JP2007100983A - 全熱交換器の制御装置、全熱交換装置及び全熱交換器の制御用プログラム - Google Patents

全熱交換器の制御装置、全熱交換装置及び全熱交換器の制御用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】室内の環境に柔軟に合わせた全熱交換器の運転が可能であり、最適な空調を確保しつつ省エネルギーを実現する。
【解決手段】全熱交換器の制御において、全熱交換器が交換する空気及び全熱の単位時間当たりの量に対応する相当風量が採用されている。室内の気温が快適範囲内の場合には現在のモードと同じ外気冷房モードが選択される。室内の気温が快適範囲の上限値を超える場合には大きい相当風量に対応する外気冷房モードが選択される。室内の気温が快適範囲の下限値を下回る場合には小さい相当風量に対応する外気冷房モードが選択される(S6)。そして、選択された外気冷房モードに基づいて、全熱交換器が交換する空気及び全熱の単位時間当たりの量が制御される(S7)。
【選択図】図3

Description

本発明は、全熱交換器の制御装置、全熱交換装置及び全熱交換器の制御用プログラムに関する。
空調における消費エネルギーの効率化のため、外気と室内の空気とを交換する際にこれらの空気の間で全熱を交換する全熱交換器が広く使用されている。しかし、全熱交換器による省エネルギー効果が、一般に期待されるほど実現しない場合がある。これは、全熱交換器が使用されることにより、夏季及び冬季においてはそれなりの省エネルギーが実現される一方で、春季及び秋季の中間期における消費エネルギーが増大するためである。このような消費エネルギーの増大は、室内の気温が外気温より高い場合に、ある程度の冷房能力を有する外気をそのまま取り入れず、室内から排出される空気の全熱を外気に移動させつつその外気を取り入れるという非効率から生じる。
このような非効率を解消するために、装置又はオペレータが、全熱の交換を行うかどうかを所定の条件に応じて切り替えることが考えられる。特許文献1には、このような切り替えを伴う空気調和機が提案されている。特許文献1の空気調和機は、外気の温度が室内の空気の温度より低く且つ室内の空気の温度が設定温度以下等の場合には全熱の交換を行わず、空気の交換のみを行うというものである。これによって、冷房能力を有する外気が室内の温度及び湿度調節に有効に利用され、ある程度の省エネルギーが実現する。
特開平10−274425号公報(請求項10)
しかし、特許文献1の空気調和機は全熱の交換を行うか行わないかのみを切り替えるものである。また、室内の環境に柔軟に合わせた風量の調節がなされていない。つまり、室内の環境に合わせた最適な量の外気の取り入れがなされ得ず、例えば外気が必要以上に取り入れられることによって室内の空気が冷やされすぎるなど、適切な空調が確保され得ない。また、適切な空調がなされないと暖房や冷房のためのエネルギーが無駄に消費される。
本発明の目的は、室内の環境に柔軟に合わせた全熱交換器の運転が可能であり、最適な空調を確保しつつ省エネルギーな全熱交換器の制御装置、全熱交換装置及び全熱交換器の制御用プログラムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の全熱交換器の制御装置は、外気及び室内の空気を交換する換気機構と、前記換気機構が交換する外気と室内の空気との間で全熱を交換する全熱交換機構とを備えている全熱交換器の制御装置であって、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が多いほど大きく且つ前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が多いほど小さい値を有する相当風量が互いに異なるモードであって前記全熱交換器が交換する空気及び全熱の少なくともいずれか一方の単位時間当たりの量が互いに異なる複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを記憶するモード記憶手段と、第1の温度設定範囲を記憶する第1の範囲記憶手段と、前記複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを選択するモード選択手段と、前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードを前記モード記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の空気を単位時間当たりに前記換気機構に交換させつつ前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードに対応する量の全熱を単位時間当たりに前記全熱交換機構に交換させる熱交換気制御手段とを備えており、前記モード選択手段が、室内の空気の温度が前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲内である場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードを選択し、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値を室内の空気の温度が超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が大きい前記外気冷房モードを選択し、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が小さい前記外気冷房モードを選択する。
また、本発明の全熱交換装置は、外気及び室内の空気を交換する換気機構と、前記換気機構が交換する外気と室内の空気との間で全熱を交換する全熱交換機構と、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が多いほど大きく且つ前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が多いほど小さい値を有する相当風量が互いに異なるモードであって前記全熱交換器が交換する空気及び全熱の少なくともいずれか一方の単位時間当たりの量が互いに異なる複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを記憶するモード記憶手段と、第1の温度設定範囲を記憶する第1の範囲記憶手段と、前記複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを選択するモード選択手段と、前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードを前記モード記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の空気を単位時間当たりに前記換気機構に交換させつつ前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードに対応する量の全熱を単位時間当たりに前記全熱交換機構に交換させる熱交換気制御手段とを備えており、前記モード選択手段が、室内の空気の温度が前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲内である場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードを選択し、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値を室内の空気の温度が超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が大きい前記外気冷房モードを選択し、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が小さい前記外気冷房モードを選択する。
