JP2007098195A - 生物接触ろ材および水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】好気性排水処理における固定床として利用でき、保守が容易で、被処理水中の有機物の除去性能に優れた生物処理装置用ろ材を提供するため、強度が高く長寿命であり、活性炭繊維シートに付着した生物膜の全面に万遍なく排水を接触させ、かつ万遍なく酸素を補給させることができる生物接触ろ材およびこれを用いた水処理方法を提供する。
【解決手段】波板状シートと平板状シートとが重ね合わせて接合され、両シート間に透孔が形成されてなる成型構造体から構成されるろ材であって、上記波板状シートおよび平板状シートのいずれもが、繊維シートに網状の補強シートが積層かつ接着されてなり、上記波板状シートまたは平板状シートの少なくとも一方における繊維シートが、活性炭繊維を5〜95質量%含有していることを特徴とする生物接触ろ材。
【選択図】なし

Description

本発明は、上水、中水、或いは下排水などの有機物を含む水の処理に用いられる生物接触ろ材、およびそれを用いた水処理方法に関するものである。
生物膜法は、反応槽中の微生物濃度を高めることができ、管理が比較的容易であるため、富栄養化した湖沼水の処理や下水の3次処理、工場廃水の処理などに広く普及してきた。また、生物膜法のろ材(生物接触ろ材)に関する研究・開発も盛んに行われ、浄化能力の優れた微生物群を長期間、高密度に固定化できる担体についても種々開発されてきた。その中で特に活性炭については、表面が微生物との高い親和性を有し、多孔質性ならびに吸着性に優れるという活性炭本来の特筆すべき性質により、生物接触ろ材用の担体として広く使用されている。この活性炭を用いた方法(生物活性炭法)では、微生物による生物学的処理と活性炭による吸着処理との組み合わせ効果によって、難分解性物質に対する分解能力や処理性能などが向上するとされている。
従来、生物活性炭法に用いられる担体としては、球状または粒状の活性炭が使用され、処理方式としては流動床法による処理が一般的である。しかし、流動床法には以下のような問題が発生しやすいことが知られている。すなわち、(1)曝気洗浄を行なうと、活性炭が流出するため、生物処理槽の洗浄ができない、(2)長時間の運転を行なうと槽内の微生物量が多くなり過ぎて処理能力が低下する、(3)微粉炭が発生しやすい、(4)活性炭を流動状態に保つことが難しく、保守が繁雑である、また(5)流動状態では活性炭が相互に衝突するため、固定床の場合に比べて表面に付着する生物膜がはがれやすい傾向にある、ことなどである。
一方、球状または粒状の活性炭を用いた固定床法による処理においても、活性炭の周囲の生物膜が比較的短時間で肥大化するため、目詰まりを起こしやすいという問題がある。
これに対し、活性炭繊維を担体として用いるものとして、特許文献1にはフェルト布状活性炭繊維を波板状になるように不織布に貼着した成形体を使用する生物処理装置が提案されている。しかしながら、この装置では、フェルト布状活性炭繊維を貼着する不織布に対し、水流などに起因する力学的負荷がかかりすぎるため、排水処理に供した後の強度が非常に弱くなり、生物接触ろ材としての寿命の面で問題があった。また、不織布自体が柔らかく不定形な構造であり、水流などによって成形体が初期形状から変形するため、水流などが滞る箇所が発生しやすいものであった。このため生物膜を育成する上で重要な要件である不織布に付着した生物膜の全面に万遍なく排水を接触させ、かつ万遍なく酸素を補給させることが困難であった。
他方、特許文献2では、強度が高く被処理水中の有機物の除去性能に優れた生物処理用担体を提供するものとして、活性炭繊維を主成分とする波板状シートの波の形態を適正に規定するとともに、波板状シートを接着させる平板状シートとして織編物や合成樹脂フイルムで構成された部材を使用することが提案されている。
特許第3107950号公報 特開2005−111441号公報
しかしながら、特許文献2の場合においても、織編物を平板状シート部材として使用する場合、強度が十分でなく、運転開始後、吸水によりシート全体の据付荷重が増大するため、形状維持が困難となり生物処理槽のメンテナンス時の取り扱い性が悪化する傾向となる。さらにシートそのものの強度を高くするため、合成樹脂フイルム、剛性のあるメッシュ状のものをシートとして用いた場合では、微生物の保持量が少なくなるほか、成型構造体の接着不良など加工性が非常に悪化するといった製造上の問題を生じることが明らかとなってきた。
