JP2007100093A - 液状オルガノポリシロキサン - Google Patents
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Abstract
【課題】液状であるオルガノポリシロキサンとその製造方法およびその使用を提供する。
【解決手段】本発明は、一般式
RaXbSiO(4-a-b)/2 (I)[式中、R、X、a、及びbは、請求項1記載の意味を表し、但し、a+bの合計が≦3であり、オルガノポリシロキサンの単位の少なくとも50%においてaは1である]の単位からなるオルガノポリシロキサンであり、前記オルガノポリシロキサンは20℃で900〜1100hPaの圧力で液状であるオルガノポリシロキサンに関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、一般式
RaXbSiO(4-a-b)/2 (I)[式中、R、X、a、及びbは、請求項1記載の意味を表し、但し、a+bの合計が≦3であり、オルガノポリシロキサンの単位の少なくとも50%においてaは1である]の単位からなるオルガノポリシロキサンであり、前記オルガノポリシロキサンは20℃で900〜1100hPaの圧力で液状であるオルガノポリシロキサンに関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、液状オルガノポリシロキサン、その製造方法並びにその使用に関する。
シリコーン樹脂は、一般に室温で固体又は高粘性であり、従って、最終用途に直接適用することはたいていの場合に不可能である。
DE 195 17 346 Aには、適用形態としてシロキサンエマルションが記載されている。欠点なのは、一部で相当な量の乳化剤の使用であり、前記乳化剤は全ての適用において望ましいわけではなくかつ許容できない。被覆時に例えば例えば付着損傷が生じることがある。プラスチック上に適用する場合に、乳化剤の選択により、応用技術的に望ましい特性、例えば親水性に不都合な影響を及ぼし、一部ではそれどころか損なわれる。エマルションの不安定性は一般に同様に欠点であることは明らかである。水も例えば腐食しやすい基材用の溶剤としては適していない。
DE 41 28 893 Aには、適用形態としてエマルションの他に分散液及び溶液も記載している。分散液についての欠点は、前記分散液の再現可能でない調製及びその沈殿挙動である。溶剤一般は、適用形態の不安定性に関する欠点はない。有機溶剤の使用は、良好な取扱性と組み合わせて良好な希釈性の利点を提供する。しかしながら、溶剤の選択は、環境負荷及び毒物学的な要求プロフィールにより著しく制限される。さらに、有機溶剤はシリコーン不含(siliconfremd)の材料であり、これは相容性を敏感に損なうことがある。
本発明の範囲内で、オルガノポリシロキサン並びにポリマーの、オリゴマーの、例えばダイマーのシロキサンの概念は一緒に包含される。
DE 195 17 346 A
DE 41 28 893 A
本発明の主題は、一般式
RaXbSiO(4-a-b)/2 (I)
[式中、
Rは、同じ又は異なっていてもよく、一価のSiC結合し置換又は非置換の炭化水素基を表し、
Xは、同じ又は異なっていてもよく、ハロゲン原子又は基−OR1を表し、R1は水素原子又は置換又は非置換の炭化水素基を表し、
aは0、1、2又は3であり、かつ
bは0、1、2又は3であり、
但し、a+bの合計が≦3であり、オルガノポリシロキサンの単位の少なくとも50%においてaは1である]の単位からなるオルガノポリシロキサンであり、前記オルガノポリシロキサンは20℃で900〜1100hPaの圧力で液状である。
RaXbSiO(4-a-b)/2 (I)
[式中、
Rは、同じ又は異なっていてもよく、一価のSiC結合し置換又は非置換の炭化水素基を表し、
Xは、同じ又は異なっていてもよく、ハロゲン原子又は基−OR1を表し、R1は水素原子又は置換又は非置換の炭化水素基を表し、
aは0、1、2又は3であり、かつ
bは0、1、2又は3であり、
但し、a+bの合計が≦3であり、オルガノポリシロキサンの単位の少なくとも50%においてaは1である]の単位からなるオルガノポリシロキサンであり、前記オルガノポリシロキサンは20℃で900〜1100hPaの圧力で液状である。
基Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基;アルケニル基、例えばビニル基及びアリル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基、アリール基、例えばフェニル基及びナフチル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基;アラルキル基、例えばベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基である。
