以下、本発明の実施例を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
<全体の構成>
図1は、本発明の一実施例に係るスロットマシン100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転できるように構成されている。本体201の両サイドには、取手部201cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110〜112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施例では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施例ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施例では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
メダル投入ボタン131、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施例では、最大メダル投入ボタン131(いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、3つのストップボタン136a〜136cが設けられている。各ストップボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。136aを操作することによって左リール110が、136bを操作することによって中リール111が、136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各ストップボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各ストップボタンのランプは各ストップボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。本実施例では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
遮蔽機構付表示装置は、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができる。概略的には、中央に表示手段たるLCD600が設けられており、LCD600の表示領域の前面に遮蔽機構1000が設けられている。
遮蔽機構1000は、左右に開く一対の扉部材1010と、この扉部材1010を直線往復動作させるための駆動手段とで構成されている。駆動手段は、扉部材1010に設けられた図示していないラック&ピニオン機構と、このラック&ピニオン機構を駆動するモーターM、Mとで構成されている。この遮蔽機構1000は、LCD600の画面をそれぞれが半分づつ遮るまで移動させることができる。なお、モーターMには、ステッピングモーターが用いられている。このため可動範囲以内であれば、いずれか一方の扉部材1010を任意の停止位置および速度で動作させることができる。
上部ランプ190の近傍の左右にスピーカーの音孔(図示せず)を設けている。また、ストップボタンユニット136の直下に背面スピーカーからの効果音を出力するための音孔が設けられている。背面スピーカーの音孔には、装飾が施されたスピーカーカバー173が装着され、ここから遊技の効果音が出力される。
<制御ブロック>
次に、図4を参照して、スロットマシン100の制御部の構成について詳述する。本実施例における制御部は、全体を制御する主制御部300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部400と、LCD600を制御するLCD表示制御部500とで構成されている。
<主制御部300>
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡しが行われる。
乱数発生器311は、内部抽選等に用いられる乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器およびラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入ブロック134の投入口より投入されたメダルを検知するメダルセンサ320、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、ストップボタンのいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ322、メダル投入ボタン131,132のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ323が接続されている。
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、各種制御データ等を記憶する記憶手段の一つである。MainCPU310は、バス370を介して、プログラムや、各種制御データ等を読み込む。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、バス370を介して、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
