JP2007098867A - 積層体、その製造方法及びそれを用いたタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂フイルム層13とゴム状弾性体層15とが、樹脂フイルム層13側に配した接着剤層14と、ゴム状弾性体層16側に配した接着剤層15を介して接合されてなる積層体であって、接着剤層14を構成する接着剤組成物が、クロロスルホン化ポリエチレンを含むゴム成分と、その100質量部当り架橋剤及び架橋助剤としてポリ−p−ジニトロソベンゼン、1,4−フェニレンジマレイミドのうち少なくとも一種を0.1質量部以上含み、前記接着剤層15を構成する接着剤組成物が、ゴム成分と、その100質量部当り充填剤2〜50質量部含んでなる。
【選択図】図2
Description
したがって、前記のブチル系ゴムの配合量は自ずから制限され、該ブチル系ゴムを配合したゴム組成物を用いる場合、空気バリア性の点からインナーライナー層の厚さは、1mm前後が必要であった。そのため、タイヤに占めるインナーライナー層の重量は約5%程度となり、タイヤの重量を低減し、自動車燃費を向上するための障害となっていた。
そこで、近年の省エネルギーの社会的な要請に伴い、自動車タイヤの軽量化を目的として、インナーライナー層を薄ゲージ化するための手法が提案されている。例えば、ナイロンフイルム層や塩化ビニリデン層をインナーライナー層として従来のブチル系ゴムの代わりに用いる手法が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドからなる組成物のフイルムをインナーライナー層に用いることが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
一方、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記することがある。)はガスバリア性に優れていることが知られている。EVOHは、空気透過性がブチル系ゴムを配合したインナーライナーゴム組成物の100分の1以下であるため、50μm以下の厚さでも、内圧保持性を大幅に向上することができる上、タイヤ重量を低減することが可能である。
したがって、空気入りタイヤの空気透過性を改良するために、EVOHをタイヤインナーライナーに用いることは有効であると言える。例えばEVOHからなるタイヤインナーライナーを有する空気入りタイヤが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
このため、EVOHからなるインナーライナーを用いる場合、タイヤ使用前の内圧保持性は大きく向上するものの、タイヤ転動時の屈曲変形を受けた使用後のタイヤでは、内圧保持性が使用前と比べて低下することがあるなどの問題を有していた。
この問題を解決するために、例えばエチレン含有量20〜70モル%、ケン化度85%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体60〜99重量%および疎水性可塑剤1〜40重量%からなる樹脂組成物を用いてなるタイヤ内面インナーライナーが開示されているが(例えば、特許文献5参照)、耐屈曲性については必ずしも十分満足し得るものではない。
したがって、ガスバリア性を保持したまま、高度の耐屈曲性を有し、薄ゲージ化が可能なインナーライナーの開発が望まれていた。
このようなインナーライナーとしては、例えば耐屈曲性に優れるゴム状弾性体フイルム又はシートとガスバリア性の良好な樹脂フイルムとが接合、一体化してなる積層体が考えられる。この場合、該積層体の製造工程における作業性がよく、かつ剥離抗力に優れることが要求されている。
すなわち、本発明は、
(1) (A)樹脂フイルム層と(B)ゴム状弾性体層とが、(A)樹脂フイルム層側に配した(C)接着剤層Iと、(B)ゴム状弾性体層側に配した接着剤層IIを介して接合されてなる積層体であって、前記(C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物が、(a)クロロスルホン化ポリエチレンを含むゴム成分と、その100質量部に当り、(b)架橋剤及び架橋助剤としてポリ−p−ジニトロソベンゼン、1,4−フェニレンジマレイミドのうち少なくとも一種を0.1質量部以上含み、前記(D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物が、(c)ゴム成分と、その100質量部当り、(d)充填剤2〜50質量部含んでなることを特徴とする積層体、
(2) (C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物の(a)ゴム成分が、70質量%以上のクロロスルホン化ポリエチレンを含む上記(1)の積層体、
(3) (C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物が、さらに、(a)成分100質量部当り、(e)充填剤2〜50質量部を含む上記(1)又は(2)の積層体、
(4) (C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物が、(e)充填剤として無機フィラーを5質量部以上含む上記(3)の積層体、
(5) 無機フィラーが湿式法によるシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種である上記(4)の積層体、
