JP2016003805A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態の空調システムは、複数の室内機と、制御装置とを持つ。複数の室内機は、同一の空間内に配置されている。制御装置は、複数の室内機のうち運転する室内機の数を制御することによって、運転する室内機の稼働率を増大させる。
【選択図】図1
Description
例えば、第1〜第3空気調和機11a〜11cの各々は、4台の第1〜第4室内機21と1台の室外機22とを備えている。第1空気調和機11aは、4台の第1〜第4室内機21(A1〜A4)と1台の室外機22(A0)とを備え、これらは第1冷媒流通配管23aを介して接続されている。第2空気調和機11bは、4台の第1〜第4室内機21(B1〜B4)と1台の室外機22(B0)とを備え、これらは第2冷媒流通配管23bを介して接続されている。第3空気調和機11cは、4台の第1〜第4室内機21(C1〜C4)と1台の室外機22(C0)とを備え、これらは第3冷媒流通配管23cを介して接続されている。
複数の室内機21のうち、第3空気調和機11cの第1〜第4室内機21(C1〜C4)は、例えば、天井埋め込み型であり、境界領域Xaの天井部(図示略)に配置されている。複数の室内機21のうち、第3空気調和機11cの第1〜第4室内機21(C1〜C4)以外の室内機21は、例えば、天井埋め込み型であり、境界領域以外の領域Xbの天井部(図示略)に配置されている。境界領域以外の領域Xbにおいて、第1および第2空気調和機11a,11bの各々の室内機21は千鳥配列されている。つまり第1空気調和機11aの室内機21と第2空気調和機11bの室内機21とは交互に隣り合うように配置されている。
各室内機21は、例えば、赤外線センサなどから成る温度センサ25を備えている。各温度センサ25は、制御装置12に接続されている。各温度センサ25は、空間X内における各室内機21の周辺領域の温度を検出し、検出した温度の信号を制御装置12に出力する。例えば、境界領域Xaに配置される第3空気調和機11cの第1〜第4室内機21(C1〜C4)の各々に備えられる温度センサ25は、外界からの熱的影響に起因する境界領域Xaの温度変化を検出する。また、各室内機21に備えられる温度センサ25は、各室内機21の周辺領域に存在する人体などに起因する温度変化を検出する。
制御装置12は、複数の室内機21のうち熱的に運転する室内機21の数を、空間X内を所望の空調状態に維持するために必要な空調能力を確保するように設定する。制御装置12は、例えば図2に示すような、複数の室内機21のうち熱的に運転を行なう室内機21の運転台数および空調能力(Q1,2×Q1,…)の対応関係と空間X内を所望の温度に維持するための必要能力Qcとを示すデータを記憶している。なお、制御装置12は、室内機21の熱的な運転を、例えば冷房運転および除湿運転などのように冷凍サイクルを運転する状態としている。制御装置12は、冷凍サイクルの運転を伴わない各種の運転状態、例えば圧縮機22aを停止した状態で室内送風装置のみを運転して送風を行なう送風運転などを、室内機21の熱的な運転の対象外としている。
制御装置12は、例えば図2に示す必要能力Qcに対しては、少なくとも2台以上の室内機21を熱的に運転する必要があると判断する。制御装置12は、必要能力Qcに応じて空気調和機11の最小運転台数(例えば、図2に示す必要能力Qcに対する2台)を設定した後に、湿度センサ26から出力される信号によって把握する空間X内の湿度に応じて室内機21の運転台数を設定する。
制御装置12は、空調能力を一定とする状態(つまり顕熱一定の状態)において、空間X内の湿度が目標湿度よりも高くなることに伴い、蒸発温度(つまり室内熱交換器21aの温度)を低下傾向に変化させ、熱的に運転する室内機21の運転台数を減少傾向に設定する。これにより制御装置12は、熱的に運転する室内機21の稼働率(例えば、運転時間の割合など)を増大させる。
制御装置12は、空間X内の除湿を行なう際に、運転する室内機21を、所定の最大出力よりも低い上限出力以下の出力で冷房運転する低出力冷房運転、または除湿運転に制御する。これにより制御装置12は、圧縮機22aの回転数の増大を抑制しつつ、熱的に運転する室内機21の稼働率(例えば、運転時間の割合など)を増大させる。