したがって、本発明は、好気性排水処理における固定床として利用でき、保守が容易で、被処理水中の有機物の除去性能に優れた生物処理装置用ろ材を提供するため、強度が高く長寿命であり、活性炭繊維シートに付着した生物膜の全面に万遍なく排水を接触させ、かつ万遍なく酸素を補給させることができる生物接触ろ材およびこれを用いた水処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは,上記の課題を解決するため鋭意検討した結果,本発明に到達した。すなわち,本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
(a)波板状シートと平板状シートとが重ね合わせて接合され、両シート間に透孔が形成されてなる成型構造体から構成されるろ材であって、上記波板状シートおよび平板状シートのいずれもが、繊維シートに網状の補強シートが積層かつ接着されてなり、上記波板状シートまたは平板状シートの少なくとも一方における繊維シートが、活性炭繊維を5〜95質量%含有していることを特徴とする生物接触ろ材。
(b)上記網状の補強シートは、合成樹脂からなり、厚みが0.1〜3.0mmであり、縦、横、共に1〜30mmの網目間隔を有しているものであることを特徴とする(a)記載の生物接触ろ材。
(c)上記透孔の開口率が80〜99%であり、ろ材容積1m3あたりの有効面積が70〜300m2であることを特徴とする(a)または(b)記載の生物接触ろ材。
(d)上記(a)〜(c)いずれか記載の生物接触ろ材を用いることを特徴とする水処理方法。
本発明の生物接触ろ材では、波板状シートおよび平板状シートのいずれもが、繊維シートに網状の補強シートが積層かつ接着されているため、運転中の生物接触ろ材の形状保持性が向上し、生物処理槽のメンテナンス時での取り扱い性が良好となる。また、少なくともいずれか一方の繊維シートが活性炭繊維を含有したものであるため、ろ材全体として生物親和性が高く、有機物の処理性能も優れたものとなる。
さらに、生物接触ろ材の形状が適正に保持されていることから初期の透孔が十分に保持されており、これにより目詰まりしにくく、活性炭繊維を含有したシートに付着した生物膜の全面に万遍なく排水を接触させ、かつ万遍なく酸素を補給させることができる。
したがって、これらの効果により、本発明の生物接触ろ材を用いた水処理方法では、微生物による有機物の分解処理を効率的に行なうことができると共に、当該性能を継続的に維持することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の生物接触ろ材としては、波板状シートと平板状シートとが重ね合わせて接合され、両シート間に透孔が形成されてなる成型構造体から構成される。ここで、生物接触ろ材とは、ろ材を構成する各シートの表面ならびにその内部に生物膜を定着させることで、有機物処理性能を効果的に保持させることを目的としたろ材である。
本発明の生物接触ろ材の形状としては、例えば、上記成型構造体を多段に積層し一体化させたブロック形状や成型構造体をロール状に巻き込んだ円柱形状などの形状を有することができる。この場合、ブロック形状の生物接触ろ材では、当該ブロック体における平板状シートの反対面の波板状シートに対しても平板状シートを接合させ、両側面が平板状シートで形成された形態とする。
本発明における成型構造体としては、例えば図1に示すように、波板状シート1と平板状シート2とが熱融着により上下に接合されており、波板状シートと平板状シートとの間に透孔3が形成された構造となる。波板状シートと平板状シートとの接合は、例えば通常の波板フェルト連続製造装置により行なうことが可能であり、この場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等もしくはこれらの海島構造や芯鞘構造の複合繊維等からなるホットメルト型のバインダー繊維等を介して熱融着させて行なうことができる。他にも超音波溶接などの方法が利用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明における波板状シートならびに平板状シートとしては、波板状シートおよび平板状シートのいずれもが、繊維シートとこれに積層かつ接着される網状の補強シートから構成されてなる。本発明における繊維シートとしては、上記波板状シートまたは平板状シートの少なくとも一方における繊維シートが、活性炭繊維を5〜95質量%含有していることが必要である。また、好ましい活性炭の含有量としては、10〜90質量%である。
