JP2007099938A - 剥離性処理剤、剥離ライナー、および粘着テープ又はシート - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘度が低く、且つ、優れた剥離性を発揮する剥離性皮膜を優れた作業性で形成することが可能な剥離性処理剤を提供する。
【解決手段】 剥離性処理剤は、シリコーン成分を含有する剥離性処理剤であって、さらに、23℃で液状のα−オレフィン成分を含有することを特徴とする。23℃で液状のα−オレフィン成分としては、炭素原子数が18以下のα−オレフィン成分が好適である。23℃で液状のα−オレフィン成分の割合は、シリコーン成分100重量部に対して5〜60重量部であってもよい。シリコーン成分としては、熱付加反応型シリコーン系離型剤中に含まれているシリコーン成分が好適である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、剥離性処理剤、該剥離性処理剤が用いられている剥離ライナー、および該剥離ライナーが用いられている粘着テープ又はシートに関する。
従来、粘着シート、接着シート、粘着テープなどの粘着製品は、粘着剤層の表面(粘着面)がむき出しの状態では、ハンドリング性に問題が生じるために、粘着面を保護する目的で剥離ライナー(剥離紙)が用いられている。また、粘着シート、接着シート、粘着テープなどの粘着製品の製造では、製造工程紙としての剥離紙上に粘着剤を塗工し、乾燥工程を経た後、目的の基材に粘着剤層を転写させて、粘着製品を製造する場合もある。このように、粘着製品の製造時でも、剥離紙が用いられる場合がある。
剥離紙としては、一般的に、各種の紙、加工紙、合成フィルム等の基材の表面に、剥離剤層としてシリコーン組成物による剥離性皮膜(シリコーン皮膜)が形成されることにより、粘着性物質に対する剥離性が付与された構成の剥離紙が用いられている。この場合、近年、基材表面に、剥離性皮膜を形成する方法としては、白金系化合物を触媒として、アルケニル基含有ポリジメチルシロキサンと、ポリジメチルハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応により硬化させて、シリコーン組成物による剥離性硬化皮膜を形成する方法が主に用いられている。このようなシリコーン組成物としては、トルエン等の有機溶剤に溶解したタイプ(溶剤型)、水に乳化させてエマルジョン化したエマルジョンタイプ(エマルジョン型)、有機溶剤や水等の溶剤が用いられていない無溶剤タイプ(無溶剤型)などの各種タイプのシリコーン組成物が知られている。
近年、安全衛生面、環境面、高速化塗工による生産性向上などの目的から、溶剤タイプの高ベース化(高濃度化)や、溶剤タイプから無溶剤タイプへの置き換えが進んでいる。しかしながら、高ベースの溶剤タイプや、無溶剤タイプのシリコーン組成物では、ベースポリマーの分子量(重量平均分子量)は、従来の溶剤タイプの場合よりも小さくなっており、そのため、形成される剥離性硬化皮膜は、架橋密度が高く、硬い硬化皮膜になり、その結果、高速剥離での剥離抵抗が小さく、また、滑り難い皮膜となってしまう。
そこで、無溶剤タイプのシリコーン組成物において、形成される剥離性硬化皮膜の剥離速度依存性や滑り性を改良するために、高分子量のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンをブレンドする方法や、高分子量のポリジメチルシロキサンを滑り剤として添加する方法などが知られている(特許文献1参照)。
特公平3−19268号公報
しかしながら、このように、高分子量のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンをブレンドする方法や、高分子量のポリジメチルシロキサンを滑り剤として添加する方法などでは、高分子量の成分が配合されるため、剥離性処理剤の粘度が極めて高くなり、その結果、レベリング性が低下し、また、高速塗工時における塗工ロール間から発生するミストによる作業者への安全、衛生の問題、オーブンへの吸引によるシリカダストの問題、さらに、シリカダストの塗工面への付着による塗工面状態の低下の問題などが生じている。
従って、本発明の目的は、粘度が低く、且つ、優れた剥離性を発揮する剥離性皮膜を優れた作業性で形成することが可能な剥離性処理剤、該剥離性処理剤が用いられている剥離ライナー、および該剥離ライナーが用いられている粘着テープ又はシートを提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに、粘度が低くても、粘着剤層の粘着特性の低下を抑制又は防止することができる剥離性皮膜を形成することが可能な剥離性処理剤、該剥離性処理剤が用いられている剥離ライナー、および該剥離ライナーが用いられている粘着テープ又はシートを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、無溶剤型シリコーン系離型剤に、特定のα−オレフィンを配合して剥離性処理剤を調製すると、剥離性処理剤の粘度を低下させることが可能となり、しかも、優れた剥離性を発揮する剥離性皮膜を優れた作業性で形成することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、シリコーン成分を含有する剥離性処理剤であって、さらに、23℃で液状のα−オレフィン成分を含有することを特徴とする剥離性処理剤である。
