JP2015040542A - 内燃機関の排気装置 - Google Patents

内燃機関の排気装置

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Abstract

【課題】 従来の過給システムは、タービンハウジングに形成される冷却水通路(ウォータジャケット)を循環する冷却水を利用してポペットバルブのステムおよびバルブガイドを冷却しているが、冷却水によりポペットバルブを直接冷却していないため、ウェイストゲート弁のバルブ冷却効果が少ないという課題があった。【解決手段】 過給圧制御システムは、ACT3、4のピストンロッド7を往復駆動する冷却水を利用してスクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2を冷却する冷却装置を備えている。この冷却装置は、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2で受熱された排気熱をピストンロッド7に伝熱してシリンダボディ5の容積可変室11内を流れる冷却水へ放熱する第1、第2放熱部83を備えている。これによって、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2を効率良く冷却することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の排気装置に関するもので、特にアクチュエータのピストンロッドを往復方向に駆動する液体(冷却液)を利用して、内燃機関の排出ガス(排気)の流量、圧力、温度を制御する排気制御弁の弁体であるバルブを冷却する内燃機関の排気冷却装置、および排気制御弁冷却装置に係わる。
従来より、複数の気筒(4気筒)を有する内燃機関(エンジン)の排気システムの一例として、エンジンの排気干渉を避けると共に、タービンインペラの回転効率を高めるようにしたツインスクロール型のターボチャージャの排気タービン(従来例1)が公知である(例えば、特許文献1参照)。
この従来例1の排気タービンのハウジングには、タービンインペラの周囲を渦巻き状に取り囲むスクロール流路を、2つの第1、第2スクロール流路に区画する仕切り部(隔壁)が設けられている。このハウジングには、第1スクロール流路よりも排気の流れ方向の上流側に接続する第1排気通路と、第2スクロール流路よりも排気の流れ方向の上流側に接続する第2排気通路とが設けられている。
エンジンは、複数の気筒からそれぞれ排出される排気を所定の気筒群毎に2分割して集合させる2つの第1、第2排気集合部(例えばエキゾーストマニホールドの集合部)を備えている。
第1排気集合部の上流側には、第1、第2気筒よりなる第1気筒群が接続し、また、第1排気集合部の下流側には、第1排気通路を介して第1スクロール流路が接続している。 第2排気集合部の上流側には、第3、第4気筒よりなる第2気筒群が接続し、また、第2排気集合部の下流側には、第2排気通路を介して第2スクロール流路が接続している。また、排気タービンのハウジングには、第1排気通路と第2排気通路とを連通する連通流路孔、およびこの連通流路孔を開閉する弁体(バルブ)を有する連通制御弁が設けられている。
また、第1排気通路と第1スクロール流路との接続部には、ウェイストゲート流路孔(バイパス流路孔)を開閉する弁体(バルブ)を有するウェイストゲート弁が設置されている。
このエンジンの排気システムによれば、エンジンの高回転時には、連通制御弁のバルブを開き、第1排気通路と第2排気通路とを連通流路孔を介して連通する。これにより、排気の圧力脈動の影響が小さくなるので、排気タービンの容量を超えた過度の排気が第1、第2スクロール流路に流入せず、エンジンの過給効率を向上させ、エンジンの燃焼状態が良好となる。
また、エンジンの低回転時には、連通制御弁のバルブを閉じ、第1排気通路と第2排気通路との連通状態を遮断する。これにより、排気の圧力脈動を利用して、排気タービンのタービンインペラを効率良く回転させることができ、エンジンの過給効率を向上させることができる。
[従来の技術の問題点]
ところが、通常のウェイストゲート弁の弁体は、タービンインペラに排気が導入されないように排気をタービンインペラからバイパス(迂回)させるバルブであり、このバルブの出口側の温度は、排気タービンを通る際に膨張して温度が下がっているため、排気温度が比較的に低い状態にある。
しかるに、従来例1のターボチャージャにおいて、連通制御弁のバルブの温度は、常に排気の温度と同一となるため、ウェイストゲート弁のバルブよりも耐熱性が必要となり、高温時に焼き付く、また、高温で材料強度が下がる等の課題があった。
また、連通制御弁のバルブの耐熱性を満足させるためには、高価な高耐熱性金属(例えばニッケル(Ni)含有量が多い高耐熱性ステンレス鋼)を使う必要があるという課題があった。
また、複数の気筒(4気筒)を有する内燃機関(エンジン)の排気装置の他の例として、ウェイストゲート弁の弁体(ポペットバルブ)のステム(弁軸)およびバルブガイドを取り囲むように、冷却水が循環供給される冷却水流路を備え、ポペットバルブのステムおよびバルブガイドを冷却して、焼き付きや固着等の不具合を解消するようにした過給システム(従来例2)が公知である(例えば、特許文献2参照)。
ところが、従来例2の過給システムにおいては、ハウジングに形成される冷却水通路(ウォータジャケット)を循環する冷却水を利用してポペットバルブのステムおよびバルブガイドを冷却しているが、冷却水によりポペットバルブを直接冷却していないため、ウェイストゲート弁のバルブ冷却効果が少ないという課題があった。
また、ウェイストゲート弁のポペットバルブは、高温の排気に熱的に接触するため、ポペットバルブのステムとバルブガイドとの間の隙間(軸受クリアランス)は、熱膨張や熱変形等による焼き付きを防止するため、一般的な弁軸と軸受との間の隙間(軸受クリアランス)と比べて大きく開けられている。あるいはポペットバルブのステムとバルブガイドとの組付誤差等によって、ステムとバルブガイドとの間の隙間寸法(ガタ)が大きい場合には、冷却水からステムへの伝熱(放熱)がし難くなる等のように、隙間寸法の違い等の影響を受ける可能性があるため、ウェイストゲート弁のバルブ冷却効果に製品ばらつきがあるという課題があった。
さらに、従来例2の過給システムにおいては、エンジンから排出された排気が流れる排気パイプの周囲を取り囲む冷却水通路に冷却水を流しているため、排気パイプを流れる排気からの熱を受熱して冷却水通路を通る冷却水が沸騰してしまい、更にウェイストゲート弁のバルブ冷却効果が得られない等の課題があった。
ここで、従来例2の過給システムのように、ウェイストゲート弁の弁体(バルブ)を冷却水等の冷却媒体を利用して直接冷却して、高温の排気に直接晒されるバルブの温度を下げたいという要望がある。
ところで、ウェイストゲート弁のバルブ温度が高いと、バルブの表面が酸化する(錆びる)可能性がある。
また、酸化した層がバリバリとめくれる(剥がれる)可能性もある。
これにより、ウェイストゲート弁のバルブがハウジングに設けられるバルブシート(弁座)に着座した場合でも、バルブとバルブシートとの間に隙間が形成されてしまい、シート不良となる。したがって、ウェイストゲート弁の全閉時に排気が洩れてしまうので、エンジンの過給効率が低下するという問題がある。
特開2004−068631号公報 実開平01−145942号公報
本発明の目的は、排気制御弁のバルブの構成材料として、安価な耐熱材料を使用することのできる内燃機関の排気装置を提供することにある。また、排気制御弁の弁体(バルブ)を効率良く冷却することのできる内燃機関の排気装置を提供することにある。さらに、排気制御弁のバルブの温度を更に低減することのできる内燃機関の排気装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明(内燃機関の排気装置)によれば、ボディのシリンダ孔内を流れる冷却液が、ボディのシリンダ孔内に往復摺動可能に支持されるピストンロッドに作用することによって、排気制御弁のバルブが開弁方向または閉弁方向に駆動される。これにより、ハウジングに形成される流路を流れる排気の物理量(例えば流量、圧力、温度または湿度)が制御される。(あるいは排気が流れる流路(経路)が、第1排気経路と第2排気経路とに切り替えられる。また、排気が流れる流路(経路)が、排気導入経路とバイパス経路とに切り替えられる。)
また、ボディのシリンダ孔内を流れる冷却液、つまり排気制御弁のバルブを駆動するアクチュエータのピストンロッドを往復駆動する動力源となる冷却液を利用して排気制御弁を冷却する冷却手段を備えている。
これによって、排気制御弁のバルブが受熱した流路の排気熱は、バルブからピストンロッドに伝熱される。そして、ピストンロッドに伝熱された排気熱は、冷却手段の放熱部(例えばピストンロッドの側面に形成される放熱面)において、ボディのシリンダ孔内を流れる冷却液へ放熱される。これにより、ボディのシリンダ孔内を流れる冷却液とピストンロッドとの熱伝導により、排気制御弁、特にバルブが効率良く冷却される。
したがって、ハウジングの流路を流れる排気に晒され、高温の排気熱を受熱することで、過熱(加熱)される排気制御弁、特にバルブの温度上昇を抑えることができる。あるいは排気制御弁、特にバルブの温度を従来例2と比べて更に下げることができるので、排気制御弁のバルブの構成材料として、高価な高耐熱材料(高耐熱性金属)よりも耐熱性が低く、安価な耐熱材料(耐熱性金属)を使用することが可能となる。これにより、排気制御弁の製品コストを低減することができる。
(a)はスクロールバルブおよびウェイストゲートバルブを駆動する第1、第2バルブアクチュエータ(ACT)の詳細を示した断面図で、(b)は図1(a)のI方向矢視図である(実施例1)。 過給圧制御システムを示した構成図である(実施例1)。 過給圧制御システムを示した構成図である(実施例2)。 過給圧制御システムを示した構成図である(実施例3)。 スクロールバルブまたはウェイストゲートバルブを駆動する第1、第2バルブアクチュエータ(ACT)の詳細を示した断面図である(実施例4)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
