JP5760775B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、冷却水を冷却するラジエータと、内燃機関のウォータジャケットに冷却水を供給するウォータポンプと、シリンダブロックのウォータジャケット入口とシリンダヘッドのウォータジャケット出口とを接続する外部配管の一部を構成し、前記ウォータジャケッ出口と前記ウォータポンプとに接続されており途中に熱交換器が設けられた熱交換器用通路と、前記熱交換器用通路を前記ウォータポンプの吸込口に連通させる状態と、前記熱交換器用通路を前記ウォータポンプの吐出口に連通させる状態とに切り替える切替バルブとを備え、前記切替バルブの切り替えにより、機関の暖機時には前記シリンダヘッドのウォータジャケット出口から流出した冷却水を前記熱交換器用通路に供給した後に前記ウォータポンプに吸い込ませる一方、機関の冷却要求時には、前記ウォータポンプから吐出した冷却水を前記熱交換器用通路に供給して暖機時とは逆方向に前記熱交換器用通路を流通させることをその要旨とする。
請求項2に記載の発明は、冷却水を冷却するラジエータと、内燃機関のウォータジャケットに冷却水を供給するウォータポンプと、シリンダブロックのウォータジャケット入口とシリンダヘッドのウォータジャケット出口とを接続する外部配管の一部を構成し、前記ウォータジャケット出口に接続される通路と前記ウォータポンプとに接続されており途中に熱交換器が設けられた熱交換器用通路と、前記熱交換器用通路を前記ウォータポンプの吸込口に連通させる状態と、前記熱交換器用通路を前記ウォータポンプの吐出口に連通させる状態とに切り替える切替バルブとを備え、前記切替バルブの切り替えにより、機関の暖機時には前記シリンダヘッドのウォータジャケット出口から流出した冷却水を前記熱交換器用通路に供給した後に前記ウォータポンプに吸い込ませる一方、機関の冷却要求時には、前記ウォータポンプから吐出した冷却水を前記熱交換器用通路に供給して暖機時とは逆方向に前記熱交換器用通路を流通させることをその要旨とする。
同構成によれば、暖機時には、熱交換器用通路がウォータポンプの吸込口に連通されることにより、内燃機関に設けられたウォータジャケットの下流には、熱交換器用通路が並設されることになり、機関下流側の圧力損失が低下するようになる。このように圧力損失が低下すると、機関下流側に位置するウォータポンプの吸込口における負圧が小さくなるため、この吸い込み口に接続されたサーモスタットに作用する負圧も小さくなる。そのため、サーモスタットに作用する負圧に起因した当該サーモスタットの強制開弁が抑えられるようになる。
同構成によれば、上記熱交換器用通路が複数設けられることにより、冷却装置における並列回路が増えるようになる。このように並列回路が増えることにより、冷却要求時における冷却水通路内での圧力損失の低下が促進されるため、ラジエータ内の流量がさらに増加するようになり、例えばさらなるラジエータの小型化が可能になる。また、同構成が請求項3に記載の発明に適用される場合には、冷却装置における並列回路の増加により、暖機時における機関下流側の圧力損失の低下がさらに促進されるため、上述したサーモスタットの強制開弁をより一層抑えることができる。
図1に示すように、エンジン1は、シリンダブロック1aやシリンダヘッド1bを備えている。これらシリンダブロック1aやシリンダヘッド1bには、冷却水が流れるウォータジャケット2Wがそれぞれ設けられており、これらのウォータジャケット2Wを通じてシリンダブロック1aを通過した冷却水がシリンダヘッド1bに供給される。
次に、ウォータポンプ10に設けられたロータリバルブ20の構造を説明する。このロータリバルブ20は、機関用オイルクーラ通路230、変速機用オイルクーラ通路240、及びEGRクーラ用通路250での冷却水の流れ方向を切り替える切替バルブであり、制御装置200によってその駆動が制御される。
弁体22は中空の円筒形状をなしており、適宜のアクチュエータにて回転駆動される。
(暖機時の作用)
機関の暖機時には、機関用オイルクーラ通路230、変速機用オイルクーラ通路240、及びEGRクーラ用通路250のそれぞれをウォータポンプ10の吸込口に連通させるようにしている。従って、先の図4に示したように、暖機時には、エンジン1で受熱してウォータジャケット2Wから流出した冷却水は、機関用オイルクーラ60、変速機用オイルクーラ70、及びEGRクーラ80に供給されてウォータポンプ10に吸い込まれる。このように、エンジン1で受熱した高温の冷却水が機関用オイルクーラ60、変速機用オイルクーラ70、及びEGRクーラ80に供給されるため、それら機関用オイルクーラ60、変速機用オイルクーラ70、及びEGRクーラ80による昇温効果が促進される。従って、例えばエンジン1や変速機の潤滑油について暖機過程での粘度低下を促進させることもでき、これにより燃費が向上するようになる。また、暖機過程での排気の昇温を促進させることもできる。
(冷却要求時の作用)
機関の冷却要求時には、機関用オイルクーラ通路230、変速機用オイルクーラ通路240、及びEGRクーラ用通路250のそれぞれをウォータポンプ10の吐出口に連通させるようにしている。従って、先の図6に示したように、冷却要求時には、エンジン1を通過していない低温の冷却水が機関用オイルクーラ60、変速機用オイルクーラ70、及びEGRクーラ80にそれぞれ供給されるため、それら機関用オイルクーラ60、変速機用オイルクーラ70、及びEGRクーラ80による冷却効果が高くなる。また、冷却水によって機関用オイルクーラ60、変速機用オイルクーラ70、及びEGRクーラ80の冷却が促進されるようになるため、例えばそれら熱交換器の熱補償をするための部材の大型化を避けることができ、熱交換器の小型化を図ることもできる。
(その他の作用)