(6) (C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物が、(e)充填剤としてカーボンブラックを含む上記(3)〜(5)の積層体、
(7) (D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物の(c)ゴム成分が、ブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムを50質量%以上含む上記(1)〜(6)の積層体、
(8) (D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物が、(d)充填剤として無機フィラーを5質量部以上含む上記(1)〜(7)の積層体、
(9) 無機フィラーが湿式法によるシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種である上記(8)の積層体、
(10) (D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物が、(d)充填剤としてカーボンブラックを含む上記(1)〜(9)の積層体、
(12) (f)成分における樹脂がC5留分系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂、およびロジン系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である上記(11)の積層体、
(13) 樹脂が、フェノール系樹脂である上記(12)の積層体、
(14) (A)樹脂フイルム層の厚さが200μm以下であり、(B)ゴム状弾性体層の厚さが200μm以上である上記(1)〜(13)の積層体、
(15) (A)樹脂フイルム層が、熱可塑性ウレタン系エラストマー層を含む上記(1)〜(14)の積層体、
(16) (A)樹脂フイルム層が、熱可塑性ウレタン系エラストマー層を含むと共に、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体層を一層以上含む多層フイルムからなる層である上記(15)の積層体、
(17) (B)ゴム状弾性体層を構成するゴム状弾性体が、ブチル系ゴム50質量%以上を含むゴム成分を含有する上記(1)〜(16)の積層体、
(18) ブチル系ゴムが、ブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムである上記(17)の積層体、
(19) 有機溶媒を含む接着剤組成物からなる塗工液を、樹脂フイルム表面に塗工、乾燥したのち、その上にゴム状弾性体フイルム又はシートを貼合し、加熱・加硫処理をすることを特徴とする、上記(1)〜(18)の積層体の製造方法、
(20) 有機溶媒を含む接着剤組成物からなる塗工液を、ゴム状弾性体フイルム又はシート表面に塗工、乾燥したのち、その上に樹脂フイルムを貼合し、加熱・加硫処理をすることを特徴とする、上記(1)〜(18)の積層体の製造方法、
(21) 有機溶媒として、ヒルデブランド(Hildebrand)溶解性パラメーターδ値が14〜20MPa1/2の範囲にあるものを用いる上記(19)又は(20)の積層体の製造方法、
(22) 加熱・加硫温度が120℃以上である上記(19)〜(21)の積層体の製造方法、及び
(23) 上記(1)〜(18)の積層体を用いたことを特徴とするタイヤ、
を提供するものである。
本発明の積層体における(A)層を構成する樹脂フイルムとしては、ガスバリア性が良好で、適度の機械的強度を有するものであればよく、特に制限されず、様々な樹脂フイルムを用いることができる。このような樹脂フイルムの素材としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂、さらには熱可塑性ウレタン系エラストマーなどを挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの素材を用いて作製された樹脂フイルムは、単層フイルムであってもよく、二層以上の多層フイルムであってもよい。
前記素材のなかで、熱可塑性ウレタン系エラストマーは、耐水性とゴムに対する接着性に優れており、特に多層フイルムにおいて、外層部分に配置して使用することが好ましい。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂は、空気透過量が極めて低く、ガスバリア性に優れており、好ましい素材である。
種類としては、(イ)カプロラクトン型(カプロラクトンを開環して得られるポリラクトンエステルポリオール)、(ロ)アジピン酸型(=アジペート型)〈アジピン酸とグリコールとのアジピン酸エステルポリオール〉、(ハ)PTMG(ポリテトラメチレングリコール)型(=エーテル型)〈テトラヒドロフランの開環重合で得られたポリテトラメチレングリコール〉などがある。
この変性処理に用いられるエチレン−ビニルアルコール共重合体においては、エチレン単位含有量は25〜50モル%であることが好ましい。良好な耐屈曲性及び耐疲労性を得る観点からは、エチレン単位含有量は、より好適には30モル%以上であり、さらに好適には35モル%以上である。また、ガスバリア性の観点からは、エチレン単位含有量は、より好適には48モル%以下であり、さらに好適には45モル%以下である。エチレン単位含有量が25モル%未満の場合は耐屈曲性及び耐疲労性が悪化するおそれがある上、溶融成形性が悪化するおそれがある。また、50モル%を超えるとガスバリア性が不足するおそれがある。
