JP2007100439A - 墓 - Google Patents
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Abstract
【課題】 墓参りの際に、墓前に花、蝋燭及び線香等を供える作業が容易且つ効率的に行うことができる墓を提供することを目的とする。
【解決手段】 墓の前面側に出し入れ可能なスライド板3,5を備え、前記スライド板3は、ガイド部材4によって前後方向に移動可能に備えられており、前記スライド板5は、回転手段によって鉛直軸心方向に回転自在に備えられており、前記ガイド部材4及び回転手段には、スライド板3,5を出し入れした位置に固定しておくためのストッパー部材41a,41b,55,56,57,58が備えてあることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 墓の前面側に出し入れ可能なスライド板3,5を備え、前記スライド板3は、ガイド部材4によって前後方向に移動可能に備えられており、前記スライド板5は、回転手段によって鉛直軸心方向に回転自在に備えられており、前記ガイド部材4及び回転手段には、スライド板3,5を出し入れした位置に固定しておくためのストッパー部材41a,41b,55,56,57,58が備えてあることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、墓参りにおいて墓前に花、蝋燭及び線香等を供える際に、一時的にそれらを準備するための場所として使用することができる出し入れ可能なスライド板を備えた墓に関するものである。
墓は、宗教、地域等により、日本各地で様々な形態のものがある。また、最近では、墓に対する価値観も変わりつつあり、非常に個性溢れる形態のものも普及してきている。そのような中でも、一般的なものとしては、図12に示すような、遺骨を収容する納骨堂80を台座90とし、その上面に竿石81、上台82、中台83の墓石91を載置する昔からある伝統的な形態のものである。
しかし、上述したような墓は、台座90上面の手前側、即ち墓石91の正面側部分に花立87、蝋燭及び線香立88等が載置されるため、台座90上面の手前側に十分なスペースが確保されず、墓参りの際に、墓前に供える花、蝋燭及び線香等を準備する場所が無かった。そのため、台座90上面の左右側部分や地面等を利用してお供え物の準備をしなければならず、供える場所から離れてしまうこともあって作業面上非常に不都合が生じていた。特に蝋燭や線香といった火を点すものに関しては、準備する場所から蝋燭及び線香立88まで運ぶ際に、途中で風等により火が消えてしまったりすることが多々あり非常に不便であった。
上記のような問題は、図12のような一般的な形態の墓だけに限るものではなく、他の形態の墓にも共通して言えることであり、この問題を解決するために、従来、墓の前に供物台を別個に設置したり、敷地内に椅子としても使用可能な作業台を設置したりする墓が提案されていた。しかしながら、供物を備えたままの状態にしておくと、野生動物に荒らされたりする問題や、供物の後始末の問題、さらに衛生上の問題等が深刻となっており、近年では、供物は墓参りが終わったら直ぐに持ち帰らなければならず、墓参りの間のほんの短い時間に供物を置くだけのために、墓の前面に突出する状態で供物台を設置することはスペース的に無駄であると共に、前面側に突出した分、蝋燭立や線香立等から遠ざかるためその作業がしづらくなるだけでなく、常に供物台が外観に露出しているのは体裁上あまり好ましくなかった。また、敷地内に作業台を設置するにしろ、敷地が大きい場合には好適であるが、ほとんどの場合は限られた狭い敷地内に墓を建てるため、作業台を設置するスペースは全くないと言ってもよく、たとえ設置できたとしても、作業台から墓前までに距離があるため作業効率が悪いという欠点があった。
そこで本発明は、前記事情に基づいてなされたものであり、墓参りの際に、墓前に花、蝋燭及び線香等を供える作業が容易且つ効率的に行うことができる墓を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、墓の前面側に出し入れ可能なスライド板を備えていることを特徴とする。