[実施例1の構成]
図1および図2は、本発明を適用した過給圧制御システム(実施例1)を示したものである。
本実施例の内燃機関の制御装置(エンジン制御システム)は、例えば自動車等の車両走行用の内燃機関(エンジンE)の排気ガス(排気)の圧力を利用して、エアクリーナを通過した吸入空気(吸気)を過給(圧縮)するツインスクロール型のターボチャージャを有する過給システム(内燃機関の過給装置)を備え、ターボチャージャの過給圧を制御する過給圧制御システム(内燃機関の排気装置、内燃機関の過給圧制御装置)として使用される。
過給圧制御システムは、吸気コンプレッサおよび排気タービンを有するターボチャージャと、排気タービンに組み込まれるスクロール切替弁(排気制御弁)と、このスクロール切替弁の弁体であるスクロールバルブ1と、このスクロールバルブ1を開閉駆動する第1バルブ駆動装置と、排気タービンに組み込まれるウェイストゲート弁(排気制御弁)と、このウェイストゲート弁の弁体であるウェイストゲートバルブ2を開閉駆動する第2バルブ駆動装置と、エンジンEの各摺動部(各部)およびターボチャージャの軸受機構へ潤滑油を供給する潤滑油供給装置を備えている。
第1、第2バルブ駆動装置は、第1、第2バルブアクチュエータ(以下ACT3、4)と、これらのACT3、4の各第1、第2シリンダボディ(以下シリンダボディ5)内に各ACT3、4の各ピストンロッド7を往復駆動する動力源である冷却水を供給する冷却水供給装置とを備えている。この冷却水供給装置は、エンジンEの各部、ターボチャージャの各部(スクロールバルブ1、ウェイストゲートバルブ2等)を、上記の冷却水を利用して冷却するエンジン(バルブ)冷却装置(冷却手段:以下冷却装置6)を備えている。
ACT3、4は、各シリンダボディ5の一端を貫通してシリンダボディ5の外部へ突出する第1、第2ピストンロッド(以下ピストンロッド7)を備えている。
ここで、スクロール切替弁は、ピストンロッド7の往復変位に基づいて、スクロールバルブ1の開閉動作を行う。また、ウェイストゲート弁は、ピストンロッド7の往復変位に基づいて、ウェイストゲートバルブ2の開閉動作を行う。
ACT3、4の各ピストンロッド7は、第1、第2ピストン本体(以下ピストン8)および第1、第2ロッド本体(以下ロッド9)を備えている。
ACT3、4の各シリンダボディ5は、ピストン8の往復方向の一側面との間に、少なくとも1つの容積可変室11を形成する隔壁(筒状のシリンダ13、環状壁14、環状のカバー15)を備えている。また、ACT3、4の各シリンダボディ5は、ピストン8の往復方向の両側面との間に、2つの第1、第2容積可変室(以下容積可変室11、12)をそれぞれ形成する隔壁(筒状のシリンダ13、環状壁14、環状のカバー15)を備えている。
冷却水供給装置は、エンジンEのウォータジャケットからACT3、4の各容積可変室11へそれぞれ冷却水を導入する冷却水導入経路に第1、第2固定絞り(以下オリフィス16)を備えている。また、冷却水供給装置は、ACT3、4の各容積可変室11からラジエータ側へそれぞれ冷却水を戻す冷却水排出経路に第1、第2電磁可変絞り弁(冷却液制御弁:可変絞り弁17)を備えている。これらの可変絞り弁17の弁体を開閉駆動する電磁アクチュエータ18は、外部制御回路であるエンジン制御ユニット(電子制御装置:以下ECU)19によって電子制御される電磁弁駆動回路を介して、例えば自動車等の車両に搭載される外部電源(バッテリ)に電気接続されている。
エンジンEは、複数の気筒(第1気筒#1〜第4気筒#4)を有する、所謂4気筒のエンジンである。
本実施例では、各気筒#1〜#4の点火順序、あるいはインジェクタからの燃料噴射の順序は、第1気筒#1→第3気筒#3→第4気筒#4→第2気筒#2であり、この順で吸気行程や排気行程等が実施される。
各気筒#1〜#4の吸気ポートには、インテークマニホールド(図示せず)が接続されている。このインテークマニホールドの上流端には、内部に吸気通路が形成される吸気管が接続されている。この吸気管には、エアクリーナ、ターボチャージャの吸気コンプレッサ、インタークーラおよびスロットルバルブ等が設置されている。
各気筒#1〜#4の排気ポートには、エキゾーストマニホールドが接続されている。このエキゾーストマニホールドの下流端には、内部に排気通路が形成される排気管が接続されている。この排気管には、ターボチャージャの排気タービン、排気浄化装置(触媒)およびマフラー等が設置されている。
インテークマニホールドには、各気筒#1〜#4の吸気ポートに連通する複数の吸気分岐通路が接続され、また、複数の吸気分岐通路は、1つの吸気通路の下流端部(例えばサージタンク)で各気筒#1〜#4毎に分岐している。
エキゾーストマニホールドには、各気筒#1〜#4の排気ポートに連通する複数の排気分岐通路が接続されている。また、本実施例のエキゾーストマニホールドは、各気筒#1〜#4からそれぞれ排出される排気を集合させる排気集合部(エキゾーストマニホールドの排気集合部20)を備えている。
本実施例の排気集合部20は、各気筒#1〜#4からそれぞれ排出される排気を、所定の気筒群毎に2分割して集合させる2つの第1、第2排気集合部(エキゾーストマニホールドの排気集合部21、22)を備えている。
排気集合部21の上流側には、第1、第4気筒#1、#4よりなる第1気筒群の排気ポートおよび排気分岐通路が接続し、また、排気集合部21の下流側には、第1排気導入流路を介して第1スクロール流路(後述する)が接続している。
排気集合部22の上流側には、第2、第3気筒#2、#3よりなる第2気筒群の排気ポートおよび排気分岐通路が接続し、また、排気集合部22の下流側には、第2排気導入流路を介して第2スクロール流路(後述する)が接続している。
ターボチャージャは、エアクリーナからスロットルボディやインテークマニホールドへ吸気を流す吸気通路(吸気経路)の途中に設けられた吸気コンプレッサと、エキゾーストマニホールドの各排気集合部21、22から排気浄化装置へ排気を流す排気通路(排気経路)の途中に設けられた排気タービンとを備えている。
ターボチャージャは、排気タービンのホイール(タービンインペラ23)が排気により回転駆動されると、タービンインペラ23に一体回転可能に連結したタービンシャフト24および吸気コンプレッサのホイール(コンプレッサインペラ25)も回転し、このコンプレッサインペラ25が吸気を圧縮して、エンジンEの気筒内に送り込むターボ過給機である。
排気タービンは、タービンインペラ23およびタービンハウジング(以下ハウジング26)を備えている。タービンインペラ23は、円周方向に複数のタービンブレード(翼)を有し、エンジンEの排気圧力により回転駆動される。そして、タービンインペラ23は、タービンシャフト24を介して、コンプレッサインペラ25と直接的に連結してコンプレッサインペラ25を回転駆動(直結駆動)する。
吸気コンプレッサは、コンプレッサインペラ25およびコンプレッサハウジング(以下ハウジング27)を備えている。コンプレッサインペラ25は、円周方向に複数のコンプレッサブレード(翼)を有し、タービンシャフト24を介して、タービンインペラ23に連結して回転駆動される。
ここで、排気タービンのハウジング26と吸気コンプレッサのハウジング27との間には、例えば耐熱アルミニウム合金や耐熱鋼等の耐熱性金属によって形成されるセンタハウジング(以下ハウジング28)が設けられている。このハウジング28の内部には、タービンシャフト24がその軸線方向(回転軸方向)に挿入される軸受孔が形成されている。このハウジング28には、タービンシャフト24が摺動可能に嵌挿される軸孔を有する円筒状のラジアル軸受29の外周部を保持固定する軸受保持部(ベアリングホルダ)が設けられている。
なお、ハウジング28の軸受保持部およびラジアル軸受29等によってターボチャージャの軸受機構が構成される。
ところで、排気タービンのハウジング26は、例えば耐熱アルミニウム合金、耐熱鋼や耐熱鋳鋼等の耐熱性金属により形成されている。このハウジング26には、タービンインペラ23の周囲を取り囲むようにシュラウド壁が設けられている。ハウジング26の中央部には、タービンインペラ23を回転可能に収容するインペラ収容空間が形成されている。
タービンインペラ23およびインペラ収容空間よりも排気流れの方向の上流側には、タービンインペラ23およびインペラ収容空間を渦巻き状に囲むようにスクロール流路(排気導入経路)が設けられている。
ここで、本実施例のハウジング26には、スクロール流路を、2つの排気集合部21、22にそれぞれ連通する2つの第1、第2スクロール流路31、32に区画形成する隔壁等の区画部(仕切り部)33が設けられている。
ハウジング26には、区画部33を貫通して第1スクロール流路31を第2スクロール流路32に合流させる合流部(合流流路34)が形成されている。この合流流路34には、ACT3によって駆動されるスクロールバルブ1が設置されている。
なお、合流流路34は、第1スクロール流路31を流れる排気の一部または全部を、第1スクロール流路31と隣接する第2スクロール流路32へ合流させる排気導入経路の一部を構成している。
2つの第1、第2スクロール流路31、32の上流側には、ハウジング26の外部(2つの排気集合部21、22)から排気が流入する2つの第1、第2排気導入流路が設けられている。また、これらの第1、第2排気導入流路の上流端には、2つの第1、第2排気入口ポート(排気入口部)がそれぞれ設けられている。
また、インペラ収容空間の下流側には、タービンインペラ23の回転軸方向の一端側へ排気を排出させる排気排出流路38が設けられている。この排気排出流路38の下流端には、排気出口ポート(排気出口部)が設けられている。
また、ハウジング26には、スクロールバルブ1を開閉(回転)可能に収容する第1バルブボディ、およびウェイストゲートバルブ2を開閉(回転)可能に収容する第2バルブボディが一体的に設けられている。
