JP2007100587A - 可変ターボ過給機およびこれを備えたエンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変ターボ過給機では、連結リングを、径方向に略対向した位置に設けられた一対の回動駆動軸38を介して外部駆動する。このため、連結リングに偶力を作用させることができ、連結リンクを支持する部分に無理な力をかけずにスムースに回動させることができ、他の従動側のレバー、ひいては全ノズルベーンを確実に回動させることができる。また、一対の回動駆動軸38を一つの油圧アクチュエータ50で駆動するので、回動駆動軸38のそれぞれを個別のアクチュエータで駆動する必要がなく、油圧アクチュエータ50配置用のスペースを最小限にできて小型化を促進できる。
【選択図】図4
Description
なお、アクチュエータだけではなく、このアクチュエータの駆動源である流体の制御行うソレノイドバルブをもベアリングハウジング内に設けることにより、ソレノイドバルブからアクチュエータへは、ベアリングハウジング内に穿設された流路等を用いて流体を供給でき、流体供給用の配管等を省略できて、より一層コンパクトにできる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態に係る可変ターボ過給機1の全体を示す断面図が示されている。 この図において、可変ターボ過給機1は、排気タービン2と、給気コンプレッサ3とを備えて構成される。
以下には、ノズルベーン30を回動させるための構造について説明する。
図2には、図1のII−II線断面図が示されており、図3には、排気側インナープレート14が示されている。排気側インナープレート14の周方向に沿って複数のノズルベーン30が配置され、各ノズルベーン30の回動軸31で囲まれた領域の内側には、円環状の連結リング32が設けられている。この連結リング32の内周側または外周側(本実施形態では内周側)は、例えばベアリングハウジング40に嵌合された支持リング33で支持されており、連結リング32がシャフト17と同心円上で回動するようになっている。
図4は、図1のIV−IV線断面図である。この図において、油圧アクチュエータ50、および油圧アクチュエータ50への圧油の供給を制御するソレノイドバルブ60は、ベアリングハウジング40に設けられた第1、第2収容部41,42に収容されており、ベアリングハウジング40内において、シャフト17に近い側に油圧アクチュエータ50が収容され、シャフト17から離れた位置、つまりベアリングハウジング40の外周側にソレノイドバルブ60が収容されている。このように、油圧アクチュエータ50およびソレノイドバルブ60がベアリングハウジングウジング40の外部に取り付ける場合に比して、ベアリングハウジング40周りの構造をコンパクトにできる。
本実施形態の可変ターボ過給機1では、エンジンオイルを用いた潤滑・油冷構造を採用している。潤滑構造は、シャフト17を受けるジャーナルベアリング18周りを主に潤滑するものであり、油冷構造は、ソレノイドバルブ60周りを油冷するものである。
ベアリングハウジング40内の中央には、ジャーナルベアリング18用の挿入孔を有したベアリング支持部71が設けられている。また、ベアリングハウジング40内には、ベアリング支持部71の外周面が露呈するようにドレーン空間72が設けられている。ドレーン空間72は、潤滑および冷却後のオイルを集約する空間であって、油圧アクチュエータ50の第1収容部51下方に設けられた主空間73と、図1、図4に示すように、排気タービン2側から給気コンプレッサ3側に向かって下り勾配を有し、かつベアリング支持部71の一部が軸方向に沿って露呈した案内空間74とを備えている。主空間73の底部分にはオイルをエンジン側に戻すためのドレーン孔75が設けられ、このドレーン孔75に向けて案内空間74が傾斜している。
ベアリングハウジング40には、油圧アクチュエータ50駆動用の圧油を供給するための前記圧油流入口46が設けられている。この圧油流入口46とソレノイドバルブ60用に設けられた第2収容部42の大径部42Cとは、小径の連通流路78で連通している。大径部42Cには、ソレノイドバルブ60外周との間に空間61が形成されているため、圧油流入口46に流入した圧油の一部は、連通流路78を通し冷却オイルとして空間61に流れ込み、ソレノイドバルブ60を冷却する。冷却した後の冷却オイルは、大径部42Cとドレーン空間72とを連通させる排出流路79を通して当該ドレーン空間72に吐出し、前述した潤滑オイルと共にドレーン孔75からエンジン側に戻される。そして、本実施形態では、連通流路78、空間61、および排出流路79により、本発明に係るオイル流通部70が形成されている。このオイル流通部70からなる油冷構造により、ソレノイドバルブ60を効率よく冷却でき、排気タービン2からの熱影響を抑制できる。
また、本実施形態では、油圧アクチュエータ50およびソレノイドバルブ60をエンジン冷却水で冷却する水冷構造が採用されている。
図1、図2に示すベアリングハウジング40の内部において、油圧アクチュエータ50およびソレノイドバルブ60の第1、第2収容部41,42と、排気側インナープレート14に対向した壁部分との間には、ベアリング支持部71およびその周囲のオイルドレーン用の案内空間74を囲むように環状の冷却水流通空間80が設けられている。
図8には、前述した潤滑・油冷構造および水冷構造に係る循環回路の各例が模式的に示されている。