置換された基Rの例は、有利にメルカプト基、エポキシ官能性基、カルボキシ基、ケト基、エナミン基、アミノ基、アミノエチルアミノ基、イソシアナト基、アリールオキシ基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、ヒドロキシ基及びハロゲン基で置換されていることができる、Rについて前記した全ての基である。
基Rは1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、特に有利に1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基、特にメチル基、フェニル基及びi−オクチル基であるのが有利である。
基R1の例は、基Rについて挙げた例である。
R1が、1〜6個の炭素原子を有する炭化水素基、特に有利に1〜3個の炭素原子を有する炭化水素基、特にメトキシ基及びエトキシ基であるのが有利である。
基Xの例は、ハロゲン原子、例えば塩素、臭素及びフッ素、並びにヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、1−n−ブトキシ基、2−n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、t−ペントキシ基及びn−ヘキソキシ基である。
基Xが基−OR1(R1は前記の意味を表す)が有利であり、特に有利に基−OH、−OCH3及び−OCH2CH3である。
基Xがハロゲン原子を表す場合、塩素原子が有利である。
有利にaは1、2又は3を表し、特に有利に1である。
bは0、1又は2を表すのが有利である。
本発明によるオルガノポリシロキサンにおいて、有利に式(I)の全ての単位の少なくとも60%、特に有利に少なくとも70%は、bが0である。
本発明によるオルガノポリシロキサン樹脂は、式(I)の全ての単位の少なくとも55%が、a=1であるのが有利である。
本発明によるオルガノポリシロキサン樹脂は、式(I)の全ての単位の少なくとも60%が、a=1でありかつ式(I)の全ての単位の最大で30%が、a=2又は3であるのが特に有利である。
本発明によるオルガノポリシロキサン樹脂は、式(I)の全ての単位の少なくとも65%が、a=1でありかつ式(I)の全ての単位の最大で25%が、a=2又は3であるのが殊に有利である。
本発明によるオルガノポリシロキサンは、式[RSiO3/2]g[R2SiO]h[R3SiO1/2]c[SiO4/2]d[R1O1/2]e[HO1/2]fのオルガノポリシロキサンであるのが有利であり、式中、Rはメチル基、イソオクチル基であり、R1はメチル基、エチル基又はブチル基であり、g=2〜200、h=0〜100、c=0〜50、d=0〜100、e=0〜20、f=0〜10である。
前記式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Proはプロピル基、Octはn−オクチル基、IOはイソオクチル基、Nonはノニル基、Dodecはn−ドデシル基であり、R2は水素原子又はエチル基を表す。
本発明によるオルガノポリシロキサンは、25℃で、有利に1〜500000mm2/s、特に有利に1〜50000mm2/sの粘度を有する。
本発明によるオルガノポリシロキサンは、シリコーン化学において自体公知の方法により、例えばハロゲンシラン又はアルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応により製造することができる。
本発明によるオルガノポリシロキサンは、第1段階で、クロロシランを水性アルコールで部分的にアルコキシル化もしくは加水分解もしくは縮合させ、前記反応混合物を、第2段階で、場合により非水溶性有機溶剤の存在で、ケイ素成分1molに対して水0.3〜10molの添加により加水分解もしくは縮合させることにより製造される。
また、本発明によるオルガノポリシロキサンは、アルコキシシランを水性媒体中に添加又は装入し、その際、これを適当な触媒の添加によりアルコールの脱離下に加水分解及び引き続き縮合させることにより製造することができる。場合により、こうして製造されたオルガノポリシロキサンはアルカリ性後処理を行うことができる。加水分解のためにメトキシシラン又はエトキシシランを使用するのが特に有利である。