前記23℃で液状のα−オレフィン成分としては、炭素原子数が18以下のα−オレフィン成分を好適に用いることができる。23℃で液状のα−オレフィン成分の割合は、シリコーン成分100重量部に対して5〜60重量部であることが好ましい。
前記シリコーン成分としては、熱付加反応型シリコーン系離型剤中に含まれているシリコーン成分を好適に用いることができる。
本発明は、また、剥離性処理剤による剥離性処理剤層を有する剥離ライナーであって、剥離性処理剤として、前記剥離性処理剤が用いられていることを特徴とする剥離ライナーを提供する。
本発明は、さらにまた、少なくとも一方の粘着面が剥離ライナーにより保護されている粘着テープ又はシートであって、剥離ライナーとして、前記剥離ライナーが用いられていることを特徴とする粘着テープ又はシートを提供する。
本発明の剥離性処理剤によれば、前記構成を有しているので、粘度が低く、且つ、優れた剥離性を発揮する剥離性皮膜を優れた作業性で形成することが可能である。また、粘度が低くても、粘着剤層の粘着特性の低下を抑制又は防止することができる剥離性皮膜を形成することができる。
従って、無溶剤型シリコーン系離型剤が用いられていても、優れた剥離性を発揮することができるとともに、優れた作業性で形成された剥離性皮膜を有する剥離ライナー、および該剥離ライナーが用いられた粘着テープ又はシートを提供することができる。
[液状のα−オレフィン成分]
本発明の剥離性処理剤(離型剤)では、剥離性を発揮する剥離性皮膜を形成することが可能なシリコーン成分とともに、23℃で液状のα−オレフィン成分(「液状α−オレフィン成分」と称する場合がある)が用いられている。液状α−オレフィン成分としては、23℃で液状の形態を有しているα−オレフィン成分であれば特に制限されず、公知のα−オレフィン成分の中から、23℃で液状の形態を有するものを適宜選択して用いることができる。液状α−オレフィン成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、α−オレフィン成分の炭素原子数が18を超えると、室温で(23℃で)、固体状になる場合があるので、液状α−オレフィン成分としては、炭素原子数が18以下のα−オレフィン成分を好適に用いることができる。一方、α−オレフィン成分は、炭素原子数が少なくなると、揮発性が高まり、安全および衛生の観点から、液状α−オレフィン成分としては、炭素原子数が12以上のα−オレフィン成分を好適に用いることができる。従って、液状α−オレフィン成分としては、炭素原子数が12〜18のα−オレフィン成分が好適である。このような液状α−オレフィン成分としては、例えば、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンなどが挙げられ、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンを好適に用いることができる。
具体的には、液状α−オレフィン成分としては、例えば、商品名「リニアレン」(出光興産株式会社製)のシリーズ(例えば、商品名「リニアレン14」、商品名「リニアレン16」、商品名「リニアレン18」など)などの市販品を用いることができる。
なお、液状α−オレフィン成分としては、直鎖状を有していることが好ましいが、分岐鎖状を有していてもよい。
[シリコーン成分]
本発明における剥離性処理剤で用いられているシリコーン成分としては、剥離性を発揮する剥離性皮膜を形成することが可能なシリコーン成分(オルガノポリシロキサン成分)であればよく、例えば、公知のシリコーン系剥離剤中に含まれているシリコーン成分から適宜選択することができる。シリコーン系剥離剤としては、硬化反応(特に、熱や電離性放射線などの付与による硬化反応)を生じさせることにより硬化させて、シリコーン系剥離剤層である剥離性皮膜(剥離性硬化皮膜)を形成させることが可能なシリコーン系剥離剤(硬化型シリコーン系剥離剤)を好適に用いることができる。このような硬化型シリコーン系剥離剤としては、例えば、熱硬化型シリコーン系剥離剤や、電離性放射線硬化型シリコーン系剥離剤などが挙げられ、熱硬化型シリコーン系剥離剤が好適である。なお、シリコーン成分またはシリコーン系剥離剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(熱硬化型シリコーン系剥離剤)
