振周波数の方が低く、
    前記状態判定部は、初回の前記読み取り時の最小動作電力P(0)と、前記n回目の最小動作電力P(n)と、前記n+1回目の最小動作電力P(n+1)との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する、請求項1乃至3のいずれか一項記載の読み取り装置。
  5. 前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が小さく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が小さい場合には、前記誘電体よりも誘電率が小さい物体が前記RFIDタグの周囲に存在すると判定する、請求項4記載の読み取り装置。
  6. 前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が小さく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、前記誘電体よりも誘電率が小さく、かつ、所定規模よりも大きな物体が存在すると判定する、請求項4又は5記載の読み取り装置。
  7. 前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が大きく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、前記誘電体よりも誘電率が大きい物体が前記RFIDタグの周囲に存在すると判定する、請求項4乃至6のいずれか一項記載の読み取り装置。
  8. 前記読み取り装置が前記RFIDタグの読み取りに用いる通信周波数よりも、前記RFIDタグの共振周波数の方が高く、
    前記状態判定部は、初回の前記読み取り時の最小動作電力P(0)と、前記n回目の最小動作電力P(n)と、前記n+1回目の最小動作電力P(n+1)との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する、請求項1乃至3のいずれか一項記載の読み取り装置。
  9. 前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が小さく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が小さい場合には、前記誘電体よりも誘電率が大きい物体が前記RFIDタグの周囲に存在すると判定する、請求項8記載の読み取り装置。
  10. 前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が小さく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、前記誘電体よりも誘電率が大きく、かつ、所定規模よりも大きな物体が存在すると判定する、請求項8又は9記載の読み取り装置。
  11. 前記状態判定部は、前記最小動作電力P(0)よりも前記最小動作電力P(n)が大きく、かつ、前記最小動作電力P(n)よりも前記最小動作電力P(n+1)が大きい場合には、前記誘電体よりも誘電率が小さい物体が前記RFIDタグの周囲に存在すると判定する、請求項8乃至10のいずれか一項記載の読み取り装置。
  12. 前記最小動作電力P(0)、前記最小動作電力P(n)、及び前記最小動作電力P(n+1)の基準値を表すデータを格納する格納部と、
    前記格納部に格納される前記基準値と、前記電力検出部によって検出される、前記最小動作電力P(0)、前記最小動作電力P(n)、及び前記最小動作電力P(n+1)との関係に基づいて、前記誘電体の内部に生じる前記物体のサイズを推定する推定部と
    をさらに含む、請求項4乃至11のいずれか一項記載の読み取り装置。
  13. 誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグと、
    前記RFIDタグを読み取る読み取り装置と
    を含み、
    前記読み取り装置は、
    誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグから所定距離を隔てて配設され、前記RFIDタグに電波を放射するアンテナと、
    前記アンテナを介して読み取られる前記RFIDタグのn(nは1以上の整数)回目の読み取り時の最小動作電力を測定した後に、n+1回目の読み取り時の最小動作電力を検出する電力検出部と、
    前記n回目の最小動作電力と、前記n+1回目の最小動作電力との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する状態判定部と
    を有する、読み取りシステム。
  14. 誘電体に埋め込まれる、又は、取り付けられるRFIDタグを、前記RFIDタグから所定距離を隔てた位置において読み取る読み取り装置が実行する読み取り方法であって、
    前記RFIDタグに電波を放射するアンテナを介して読み取られる前記RFIDタグのn(nは1以上の整数)回目の読み取り時の最小動作電力を測定した後に、n+1回目の読み取り時の最小動作電力を検出し、
    前記n回目の最小動作電力と、前記n+1回目の最小動作電力との差分に基づき、前記誘電体の状態を判定する、読み取り方法。
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