ここで、墓とは、どのような形態のものであってもよく、例えば遺骨を収納する納骨堂と、納骨堂の上面に載置する墓石とからなる一般的な墓等の全ての形態の墓を含める概念である。また、墓石とは、台座となる納骨堂以外の竿石、上台、中台の角台と、蓮華等を含める概念である。スライド板とは、墓参り等使用する必要がある場合のみ手前に引き出すもので、それ以外の場合には、墓の内部に収容されるように備えられている。スライド板を備える箇所に関しては、墓の前面側であれば特に問わないが、より効率的に作業が行えるように、花、蝋燭及び線香立が載置してある下方部分又は納骨堂の上方部分、即ち墓石と納骨堂の間に備えることが望ましい。また、スライド板の材質に関しては、墓の外観上の体裁を考慮し、墓石と同じ石材で形成するか、もしくは、墓の厳かな雰囲気を保持できる材質を使用して形成することが望ましい。
スライド板については、請求項2記載の発明のように、ガイド部材によって前後方向に移動可能に備えてあることを特徴とする。ガイド部材とは、スライド板をスムーズに前後方向に移動させることができる構成を成しているものを全て含める概念であり、例えばガイドレールとガイドレールに沿って移動する突起等から構成することができる。スライド板には、スライド板の出し入れ作業が容易に行えるように持ち手を備えることが望ましく、その構成として、例えばスライド板の手前側に突起部を設けたり、スライド板の下面に指が入るぐらいの凹状の溝を形成したりする方法が挙げられる。
また、スライド板は、前記のように前後方向に移動可能に備えてもよいが、請求項3記載の発明のように、スライド板を回転手段によって鉛直軸心方向に回転自在に備えてもよい。スライド板の形状に関しては、特に問うものではないが、略半円状や略楕円形、略扇形等にすることが望ましい。このような形状にすることで、スライド板の角部が減るため、スライド板を回転させて出し入れする際の安全性を向上させることができる。また、スライド板には、スライド板の出し入れ作業が容易に行えるように持ち手を備えることが望ましい。持ち手に関しては、スライド板の回転に支障がなく、また、出し入れ作業が容易に行うことが可能であれば特に限定されるものではなく、例えばスライド板の下面に指が入るぐらいの凹状の溝を形成したり、スライド板の側面に突起部を設けたりする方法が挙げられる。
請求項4記載の発明は、ガイド部材及び回転手段にスライド板を出し入れした位置に固定しておくためのストッパー部材が備えていることを特徴とする。ストッパー部材とは、スライド板が前後方向又は鉛直軸心方向に回転可能で且つ少なくとも墓の前面側に引き出した場合と、墓内部に収納した場合に移動又は回転が規制される構成を成しているものである。
本発明のうち請求項1記載の発明によれば、スライド板を手前に引き出すことで、スライド板を簡易テーブルとして使用することが可能となり、花、蝋燭及び線香立の前面側に作業スペースが確保されるため、墓前に花等のお供え物をする場合の作業効率を向上させることができる。また、スライド板は、必要な場合にのみ手前に引き出して使用すればよく、不要な場合には墓内部に収納しておけるので、常に外部に露出しているわけではないため敷地内を有効に利用することができると共に、墓の外観を損ねるような問題もない。
本発明のうち請求項2記載の発明によれば、スライド板を前後方向に移動可能に備えることにより、スライド板を使用する場合には、スライド板を手前に引くだけでよく、反対に、スライド板を収納する場合には、スライド板を奥へ押すだけでよいので、スライド板の出し入れ作業を容易に行うことができる。また、ガイド部材によってスライド板をスムーズに出し入れすることが可能となり、作業効率を向上させることができる。特に、女性やお年寄り、障害者等の比較的力の弱い人にとって非常に好都合となる。
本発明のうち請求項3記載の発明によれば、スライド板を鉛直軸心方向に回転可能に備えても、前記と同様の効果が得られると共に、スライド板を墓の前面側に出し入れする際に生じる摩擦を低減させることが可能となり、スライド板の出し入れ作業が非常に容易になると共に、花等を供える作業効率のより一層の向上化を図ることができる。
本発明のうち請求項4記載の発明によれば、ガイド部材及び回転手段にストッパー部材を備えることにより、スライド板を使用する際には、スライド板を墓の前面側に引き出した位置で固定しておくことが可能となり、作業中にスライド板が動くのを防ぐことができるため、作業効率をより一層向上することができる。また、スライド板を使用しない際には、墓の内部にスライド板を収納した状態で固定し維持することが可能となり、墓の外観を損なうことを完全に防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態の墓は台座1と、その上部に載置する墓石2と、から構成されている。尚、本発明の墓は、花崗岩(御影石)や安山岩等一般的に広く使用されている石材から形成されている。台座1は平板状の土台11と、その上に載置される内部に遺骨を収容する箱形の納骨堂12と、納骨堂12の上部を塞ぐ平板状の蓋石13と、から構成されている。また、墓石2は、台座1の上部に載置されるものであり、前記蓋石13の上面には下から中台21、上台22、竿石23の順に載置されている。中台21の前面側の蓋石13の上面には蝋燭及び線香立24が固定載置され、その両側に一対の花立25が固定載置されている。