本発明によるオルガノポリシロキサンは、今までオルガノポリシロキサンが使用されている全ての目的にとって、例えば建造物保護、コーティング分野、化粧品製品、繊維並びに紙の分野において使用することができる。特に、エマルションの製造のため及びペイント及び塗料の製造のための結合剤として適している。
本発明によるオルガノポリシロキサンは、周囲環境条件で液状であり、VOC貧有でかつ貯蔵安定性であるという利点を有する。さらに、本発明によるオルガノポリシロキサンは、有機溶剤中に可溶であり化学的に反応性である。
さらに、本発明によるオルガノポリシロキサンは、高い架橋度を有し、かつ有利に希釈せずに乳化可能であるという利点を有する。
さらに、本発明によるオルガノポリシロキサンは、無色で透明の液体であるという利点を有する。
さらに、本発明によるオルガノポリシロキサンは、シリコーン樹脂ペイントに適用するために特に適しているという利点を有する。
以下に記載される実施例では、部及びパーセンテージで示される全ての表示は、他に記載がない限り、質量に対するものである。他に記載がない限り、以下の実施例は、周囲大気の圧力で、従って約1000hPaで、かつ室温で、従って約20℃で、もしくは反応物を室温で付加的加熱又は冷却をせずに合わせる場合に生ずる温度で実施される。実施例中に記載された全ての粘度表示は、25℃の温度に関する。
次に記載する平均的な実験式は、それぞれの生成物の1H−、29Si−NMR及びGPC分光分析(ポリスチレン標準に対して測定、重量平均Mwを考慮する)の評価から得られる。
実施例1
撹拌機、還流冷却器及び滴下漏斗を備えた三口フラスコ中に、メチルトリクロロシラン187gとジメチルジクロロシラン20.8gからなるクロロシラン混合物207.8gを装入し、エタノール149.6gと水16.6gとからなる混合物166.2gを撹拌しながら10分間で添加した。
撹拌機、還流冷却器及び滴下漏斗を備えた三口フラスコ中に、メチルトリクロロシラン187gとジメチルジクロロシラン20.8gからなるクロロシラン混合物207.8gを装入し、エタノール149.6gと水16.6gとからなる混合物166.2gを撹拌しながら10分間で添加した。
加水分解/縮合のために、こうして得られた塩化水素−濃縮反応混合物284.6gを、トリメチルクロロシラン14.03g及びトルエン334.84gと混合し、水56.92gを良好に混合しながら35分間で供給した。
水341.5gの添加により、反応しない程度に酸濃度が低下するため、注意深い混合及び引き続く30分間の放置の後に、さらに縮合段階を行わずに、トルエン性樹脂相を水性/エタノール性塩化水素相から分離することができる。
更なる後処理工程において、トルエン性樹脂相は炭酸水素ナトリウムで中和され、活性炭で触媒作用の金属の痕跡を除去し、引き続き濾過助剤で濾過し、回転蒸発器で120〜200℃でかつ30mbar真空で揮発性成分を除去し、その際、エタノール及びトルエンは再蒸留の後に再び製造プロセスに戻すことができる。
平均的な実験式[MeSiO3/2]20.4[Me2SiO]2.8[Me3SiO1/2]2.1[EtO1/2]1.5[HO1/2]0.6のシロキサン87.8gが、11500mPasの粘度を有する無色透明の液体として得られ、その際、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
実施例2
撹拌機、還流冷却器及び滴下漏斗を備えた三口フラスコ中に、メチルトリクロロシラン278.8gとジメチルジクロロシラン34gとイソオクチルトリクロロシラン27.2gとからなるクロロシラン混合物340gを装入し、エタノール344gと水30gとからなる混合物374gを良好に混合しながら10分間で添加した。
撹拌機、還流冷却器及び滴下漏斗を備えた三口フラスコ中に、メチルトリクロロシラン278.8gとジメチルジクロロシラン34gとイソオクチルトリクロロシラン27.2gとからなるクロロシラン混合物340gを装入し、エタノール344gと水30gとからなる混合物374gを良好に混合しながら10分間で添加した。
加水分解/縮合のために、こうして得られた塩化水素−濃縮反応混合物599gを、トリメチルクロロシラン13.9g及びトルエン1200gと混合し、水120gを良好に混合しながら35分間で供給した。水720gの添加により、反応しない程度に酸濃度が低下するため、注意深い混合及び引き続く30分間の放置の後に、さらに縮合段階を行わずに、トルエン性樹脂相を水性/エタノール性塩化水素相から分離することができる。