変性処理に用いられるエチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度は好ましくは90モル%以上であり、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは98モル%以上であり、最適には99モル%以上である。ケン化度が90モル%未満では、ガスバリア性および積層体作製時の熱安定性が不充分となるおそれがある。
変性処理は、前記の未変性エチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部に対して、エポキシ化合物を、好ましくは1〜50質量部、よりこのましくは2〜40質量部、さらに好ましくは5〜35質量部を反応させることにより行なうことができる。この際、適当な溶媒を用いて、溶液中で反応させるのが有利である。
本発明に用いられる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体のメルトフローレート(MFR)(190℃、21.18N荷重下)は特に制限はされないが、良好なガスバリア性、耐屈曲性および耐疲労性を得る観点からは、0.1〜30g/10分であることが好ましく、0.3〜25g/10分であることがより好ましく、0.5〜20g/10分であることがさらに好ましい。但し、変性EVOHの融点が190℃付近あるいは190℃を超えるものは21.18N荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で表す。
本発明の積層体において、(A)層を構成する樹脂フイルムの成形方法に特に制限はなく、単層フイルムの場合従来公知の方法、例えば溶液流延法、溶融押し出し法、カレンダー法などを採用することができるが、これらの方法の中で、Tダイ法やインフレーションなどの溶融押し出し法が好適である。また、多層フイルムの場合は、共押し出しによるラミネート法が好ましく用いられる。
本発明の積層体における(A)樹脂フイルム層の厚さは、該積層体をインナーライナーとして用いる場合の薄ゲージ化の観点から、200μm以下が好ましい。また、薄すぎると(A)層を(B)層に接合した効果が十分に発揮されないおそれが生じる。
したがって、(A)層の厚さの下限は1μm程度であり、より好ましい厚さは10〜150μm、さらに好ましい厚さは20〜100μmの範囲である。
本発明の積層体においては、(A)樹脂フイルム層として熱可塑性ウレタン系エラストマー層を含むものが好ましく、特に熱可塑性ウレタン系エラストマー層を含むと共に、前記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体層を一層以上含む多層フイルムからなる層が好ましい。
この(A)層を構成する樹脂フイルムは、その上に設けられる接着剤層との密着性を向上させるために、所望により、少なくとも接着層側の面に、酸化法や、凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などがあげられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フイルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
前記ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、その変性ゴムなどが含まれる。例えば塩素化ブチルゴムとしては「Enjay Butyl HT10−66」(エンジェイケミカル社製、商標)があり、臭素化ブチルゴムとしては「ブロモブチル2255」(エクソン社製、商標)がある。また、変性ゴムとしてイソモノオレフィンとパラメチルスチレンとの共重合体の塩素化又は臭素化変性共重合体を用いることができ、例えば「Expro50」(エクソン社製、商標)などとして入手可能である。
当該ゴム状弾性体におけるゴム成分中のブチル系ゴムの好ましい含有量は、耐空気透過性の点から70〜100質量%であり、該ゴム成分中には、0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%の割合で、ジエン系ゴムやエピクロロヒドリンゴムを含有させることができる。
一方、エピクロロヒドリンゴムとしては、エピクロロヒドリン単独重合体ゴム、エピクロロヒドリンとエチレンオキシドとの共重合体ゴム、エピクロロヒドレンとアリルグリシジルエーテルとの共重合体ゴム、エピクロロヒドリンとエチレンオキシドとアリルグリシジルエーテルとの三元共重合体ゴムなどがあり、本発明においては、いずれも用いることができる。
本発明においては、前記ジエン系ゴムやエピクロロヒドリンゴムは、一種を単独で用いてもよく二種以上を組み合わせて用いてもよい。
この無機充填剤の含有量は、前記ゴム成分100質量部あたり、通常10〜180質量部程度、好ましくは20〜120質量部の範囲である。