また、本発明の全熱交換器の制御用プログラムは、外気及び室内の空気を交換する換気機構と、前記換気機構が交換する外気と室内の空気との間で全熱を交換する全熱交換機構とを備えている全熱交換器の制御用プログラムであって、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が多いほど大きく且つ前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が多いほど小さい値を有する相当風量が互いに異なるモードであって前記全熱交換器が交換する空気及び全熱の少なくともいずれか一方の単位時間当たりの量が互いに異なる複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを記憶するモード記憶手段、第1の温度設定範囲を記憶する第1の範囲記憶手段、前記複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを選択するモード選択手段、前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードを前記モード記憶手段に記憶させる記憶制御手段、及び、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の空気を単位時間当たりに前記換気機構に交換させつつ前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードに対応する量の全熱を単位時間当たりに前記全熱交換機構に交換させる熱交換気制御手段としてコンピュータを機能させ、尚且つ、前記モード選択手段が、室内の空気の温度が前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲内である場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードを選択し、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値を室内の空気の温度が超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が大きい前記外気冷房モードを選択し、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が小さい前記外気冷房モードを選択するようにコンピュータを機能させる。
本発明の全熱交換器の制御装置、全熱交換装置及び全熱交換器の制御用プログラムによると以下のような効果が奏される。つまり、室内の空気の温度が第1の温度設定範囲を超えるときには相当風量が大きい外気冷房モードが選択され、第1の温度設定範囲を下回るときには相当風量が小さい外気冷房モードが選択される。これによって、室内の温度と第1の温度設定範囲との違いに応じた適切な相当風量の外気が取り入れられるため、室内を冷やしすぎることがなくなる等の最適な空調が確保されつつ、エネルギーの消費が抑えられた最適な制御がなされ得る。さらに、相当風量を用いて制御が行われるため、空気及び全熱の両方の交換量が同時に考慮された上で全熱交換器の制御が行われている。このため、空気の交換量の調節のみを行う場合や全熱交換の切り替えのみを行う場合と比べてより柔軟な制御がなされ得るので、より適切な空調且つ省エネルギーな制御がなされる。
また、本発明においては、前記モード選択手段が、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値を室内の空気の温度が超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が次に大きい前記外気冷房モードを選択し、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が次に小さい前記外気冷房モードを選択することが好ましい。この構成によると、1つずつ外気冷房モードが変更されるため、望ましい相当風量に近い外気冷房モードに全熱交換器の運転モードが単純な方法で順次近づいていく。
また、本発明においては、第2の温度設定範囲を記憶する第2の範囲記憶手段と、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値が外気の温度を超えており且つ前記第2の範囲記憶手段が記憶した前記第2の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が超えているか否かを判断する範囲判断手段とをさらに備えており、前記モード選択手段が、前記第1の温度設定範囲の上限値が外気の温度を超えていない、又は、室内の空気の温度が前記第2の温度設定範囲の下限値を超えていないと前記範囲判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを行わず、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が最小となり前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が最大となる前記外気冷房モードを前記モード記憶手段が記憶した前記複数の外気冷房モードから選択し、前記第1の温度設定範囲の上限値が外気の温度を超えており且つ室内の空気の温度が前記第2の温度設定範囲の下限値を超えていると前記範囲判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することが好ましい。この構成によると、第1の温度設定範囲が外気の温度を超えていない気温が高い時季や第2の温度設定範囲の下限値を室内の気温が下回るような気温が低い時季には、取り入れる外気は最小に、且つ、交換する全熱の量は最大になる。これによって、時季に応じた最適なエネルギーで最適な空調がなされるように全熱交換器が制御される。
また、本発明においては、空気を交換している換気入り状態と空気を交換していない換気切り状態との間で前記換気機構の状態を切り替える換気切り替え手段と、前記換気入り状態において前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量を調節する換気量調節手段とをさらに備えており、前記熱交換気制御手段が、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の空気を単位時間当たりに前記換気機構が交換するように、前記換気入り状態の期間の長さと前記換気切り状態の期間の長さとを調節しつつ前記換気切り替え手段に前記換気機構の状態を切り替えさせること及び前記換気入り状態において前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量を前記換気量調節手段に調節させることの少なくともいずれか一方を行うことが好ましい。この構成によると、換気入り状態と換気切り状態とをそれぞれの状態の期間を調節しつつ切り替えること、及び、換気入り状態において交換される空気の量を調節することの両者の組み合わせにより、両者のうちどちらかのみが用いられる場合や換気入り状態の期間を調節しない場合と比べて、室内の環境に合わせたより柔軟な空気の量の交換がなされ得る。
また、本発明においては、前記全熱交換機構が全熱を交換する熱交入り状態と前記全熱交換機構が全熱を交換しない熱交切り状態との間で前記全熱交換機構の状態を切り替える熱交切り替え手段をさらに備えており、前記熱交換気制御手段が、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の全熱を前記全熱交換機構が交換するように、前記熱交入り状態の期間の長さと前記熱交切り状態の期間の長さとを調節しつつ前記熱交切り替え手段に前記全熱交換機構の状態を切り替えさせるることが好ましい。この構成によると、熱交入り状態と熱交切り状態とをそれぞれの状態の期間を調節しつつ切り替えることにより、室内の環境に合わせたより柔軟な全熱の量の交換がなされ得る。
また、本発明においては、前記換気入り状態において前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量、前記換気入り状態の期間の長さが単位時間当たりに占める割合、及び、前記熱交入り状態の期間の長さが単位時間当たりに占める割合のうちの少なくともいずれか1つが、前記複数の外気冷房モードの間で相互に異なることが好ましい。この構成によると、より詳細に外気冷房モードが選択されえるため、より柔軟に全熱交換器の制御がなされ得る。
また、本発明においては、前記相当風量が、前記熱交換器が全熱を交換する際の熱交換効率と前記熱交入り状態の期間の長さが単位時間当たりに占める割合との積を1から引いた差と、前記換気入り状態において前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量と、前記換気入り状態の期間の長さが単位時間当たりに占める割合との積であることが好ましい。この構成によると、相当風量が上記の積によって具体的且つ簡易に算出される。つまり、具体的且つ簡易な指標に基づいて外気冷房モードが選択され得る。
また、本発明においては、外気及び室内の空気のそれぞれの温度及び湿度から外気のエンタルピー及び室内の空気のエンタルピーを導出するエンタルピー導出手段と、エンタルピーの設定範囲を記憶するエンタルピー記憶手段と、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記選択手段が前記外気冷房モードを選択する室温選択モードと前記エンタルピー記憶手段が記憶した前記エンタルピーの設定範囲に基づいて前記選択手段が前記外気冷房モードを選択するエンタルピー選択モードとの間で前記モード選択手段による選択モードを切り替える切り替え手段とをさらに備えており、前記選択モードが前記エンタルピー選択モードである場合には、前記モード選択手段が、前記エンタルピー導出手段が導出した室内の空気のエンタルピーが前記エンタルピー記憶手段が記憶した前記エンタルピーの設定範囲内である場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードを選択し、前記エンタルピー記憶手段が記憶した前記エンタルピーの設定範囲の上限値を前記エンタルピー導出手段が導出した室内の空気のエンタルピーが超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が大きい前記外気冷房モードを選択し、前記エンタルピー記憶手段が記憶した前記エンタルピーの設定範囲の下限値を前記エンタルピー導出手段が導出した室内の空気のエンタルピーが下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が小さい前記外気冷房モードを選択することが好ましい。この構成によると、温度と共に湿度に基づいて外気冷房モードが判断されるため、より室内の環境に応じた最適な外気冷房モードが選択され、室内の環境がより快適になる。
