JP6079802B2 - 栽培室用空調システム - Google Patents
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Description
本発明は植物工場の栽培室内の空調を行う栽培室用空調システムに関するものである。
植物工場では、照明器具と空調機(栽培室用空調システム)とを用いて、栽培室内に人工的に昼と夜との環境を作り出すと共に、昼(明期)の長さと夜(暗期)の長さとを調節して、植物毎に異なる適切な生育環境を作り出している。このような栽培室用空調システムでは、ランニングコストの低減が重要であり、互いに能力が異なる高温度帯用空調機及び中温度帯用空調機の2種の空調機を設けてそれらを使い分けた例がある(例えば特許文献1を参照)。
しかしながら、特許文献1の例では、湿度低下を抑制することは考慮されているが、湿度の上限については考慮されていない。例えば、栽培室内の湿度が高すぎると、カビ発生の可能性が高くなるので好ましくない。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、栽培室用空調システムにおいて、不要な湿度の増大を抑制できるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
植物の栽培室(1)の空気を冷却する冷房運転と、該冷却を休止した状態で該栽培室(1)へ送風する送風運転との切り替えが可能な第1及び第2空調機(20,30)と、
上記第1及び第2空調機(20,30)のそれぞれにおける上記冷房運転と上記送風運転を切り替える運転制御部(51)とを備え、
上記第1空調機(20)は、主として顕熱負荷の処理に用いられ、
上記第2空調機(30)は、顕熱負荷及び潜熱負荷の処理に用いられ、
上記運転制御部(51)は、上記栽培室(1)の室温(Tr)が予め定めた温度範囲内で、且つ、上記栽培室(1)の湿度に相関する指標によって、該湿度が所定の上限値(HU)以上であることが示された場合には、上記第2空調機(30)に上記冷房運転を行わせる冷房制御モードを有していることを特徴とする。
植物の栽培室(1)の空気を冷却する冷房運転と、該冷却を休止した状態で該栽培室(1)へ送風する送風運転との切り替えが可能な第1及び第2空調機(20,30)と、
上記第1及び第2空調機(20,30)のそれぞれにおける上記冷房運転と上記送風運転を切り替える運転制御部(51)とを備え、
上記第1空調機(20)は、主として顕熱負荷の処理に用いられ、
上記第2空調機(30)は、顕熱負荷及び潜熱負荷の処理に用いられ、
上記運転制御部(51)は、上記栽培室(1)の室温(Tr)が予め定めた温度範囲内で、且つ、上記栽培室(1)の湿度に相関する指標によって、該湿度が所定の上限値(HU)以上であることが示された場合には、上記第2空調機(30)に上記冷房運転を行わせる冷房制御モードを有していることを特徴とする。
この構成では、栽培室(1)の湿度が所定の上限値(HU)を越えると、第2空調機(30)によって顕熱負荷及び潜熱負荷の処理が行われ、栽培室(1)の空気の除湿が行われる。
また、第2の発明は、第1の発明において、
上記指標は、上記栽培室(1)における飽差又は相対湿度であることを特徴とする。
上記指標は、上記栽培室(1)における飽差又は相対湿度であることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、
上記運転制御部(51)は、上記冷房制御モードにおいて、上記第1空調機(20)には上記送風運転を行わせることを特徴とする。
上記運転制御部(51)は、上記冷房制御モードにおいて、上記第1空調機(20)には上記送風運転を行わせることを特徴とする。
この構成では、上記冷房制御モードにおいて、第1空調機(20)は冷房運転を休止して、送風を行う。
また、第4の発明は、第1から第3の発明の何れかにおいて、
上記運転制御部(51)は、上記栽培室(1)の室温(Tr)が予め定めた温度範囲内で且つ上記指標によって上記湿度が所定の下限値(HL)以下であることが示された場合には、上記第1空調機(20)に上記冷房運転を行わせるとともに上記第2空調機(30)には上記送風運転を行わせることを特徴とする。
上記運転制御部(51)は、上記栽培室(1)の室温(Tr)が予め定めた温度範囲内で且つ上記指標によって上記湿度が所定の下限値(HL)以下であることが示された場合には、上記第1空調機(20)に上記冷房運転を行わせるとともに上記第2空調機(30)には上記送風運転を行わせることを特徴とする。
この構成では、栽培室(1)の湿度が所定の下限値(HL)を下回ると、第1空調機(20)によって、顕熱負荷の処理が行われる。そして、栽培室(1)内の植物が加湿源となって栽培室(1)の空気が加湿される。
また、第5の発明は、第1から第4の発明の何れかにおいて、
第1空調機(20)及び第2空調機(30)は、それぞれ複数台が設けられ、
上記運転制御部(51)は、上記冷房運転を行う上記第1空調機(20)及び第2空調機(30)の台数を変更することによって、上記栽培室(1)に対する除湿能力を変更することを特徴とする。
第1空調機(20)及び第2空調機(30)は、それぞれ複数台が設けられ、
上記運転制御部(51)は、上記冷房運転を行う上記第1空調機(20)及び第2空調機(30)の台数を変更することによって、上記栽培室(1)に対する除湿能力を変更することを特徴とする。
この構成では、例えば、冷房運転を行う空調機の台数を増やすと、各空調機の負荷が小さくなり、その結果、後に詳述するように、空調システムの除湿能力が低くなる。
また、第6の発明は、第1から第5の発明の何れかにおいて、
第1空調機(20)及び第2空調機(30)は、それぞれ複数台が設けられ、