また、ハウジング26には、各排気集合部21、22から各第1、第2排気導入流路、各第1、第2スクロール流路31、32へ流入した排気を、タービンインペラ23およびインペラ収容空間から迂回(バイパス)させる2つの第1、第2バイパス流路(以下バイパス流路35、36)が形成されている。これらのバイパス流路35、36の下流端には、排気排出流路38へ排気を導く1つのバイパス流路37が設けられている。また、バイパス流路35、36とバイパス流路37との接続部には、ACT4によって駆動されるウェイストゲートバルブ2が設置されている。
なお、バイパス流路35〜37は、2つの第1、第2スクロール流路31、32をそれぞれ流れる排気の一部を排気排出流路38へ誘導する排気バイパス経路を構成している。
次に、本実施例のスクロール切替弁、ウェイストゲート弁およびACT3、4の詳細を、図1および図2に基づいて簡単に説明する。
スクロール切替弁は、ACT3のシリンダボディ5の外部へ突出するピストンロッド7の軸線方向の往復変位に基づいて、ハウジング26に設けられる合流流路34を開閉するプレート状のスクロールバルブ1と、このスクロールバルブ1と一体回転可能に連結した一対の第1バルブアーム(以下アーム41)とを備えている。
スクロールバルブ1は、基端部から先端部へ向けて真っ直ぐに延びるプレート状の第1弁体であって、基端部がアーム41の嵌合孔に圧入嵌合されたピボットピン42に接続されている。
スクロールバルブ1は、エンジンEの排気集合部21、22からタービンインペラ23へ排気を導入する排気導入モードを、排気導入モードA〜Cのいずれかに切り替える排気導入モード(第1経路)切替手段を構成している。
なお、スクロール切替弁のバルブ開度は、オリフィス16の固定絞り量、可変絞り弁17の可変絞り量、および第1リターンスプリング(スプリング43)の設定荷重(スプリング力)等によって変更される容積可変室11への冷却水の流量または圧力により可変制御されるように構成されている。また、可変絞り弁17の可変絞り量を、エンジンEの運転状況に対応して設定される目標過給圧またはエンジン回転速度またはエンジン負荷(アクセル開度やスロットル開度等)によって変更しても良い。
排気導入モードAとは、第1スクロール流路31を流れる排気の全部を合流流路34を介して第2スクロール流路32へ合流させ、第2スクロール流路32のみからタービンインペラ23へ排気を導入する第1排気導入経路のことである。
排気導入モードBとは、2つの第1、第2スクロール流路31、32の双方からタービンインペラ23へ排気を導入する第2排気導入経路のことである。
排気導入モードCとは、スクロールバルブ1の開度を可変することで、第1スクロール流路31を流れる排気の一部を合流流路34を介して第2スクロール流路32へ合流させ、2つの第1、第2スクロール流路31、32の双方からタービンインペラ23へ導入される排気の流量を調整する第3排気導入経路のことである。なお、排気導入モードCは設けなくても良い。
ウェイストゲート弁は、スクロール切替弁と同様に、ACT4のシリンダボディ5の外部へ突出するピストンロッド7の軸線方向の往復変位に基づいて、ハウジング26に設けられるバイパス流路35〜37を開閉するプレート状のウェイストゲートバルブ2と、このウェイストゲートバルブ2と一体回転可能に連結した一対の第2バルブアーム(以下アーム41)とを備えている。
ウェイストゲートバルブ2は、基端部から先端部へ向けて真っ直ぐに延びるプレート状の第2弁体であって、基端部がアーム41の嵌合孔に圧入嵌合されたピボットピン42に接続されている。
ウェイストゲートバルブ2は、タービンインペラ23から排気を迂回をさせるか否かを設定する排気バイパスモードを、バイパス全閉モードD、バイパス全開モードE、バイパス流量可変モードFのいずれかに切り替える排気バイパスモード(第2経路)切替手段を構成している。
なお、ウェイストゲート弁のバルブ開度は、スクロール切替弁と同様に、固定絞り(オリフィス16)の固定絞り量、可変絞り弁17の可変絞り量、および第2リターンスプリング(スプリング43)の設定荷重(スプリング力)等によって変更される容積可変室11への冷却水の流量または圧力により可変制御されるように構成されている。また、可変絞り弁17の可変絞り量を、エンジンEの運転状況に対応して設定される目標過給圧またはエンジン回転速度またはエンジン負荷(アクセル開度やスロットル開度等)によって変更しても良い。
バイパス全閉モードDとは、ウェイストゲート流路を構成するバイパス流路35〜37を閉塞して、第1、第2スクロール流路31、32のいずれか一方のスクロール流路、あるいは2つの第1、第2スクロール流路31、32の双方からタービンインペラ23へ排気を導入する第1排気バイパス経路のことである。
バイパス全開モードEとは、バイパス流路35〜37を開放して、2つの第1、第2スクロール流路31、32を流れる排気をタービンインペラ23からバイパスさせる第2排気バイパス経路のことである。
バイパス流量可変モードFとは、ウェイストゲートバルブ2の開度を可変することで、バイパス流路35〜37を流れる排気の流量を調整する第3排気バイパス経路のことである。なお、バイパス流量可変モードFは設けなくても良い。
本実施例のACT3は、シリンダボディ5と、このシリンダボディ5の内部に配置される基端部(ピストン8)からシリンダボディ5の外部へ突出する先端部(ロッド9の一端部:出力部)に至るまで軸線方向に真っ直ぐに延びるピストンロッド7と、このピストンロッド7のピストン本体(以下ピストン8)およびロッド本体(ロッド9)に対して、スクロールバルブ1を閉弁方向に付勢する付勢力を発生するスプリング43と、ピストンロッド7の軸線方向の往復変位をアーム41を介してスクロールバルブ1に伝える第1リンクプレート(以下リンク44)とを備えている。
ACT3は、ピストンロッド7のピストン8およびロッド9をその軸線方向に往復移動させることで、リンク44を介してスクロールバルブ1を開弁駆動または閉弁駆動する第1バルブアクチュエータである。
シリンダボディ5は、ピストンロッド7の最大径部であるピストン8の外周部をその軸線方向に往復摺動可能に支持するシリンダ孔45が形成された筒状のシリンダ13、このシリンダ13の一端側に環状壁14を介して接続されて、内部にスプリング43を伸縮可能に収容する筒状の第1スプリングホルダ(以下スプリングホルダ46)、および内部に第1ラジアル軸受(以下ラジアル軸受47)を保持する筒状の第1ベアリングホルダ(以下軸受ホルダ48)を有している。
シリンダボディ5は、シリンダ13の一端が閉塞され、シリンダ13の他端が開口している。このシリンダ13の開口部は、カバー15によって閉塞されている。
シリンダボディ5、特にシリンダ13の内部のシリンダ孔45は、ピストン8によって容積可変室11と容積可変室12とに区画形成されている。
容積可変室11は、ピストン8の片面(他端面)とカバー15との間に形成されている。この容積可変室11内には、冷却水が常時流通するように構成されている。
シリンダ13の図示上部には、エンジンEの冷却水循環回路(後述する)またはウォータジャケット(後述する)からオリフィス16を経て容積可変室11内へ冷却水を流入させるための入口部が設けられている。また、シリンダ13の図示下部には、容積可変室11内から可変絞り弁17を経てエンジンEの冷却水循環回路またはラジエータ(後述する)へ冷却水を流出させるための出口部が設けられている。
容積可変室12は、ピストン8の他の片面(一端面)と環状の段差との間に形成されている。この容積可変室12内には、スプリング43が収容されている。また、容積可変室12は、スプリングホルダ46と軸受ホルダ48との間に形成される円筒状のスプリング収納空間を含んで構成されている。
シリンダ13の容積可変室12内には、金属素線が螺旋状に巻装されたスプリング43が収容されている。このスプリング43は、ピストン8およびロッド9に対して、スクロールバルブ1を閉じる側に付勢する付勢力(スプリング荷重)を発生する付勢手段である。
リンク44は、入力部および出力部を有している。このリンク44の入力部には、第1ヒンジピン(以下ピボットピン51)が摺動可能に挿入される円形状の嵌合孔が形成されている。また、リンク44の出力部には、第2ヒンジピン(以下ピボットピン52)が摺動可能に挿入される円形状の嵌合孔が形成されている。
軸受ホルダ48は、スプリングホルダ46の内径側に同軸的に設けられスプリングホルダ46とシリンダボディ5の2重筒状部を構成している。
ピストンロッド7は、軸受ホルダ48の一端を貫通してシリンダボディ5の外部へ突出するように設けられている。このピストンロッド7は、シリンダボディ5のシリンダ孔45内を流れる冷却水の作用により自身がその軸線方向に往復駆動されることで、スクロールバルブ1を開弁駆動(または閉弁駆動)する。また、ピストンロッド7は、シリンダ13のシリンダ孔45内に往復摺動可能に支持されるピストン8、およびスクロールバルブ1とピストン8とを一体移動可能および熱伝達可能に連結するロッド9を備えている。
ピストン8の外周部には、シリンダ13のシリンダ孔45の孔壁面に摺接すると共に、ピストン8とシリンダ13との間の隙間をシールするシールリング53が装着されている。
ロッド9は、ピストン8の中央部の側面(図示右側面)からバルブ側へ突出するように設けられて、軸線方向に真っ直ぐに延びる軸方向部である。
このロッド9は、ピストン8の側面に一体的に設けられた径大軸部、この径大軸部の先端面に一体的に設けられて、径大軸部よりも外径が小さい径小軸部、およびこの径小軸部の先端側に一体的に設けられた二股形状の嵌合部54を備えている。
嵌合部54には、リンク44の入力部が摺動可能に収容される収容凹部55が形成されている。この嵌合部54は、ピボットピン52の軸方向の両端を嵌合固定する円形状の嵌合孔が形成されている。
ロッド9の径大軸部の外周部には、軸受ホルダ48の軸受孔の孔壁面に摺接すると共に、ロッド9と軸受ホルダ48との間の隙間をシールするOリング56が装着されている。また、ロッド9の径小軸部の外周部は、ラジアル軸受47を介して、軸受ホルダ48に摺動可能に収容されている。