図2に示すように、蓋石13と納骨堂12の間には、上から順に笠石14、スライド石3、スライド石3を前後方向にスライドさせるスライド金具4が配設されている。スライド石3を蓋石13と納骨堂12の間に備えることによって、スライド石3の出し入れ作業が容易に行える高さであると共に、蝋燭及び線香立24等の真下付近にスライド石3を引き出すことが可能となるため、供物の準備等の作業を容易に行うことができるだけでなく、どの石にも特別な加工を施すことなくスライド石3を設置することができるので、設置費用が嵩まず非常に都合が良い。また、笠石14の真下に設置するので、スライド石3を使用している時は別として、雨が降ってもスライド石3部分に雨が入り込まないので都合が良い。納骨堂12の前面側には平板状の観音開き式の扉石15が備えてあり、上面には納骨堂12を封するための納骨堂用蓋石16が載置されている。笠石14の形状は長方形の平板状であり、納骨堂12の前方部分にのみ設けられている。また、笠石14の前面側の先端部分は、納骨堂12の扉石15から雨が浸入しないように墓の前面側に少し張り出すように設けてあり、張り出した部分の上面は前面側に向かって下方に傾斜している。
図3に示すように、スライド石3の形状は方形をなした平板状であり、前面側の下面には図2に示すように突起部31がスライド石3と一体的に形成されており、突起部31が持ち手の役目となっている。スライド石3の前面側への張り出し幅は、墓の大きさや簡易テーブルとして使用した場合の作業性を考慮して決める必要があるが、好ましくは30cm〜50cm程度張り出させることが望ましい。スライド石3の厚みとしては、作業テーブルとして使用する際に、供物等の重さに耐えうる強度を持ち、且つ、誰もが出し入れ作業を容易に行える重さにすることが望ましく、墓の大きさに応じて適宜変更するものであるが、具体的には1.5mm〜2mm程度である。
図4に示すように、スライド金具4は、スライド石3を平行に前後移動させるための一対のガイドレール41と、ガイドレール41に沿って移動するスライド板42と、スライド板42をスムーズに移動させるためのボールベアリング(転がり軸受)43と、スライド石3の移動を規制するストッパー部材41a,41bから構成されており、各部41,42,43は雨風にさらされても錆びないようにステンレスから形成されている。
図5(a)(b)に示すように、ガイドレール41の短手方向の左右両端は上向きに、スライド板42の短手方向の左右両端は下向きに屈曲されており、スライド板42の屈曲部分がボールベアリング43を介してガイドレール41の屈曲部分の内側に沿って移動可能なように構成してある。各屈曲部分の形状は、ボールベアリング43のボール43dが介在可能なように丸みを持たせてある。
ボールベアリング43は、ガイドレール41の内側に配設されるものであり、短手方向の中心部が凸状をなした支持板43aと、該支持板43aの短手方向の左右両端から上方側に突出する複数の突起片43bと、各突起片43bに形成した受孔43c内に回転可能に支持されるボール43dとから構成されている。このようなボールベアリング43をガイドレール41とスライド板42との間に介在させることにより、スライド板42の滑りが良好となり、その結果、重たいスライド石3の出し入れ作業を小さな力でより一層スムーズ且つ簡便に行うことが可能となる。
ストッパー部材41a,41bは、スライド石3を出し入れした位置で固定しておくためのものであり、ガイドレール41の平板部分の一部を上向きに突出するように加工を施した凸部41aと、平板部分の一部にコ字状の切り込みを入れ、切り込みの入っていない部分を支点として切り込み部分を上向きに屈曲させた屈曲片41bであり、それぞれガイドレール41と一体的に形成されている。各ストッパー部材41a,41bの形成位置としては、凸部41aはガイドレール41の長手方向の手前側部分であり、屈曲片41bは奥側部分である。奥側部分といっても、ガイドレール41を長手方向に四等分したうちの手前から三等分目と四等分目の略境界位置に形成してある。この凸部41aと屈曲片41bとの間を前後に移動可能なようにボールベアリング43の支持板43aが配置される。