また、未加硫ゴムの強度を向上させるなどの目的で前記ゴム成分100質量部あたり、さらにカーボンブラック0〜50質量部、好ましくは10〜50質量部を含有させることができる。上記カーボンブラックの種類は特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填剤として慣用されているものの中から任意のものを適宜選択して用いることができ、例えば、SRF、GPF、FEF,HAF、ISAF、SAFなどが挙げられる。
本発明においては、前記無機充填剤とカーボンブラックとの合計の含有量は、耐空気透過性、耐屈曲疲労性、耐低温クラック性及び加工性などのバランス面から、ゴム成分100質量部当り、30〜200質量部の範囲が好ましく、特に50〜140質量の範囲が好適である。
これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもちいてもよい。
さらに、当該ゴム状弾性体においては、前記のカーボンブラックを配合した場合には、ナフテン系またはパラフィン系オイルをゴム成分100質量部当り、1質量部以上、特に3〜20質量部の割合で含有させることが好ましい。ここで、ナフテン系オイルは環分析による%CNが30以上のものが好ましく、パラフィン系オイルは%CP60以上のものが好適である。
このような有機短繊維の含有量は、ゴム成分100質量部当り、0.3〜15質量部が好ましい。有機短繊維の材質には特に制限はなく、例えばナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げることができるが、これらの中ではポリアミドが好ましい。
当該ゴム状弾性体には、本発明の目的が損なわれない範囲で、前記配合剤以外に、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などの加硫促進助剤を配合させることができる。
本発明の積層体において、(B)層を構成するゴム状弾性体は、前記の各成分を含むゴム組成物を、従来の方法により、未加硫の段階でフイルム状又はシート状に押し出し加工することにより得ることができる。
本発明の積層体における(B)層のゴム状弾性体層の厚さは、通常200μm以上である。インナーライナーとして用いる場合の薄ゲージ化を考慮するとタイヤサイズにより適宜決められる。
(C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物においては、(a)ゴム成分としてクロロスルホン化ポリエチレン含むことを要する。
該クロロスルホン化ポリエチレン(以下CSMと略記することがある)は、塩素と亜硫酸ガスを用いてポリエチレンを塩素化ならびにクロロスルホン化して製造される二重結合を含まない飽和構造を有する合成ゴムであり耐侯性、耐オゾン性、耐熱性などの安定性に優れている。CSMは商品名「ハイパロン」としてデュポン社より市販されている。(A)樹脂フイルム層との剥離抗力の向上、耐熱性等の点から、CSMの(a)ゴム成分中の含有量としては、70質量%以上が好ましく、より好ましくは80〜100質量%であり、とくに100質量%が好ましい。
また、(a)ゴム成分中には、ジエン系ゴムやブチルゴム及び/又はハロゲンブチルゴムを0〜30質量%、好ましくは0〜20質量%の割合で含有させることができる。
ジエン系ゴムまたはブチルゴム及び/又はハロゲンブチルゴムについては、前述の(B)層を構成するゴム状弾性体の説明において例示したとおりである。
ポリ−p−ジニトロソベンゼンは、ハロゲン化ブチルゴムのような二重結合の少ないゴムに対して、有効な架橋剤であり、ポリ−p−ジニトロソベンゼンを加えて熱処理することにより未加硫配合物のコールドフローを防止し、押し出し特性、加硫物の物理特性を改良するし、また可塑度を調節することができる。
また、1,4−フェニレンジマレイミドを用いた加硫は炭素−炭素の共有結合が生成し、耐熱性、耐老化性を向上させる。特にクロロスルホン化ポリエチレンゴムに対しても有効な架橋剤である。
これら(b)成分の接着剤組成物に対する配合量は、該接着剤組成物のゴム成分(a)100質量部に対して0.1質量部以上配合することが好ましい。
中でも、チウラム系及び/又は置換ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤が好ましい。
一方、カーボンブラックについては、前述の(B)層を構成するゴム状弾性体の説明において例示したとおりである。
(C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物においては、この(e)成分である充填剤の含有量は、前記(a)成分100質量部当たり、タック性及び剥離抗力などの点から、2〜50質量部、好ましくは5〜35質量部の範囲で選定される。
また、接着剤層Iの接着剤組成物に含まれる(a)ゴム成分のクロロスルホン化ポリエチレン、(b)成分の架橋剤及び架橋助剤、(e)成分の充填剤を含む市販接着剤塗工液として、例えば、ケムロック6250(ロードコーポレーション社製)が挙げられる。このケムロック6205を接着剤層I用塗工液として使用することも可能である。
(D)接着剤層Iを構成する接着剤組成物においては、(c)ゴム成分としては、接着剤組成物を形成するものであれば特に限定されないが、ブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴム(ブチル系ゴム)あるいはジエン系ゴムであることが好ましい。ブチル系ゴム及びジエン系ゴムについては、前述の(B)層を構成するゴム状弾性体の説明において例示したとおりである。ジエン系のゴムの中では、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)が好ましい。