本実施例のACT4は、ACT3と同様に、シリンダボディ5、ピストンロッド7、スプリング43およびリンク44を備えている。このACT4は、ピストンロッド7のピストン8およびロッド9をその軸線方向に往復移動させることで、リンク44を介してウェイストゲートバルブ2を開弁駆動または閉弁駆動する第2バルブアクチュエータである。 ACT4のシリンダボディ5は、ACT3のシリンダボディ5と同様に、内部にシリンダ孔45が形成された筒状のシリンダ13、ラジアル軸受47を保持する筒状の軸受ホルダ48を有している。このシリンダボディ5の内部には、ピストンロッド7のピストン8によって区画形成される2つの容積可変室11、12が設けられている。
ここで、オリフィス16は、エンジンEの冷却水循環回路(後述する)またはウォータジャケット(後述する)からACT3、4の各容積可変室11へ導入する冷却水の流量を制限するように構成されている。例えば可変絞り弁17の絞り量よりもオリフィス16の絞り量を大きくすることで、容積可変室11へ流入する冷却水の流入量よりも容積可変室11から流出する冷却水の流出量が多くなる。このため、速やかにスプリング43の付勢力によってピストンロッド7を閉弁方向(図示左方向)に変位させることができる。これにより、スクロールバルブ1やウェイストゲートバルブ2の閉弁速度を早くすることができる。
ここで、可変絞り弁17は、スリーブ内をスプールが往復移動可能なスプール制御弁と、このスプール制御弁のスプールを駆動する電磁アクチュエータ18とを備えている。
スプール制御弁のスリーブの内部には、スプールが摺動するスプール孔、ACT3、4の各容積可変室11からスプール孔の内部へ冷却水が供給される入口ポート、およびスプール孔の内部からラジエータ(後述する)へ冷却水を排出する出口ポートが形成されている。
可変絞り弁17は、入口ポートまたは出口ポートの開口面積をスプールの移動位置に応じて変更することで、容積可変室11を流れる冷却水の流量または圧力を調整する。
電磁アクチュエータ18には、スプールバルブの移動量(リフト量)に相当するバルブ開度に対応した信号をECU19へ出力するリフトセンサが設けられている。この可変絞り弁17のバルブ開度は、ECU19によって電子制御される。これにより、ACT3、4の各容積可変室11に導入される冷却水の流量または圧力がエンジンEの運転状況または運転条件に対応した最適値となるように調整される。
ここで、ACT3、4、特に各容積可変室11内に導入される冷却水の流量を調整する可変絞り弁17は、ECU19によって電子制御される電磁弁駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気接続されている。
ECU19には、CPU、メモリ(ROM、RAM)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー回路および電磁弁駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが内蔵されている。
CPUは、プログラムによって様々な数値演算処理、情報処理および制御(過給圧制御)等を行う。
ROMには、CPUによる様々な数値演算処理、情報処理および制御等に必要なプログラムが予め記憶されている。
RAMには、CPUによる様々な数値演算処理による中間情報が一時的に記録(記憶、格納)され、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)がOFFとなると記憶された情報は消える。
ここで、マイクロコンピュータの入力部には、クランク角度センサS1、アクセル開度センサS2、過給圧センサS3、リフトセンサ、エアフロメータ、スロットル開度センサ、吸気温センサ、冷却水温センサおよび排気センサ(空燃比センサ、酸素濃度センサ)等の各種センサからのセンサ出力信号が、A/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
また、ECU19は、イグニッションスイッチがONされると、先ず、エンジンEの運転状況(エンジン情報)または運転条件(状態)を算出するのに必要な各種センサ出力信号を取得(入力)し、エンジンEの運転状況または運転条件およびROMに格納されたプログラムに基づいて、少なくとも可変絞り弁17の電磁アクチュエータ18を電子制御するように構成されている。
ECU19は、エンジンEの低速運転時、つまりエンジン回転速度が第1所定値(例えば1500rpm未満)となる低速回転領域の場合、可変絞り弁17のスプールをリフトさせ、可変絞り弁17のスプールをデフォルト位置(初期位置)から移動させる。これにより、ACT3の容積可変室11を流れる冷却水の流量が多くなり、容積可変室11の容積が大きくなる側(開弁方向)にピストンロッド7が移動する。
したがって、スクロールバルブ1が開弁し、第1スクロール流路31を流れる排気の全部が、合流流路34を介して第2スクロール流路32へ合流するため、第2スクロール流路32のみからタービンインペラ23へ排気を導入する排気導入モードAとなる。
一方、ACT4の容積可変室11を流れる冷却水の流量は、変化しないため、容積可変室11の容積も変化せず、ピストンロッド7も動かない。
したがって、ウェイストゲートバルブ2は、閉弁状態に維持されるため、バイパス流路35〜37を閉塞するバイパス全閉モードDとなる。
この結果、エンジンEのエキゾーストマニホールドの排気集合部21から第1スクロール流路31に流入した排気は、合流流路34を介して、排気集合部22から流出して第2スクロール流路32を流れる排気と合流して、第2スクロール流路32からインペラ収容空間内に導入される。そして、インペラ収容空間内に導入された排気は、排気タービンのタービンインペラ23を回転駆動する。
一方、エアクリーナからハウジング27内に流入した吸気は、タービンインペラ23の回転により駆動されるコンプレッサインペラ25の遠心力によって圧縮されて圧力(過給圧)が上昇する。そして、圧力が上昇した吸気は、インテークマニホールド、吸気ポートを通ってエンジンEの気筒(第1気筒#1〜第4気筒#4のいずれかの気筒)内に吸い込まれる。
したがって、エンジンEの低速運転時のように少ない排気流量でも十分高速な吸気の流れが得られるので、エンジンEの低速運転時における過給圧を高めることができる。
ECU19は、エンジンEの中速運転時、つまりエンジン回転速度が第2所定値(例えば1500rpm以上で、且つ2500rpm未満)となる中速回転領域の場合、可変絞り弁17のスプールをデフォルト位置(初期位置)に戻す。
これにより、ACT3の容積可変室11を流れる冷却水の流量を少なくして、スプリング43の付勢力によって容積可変室11の容積が小さくなる側(閉弁方向)にピストンロッド7が移動する。
したがって、スクロールバルブ1が閉弁し、2つの第1、第2スクロール流路31、32の双方からタービンインペラ23へ排気を導入する排気導入モードBとなる。
一方、ACT4の容積可変室11を流れる冷却水の流量は、エンジンEの低速運転時と同様に、変化しないため、ピストンロッド7は動かず、バイパス流路35〜37を閉塞するバイパス全閉モードDとなる。
この結果、エンジンEのエキゾーストマニホールドの各排気集合部21、22から第1、第2スクロール流路31、32にそれぞれ流入した排気は、第1、第2スクロール流路31、32からそれぞれインペラ収容空間内に導入される。そして、インペラ収容空間内に導入された排気は、排気タービンのタービンインペラ23を回転駆動する。
一方、エアクリーナからハウジング27内に流入した吸気は、タービンインペラ23の回転により駆動されるコンプレッサインペラ25の遠心力によって圧縮されて圧力(過給圧)が上昇する。そして、圧力が上昇した吸気は、インテークマニホールド、吸気ポートを通ってエンジンEの気筒(第1気筒#1〜第4気筒#4のいずれかの気筒)内に吸い込まれる。
したがって、タービンインペラ23に導入される排気流量が増大し、エンジンEの中速運転時における過給圧を高めることができる。
ECU19は、エンジンEの高速運転時、つまりエンジン回転速度が第3所定値(例えば2500rpm以上)となる高速回転領域の場合、可変絞り弁17のスプールのデフォルト位置(初期位置)から移動させ、可変絞り弁17のスプールをリフトさせる。これにより、ACT4の容積可変室11を流れる冷却水の流量が多くなり、容積可変室11の容積が大きくなる側(開弁方向)にピストンロッド7が移動する。
したがって、ウェイストゲートバルブ2が開弁し、バイパス流路35〜37を開放するバイパス全開モードEとなる。
この結果、第1、第2スクロール流路31、32を流れる排気の一部または全部が、バイパス流路35〜37を通って排気排出流路38へ流入する。つまり排気の一部または全部が、タービンインペラ23を迂回するため、タービンインペラ23に導かれる排気の流量が減るので、排気タービンのタービンインペラ23に作用する排気エネルギーが減少する。これにより、タービンインペラ23の過回転が抑制され、吸気コンプレッサの過給圧が設定値以下に抑えられる。
潤滑油供給装置は、オイルポンプ61と、このオイルポンプ61から吐出されるエンジンオイル(潤滑油、潤滑オイル:以下オイル)を冷却液(例えば冷却水等)を利用して冷却するオイルクーラ(図示せず)と、オイルポンプ61から吐出されたオイルを、エンジンEの各部へ循環供給する潤滑油循環回路62と、オイルポンプ61から吐出されたオイルを、ターボチャージャのハウジング28の内部(特にラジアル軸受29)へ循環供給する潤滑油循環回路63とを備えている。
オイルポンプ61は、エンジンEのクランクシャフト(または電動モータ)の回転と同期して回転駆動されて、潤滑油循環回路62、63中に冷却水の循環流を発生させるものである。このオイルポンプ61は、オイルを貯留する貯留槽であるオイルパン(またはオイルタンクでも構わない)内のオイルを吸入し、オイルパンから吸入したオイルを加圧して潤滑油循環回路62、63側へ圧送する液体圧(油圧)発生手段である。
オイルクーラは、オイルポンプ61の吐出側と、潤滑油循環回路62と潤滑油循環回路63との分岐部よりもオイル流れ方向の上流側との間に接続されている。これにより、オイルクーラでオイルを冷却することで、所定の温度範囲(例えば60〜80℃)のオイルをラジアル軸受29およびエンジンEの各部へ循環供給することができる。