熱硬化型シリコーン系剥離剤としては、熱により硬化が生じるタイプのシリコーン系剥離剤であれば特に制限されないが、熱による付加反応型の架橋(硬化反応)により硬化して剥離性硬化皮膜を形成するタイプの熱付加反応型シリコーン系剥離剤を好適に用いることができる。熱硬化型シリコーン系剥離剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記熱付加反応型シリコーン系剥離剤としては、分子中にSi−H結合を有する基に対して反応性を有する基を有しているポリシロキサン系ポリマーと、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を有しているポリシロキサン系ポリマーとを含有する熱付加反応型ポリシロキサン系剥離剤を用いることができる。なお、「Si−H結合」とは、「ケイ素原子(Si)と水素原子(H)との結合」を意味している。
分子中にSi−H結合を有する基に対して反応性を有する基を有しているポリシロキサン系ポリマーにおいて、Si−H結合を有する基に対して反応性を有する基としては、例えば、アルケニル基(ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基やヘキセニル基等)などが挙げられる。前記アルケニル基は、分子中にSi−H結合を有する基に対して反応性を有する基を有しているポリシロキサン系ポリマーの分子中に2個以上有していることが好ましい。また、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を有しているポリシロキサン系ポリマーにおいて、ケイ素原子に結合している水素原子は、分子中に2個以上有していることが好ましい。従って、熱付加反応型ポリシロキサン系剥離剤としては、分子中にアルケニル基を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーと、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーとを含有するポリシロキサン系剥離剤が好適である。
分子中にアルケニル基を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーにおいて、アルケニル基は、通常、主鎖又は骨格を形成しているポリシロキサン系ポリマーのケイ素原子(例えば、末端のケイ素原子や、主鎖内部のケイ素原子など)に直接結合している。従って、分子中にアルケニル基を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーとしては、分子中に、ケイ素原子に直接結合しているアルケニル基を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーを好適に用いることができる。なお、主鎖又は骨格を形成しているポリシロキサン系ポリマーとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン系ポリマー、ポリジエチルシロキサン系ポリマー、ポリメチルエチルシロキサン系ポリマー等のポリアルキルアルキルシロキサン系ポリマーや、ポリアルキルアリールシロキサン系ポリマーの他、ケイ素原子含有モノマー成分が複数種用いられている共重合体[例えば、ポリ(ジメチルシロキサン−ジエチルシロキサン)など]などが挙げられ、ポリジメチルシロキサン系ポリマーが好適である。
一方、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーにおいて、水素原子が結合しているケイ素原子は、主鎖中のケイ素原子、側鎖中のケイ素原子のいずれであってもよい。分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーとしては、ポリジメチルハイドロジェンシロキサン系ポリマー[例えば、ポリ(ジメチルシロキサン−メチルシロキサン)等]が好適である。なお、熱付加反応型ポリシロキサン系剥離剤において、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーは、架橋剤としての機能を有している。
分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーの使用量としては、特に制限されず、皮膜の硬化性、剥離強度などに応じて適宜選択することができる。具体的には、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーは、皮膜を十分に硬化させるためには、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーにおける水素原子が結合しているケイ素原子(すなわち、Si−H結合のケイ素原子)のモル数(「モル数(X)」と称する場合がある)と、分子中にアルケニル基を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーにおけるアルケニル基のモル数(「モル数(Y)」と称する場合がある)とが、モル数(X)>モル数(Y)となる割合で用いることが好ましく、通常、モル数(X)/モル数(Y)が0.8〜2.0(好ましくは1.0〜1.8)となる割合で用いられる。