尚、二箇所に形成したストッパー部材41a,41bの形状は、互いに凸部41aと屈曲片41bというように異ならせてもよいが、両方共同じ形状にしてもよいし、スライド石3を固定することが可能なものであれば、別の形状であっても勿論よい。また、ストッパー部材41a,41bは必ずしもガイドレール41と一体的に形成しなくてもよく、例えば別体に形成した凸部41aや屈曲片41bをガイドレール41の平板部分に固着させたりすることもできる。
尚、二箇所に形成したストッパー部材41a,41bの形状は、互いに凸部41aと屈曲片41bというように異ならせてもよいが、両方共同じ形状にしてもよいし、スライド石3を固定することが可能なものであれば、別の形状であっても勿論よい。また、ストッパー部材41a,41bは必ずしもガイドレール41と一体的に形成しなくてもよく、例えば別体に形成した凸部41aや屈曲片41bをガイドレール41の平板部分に固着させたりすることもできる。
上記のように構成されたスライド金具4は、ガイドレール41を納骨堂用蓋石16に、スライド板42をスライド石3に接着剤で固着させるものであり、スライド石3を引き出す場合は、スライド石3の突起部31に手を引っ掛けて手前側に引くことにより、図6(b)に示すように、スライド石3に固着されたスライド板42がボールベアリング43を介してガイドレール41に沿って墓の前方側に移動する。この時、ボール43dの転がりによってボールベアリング43も同時に前方側に移動し、ボールベアリング43の支持板43aの前部先端が凸部41aに当接することにより、スライド板42の移動が停止してスライド石3が墓の前面側に最大限に引き出された状態となる。凸部41aによってスライド石3の前方側への移動が規制されるため、それ以上手前にはスライド石3が引き出されないため、誤って引き出し過ぎてスライド石3が墓から外れてしまうことを防ぐことが可能となり、その結果、スライド石3が引き出した位置で固定されるため作業がし易くなると共に、重たいスライド石3が足の上に落下してしまう等の危険も確実に防止することができる。
反対にスライド石3を後方側に向かって押すことにより、図6(a)に示すように、スライド板42がガイドレール41に沿って後方に移動し、ボールベアリング43の支持板43aの後部先端が屈曲片41bに当接することにより、スライド板42の後方への移動が停止してスライド石3が墓の内部に収納された状態となる。屈曲片41bによってスライド石3の後方側への移動が規制されるため、スライド石3が墓内部の奥に入ってしまうことを防ぐことが可能となり、次にスライド石3を引き出す際に容易に引き出すことが可能となる。尚、スライド石3を墓内に収納した際には、スライド石3の突起部31の一部が納骨堂12の左右の柱の上部に当接するため、これによってもスライド石3を墓内部の奥後方に収納されてしまうことを防いでいる。
ここで、スライド板42はガイドレール41に着脱可能になっており、スライド石3を力強く手前に引くことにより、スライド板42がガイドレール41から開放される構造になっている。このため、スライド板42の奥側の端部(図6(a)のスライド板42の左端部)の形状は、スライド板42の屈曲部分にボールベアリング43のボール43dがスムーズに導かれて、ガイドレール41にスライド板42を容易に取り付け可能にするために、奥側先端に向かってスライド板42の短手方向の幅が小さくなるように形成されている。
反対にスライド石3を後方側に向かって押すことにより、図6(a)に示すように、スライド板42がガイドレール41に沿って後方に移動し、ボールベアリング43の支持板43aの後部先端が屈曲片41bに当接することにより、スライド板42の後方への移動が停止してスライド石3が墓の内部に収納された状態となる。屈曲片41bによってスライド石3の後方側への移動が規制されるため、スライド石3が墓内部の奥に入ってしまうことを防ぐことが可能となり、次にスライド石3を引き出す際に容易に引き出すことが可能となる。尚、スライド石3を墓内に収納した際には、スライド石3の突起部31の一部が納骨堂12の左右の柱の上部に当接するため、これによってもスライド石3を墓内部の奥後方に収納されてしまうことを防いでいる。
ここで、スライド板42はガイドレール41に着脱可能になっており、スライド石3を力強く手前に引くことにより、スライド板42がガイドレール41から開放される構造になっている。このため、スライド板42の奥側の端部(図6(a)のスライド板42の左端部)の形状は、スライド板42の屈曲部分にボールベアリング43のボール43dがスムーズに導かれて、ガイドレール41にスライド板42を容易に取り付け可能にするために、奥側先端に向かってスライド板42の短手方向の幅が小さくなるように形成されている。