図8(A)に示した例では、エンジンEの図示しないフライホイール側にPTO(Power Take Off:動力取出装置)90が設けられ、このPTO90で取り出された動力で昇圧ポンプ91が駆動される。昇圧ポンプ91は、オイルパン92中のオイルポンプ93から圧送されるエンジンオイルを昇圧し、可変ターボ過給機1に供給する。従って、昇圧ポンプ91への配管94は、オイルポンプ93からメインギャラリ95への配管96から分岐して設けられ、昇圧ポンプ91から可変ターボ過給機1へは配管97が設けられている。このような昇圧ポンプ91は、オイルポンプ93からのオイルを昇圧するだけでよいので、低圧仕様でよく、コンパクトである。可変ターボ過給機1に送られたエンジンオイルは前述したように、各ベアリング周りの潤滑、およびソレノイドバルブの冷却に用いられる。潤滑・冷却後のオイルはオイルパン92に戻される。なお、図8において、オイルフィルタやオイルクーラ等の図示は省略されている。
例えば、図8(A)、(B)では、オイルポンプ93の他に昇圧ポンプ91や油圧ポンプ98を用いてエンジンオイルを可変ターボ過給機1に圧送していたが、オイルポンプ93を高圧仕様とした場合には、このオイルポンプ93のみでエンジンEの軸受やピストンクーリングのようなエンジンE各所の潤滑・冷却部分、および可変ターボ過給機1の油冷部分にオイルを圧送してもよい。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (9)
- 可変ターボ過給機において、
排気タービンホイール外側のノズル部に互いに対向して設けられた導入壁と、
前記排気ガス導入壁間に回動可能に軸支され、かつ前記排気タービンホイールの周方向に沿って所定間隔をあけて配置された複数のノズルベーンと、
前記各ノズルベーンの回動軸の前記排気ガス導入壁から突出した部分に結合されたレバーと、
前記レバーに連結されて当該レバー同士を連動させる連結リングと、
前記各ノズルベーンの回動軸のうちの前記ノズル部円周上の互いに径方向に略対向する位置に設けられた一対の回動軸に連結されるか、または、前記連結リング円周上の互いに径方向に略対向する位置に設けられる被駆動部と、
これらの被駆動部を同時に駆動する一つのアクチュエータとを備えている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。 - 請求項1に記載の可変ターボ過給機において、
前記アクチュエータは、長手方向に沿って往復動するロッドを備え、
このロッドの両端には、前記径方向に対向した被駆動部が連結アームを介して連結されている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。 - 請求項2に記載の可変ターボ過給機において、
前記ロッドおよび前記連結アームは係合部材を介して互いに連結されているとともに、
前記ロッドおよび前記連結アームのいずれか一方には、当該連結アームの回動に伴う前記係合部材の摺動を許容する係合溝が設けられている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、
前記アクチュエータは油圧によって駆動される油圧アクチュエータである
ことを特徴とする可変ターボ過給機。 - 請求項4に記載の可変ターボ過給機において、
前記油圧アクチュエータへ供給される圧油は、エンジン潤滑用のオイルである
ことを特徴とする可変ターボ過給機。 - 請求項1ないし請求項5のいずかに記載の可変ターボ過給機において、
前記排気タービンホイールに設けられたシャフト支持用のベアリングが配置されるベアリングハウジングを備え、
このベアリングハウジング内には、前記アクチュエータが収容される収容部が設けられている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。 - エンジンにおいて、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の可変ターボ過給機を備えている
ことを特徴とするエンジン。 - 請求項7に記載のエンジンにおいて、
前記油圧アクチュエータへ供給される圧油は、エンジン潤滑用のオイルであるとともに、
前記オイルをエンジン内の各所に圧送するオイルポンプと、
このオイルポンプから圧送されるオイルの一部を昇圧して前記可変ターボ過給機に供給する昇圧ポンプとを備えている
ことを特徴とするエンジン。 - 請求項7に記載のエンジンにおいて、
前記油圧アクチュエータへ供給される圧油は、エンジン潤滑用のオイルであるとともに、
前記オイルをエンジン内の各所に圧送するオイルポンプと、
前記オイルを前記可変ターボ過給機に直接供給する前記オイルポンプとは別の油圧ポンプとを備えている
ことを特徴とするエンジン。
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JPH0626352A (ja) * | 1992-05-14 | 1994-02-01 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 可変ノズル付過給機 |
JP2003232223A (ja) * | 2002-02-08 | 2003-08-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 可変容量タービンのアクチュエータ駆動装置 |
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