分子中にアルケニル基を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマーを、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマー(架橋剤)により硬化させる際には、触媒を用いることができる。該触媒としては、白金系触媒(例えば、白金微粒子、塩化白金酸又はその誘導体等の白金系化合物など)を好適に用いることができる。触媒の使用量としては、特に制限されないが、例えば、分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン系ポリマー100重量部に対して0.5〜10重量部(好ましくは1〜5重量部)の範囲から選択することができる。
熱付加反応型ポリシロキサン系剥離剤は、前記構成成分(例えば、分子中にアルケニル基を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマー、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているポリシロキサン系ポリマー、必要に応じて触媒や各種添加剤など)を、必要に応じて有機溶媒を用いて混合することにより調製することができる。なお、熱付加反応型ポリシロキサン系剥離剤には、公知乃至慣用の添加剤[例えば、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤(染料や顔料等)など]が適宜配合されていてもよい。
[剥離性処理剤]
本発明の剥離性処理剤(離型剤)は、前述のように、シリコーン成分と、液状α−オレフィン成分とを含有している。液状α−オレフィン成分は、シリコーン成分と相溶性が極めて良く、良好に混合させることができ、しかも、剥離性処理剤の粘度を、液状α−オレフィン成分を配合することにより、シリコーン成分単独の場合よりも、低くすることができる。また、液状α−オレフィン成分は、シリコーン成分による剥離特性に悪影響を及ぼさないだけでなく、良好な剥離性も付与することができるので、剥離性処理剤は、優れた剥離性を発揮する剥離性皮膜を形成することができる。さらにまた、剥離性処理剤は、粘度が低いので、高速塗工におけるレベリングの低下や、ミストの問題などが生じず、優れた作業性で剥離性皮膜を形成することもできる。
本発明では、剥離性処理剤は適正な粘度で調整することができる。剥離性処理剤の適正な粘度(25℃)としては、例えば、50〜1,000mPa・s(好ましくは100〜650mPa・s)である。剥離性処理剤の粘度(25℃)が、50mPa・sより低いと、剥離性処理剤を塗工して剥離性処理剤層を形成する際に用いられる基材が紙製基材である場合、紙製基材へのしみ込みが多くなるという不具合が生じ、一方、1,000mPa・sより高いと、塗工性が低下し、高速塗工におけるレベリングの低下やミストの問題が生じやすくなる。
本発明の剥離性処理剤は、前述のように、シリコーン成分と液状α−オレフィンとを含有しており、シリコーン成分を含むシリコーン系剥離剤に、液状α−オレフィン成分を加えて混合させることにより、調製することができる。
液状α−オレフィン成分の割合(使用量)としては、特に制限されないが、剥離性処理剤の粘度低下の効果を有効に発揮させる観点から、シリコーン成分100重量部に対して5重量部以上であることが好ましい。具体的には、液状α−オレフィン成分の割合としては、例えば、シリコーン成分100重量部に対して5〜60重量部の範囲から適宜選択することができ、好ましくは15〜60重量部である。
本発明の剥離性処理剤は、剥離ライナーにおける剥離性処理剤層(剥離剤層、離型剤層などとも称される)、粘着テープ又はシートを製造する際の工程紙における剥離性処理剤層や、基材付きタイプの粘着テープ又はシートの基材における粘着剤層に対して反対側の面に形成する剥離性処理剤層(背面処理層などとも称される)を形成するための剥離性処理剤として好適に用いることができる。
剥離ライナー等における剥離性処理剤層は、剥離性処理剤を、所定の面(例えば、剥離ライナーにおける基材の表面や、粘着テープ又はシートにおける基材の表面など)に、塗工し、シリコーン成分の種類に応じて加熱や電離性放射線の照射などの処理を行うことにより、形成することができる。具体的には、シリコーン成分を含むシリコーン系剥離剤が熱硬化型シリコーン系剥離剤である場合、熱硬化型シリコーン系剥離剤と液状α−オレフィン成分とを含有する剥離性処理剤を、所定の面上に、乾燥乃至硬化後の厚みが所定の厚みとなる塗布量で塗布して、加熱により乾燥乃至硬化させることにより、剥離性処理剤層を形成することができる。
なお、シリコーン成分を含むシリコーン系剥離剤が熱硬化型シリコーン系剥離剤である場合、剥離性処理剤を乾燥乃至硬化させる際などで加熱する方法としては、特に制限されず、公知の加熱方法から適宜選択して採用することができる。例えば、電気、スチーム、赤外線、マイクロ波、誘導加熱などを熱源とした熱循環式の乾燥機を用いて、80〜160℃の温度で、15秒〜120秒程度の時間で、加熱処理を行うことにより、剥離性処理剤層を形成する方法などが挙げられる。