また、本発明においては、室内に設置された冷暖房装置における室内への空気の吹き出し口付近に設置され、前記吹き出し口から吹き出される空気の温度を検出する冷暖房温度センサーと、前記冷暖房温度センサーの検出結果に基づいて、前記吹き出し口から吹き出される空気の温度が室内の空気の温度以上であるか否かを判断する吹き出し判断手段とをさらに備えており、前記モード選択手段が、前記吹き出し口から吹き出される空気の温度が室内の空気の温度以上であると前記吹き出し判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを行わず、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が最小となり前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が最大となる前記外気冷房モードを前記モード記憶手段が記憶した前記複数の外気冷房モードから選択し、前記吹き出し口から吹き出される空気の温度が室内の空気の温度以上ではないと前記吹き出し判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することが好ましい。この構成によると、冷暖房装置から運転状況に関する情報を取得するための電気的な接続手段等を利用することなく、室内に設置された冷暖房装置の状況に応じて適切な全熱交換器の制御がなされ得る。
また、本発明においては、外気の設定温度を記憶する外気記憶手段と、前記外気記憶手段が記憶した前記設定温度を外気の温度が超えているか否かを判断する外気温判断手段とをさらに備えており、前記モード選択手段が、外気の温度が前記設定温度を超えていないと前記外気温判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを行わず、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が最小となり前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が最大となる前記外気冷房モードを前記モード記憶手段が記憶した前記複数の外気冷房モードから選択し、外気の温度が前記設定温度を超えていると前記外気温判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することが好ましい。この構成によると、外気の温度が低いときには外気の取り入れを最小にしつつ熱交換を最大にする制御が行われるため、低温の外気を大量に取り入れることによる結露が防止される。
また、本発明の全熱交換器の制御用プログラムは、コンピュータを全熱交換器の制御装置として機能させることが可能なプログラムであり、上記の全熱交換器の制御装置と同様の作用効果を奏する。本発明の全熱交換器の制御用プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ディスク、フレキシブルディスク(FD)、MO(Magneto Optical)ディスクなどのリムーバブル型記録媒体や、ハードディスクなどの固定型記録媒体のような記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。ここで、コンピュータは、パーソナルコンピュータのような汎用型に限らず、全熱交換器の制御のために特化した装置であってもよい。
本発明の好適な実施形態の一例である全熱交換装置について説明する。図1は、本実施形態に係る全熱交換装置100における全体の概略的な構成を示している。全熱交換装置100は、全熱交換器40、全熱交換器40を制御する制御装置1及び制御装置1に接続された各種センサー31から構成されている。
全熱交換器40は、熱交換素子51、送風器53a及び53bを有している。通気口55aから取り入れられた外気は、送風器53bによって流路55に沿って流され、通気口55bから室内に送り込まれる。また、通気口54bから取り入れられた室内の空気は、送風器53aによって流路54に沿って流され、通気口54aから室外へと排出される。流路54及び55に沿って流れる空気はいずれも熱交換素子51を通過する。流路54及び55に沿って取り入れられる外気及び排出される室内の空気が熱交換素子51を共に通過する際に、熱交換素子51を介して外気及び室内の空気の間で全熱が交換される。
全熱交換器40は流路切り替えユニット56a及び56b並びにバイパス流路ユニット52をさらに有している。流路切り替えユニット56a及び56bは、通気口54bから取り入れられた室内の空気を室外に熱交換素子51を通じて排出する流路と、熱交換素子51を通じずバイパス流路ユニット52を通じて排出する流路との間で、空気の流路を切り替える。前者の流路が用いられる場合には、全熱の交換が行われつつ外気と室内の空気とが交換される。また、後者の流路が用いられる場合には、全熱の交換が行われずに外気と室内の空気とが交換される。このように、全熱交換器40は、前者の流路を用いて換気を行う熱交換気機構50aと、後者の流路を用いて換気を行う通常換気機構50bとを有している。熱交換気機構50a及び通常換気機構50bにより、全熱交換器40は、外気と室内の空気とを交換しつつ外気と室内の空気との間で全熱を交換する熱交入り状態と、全熱の交換を行わず換気のみ行う熱交切り状態とを選択的に取ることができる。
また、全熱交換器40は、送風器53a及び53bによる送風量が大きい送風大モードと送風小モードとを選択的に取ることができる。さらに、全熱交換器40は、送風器53a及び53bによる送風を行ったり行わなかったりすることにより、外気と室内の空気との交換を行っている換気入り状態と、交換を行っていない換気切り状態とを選択的に取ることができる。これらのモードの切り替えは制御装置1の制御に基づいて行われる。
なお、本明細書において換気機構は、全熱交換器40において空気の交換を行う機構全体に対応する。このような機構は、熱交換気機構50a及び通常換気機構50bから構成されている。また、本明細書において全熱交換機構は、熱交換気機構50aにおいて全熱の交換を行う機能を担う部分に対応する。例えば、熱交換気機構50aが作動している状態は、換気機構及び全熱交換機構の両方が機能している状態に相当する。また、通常換気機構50bが作動している状態は、換気機構のみが機能している状態に相当する。
図2は制御装置1及びセンサー31の構成を示す図である。センサー31には、外気温及び室内の気温を検出する外気温センサー311及び室温センサー312が含まれている。また、センサー31には、外気の湿度及び室内の空気の湿度を検出する外気湿度センサー313及び室内湿度センサー314が含まれている。さらに、全熱交換装置100がエアコン等の冷暖房装置と共に使用される場合には、暖房センサー315が冷暖房装置等の冷気及び暖気の吹き出し口に設置される。
制御装置1には、CPU、ROM、RAMなどのハードウェアが収納されている。また、ROMなどの記憶装置には、制御装置1を全熱交換器40の制御装置として機能させるためのプログラム(CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体に記録して任意のコンピュータにインストールするようにプログラムされていてもよい)を含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、以下に説明する設定記憶部11や制御部21等が構築されている。
制御装置1は設定記憶部11、現在モード記憶部12及び制御部21を有している。設定記憶部11には、モード設定記憶部111、室温設定記憶部112、外気温設定記憶部113及びエンタルピー設定記憶部114が設けられ、各種設定値等が記憶されている。現在モード記憶部12は現時点で選択されている後述の外気冷房モードや選択モードを記憶する(モード記憶手段)。
制御部21は全熱交換器40の運転を制御する。具体的には、制御部21は全熱交換器40が交換する空気及び全熱の単位時間当たりの量を制御する。全熱交換器40の制御は外気による冷房能力に応じて行われる。外気による冷房能力とは、全熱交換器40が取り入れる外気によって室内の空気が冷房される際の冷房能力を表すものである。外気による冷房能力の大きさは、室内に取り入れられる外気と室内の空気との間の温度の差及び湿度の差に依存する。外気が室内に取り入れられるまでには、熱交換気機構50aによって室内から排出される空気及び取り入れられる外気との間で全熱が交換される。したがって、外気による冷房能力は、全熱交換器40が取り入れる外気の元の温度、熱交換気機構50aが交換する全熱の量及び室内の空気の温度に依存する。