繊維シートにおける活性炭繊維の含有量が5質量%未満の場合、得られる繊維シートにおいて、微生物との親和性が低くなるため微生物を高密度に固定することができなくなる。したがって、いずれの繊維シートも活性炭繊維を含有していない場合および一方の繊維シートのみが活性炭繊維を含有していてもその含有量が5質量%未満の場合では、得られる生物接触ろ材としては馴養期間(微生物がろ材に十分量固定化され、有機物の処理性能が発現するまでの期間)が長くなると共に、処理能力自体も低いものとなる。また、活性炭の含有量が95質量%を超える場合、繊維シートを成型するバインダー成分の量比が十分でないため、活性炭繊維の脱落を起こすなど、繊維シートの形状を保持することができなくなる。
本発明における活性炭繊維を含有した繊維シート(以下、活性炭繊維シートと略称する。)の厚みとしては0.5〜5.0mm、シート目付としては20〜300g/m2の範囲であることが好ましい。繊維シートの厚みが0.5mm未満では水流等により形状が保持できず、一方厚みが5.0mmを超えると補強シートの接着や補強シートの接着後波板状に成形することが困難となり、処理性能も低下する傾向となるため好ましくない。また、目付が20g/m2未満では生物接触ろ材としての形状が保持されにくく、300g/m2を超えると、繊維シート内部での微生物の保持量が抑制される傾向となるため好ましくない。
また、本発明における活性炭繊維を含有する繊維シートとしては、上記の活性炭繊維から乾式法で得られるものであることが好ましい。湿式抄造では密度が高く目付が大きくなり、シート内部での微生物の保持量が抑制される傾向にあるため好ましくない。また、長期間水中に浸漬させた場合、生物接触ろ材の形態の維持や強度保持に問題が生じるおそれがある。乾式法による活性炭繊維を含有する繊維シートの製造方法としては、例えば、活性炭繊維とバインダー繊維とを開繊混合してなるカードウェブの複数枚を積層して熱処理する方法、活性炭繊維とバインダー繊維とをエアレイ処理してなるエアレイウェブを熱処理する方法、前記カードウェブとエアレイウェブとを結合して複合不織布とする方法などを挙げることができる。
ここで用いられるバインダー繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなる海島構造や芯鞘構造の複合繊維等からなるホットメルト型の繊維が好ましく、特に芯部および鞘部ともポリオレフィンからなるバインダー繊維が、微生物で分解され難いので、好ましい。
本発明における活性炭繊維としては、ピッチ系、アクリル系、フエノール系等、特に限定はされないが、活性炭繊維の製造のし易さからピッチ系が好ましい。また、活性炭繊維の直径としては、10〜25μmが好ましく、13〜18μmがより好ましい。当該直径が10μm未満の場合は活性炭繊維の強度が小さくなる傾向となり、25μmを超える場合は活性炭繊維の伸度が小さくなる傾向となり好ましくない。
また、当該活性炭繊維としては、通常の方法で不融、賦活処理して微細孔が形成されたものであり、比表面積は、BET法による測定値で、500m2/g以上のものが好ましい。比表面積が500m2/g未満になると、細孔が小さくなり排水中の有機物を吸着する能力が低くなり、本発明における活性炭吸着処理と生物学的処理との組み合わせ効果が発揮しにくくなるため好ましくない。
さらに、本発明における繊維シートとしては、それぞれ補強シートが積層かつ接着されることが必要である。例えば平板状シートの場合では、図2に示すように平板状繊維シート4に縦糸5と横糸6からなる網状の補強シートが接着剤を介して熱融着された構造となる。
この場合、本発明における繊維シートへの補強シートの積層かつ接着は、得られる波板シートおよび平板状シートのそれぞれ片面のみであっても、少なくともいずれかの両面にされるものであってもよい。