一方、例えば目標湿度に対して空間X内の湿度が所定差未満で高い場合(つまり、必要除湿量が所定量未満の場合)、制御装置12は、蒸発温度の目標値を、空間X内で除湿可能な下限または下限に近い蒸発温度よりも高い蒸発温度に設定する。制御装置12は、例えば図2に示す必要能力Qcに対しては、室内機21の運転台数を最小の2台よりも多い台数、例えば2台よりも多い台数のうちで最小の3台とする。制御装置12は、例えば図2に示すように、必要能力Qcを最低限に確保する領域Bにおいて3台の室内機21の運転を制御する。これにより制御装置12は、3台の室内機21による所定の最大出力(=3×Q1)よりも低い上限出力以下の出力で冷房運転する低出力冷房運転、または除湿運転を行なう。制御装置12は、例えば図2に示す領域Bでの運転を行なう場合には、領域Aでの運転に比べて、各室内機21の出力(つまり、各室内機21に対応する圧縮機22aの回転数)をより低下させた運転を行なう。
図3に示す実施形態では、上述した実施形態の空調システム10において、複数の室内機21のうち熱的に運転する室内機21の台数が低減されることによって、熱的に運転する室内機21の稼働率が増大する。これにより熱的に運転する室内機21の作動が連続的に維持され、圧縮機22aの回転数が連続的に一定値に維持される。実施形態では、各種の温度(吸込口、インテリアゾーン、および吹出口)、および各種の相対湿度(吸込口、インテリアゾーン、および吹出口)が、ほぼ一定に維持され、蒸発温度が所定の目標値以下に維持されている。これにより吹出口の絶対湿度が、安定的に吸込口の絶対湿度よりも低くなり、平均的な除湿量が所望の除湿量を確保している。
これに対して、図4に示す比較例では、複数の室内機21の全てが熱的に運転することによって、熱的に運転する室内機21の稼働率が低下する。これにより熱的に運転する室内機21の作動および停止が断続的に繰り返され、圧縮機22aの回転数が断続的に変化する。比較例では、各種の温度(吸込口、インテリアゾーン、吹出口)、および各種の相対湿度(吸込口、インテリアゾーン、および吹出口)が、頻繁に変化し、蒸発温度が所定の目標値以下に維持され難くなっている。これにより吹出口の絶対湿度が、頻繁に吸込口の絶対湿度よりも高くなり、圧縮機22aの作動時に室内熱交換器(蒸発器)21aによって取り込まれた水分が圧縮機22aの停止時に再放出され、平均的な除湿量が所望の除湿量未満となっている。
制御装置12は、複数の室内機21のうち熱的に運転する室内機21の数を制御する際に、空間X内において人が存在しない領域に比べて、人が存在する領域に配置されている室内機21を優先的に運転する。
制御装置12は、境界領域Xaに配置されている室内機21を優先的に運転する際に、境界領域Xaに人が存在しない場合には、境界領域Xaに人が存在する場合に比べて、境界領域Xaに配置されている室内機21を優先的に運転する際の優先度を低下させる。
さらに、複数の室内機21のうち運転する室内機21の台数を制御することによって蒸発温度を低下させる制御装置12を持つことにより、所望の除湿量を容易に確保することができる。
さらに、運転する室内機21を所定の最大出力よりも低い上限出力以下の出力で冷房運転する低出力冷房運転または除湿運転に制御する制御装置12を持つことにより、圧縮機22aの回転数の増大を抑制しつつ、運転する室内機21の稼働率を増大させることができる。
さらに、空間X内において境界領域以外の領域Xbに比べて、外界からの熱的影響を受ける境界領域Xaに配置されている室内機21を優先的に運転する制御装置12を持つことにより、複数の室内機21全体としての運転効率を向上させることができる。さらに、境界領域Xaに人が存在しない場合には、境界領域Xaに人が存在する場合に比べて、境界領域Xaの室内機21を優先的に運転する際の優先度を低下させる制御装置12を持つことにより、より一層、運転効率を向上させることができる。
上述した実施形態では、第1〜第3空気調和機11a〜11cの各々の複数の室内機21を天井埋め込み型としたが、これに限定されない。例えば、境界領域Xaに配置される複数の室内機21を床置き型とし、境界領域以外の領域Xbに配置される複数の室内機21を天井埋め込み型としてもよい。