外気の取り入れにより室内を冷房する際には、外気による冷房能力に応じて取り入れる量が調節されなければならない。例えば外気による冷房能力が高いときにたくさんの外気を取り入れると、室内を冷やしすぎることにもなりかねないからである。また、外気による冷房能力に応じて柔軟に取り入れの量が調節されないと、空調によって消費されるエネルギーの最適な抑制がなされ得ないからである。
一方で、外気による冷房は、取り入れられる外気の量にも依存する。外気が取り入れられる量は、全熱交換器40が交換する空気の単位時間当たりの量に依存する。しかし、換気と同時に全熱交換が行われる場合には、交換される全熱の量を考慮した上で、最適な外気の取り入れ量が調節されなければならない。このような観点から、本発明においては、取り入れるべき外気の量を決定するための客観的指標として「相当風量」が採用される。相当風量は下記の数式1によって表される量である。ただし、Vaは、換気入り状態で全熱交換器40が室内へと単位時間当たりに取り入れる外気の体積を表す。送風大モードにおけるVaは送風小モードにおけるVaより小さい。ρは、熱交換気機構50aによって室内の空気から外気へと交換される全熱の交換効率(0以上且つ1.0以下)である。τaは、換気入り状態が選択されている期間の長さが単位時間当たりに占める割合である。τqは、熱交入り状態が選択されている期間の長さが単位時間当たりに占める割合である。
(数式1)
(相当風量)=Va×τa×(1.0−ρ×τq)
外気の温度が同じ場合には全熱交換器40によって取り入れられる外気の量が多いほど室内の空気は外気によって冷やされやすい。単位時間当たりに取り入れられる外気の量は換気入り状態が選択されている期間の長さが単位時間当たりに占める割合と、送風器53a及び53bによって換気入り状態において単位時間当たりに送風される外気の体積とに比例する。また、室内の空気の温度(又は全熱)が外気の温度(又は全熱)より高い場合には、熱交換気機構50aによって室内の空気から外気へと熱(又は全熱)が移動される。したがって、単位時間当たりに移動する熱の量が小さいほど外気による単位時間当たりに室内が冷やされる度合いは大きい。このような熱の移動量は、熱交入り状態が選択されている期間の長さが単位時間当たりに占める割合と、熱交換気機構50aに固有の熱交換効率とに比例する。したがって、上記の相当風量は、外気が取り入れられた際に室内が冷房される単位時間当たりの度合いを示すものである。
外気の温度と室内の空気との温度差が小さい場合には、温度差が大きい場合と比べて、外気による同じ体積当たりの冷房能力が小さい。したがって、温度差が小さい場合において単位時間当たりに同じ冷房能力を確保するためには上記の相当風量が大きくなるように全熱交換器40が交換する空気及び全熱の量が調節されなければならない。本実施形態における制御部21による全熱交換器40の制御は以下のとおりである。
本実施形態においては、換気入り状態と換気切り状態とを10分ごとに切り替える間欠送風モード、及び、換気入り状態を維持する連続送風モードの2つのモードが採用されている。また、熱交入り状態を維持する連続熱交モード、換気入り状態を維持する連続換気モード、及び、熱交入り状態と熱交切り状態とを5分ごとに切り替える換気熱交モードの3つのモードが採用されている。したがって、本実施形態においては、上記の2つの送風量のモードとこれら2つ及び3つのそれぞれの運転モードとの組み合わせにより、全部で12の外気冷房モードが採用される。これらの外気冷房モードはそれぞれ異なる相当風量に対応している。制御部21は、後述のように、これらの外気冷房モードのうち、最適な相当風量に対応する外気冷房モードを選択する。
モード設定記憶部111は、各外気冷房モードに関連付けて、運転モードのそれぞれの組み合わせに係る情報を記憶している。例えば、1番目の外気冷房モードと関連付けて、連続換気モード、連続送風モード及び送風大モードの組み合わせが記憶されている。また、9番目の外気冷房モードと関連付けて、換気熱交モード、間欠送風モード及び送風小モードの組み合わせが記憶されている。
下記の表1は、相当風量の大きさに従って並べられた各外気冷房モードに対応する運転モードの組み合わせの一例を示したものである。モード設定記憶部111には例えばこのような表に対応する情報が記憶されている。ただし、送風大モード及び送風小モードにおける送風量の相対値が単位時間当たりにそれぞれ800及び500であり、熱交換効率が0.7であるとする。
Figure 2007100983
ところで、本明細書において、全熱交換器40によって交換される空気の単位時間当たりの量とは、交換される空気の単位時間当たりにおける平均の量を意味する。そして、平均の量とは、交換される空気の量の変動が平均の量の算出にほぼ影響を与えないほど十分に長い期間にわたって全熱交換器40が交換した空気の量をこの期間の長さで割ったものを意味する。例えば交換される空気の量が周期的に変動する場合には、一周期に亘って交換される空気の量を周期で割ったものが平均の量となる。本実施形態において間欠送風モードでは10分ごとに換気切り状態と換気切り状態が切り替わるので、交換される空気の平均の量は20分当たりに交換される空気の量を用いて算出される。上記の表1における送風量も、このような方法で算出されたものである。
室温設定記憶部112及び外気温設定記憶部113は室内の空気及び外気に係る温度の設定値等を記憶している。室温設定記憶部112には、室内の空気の温度に関する快適範囲(第1の温度設定範囲)の上限値及び下限値が記憶されている。エンタルピー設定記憶部114は室内の空気に係るエンタルピーの設定値を記憶している。なお、これらの記憶部が記憶しているその他の設定値や設定値についての詳細は下記において説明される。
制御部21は、設定記憶部11が記憶している各種設定に基づいて、外気冷房モードの選択と、選択したモードに対応する全熱交換器40の運転モードの制御を行う。外気冷房モードの選択において、制御部21はまず暖房センサー315の検出結果に基づいてモードを選択する。暖房センサー315は上記の通り冷暖房装置の吹き出し口に設置されており、冷暖房装置から吹き出される空気の温度を検出する。暖房センサー315が検出した温度が、室温センサー312が検出した室内の空気の温度以上である場合には、制御部21は冷暖房装置が暖房を行っていると判断する。また、暖房センサー315が検出した温度が室内の空気の温度以上でない場合には暖房を行っていないと判断する(吹き出し判断手段)。
暖房を行っていると制御部21が判断した場合には、送風器53a及び53bによって外気と室内の空気との間で交換される空気の単位時間当たりの量が最小となり、且つ、熱交換気機構50aによって外気と室内の空気との間で交換される全熱の単位時間当たりの量が最大となる外気冷房モードが選択される。暖房が行われる冬季においては、外気の取り入れによる冷房が最も小さくなるモード、つまり、外気の取り入れを最小限に抑えつつ全熱の交換を最大にするモードが暖房の効率に最も良いからである。例えば、表1においてはモード番号12がこのようなモードに対応する。そして、制御部21は、選択した外気冷房モードを示す情報を現在モード記憶部12に記憶させる。
したがって、冷暖房装置が暖房を行っていると判断された場合の外気冷房モードに対応する運転モードの組み合わせは、連続熱交モード、間欠送風モード及び送風小モードである。つまり、上記の表1に示されるモード番号12がこれに当たる。
次に、制御部21は、外気温センサー311が検出した外気の温度が、外気温設定記憶部113が記憶している外気の設定温度を超えているか否かを判断する(外気温判断手段)。設定温度は全熱交換器40やエアダクトに結露が発生しやすくなる温度の上限値(例えば摂氏8度)に設定されている。
外気の温度が設定温度を超えていないと制御部21が判断した場合には、送風器53a及び53bによって外気と室内の空気との間で交換される空気の単位時間当たりの量が最小となり、且つ、熱交換気機構50aによって外気と室内の空気との間で交換される全熱の単位時間当たりの量が最大となる外気冷房モードが選択される。例えば、表1においてはモード番号12がこのようなモードに対応する。設定温度よりも外気の温度が低い場合には、大量の外気が取り込まれると、全熱交換器40やエアダクトにおいて結露が発生しやすくなる。上記のように外気の取り入れが最小且つ全熱の交換量が最大となるモードに選択されることにより、このような結露が発生しにくくなる。そして、制御部21は、選択した外気冷房モードを示す情報を現在モード記憶部12に記憶させる。