更なる後処理工程において、トルエン性樹脂相は炭酸水素ナトリウムで中和され、活性炭で触媒作用の金属の痕跡を除去し、引き続き濾過助剤で濾過し、回転蒸発器で120〜200℃でかつ30mbar真空で揮発性成分を除去し、その際、エタノール及びトルエンはプロセスに戻すことができる。
平均的な実験式[MeSiO3/2]15.2[Me2SiO]2.6[Me3SiO1/2]0.9[IOSiO3/2]0.8[EtO1/2]2.0[HO1/2]0.3のシロキサン171gが、2501mPasの粘度を有する無色透明の液体として得られ、その際、Meはメチル基を表し、IOはイソオクチル基を表し、Etはエチル基を表す。
実施例3
内容量2リットルの自然循環のループ型反応器中で、メチルトリクロロシラン1.2リットル/h、ジメチルジクロロシラン0.16リットル/h及びトリメチルトリクロロシラン0.17リットル/hとからなる混合物と、エタノール1.54リットル/hと水0.08リットル/hとからなる混合物を連続的に供給し、その際、30〜34℃の反応温度及び48分の平均滞留時間を調節した。
内容量2リットルの自然循環のループ型反応器中で、メチルトリクロロシラン1.2リットル/h、ジメチルジクロロシラン0.16リットル/h及びトリメチルトリクロロシラン0.17リットル/hとからなる混合物と、エタノール1.54リットル/hと水0.08リットル/hとからなる混合物を連続的に供給し、その際、30〜34℃の反応温度及び48分の平均滞留時間を調節した。
こうして製造された部分アルコキシラート/部分加水分解物2.42リットル/hを、連続的に6リットルの内容量の第2のループ型反応器中の、1m3/hの供給出力の循環ポンプの前の吸引側に移した。さらに、連続的にトルエン3.2リットル/hと水0.47リットル/hを循環ポンプの前の吸引側に供給した(滞留時間:70分、加水分解/縮合ループ中の温度:40℃)。
加水分解物/縮合物6.1リットル/hが連続的に第2のループ型反応器から搬出された。この導管中へ、水2.85リットル/hを供給し、その際、前記混合物をスタティックミキサにより良好に混合した。
12リットルの内容量の相分離容器中に、反応混合物9リットル/hを連続的に供給し、上相と下相とに分離した。更なる後処理を、実施例1及び2に記載と同様に行った。エタノール及びトルエンは、再蒸留により再びプロセスに戻すことができた。
実験式[MeSiO3/2]15.3[Me2SiO]2.8[Me3SiO1/2]1.3[EtO1/2]1.5[HO1/2]1.0のシロキサン0.85リットル/hが、2500cstの粘度の無色の液体として得られた。
Claims (7)
- 一般式
RaXbSiO(4-a-b)/2 (I)
[式中、
Rは、同じ又は異なっていてもよく、一価のSiC結合した置換又は非置換の炭化水素基を表し、
Xは、同じ又は異なっていてもよく、ハロゲン原子又は基−OR1を表し、R1は水素原子又は置換又は非置換の炭化水素基を表し、
aは0、1、2又は3であり、かつ
bは0、1、2又は3であり、
但し、a+bの合計が≦3であり、オルガノポリシロキサンの単位の少なくとも50%においてaは1である]の単位からなり、かつ20℃で900〜1100hPaの圧力で液状であるオルガノポリシロキサン。 - 基Xは基−OR1であり、R1は前記の意味を表すことを特徴とする、請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
- 式(I)の全ての単位の少なくとも60%が、a=1でありかつ式(I)の全ての単位の最大で30%が、a=2又は3であることを特徴とする、請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサン。
- 式(I)の全ての単位の少なくとも65%が、a=1でありかつ式(I)の全ての単位の最大で25%が、a=2又は3であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン。
- 式(I)の全ての単位の少なくとも60%が、b=0であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン。
- 25℃で1〜500000mm2/sの粘度を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン。
- 25℃で1〜50000mm2/sの粘度を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン。
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