本発明における網状の補強シートとしては、合成樹脂からなるものであることが好ましい。ここで、本発明における補強シートに使用される合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、当該補強シートの網の形状としては、強度を保持する上で支障のない幾何学的な形状のいずれでも可能であるが、好ましい形状は格子状の網目形状である。
本発明における補強シートの網目を構成する網目間隔としては、縦、横共に1〜30mmが好ましく、さらに好ましくは3〜20mmである。網目間隔において縦および横の少なくともいずれかが1mm未満であると、繊維シートへの熱融着処理後では、繊維シートの表面が樹脂で覆われ、微生物の付着量を低下させることから、排水処理性能が低下する傾向となるため好ましくない。また、少なくともいずれかの網目間隔が30mmを超えると、繊維シートの補強効果が低いため、生物接触ろ材の形状保持に問題を生じる傾向となり好ましくない。
また、本願発明における補強シートの厚みとしては、0.1〜3mmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1mmである。補強シートの厚みが3mmを超えて大きくなれば、当該補強シートが繊維シートへ接着されてなる平板状シートが剛直となり、波形加工が難しい傾向となり、逆に補強シートの厚みが0.1mm未満であれば、生物接触ろ材の強度が低下する傾向となるため好ましくない。
本発明における繊維シートに補強シートを接着させるための接着剤としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エチレンビニルアルコールなどからなるホットメルト接着剤が挙げられる。この中でポリオレフィンからなるホットメルト接着剤が微生物分解されにくいので特に好ましい。
本発明の生物接触ろ材における透孔の開口率としては、80〜99%が好ましく、特に好ましくは90から98%である。当該開口率が80%未満では、活性炭の周囲の生物膜が比較的短時間で肥大化し、目詰まりを起こし易くなり、これにより接触効率が悪くなるため好ましくない。逆に当該開口率が99%を超えると、ろ材と排水との接触効率が低下し、排水処理性能が低下し易くなるため好ましくない。ここで、透孔の開口率とは、図3に示す積層された成型構造体の断面において、波板状シートと平板状シートとの間に形成された透孔3の面積総和(斜線部)について、積層させた成型構造体の断面積(破線部の面積)7に対する比率を求めたものである。
また、本発明の生物接触ろ材におけるろ材容積1m3あたりの有効面積としては、成型構造体の単位容積に占める波板状シートおよび平板状シートの表面積から求められ、70〜300m2が好ましく、特に好ましくは100〜200m2である。有効面積が70m2未満の場合、排水のろ材に対する接触効率が低下し、排水処理性能が低下する傾向となり好ましくない。また、有効面積が300m2を超える場合、生物接触ろ材をブロック状或いは円柱状に成形した際に、形状を維持し難くなるため好ましくない。
これら開口率や有効面積については、波板状シートの波高さ等を調整することにより制御できる。例えば、波板状シートは平板状シートを波板の金型に填め、熱処理することによって得ることができ、波高さを10〜50mm、波幅を20〜50mm(2〜5波/100mm)とすることにより、上記の所定の範囲に制御することができる。一般に波板状シートの波幅が小さくなるに伴い、生物接触ろ材としては有効面積が大きくなることで排水との接触効率が向上し、また繊維シート自身の補強効果により初期強度は高くなる傾向となるが、本発明の補強材の効果以上に形態保持性などの効果が得られるものではない。
本発明における波板状シートと平板状シートとしては、ともに所定量の活性炭繊維を含有した繊維シートからなることが好ましいが、どちらか一方が活性炭繊維を含まない織編物または不織布からなる繊維シートであっても良い。織編物または不織布の素材としては、ポリイミドやポリエステル等が例示されるが特に限定はされない。また、織編物または不織布からなる繊維シートの厚みとしては0.8〜3.0mm、目付としては10〜100g/m2であることが好ましい。当該織編物等からなる繊維シートの厚みが0.8mm未満の場合、水流等により形状が保持でき難くなり、逆に厚みが3.0mmを超える場合には波板状に成形することが困難になると共に、処理性能も低下する傾向となるため好ましくない。また、当該織編物等からなる繊維シートの目付が10g/m2未満の場合、腰が弱くて別の支持枠等を設置する必要が生じ、逆に当該目付が100g/m2を超える場合には、織編物等の内部での微生物の保持量が抑制されたり、円柱状等への成型自体が困難となったりすることがあるため好ましくない。これら織編物等と補強シートとの接合方法としては、上記のようにバインダー繊維或いは接着剤を介在させた状態で熱処理する方法など挙げられる。