潤滑油循環回路62は、オイルポンプ61から吐出されたオイルをオイルクーラを経てエンジンEの各部へ供給するためのオイル供給流路(経路)、およびエンジンEの各部を潤滑したオイルをオイルパンへ戻すオイル排出流路(経路)を備えている。なお、潤滑油循環回路62は、エンジンEの各部にオイルを分配供給する複数のオイル供給流路(経路)を有している。
潤滑油循環回路63は、オイルポンプ61から吐出されたオイルをターボチャージャのラジアル軸受29等へ供給するためのオイル供給流路(経路)、およびラジアル軸受29等を潤滑したオイルをオイルパンへ戻すオイル排出流路(経路)を備えている。なお、潤滑油循環回路63は、ラジアル軸受29以外のスラスト軸受(図示せず)へもオイルを分配供給する複数のオイル供給流路(経路)を有している。
次に、本実施例の冷却装置6の詳細を、図1および図2に基づいて簡単に説明する。
冷却装置6は、ラジエータ71から冷却水を吸入するウォータポンプ72と、このウォータポンプ72から吐出された液体状の冷却媒体(冷却液)であるエンジン冷却水(以下冷却水)を、エンジンEのウォータジャケットへ循環供給する冷却水循環回路73と、ウォータポンプ72から吐出された冷却水を、ターボチャージャのハウジング28のウォータジャケットWへ循環供給する冷却水循環回路74と、ウォータポンプ72から吐出された冷却水を、ACT3、4の各容積可変室11へ冷却水を循環供給する冷却水循環回路75とを備えている。
ラジエータ71は、ウォータポンプ72に吸入される冷却水を気体状の冷却媒体(冷却風、例えば外気等)を利用して冷却する熱交換器(放熱器)である。
このラジエータ71は、チューブ内を通過する冷却水とチューブ外を通過する冷却風(外気)とを熱交換させることで、冷却装置6の冷却水循環回路73〜75を循環する冷却水を、所定の温度範囲(例えば60〜80℃)に冷却している。これにより、所定の温度範囲の冷却水を、エンジンEのウォータジャケット、ターボチャージャのウォータジャケットW、およびACT3、4の各容積可変室11等へ循環供給することが可能となる。
ウォータポンプ72は、冷却水循環回路73〜75中に冷却水の循環流を発生させるものである。このウォータポンプ72は、エンジンEのクランクシャフト(または電動モータ)の回転と同期して回転駆動されて、ラジエータ71で冷却された冷却水を吸入し、吸入した冷却水を加圧して冷却水循環回路73〜75側へ圧送する液体圧(水圧)発生手段である。
冷却水循環回路73は、ウォータポンプ72から吐出された冷却水を、エンジンEのウォータジャケットへ供給するための冷却水供給流路(経路)、およびエンジンEの各部を冷却した冷却水をラジエータ71を経由してウォータポンプ72の吸入側へ戻す冷却水戻し流路(経路)を備えている。なお、エンジンEのウォータジャケットは、エンジンEの各部(シリンダヘッド、シリンダブロック)に冷却水を分配供給する複数の冷却水供給流路(経路)を有している。また、ウォータジャケットは、エンジンEのシリンダヘッドおよびシリンダブロックにおいて、各気筒(第1気筒#1〜第4気筒#4)を取り囲むように設けられている。
冷却水循環回路74は、エンジンEのウォータジャケットで冷却水循環回路73から分流した冷却水を、ウォータジャケットWへ冷却水を循環供給するための冷却水供給流路(経路)、およびラジアル軸受29を冷却した冷却水を冷却水循環回路73の冷却水戻し流路に合流させる冷却水戻し流路(経路)を備えている。なお、ターボチャージャのウォータジャケットWは、ラジアル軸受29の周囲を取り囲むように設けられている。
冷却水循環回路75は、冷却水循環回路74の冷却水供給流路の途中で冷却水循環回路74から分流した冷却水を、オリフィス16を経てACT3、4の各容積可変室11へ冷却水を循環供給するための冷却水供給流路(冷却水導入経路)、およびACT3、4の各容積可変室11の出口部から流出した冷却水を、可変絞り弁17を経て冷却水循環回路73の冷却水戻し流路に合流させる冷却水戻し流路(冷却水排出経路)を備えている。
冷却水導入経路は、この経路上の分岐部で分岐した冷却水をオリフィス16を経てACT3の容積可変室11へ導くための第1冷却水導入経路76a、および分岐部で分岐した冷却水をオリフィス16を経てACT4の容積可変室11へ導くための第2冷却水導入経路76bを有している。
冷却水排出経路は、ACT3の容積可変室11の出口部から流出した冷却水を可変絞り弁17を経て、冷却水排出経路上の合流部で合流させるための第1冷却水排出経路77a、およびACT4の容積可変室11の出口部から流出した冷却水を可変絞り弁17を経て、冷却水排出経路上の合流部で合流させるための第2冷却水排出経路77bを有している。
冷却装置6は、上記の他に、2つの第1、第2スクロール流路31、32および合流流路34を流れる排気に熱的に接触する第1受熱部81、バイパス流路35〜37を流れる排気に熱的に接触する第2受熱部81、スクロールバルブ1とピストン8に熱的に接触する第1熱伝達部82、ウェイストゲートバルブ2とピストン8に熱的に接触する第2熱伝達部82、スクロールバルブ1が受熱した排気熱を、ピストンロッド7に伝熱してACT3の容積可変室11内を流れる冷却水へ放熱する第1放熱部83、ウェイストゲートバルブ2が受熱した排気熱を、ピストンロッド7に伝熱してACT4の容積可変室11内を流れる冷却水へ放熱する第2放熱部83を有している。
第1、第2受熱部81は、スクロールバルブ1の表面およびウェイストゲートバルブ2の表面に設けられる熱接触部である。
第1、第2熱伝達部82は、ロッド9、アーム41およびリンク44等に設けられている。第1熱伝達部82は、スクロールバルブ1の表面の第1受熱部81が受熱した排気熱をピストン8に伝熱する部位である。第2熱伝達部82は、ウェイストゲートバルブ2の表面の第2受熱部81が受熱した排気熱をピストン8に伝熱する部位である。
第1、第2放熱部83は、ACT3、4の各容積可変室11内に導入された冷却水に熱的に接触する熱接触部を有し、この熱接触部は、ピストン8の一側面(図示左側面)および外周面に設けられている。
ここで、スクロールバルブ1の表面が、第1受熱部81として2つの第1、第2スクロール流路31、32および合流流路34を流れる排気に晒されているため、そのスクロールバルブ1の材質として、耐熱性に優れる耐熱性金属が使用される。また、スクロールバルブ1は、アーム41およびリンク44を介して、ACT3のピストンロッド7と熱的に接触しているため、アーム41およびリンク44の材質として、熱伝導性に優れるアルミニウム合金や銅等の金属が使用される。また、ACT3のピストンロッド7は、アーム41およびリンク44を介して、スクロールバルブ1とピストン8に熱的に接触するロッド9を備えているため、そのピストンロッド7の材質として、熱伝導性に優れるアルミニウム合金や銅等の金属が使用される。
また、ウェイストゲートバルブ2の表面が、第2受熱部81としてバイパス流路35〜37を流れる高温の排気に晒されているため、そのウェイストゲートバルブ2の材質として、耐熱性に優れる耐熱性金属が使用される。また、ウェイストゲートバルブ2は、アーム41およびリンク44を介して、ACT4のピストンロッド7と熱的に接触しているため、アーム41およびリンク44の材質として、熱伝導性に優れるアルミニウム合金や銅等の金属が使用される。また、ACT4のピストンロッド7は、アーム41およびリンク44を介して、ウェイストゲートバルブ2とピストン8に熱的に接触するロッド9を備えているため、そのピストンロッド7の材質として、熱伝導性に優れるアルミニウム合金や銅等の金属が使用される。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の過給圧制御システムにおいては、ACT3、4のシリンダボディ5の容積可変室11内を流れる冷却水が、シリンダ13のシリンダ孔45内に往復摺動可能に支持されるピストンロッド7に作用することによって、ピストンロッド7が開弁方向へ移動する。これにより、スクロールバルブ1またはウェイストゲートバルブ2を開弁駆動することで、エンジンEの過給圧を高めて、エンジンEの出力軸トルク(エンジントルク)を高めることができる。
また、シリンダボディ5の容積可変室11内を流れる冷却水、つまりACT3、4の各ピストンロッド7を往復駆動する動力源である冷却水を利用してスクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2を冷却する冷却装置6を備えている。これにより、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2の第1、第2受熱部81で受熱された排気熱は、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2からアーム41、リンク44およびピストンロッド7に伝熱され、更に、ピストンロッド7に伝熱された排気熱は、ピストンロッド7の第1、第2放熱部(例えばピストンロッド7の側面に形成される放熱面)83において、シリンダボディ5の容積可変室11内を流れる冷却水へ放熱される。
これによって、エンジンEのトルクを高めつつ、シリンダボディ5の容積可変室11内を流れる冷却水とピストンロッド7との熱伝導により、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2を効率良く冷却することができる。
また、ピストンロッド7のピストン8には、常に冷却水が流れるように可変絞り弁17と冷却水循環回路75とが構成されているので、ラジエータ71で冷やされた低温の冷却水によって、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2の第1、第2受熱部81で受熱された排気熱を奪い去ることができる。
したがって、ハウジング26内に形成される2つの第1、第2スクロール流路31、32、合流流路34およびバイパス流路35〜37を流れる排気に晒され、高温の排気熱を受熱することで、過熱(加熱)されるスクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2の温度上昇を抑えることができる。