剥離性処理剤は、適正な塗布量で、塗布することが重要である。剥離性処理剤の塗布量が、少なすぎると、剥離強度(剥離に要する力)が所望する剥離強度よりもが大きくなって実用上問題が生じ、一方、多すぎると、コストが高くなって経済的に不利になる。剥離性処理剤の適正な塗布量(固形分)としては、用いられる粘着剤の種類や、剥離ライナー用基材の種類、シリコーン系剥離剤の種類などに応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜5g/m2程度であり、好ましくは0.3〜3g/m2である。
なお、剥離性処理剤を塗工する際には、例えば、多段ロールコーター、グラビアロールコーター、バーコーター、ダイコーター、エアーコーターなどの公知の塗工技術を適宜選択して利用して塗工することができる。
[剥離ライナー]
本発明の剥離ライナーは、前記剥離性処理剤(すなわち、シリコーン成分と、液状α−オレフィン成分とを含有する剥離性処理剤)による剥離性処理剤層を有する構成を有しており、例えば、基材の少なくとも一方の面に、剥離性処理剤を用いて形成された剥離性処理剤層を有する剥離ライナーなどが挙げられる。なお、具体的な剥離性処理剤や該剥離性処理剤による剥離性処理剤層の形成方法などは、前述のとおりである。
剥離ライナーにおいて用いられている基材(剥離ライナー用基材)としては、特に制限されず、プラスチック製基材、紙製基材、繊維製基材などの各種基材を用いることができる。剥離ライナー用基材は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。剥離ライナー用基材において、プラスチック製基材としては、各種のプラスチック製基材から適宜選択して用いることができ、例えば、ポリオレフィン製基材(ポリエチレン製基材、ポリプロピレン製基材等)、ポリエステル製基材(ポリエチレンテレフタレート製基材、ポリエチレンナフタレート製基材、ポリブチレンテレフタレート製基材等)、ポリアミド製基材、セルロース製基材などが挙げられる。また、紙製基材としては、各種の紙製基材から適宜選択して用いることができ、例えば、和紙、洋紙、上質紙、グラシン紙、クラフト紙、クルパック紙、晒クルパック紙、クレープ紙、クレーコート紙、トップコート紙、合成紙などが挙げられる。剥離ライナー用基材としては、紙製基材が好適である。
剥離ライナー用基材には、必要に応じて、その表面をコロナ放電処理等の各種表面処理を施したり、エンボス加工等の各種表面加工を施したりすることができる。
剥離ライナー用基材の厚みとしては、特に制限されず、用途等に応じて適宜選択することができ、一般には、2〜200μmの範囲から適宜選択することができる。
[粘着テープ又はシート]
本発明の粘着テープ又はシートは、少なくとも一方の粘着面が、前記剥離ライナー(すなわち、シリコーン成分と、液状α−オレフィン成分とを含有する剥離性処理剤による剥離性処理剤層を有している剥離ライナー)により保護された構成を有している。粘着テープ又はシートは、前記構成を有していればよく、例えば、図1(a)で示されるように、(1)基材の一方の面に粘着剤層が形成され、且つ基材の一方の面に形成された粘着剤層の表面(粘着面)が、剥離ライナーにより保護された構成を有する基材付きタイプの粘着テープ又はシート、図1(b)で示されるように、(2)基材の両面に粘着剤層が形成され、且つ基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層の表面(粘着面)が、剥離ライナーにより保護された構成を有する基材付きタイプの両面粘着テープ又はシート、図1(c)で示されるように、(3)基材を有しておらず、粘着剤層の少なくとも一方の表面(粘着面)が、剥離ライナーにより保護された構成を有する基材レスタイプの両面粘着テープ又はシートなどが挙げられる。
図1は、本発明の粘着テープ又はシートの例を示す概略断面図である。図1において、1a〜1cは、それぞれ、粘着テープ又はシート、2は粘着剤層、3は基材、4は片面に剥離性処理剤層を有する剥離ライナー、5は両面に剥離性処理剤層を有する剥離ライナーである。図1(a)で示される粘着テープ又はシート1aは、基材3の一方の面に粘着剤層2が形成されているとともに、該粘着剤層2の表面が、剥離ライナー4により保護された構成を有している。図1(b)で示される粘着テープ又はシート1bは、基材3の両面に粘着剤層(2,2)が形成されているとともに、該2つの粘着剤層(2,2)が、それぞれ、剥離ライナー(4,4)により保護された構成を有している。図1(c)で示される粘着テープ又はシート1cは、粘着剤層2の一方の表面が、剥離ライナー5により保護された構成を有しており、剥離ライナー5は両面に剥離性処理剤層が形成された構成を有しているので、粘着テープ又はシート1cは、ロール状に巻回された形態の粘着テープとして作製することができる。