これらのハロゲン化ブチルゴム及びジエン系ゴムは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、タック及び剥離抗力の点から、ブチル系ゴム50質量%以上、特にハロゲン化ブチルゴム70〜100質量%であることが好ましい。
一方、カーボンブラックについては、前述の(B)層を構成するゴム状弾性体の説明において例示したとおりである。
(C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物においては、この(e)成分である充填剤の含有量は、前記(a)成分100質量部当たり、タック性及び剥離抗力などの点から、2〜50質量部、好ましくは5〜35質量部の範囲で選定される。
(f)成分の樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、変性テルペン系樹脂、テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂、ロジン系樹脂,C5、C9石油樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、スチレン樹脂などが挙げられるが、これらの中で、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂及びロジン系樹脂が好適である。
フェノール系樹脂としては、例えばp-t-ブチルフェノールとアセチレンを触媒の
存在下で縮合させた樹脂、アルキルフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物などを挙げることができる。
また、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂としては、例えばβ−ピネン樹脂や、α−ピネン樹脂などのテルペン系樹脂、これらを水素添加してなる水添テルペン系樹脂、テルペンとフェノールをフリーデルクラフト型触媒で反応させたり、あるいはホルムアルデヒドと縮合させた変性テルペン系樹脂を挙げることができる。
ロジン系樹脂としては、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化、ライム化などで変性したロジン誘導体を挙げることができる。これらの樹脂は一種を単独で用いてもよいが、これらの中で、特にフェノール系樹脂が好ましい。
この低分子量スチレン−ブタジエン共重合体は、例えばシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒中において、有機リチウム化合物開始剤をエーテル又は第3級アミンの存在下で用いて、ブタジエンとスチレンとを、50〜90℃程度で共重合させることにより製造することができる。得られた共重合体の分子量は、有機リチウム化合物の量で、ミクロ構造はエーテル又は第3級アミンの量によって制御することができる。
本発明においては、(f)成分として、前記低分子量重合体を一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。あるいは前述の樹脂一種以上と前記低分子量重合体一種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、この(f)成分は、前記(c)成分のゴム成分100質量部に対し、5質量部以上用いることが好ましく、より好ましくは5〜40質量部、特に好ましくは10〜30質量部の割合で用いられる。
特に該(f)成分としてフェノール系樹脂を用いる場合、得られる接着剤組成物は、優れたタック性及び剥離抗力を示すことから好ましい。
チウラム系加硫促進剤としては、例えばテトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、活性化テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどが挙げられる。
本発明においては、前記のチウラム系加硫促進剤及び置換ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤の中から選ばれる少なくとも一種が用いられるが、これらの中で、置換ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤が好ましく、特にジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛が好適である。
当該接着剤組成部においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、加硫剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤などを含有させることができる。
まず、有機溶媒に、前記(C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物を常法により混練りした混練物を加え、溶解又は分散させて、有機溶媒を含む接着剤組成物からなる塗工液Iを調製する。