また、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2の温度を従来例2と比べて更に下げることができるので、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2の構成材料として、高価な高耐熱材料(高耐熱性金属:例えばニッケル(Ni)含有量が多い高耐熱性ステンレス鋼等)よりも耐熱性が低く、安価な耐熱材料(耐熱性金属:例えばニッケル(Ni)含有量が少ない耐熱性ステンレス鋼、耐熱性アルミニウム合金、耐熱鋼等)を使用することが可能となる。これにより、スクロール切替弁やウェイストゲート弁等の製品コストを低減することができる。
また、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2の温度を従来例2と比べて更に下げることができるので、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2の構成材料の熱変形を抑えることができる。これにより、耐久によるピストンロッド7の移動量(ストローク)−流量特性変化を抑制することができる。
なお、エンジン回転速度または目標過給圧に応じてスクロールバルブ1またはウェイストゲートバルブ2の開度制御を実施するようにしても良い。すなわち、エンジン回転速度または目標過給圧に応じてスクロールバルブ1またはウェイストゲートバルブ2の開度を連続的または段階的に変更することで、ACT3、4のピストンロッド7の移動量変化に伴って第1、第2スクロール流路31、32、分岐流路89またはバイパス流路35〜37の開口面積が徐々に変化する開口特性となる。この場合、ターボチャージャの過給圧をエンジンEの運転状況に応じて最適化することができる。
また、エンジンEの運転状況や運転条件によって可変絞り弁17の絞り量を最適値に制御することで、エンジンEのトルクや燃費、エミッションを向上させることができる。
また、エンジンEの運転状況や運転条件に基づいて、可変絞り弁17の絞り量を連続的に可変制御し、スクロールバルブ1のバルブ開度を無段階に制御することにより、2つの第1、第2スクロール流路31、32の流量分配を制御することができるので、ターボチャージャの可変容量化が実現でき、エンジンEのトルクやエンジンEの運転状況や運転条件に対応して設定せれる目標値(目標過給圧等)に対する制御応答性を向上することができる。
また、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2を冷却する冷却液が、エンジンEのシリンダヘッドやシリンダブロック等を冷却するエンジン冷却水であるため、ターボチャージャの軸受機構等の冷却との共通化を図ることができる。これにより、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2のみを冷却する専用の冷却液(液体状の冷却媒体)が不要となるので、エンジン冷却システム(冷却装置6)の製品コストを低減することができる。
[実施例2の構成]
図3は、本発明を適用した過給圧制御システム(実施例2)を示したものである。
ここで、実施例1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例の過給圧制御システムは、実施例1と同様に、ターボチャージャと、このターボチャージャのハウジング26に組み込まれるスクロール切替弁と、このスクロールバルブ1を開弁駆動(または閉弁駆動)するACT3を有する第1バルブ駆動装置と、ターボチャージャのハウジング26に組み込まれるウェイストゲート弁と、このウェイストゲートバルブ2を開弁駆動(または閉弁駆動)するACT4を有する第2バルブ駆動装置と、エンジンEの各部およびターボチャージャの軸受機構へ潤滑油を供給する潤滑油供給装置を備えている。
ACT3は、シリンダボディ5の一端から外部へ突出するピストンロッド7の往復移動方向への移動量に応じてスクロールバルブ1を開弁駆動または閉弁駆動する。
ACT4は、シリンダボディ5の一端から外部へ突出するピストンロッド7の往復移動方向への移動量に応じてウェイストゲートバルブ2を開弁駆動または閉弁駆動する。
第1、第2バルブ駆動装置は、ACT3、4の各シリンダボディ5のシリンダ孔45内に、ACT3、4の各ピストンロッド7を往復駆動する動力源である冷却水を供給する冷却水供給装置を備えている。この冷却水供給装置は、エンジンEの各部、ターボチャージャの各部(スクロールバルブ1、ウェイストゲートバルブ2および軸受機構等)を、上記の冷却水を利用して冷却する冷却装置6を備えている。
冷却装置6は、実施例1と同様に、ラジエータ71、ウォータポンプ72および冷却水循環回路73〜75を備えている。
ここで、本実施例のエンジンEのエキゾーストマニホールドには、各気筒#1〜#4からそれぞれ排出される排気を集合させる排気集合部20が設けられている。この排気集合部20の下流側には、排気導入流路を介して、1つのスクロール流路30が接続されている。
ターボチャージャのハウジング26は、タービンインペラ23よりも排気の流れ方向の上流側に、2つの第1、第2スクロール流路31、32が設けられている。ハウジング26には、スクロール流路30の排気の流れ方向の下流側部を2つの第1、第2スクロール流路31、32に区画形成する隔壁等の区画部(仕切り部)88が設けられている。また、ハウジング26には、区画部88を貫通して1つのスクロール流路30から2つの第1、第2スクロール流路31、32に分岐させる分岐部(分岐流路)89が形成されている。
本実施例のスクロール切替弁は、ACT3のピストンロッド7の往復移動量に応じて開閉駆動されるスクロールバルブ1が分岐流路89を開閉することで、2つの第1、第2スクロール流路31、32をそれぞれ流れる排気の流量を可変制御するように構成されている。
スクロールバルブ1は、エンジンEの排気集合部20からスクロール流路30を経由してタービンインペラ23へ排気を導入する排気導入モードを、排気導入モードA〜Cのいずれかに切り替える排気導入モード(第1経路)切替手段を構成している。
排気導入モードAとは、第1スクロール流路31のみからタービンインペラ23へ排気を導入する第1排気導入経路のことである。
排気導入モードBとは、第1スクロール流路31を流れる排気の一部を分岐流路89を介して第2スクロール流路32へ合流させ、2つの第1、第2スクロール流路31、32の双方からタービンインペラ23へ排気を導入する第2排気導入経路のことである。
排気導入モードCとは、スクロールバルブ1の開度を可変することで、第1スクロール流路31を流れる排気の一部を分岐流路89を介して第2スクロール流路32へ分岐させ、2つの第1、第2スクロール流路31、32の双方からタービンインペラ23へ導入される排気の流量を調整する第3排気導入経路のことである。なお、排気導入モードCは設けなくても良い。
ここで、エンジンEの低速運転時、つまり排気流量が少ない時には、タービンインペラ23の回転軸方向の外側に位置する第1スクロール流路31のみからタービンインペラ23へ排気が導入されるように、スクロールバルブ1を全閉状態に維持する(あるいは全閉駆動する)。これにより、エンジンEの低速運転時のように少ない排気流量でも十分高速な吸気の流れが得られるので、エンジンEの低速運転時における過給圧を高めることができる。
また、エンジンEの中速運転時には、第1スクロール流路31だけでなく、タービンインペラ23の回転軸方向の内側に位置する第2スクロール流路32からもタービンインペラ23へ排気が導入されるように、スクロールバルブ1を開弁駆動する。これにより、タービンインペラ23に導入される排気流量が増大し、エンジンEの中速運転時における過給圧を高めることができる。
なお、エンジン回転速度または目標過給圧に応じてスクロールバルブ1またはウェイストゲートバルブ2の開度制御を実施するようにしても良い。すなわち、エンジン回転速度または目標過給圧に応じてスクロールバルブ1またはウェイストゲートバルブ2の開度を連続的または段階的に変更することで、ACT3、4のピストンロッド7の移動量変化に伴って第1、第2スクロール流路31、32、分岐流路89またはバイパス流路35〜37の開口面積が徐々に変化する開口特性となる。この場合、ターボチャージャの過給圧をエンジンEの運転状況に応じて最適化することができる。
以上のように、本実施例の過給圧制御システムにおいては、実施例1と同様な効果を奏する。
[実施例3の構成]
図4は、本発明を適用した過給圧制御システム(実施例3)を示したものである。
ここで、実施例1及び2と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例の過給圧制御システムは、ターボチャージャと、このターボチャージャのハウジング26に組み込まれるスクロール切替弁と、このスクロールバルブ1を開弁駆動(または閉弁駆動)するACT3を有する第1バルブ駆動装置と、ターボチャージャのハウジング26に組み込まれるウェイストゲート弁と、このウェイストゲートバルブ2を開弁駆動(または閉弁駆動)するACT4を有する第2バルブ駆動装置と、エンジンEの各部、ターボチャージャの軸受機構等を冷却水を利用して冷却する冷却水供給装置とを備えている。
ACT3は、シリンダボディ5の一端から外部へ突出するピストンロッド7の往復移動方向への移動量に応じてスクロールバルブ1を開弁駆動または閉弁駆動する。
ACT4は、シリンダボディ5の一端から外部へ突出するピストンロッド7の往復移動方向への移動量に応じてウェイストゲートバルブ2を開弁駆動または閉弁駆動する。
第1、第2バルブ駆動装置は、ACT3、4のシリンダボディ5のシリンダ孔45内に、ACT3、4の各ピストンロッド7を往復駆動する動力源である潤滑油を供給する潤滑油供給装置を備えている。
潤滑油供給装置は、ターボチャージャの各部(スクロールバルブ1、ウェイストゲートバルブ2等を、エンジンEの各部およびターボチャージャの軸受機構を潤滑するオイル(冷却液)を利用して冷却する冷却装置6を備えている。