本発明における活性炭繊維シートは、例えば乾式法で得られたものの場合、処理水中で形態が有効に維持され、活性炭繊維シートの内層にも微生物が固定化され微生物による有機物の分解処理を効率的に行なうことができる。特にTOC濃度が20mgC/L程度であるような低有機物濃度の水の処理、例えば半導体工場の排水処理や半導体産業等で用いられる超純水の使用後の回収システム等に組込んで使用するのに好適である。また、有機物濃度がこれより高い観賞魚や養殖魚用水の浄化、水耕栽培水の浄化、食品工場排水、厨房排水、下水など有機物を含む一般排水の処理にも適用することができる。
本発明の生物接触ろ材を用いた水処理方法としては、本発明の生物接触ろ材を使用すること以外は特に限定されるものではなく、通常の装置・設備を用いて、上水、中水、或いは下排水などの有機物を含む水の処理を目的として使用することができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)
活性炭繊維M(ユニチカ社製A−7:比表面積700m2/g)と、芯成分がポリプロピレン、鞘成分がポリエチレンからなるポリオレフィン系バインダー繊維N(大和紡社製 ESC 鞘部融点:80℃)とをパラレルカードを用いて質量比(M/N)が20/80となる不織ウェブを形成させた後、クロスラッパーにより不織ウェブをクロスラップさせ、ニードルパンチ装置により機械的に繊維の三次元交絡を生じさせて一体化した不織ウェブを作製した。引き続き、この不織ウェブを、130℃に温度設定した乾燥機中を通過させ、目付60g/m2 、厚み1.8mmのフェルト状の活性炭繊維シートを作製した。その後、得られたフェルト状活性炭繊維シートに低融点ポリエチレン粉末を1m2 当たり15g分散させ、その上に補強シートとしてポリプロピレンメッシュ(サンアロマー社製PL400A、縦糸間隔×横糸間隔(以下、網目ピッチと略称する):1.8mm×1.8mm、厚み:0.2mm)を配し、130℃で熱処理した後冷却することで、補強シートが接着された活性炭繊維含有の平板状シートを得た。さらに、この平板状シートをシングルフエザーで成型することで、波高さ50mm、波幅50mmの波板状シートを得た。
次いで、上記の平板状シートと波板状シートとを用い、波板状シートの波の稜線部分にEVA系ホットメルト接着剤を塗布して接着剤側を平板状シート上に重ね、熱処理することで、本発明における成型構造体を得た。さらに、この成型構造体を上下方向に数段重ね合わせ、シリコン変性ポリマー系弾性接着剤で接着し一体化させ、続いて、波板状シートがむき出しになっている面に上記と同様にしてさらに平板状シートを接着させることで、実施例1のブロック状生物接触ろ材を得た。(サイズ:400×400×400mm、有効面積:110m2/m3、開口率:98%)
(実施例2)
実施例1における平板状シートに替えて、芯部分がポリエチレンテレフタレート、鞘部分がポリエチレンの芯鞘型複合繊維を使用した目付40g/m2の不織布(ユニチカ社製「エルベス」)である繊維シートの上に補強シートとしてポリプロピレンメッシュ(サンアロマー社製PL400A、網目ピッチ:1.8mm×1.8mm、厚み:0.2mm)を接着させて得られたシートを平板状シートとして用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2のブロック状生物接触ろ材を得た。(サイズ:400×400×400mm、有効面積110m2/m3、開口率98%)
(実施例3)
実施例1における補強シートが接着された活性炭繊維シートに替えて、下記の補強シートが接着された活性炭繊維シートを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例3のブロック状生物接触ろ材を得た。(サイズ:400×400×400mm、有効面積:110m2/m3、開口率:98%)