図7及び図8は、本発明の第2実施形態を示すものであり、第1実施形態と相違するところは、スライド石5の形状が略半円形の平板状であり、笠石14から連通して垂直方向に設けられた軸51を中心に鉛直軸心方向に回転可能に備えてある点である。スライド石5は曲面側の前方部分を簡易テーブルとして使用するもので、使用する際に笠石14よりも前面側に曲面側の前方部分が張り出すようにスライド石5の大きさ、又は軸51の設ける位置を決定する。また、納骨堂12の前面側に備えた扉石15は、スライド石5から下方に突出するように取り付けられたボルト6によって開かないように規制されている。
図9(a)(b)及び図10(a)(b)は、スライド石5の回転手段を示すものである。図9(a)(b)はスライド石5の回転手段の主要部を示す拡大断面図であり、図9(a)は回転手段の組み立てた状態を示す断面図であり、図9(b)は回転手段の分解した状態を示す断面図である。また、図10(a)(b)は図9(a)のD−D矢視の一部を省略した平面図を示したものであり、図10(a)はスライド石5を墓の内部に収容した状態を示すものであり、図10(b)はスライド石5を墓の前面側に引き出した状態を示すものである。回転手段は、笠石14とスライド石5に連通して挿嵌される軸51と、軸51と笠石14及び軸51とスライド石5の間に介在する回転補助部材52,53と、スライド石5の回転を規制するストッパー部材と、から構成されている。
軸51は円柱状を成しており、上下端部は段差状に径を小さく形成し、小径部の外周面にはネジ51aが形成してある。上端部にはナット(図示省略)が螺合し、下端部には円形の断面凸状を成した中心部にネジ孔54aが形成された軸止部材54が螺合する。また、下端部の小径部には、下端面から上方に向かって垂直にボルト孔51bが形成されており、その内周面にはボルト6が螺合するようにネジ(図示省略)が形成してある。ここでボルト6とは、前述したように納骨堂12の扉石15が開かないように規制するためのものであり、必ずしも本実施形態のように軸51とボルト6を同軸の一体型に形成にする必要はなく、スライド石5の大きさ等によっては同軸にすることが困難である場合もあるため、別体に形成してもよい。ボルト孔51bの深さに関しては、ボルト6の軸部が完全に収容されるようにしてもよいが、ボルト6の取り外しがより容易となるように、ボルト6の軸の一部のみが螺合可能となるように形成することが望ましい。
回転補助部材52,53は塩化ビニールや金属から形成した円筒状を成しており、軸51と笠石14の間に介在する回転補助部材52の下端部分には、下向き凹部52aが対向位置に形成してあり、軸51とスライド石5の間に介在する回転補助部材53の上端部には、凹部53aが対向位置に形成されている。
ストッパー部材はボール55と、押板56と、コイルスプリング57と、受板58と、から構成されている。ボール55は球状を成しており、押板56及び受板58は円形の平板状を成し、各板56,58の中心部には軸51を挿嵌するための軸孔56a,58aが形成されている。また、コイルスプリング57の内径は回転補助部材52が挿嵌する大きさである。押板56の軸孔56aの上端周縁の対向位置には、回転補助部材52の下向き凹部52aに嵌り込む突起部56bが形成されている。また、押板56には、下端面から上方に向かって垂直にボール55を回転可能に遊嵌し且つボール55の下端部分が押板56の下面より下方に突出するような深さのボール孔56cを、等角度を置いて複数形成してある。ここで、ボール孔56cは押板56の中心から同半径位置に複数形成してもよいが、より一層スムーズにスライド石5を墓の前面側に引き出すために、それぞれ中心からの半径を少しずつ変えた位置に形成することが望ましい。受板58の軸孔58aの下端周縁の対向位置には、回転補助部材53の凹部53aに嵌り込む突起部58bが形成されている。また、受板58には、ボール55の下端部分を係止させるための係止孔58cが押板56に形成されたボール孔56cと対応する箇所と、対応する箇所から角度をずらして等角度を置いて複数形成してある。
笠石14には、段差状に上方から順に径が大きくなるように貫通孔14aが形成されており、下端部分が大径部14bとなっており、それより上部が中径部14c、さらに上端部分が小径部(図示省略)となっている。貫通孔14aの小径部の内径はナットが嵌り込む大きさであり、中径部14cの内径は回転補助部材52が挿嵌する大きさであり、貫通孔14aの大径部14bの内径はストッパー部材が遊嵌する大きさである。スライド石5には笠石14に設けた貫通孔14aと連通する形で断面凸状の挿通孔32が形成してあり、挿通孔32の下端部分が大径部32aとなっており、それより上部が小径部32bとなっている。挿通孔32の小径部32bは貫通孔14aの中径部14cとほぼ同径の大きさに形成してあり、挿通孔32の大径部32aの内径は、軸止部材54が嵌り込む大きさである。