上記運転制御部(51)は、上記第1空調機(20)及び第2空調機(30)の風量を制御することによって、上記栽培室(1)に対する除湿能力を変更することを特徴とする。
第1空調機(20)及び第2空調機(30)は、それぞれ複数台が設けられ、
上記運転制御部(51)は、上記第1空調機(20)及び第2空調機(30)の風量を制御することによって、上記栽培室(1)に対する除湿能力を変更することを特徴とする。
この構成では、後に詳述するように、風量を大きくすると空調システムにおける除湿能力が下がり、風量を小さくすると除湿能力が上がる。
第1の発明や第2の発明によれば、栽培室用空調システムにおいて、不要な湿度の増大を抑制することが可能になる。
また、第3の発明によれば、ランニングコストの低減が可能になる。すなわち、システムの効率化を図りつつ、不要な湿度の増大を抑制することが可能になる。
また、第4の発明によれば、栽培室の室温を維持しつつ、栽培室の空気を加湿することが可能になる。
また、第5の発明や第6の発明によれば、栽培室用空調システムにおける除湿能力を容易に制御することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る栽培室用空調システム(10)の構成を示す。栽培室用空調システム(10)(以下、単に空調システム(10)という。)は、図1に示すように、は、植物工場等の栽培室(1)内の空調を行うものである。本実施形態では、栽培室(1)には、植物の栽培棚(2)が複数設置され、各栽培棚(2)の上方に照明器具(3)が設けられている。栽培室(1)では、照明器具(3)を点灯、消灯させることによって人工的に昼(明期)と夜(暗期)との環境を作り出すと共に、栽培棚(2)の植物に応じた生育環境となるように明期の長さと暗期の長さとが調節されている。また、栽培室(1)は、空調システム(10)によって、植物に適した生育温度に管理されている。本実施形態では、一例として、栽培室(1)内の植物の生育温度が、明期は25℃であり、暗期は15℃である場合について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る栽培室用空調システム(10)の構成を示す。栽培室用空調システム(10)(以下、単に空調システム(10)という。)は、図1に示すように、は、植物工場等の栽培室(1)内の空調を行うものである。本実施形態では、栽培室(1)には、植物の栽培棚(2)が複数設置され、各栽培棚(2)の上方に照明器具(3)が設けられている。栽培室(1)では、照明器具(3)を点灯、消灯させることによって人工的に昼(明期)と夜(暗期)との環境を作り出すと共に、栽培棚(2)の植物に応じた生育環境となるように明期の長さと暗期の長さとが調節されている。また、栽培室(1)は、空調システム(10)によって、植物に適した生育温度に管理されている。本実施形態では、一例として、栽培室(1)内の植物の生育温度が、明期は25℃であり、暗期は15℃である場合について説明する。
〈空調システム(10)の構成〉
図1に示すように、空調システム(10)は、室内吸込口(11)、室内吹出口(12)、高顕熱型空調機(20)、中温度帯用空調機(30)、及びミキシング機構(40)を備え、これらがダクト(13〜18)によって接続されている。
図1に示すように、空調システム(10)は、室内吸込口(11)、室内吹出口(12)、高顕熱型空調機(20)、中温度帯用空調機(30)、及びミキシング機構(40)を備え、これらがダクト(13〜18)によって接続されている。
室内吸込口(11)は、栽培室(1)の天井に設置され、該栽培室(1)内に開口して該栽培室(1)内の空気を空調システム(10)に取り込む。一方、室内吹出口(12)は、栽培室(1)の左右の側壁に設置され、該栽培室(1)内に開口して空調システム(10)の調和空気を栽培室(1)内に吹き出す。本実施形態では、室内吸込口(11)は、栽培室(1)の中央に1つ設けられ、室内吹出口(12)は、栽培室(1)の左右の側壁にそれぞれ9つずつ設けられている。左右の側壁において、9つの室内吹出口(12)は、上下方向及び水平方向のそれぞれに分散して配置されている。具体的には、上下方向に等間隔に並ぶ3つの室内吹出口(12)の列が、水平方向に3つ等間隔に配置されている。
また、図2は、各室内吹出口(12)からの吹き出し方向を示す平面図である。図2に示すように、左右の側壁にそれぞれ形成された9つの室内吹出口(12)は、それぞれが栽培棚(2)を挟んで水平方向に対向するように配置されている。各栽培棚(2)は、左右方向に長く形成されている。そのため、左右の対応する各吹出口(12)からは、栽培棚(2)に向かって該栽培棚(2)の長手方向に調和空気が吹き出される。
高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)は、圧縮機等を有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示省略)をそれぞれ備え、それぞれの室内熱交換器(21,31)において室内空気と冷媒とを熱交換させることによって室内空気の温度(室温(Tr))を調節する。
高顕熱型空調機(20)と中温度帯用空調機(30)とは、使用温度範囲が異なる2種類の空調機によって構成されている。高顕熱型空調機(20)は、使用温度範囲が20℃〜30℃の、住宅やオフィス等の居室の空調に用いられる一般空調機によって構成されている。この高顕熱型空調機(20)は、主として顕熱負荷の処理に用いられる。高顕熱型空調機(20)は、本発明の第1空調機の一例である。
一方、中温度帯用空調機(30)は、使用温度範囲が栽培室(1)内の植物の生育温度(15℃、25℃)に対応した範囲である10℃〜30℃の中温度帯用の空調機によって構成されている。この中温度帯用空調機(30)は、顕熱負荷及び潜熱負荷の処理に用いられる。つまり、中温度帯用空調機(30)は、高顕熱型空調機(20)よりも潜熱負荷の処理能力が高い。中温度帯用空調機(30)は、本発明の第2空調機の一例である。