外気の温度が設定温度を超えていると制御部21が判断した場合には、制御部21が有するモード選択部212は、外気及び室内の空気の温度や設定値等に基づく最適な外気冷房モードを選択する。ここで、モード選択部212は現在モード記憶部12が記憶している選択モードを参照する。選択モードには、最適な外気冷房モードの選択に当たって室内の空気の温度を基準とする室温選択モードと、室内の空気のエンタルピーを基準とするエンタルピー選択モードとがある。そして、現在モード記憶部12に記憶されている選択モードに従って、モード選択部212は以下のように最適な外気冷房モードを選択する。
選択モードが室温選択モードの場合には、以下のように外気冷房モードが選択される。室温設定記憶部112には、上記のとおり、室内の空気の温度に関する快適範囲の上限値及び下限値が記憶されている。このような上限値及び下限値は固定値であってもよいし、オペレータの操作等によって変化させることができるものであってもよい。そして、外気温センサーが検出した外気の温度を快適範囲の上限値が超えているか否かをモード選択部212が判断する(範囲判断手段)。
また、室温設定記憶部112は、快適範囲とは別の温度設定範囲(第2の温度設定範囲)をさらに記憶している。快適範囲の上限値が外気の温度を超えているとモード選択部212が判断した場合には、室温設定記憶部112が記憶している上記の温度設定範囲内に室内の空気の温度があるか否かをモード選択部212が判断する(範囲判断手段)。なお、快適範囲とは別の上記の温度設定範囲にはある下限値のみが含まれている。つまり、上記の判断においては、室内の空気の温度がある下限値を超えているか否かが判断される。そして、この下限値は快適範囲の下限値を下回るように設定されている。
なお、室温設定記憶部112が快適範囲の下限値と温度設定範囲の下限値との差を記憶しており、上記の下限値の差よりもさらに快適範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っているか否かをモード選択部212が判断してもよい。
上記のような判断によって、快適範囲の上限値が外気の温度を超えていないか、又は、室内の温度が上記の温度設定範囲内ではないと判断された場合には、送風器53a及び53bによって外気と室内の空気との間で交換される空気の単位時間当たりの量が最小となり、且つ、熱交換気機構50aによって外気と室内の空気との間で交換される全熱の単位時間当たりの量が最大となる外気冷房モードが選択される。例えば、表1においてはモード番号12がこのようなモードに対応する。快適温度の上限値が外気温より低い場合には、外気の取り入れによって快適温度の上限値まで室内の温度が冷やされることがない。そして、このように外気の温度が高い夏季等の場合には、外気の取り入れを最小限に抑え、且つ、室内へ取り入れられる外気から室外へ排出される空気へと全熱を交換しつつ換気がなされる方が冷房の効率が良い。また、快適範囲の上限値が外気の温度を超えていながらも、室内の温度が温度設定範囲の所定の下限値を下回る場合には、冬季における暖房に適したモードに近いものが選択されるべきである。したがって、外気の取り入れが最小且つ全熱の交換量が最大であるモードが選択されることにより、外気温や室温の条件に最適な外気冷房モードが選択される。
上記の判断において、快適範囲の上限値が外気の温度を超え且つ室内の空気の温度が温度設定範囲内であると判断された場合には、以下のように外気冷房モードが選択される。まず、モード選択部212は、室内の温度が快適範囲内であるか否かを判断する。そして、快適範囲内であると判断した場合には、現在モード記憶部12に記憶されている外気冷房モードと同じ外気冷房モードを選択する。
室内の温度が快適範囲の上限値を超えていると判断した場合には、モード選択部212は、相当風量が大きい方に1つ隣のモードに現時点の外気冷房モードを変更する。つまり、現在モード記憶部12に記憶されている外気冷房モードの次に大きい相当風量に対応する外気冷房モードを選択する。例えば表1においては現時点のモード番号が5の場合にはモード番号4の外気冷房モードが選択される。また、室内の温度が快適範囲の下限値を下回っていると判断した場合には、モード選択部212は、相当風量が小さい方に1つ隣のモードに現時点の外気冷房モードを変更する。つまり、現在モード記憶部12に記憶されている外気冷房モードの次に小さい相当風量に対応する外気冷房モードを選択する。例えば表1においては現時点のモード番号が5の場合にはモード番号6の外気冷房モードが選択される。
そして、モード選択部212は、選択した外気冷房モード示す情報を、現在モード記憶部12に記憶させる(モード記憶制御手段)。
上記のようなモード選択部212による外気冷房モードの選択が繰り返されることにより、快適範囲と室内の空気の温度との差が縮まりにくい場合には、相当風量が大きい外気冷房モードに運転モードが順次変更されていく。快適範囲と室内の空気の温度との差が縮まりにくい場合とは、外気による冷房能力が十分ではない場合に相当する。つまり、モード選択部212によって外気冷房モードが上記のように選択されることにより、快適範囲に対して外気による冷房能力が低いほど相当風量が大きい外気冷房モードが選択されることになる。一方で、室内の温度が快適範囲を下回っている場合には相当風量が小さいモードに運転モードが順次変更されていく。これによって外気の取り入れにより室内の空気が冷やされ過ぎることが防止される。このように、快適範囲及び室内の空気の温度に応じて単位時間当たりの冷房能力が最適な外気冷房モードが制御部21によって選択される。
一方で、選択モードがエンタルピー選択モードの場合には、以下のように外気冷房モードが選択される。まず、制御部21が有するエンタルピー導出部213が、外気温センサー311、室温センサー312、外気湿度センサー313及び室内湿度センサー314の検出結果に基づいて、外気のエンタルピー及び室内の空気のエンタルピーを導出する。エンタルピー設定記憶部114は、上記のとおり、室内の空気に係るエンタルピーの快適範囲を記憶している。このエンタルピーの快適範囲は、室温選択モードにおける温度の快適範囲に相当する。そして、エンタルピー導出部213が導出した外気のエンタルピーをエンタルピー設定記憶部114が記憶しているエンタルピーの快適範囲の上限値が超えているか否かをモード選択部212が判断する(エンタルピー判断手段)。
また、エンタルピー設定記憶部114は、エンタルピーの快適範囲とは別のエンタルピーの設定範囲をさらに記憶している。そして、外気のエンタルピーをエンタルピーの快適範囲の上限値が超えているとモード選択部212が判断した場合には、さらに、エンタルピー導出部213が導出した室内の空気のエンタルピーが、快適範囲とは別の上記のエンタルピーの設定範囲を超えているか否かをモード選択部212が判断する(エンタルピー判断手段)。
なお、快適範囲とは別の上記のエンタルピーの設定範囲にはある下限値のみが含まれている。つまり、上記の判断においては、室内の空気のエンタルピーがある下限値を超えているか否かが判断される。そして、この下限値は快適範囲の下限値を下回るように設定されている。また、エンタルピー設定記憶部114がエンタルピーの快適範囲の下限値とエンタルピーの設定範囲の下限値との差を記憶しており、上記の下限値の差よりもさらに快適範囲の下限値を室内の空気のエンタルピーが下回っているか否かが判断されてもよい。
上記のような判断によって、エンタルピーの快適範囲の上限値が外気のエンタルピーを超えていないか、又は、室内の空気のエンタルピーが上記のエンタルピーの設定範囲内ではないと判断された場合には、送風器53a及び53bによって外気と室内の空気との間で交換される空気の単位時間当たりの量が最小となり、且つ、熱交換気機構50aによって外気と室内の空気との間で交換される全熱の単位時間当たりの量が最大となる外気冷房モードが選択される。例えば、表1においてはモード番号12がこのようなモードに対応する。エンタルピーの快適範囲の上限値が外気のエンタルピーより小さい場合には、外気の取り入れによって快適範囲の上限値まで室内が冷房されることがない。そして、このように外気のエンタルピーが高い夏季等の場合には、外気の取り入れを最小限に抑え、且つ、室内へ取り入れられる外気から室外へ排出される空気へと全熱を交換しつつ換気がなされる方が冷房の効率が良い。また、エンタルピーの快適範囲の上限値が外気のエンタルピーを超えていながらも、室内の空気のエンタルピーがエンタルピーの設定範囲の所定の下限値を下回る場合には、冬季における暖房に適したモードに近いものが選択されるべきである。したがって、外気の取り入れが最小且つ全熱の交換量が最大であるモードが選択されることにより、外気や室内の空気のエンタルピーの条件に最適な外気冷房モードが選択される。
上記の判断において、エンタルピーの快適範囲の上限値が外気のエンタルピーを超え且つ室内の空気のエンタルピーがエンタルピーの設定範囲内であると判断された場合には、以下のように外気冷房モードが選択される。まず、モード選択部212は、室内の空気のエンタルピーがエンタルピーの快適範囲内であるか否かを判断する。そして、快適範囲内であると判断した場合には、現在モード記憶部12に記憶されている外気冷房モードと同じ外気冷房モードを選択する。