次に、回転手段の組み立てた状態について説明する。まず、貫通孔14aの中径部14c及び挿通孔32の小径部32bに回転補助部材52,53をそれぞれ挿嵌し、中径部14c及び小径部32bの内周壁に強固に固着させる。そして、貫通孔14aに挿嵌した回転補助部材52に軸51を挿嵌させる。軸51の下端部分、即ちスライド石5の挿通孔32に挿嵌する部分は、笠石14の下端より下方に突出している。このように、笠石14及びスライド石5と軸51との間に回転補助部材52,53を介在させることにより、軸51の回転がよりスムーズなものとなり、スライド石5の出し入れ作業が容易となる。次に、コイルスプリング57に軸51及び回転補助部材52を挿嵌し、コイルスプリング57を貫通孔14aの大径部14bの上面まで到達させる。そして、押板56の軸孔56aに軸51を挿嵌し、回転補助部材52の下向き凹部52aと押板56の突起部56bを嵌合させて押板56を回転補助部材52に固定する。また、受板58の突起部58bをスライド石5の挿通孔32に挿嵌した回転補助部材53の凹部53aに嵌合させて受板58を回転補助部材53に固定する。そして、押板56のボール孔56cにボール55を遊嵌すると共に受板58の軸孔58aと回転補助部材53に軸51を挿嵌し、ボール55の下端部を受板58の係止孔58cに係止させ、軸51の下端部のネジ51aに軸止部材54を螺合することで、図9(a)に示すような回転手段の組み立てた状態が完成する。ここで、笠石14に備えた回転補助部材52の上端は貫通孔14aの中径部14cの上面と面一になっており、下端は貫通孔14aの大径部14bの上面より下方に突出しており、突出した外周部分にコイルスプリング57を挿嵌する。また、スライド石5に備えた回転補助部材53の上端はスライド石5の上面から僅かに突出しており、下端はスライド石5の下面と面一になっている。笠石14の貫通孔14aの大径部14bには、コイルスプリング57、押板56及び受板58が嵌り込み、受板58は受板58の下面が笠石14の下面と面一になっている。また、スライド石5の下面と軸止部材54の下面も面一になっている。
上記のようにストッパー部材を備えて組み立てた回転手段において、スライド石5を墓の内部に収容する場合、図9(a)及び図10(a)に示すように、押板56の下面から下方に突出する全てのボール55の下端部が、コイルスプリング57の弾力により下向きに力を加えられた押板56によって受板58の係止孔58cに係止するため、スライド石5が自動的に回転することを防ぎ、墓の内部への収容状態を確実に保持することができる。また、係止孔58cにボール55の下端部が係止することで、図10(b)に示すような、スライド石5の曲面部分の一部が墓の前面側に引き出された状態で固定される。ここで、コイルスプリング57によって押板56が上下方向に僅かに移動可能に備えられているため、ボール55を係止孔58cから開放させてスライド石5を回転させる際には、係止孔58cに係止するボール55の下端部の分、ボール55と連動して押板56が上方に移動するため、より小さな力でスライド石5を回転させることができる。また、スライド石5に備えた回転補助部材53の上端は、僅かにスライド石5の上方に突出しているため、笠石14とスライド石5の間に隙間が形成され、スライド石5を回転させる際に各石材5、14同士が直接接触することを防ぐことが可能となるため、スライド石5を容易に回転させることができると共に、各石材5、14の耐久年数を向上させることができる。スライド石5の回転角度に関しては、120°や180°等スライド石5が墓の前面側に引き出され且つ作業スペースが十分に確保できれば特に限定するものではないが、145°にすることが望ましい。このようにすれば、墓の内部に収納してあるスライド石5の左右どちらか片側のみに持ち手を備えるだけで、スムーズ且つ容易にスライド石5を回転させることができる。
ここで、ストッパー部材に関しては、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、墓の大きさ及びスライド石の大きさに応じて、コイルスプリングを省き、ボール、押板及び受板のみから構成してもよい。この場合、押板自身の重さのみでボールをボール孔に係止させるため、押板の重さを調節し、ボールを係止孔に確実に係止させるようにする。また、貫通孔の大径部の上面と押板の間に介在させる部材は、コイルスプリングに限定されるものではなく、弾力性を保有する部材であれば特に問わず、例えばシリコンゴム等で円筒状に形成した弾性体等を挙げることができる。