また、リール110〜112の回転と停止を行うモーターM1、M2、M3を制御するモーター制御部331、および、メダル払出装置(いわゆるホッパー:図示省略)を制御するホッパー制御部332が、入出力インターフェース330およびバス370を介してMainCPU310に接続されている。
表示用ランプ・表示器類341とは、図1で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器126、遊技回数表示器127等の各種表示器をまとめて表したもので、出力インターフェース340およびバス370を介してMainCPU310に接続され制御される。
出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンドを副制御部400の入力インターフェース430へ送信する。コマンドには、例えば、メダルが投入されたことを示すコマンド、スタートレバー135が操作されたことを示すコマンド、押されたストップボタンを示すコマンド、演出の内容(バックライト、上部ランプ、音声出力、LCD表示装置等による演出の内容)を規定したコマンド等がある。
<副制御部400>
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース430およびバス470を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。
ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
バックライト421は、リールの絵柄を照らす発光手段で、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用発光表示部422は、上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158、受け皿ランプをまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。バックライト421および演出用発光表示部422は、出力インターフェース420、バス470を介してSubCPU410と接続されている。
楽音信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御データに基づいて、楽音信号を形成して出力する。この楽音信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカー(具体的には上部スピーカーおよび背面スピーカー)462から音として出力される。
出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データをLCD表示制御部500へ送信する。この制御データに基づいて、LCD表示制御部500は、LCD600を表示制御する。LCD表示制御部500については後述する。
<LCD表示制御部>
LCD・扉制御用SubCPU510は、副制御部400から送信された各種コマンドを入出力インターフェース530を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じてモーター制御部560へ制御パルスを出力して遮蔽機構1000を制御し、VDP制御用SubCPU520へは画像パターンコマンドを送信し、LCD600の表示制御を行う。
ROM511は、LCD・扉制御用SubCPU510の制御プログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。
VDP制御用SubCPU520は、LCD・扉制御用SubCPU510からの画像パターンコマンドから画像データを特定し、LCD600に表示させるべき画像データをビデオ・ディスプレイ・プロセッサー(以降VDP)550へ指示する。
VDP550は、指定された画像データを外部接続されたROM552から読み込んで描画処理を行うと共にRGB信号に変換してLCD600に表示を行わせる。
モーター制御部560は、LCD・扉制御用SubCPU510からの制御パルスに基づいてモーター駆動パルスを出力することで、遮蔽機構1000のモーターM、Mの制御を行う。
前記したような主制御部300、副制御部400、LCD600を制御するLCD表示制御部500などは、図4に示すように、機能別に分割され個別の回路基板に実装されている。そして、各回路基板は、後述する基板収納ケースに各々分割されて収納されている。
<本体内部構造>
次に、本実施例のスロットマシン100の内部構成について説明する。
図2は、前面扉101を開いた状態にあるスロットマシン100の斜視図であり、図3は、前面扉101を外した状態にあるスロットマシン100の正面図であり、共にスロットマシン100の内部構成を示している。
本体201は、キャビネット210内に、基板収納ケースとして、後述する主基板ケース700および第1複合基板ケース710、第2複合基板ケース720が配設されている。また、キャビネット210内には、リールユニット220、電源ボックス230、メダル払出装置240、中央スピーカユニット等が配設されている。
ここで、電源ボックス230は、キャビネット210の背面の壁面に装着された金属製のケース内にスロットマシン100の各駆動部や制御部へ必要な電力を供給するための電源基板(図示せず)を収納している。また、電源ボックス230の電源スイッチ232、すなわちスロットマシン100の電源スイッチ232は、本実施例ではリールユニット固定板218の下部に別体で固定されている。これは、電源スイッチ232が操作し易いよう配慮してのことである。そして、この電源スイッチ232は、つまみを上に向けると、オン状態になり、つまみを戻すとオフ状態になる。尚、電源ボックス230の上端部には、コネクタを接続可能な受け口(図示せず)が複数個設けられている。受け口から接続ケーブルを介して、電力を各部に供給する。