また、前記(D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物についても同様な方法によって塗工液IIを調製する。
この際、有機溶媒として、(a)及び(b)ゴム成分の良溶媒であるヒルデブランド(Hildebrand)溶解性パラメーターδ値が14〜20MPa1/2の有機溶剤が用いられる。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、メチルエチルケトンなどを挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
このようにして調製された塗工液の固形分濃度は、塗工性や取り扱い性などを考慮して適宜選定されるが、通常5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%の範囲である。
次に、前記塗工液Iを、(A)層を構成する樹脂フイルム表面に塗工・乾燥し、次に前記塗工液IIを、(B)層を構成するゴム状弾性体フイルム又はシート表面に塗工・乾燥することによって得られた接着剤層I及び接着剤層IIの面同士を貼合し、加熱・加硫処理することにより、本発明の積層体が得られる。
エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、α線、γ線等の電離放射線が挙げられ、好ましくは電子線が挙げられる。
電子線の照射方法に関しては、樹脂フイルムを電子線照射装置に導入し、電子線を照射する方法が挙げられる。電子線の線量に関しては特に限定されないが、好ましくは10〜60Mradの範囲内である。照射する電子線量が10Mradより低いと、架橋が進み難くなる。一方、照射する電子線量が60Mradを超えると樹脂フイルムの劣化が進行しやすくなる。より好適には電子線量の範囲は20〜50Mradである。
本発明の積層体は、樹脂フイルム層用、ゴム状弾性体層用とそれぞれに機能分離された特定組成の接着剤組成物を用いることにより、タック性が良好で、作業性よく作製し得る上、剥離抗力に優れるなどの特徴を有し、例えば、空気入りタイヤの薄ゲージ化可能なインナーライナーなどとして好適に用いられる。
本発明はまた、前記の積層体を用いたタイヤをも提供する。
図1は、本発明の積層体をインナーライナー層に用いてなる空気入りタイヤの一例を示す部分断面図であって、該タイヤはビードゴア1の周りに巻回されてコード方向がラジアル方向に向くカーカスプライを含むカーカス層2と、カーカス層のタイヤ半径方向内側に配設された本発明の積層体からなるインナーライナー層3と、該カーカス層のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配設された2枚のベルト層4を有するベルト部と、ベルト部の上部に配設されたトレッド部5と、トレッド部の左右に配置されたサイドウォール部6から構成されている。
図2は、前記空気入りタイヤにおける本発明の積層体からなるインナーライナー層の一例の断面詳細図であって、インナーライナー層(本発明の積層体層)3は、未変性エチレン−ビニルアルコール共重合体層11の両面に、それぞれ熱可塑性ウレタン系エラストマー層12a及び12bがラミネートされてなる樹脂フイルム層13と、ゴム状弾性体層16が、接着剤層I14及び接着剤層II15を介して接合され、一体化してなる構造を有している。なお、ゴム状弾性体層16は、接着剤層15とは反対側の面が、図1におけるカーカス層2と接合されている。
製造例1 変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の製造
加圧反応槽に、エチレン含量44モル%、ケン化度99.9モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(MFR:5.5g/10分(190℃、21.18N荷重下))2質量部およびN−メチル−2−ピロリドン8質量部を仕込み、120℃で、2時間加熱攪拌することにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体を完全に溶解させた。これにエポキシ化合物としてエポキシプロパン0.4質量部を添加後、160℃で4時間加熱した。加熱終了後、蒸留水100質量部に析出させ、多量の蒸留水で充分にN−メチル−2−ピロリドンおよび未反応のエポキシプロパンを洗浄し、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。さらに、得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を粉砕機で粒子径2mm程度に細かくした後、再度多量の蒸留水で十分に洗浄した。洗浄後の粒子を8時間室温で真空乾燥した後、2軸押出機を用いて200℃で溶融し、ペレット化した。
製造例1で得られた変性EVOHと、エラストマーとして熱可塑性ポリウレタン((株)クラレ製、クラミロン3190)とを使用し、2種3層共押出装置を用いて、下記共押出成形条件で3層フイルム(熱可塑性ポリウレタン層/変性EVOH層/熱可塑性ポリウレタン層)を作製した。各層の厚みは、変性EVOH層、熱可塑性ポリウレタン層ともに20μmである。
共押出成形条件は以下のとおりである。
層構成:
熱可塑性ポリウレタン/変性EVOH/熱可塑性ポリウレタン
(厚み20/20/20、単位はμm)
各樹脂の押出温度:
C1/C2/C3/ダイ=170/170/220/220℃