室内の空気のエンタルピーがエンタルピーの快適範囲の上限値を超えていると判断した場合には、モード選択部212は、相当風量が大きい方に1つ隣のモードに現時点の外気冷房モードを変更する。つまり、現在モード記憶部12に記憶されている外気冷房モードの次に大きい相当風量に対応する外気冷房モードを選択する。例えば表1においては現時点のモード番号が5の場合にはモード番号4の外気冷房モードが選択される。また、室内の空気のエンタルピーがエンタルピーの快適範囲の下限値を下回っていると判断した場合には、モード選択部212は、相当風量が小さい方に1つ隣のモードに現時点の外気冷房モードを変更する。つまり、現在モード記憶部12に記憶されている外気冷房モードの次に小さい相当風量に対応する外気冷房モードを選択する。例えば表1においては現時点のモード番号が5の場合にはモード番号6の外気冷房モードが選択される。
そして、モード選択部212は、選択した外気冷房モード示す情報を、現在モード記憶部12に記憶させる(モード記憶制御手段)。
上記のようなモード選択部212による外気冷房モードの選択が繰り返されることにより、快適範囲と室内の空気のエンタルピーとの差が縮まりにくい場合には、相当風量が大きい外気冷房モードに運転モードが順次変更されていく。快適範囲と室内の空気のエンタルピーとの差が縮まりにくい場合とは、外気による冷房能力が十分ではない場合に相当する。つまり、モード選択部212によって外気冷房モードが上記のように選択されることにより、快適範囲に対して外気による冷房能力が低いほど相当風量が大きい外気冷房モードが選択されることになる。一方で、室内のエンタルピーが快適範囲を下回っている場合には相当風量が小さいモードに運転モードが順次変更されていく。これによって外気の取り入れにより室内が冷房され過ぎることが防止される。このように、快適範囲及び室内の空気のエンタルピーに応じて単位時間当たりの冷房能力が最適な外気冷房モードが選択され得る。
なお、変更された外気冷房モードが、全熱交換装置100によってサポートされているモードの範囲を逸脱した場合には、モード選択部212は、サポート内の最大又は最小の相当風量に対応する外気冷房モードに補正して現在モード記憶部12に記憶させる。
制御部21が有する熱交換気制御部22は、以上のように選択された外気冷房モードに応じて、全熱交換器40における換気及び全熱の交換を制御する。熱交換気制御部22は、換気切り替え部221、換気量調節部222及び全熱切り替え部223を有している。
換気切り替え部221は、モード設定記憶部111が記憶している外気冷房モードに対応する運転モードに係る情報と現在モード記憶部12が記憶している現時点の外気冷房モードとに基づいて、所定のタイミングで全熱交換器40の換気入り状態及び換気切り状態を切り替える。例えば、現時点の外気冷房モードが表1のモード番号4に対応するモードである場合には、換気切り替え部221は、内蔵タイマー等を用いて10分間隔で換気入り状態及び換気切り状態を切り替える。また、モード番号5の場合には換気入り状態を維持する。
換気量調節部222は、モード設定記憶部111が記憶している外気冷房モードに対応する運転モードに係る情報と現在モード記憶部12が記憶している現時点の外気冷房モードとに基づいて、換気入り状態で全熱交換器40が交換する空気の単位時間当たりの量を調節する。例えば、現時点の外気冷房モードが表1のモード番号4に対応するモードである場合には、換気量調節部222は、送風器53a及び53bにおける送風モードを送風大モードに設定する。また、モード番号5の場合には、送風モードを送風小モードに設定する。
熱交切り替え部223は、モード設定記憶部111が記憶している外気冷房モードに対応する運転モードに係る情報と現在モード記憶部12が記憶している現時点の外気冷房モードとに基づいて、所定のタイミングで全熱交換器40の熱交入り状態及び熱交切り状態を切り替える。例えば、現時点の外気冷房モードが表1のモード番号4に対応するモードである場合には熱交切り替え部223は熱交切り状態を維持する。また、モード番号5の場合には内蔵タイマー等を用いて5分間隔で熱交入り状態及び熱交切り状態を切り替える。さらに、モード番号8の場合には熱交入り状態を維持する。
モード選択部212が選択した外気冷房モードに従って熱交換気制御部22が全熱交換器40を上記のように制御することにより、外気や室内の空気の状態、快適範囲に応じた最適な単位時間当たりの冷房能力を有する外気冷房モードで外気の取り入れと全熱の交換とが行われる。これによって、外気による最適な冷房がなされつつエネルギーの消費が抑えられる。
制御部21が有する選択モード切り替え部211は、室温選択モードとエンタルピー選択モードとを切り替える。選択モードを切り替えるかどうかの判断は、センサー31の設置状況やセンサー31から得られる温度、湿度の安定性、オペレータによる選択モードの切り替え指示等に基づいて行われる。選択モード切り替え部211は所定のタイミングごとに選択モードを切り替えるべきかどうかの判断を行い、選択モードを切り替えるべきであると判断した場合には選択モードを切り替える。そして、現在モード記憶部12に切り替え後の選択モードを示す情報を記憶させる。
以下の説明は、制御部21による全熱交換器40の制御の全体的な流れをまとめたものである。図3は、制御の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部21は所定の時間が経過するまで待機する(S1、NO)。これは、S2以降の処理が所定の時間間隔ごとに行われるようにするためである。これによって、S7の処理からS1の処理に移った際に、前回の外気冷房モードの変更による効果が十分に現れた上で次の変更が行われる。所定の時間が経過したと制御部21が判断した場合には(S1、YES)、選択モード切り替え部211が選択モードを切り替えるべきか否かを判断する(S2)。切り替えるべきと判断した場合には(S2、YES)、選択モード切り替え部211は現在選択されている選択モードを切り替える。つまり、現在の選択モードが室温選択モードである場合にはエンタルピー選択モードに、現在の選択モードがエンタルピー選択モードの場合には室温選択モードに選択モードを切り替える。そして、切り替え後のモードが現在モード記憶部12に記憶され(S9)、S3の処理が実行される。S2において切り替えるべきではないと判断された場合には(S2、NO)、S3の処理が実行される。
次に、制御部21は、暖房センサー315の検出結果に基づいて冷暖房装置が暖房を行っているか否かを判断する(S3)。暖房を行っていると判断した場合には(S3、YES)、制御部21は所定の外気冷房モード、例えば表1におけるモード番号12を選択する(S8)。そして、S7の処理が実行される。暖房を行っていないと判断した場合には(S3、NO)、外気温センサー311が検出した外気の温度が設定値を超えているか否かを判断する(S4)。外気の温度が設定値を超えていないと判断した場合には(S4、NO)、制御部21は所定の外気冷房モード、例えば表1におけるモード番号12を選択する(S8)。そして、S7の処理が実行される。
S4において、外気の温度が設定温度を超えていると判断した場合には(S4、YES)、制御部21は現時点の選択モードが室温選択モードかエンタルピー選択モードかを判断する(S5)。室温選択モードと判断した場合には、上記の通り、制御部21は室内の空気の温度を基準に外気冷房モードを選択する(S6)。エンタルピー選択モードと判断した場合には、上記の通り、制御部21は室内の空気のエンタルピーを基準に外気冷房モードを選択する(S10)。そして、S7の処理が実行される。
S7においては、制御部21は選択された外気冷房モードに基づいて全熱交換器40の制御を行う(S7)。そして、S1からの処理が実行される。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上記の実施形態においては、全熱交換器40が図1に示されるような空気の取り入れ機構を有している。しかし、外気や室内の空気の取り入れ方はどのようなものでもよい。要は、全熱交換を行いつつ換気を行うモードと全熱交換を行わず換気のみを行うモードとを切り替えることが可能な機構を有する全熱交換器であればよい。
また、上記の実施形態においては、換気入り状態と換気切り状態との切り替え及び送風大モードと送風小モードとの切り替えの組み合わせにより換気の量に係る4つのモードが選択される。しかし、送風ファンの回転数を連続的に変化させるなどにより、もっと多くのモードが選択されてもよい。あるいは、熱交入り状態と熱交切り状態との切り替えだけでなく、交換する全熱の量がより詳細に調節できるような構成を全熱交換器40が有しており、これによってより多くの運転モードで制御できるような構成を全熱交換装置100が有していてもよい。
また、上記の実施形態においては、所定の温度やエンタルピー幅を超えて室内の温度やエンタルピーが快適範囲から外れているときに外気冷房モードが1つずつずらされる。しかし、快適範囲から外れているときには外気冷房モードが一度に2つ以上ずらされてもよい。あるいは、外気及び室内の空気の温度及び湿度に基づいて一定量の外気を取り入れた場合の冷房能力が直接算出され、算出された外気による冷房能力が快適範囲と比較して小さいほど相当風量が大きい外気冷房モードが選択されるような構成が採用されていてもよい。