本実施形態では、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)は、それぞれ室外機と室内機とを備え、室外機と室内機とに跨るようにそれぞれ冷媒回路が形成されている。なお、図1では、室外機の図示を省略し、室内熱交換器(21,31)と室内ファン(22,32)とが収容された室内機のみを図示している。高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の室内機は、栽培室(1)の天井裏の左右に1つずつ設置されている。左側の高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の室内機は、吸込口がそれぞれダクト(13)を介して室内吸込口(11)に接続されている。右側の高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の室内機は、吸込口がそれぞれダクト(14)を介して室内吸込口(11)に接続されている。なお、それぞれの室内ファン(22,32)は、後述の運転制御部(51)によって回転速度(すなわち風量)が制御される。
ミキシング機構(40)は、室内吹出口(12)に対応する数だけ設けられている。各ミキシング機構(40)は、チャンバ(41)と、2つのダンパ(42,43)とを備えている。
各チャンバ(41)は、箱状に形成され、内部空間が対応する室内吹出口(12)を介して栽培室(1)内に連通するように対応する室内吹出口(12)に取り付けられている。左側のチャンバ(41)には、左側の高顕熱型空調機(20)の室内機の吹出口に接続されたダクト(15)と、左側の中温度帯用空調機(30)の室内機の吹出口に接続されたダクト(16)とが接続されている。一方、右側のチャンバ(41)には、右側の高顕熱型空調機(20)の室内機の吹出口に接続されたダクト(17)と、右側の中温度帯用空調機(30)の室内機の吹出口に接続されたダクト(18)とが接続されている。
ダンパ(42,43)は、手動によって角度を変更できる可動板によって構成されている。ダンパ(42)は、チャンバ(41)のダクト(15,17)の接続部に設けられ、角度を変更することにより、高顕熱型空調機(20)からチャンバ(41)内への空気の流入量を調節する。ダンパ(43)は、チャンバ(41)のダクト(16,18)の接続部に設けられ、角度を変更することにより、中温度帯用空調機(30)からチャンバ(41)内への空気の流入量を調節する。このような2つのダンパ(42,43)の開度を適宜調節することにより、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の吹き出し空気の混合比率が変更される。本実施形態では、上方に位置するミキシング機構(40)ほど、混合後の空気温度が低くなるようにダンパ(42,43)の角度が調節される。つまり、上方のミキシング機構(40)では、下方のミキシング機構(40)に比べて、混合された空気中の中温度帯用空調機(30)の吹き出し空気の比率が高くなる。なお、ダンパ(42,43)は、手動でなく、自動制御によって角度が変更されるように構成されていてもよい。
このような構成により、各ミキシング機構(40)は、チャンバ(41)内に、ダクト(15〜18)を介して高顕熱型空調機(20)の吹き出し空気と中温度帯用空調機(30)の吹き出し空気とを所定の比率で流入させて混合し、混合した調和空気を対応する吹出口(12)へ導く。
また、空調システム(10)は、温度センサ(50)、運転制御部(51)、及び相対湿度センサ(52)を備えている。
温度センサ(50)は、栽培室(1)の室温(Tr)を検知するものであり、本実施形態では3つ設けられ、栽培室(1)の室内吸込口(11)の下方に設けられている。3つの温度センサ(50)は、上下方向に等間隔に配置されている。温度センサ(50)は、各高さ位置における空気温度を検出し、運転制御部(51)に検出信号を送信する。また、相対湿度センサ(52)は、栽培室(1)内の相対湿度を検出するものである。相対湿度センサ(52)の検出信号も運転制御部(51)に送信されている。
運転制御部(51)は、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の運転を制御する。運転制御部(51)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるプログラムを格納したメモリディバイスを有している。
本実施形態では、運転制御部(51)は、栽培室(1)の室温(Tr)、及び相対湿度(Hr)に応じて、すなわち、温度センサ(50)の検出結果、及び相対湿度センサ(52)の検出結果に応じて、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の運転状態を制御する。この例では、運転状態には、「冷房運転」の状態と、「送風運転」の状態とがある。
ここでは、「冷房運転」とは、栽培室(1)の空気を冷却するための運転である。具体的には、冷房運転では、冷媒回路(図示省略)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行わせつつ、室内ファン(22,32)を駆動させる運転状態(以下、説明の便宜のためサーモオン状態と呼ぶ)と、冷凍サイクルは休止させ室内ファン(22,32)は駆動させる運転状態(以下、説明の便宜のためサーモオフ状態と呼ぶ)が、設定温度と室温(Tr)との差に応じて、適宜、切り替わる運転をいう。サーモオン状態では、圧縮機が運転状態にされるとともに、栽培室(1)内の空気が空調機(20,30)の室内機内に取り込まれ、蒸発器として機能する室内熱交換器(21,31)において冷却される。また、サーモオフ状態では、冷媒回路の圧縮機(図示省略)は停止する。