粘着テープ又はシートにおいて用いられる基材としては、例えば、各種紙(和紙、洋紙、上質紙、グラシン紙、クラフト紙、クルパック紙、晒クルパック紙、クレープ紙、クレーコート紙、トップコート紙、合成紙など)などの紙系基材;布(綿布、スフ布など)、不織布(ポリエステル系不織布、ポリビニルアルコール系不織布など)、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル;酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド;ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、プラスチック系基材において、フィルムやシートは、延伸された形態(1軸延伸または2軸延伸された形態)を有していてもよく、延伸されていない形態(無延伸の形態)を有していてもよい。
基材の厚さは、粘着テープ又はシートの使用目的などに応じて適宜設定することができ、例えば、10〜200μmの範囲から選択することができる。なお、基材は単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
基材の表面は、粘着剤層等との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、コロナ放線処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理、下塗り剤等によるコーティング処理等の表面処理が施されていてもよい。
また、粘着テープ又はシートにおける粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限されず、公知の粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など)から適宜選択して用いることができる。粘着剤は、いずれの形態を有していてもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。粘着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤が好適である。アクリル系粘着剤は、各種重合方法(溶液重合方法、エマルション重合方法など)により調製されたアクリル系重合体[特に、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体]を主剤とし、これに必要に応じて架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、難燃剤などの各種添加剤を加えることにより、調製された粘着剤組成物である。
前記アクリル系重合体を構成するモノマー成分としては、主成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられており、必要に応じて、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合が可能なモノマー成分(共重合性モノマー)が用いられている。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその酸無水物(無水マレイン酸、無水イコタン酸など);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等の水酸基含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)などのスチレン系モノマーなどが挙げられる。共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、粘着テープ又はシートは、シート状のものが積層された形態を有していてもよく、ロール状に巻回された形態を有していてもよい。
なお、粘着テープ又はシートの製造方法としては、特に制限されず、公知の製造方法から適宜選択して採用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
商品名「LTC−1003H」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;無溶剤型シリコーン系剥離剤):100重量部に対して、商品名「LTC−1100M」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;白金系触媒):10重量部、商品名「リニアレン14」(出光興産株式会社製;炭素原子数が14のα−オレフィン;1−テトラデセン):5重量部の割合で配合して混合し、シリコーン系剥離剤を調製した。
次に、得られたシリコーン系剥離剤を坪量78g/m2の上質紙を紙基材とするポリエチレンラミネート紙に、約1.0g/m2の塗布量で塗布し、120℃の熱風乾燥機中で30秒間加熱処理し、さらに、形成された硬化皮膜を50℃の熱風乾燥機中で2日間エージングさせて、剥離紙を作製した。
(実施例2)
商品名「LTC−1003H」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;無溶剤型シリコーン系剥離剤):100重量部に対して、商品名「LTC−1100M」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;白金系触媒):10重量部、商品名「リニアレン14」(出光興産株式会社製;炭素原子数が14のα−オレフィン;1−テトラデセン):15重量部の割合で配合して混合し、シリコーン系剥離剤を調製した。