また、上記の実施形態においては、相当風量は空気の交換量と全熱交換の効率を1から引いた差とに単純に比例するものである。しかし、空気の交換量が多いほど大きく、全熱の交換量が多いほど小さくなるように相当風量が定義されていれば、どのように相当風量が算出されていてもよい。例えば、空気の交換量及び全熱交換の効率を1から引いた差の双方について2次以上の単純増加関数で相当風量が算出されている場合等である。
本発明の一実施形態である全熱交換装置の全体の構成を示すブロック図である。 図1に示されている制御装置及びセンサーの構成を示すブロック図である。 図2に示されている制御部が行う全熱交換器の制御における全体の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 制御装置
11 設定記憶部
12 現在モード記憶部
21 制御部
22 熱交換気制御部
31 センサー
40 全熱交換器
50a 熱交換気機構
50b 通常換気機構
53a、53b 送風器
100 全熱交換装置
111 モード設定記憶部
112 室温設定記憶部
113 外気温設定記憶部
114 エンタルピー設定記憶部
212 モード選択部
213 エンタルピー導出部
222 換気量調節部
315 暖房センサー

Claims (12)

  1. 外気及び室内の空気を交換する換気機構と、前記換気機構が交換する外気と室内の空気との間で全熱を交換する全熱交換機構とを備えている全熱交換器の制御装置であって、
    前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が多いほど大きく且つ前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が多いほど小さい値を有する相当風量が互いに異なるモードであって前記全熱交換器が交換する空気及び全熱の少なくともいずれか一方の単位時間当たりの量が互いに異なる複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを記憶するモード記憶手段と、
    第1の温度設定範囲を記憶する第1の範囲記憶手段と、
    前記複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを選択するモード選択手段と、
    前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードを前記モード記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
    前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の空気を単位時間当たりに前記換気機構に交換させつつ前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードに対応する量の全熱を単位時間当たりに前記全熱交換機構に交換させる熱交換気制御手段とを備えており、
    前記モード選択手段が、
    室内の空気の温度が前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲内である場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードを選択し、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値を室内の空気の温度が超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が大きい前記外気冷房モードを選択し、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が小さい前記外気冷房モードを選択することを特徴とする全熱交換器の制御装置。
  2. 前記モード選択手段が、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値を室内の空気の温度が超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が次に大きい前記外気冷房モードを選択し、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が次に小さい前記外気冷房モードを選択することを特徴とする請求項1に記載の全熱交換器の制御装置。
  3. 第2の温度設定範囲を記憶する第2の範囲記憶手段と、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値が外気の温度を超えており且つ前記第2の範囲記憶手段が記憶した前記第2の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が超えているか否かを判断する範囲判断手段とをさらに備えており、
    前記モード選択手段が、
    前記第1の温度設定範囲の上限値が外気の温度を超えていない、又は、室内の空気の温度が前記第2の温度設定範囲の下限値を超えていないと前記範囲判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを行わず、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が最小となり前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が最大となる前記外気冷房モードを前記モード記憶手段が記憶した前記複数の外気冷房モードから選択し、
    前記第1の温度設定範囲の上限値が外気の温度を超えており且つ室内の空気の温度が前記第2の温度設定範囲の下限値を超えていると前記範囲判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の全熱交換器の制御装置。
  4. 空気を交換している換気入り状態と空気を交換していない換気切り状態との間で前記換気機構の状態を切り替える換気切り替え手段と、
    前記換気入り状態において前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量を調節する換気量調節手段とをさらに備えており、
    前記熱交換気制御手段が、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の空気を単位時間当たりに前記換気機構が交換するように、前記換気入り状態の期間の長さと前記換気切り状態の期間の長さとを調節しつつ前記換気切り替え手段に前記換気機構の状態を切り替えさせること及び前記換気入り状態において前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量を前記換気量調節手段に調節させることの少なくともいずれか一方を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の全熱交換器の制御装置。
  5. 前記全熱交換機構が全熱を交換する熱交入り状態と前記全熱交換機構が全熱を交換しない熱交切り状態との間で前記全熱交換機構の状態を切り替える熱交切り替え手段をさらに備えており、
    前記熱交換気制御手段が、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の全熱を前記全熱交換機構が交換するように、前記熱交入り状態の期間の長さと前記熱交切り状態の期間の長さとを調節しつつ前記熱交切り替え手段に前記全熱交換機構の状態を切り替えさせることを特徴とする請求項4に記載の全熱交換器の制御装置。
  6. 前記換気入り状態において前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量、前記換気入り状態の期間の長さが単位時間当たりに占める割合、及び、前記熱交入り状態の期間の長さが単位時間当たりに占める割合のうちの少なくともいずれか1つが、前記複数の外気冷房モードの間で相互に異なることを特徴とする請求項5に記載の全熱交換器の制御装置。
  7. 前記相当風量が、前記熱交換器が全熱を交換する際の熱交換効率と前記熱交入り状態の期間の長さが単位時間当たりに占める割合との積を1から引いた差と、前記換気入り状態において前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量と、前記換気入り状態の期間の長さが単位時間当たりに占める割合との積であることを特徴とする請求項6に記載の全熱交換器の制御装置。
  8. 外気及び室内の空気のそれぞれの温度及び湿度から外気のエンタルピー及び室内の空気のエンタルピーを導出するエンタルピー導出手段と、