また、ここでは、「送風運転」とは、栽培室(1)の空気の冷却を休止した状態で栽培室(1)へ送風する運転である。すなわち、送風運転では、冷媒回路において冷凍サイクルは行わせずに、室内ファン(22,32)を駆動させる運転状態をいう。送風運転では冷媒回路の圧縮機は動作しない。
図3は、実施形態1における運転制御部(51)が行う制御を説明する図である。運転制御部(51)は、温度と湿度をパラメータとした制御領域を5つに区分して制御を行っている。各制御領域における運転状態は以下の通りである。
制御領域(1)
図3に示すように、制御領域(1)は、室温(Tr)(具体的には温度センサ(50)の検出結果)が、予め定めた上限値(TU)よりも高い領域である(この領域では、制御に湿度を考慮しない)。この制御領域では、栽培室(1)の室温(Tr)を早急に下げて目標温度に近づけるために、運転制御部(51)は、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の両方に冷房運転を行わせる。なお、この例では、目標温度は、明期が25℃、暗期が15℃であり、上限値(TU)は目標温度+2℃である。
図3に示すように、制御領域(1)は、室温(Tr)(具体的には温度センサ(50)の検出結果)が、予め定めた上限値(TU)よりも高い領域である(この領域では、制御に湿度を考慮しない)。この制御領域では、栽培室(1)の室温(Tr)を早急に下げて目標温度に近づけるために、運転制御部(51)は、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の両方に冷房運転を行わせる。なお、この例では、目標温度は、明期が25℃、暗期が15℃であり、上限値(TU)は目標温度+2℃である。
制御領域(2)
制御領域(2)は、図3に示すように、室温(Tr)が、予め定めた下限値(TL)よりも低い領域である(この領域では、制御に湿度を考慮しない)。この制御領域では、室温(Tr)をこれ以上低下させる必要がないので、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の両方に送風運転を行わせている。この例では、下限値(TL)は、目標温度−2℃である。
制御領域(2)は、図3に示すように、室温(Tr)が、予め定めた下限値(TL)よりも低い領域である(この領域では、制御に湿度を考慮しない)。この制御領域では、室温(Tr)をこれ以上低下させる必要がないので、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の両方に送風運転を行わせている。この例では、下限値(TL)は、目標温度−2℃である。
制御領域(3)
制御領域(3)は、室温(Tr)が、下限値(TL)以上且つ上限値(TU)以下の範囲(以降の説明では単に「目標温度範囲」と呼ぶ)で、且つ相対湿度(具体的には相対湿度センサ(52)の検出値)が、予め定めた湿度の下限値(HL)よりも低い領域である(図3参照)。運転制御部(51)は、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)に冷房運転を行わせ、中温度帯用空調機(30)には送風運転を行わせる。この運転領域では、栽培室(1)内の植物が加湿源となる。この例では下限値(HL)は、目標湿度−5%である。
制御領域(3)は、室温(Tr)が、下限値(TL)以上且つ上限値(TU)以下の範囲(以降の説明では単に「目標温度範囲」と呼ぶ)で、且つ相対湿度(具体的には相対湿度センサ(52)の検出値)が、予め定めた湿度の下限値(HL)よりも低い領域である(図3参照)。運転制御部(51)は、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)に冷房運転を行わせ、中温度帯用空調機(30)には送風運転を行わせる。この運転領域では、栽培室(1)内の植物が加湿源となる。この例では下限値(HL)は、目標湿度−5%である。
制御領域(4)
制御領域(4)は、室温(Tr)が目標温度範囲内で、且つ相対湿度が、予め定めた湿度の上限値(HU)よりも高い領域である(図3参照)。この例では、上限値(HU)は、目標湿度+5%である。運転制御部(51)は、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)に送風運転を行わせる。また、中温度帯用空調機(30)には、冷房運転を行わせる。すなわち、制御領域(4)の制御は、本発明の冷房制御モードの一例である。
制御領域(4)は、室温(Tr)が目標温度範囲内で、且つ相対湿度が、予め定めた湿度の上限値(HU)よりも高い領域である(図3参照)。この例では、上限値(HU)は、目標湿度+5%である。運転制御部(51)は、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)に送風運転を行わせる。また、中温度帯用空調機(30)には、冷房運転を行わせる。すなわち、制御領域(4)の制御は、本発明の冷房制御モードの一例である。
制御領域(5)
制御領域(5)は、室温(Tr)が目標温度範囲内で、且つ相対湿度が、下限値(HL)以上且つ上限値(HU)以下の範囲(以降の説明では単に「目標湿度範囲」と呼ぶ)に入る領域である(図3参照)。運転制御部(51)は、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)に、現状の運転(冷房運転乃至は送風運転)を維持させる。
制御領域(5)は、室温(Tr)が目標温度範囲内で、且つ相対湿度が、下限値(HL)以上且つ上限値(HU)以下の範囲(以降の説明では単に「目標湿度範囲」と呼ぶ)に入る領域である(図3参照)。運転制御部(51)は、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)に、現状の運転(冷房運転乃至は送風運転)を維持させる。