図11は、納骨堂12の上端部を示す一部を省略した斜視図である。図12に示す従来の墓では、納骨堂80の前面側に配置された観音開き式の扉石84は、各扉石84の端部の上下端部と蓋石85及び土台86とを軸支することにより、軸(図示省略)を中心に回動し観音開き式に開閉可能に構成されている。しかし、本発明の墓の場合は、納骨堂12と蓋石13の間にスライド石5を介在させているため、従来の扉石の開閉構造では、扉石の上部に設けられた軸が邪魔となり、スライド石5を前後方向に移動させたり、鉛直軸心方向に回転させることは不可能であった。そこで、図11に示すように、扉石15の端部の上面と納骨堂12の側壁17の上面とをL字状の止金具7によって回動可能に連結することにより、納骨堂12の上面に突起物等がなくなり水平状態を確保することができるため、スライド石3を前後方向に移動させたり、スライド石5を鉛直軸心方向に回転可能にすると共に、扉石15を観音開き式に開閉可能にすることができる。ここで、L字状の止金具7と止金具7を使用した回動構造について説明する。止金具7はL字状の平板であり、一端部分には垂直方向に軸孔71を形成し、他端部分は先端をさらに下向きL字状に屈曲してある。扉石15の端部上面には軸孔(図示省略)を形成し、納骨堂12の側壁17上面には凹部17aが形成してある。そして、止金具7の一端部分の軸孔71を扉石15の軸孔に重ね合わせて、上から軸72を打ち込んで軸支し、他端部分の屈曲部分を納骨堂12の側壁17の凹部17aに嵌合することにより、扉石15を観音開き式に開閉することができる。さらに、止金具7の厚み分だけ、扉石15の上面と側壁17の上面の止金具7を備える部分を段差状に低く形成してあるため、扉石15、側壁17及び止金具7の上面が面一となり止金具7が納骨堂12の上面から突出せず、完全に納骨堂12内に収容される形となるので、スライド石3を前後に移動させたり、スライド石5を回転させる際の障害物になったりする等の影響は一切無くなる。扉石15に形成する軸孔の位置は、扉石15を約90°回転させて全開にすることができるように、扉石15の厚みを考慮し扉石15の端部よりも少し内側に形成することが望ましい。
3 スライド石(スライド板)
4 スライド金具(ガイド部材)
5 スライド石(スライド板)
41a 凸部(ストッパー部材)
41b 屈曲片(ストッパー部材)
55 ボール(ストッパー部材)
56 押板(ストッパー部材)
57 コイルスプリング(ストッパー部材)
58 受板(ストッパー部材)
4 スライド金具(ガイド部材)
5 スライド石(スライド板)
41a 凸部(ストッパー部材)
41b 屈曲片(ストッパー部材)
55 ボール(ストッパー部材)
56 押板(ストッパー部材)
57 コイルスプリング(ストッパー部材)
58 受板(ストッパー部材)
Claims (4)
- 墓の前面側に出し入れ可能なスライド板(3,5)を備えていることを特徴とする墓。
- 前記スライド板(3)は、ガイド部材(4)によって前後方向に移動可能に備えてあることを特徴とする請求項1記載の墓。
- 前記スライド板(5)は、回転手段によって鉛直軸心方向に回転自在に備えられていることを特徴とする請求項1記載の墓。
- 前記ガイド部材(4)及び回転手段には、スライド板(3,5)を出し入れした位置に固定しておくためのストッパー部材(41a,41b,55,56,57,58)が備えてあることを特徴とする請求項2又は3記載の墓。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005293622A JP2007100439A (ja) | 2005-10-06 | 2005-10-06 | 墓 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017057620A (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | 株式会社はせがわ | 鞄掛けを備える墓 |
JP7097657B1 (ja) | 2022-03-08 | 2022-07-08 | 合資会社沖縄関ケ原石材 | 石材墓 |
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2005
- 2005-10-06 JP JP2005293622A patent/JP2007100439A/ja active Pending
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