    エンタルピーの設定範囲を記憶するエンタルピー記憶手段と、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記選択手段が前記外気冷房モードを選択する室温選択モードと前記エンタルピー記憶手段が記憶した前記エンタルピーの設定範囲に基づいて前記選択手段が前記外気冷房モードを選択するエンタルピー選択モードとの間で前記モード選択手段による選択モードを切り替える切り替え手段とをさらに備えており、
    前記選択モードが前記エンタルピー選択モードである場合に、前記モード選択手段が、
    前記エンタルピー導出手段が導出した室内の空気のエンタルピーが前記エンタルピー記憶手段が記憶した前記エンタルピーの設定範囲内であるときに、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードを選択し、
    前記エンタルピー記憶手段が記憶した前記エンタルピーの設定範囲の上限値を前記エンタルピー導出手段が導出した室内の空気のエンタルピーが超えているときに、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が大きい前記外気冷房モードを選択し、
    前記エンタルピー記憶手段が記憶した前記エンタルピーの設定範囲の下限値を前記エンタルピー導出手段が導出した室内の空気のエンタルピーが下回っているときに、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が小さい前記外気冷房モードを選択することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の全熱交換器の制御装置。
  9. 室内に設置された冷暖房装置における室内への空気の吹き出し口付近に設置され、前記吹き出し口から吹き出される空気の温度を検出する冷暖房温度センサーと、
    前記冷暖房温度センサーの検出結果に基づいて、前記吹き出し口から吹き出される空気の温度が室内の空気の温度以上であるか否かを判断する吹き出し判断手段とをさらに備えており、
    前記モード選択手段が、
    前記吹き出し口から吹き出される空気の温度が室内の空気の温度以上であると前記吹き出し判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを行わず、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が最小となり前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が最大となる前記外気冷房モードを前記モード記憶手段が記憶した前記複数の外気冷房モードから選択し、
    前記吹き出し口から吹き出される空気の温度が室内の空気の温度以上ではないと前記吹き出し判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の全熱交換器の制御装置。
  10. 外気の設定温度を記憶する外気記憶手段と、
    前記外気記憶手段が記憶した前記設定温度を外気の温度が超えているか否かを判断する外気温判断手段とをさらに備えており、
    前記モード選択手段が、
    外気の温度が前記設定温度を超えていないと前記外気温判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを行わず、前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が最小となり前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が最大となる前記外気冷房モードを前記モード記憶手段が記憶した前記複数の外気冷房モードから選択し、
    外気の温度が前記設定温度を超えていると前記外気温判断手段が判断した場合に、前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲に基づいて前記外気冷房モードを選択することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の全熱交換器の制御装置。
  11. 外気及び室内の空気を交換する換気機構と、
    前記換気機構が交換する外気と室内の空気との間で全熱を交換する全熱交換機構と、
    前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が多いほど大きく且つ前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が多いほど小さい値を有する相当風量が互いに異なるモードであって前記全熱交換器が交換する空気及び全熱の少なくともいずれか一方の単位時間当たりの量が互いに異なる複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを記憶するモード記憶手段と、
    第1の温度設定範囲を記憶する第1の範囲記憶手段と、
    前記複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを選択するモード選択手段と、
    前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードを前記モード記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
    前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の空気を単位時間当たりに前記換気機構に交換させつつ前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードに対応する量の全熱を単位時間当たりに前記全熱交換機構に交換させる熱交換気制御手段とを備えており、
    前記モード選択手段が、
    室内の空気の温度が前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲内である場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードを選択し、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値を室内の空気の温度が超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が大きい前記外気冷房モードを選択し、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が小さい前記外気冷房モードを選択することを特徴とする全熱交換装置。
  12. 外気及び室内の空気を交換する換気機構と、前記換気機構が交換する外気と室内の空気との間で全熱を交換する全熱交換機構とを備えている全熱交換器の制御用プログラムであって、
    前記換気機構が交換する空気の単位時間当たりの量が多いほど大きく且つ前記全熱交換機構が交換する全熱の単位時間当たりの量が多いほど小さい値を有する相当風量が互いに異なるモードであって前記全熱交換器が交換する空気及び全熱の少なくともいずれか一方の単位時間当たりの量が互いに異なる複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを記憶するモード記憶手段、
    第1の温度設定範囲を記憶する第1の範囲記憶手段、
    前記複数の外気冷房モードのうちのいずれか1つを選択するモード選択手段、
    前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードを前記モード記憶手段に記憶させる記憶制御手段、及び、
    前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードに対応する量の空気を単位時間当たりに前記換気機構に交換させつつ前記モード選択手段が選択した前記外気冷房モードに対応する量の全熱を単位時間当たりに前記全熱交換機構に交換させる熱交換気制御手段としてコンピュータを機能させ、尚且つ、
    前記モード選択手段が、
    室内の空気の温度が前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲内である場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードを選択し、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の上限値を室内の空気の温度が超えている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が大きい前記外気冷房モードを選択し、
    前記第1の範囲記憶手段が記憶した前記第1の温度設定範囲の下限値を室内の空気の温度が下回っている場合に、前記モード記憶手段が記憶した前記外気冷房モードにおけるよりも前記相当風量が小さい前記外気冷房モードを選択するようにコンピュータを機能させることを特徴とする全熱交換器の制御用プログラム。
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