なお、運転制御部(51)は、何れの運転領域でも、少なくとも明期には、栽培室(1)内に空気の流れを形成するために、送風(冷房運転にともなう送風、或いは送風運転時の送風)が行われるように制御を行っている。植物が光合成を円滑に行うには、送風によって空気中の二酸化炭素を植物に供給するのが望ましいからである。
〈空調システム(10)の動作〉
空調システム(10)では、相対湿度センサ(52)及び温度センサ(50)の検出値に基づいて、運転制御部(51)が高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の運転状態の制御を行う。
空調システム(10)では、相対湿度センサ(52)及び温度センサ(50)の検出値に基づいて、運転制御部(51)が高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の運転状態の制御を行う。
例えば、室温(Tr)が上限値(TU)よりも高い場合は、運転制御部(51)は、制御領域(1)に相当する制御を行う。例えば明期は、照明器具(3)が点灯しているため、照明器具(3)の発熱によって室温(Tr)が上がりがち(すなわち冷房負荷が高くなりがち)である。そのため、明期には、運転制御部(51)では、制御領域(1)の制御が選択される傾向がある。
制御領域(1)の制御では、具体的には、運転制御部(51)は、高顕熱型空調機(20)の冷媒回路(図示省略)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行わせ、高顕熱型空調機(20)の室内ファン(22)を駆動させる。これにより、栽培室(1)内の空気が高顕熱型空調機(20)の室内機内に取り込まれ、蒸発器として機能する室内熱交換器(21)において冷却される。冷却された空気は、室内機から吹き出されて各ミキシング機構(40)のチャンバ(41)内に流入する。すなわち、高顕熱型空調機(20)において冷房運転が行われる。
また、制御領域(1)では、運転制御部(51)は、中温度帯用空調機(30)にも冷房運転を行わせる。具体的には、中温度帯用空調機(30)の冷媒回路(図示省略)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行わせ、中温度帯用空調機(30)の室内ファン(32)を駆動する。これにより、栽培室(1)内の空気が中温度帯用空調機(30)の室内機内に取り込まれ、蒸発器として機能する室内熱交換器(31)において冷却される。冷却された空気は、室内機から吹き出されて各ミキシング機構(40)のチャンバ(41)内に流入する。各チャンバ(41)内に流入した冷却空気は、高顕熱型空調機(20)の冷却空気と混合され、対応する吹出口(12)から栽培室(1)内に吹き出される。その結果、栽培室(1)内の空気温度(室温(Tr))が低下する。
また、運転制御部(51)は、室温(Tr)が、下限値(TL)よりも低い場合には、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の送風運転を行わせる。すなわち、運転制御部(51)は、制御領域(2)の制御を行う。具体的には、運転制御部(51)は、冷媒回路(図示省略)では冷媒を循環させず(すなわち冷凍サイクルを行わない)、高顕熱型空調機(20)の室内ファン(22)及び中温度帯用空調機(30)の室内ファン(32)を駆動させる。
一方、室温(Tr)が上記温度範囲内であっても、運転制御部(51)は、相対湿度(Hr)に応じて運転状態を切り替える。すなわち、運転制御部(51)は、制御領域(3)、或いは制御領域(4)の制御を行う。
例えば、室温(Tr)が上記温度範囲内であっても、相対湿度(Hr)が下限値(HL)よりも低い場合は、運転制御部(51)は、制御領域(3)の制御を行う。運転制御部(51)は、制御領域(3)では、高顕熱型空調機(20)に冷房運転を行わせ、中温度帯用空調機(30)には送風運転を行わせる。高顕熱型空調機(20)の方が中温度帯用空調機(30)よりも潜熱負荷の処理能力が低いので、制御領域(4)の制御が行われると、空調システム(10)としての除湿能力が低下する。栽培室(1)では植物によって蒸散が行われているので、空調システム(10)としての除湿能力が下げられると、この植物が加湿源となって、栽培室(1)内の空気が加湿される。すなわち、制御領域(3)では、栽培室(1)の空気の加湿が行われる。
また、室温(Tr)が上記温度範囲内であっても、相対湿度(Hr)が上限値(HU)よりも高い場合は、運転制御部(51)は、制御領域(4)の制御を行う。具体的に、運転制御部(51)は、制御領域(4)では、高顕熱型空調機(20)に送風運転を行わせ、中温度帯用空調機(30)には冷房運転を行わせる。中温度帯用空調機(30)は、高顕熱型空調機(20)よりも潜熱負荷の処理能力が高いので、制御領域(4)では、制御領域(3)での制御と比べ、空調システム(10)としての除湿能力がより高く制御されている。つまり、この制御領域の制御が行われることで、栽培室(1)の空気の除湿が行われる。また、高顕熱型空調機(20)を送風運転に切り替えて、除湿に適した中温度帯用空調機(30)のみに冷房運転を行わせることで、ランニングコストの低減、すなわち、空調システム(10)の効率化を図ることが可能になる。
〈本実施形態における効果〉
以上のように本実施形態では、室温(Tr)及び相対湿度(Hr)の両方を考慮して、冷房運転させる空調機(20,30)を選択している。とりわけ、制御領域(4)では、空調システム(10)の効率化を図りつつ、不要な湿度の増大を抑制することが可能になる。そして、不要な湿度の増大を抑制することで、栽培室(1)におけるカビ防止が容易になる。