各樹脂の押出機仕様:
熱可塑性ポリウレタン:
25mmφ押出機 P25−18AC(大阪精機工作株式会社製)
変性EVOH:
20mmφ押出機 ラボ機ME型CO−EXT(株式会社東洋精機製)
Tダイ仕様:
500mm幅2種3層用 (株式会社プラスチック工学研究所製)
冷却ロールの温度:50℃
引き取り速度:4m/分
下記の配合のゴム組成物を調製し、厚さ500μmの未加硫ゴム状弾性体シートを作製した。
ゴム組成物(配合単位:質量部)
Br−IIR(JSR(株)製 Bromobutyl 2244): 100
GPFカーボンブラック(旭カーボン(株)製 #55): 60
SUNPAR2280(日本サン石油(株)製): 7
ステアリン酸(旭電化工業(株)製): 1
ノクセラーDM(大内新興化学工業(株)製): 1.3
酸化亜鉛(白水化学工業(株)製): 3
硫黄(鶴見化学(株)製): 0.5
第1表に示す接着剤層Iおよび接着剤層II構成する成分の種類と量を、常法に従って混練りした後、該接着剤組成物を、有機溶剤としてトルエン(δ値:18.2MPa1/2)1000質量部に加え、溶解又は分散してそれぞれに対応した接着剤塗工液I(接着剤層I用)および接着剤塗工液II(接着剤層II用)を調製した。
日新ハイボルテージ株式会社製電子線照射装置「生産用キュアトロンEBC200−100」を使用して、製造例2で得た3層フイルムに、加速電圧200kV、照射エネルギー30Mradの条件にて電子線照射し架橋処理を施したのち、その片面に前記の各接着剤塗工液Iを塗布、乾燥して接着層Iを得て、次いでその接着層Iの上に実施例ごとに対応した各接着剤塗工液IIを塗布、乾燥し、接着剤層IおよびIIを介して貼合した。
次に、このものを160℃にて15分間加熱・加硫処理して図2に示す各積層体を作製した。
接着剤塗工液I(接着剤層I用)としてケムロック6250(ロードコーポレーション社製)として用い、接着剤層II構成する成分の種類と量を、常法に従って混練りした後、該接着剤組成物を、有機溶剤としてトルエン(δ値:18.2MPa1/2)1000質量部に加え、溶解又は分散して接着剤塗工液II(接着剤層II用)を調製した。
日新ハイボルテージ株式会社製電子線照射装置「生産用キュアトロンEBC200−100」を使用して、製造例2で得た3層フイルムに、加速電圧200kV、照射エネルギー30Mradの条件にて電子線照射し架橋処理を施したのち、その片面に前記の各接着剤塗工液Iを塗布、乾燥して接着層Iを得て、次いでその接着層Iの上に実施例ごとに対応した各接着剤塗工液IIを塗布、乾燥し、接着剤層IおよびIIを介して貼合した。
次に、このものを160℃にて15分間加熱・加硫処理して図2に示す各積層体を作製した。
接着剤として、メタロックR−46を用いた以外は、実施例1〜10と同様にして積層体を作製した。
実施例1〜10で調製した接着剤塗工液及び比較例1で用いた市販の接着剤について、JIS Z0237に準拠してプローブタック試験を行い、タックを測定し、比較例のタックを100として指数表示した。
また、実施例1〜10及び比較例1で作製した積層体について、JIS K6854に準拠してT型剥離試験を行い、剥離抗力を測定し、比較例1の剥離抗力を100として指数表示した。
これらの結果を第1表に示す。
*1.メタロックR−46:東洋化学研究所製
*2.ケムロック6250:ロードコーポレーション社製
*3.クロロスルホン化ポリエチレンDuPont・Dow ElasromersLLC社製、ハイパロンH−20
*4.カーボンブラック:東海カーボン社製、シーストNB
*5.ポリ-p-ジニトロソベンゼン:大内新興化学工業社製、バルノックDNB
*6.1,4フェニレンジマレイミド:大内新興化学工業社製、バルノックPM
*7.亜鉛化:白水テック社製、酸化亜鉛2種 粉末品
*8.Br−IIR:ブロモブチルゴム、JSR社製、Bromobutyl2244
*9.IIR:JSR社製、Butyl2244
*10.IR:イソプレン合成ゴム、日本ゼオン社製、「NIPOL IR2200」
*11.湿式シリカ:(株)トクヤマ社製、「トクシールUSG−B」
*12.酸化マグネシウム:神島化学社製、「スターマグU」
*13.フェノール樹脂:住友ベークライト社製、「PR−SC−400」
*14.ステアリン酸:新日本理化社製、ステアリン酸50S
*15.促進剤DM:大内新興化学工業社製、「ノックセラーDM」
*16.促進剤D:大内新興化学工業社製、「ノックセラーD」
*17.ジチオカルバミン酸塩:大内新興化学工業社製、「ノックセラーZTC」
*18.硫黄:鶴見化学社製、金華印微分硫黄
2:カーカス層
3:インナーライナー層(本発明の積層体層)
4:ベルト部
5:トレッド部
6:サイドウォール部
7:ビードフィラー
11:変性エチレン−ビニルアルコール共重合体層
12a、12b:熱可塑性ウレタン系エラストマー層
13:樹脂フイルム層
14:接着剤層I
15:接着剤層II
15:ゴム状弾性体層
Claims (23)