冷却装置6は、オイルポンプ61、オイルクーラ、潤滑油循環回路62、63の他に、オイルポンプ61から吐出されたオイルを、ACT3、4の各容積可変室11へ循環供給する潤滑油循環回路64を備えている。また、冷却装置6は、第1、第2受熱部81、第1、第2熱伝達部82の他に、スクロールバルブ1の第1受熱部81で受熱した排気熱を、ピストンロッド7に伝熱してACT3の容積可変室11内を流れるオイルへ放熱する第1放熱部83、ウェイストゲート弁の弁体であるウェイストゲートバルブ2の第2受熱部82で受熱した排気熱を、ピストンロッド7に伝熱してACT4の容積可変室11内を流れるオイルへ放熱する第2放熱部83を有している。
潤滑油循環回路64は、潤滑油循環回路63のオイル供給流路の途中で潤滑油循環回路63から分流した冷却水を、オリフィス16を経てACT3、4の各容積可変室11へオイルを循環供給するためのオイル供給流路(オイル導入経路)、およびACT3、4の各容積可変室11の出口部から流出したオイルを、可変絞り弁17を経て潤滑油循環回路62のオイル戻し流路に合流させるオイル戻し流路(オイル排出経路)を備えている。
オイル導入経路は、この経路上の分岐部で分岐したオイルをオリフィス16を経てACT3の容積可変室11へ導くための第1オイル導入経路65a、および分岐部で分岐した冷却水をオリフィス16を経てACT4の容積可変室11へ導くための第2オイル導入経路65bを有している。
オイル排出経路は、ACT3の容積可変室11の出口部から流出したオイルを可変絞り弁17を経て、オイル排出経路上の合流部で合流させるための第1オイル排出経路66a、およびACT4の容積可変室11の出口部から流出したオイルを可変絞り弁17を経て、オイル排出経路上の合流部で合流させるための第2オイル排出経路66bを有している。
以上のように、本実施例の過給圧制御システムにおいては、実施例1及び2と同様な効果を奏する。
[実施例4の構成]
図5は、本発明を適用した過給圧制御システム(実施例4)を示したものである。
ここで、実施例1〜3と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例の第1、第2バルブ駆動装置は、スクロールバルブ1を開弁駆動および閉弁駆動するACT3と、ウェイストゲートバルブ2を開弁駆動および閉弁駆動するACT4と、ACT3、4の各シリンダボディ5のシリンダ孔45内に、ACT3、4の各ピストンロッド7を往復駆動する動力源である冷却水を供給する冷却水供給装置を備えている。この冷却水供給装置は、エンジンEの各部、ターボチャージャの各部(スクロールバルブ1、ウェイストゲートバルブ2および軸受機構等)を、上記の冷却水を利用して冷却する冷却装置6を備えている。
ACT3は、シリンダボディ5の一端から外部へ突出するピストンロッド7の往復移動方向への移動量に応じてスクロールバルブ1を開弁駆動または閉弁駆動する。
ACT4は、シリンダボディ5の一端から外部へ突出するピストンロッド7の往復移動方向への移動量に応じてウェイストゲートバルブ2を開弁駆動または閉弁駆動する。
本実施例のACT3、4の各シリンダボディ5は、ピストン8の往復方向の両側面との間に、2つの第1、第2容積可変室(以下容積可変室11、12)をそれぞれ形成する隔壁(筒状のシリンダ13、環状壁14、環状のカバー15)を備えている。
ACT3、4の各容積可変室11、12には、常に冷却水が流れるように構成されている。
シリンダボディ5のシリンダ13の図示上部には、エンジンEの冷却水循環回路73またはウォータジャケットから容積可変室11内へ冷却水を流入させるための第1入口部、およびエンジンEの冷却水循環回路73またはウォータジャケットから容積可変室12内へ冷却水を流入させるための第1入口部が設けられている。
また、シリンダ13の図示下部には、容積可変室11内から電磁流路切替弁(後述する)を経てエンジンEの冷却水循環回路またはラジエータ71へ冷却水を流出させるための第1出口部、および容積可変室11内から電磁流路切替弁(後述する)を経てエンジンEの冷却水循環回路またはラジエータ71へ冷却水を流出させるための第2出口部が設けられている。
冷却装置6は、実施例1と同様に、ラジエータ71、ウォータポンプ72および冷却水循環回路73〜75を備えている。
ここで、冷却水循環回路75は、1つの冷却水供給流路76から分岐した冷却水を、ACT3、4の各容積可変室11へ冷却水を循環供給するための第1冷却水供給流路(冷却水導入経路)91、ACT3、4の各容積可変室12へ冷却水を循環供給するための第2冷却水供給流路(冷却水導入経路)92、ACT3、4の各容積可変室11の第1出口部から流出した冷却水を、電磁流路切替弁(冷却液制御弁)93の第1入口ポートへ導く第1冷却水排出経路94、ACT3、4の各容積可変室12の第2出口部から流出した冷却水を、電磁流路切替弁93の第2入口ポートへ導く第2冷却水排出経路95、電磁流路切替弁93の出口ポートから流出した冷却水を冷却水循環回路73の冷却水戻し流路に合流させる冷却水戻し流路(冷却水排出経路)77を備えている。
電磁流路切替弁93は、スリーブ内をスプールが往復移動可能なスプール制御弁と、このスプール制御弁のスプールを駆動する電磁アクチュエータ96とを備えている。
スプール制御弁のスリーブの内部には、スプールが摺動するスプール孔、ACT3、4の各容積可変室11の第1出口部からスプール孔の内部へ冷却水が供給される第1入口ポート、ACT3、4の各容積可変室12の第2出口部からスプール孔の内部へ冷却水が供給される第2入口ポート、およびスプール孔の内部からラジエータ(後述する)へ冷却水を排出する出口ポートが形成されている。
電磁流路切替弁93は、第1入口ポートまたは出口ポートの開口面積をスプールの移動位置に応じて変更することで、容積可変室11から流出する冷却水の流量または圧力を調整する第1可変絞り弁部93aと、第2入口ポートまたは出口ポートの開口面積をスプールの移動位置に応じて変更することで、容積可変室12から流出する冷却水の流量または圧力を調整する第2可変絞り弁部93bとを備えている。
電磁アクチュエータ96には、スプールバルブの移動量(リフト量)に相当するバルブ開度に対応した信号をECU19へ出力するリフトセンサが設けられている。この電磁流路切替弁93のリフト量は、ECU19によって電子制御される。これにより、ACT3、4の各容積可変室11、12に導入される冷却水の流量または圧力がエンジンEの運転状況または運転条件に対応した最適値となるように調整される。
冷却装置6は、第1、第2受熱部81、第1、第2熱伝達部82の他に、スクロールバルブ1が受熱した排気熱を、ピストンロッド7に伝熱してACT3の容積可変室11、12内を流れる冷却水へ放熱する第1放熱部83〜85、ウェイストゲートバルブ2が受熱した排気熱を、ピストンロッド7に伝熱してACT4の容積可変室11、12内を流れる冷却水へ放熱する第2放熱部83〜85を備えている。
第1、第2放熱部83は、ACT3、4の各容積可変室11内を流れる冷却水と熱的に接触する、ピストン8の図示左側面(第1側面)に設けられている。
第1、第2放熱部84は、ACT3、4の各容積可変室12内を流れる冷却水と熱的に接触する、ピストン8の図示右側面(第2側面)に設けられている。
第1、第2放熱部85は、ACT3、4の各容積可変室12内を流れる冷却水と熱的に接触する、ロッド9の外周面に設けられている。
以上のように、本実施例の過給圧制御システムにおいては、実施例1〜3と同様な効果を奏する。
また、冷却装置6の冷却水循環回路75には、ACT3、4の各容積可変室11、12に対する冷却水の流量または圧力を制御する電磁流路切替弁93が設置されているので、スクロールバルブ1およびウェイストゲートバルブ2の制御性を向上できる。
また、ACT3、4の各容積可変室11、12内に導入される冷却水の流量または圧力によってピストンロッド7を軸線方向に往復移動させることができるので、ACT3、4の構成部品からリターンスプリングを廃止することができる。これにより、ACT3、4の製品コストを低減することができる。
[変形例]
本実施例では、排気制御弁の弁体であるバルブを駆動するアクチュエータとして、スクロールバルブ1を開閉駆動するACT3と、ウェイストゲートバルブ2を開閉駆動するACT4とを設けた例を説明したが、アクチュエータとして、ACT3またはACT4のいずれか一方のACTを設けても良い。
また、実施例1〜3のACT3、4を、実施例4のACT3、4に変更しても良い。
また、実施例2の冷却液を実施例3の潤滑油(オイル)に変更しても良い。
また、ピストンロッドが、ピストン本体とロッド本体とに分割されていても構わない。なお、ピストン本体とロッド本体とを別体で構成した場合には、それぞれ熱伝導性に優れた材料で構成することが望ましい。
本実施例では、本発明の内燃機関の排気装置に使用される排気制御弁を、ターボチャージャの排気タービンに組み込まれるスクロール切替弁およびウェイストゲート弁に適用しているが、本発明の内燃機関の排気装置に使用される排気制御弁を、スクロール切替弁またはウェイストゲート弁のいずれか一方のみに適用しも良い。
また、本発明の内燃機関の排気装置に使用される排気制御弁を、内燃機関の排気循環装置(EGR制御装置)に組み込まれるEGR制御弁に適用しても良い。
また、本発明の内燃機関の排気装置に使用される排気制御弁を、排気流量制御年、配意圧力制御弁、排気流路切替弁、排気絞り弁、バイパス切替弁等の他の排気制御弁に適用しても良い。
また、排気制御弁の弁体として、ピストンロッドとバルブとの間にリンク機構やカム等を介することにより、バタフライバルブ、フラップバルブ、プレートバルブロータリバルブ等の回転型バルブを採用しても良い。
また、排気制御弁の弁体として、ピストンロッドとバルブとの間にリンク機構やカム等を介することなく、ピストンロッドの軸線方向に往復移動するポペットバルブやダブルポペットバルブを採用しても良い。
また、ウェイストゲートバルブ2により開閉されるバイパス流路35〜37のうち、バイパス流路35またはバイパス流路36のいずれか一方を設けなくても構わない。
また、本実施例では、スプールバルブの位置を検出するセンサを用いたが、ピストンロッド7の位置の検出で代用しても構わない。