また、メダル払出装置240は、メダルを払い出すための装置(いわゆるホッパー)である。メダル払出装置240は、DCモーターで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すとともにメダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体と、払出装置本体にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するタンクとで構成されている。メダル払出装置240の横には、補助タンク250が置かれている。メダル払出装置240がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、補助タンク250内に蓄積される。
一方、前面扉101側には、基板収納ケースとして、第3複合基板ケース730が配設されると共に、LCD600により構成した表示ユニットや、遮蔽機構1000を構成する左シヤッターユニットや右シヤッターユニット等を配設している。
キャビネット210は、上部に排気口210aと下部に吸気口201bを有する木製の箱体である(図3参照)。キャビネット210内壁には、右側、左側、背面の各壁面にフレームグラウンド板が設けられている。フレームグラウンド板は、互いに電気的に接続され、キャビネット210内に配設された各装置のフレームグラウンドが接続される。これにより各装置のフレームグラウンドを同電位にするのと同時に、キャビネット内の各装置を静電気や電波と言った外部ノイズから保護することができる。キャビネット210内には、リールユニット220を在置するためのリールユニット固定板218が設けられている。リールユニット固定板218もフレームグウランド板に電気的に接続されている。
リールユニット220は、樹脂製のケース内にステッピングモータで駆動されるリール110〜112を個別に着脱可能に取り付けられている。樹脂ケースの上面には、他の制御部と接続するための中継基板221が装着されている。リールユニット220は、樹脂ケースで3本のリール110〜112をユニット化し、着脱を容易に行えるように構成している。
前記したリールユニット220の上方には、基板収納ケースとして主基板ケース700を配設する。この主基板ケース700は、キャビネット210内の背面上部に取り付けられている透明な樹脂ケースで、内部空間にスロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板503を収納している。
また、前記リールユニット220の右側(図3において、即ちスロットマシン100に向って右側)には、基板収納ケースとして第1複合基板ケース710が配設してある。この第1複合基板ケース710には、モータ制御部331を構成する左モータ制御基板331−L、中モータ制御基板331−C、右モータ制御基板331−Rを収納する。また、この第1複合基板ケース710には、主制御基板503とメダル払出装置240との配線、主制御基板503と前記メダル払出装置240がメダルから流れ落ちるメダルを蓄積する補助タンク250を監視するための補助タンク監視基板251との配線、主制御基板503と後述する設定キースイッチ750との配線を、中継する中継基板761、更に主制御基板503と外部機器(例えば、遊技店の管理装置)との配線を中継する外部集中端子板762と、を収納してある。
また、前記リールユニット220の左側には、基板収納ケースとして第2複合基板ケース720が配設してある。この第2複合基板ケース720には、楽音信号形成部460やアンプ461等形成した効果音制御基板763や、副制御部400を構成する副制御基板270を収納する。この副制御基板270は、効果音、演出用ランプ、リールバックランプ、演出表示部等で実行される演出を制御する副制御部400を構成する電気部品を実装した制御基板である。そして、この副制御基板270は、主制御基板503の送信する制御コマンドに従って演出を制御する。
一方、前面扉101の裏面側には、基板収納ケースとして第3複合基板ケース730が配設してある。この第3複合基板ケース730には、遮蔽機構1000の扉部材1010の駆動源を構成する左モータ制御基板764および右モータ制御基板765を収納する。そして、両モータ制御基板764,765には、左右の扉部材1010を含む左シヤッターユニット787および右シヤッターユニット788が接続される。
また、この第3複合基板ケース730には、上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158等からなる各照明ユニット784の点灯/点滅/消灯を制御する照明制御基板766、LCD600等を含むLCDユニット785を制御するLCD制御基板767、並びに副中継基板768が収納してある。
更に、前面扉101には、扉中継基板769が設けられている。この扉中継基板769は、前面扉101に設けたストップボタンユニット136、最大メダル投入ボタン131および1枚メダル投入ボタン132とを備えるベットボタンユニット781、精算ボタン138、スタートレバーセンサ321、不正なメダルを排除するためのメダルセレクタユニット782、各制御基板が誤動作等を起こした場合に正常状態に復帰させるためのリセットスイッチ783と、前記した主制御基板503との接続を中継している。