以上のように本実施形態では、室温(Tr)及び相対湿度(Hr)の両方を考慮して、冷房運転させる空調機(20,30)を選択している。とりわけ、制御領域(4)では、空調システム(10)の効率化を図りつつ、不要な湿度の増大を抑制することが可能になる。そして、不要な湿度の増大を抑制することで、栽培室(1)におけるカビ防止が容易になる。
《実施形態1の変形例》
上記の制御領域(3)や運転領域(4)では、除湿能力(或いは加湿能力)の大きさを制御できると利便性が大きい。そこで、本変形例では、除湿能力の制御方法を説明する。
上記の制御領域(3)や運転領域(4)では、除湿能力(或いは加湿能力)の大きさを制御できると利便性が大きい。そこで、本変形例では、除湿能力の制御方法を説明する。
図4は、実施形態1の変形例における運転制御部(51)が行う制御を説明する図である。本変形例では、制御領域(3)や運転領域(4)では、運転制御部(51)が、相対湿度(Hr)に応じて、冷房運転される空調機(20,30)の運転台数、及び各空調機(20,30)の風量を制御する。
台数制御では、運転制御部(51)は、除湿能力を下げたい場合に、冷房運転させる空調機(20,30)の台数を増やし、除湿能力を上げたい場合に、冷房運転させる空調機(20,30)の台数を減らす(図4参照)。例えば、運転台数を増やすと、各空調機の負荷が小さくなり、その結果、上記サーモオン状態の時間が短くなる(すなわちサーモオフ状態の時間が長くなる)。そして、サーモオフ状態の時間が長くなると、空調機(20,30)において除湿した水分(室内熱交換器における結露水)がサーモオフ状態における送風で室内に戻され、結果として、空調システム(10)の除湿能力が低くなるのである。
また、冷房運転させる空調機(20,30)の運転台数を減らすと、各空調機の負荷が大きくなり、その結果、サーモオン状態の時間が長くなって除湿能力が大きくなる。つまり、運転台数を減らすと、サーモオフ状態の時間が短くなって、室内熱交換器(21,31)における結露水が室内に戻され難くなるのである。この空調システム(10)には、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)は2台ずつ設けられており(図1参照)、冷房運転させる台数を切り替えることで、栽培室用空調システム(10)としての除湿能力を制御することができる。
一方、風量制御では、室内ファン(22,32)の回転速度を制御することによって、風量を制御する。例えば、空調システム(10)における除湿能力を下げたい場合には、各空調機(20,30)における風量を大きくし、除湿能力を上げたい場合には、各空調機(20,30)における風量を小さくする(図4参照)。空調能力は、「空調能力=風量×入出の温度差」と表せるので、例えば、風量を上げると、室内熱交換器での空気温度があまり下がらず、結露が起こりにくい。その結果、空調機における除湿能力が小さくなる。また、風量を下げると、室内熱交換器での空気温度が下がり、室内熱交換器での結露が起こり易くなる。その結果、空調システム(10)における除湿能力が大きくなる。なお、暗期は、植物が光合成を行わないので、植物周りの気流が不要であり、風量を下げても差し支えない。
〈空調システム(10)の動作〉
この変形例では、運転制御部(51)は、相対湿度センサ(52)の検出値に応じて、除湿能力を制御する。例えば、制御領域(3)では、運転制御部(51)は、冷房運転を行う高顕熱型空調機(20)の台数制御を行いつつ、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の風量制御を行う。また、制御領域(4)では、運転制御部(51)は、冷房運転を行う中温度帯用空調機(30)の台数制御を行いつつ、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の風量制御を行う。
この変形例では、運転制御部(51)は、相対湿度センサ(52)の検出値に応じて、除湿能力を制御する。例えば、制御領域(3)では、運転制御部(51)は、冷房運転を行う高顕熱型空調機(20)の台数制御を行いつつ、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の風量制御を行う。また、制御領域(4)では、運転制御部(51)は、冷房運転を行う中温度帯用空調機(30)の台数制御を行いつつ、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の風量制御を行う。
なお、除湿能力を制御する場合には、台数制御及び風量制御の何れか一方のみを行うように運転制御部(51)を構成してもよい。
《発明の実施形態2》
空調システム(10)では、栽培室(1)の湿度に相関する指標であれば、実施形態1で説明した相対湿度以外の指標の採用も可能である。栽培室(1)の湿度に相関する指標としては、例えば「飽差」が挙げられる。
空調システム(10)では、栽培室(1)の湿度に相関する指標であれば、実施形態1で説明した相対湿度以外の指標の採用も可能である。栽培室(1)の湿度に相関する指標としては、例えば「飽差」が挙げられる。
ここで、「飽差」とは、飽和水蒸気量と絶対湿度の差である。飽差は、植物の蒸散に影響する。例えば、飽差が大きいと、植物では蒸散が起こりやすく光合成が進むが、大きすぎると乾燥気味となり、気孔が閉じて光合成が抑制される。また、飽差が小さいと相対湿度が高く、これ以上水分を空気中に入れられないため、蒸散及び光合成が抑制される。植物栽培では、一般的に、飽差の適正範囲は3〜7g/m3とされている。本実施形態では、この適正範囲を後述の「目標飽差範囲」としている。