次に、得られたシリコーン系剥離剤を坪量78g/m2の上質紙を紙基材とするポリエチレンラミネート紙に、約1.0g/m2の塗布量で塗布し、120℃の熱風乾燥機中で30秒間加熱処理し、さらに、形成された硬化皮膜を50℃の熱風乾燥機中で2日間エージングさせて、剥離紙を作製した。
(実施例3)
商品名「LTC−1003H」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;無溶剤型シリコーン系剥離剤):100重量部に対して、商品名「LTC−1100M」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;白金系触媒):10重量部、商品名「リニアレン14」(出光興産株式会社製;炭素原子数が14のα−オレフィン;1−テトラデセン):30重量部の割合で配合して混合し、シリコーン系剥離剤を調製した。
次に、得られたシリコーン系剥離剤を坪量78g/m2の上質紙を紙基材とするポリエチレンラミネート紙に、約1.0g/m2の塗布量で塗布し、120℃の熱風乾燥機中で30秒間加熱処理し、さらに、形成された硬化皮膜を50℃の熱風乾燥機中で2日間エージングさせて、剥離紙を作製した。
(実施例4)
商品名「LTC−1003H」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;無溶剤型シリコーン系剥離剤):100重量部に対して、商品名「LTC−1100M」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;白金系触媒):10重量部、商品名「リニアレン14」(出光興産株式会社製;炭素原子数が14のα−オレフィン;1−テトラデセン):60重量部の割合で配合して混合し、シリコーン系剥離剤を調製した。
次に、得られたシリコーン系剥離剤を坪量78g/m2の上質紙を紙基材とするポリエチレンラミネート紙に、約1.0g/m2の塗布量で塗布し、120℃の熱風乾燥機中で30秒間加熱処理し、さらに、形成された硬化皮膜を50℃の熱風乾燥機中で2日間エージングさせて、剥離紙を作製した。
(実施例5)
商品名「LTC−1003H」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;無溶剤型シリコーン系剥離剤):100重量部に対して、商品名「LTC−1100M」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;白金系触媒):10重量部、商品名「リニアレン16」(出光興産株式会社製;炭素原子数が16のα−オレフィン;1−ヘキサデセン):10重量部の割合で配合して混合し、シリコーン系剥離剤を調製した。
次に、得られたシリコーン系剥離剤を坪量78g/m2の上質紙を紙基材とするポリエチレンラミネート紙に、約1.0g/m2の塗布量で塗布し、120℃の熱風乾燥機中で30秒間加熱処理し、さらに、形成された硬化皮膜を50℃の熱風乾燥機中で2日間エージングさせて、剥離紙を作製した。
(実施例6)
商品名「LTC−1003H」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;無溶剤型シリコーン系剥離剤):100重量部に対して、商品名「LTC−1100M」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;白金系触媒):10重量部、商品名「リニアレン18」(出光興産株式会社製;炭素原子数が18のα−オレフィン;1−オクタデセン):10重量部の割合で配合して混合し、シリコーン系剥離剤を調製した。
次に、得られたシリコーン系剥離剤を坪量78g/m2の上質紙を紙基材とするポリエチレンラミネート紙に、約1.0g/m2の塗布量で塗布し、120℃の熱風乾燥機中で30秒間加熱処理し、さらに、形成された硬化皮膜を50℃の熱風乾燥機中で2日間エージングさせて、剥離紙を作製した。
(比較例1)
商品名「LTC−1003H」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;無溶剤型シリコーン系剥離剤):100重量部に対して、商品名「LTC−1100M」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製;白金系触媒):10重量部の割合で配合して混合し、シリコーン系剥離剤を調製した。
次に、得られたシリコーン系剥離剤を坪量78g/m2の上質紙を紙基材とするポリエチレンラミネート紙に、約1.0g/m2の塗布量で塗布し、120℃の熱風乾燥機中で30秒間加熱処理し、さらに、形成された硬化皮膜を50℃の熱風乾燥機中で2日間エージングさせて、剥離紙を作製した。
(評価)