すなわち、実施例3の補強シートが接着された活性炭繊維シートとしては、実施例1で得られたフェルト状活性炭繊維シートに低融点EVA粉末を1m2 当たり20g分散させ、その上に補強シートとしてポリエチレンメッシュN481(タキロン社製、高密度ポリエチレン製、網目ピッチ:7.5mm×7.5mm、厚み:0.5mm)を配し、110℃で熱処理することで得られた補強シートが接着された活性炭繊維シートを使用した。
(実施例4)
実施例3の波板状シートにおいて、波高さを100mm、波幅を100mmに変更した以外は、実施例3と同様にして実施例4のブロック状生物接触ろ材を得た。(サイズ:400×400×400mm、有効面積:54m2/m3、開口率:99.4%)
(比較例1)
実施例1における補強シートが接着された活性炭繊維シートからなる波板状シートならびに平板状シートに替えて、下記の波板状シートならびに平板状シートを使用する以外は実施例1と同様にして、比較例1のブロック状生物接触ろ材を得た。(サイズ:400×400×400mm、有効面積:110m2/m3、開口率:98%)
すなわち、波板状シートとしては、実施例1の補強シートが接着されていないフェルト状活性炭繊維シートそのものをシングルフエザーで成型し、波高さ50mm、波幅50mmとなる波板が付与された波板状シートを使用した。また、平板状シートとしては、ポリプロピレン不織布(目付40g/m2)に実施例1と同様にして補強シートが接着されたものを使用した。
(比較例2)
実施例1における補強シートが接着された活性炭繊維シートからなる波板状シートならびに平板状シートに替えて、下記の波板状シートおよび平板状シートを使用する以外は実施例1と同様にして、比較例2のブロック状生物接触ろ材を得た。(サイズ:400×400×400mm、有効面積:540m2/m3、開口率:68%)
すなわち、波板状シートとしては、実施例1におけるフェルト状活性炭繊維シートそのものをシングルフエザーで成型し、波高さ10mm、波幅10mmとなる波形状が付与された波板状シートを使用した。また、平板状シートとしては、補強シートが接着されていないポリプロピレン不織布(目付40g/m2)そのものを使用した。
(比較例3)
実施例1における活性炭繊維シートに替えて、ポリプロピレン不織布(目付40g/m2)を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例3のブロック状生物接触ろ材を得た。(サイズ:400×400×400mm、有効面積:110m2/m3、開口率:98%)
(全有機炭素量の処理試験)
次いで、図4に示す生物処理装置を用い、半導体・液晶工場からの排水を対象に想定した全有機炭素量(TOC)の処理試験を高負荷条件下で行なった。すなわち、図4に示す別々の処理槽10にそれぞれ実施例1〜4および比較例1〜3の生物接触ろ材を充填し、エアポンプ9で空気を10mL/秒の割合で吹込んだ。また、被処理水は、イソプロピルアルコールを主成分として含むTOC濃度約50mgC/Lの水であり、これを処理槽10での滞留時間が60分となるように供給した。この結果を、運転時間(経過日数)と、得られた処理水のTOC測定結果との関係として図5および図6に示した。なお、TOC測定は、TOC計(島津製作所社製TOC-VCS
H)を用いて行った。本試験では、試験開始から100日経過後において、TOC濃度が5mgC/L以下(TOC処理率が90%以上)であることをもって合格とする。
その結果、図5から明らかなように、実施例1〜4の生物接触ろ材を用いた場合、処理開始後7から10日後には馴養期間(本試験ではTOC濃度が10mgC/L以下となるまでの期間)が終了し、その後一定して良好な有機物処理性能が発揮された。また、実施例4の生物接触ろ材を用いた場合については、開口率ならびに有効面積が好ましい範囲を超えているため、ろ材と排水との接触効率が低下しTOC濃度が100日経過後一時増加する傾向が見られたが、その後の処理水質も5mgC/L程度を持続できており、総じて良好な処理性能を維持するものであった。
また、実施例1〜4における処理試験終了(100日経過)後の生物接触ろ材を目視で確認したところ、初期の形態ならびに透孔を良好に保持しており、いずれも目詰まりはなかった。これにより、活性炭繊維シートに付着した生物膜の全面に万遍なく排水を接触させ、かつ万遍なく酸素を補給させることができるという本発明の効果が確認できた。