次に、基板収納ケースとしての第1複合基板ケース710について詳細に説明する。この第1複合基板ケース710は、図6〜8に示すように、第1のカバー部材(以下、上カバー711ということがある。)と、第2のカバー部材(以下、下カバー712ということがある。)とを、組み合わせて構成したものであって、内部に空間Pが形成される。
そこで、図面に示す実施例では、上カバー711は蓋板部7111の周縁に起立片7112を備え、この蓋板部7111には第1隆起部7113が設けてあり、この第1隆起部7113には設定キースイッチ750を収設するための第2隆起部7114が更に設けてある。そして、この第2隆起部7114が、後述する設定キースイッチ収納部713となる。
また、前記起立片7112の適所には、下カバー712と組み合わせる組合手段が設けてあり、この組合手段は結合部714とヒンジ部715とからなる。即ち、組合手段の結合部714は、例えば、図7に示した上カバー711の右側に位置している起立片7112の途中2箇所に、先端に連結係止爪7115′を有する連結係止片7115を設け、この連結係止片7115を後述する下カバー712側に設けた連結係止孔7122に係止させることにより構成している。一方、組合手段のヒンジ部715は、図7では図示していないが、上カバー711の左側に位置している起立片7112の途中2箇所に設けた連結係合片と、この連結係合片に対応して後述する下カバー712の立上り片7121に設けた連結係合孔7124とを、回動自在に嵌合させることより構成している。
一方、下カバー712は、底板部7123の周縁に立上り片7121を備え、前記上カバー711の起立片7112と嵌合して、底板部7123と前記上カバー711の蓋板部7111との間に空間Pを形成する。また、立上り片7121の適所には、前記したように、上カバー711に設けた連結係止片7115を受け入れて連結係止爪7115′が係止することにより、上カバー711と下カバー712とを組み付ける組合手段の結合部714を構成している。また、下カバー712の立上り片7121の適所には、前記したように、上カバー711の連結係合片に対応する連結係合孔7124を設け、これらの連結係合片および連結係合孔7124により、組合手段のヒンジ部715を構成している。
上カバー711および下カバー712には、組み合わせたときに一体となる案内部716が、対向する短辺側に突設してある。この案内部716には、案内孔717が開設してあり、この案内孔717に、後述する封印手段を装着することにより、基板収納ケースを無闇に開放できなくしている。尚、図示の実施例では、案内部716を一方の短辺部分の1箇所に設けているが、更に多くの封印手段を設けてもよい。
第1複合基板ケース710を形成する上カバー711および下カバー712には、当該第1複合基板ケース710をキャビネット201に取り付けるための取付部718が突設してある。即ち、例えば図7に示すように、上カバー711および下カバー712における上下辺に、ほゞU字状の取付部718を設けてある。そして、この取付部718の取付孔にネジ等の止着具を通してキャビネット201に固定する。
第1複合基板ケース710には、例えば設定した遊技確率の変更を許可するための設定キースイッチ750を収納するための設定キースイッチ収納部713を設ける。この設定キースイッチ収納部713は、上カバー711の第1隆起部7113を更に膨出させて形成した第2隆起部7114と、下カバー712の側縁から延出するベース片7125と、カバー部材としてベース片7125の前面に開閉可能に臨ませたスイッチカバー719とからなる。
この設定キースイッチ750は、いわゆるキースイッチであり、キー孔751に所定のキーを挿入して、時計回りに90度回転させるとオン状態となり、設定の変更が可能になり、キーを戻して初期状態にするとオフ状態になる。
スイッチカバー719は、下縁側を下カバー712に軸着されていると共に、付勢バネ7191によって閉止方向に付勢されている(図8参照)。このため、通常の状態では、スイッチカバー719がベース片7125の前面を覆い、言い換えると、設定キースイッチ750を隠している。
ところで、この設定キースイッチ750は、外部から制御基板を操作するための外部入力スイッチである。即ち、外部入力スイッチは、操作部であるキー(図示せず)が外部に露出した状態で、回路基板が収納される。
また、前記したように、スイッチカバー719を設ける場合には、外部入力スイッチの入力部であるキーを差し込むキー孔751を、スイッチカバー719が覆ってしまい、操作ができなくなる。従って、遊技者等に悪戯をされることがなくなり、安全性が著しく向上する。
第1複合基板ケース710の内部空間Pには、複数の回路基板を収納する。この収納する回路基板は、例えば、図7に示すように、各リール110〜112に対応して設けたモータM1,M2,M3を制御するための3枚のモータ制御基板、即ち、左モータ制御基板331−L、中モータ制御基板331−C、右モータ制御基板331−Rと、設定キースイッチ750、メダル払出装置240、補助タンク250と、主制御基板503との中継を行なう中継基板761と、外部集中端子板762と、を収納する。
そこで、第1複合基板ケース710の下カバー712の底板部7123には、収納する各回路基板の位置決めをしたり、各回路基板を固定するためのボス或いは支柱が、適宜な位置に設けてある。