図5は、実施形態2における運転制御部(51)が行う制御を説明する図である。本実施形態の運転制御部(51)は、相対湿度センサ(52)等の検出値を基に飽差を算出するとともに、温度と飽差をパラメータとした制御領域を5つに区分して、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の運転状態を切り替える。図5に示すように、この例においても、制御領域は5つの領域に区分されている。
制御領域(1)
制御領域(1)は、室温(Tr)が上限値(TU)よりも高い領域である(この領域では制御に飽差(湿度)を考慮しない)。この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(1)の制御と同じであり、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の両方に冷房運転を行わせる。なお、この例では、上限値(TU)は、目標温度+2℃である。
制御領域(1)は、室温(Tr)が上限値(TU)よりも高い領域である(この領域では制御に飽差(湿度)を考慮しない)。この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(1)の制御と同じであり、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の両方に冷房運転を行わせる。なお、この例では、上限値(TU)は、目標温度+2℃である。
制御領域(2)
制御領域(2)は、室温(Tr)が下限値(TL)よりも低い領域である(この領域では制御に飽差(湿度)を考慮しない)。この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(2)の制御と同じであり、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の両方に送風運転を行わせる。なお、この例では、下限値(TL)は、目標温度−2℃である。
制御領域(2)は、室温(Tr)が下限値(TL)よりも低い領域である(この領域では制御に飽差(湿度)を考慮しない)。この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(2)の制御と同じであり、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の両方に送風運転を行わせる。なお、この例では、下限値(TL)は、目標温度−2℃である。
制御領域(3)
制御領域(3)は、室温(Tr)が上記目標温度範囲内で、且つ飽差が、予め定めた飽差の下限値(SL)よりも低い領域である。なお、この例では、下限値(SL)は、3g/m3である。
制御領域(3)は、室温(Tr)が上記目標温度範囲内で、且つ飽差が、予め定めた飽差の下限値(SL)よりも低い領域である。なお、この例では、下限値(SL)は、3g/m3である。
本実施形態の制御領域(3)の制御が選択されるのは、栽培室(1)の湿度が所定の上限値以上であることが、飽差によって示された場合であり、この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(4)の制御に相当する。すなわち、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)に送風運転を行わせる。また、中温度帯用空調機(30)には、冷房運転を行わせる。すなわち、本実施形態の制御領域(3)の制御は、本発明の冷房制御モードの一例である。
制御領域(4)
制御領域(4)は、室温(Tr)が上記目標温度範囲内で、且つ飽差が、予め定めた飽差の上限値(SU)よりも高い領域である。つまり、制御領域(4)の制御が選択されるのは、栽培室(1)の湿度が所定の下限値以下であることが、飽差によって示された場合であり、この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(3)の制御に相当する。すなわち、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)に冷房運転を行わせ、中温度帯用空調機(30)には、送風運転を行わせる。この運転領域では、栽培室(1)内の植物が加湿源となる。なお、この例では、上限値(SU)は、7g/m3である。
制御領域(4)は、室温(Tr)が上記目標温度範囲内で、且つ飽差が、予め定めた飽差の上限値(SU)よりも高い領域である。つまり、制御領域(4)の制御が選択されるのは、栽培室(1)の湿度が所定の下限値以下であることが、飽差によって示された場合であり、この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(3)の制御に相当する。すなわち、この制御領域では、高顕熱型空調機(20)に冷房運転を行わせ、中温度帯用空調機(30)には、送風運転を行わせる。この運転領域では、栽培室(1)内の植物が加湿源となる。なお、この例では、上限値(SU)は、7g/m3である。
なお、本実施形態でも、運転制御部(51)は、制御領域(3)や運転領域(4)では、台数制御及び風量制御によって、除湿能力を制御している。
制御領域(5)
制御領域(5)は、室温(Tr)が上記目標温度範囲内で、且つ飽差が、下限値(SL)以上且つ上限値(SU)以下の範囲(以降の説明では単に「目標飽差範囲」と呼ぶ)に入る領域である。この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(5)の制御に相当する。すなわち、この制御領域では、運転制御部(51)は、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)に現状の運転(冷房運転乃至は送風運転)を維持させる。