これに対して、図6から明らかなように、比較例1および2の生物接触ろ材を用いた場合、約40日後〜50日後まではTOC濃度が約4mgC/Lで安定していたが、活性炭繊維シートに補強シートが接着されていないため、波板状シートおよび/または平板状シートの強度不足により約50日目を過ぎるころから形が崩れだし、100日をすぎると形態保持できなくなり、TOC濃度が10mgC/L以上となった。
さらに波板状シートと平板状シートとが共に活性炭繊維シートを用いていない比較例3の生物接触ろ材の場合では、微生物との親和性が低いため生物膜の定着が悪く、馴養期間が20日間程度にまで長くなった。また、有機物の処理性能についても、十分な量の生物膜が定着できないため80日経過以降では処理性能が維持できず、顕著に低下が認められた。
(圧縮強度試験)
上記のTOC処理試験を経た後の生物処理ろ材について、下記の方法によって、その強度保持性を測定した。すなわち、上記TOC処理試験において、100日経過後の各生物処理ろ材から試験ピース(110mm×110mm×110mmH)を切り取り純水で洗浄し乾燥させた後、オートグラフを用いて、使用時の縦方向(高さ方向)に20mm/minで圧縮し、それぞれの圧縮強度を測定した。その結果を表1にまとめた。
実施例1〜4および比較例3の生物接触ろ材では、各繊維シートに補強材が接着されているため、TOC処理前後で圧縮強度に大きな差は認められない。一方、比較例1および2の生物接触ろ材の場合では、波高さ×波幅の違いによりTOC処理前の圧縮強度に違いは見られたが、いずれも補強シートが接着されていないため、TOC処理後では自重により形態が崩れており、圧縮強度も処理前の初期強度に比べ大きく低下していた。
これらの結果から、本発明の生物接触ろ材では、特定の活性炭繊維を波板状シートまたは平板上シートの少なくとも一方に所定量含有させることにより、ろ材の馴養期間を短くできると共に、有機物処理性能を継続して効果的に発現させることができることが認められた。また、各繊維シートに補強材がラミネートされることで、得られる生物接触ろ材の形態保持性が良好となり、これにより微生物が目詰まり無く良好に定着させることができ、加えて有機物処理性能を効果的に維持できることが認められた。
本発明における成型構造体の基本構造を示す説明図である。 本発明における補強シートが接着された平板状シートを示す説明図である。 本発明の生物接触ろ材の断面を示す説明図である。 本発明の生物処理装置の一実施態様を示す説明図である。 運転時間(経過日数)と、得られた処理水のTOC測定結果との関係を示すグラフである。 運転時間(経過日数)と、得られた処理水のTOC測定結果との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 波板状シート
2 平板状シート
3 透孔
4 繊維シート
5 補強シートの縦糸
6 補強シートの横糸
7 積層された成型構造体の断面
8 処理水タンク
9 送液ポンプ
10 エアポンプ
11 処理槽

Claims (4)

  1. 波板状シートと平板状シートとが重ね合わせて接合され、両シート間に透孔が形成されてなる成型構造体から構成されるろ材であって、上記波板状シートおよび平板状シートのいずれもが、繊維シートに網状の補強シートが積層かつ接着されてなり、上記波板状シートまたは平板状シートの少なくとも一方における繊維シートが、活性炭繊維を5〜95質量%含有していることを特徴とする生物接触ろ材。
  2. 上記網状の補強シートは、合成樹脂からなり、厚みが0.1〜3.0mmであり、縦、横、共に1〜30mmの網目間隔を有しているものであることを特徴とする請求項1記載の生物接触ろ材。
  3. 上記透孔の開口率が80〜99%であり、ろ材容積1m3あたりの有効面積が70〜300m2であることを特徴とする請求項1または2記載の生物接触ろ材。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の生物接触ろ材を用いることを特徴とする水処理方法。
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