第1複合基板ケース710に収納する各モータ制御基板331−L,C,Rには、リール110〜112に各々設けたモータM1,M2,M3と接続するための接続端子と、主制御基板503と接続するための接続端子とが設けてある。
同じく第1複合基板ケース710に収納する中継基板761には、メダル払出装置240と接続するための接続端子、設定キースイッチ750と接続するための接続端子、補助タンク250と接続するための接続端子、が設けられている。また、この中継基板761には、主制御基板503と接続するための接続端子が設けてある。
同じく第1複合基板ケース710に収納する外部集中端子板762には、遊技店のホールコンピュータと種々のデータを送受するための信号線を接続する接続端子が設けてある。また、この接続端子は、上カバー711部に設けた凹部から、基板ケースの外部に露出可能であって、信号線との着脱が可能である。更に、各信号線毎にLED等よりなるモニタランプを設けるとよい。そして、この外部集中端子板762から出力される遊技情報は、ホールコンピュータに送られて集計される。
このように、回路基板を機能毎に分割し、分割した回路基板を一括して複合基板ケースに収納すれば、いずれかの回路基板に故障が発生した場合には、故障が発生した回路基板のみを交換することができる。従って、正常に作動する回路基板までも、故障した回路基板と一緒に交換する必要がなく、故障時の交換負担が少ない基板収納ケースを提供可能である。また、複数の回路基板を一つの複合基板ケースに収納することで、交換を含めて取り扱いが容易になると共に、不正遊技対策等の管理面も容易になり、回路基板を安全かつ確実に保守管理することができる。
図9は、本発明の他の実施例を示す複合基板ケースの分解斜視図である。この実施例では、複合基板ケースの内部空間に収納する回路基板を、2種類としたものである。即ち、前記した図7に示した実施例における各モータ制御基板331−L,C,Rと中継基板761とを統合して1枚のモータ制御兼中継基板741と、外部集中端子板762とを、前記した実施例と同様に第1複合基板ケース710に収納したものである。ここで、モータを制御するための基板と配線を中継するための基板とは直接関連がない、言い換えると、直接接続する必要のない回路基板である。このため、故障して一方の機能が失われたとしても、互いに影響を受けることがない。
この実施例における複合基板ケースの構造は、前記した実施例における第1複合基板ケース710と同様の構造であるので、同じ符号を付して説明を省略する。また、第2複合基板ケース720および第3複合基板ケース730は、第1複合基板ケース710と、設定キースイッチ収納部713を除いてほゞ同様の構造なので、説明を省略する。
上カバー711の案内部716と下カバー712の案内部716とを組み合わせて形成する案内部716が備える案内孔717には、封印手段を装着することにより、上カバー711と下カバー712とを無闇に分離できないようにする。封印手段は、例えば図6に示すように、市販の南京錠810であって、図示していないキーを鍵穴に差し込んで回動させることにより、ロック部811を開放し、開放したロック部811を、案内孔717に挿通し、再びロック部811を嵌着してキーを引き抜く。
このようにすれば、キーを持っていない者は、南京錠810を解錠することができない。従って、南京錠810からなる封印手段により封印した第1複合基板ケース710は、上カバー711と下カバー712とを分離することができないので、内部に収納した回路基板に対して不正な改造を加える等の不正行為を未然に防止することができる。
図10は、案内部716の案内孔717の形状を変更可能に形成して、様々な封印手段に対応可能にした実施例を示す要部の説明図である。即ち、案内部716に案内孔717を形成する際に、容易に切断或いは除去可能な変更部を設けておくのである。
例えば、図示の実施例では、変更部として薄肉部820を設け、この薄肉部820に矩形の小案内孔821を開設する。この小案内孔821には、細い所謂ワンウエイの結束部材823を挿通して、一方へ引き締めることにより上カバー711および下カバー712を封印するのである。このようにすれば、結束部材823が細くても、小案内孔821の周りに周りに遊びが少ないので、上カバー711と下カバー712との組み合わせが弛むことがない。
次に、前記薄肉部820を切断除去すると、円筒形に突出するリブ部830が残り、このリブ部830の中に中案内孔831が形成される。そこで、この中案内孔831にワイヤ832を通し、該ワイヤ832の両端をカシメ金具833によりかしめて封印する。このようにすれば、結束部材823よりも太いワイヤ832を利用して封印することができるため、切断され難くなりより安全に複合基板ケースを封印可能である。
更に、円筒形のリブ部830を支えている支持部840を切断して、このリブ部830を除去してしまうと、比較的大きな大案内孔841が案内部716に残ることになる。そこで、この大案内孔841に、前記した実施例と同様に、南京錠810のロック部811を挿通して施錠すれば、上カバー711と下カバー712とを封印することができる。
このように、形状を変形可能な案内孔を設けておけば、当該案内孔と封印手段との間に大きな隙間を生じることがない。従って、この実施例によれば、種々の封印手段を利用可能となり、遊技店が任意の封印手段を使用でき、遊技店独自の防犯対策が可能になる。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。