制御領域(5)は、室温(Tr)が上記目標温度範囲内で、且つ飽差が、下限値(SL)以上且つ上限値(SU)以下の範囲(以降の説明では単に「目標飽差範囲」と呼ぶ)に入る領域である。この制御領域の制御は、実施形態1で説明した制御領域(5)の制御に相当する。すなわち、この制御領域では、運転制御部(51)は、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)に現状の運転(冷房運転乃至は送風運転)を維持させる。
なお、本実施形態でも、少なくとも明期には、何れの運転領域でも光合成が円滑に行われるように、空調システム(10)によって送風(冷房運転にともなう送風或いは送風運転による送風)を行って、栽培室(1)内に空気の流れを形成している。
以上のように本実施形態では、室温(Tr)及び飽差の両方を考慮して、冷房運転させる空調機(20,30)を選択している。この飽差は、栽培室(1)の湿度に相関する指標であり、本実施形態でも実施形態1等同様の効果を得ることができる。
《その他の実施形態》
〈1〉
なお、制御領域(1)では、明期と暗期とで、空調機の優先度(何れに負荷を優先的に処理させるか)を切り替えてもよい。本実施形態では、明期は暗期に比べて設定温度が高く、高顕熱型空調機(20)の使用温度範囲(20℃〜30℃)内の温度(25℃)に設定されている。そのため、ほとんどの場合、高顕熱型空調機(20)のみを運転させることで室内温度(室温(Tr))を設定温度まで低下させることができる。そこで、制御領域(1)では、明期において、高顕熱型空調機(20)のみに冷房運転を行わせ、中温度帯用空調機(30)には送風運転を行わせるようにしてもよい。
〈1〉
なお、制御領域(1)では、明期と暗期とで、空調機の優先度(何れに負荷を優先的に処理させるか)を切り替えてもよい。本実施形態では、明期は暗期に比べて設定温度が高く、高顕熱型空調機(20)の使用温度範囲(20℃〜30℃)内の温度(25℃)に設定されている。そのため、ほとんどの場合、高顕熱型空調機(20)のみを運転させることで室内温度(室温(Tr))を設定温度まで低下させることができる。そこで、制御領域(1)では、明期において、高顕熱型空調機(20)のみに冷房運転を行わせ、中温度帯用空調機(30)には送風運転を行わせるようにしてもよい。
また、本実施形態では、暗期は明期に比べて設定温度が低く、高顕熱型空調機(20)の使用温度範囲(20℃〜30℃)よりも低い温度(15℃)に設定されている。そこで、制御領域(1)では、暗期において、中温度帯用空調機(30)のみに冷房運転を行わせ、高顕熱型空調機(20)には送風運転を行わせるようにしてもよい。
このように明期と暗期とで、空調機の優先度(何れに負荷を優先的に処理させるか)を切り替えることで、空調システム(10)のより効率的な運用が可能になる。
〈2〉
また、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の各台数は例示である。
また、高顕熱型空調機(20)及び中温度帯用空調機(30)の各台数は例示である。
本発明は、植物工場の栽培室内の空調を行う栽培室用空調システムとして有用である。
1 栽培室
10 栽培室用空調システム(空調システム)
20 高顕熱型空調機(第1空調機)
30 中温度帯用空調機(第2空調機)
51 運転制御部
10 栽培室用空調システム(空調システム)
20 高顕熱型空調機(第1空調機)
30 中温度帯用空調機(第2空調機)
51 運転制御部
Claims (6)
- 植物の栽培室(1)の空気を冷却する冷房運転と、該冷却を休止した状態で該栽培室(1)へ送風する送風運転との切り替えが可能な第1及び第2空調機(20,30)と、
上記第1及び第2空調機(20,30)のそれぞれにおける上記冷房運転と上記送風運転を切り替える運転制御部(51)とを備え、
上記第1空調機(20)は、主として顕熱負荷の処理に用いられ、
上記第2空調機(30)は、顕熱負荷及び潜熱負荷の処理に用いられ、
上記運転制御部(51)は、上記栽培室(1)の室温(Tr)が予め定めた温度範囲内で、且つ、上記栽培室(1)の湿度に相関する指標によって、該湿度が所定の上限値(HU)以上であることが示された場合には、上記第2空調機(30)に上記冷房運転を行わせる冷房制御モードを有していることを特徴とする栽培室用空調システム。 - 請求項1において、
上記指標は、上記栽培室(1)における飽差又は相対湿度であることを特徴とする栽培室用空調システム。 - 請求項1又は請求項2において、
上記運転制御部(51)は、上記冷房制御モードにおいて、上記第1空調機(20)には上記送風運転を行わせることを特徴とする栽培室用空調システム。 - 請求項1から請求項3の何れかにおいて、
上記運転制御部(51)は、上記栽培室(1)の室温(Tr)が予め定めた温度範囲内で且つ上記指標によって上記湿度が所定の下限値(HL)以下であることが示された場合には、上記第1空調機(20)に上記冷房運転を行わせるとともに上記第2空調機(30)には上記送風運転を行わせることを特徴とする栽培室用空調システム。 - 請求項1から請求項4の何れかにおいて、
第1空調機(20)及び第2空調機(30)は、それぞれ複数台が設けられ、
上記運転制御部(51)は、上記冷房運転を行う上記第1空調機(20)及び第2空調機(30)の台数を変更することによって、上記栽培室(1)に対する除湿能力を変更することを特徴とする栽培室用空調システム。 - 請求項1から請求項5の何れかにおいて、
第1空調機(20)及び第2空調機(30)は、それぞれ複数台が設けられ、
上記運転制御部(51)は、上記第1空調機(20)及び第2空調機(30)の風量を制御することによって、上記栽培室(1)に対する除湿能力を変更することを特徴とする栽培室用空調システム。
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