冷却装置(冷却手段)6は、少なくとも一方の容積可変室(液体室、冷却液室)11を流れる冷却液の流量または温度を調整して、排気制御弁のバルブ冷却能力を制御する冷却能力制御手段を設けても良い。
冷却装置(冷却手段)6は、2つの第1、第2容積可変室(液体室、冷却液室)11、12を流れる冷却液の流量または温度を調整して、排気制御弁のバルブ冷却能力を制御する冷却能力制御手段を設けても良い。
本実施例では、排気制御弁の弁体であるバルブを冷却する冷却液として、内燃機関(エンジン)を冷却する冷却水循環回路を循環する冷却水(LLC)を使用しているが、排気制御弁の弁体であるバルブを冷却する冷却液として、排気制御弁の弁体であるバルブを冷却する専用の冷却水を使用しても良い。この場合、冷却水循環回路は、リザーブタンクの出口部からACT3、4の容積可変室へ冷却水を循環供給する冷却水経路と、ACT3、4の容積可変室の出口部からラジエータを経てリザーブタンクへ冷却水を循環供給する冷却水経路と、冷却水循環回路中に冷却水の循環流を発生させるウォータポンプとを備える。
本実施例では、排気制御弁の弁体であるバルブを冷却する冷却液として、内燃機関(エンジン)の各部を潤滑する潤滑油循環回路を循環する潤滑油(潤滑オイル)を使用しているが、排気制御弁の弁体であるバルブを冷却する冷却液として、油圧アクチュエータや油圧シリンダを作動させる作動油(オイル)を使用しても良い。
また、排気制御弁の弁体であるバルブを冷却する冷却液として、自動変速機油(ATF)を使用しても良い。
また、本実施例では、排気制御弁の弁体であるバルブと一体回転(または移動)可能な弁軸(シャフト)または排気制御弁のバルブを支持する弁体支持部(アーム)が、バルブとピストンロッドとが熱的に接触しているので、排気制御弁のバルブだけでなく、シャフトまたはアームもバルブと一緒に冷却されるため、シャフトまたはアームの構成材料として、高価な高耐熱材料よりも耐熱性が低く、安価な耐熱材料(耐熱性金属)を使用することが可能となる。
1 スクロール切替弁(排気制御弁)の弁体であるスクロールバルブ
2 ウェイストゲート弁(排気制御弁)の弁体であるウェイストゲートバルブ
3 ACT(第1バルブアクチュエータ)
4 ACT(第2バルブアクチュエータ)
5 シリンダボディ
6 冷却装置(冷却手段)
7 ピストンロッド
8 ピストン(第1、第2ピストン本体)
9 ロッド(第1、第2ロッド本体)
19 ECU

Claims (13)

  1. (a)内燃機関(E)から排出された排気が流れる流路(31、32、34〜37、89)を形成するハウジング(26)と、
    (b)前記流路(31、32、34〜37、89)を流れる排気を制御するバルブ(1、2)を有する排気制御弁と、
    (c)前記バルブ(1、2)と一体移動可能に連結して前記バルブ(1、2)を駆動するピストンロッド(7)、および内部に前記ピストンロッド(7)が摺動するシリンダ孔(45)が形成されたボディ(5)を有し、
    前記シリンダ孔(45)内を流れる冷却液の作用により前記ピストンロッド(7)が往復駆動されるアクチュエータ(3、4)と、
    (d)前記シリンダ孔(45)内を流れる冷却液を利用して前記排気制御弁を冷却する冷却手段(6)と
    を備え、
    前記冷却手段(6)は、前記バルブ(1、2)が受熱した前記流路(31、32、34〜37)の排気熱を、前記ピストンロッド(7)に伝熱して前記シリンダ孔(45)内を流れる冷却液へ放熱する放熱部(83)を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の排気装置において、
    前記アクチュエータ(3、4)は、前記ピストンロッド(7)の往復移動方向への移動量に応じて前記バルブ(1、2)を開弁駆動または閉弁駆動することを特徴とする内燃機関の排気装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気装置において、
    前記ピストンロッド(7)は、前記シリンダ孔(45)内を流れる冷却液が作用することによって前記シリンダ孔(45)内を往復移動するピストン本体(8)を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の排気装置において、
    前記ボディ(5)は、前記ピストン本体(8)の往復方向の一側面との間に、少なくとも1つの容積可変室(11)を形成する隔壁(13〜15)を有し、
    前記アクチュエータ(3、4)は、前記容積可変室(11)を流れる冷却液の流量または圧力を調整して、前記排気制御弁のバルブ開度を制御する冷却液制御弁(17)を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  5. 請求項3に記載の内燃機関の排気装置において、
    前記ボディ(5)は、前記ピストン本体(8)の往復方向の両側面との間に、2つの第1、第2容積可変室(11、12)をそれぞれ形成する隔壁(13〜15)を有し、
    前記アクチュエータ(3、4)は、前記2つの第1、第2容積可変室(11、12)を流れる冷却液の流量または圧力を調整して、前記排気制御弁のバルブ開度を制御する冷却液制御弁(17)を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、 前記シリンダ孔(45)内を流れる冷却液とは、前記内燃機関(E)を冷却する冷却水のことであって、
    前記冷却手段(6)は、前記内燃機関(E)を冷却する冷却水を、前記シリンダ孔(45)へ循環供給する冷却水循環回路(73〜75)を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、 前記シリンダ孔(45)内を流れる冷却液とは、前記内燃機関(E)の各部を潤滑する潤滑油のことであって、
    前記冷却手段(6)は、前記内燃機関(E)の各部を潤滑する潤滑油を、前記シリンダ孔(45)へ循環供給する潤滑油循環回路(64)を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、 前記ハウジング(26)は、ターボチャージャのタービンインペラ(23)を回転可能に収容するタービンハウジング(26)を有し、
    前記タービンハウジング(26)は、前記バルブ(1、2)を開閉可能に収容するバルブボディを有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関の排気装置において、
    前記内燃機関(E)は、複数の気筒(#1〜#4)を有し、且つこれらの気筒(#1〜#4)からそれぞれ排出される排気を所定の気筒群毎に2分割して集合させる2つの第1、第2排気集合部(21、22)を有し、
    前記タービンハウジング(26)は、前記タービンインペラ(23)よりも排気の流れ方向の上流側に設けられるスクロール流路(31、32)を、前記2つの第1、第2排気集合部(21、22)にそれぞれに連通する2つの第1、第2スクロール流路(31、32)に区画形成する区画部(33)を有し、
    前記流路は、前記区画部(33)を貫通して前記2つの第1、第2スクロール流路(31、32)のうちのいずれか一方のスクロール流路(31)を、いずれか他方のスクロール流路(32)に合流させる合流部(31、32、34)を有し、
    前記バルブ(1)は、前記合流部(31、32、34)に設置されて、前記2つの第1、第2スクロール流路(31、32)をそれぞれ流れる排気の流量または圧力を制御することを特徴とする内燃機関の排気装置。
  10. 請求項8に記載の内燃機関の排気装置において、
    前記内燃機関(E)は、複数の気筒(#1〜#4)を有し、且つこれらの気筒(#1〜#4)からそれぞれ排出される排気を集合させる1つの排気集合部(20)を有し、
    前記タービンハウジング(26)は、前記タービンインペラ(23)よりも排気の流れ方向の上流側に設けられて、前記排気集合部(20)に連通する1つのスクロール流路(30)、このスクロール流路(30)の排気の流れ方向の下流側部を2つの第1、第2スクロール流路(31、32)に区画形成する区画部(88)を有し、
    前記流路は、前記区画部(88)を貫通して前記1つのスクロール流路(30)から前記2つの第1、第2スクロール流路(31、32)に分岐させる分岐部(89)を有し、 前記バルブ(1)は、前記分岐部(89)に設置されて、前記2つの第1、第2スクロール流路(31、32)をそれぞれ流れる排気の流量または圧力を制御することを特徴とする内燃機関の排気装置。
  11. 請求項8ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
    前記流路は、前記内燃機関(E)から排出された排気を前記タービンインペラ(23)から迂回して前記タービンインペラ(23)よりも排気の流れ方向の下流側へ導くバイパス流路(35〜37)を有し、
    前記バルブ(2)は、前記バイパス流路(35〜37)を通り抜ける排気の流量または圧力を制御することを特徴とする内燃機関の排気装置。
  12. 請求項1ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
    前記放熱部(83)は、前記シリンダ孔(45)内を流れる冷却液に熱的に接触するように前記ピストンロッド(7)の表面に設けられていることを特徴とする内燃機関の排気装置。
  13. 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
    前記ピストンロッド(7)は、前記シリンダ孔(45)内に往復摺動可能に支持されるピストン本体(8)、および前記ボディ(5)の一端を貫通して前記ボディ(5)の外部へ突出するように設けられて、前記バルブ(1、2)と前記ピストン本体(8)とを一体移動可能および熱伝達可能に連結するロッド本体(9)を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
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