円筒状の弁体22を有したロータリバルブ20において、弁体22は、ウォータポンプ10の吐出側が接続される吐出側弁部22auとウォータポンプ10の吸込口が接続される吸込側弁部22adとで構成しており、吐出側弁部22auと吸込側弁部22adとは、弁体22の軸方向において直列に設けている。そのため、弁体22を回転させることにより、ウォータポンプ10の吐出側に接続された通路とウォータポンプ10の吸込側に接続された通路とを同時に切り替えることができる。つまり、吐出側の通路及び吸込側の通路の同時切替を簡易な構成で行うことができる。
(1)ウォータジャケット2Wよりも下流側の部位とウォータポンプ10とに接続されており途中に熱交換器が設けられた熱交換器用通路(機関用オイルクーラ通路230、変速機用オイルクーラ通路240、及びEGRクーラ用通路250)を備えるようにしている。そして、機関の暖機時には熱交換器用通路をウォータポンプ10の吸込口に連通させる一方、機関の冷却要求時には熱交換器用通路をウォータポンプ10の吐出口に連通させる切替バルブとしてのロータリバルブ20を備えるようにしている。
(2)ウォータポンプ10の吸込口にサーモスタット30が接続されている冷却装置において、上述した熱交換器用通路やロータリバルブ20を設けるようにしている。そのため、暖機時には、サーモスタット30に作用する負圧に起因した当該サーモスタット30の強制開弁が抑えられるようになる。
・熱交換器用通路(機関用オイルクーラ通路230、変速機用オイルクーラ通路240、EGRクーラ用通路250)を、シリンダヘッド1bのウォータジャケット出口に接続するようにしたが、ウォータジャケット2Wよりも下流側の部位であれば他の部位に接続するようにしてもよい。例えば図7に示すように、シリンダヘッド1bのウォータジャケット出口に排出通路260を接続し、この排出通路260から機関用オイルクーラ通路230、変速機用オイルクーラ通路240、及びEGRクーラ用通路250をそれぞれ分岐させるようにしてもよい。この場合でも、上記実施形態に準する作用効果を得ることができる。
・ロータリバルブ20に接続される熱交換器用通路に設けられた熱交換器が、機関用オイルクーラ60や、変速機用オイルクーラ70や、EGRクーラ80であった。しかし、これら各熱交換器の少なくとも1つを設けるようにしてもよい。また、他の熱交換器を設けるようにしてもよい。例えば、ターボチャージャなどの過給機のハウジング内に形成されるウォータジャケットでもよい。
・ウォータポンプ10にロータリバルブ20を内蔵させるようにしたが、同ロータリバルブ20とウォータポンプ10とを別体とし、適宜の通路で互いを接続するようにしてもよい。
・ロータリバルブ20の駆動を制御装置200で制御するようにした。この他、バイメタルなどのように温度に応じて変形する素材を利用してロータリバルブ20の回転位相を変更するようにしてもよい。
Claims (6)
- 冷却水を冷却するラジエータと、
内燃機関のウォータジャケットに冷却水を供給するウォータポンプと、
シリンダブロックのウォータジャケット入口とシリンダヘッドのウォータジャケット出口とを接続する外部配管の一部を構成し、前記ウォータジャケット出口と前記ウォータポンプとに接続されており途中に熱交換器が設けられた熱交換器用通路と、
前記熱交換器用通路を前記ウォータポンプの吸込口に連通させる状態と、前記熱交換器用通路を前記ウォータポンプの吐出口に連通させる状態とに切り替える切替バルブとを備え、
前記切替バルブの切り替えにより、機関の暖機時には前記シリンダヘッドのウォータジャケット出口から流出した冷却水を前記熱交換器用通路に供給した後に前記ウォータポンプに吸い込ませる一方、機関の冷却要求時には、前記ウォータポンプから吐出した冷却水を前記熱交換器用通路に供給して暖機時とは逆方向に前記熱交換器用通路を流通させる
ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。 - 冷却水を冷却するラジエータと、
内燃機関のウォータジャケットに冷却水を供給するウォータポンプと、
シリンダブロックのウォータジャケット入口とシリンダヘッドのウォータジャケット出口とを接続する外部配管の一部を構成し、前記ウォータジャケット出口に接続される通路と前記ウォータポンプとに接続されており途中に熱交換器が設けられた熱交換器用通路と、
前記熱交換器用通路を前記ウォータポンプの吸込口に連通させる状態と、前記熱交換器用通路を前記ウォータポンプの吐出口に連通させる状態とに切り替える切替バルブとを備え、
前記切替バルブの切り替えにより、機関の暖機時には前記シリンダヘッドのウォータジャケット出口から流出した冷却水を前記熱交換器用通路に供給した後に前記ウォータポンプに吸い込ませる一方、機関の冷却要求時には、前記ウォータポンプから吐出した冷却水を前記熱交換器用通路に供給して暖機時とは逆方向に前記熱交換器用通路を流通させる
ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。 - 前記ウォータポンプの吸込口には、サーモスタットが接続されている
請求項1または2に記載の内燃機関の冷却装置。 - 前記熱交換器用通路が複数設けられている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。 - 前記熱交換器は、内燃機関用のオイルクーラ及び変速機用のオイルクーラ及びEGRクーラ及び過給機のハウジング内に設けられたウォータジャケットの少なくとも1つである
請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。 - 前記切替バルブは、円筒状の弁体を有したロータリバルブであり、
前記弁体は、前記ウォータポンプの吐出側が接続される吐出側弁部と前記ウォータポンプの吸込口が接続される吸込側弁部とで構成されており、
前記吐出側弁部と前記吸込側弁部とは、前記弁体の軸方向において直列に設けられている
請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
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