上述した実施形態では、境界領域以外の領域Xbにおいて、第1および第2空気調和機11a,11bの各々の室内機21を千鳥配列としたが、これに限定されず、他の形態の配列とされてもよい。
目標湿度に対して空間X内の湿度が所定差以上で高い場合(つまり、必要除湿量が所定量以上の場合)、上述したように室内熱交換器21aに対して設定する蒸発温度の目標値を下げて除湿量を増やす。
負荷率が60%の場合(図2において、必要能力Qcが3×Q1と4×Q1の間にある場合)、制御装置12は、少なくとも3台以上の室内機21を熱的に運転する必要があると判断する。
このとき、制御装置12は、4台の各室内機21をそれぞれ60%の負荷率(14kW×0.6=8.6kW)で運転させるのでなく、蒸発温度を下げて除湿量を増やすために、1台の室内機21の運転を停止させ、最少台数の3台の室内機21をそれぞれ80%の負荷率(14kW×0.8=11.2kW)で運転させる。これにより、第3空気調和機11cの負荷率を60%(56kW×0.6=33.6kW)に保ったままで除湿量を増やすことができる。以上のとおり、制御装置12は、複数の室内機21のうち熱的に運転する室内機21の数を負荷に応じて減少させることによって、熱的に運転する室内機21の稼働率を増大させることができる。
一方、目標湿度に対して空間X内の湿度が所定差未満で高い場合(つまり、必要除湿量が所定量未満の場合)、制御装置12は、室内熱交換器21aに対して設定する蒸発温度の目標値を上げ、室内機21の運転台数を3台よりも多い台数のうちで最小の4台とする。目標蒸発温度が上がることによって圧縮機22aの回転数が低下することにより、効率のよい運転が可能となる。
負荷率が45%の場合(図2において、必要能力Qcが2×Q1と3×Q1の間にある場合)、制御装置12は、少なくとも2台以上の室内機21を熱的に運転する必要があると判断する。
上述のとおり、目標湿度に対して空間X内の湿度が所定差以上で高い場合、制御装置12は、目標蒸発温度を下げ、第2空気調和機11bおよび第3空気調和機11cのそれぞれで最少台数の2台の室内機21を運転する。一方、目標湿度に対して空間X内の湿度が所定差未満で高い場合、制御装置12は、目標蒸発温度を上げ、第2空気調和機11b、第3空気調和機11cのそれぞれの室内機21の運転台数を2台よりも多い台数のうちで最小の3台とする。
Claims (7)
- 同一の空間内に配置される複数の室内機と、
前記複数の室内機のうち運転する室内機の数を制御することによって、前記運転する室内機の稼働率を増大させる制御装置と、
を備える、
空調システム。 - 前記複数の室内機の各々に接続される少なくとも1つの蒸発器を備え、
前記制御装置は、前記複数の室内機のうち運転する室内機の数を制御することによって、前記運転する室内機に接続される蒸発器の温度を低下させる、
請求項1に記載の空調システム。 - 前記空間内の湿度を検出する湿度センサを備え、
前記制御装置は、前記湿度センサによって検出される前記空間内の湿度に応じて前記複数の室内機のうち運転する室内機の数を制御する、
請求項1または請求項2に記載の空調システム。 - 前記制御装置は、前記運転する室内機を、所定の最大出力よりも低い上限出力以下の出力で冷房運転する低出力冷房運転または除湿運転に制御する、
請求項3に記載の空調システム。 - 前記空間内において人が存在する領域を把握する領域把握部を備え、
前記制御装置は、前記空間内において人が存在する領域に配置されている室内機を優先的に運転する、
請求項1から請求項4の何れか1つに記載の空調システム。 - 前記制御装置は、前記空間内において外界からの熱的影響を受ける境界領域に配置されている室内機を優先的に運転する、
請求項1から請求項5の何れか1つに記載の空調システム。 - 前記制御装置は、前記境界領域に人が存在しない場合には、前記境界領域に人が存在する場合に比べて、前記境界領域に配置されている室内機を優先的に運転する際の優先度を低下させる、
請求項6に記載の空調システム。
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