実施例1〜6、および比較例1により得られたシリコーン系剥離剤または剥離紙(剥離ライナー)について、下記の測定方法又は評価方法により、シリコーン系剥離剤の粘度、剥離紙の剥離強度、残留接着率を測定又は評価した。評価結果は表1に示した。
(シリコーン系剥離剤の粘度の測定方法)
シリコーン系剥離剤の粘度を、BL型粘度計を用いて、温度(シリコーン系剥離剤の溶液温度):25℃で、No.2ローター又はNo.3ローターのいずれかを用いて、回転数:30rpmの条件で測定する。
(剥離紙の剥離強度の測定方法)
粘着テープとして商品名「No.502」(日東電工株式会社製;アクリル系両面粘着テープ、幅:50mm)を用い、該粘着テープの黄色剥離紙を剥がして、粘着面を露出させた後、該粘着面に、実施例1〜6、および比較例1により得られた剥離紙を、23℃、50%RHの環境下で、ハンドローラーを用いて貼り合わせる。これを、100℃の熱風乾燥機中で、1Kgの荷重をかけた状態で、1時間加熱処理させた後、さらに、23℃、50%RHの環境下で1時間放置する。その後、引張試験機にて、補助板を用いて、23℃且つ50%RHの環境下、180°の剥離角度で、引張速度300mm/minで剥離ライナーを50mm引き剥がした時の応力を測定し、その際の応力の最高値を読み取り、該応力の最高値を剥離強度(N/50mm)とする。
(残留接着率の測定方法)
商品名「No.31B」(日東電工株式会社製;ポリエステル基材を有する粘着テープ、幅:19mm)を、23℃、50%RHの環境下で、実施例1〜6、および比較例1により得られた剥離紙と、ハンドローラーを用いて貼り合わせる。これを、70℃の熱風乾燥機中で、5Kgの荷重をかけた状態で、24時間加熱処理させた後、さらに、23℃、50%RHの環境下で2時間放置する。その後、粘着テープ(商品名「No.31B」)を剥離紙より剥がした後、粘着テープをステンレス板にハンドローラーを用いて貼り合わせ、さらに、23℃、50%RHの環境下で30分間放置した後、引張試験機にて、補助板を用いて、23℃且つ50%RHの環境下、180°の剥離角度で、引張速度300mm/minで粘着テープを50mm引き剥がした時の応力を測定し、その際の応力の最高値を読み取り、該応力の最高値を剥離強度(F)(N/19mm)とする。
また、商品名「No.31B」(日東電工株式会社製;ポリエステル基材を有する粘着テープ、幅:19mm)を、ステンレス板にハンドローラーを用いて貼り合わせ、さらに、23℃、50%RHの環境下で30分間放置した後、引張試験機にて、補助板を用いて、23℃且つ50%RHの環境下、180°の剥離角度で、引張速度300mm/minで粘着テープを50mm引き剥がした時の応力を測定し、その際の応力の最高値を読み取り、該応力の最高値をブランクの剥離強度(F0)(N/19mm)とする。
そして、前記剥離強度(F)と、ブランクの剥離強度(F0)とを用いて、次式により、残留接着率(%)を算出する。
残留接着力(%)=(F/F0)×100
Figure 2007099938
表1より明らかなように、比較例1に係る剥離紙は、剥離性処理剤層を構成する剥離性処理剤中に、23℃で液状のα−オレフィン成分が配合されていないので、粘度が1,000mPa・sを超えており、塗工作業性に不具合が生じていた。一方、実施例1〜6に係る剥離紙は、剥離性処理剤層を構成する剥離性処理剤の粘度が、比較例1に係る剥離性処理剤の粘度よりも低くなっており、23℃で液状のα−オレフィン成分を配合することにより、粘度低下が生じることが確認され、しかも、剥離強度も良好であり、さらに、高い残留接着率を維持しており、粘着剤層表面への悪影響が殆ど又は全く生じていないことが確認された。
図1は、本発明の粘着テープ又はシートの例を示す概略断面図である。
符号の説明
1a〜1c それぞれ、粘着テープ又はシート
2 粘着剤層
3 基材
4 片面に剥離性処理剤層を有する剥離ライナー
5 両面に剥離性処理剤層を有する剥離ライナー

Claims (6)

  1. シリコーン成分を含有する剥離性処理剤であって、さらに、23℃で液状のα−オレフィン成分を含有することを特徴とする剥離性処理剤。
  2. 23℃で液状のα−オレフィン成分が、炭素原子数が18以下のα−オレフィン成分である請求項1記載の剥離性処理剤。
  3. 23℃で液状のα−オレフィン成分の割合が、シリコーン成分100重量部に対して5〜60重量部である請求項1又は2記載の剥離性処理剤。
  4. シリコーン成分が、熱付加反応型シリコーン系離型剤中に含まれているシリコーン成分である請求項1〜3の何れかの項に記載の剥離性処理剤。
  5. 剥離性処理剤による剥離性処理剤層を有する剥離ライナーであって、剥離性処理剤として、請求項1〜4の何れかの項に記載の剥離性処理剤が用いられていることを特徴とする剥離ライナー。
  6. 少なくとも一方の粘着面が剥離ライナーにより保護されている粘着テープ又はシートであって、剥離ライナーとして、請求項5記載の剥離ライナーが用いられていることを特徴とする粘着テープ又はシート。
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