- (A)樹脂フイルム層と(B)ゴム状弾性体層とが、(A)樹脂フイルム層側に配した(C)接着剤層Iと、(B)ゴム状弾性体層側に配した接着剤層IIを介して接合されてなる積層体であって、前記(C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物が、(a)クロロスルホン化ポリエチレンを含むゴム成分と、その100質量部に当り、(b)架橋剤及び架橋助剤としてポリ−p−ジニトロソベンゼン、1,4−フェニレンジマレイミドのうち少なくとも一種を0.1質量部以上含み、前記(D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物が、(c)ゴム成分と、その100質量部当り、(d)充填剤2〜50質量部含んでなることを特徴とする積層体。
- (C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物の(a)ゴム成分が、70質量%以上のクロロスルホン化ポリエチレンを含む請求項1に記載の積層体。
- (C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物が、さらに、(a)成分100質量部当り、(e)充填剤2〜50質量部を含む請求項1又は2に記載の積層体。
- (C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物が、(e)充填剤として無機フィラーを5質量部以上含む請求項3に記載の積層体。
- 無機フィラーが湿式法によるシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の積層体。
- (C)接着剤層Iを構成する接着剤組成物が、(e)充填剤としてカーボンブラックを含む請求項3〜5のいずれかに記載の積層体。
- (D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物の(c)ゴム成分が、ブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムを50質量%以上含む請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
- (D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物が、(d)充填剤として無機フィラーを5質量部以上含む請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
- 無機フィラーが湿式法によるシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載の積層体。
- (D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物が、(d)充填剤としてカーボンブラックを含む請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
- (D)接着剤層IIを構成する接着剤組成物が、さらに、(c)成分100質量部当り、(f)樹脂、低分子量ポリマーにうち少なくとも1種を0.1質量部以上含む請求項1〜10に記載の積層体。
- (f)成分における樹脂がC5留分系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂、およびロジン系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である請求項11に記載の積層体。
- 樹脂が、フェノール系樹脂である請求項12記載の積層体。
- (A)樹脂フイルム層の厚さが200μm以下であり、(B)ゴム状弾性体層の厚さが200μm以上である請求項1〜13のいずれかに記載の積層体。
- (A)樹脂フイルム層が、熱可塑性ウレタン系エラストマー層を含む請求項1〜14のいずれかに記載の積層体。
- (A)樹脂フイルム層が、熱可塑性ウレタン系エラストマー層を含むと共に、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体層を一層以上含む多層フイルムからなる層である請求項15に記載の積層体。
- (B)ゴム状弾性体層を構成するゴム状弾性体が、ブチル系ゴム50質量%以上を含むゴム成分を含有する請求項1〜16のいずれかに記載の積層体。
- ブチル系ゴムが、ブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムである請求項17に記載の積層体。
- 有機溶媒を含む接着剤組成物からなる塗工液を、樹脂フイルム表面に塗工、乾燥したのち、その上にゴム状弾性体フイルム又はシートを貼合し、加熱・加硫処理をすることを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 有機溶媒を含む接着剤組成物からなる塗工液を、ゴム状弾性体フイルム又はシート表面に塗工、乾燥したのち、その上に樹脂フイルムを貼合し、加熱・加硫処理をすることを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 有機溶媒として、ヒルデブランド(Hildebrand)溶解性パラメーターδ値が14〜20MPa1/2の範囲にあるものを用いる請求項19又は20に記載の積層体の製造方法。
- 加熱・加硫温度が120℃以上である請求項19〜21のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の積層体を用いたことを特徴とするタイヤ。
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